JP2006061042A - 移植用ポット - Google Patents

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Abstract

【課題】 移植用ポットにおいて、地面に埋設する際に、容易に埋設できるようにする。
【解決手段】 上側に開口1dを有し、少なくとも底部が略錐体状とされ、底部および側部の外表面に底部から開口1dに向けて延びるスクリューフィン1aを形成する。特に、スクリューフィン1aを螺旋状に形成すると、地面にねじ込んで埋設することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、地面に埋設可能な移植用ポットに関する。
従来、地面に埋設可能な植木鉢からなる移植用ポットが知られており、植物の移植作業の簡素化に役立っている。
例えば、特許文献1には、上部をハンマー等でたたいて地面に打ち込むのに適した強度と、尖った下部とを有する円錐状、角錐状、柱状体を斜めに切断したような形状の育苗ポットが記載されている。また、この育苗ポットを生分解プラスチックで形成することが記載されている。
特開平11−229385号公報(第2−4頁、図1)
しかしながら、上記のような従来の移植用ポットには、以下のような問題があった。
特許文献1に記載の技術では、尖った下部を有する円錐状、角錐状、柱状体を斜めに切断したような形状などとしているため、尖った下部でのみ地面を押し開くことになる。そのため、上部をハンマー等でたたく必要があった。
このように、移植作業にハンマー等の道具や大きな力を要するため、一般家庭などでは使いにくいという問題がある。また、ハンマー等でたたかれても破損しない強度を持たせるため大型化するという問題がある。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであって、地面に埋設する際に、容易に埋設できる移植用ポットを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、植物を鉢植えし該植物とともに地面に埋設するための移植用ポットであって、上側に開口を有し、少なくとも底部が略錐体状とされ、該底部および側部の外表面に前記底部から前記開口に向けて延びるフィン状突起が設けられた構成とする。
この発明によれば、底部が略錐体状とされ、底部から開口に向けて底部および側部の外表面にフィン状突起が設けられているので、移植用ポットを埋設する際、底部側から押し込むことにより、略錐体状の底部で地面を先端側から押し開くとともに、フィン状突起の尖端から側方に向けて地面を押し開くことができるので、軽荷重でも容易に地面に押し込むことができる。また底部のフィン状突起で形成された地面の亀裂に沿って後続のフィン状突起が押し込まれるため、円滑に押し込んでいくことができる。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の移植用ポットにおいて、前記フィン状突起が、地面へのねじ込みが可能な螺旋状に形成された構成とする。
この発明によれば、フィン状突起が、地面へのねじ込みが可能な螺旋状に形成されているので、移植用ポットをねじ込んで螺進させることで、押し込むために用具などを用いることなく、より軽荷重での埋設を行うことができる。
請求項3に記載の発明では、請求項2に記載の移植用ポットにおいて、前記上側の開口の近傍に、回転力を付勢するためのハンドル部を設けた構成とする。
この発明によれば、ハンドル部を設けることにより、回転力を付勢しやすくなり、埋設の作業性が向上する。
請求項4に記載の発明では、請求項1〜3のいずれかに記載の移植用ポットにおいて、圧縮成形された木材で構成する。
この発明によれば、圧縮成形された木材により、高強度が得られるので、フィン状突起を容易に形成でき、薄肉に成形することが可能となる。そのため、埋設後に自然に腐食しやすい移植用ポットとすることができる。
本発明の移植用ポットによれば、フィン状突起で、底部および側部に沿って側方に地面を押し開くことができ、軽荷重での埋設が可能となるから、容易かつ効率的な埋設作業を行うことができるという効果を奏する。
以下では、本発明の実施の形態の詳細について添付図面を参照して説明する。すべての図面において、実施形態が異なる場合であっても、同一または相当する部材には同一の符号を付し、共通する説明は省略する。
本発明の実施形態に係る移植用ポットについて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る移植用ポットについて説明するための斜視説明図である。図2は、図1における移植用ポットのA−A断面図である。
本実施形態の移植用ポット1は、図1に示すように、開口1dから内部に土2を詰め、例えば苗木3などの植物を鉢植えして育て、生長後、地面へ一緒に埋設することで移植できるようにしたものである。その形状は、開口1dを取り巻いて水平方向に延びる開口部フランジ1cの下方に、略円錐状に突出する側部および底部が形成され、その外表面に螺旋ねじ状のスクリューフィン1a(フィン状突起)が設けられている。底部の先端部は、円錐形状とされている。
そして、開口部フランジ1cの径方向外側に、手で握って押し回しするための一対のハンドル1b(ハンドル部)が水平方向に突出されている。
スクリューフィン1aの断面形状は、図2に示すような形状とされている。このような形状は、例えば、1枚の木材シートを金型により圧縮成形することで形成可能である。木材シートの材質は圧縮成形できれば、どのような木材でもよいが、例えば、檜、檜葉、桐、チーク、マホガニー、杉、松、桜、竹等が挙げられる。また、ムクの木材だけではなく、廃材チップや木粉等を集めて固めた圧縮加工材料のような木質材を使用することも可能である。
開口1dの大きさや、各部の板厚などは、必要に応じて適宜の値とすることができるが、圧縮成形を行っているため、一例として、開口1dが直径10〜15cmで、スクリューフィン1a部の板厚が1mmといった寸法を採用できる。なお、木材シートの圧縮率は、木材の材質や、スクリューフィン1aの形状、必要な強度により適宜設定することができる。
移植用ポット1は、例えば、次のようにして製造することができる。
図3は、本発明の実施形態に係る移植用ポットの製造方法を説明するための模式断面図である。
まず、圧縮率を考慮して切り出された薄肉の木材シートに、高温高圧水蒸気を噴射して高温水を十分に含浸させ、木質繊維を柔軟化する。そして、図3に示すように、キャビティ側金型として、スクリューフィンの外形などを成形する金型5と、コア側金型として、スクリューフィンの内周部を成形する金型4および金型4を回転抜き可能に保持するコア金型本体(不図示)を用いて圧縮成形する。
圧縮後、金型形状が永久固定されるまで、所定時間、昇温状態のまま型締めを行う。そして、水分を乾燥させてから、金型4を回転抜きして、脱型する。
なお、圧縮、脱型をより容易に行うために、金型5は、図示左右方向にスライド可能な分割型としてもよい。
このような移植用ポット1によれば、図1に示すように、開口1dから土2を詰めて、移植用ポット1の内部に充填することで、苗木3を鉢植えすることができる。
土2は、このようにスクリューフィン1aの裏側に充填されることにより、スクリューフィン1aの内側への変形を抑制する作用を有し、外表面からスクリューフィン1aに加わる外力に抗する補強材となっている。
そして、例えばハンドル1bを手に持つなどして、移植用ポット1の底部から地面に押し込みつつ、回転させることで、地面にねじ込むことができる。
底部が円錐形とされるので、下方の地面を押し開くことができ、スクリューフィン1aのフィン先端部で地面を側方に押し開くことができるから、回転力が付勢されることで、地中方向に螺進して、埋設することが可能となる。
このため、予め地面に大きな穴を掘って、土を埋め戻すといった埋設作業を省略することができ、埋設のために特別な用具も必要としないので、簡単に埋設することができる。その結果、誰にでも使いやすいものとなり、例えば、家庭園芸用などにも好適な移植用ポットとなる。
回転力は、地面の固さや移植用ポット1の大きさなどに応じて、適宜、スクリューフィン1aのリード角、ねじ山の角の大きさを設定したり、ハンドル1bの回転半径を変えたりすることで対応できる。
移植用ポット1は、木材でできているので、埋設後、地中の水分が浸透し、経時的に腐食され、地中の微生物などにより有機物に分解される。したがって、埋設したままでも環境に悪影響を与えることない。また、分解された成分は、苗木3の養分となって吸収される。
なお、スクリューフィン1aは、ある程度以上のねじ込みトルクが発生する場合に、根本で折れるような強度とすることが好ましい。例えば、ねじ込みが進んで、開口部フランジ1cが地面に密着した状態となると、埋設が終了するが、さらに回転力を付勢すると、それ以上螺進できないため、スクリューフィン1aに加わる負荷が急増する。このときの荷重でスクリューフィン1aが破損するように設計することで、埋設終了後に、スクリューフィン1aを破損させることができる。この場合、スクリューフィン1aの破損により、移植用ポット1に亀裂が入ったり、断片化したりすることで、根の生長が容易となるとともに、移植用ポット1全体の腐食を促進できるという利点がある。
次の本実施形態の第1変形例について説明する。
図4は、本発明の実施形態の第1変形例について説明するための断面説明図である。
本変形例の移植用ポット6は、図4に示すように、移植用ポット1のスクリューフィン1aに代えて、その断面が三角形の中実フィン形状とされたスクリューフィン6a(フィン状突起)を備え、土2を盛る内周側を円錐形状とした例である。
移植用ポット6は、木材を概略このような立体形状に荒削りしてから、圧縮成形するか、木材チップ、木粉などを圧縮することにより製造することができる。
本変形例によれば、上記実施形態に比べて、ねじ山の角が小さい、フィン先端部が鋭利な形状でも容易に成形できるので、より固い地面でもねじ込みやすいものとすることができるという利点がある。
次に、本実施形態の第2変形例について説明する。
図5(a)、(b)は、本発明の実施形態の第2変形例について説明するための正面説明図および平面説明図である。
本変形例の移植用ポット7は、移植用ポット1のスクリューフィン1a、開口部フランジ1cに代えて、4つのストレートフィン7a(フィン状突起)、開口部フランジ7cを備え、円錐状の側部7eに水抜き孔7f…を設けた例である。
ストレートフィン7aは、図5(a)、(b)に示すように、底部から開口7dにかけて上下方向にまっすぐ延ばされた断面V字状のフィンであり、平面視で、例えば十字をなす4箇所の位置にそれぞれ設けられている。
開口部フランジ7cは、開口7dから水平方向に延ばされ、平面視矩形状とされている。
水抜き孔7fは、土2を盛ったときに土2の水分を適宜排出できるようにするためのものである。ただし、地面に埋設した後に、根が生長しやすくなったり、木材の腐食が進行しやすくなったりするという利点もある。
本変形例によれば、ストレートフィン7aが上下方向に延ばされているので、地中に上から押し込むことにより埋設できる。その際、先端の円錐形状により地面を押し開くとともに、複数のストレートフィン7aにより側部からも地面を押し開いていくので、埋設が容易となる。この場合、ストレートフィン7aの本数を増やしたり、フィン断面の先端の頂角を小さな角度にしたりすることで、より容易に埋設することができる。
次に、本実施形態の第3変形例について説明する。
図6(a)、(b)は、本発明の実施形態の第3変形例について説明するための正面説明図および平面説明図である。
本変形例の移植用ポット8は、第2変形例の移植用ポット7のそれぞれのストレートフィン7aに代えて、ねじりフィン8a(フィン状突起)を備える。
ねじりフィン8a…は、ストレートフィン7a…を同一方向にねじり角を与えて、ねじ込み可能な螺旋状に形成したものである。
これにより、回転力を付勢することで、多条ねじとしてねじ込んでいくことができるから、容易に埋設できる。
その際、上記実施形態と同様にして、ハンドル部を開口部フランジ7cに成形してもよいが、開口部フランジ7cを矩形とすることにより、コ字状の開口または矩形孔を有するスパナ、レンチ状の治具を装着してハンドル部の代わりとしてもよい。そうすれば、より小型の移植用ポットとすることができる。
次に、本実施形態の第4変形例について説明する。
図7(a)、(b)は、本発明の実施形態の第4変形例について説明するための斜視説明図である。
本変形例の移植用ポット9は、移植用ポット1のハンドル1bに代えて、4本の脚部9b(ハンドル部)を備える。
脚部9b…は、移植用ポット1のハンドル1bを下方に折り曲げて延ばしたもので、先端は底部よりわずか下方で揃えられている。そのため、移植用ポット9を適宜の平面上に安定して配置できるようになっている。そして、埋設時は、各脚部9bを上方に曲げることで、回転力を付勢するためのハンドルとして用いることができるようになっている。また埋設終了後は、さらに反対側に曲げて、折ってしまうことで、開口部フランジ1cから外すことができる。
このため、配置に好都合で、ハンドル部が場所をとらないコンパクトな移植用ポットとなっているものである。
なお、上記の実施形態および変形例の各特徴部分は、可能であれば、それぞれ自由に組み合わせて用いてもよい。
また、上記の説明では、主として、移植用ポットの底部の円錐形状およびフィン状突起により地面を押し開いて埋設するとしたが、より容易に埋設するために、予め埋設部を開墾したり、小さな穴、くぼみなどを設けるなどして、移植用ポットを押し込んだり、ねじ込んだりしやすいような処理を施しておいてもよいことは言うまでもない。
また、上記の説明では、いずれも、側部と底部とが略円錐状の形状を有する例で説明したが、先端が地面に押し込みやすい形状であれば、他の形状であってもよい。例えば、側部が円筒状で底部が円錐状であったり、底部と側部とが紡錘状であったりしてもよい。
また、フィン状突起を螺旋状にしない場合、底部、もしくは底部を含む全体が多角錐状でもよい。
また、フィン状突起を螺旋状とする場合でも、ねじ込みに支障がないならば、多角錐状であってもよい。
なお、上記実施形態では、図3のように単体の移植用ポットを成形する場合を示したが、一回の成形で多数個の移植用ポットを同時に成形し、その後、分離するようにしてもよい。
また、上記の説明では、移植用ポットの材料として、圧縮成形された木材の例で説明したが、フィン状突起が成形できれば、適宜の成形材料を用いることができる。例えば、生分解プラスチックや再生パルプなど、地中で分解可能な他の材料を用いてもよい。
また、移植用ポットは、成形後、必要に応じて、表面処理などを行ってもよい。例えば、肥料分や栄養素を木材に含浸させる処理などを行うことができる。
本発明の実施形態に係る移植用ポットについて説明するための斜視説明図である。 図1における移植用ポットのA−A断面図である。 本発明の実施形態に係る移植用ポットの製造方法を説明するための模式断面図である。 本発明の実施形態の第1変形例について説明するための断面説明図である。 本発明の実施形態の第2変形例について説明するための正面説明図および平面説明図である。 本発明の実施形態の第3変形例について説明するための正面説明図および平面説明図である。 本発明の実施形態の第4変形例について説明するための斜視説明図である。
符号の説明
1、6、7、8、9 移植用ポット
1a、6a スクリューフィン(フィン状突起)
1b ハンドル(ハンドル部)
1c、7c 開口部フランジ
1d、7d 開口
2 土
3 苗木(植物)
7a ストレートフィン(フィン状突起)
7f 水抜き孔
8a ねじりフィン(フィン状突起)
9b 脚部(ハンドル部)

Claims (4)

  1. 植物を鉢植えし該植物とともに地面に埋設するための移植用ポットであって、
    上側に開口を有し、少なくとも底部が略錐体状とされ、該底部および側部の外表面に前記底部から前記開口に向けて延びるフィン状突起が形成されたことを特徴とする移植用ポット。
  2. 前記フィン状突起が、地面へのねじ込みが可能な螺旋状に形成されたことを特徴とする請求項1に記載の移植用ポット。
  3. 前記上側の開口の近傍に、回転力を付勢するためのハンドル部を設けたことを特徴とする請求項2に記載の移植用ポット。
  4. 圧縮成形された木材で構成されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の移植用ポット。
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