JP2006059554A - 燃料電池およびその運転方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 停止期間が長い場合でも燃料電池の電極内を水素雰囲気に保ち、安定した発電性能を保持できる燃料電池を得るものである。
【解決手段】 単セルが積層されたスタックの両端の酸化剤電極と燃料電極との間に抵抗を接続し、スタック内の少なくともひとつの電解質膜に補助電極を設け、この補助電極が設けられた電解質膜に接する酸化剤電極あるいは燃料電極の少なくともいずれかと補助電極との間に外部電源を接続し、この外部電源から電圧を印加して燃料電池を保管するものである。
【選択図】 図3

Description

この発明は、電気化学的な反応を利用して発電する、例えば固体高分子形燃料電池などにおける、燃料電池の運転方法に関するものである。
従来の固体高分子形燃料電池においては、停止中の触媒の劣化を防ぐために、停止時には、酸化剤電極の酸化剤ガスの供給を停止した状態で発電を継続し、酸化剤電極の酸素を消費させている。さらに保管時には、酸化剤電極を、水素を含む燃料ガスでパージするとともに、燃料電極に燃料ガスを供給した状態で、酸化剤電極と燃料電極との間に電圧を印加して電気化学反応により酸化剤電極に水素を発生させ、両方の電極を水素雰囲気にした状態で、電圧の印加を停止している(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−93448号公報(第2−3頁、図1)
従来の固体高分子形燃料電池では、両方の電極を水素雰囲気にした状態で保管しているが、停止期間が長い場合には、電極内の水素が拡散により消失し、配管の継ぎ目などを通して大気が侵入することがある。大気が侵入すると、電極に形成された触媒が酸化雰囲気に曝されて高電位になり、触媒の劣化が発生して燃料電池の発電性能が低下するという問題があった。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、停止期間が長い場合でも燃料電池の電極内を水素雰囲気に保ち、安定した発電性能を保持できる燃料電池を得るものである。
この発明に係る燃料電池においては、電解質膜を酸化剤電極と燃料電極とで挟持した膜電極接合体にセパレータを密着配置した単セルを積層し、一方の端部に位置する単セルの外側に配置された酸化剤電極と、他方の端部に位置する単セルの外側に配置された燃料電極との間に抵抗を接続し、少なくともひとつの単セルの電解質膜に具備された補助電極と、この単セルの酸化剤電極および燃料電極の少なくともいずれかとの間に外部電極を接続したものである。
この発明は、燃料電池のすべての酸化剤電極と燃料電極とを水素雰囲気に保つことができるため、触媒の劣化が起こらず、高性能で長寿命な燃料電池を得ることができる。
実施の形態1.
図1は、この発明を実施するための実施の形態1における燃料電池を構成する単セル1の断面を示す模式図である。図1において、電解質膜2は酸化剤電極5と燃料電極6とで挟持され、一体化されて膜電極接合体7と称す。酸化剤電極5および燃料電極6の電解質膜2に接する面には、電気化学反応の場となる触媒層3、4が形成されている。さらに膜電極接合体7の外側に、酸化剤電極5に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス用セパレータ8と、燃料電極6に燃料ガスを供給する燃料ガス用セパレータ9とを密着配置して単セル1が構成されている。酸化剤ガス用セパレータ8の酸化剤電極5に接する面と、燃料ガス用セパレータ9の燃料電極6に接する面とには、酸化剤ガスあるいは燃料ガスを流通させる流路10が形成されている。
図2は、単セル1を積層したスタック11の構成の一部を示したものである。単セル1を積層する場合、隣り合った単セルの間で密着される酸化剤ガス用セパレータと燃料ガス用セパレータとは一体化される場合があり、本実施の形態では、酸化剤ガス用セパレータと燃料ガス用セパレータとを一体化した共通セパレータ12を用いている。共有セパレータ12の両面には、流路10が形成されている。図2においては、膜電極接合体7と共通セパレータ12とを分離して示している。スタック11を形成する膜電極接合体7のうち、1つの膜電極接合体7aを構成する電解質膜2aの一部が、共通セパレータ12より外側まで延長されて形成されており、この延長された部分に補助電極13が形成されている。この補助電極13は、補助電極13が形成された膜電極接合体7aの酸化剤電極5aおよび燃料電極6a(図2では7aの裏面)から数cm以上離されて形成されている。また、それぞれの電解質膜7と共通セパレータ12との縁部には、スタック11を形成したときに流体を流すための、マニホールド貫通口として、燃料入口14aと燃料出口14b、酸化剤入口15aと酸化剤出口15bおよび冷却水入口16aと冷却水出口16b、が設けられている。
図3は、本実施の形態における燃料電池の構成を示した模式図である。スタック11は、絶縁性の端版17a、17bで両側から押えられている。スタック11の右最端部の酸化剤電極5と、左最端部の燃料電極6との間に抵抗18とスイッチ19とを直列に接続し、またこれと並列に外部負荷20とスイッチ21とを直列に接続している。さらに、補助電極13と、この補助電極13が形成された膜電極接合体7aの酸化剤電極5aおよび燃料電極6aとの間に、外部電源22とスイッチ23とを直列に接続している。後述するように、本実施の形態では、セパレータは導電性の材料で構成されているため、酸化剤電極5、5aあるいは燃料電極6、6aと電気的な接続を取る場合、これらの電極と接触して配置される酸化剤ガス用セパレータ8、燃料ガス用セパレータ9、あるいは共通セパレータ12と電気的な接続を取ってもよい。
電解質膜2としては、プロトン導電性、ガスバリア性および電気絶縁性を有する高分子膜が用いられ、例えば、パーフルオロ系主鎖とスルホン酸基からなる高分子電解質膜などが用いられており、本実施の形態においては、厚さ0.05mm、大きさは約10cm×20cmである。ただし、図2に示した電解質膜2aのセパレータ7より外側まで延長された部分は、3cm×2cmの凸部になっており、その凸部に形成された補助電極13は、2cm×1cmの白金触媒層と金属層をもつ電極である。補助電極13の金属層は例えばチタニウムなどを用いることができる。酸化剤電極5の表面に形成される触媒層3は、白金触媒の微粒子が塗布されており、燃料電極6の表面に形成される触媒層4は、一酸化炭素に対する耐性の高い白金とルテニウムとの合金系の触媒の微粒子が塗布されている。酸化剤電極5および燃料電極6は、流路10を通して供給されるガスを触媒層3、4全面に拡散供給するために、ガス透過性と電気伝導性とが必要であり、ポリテトラフルオロエチレン樹脂で被覆されたカーボン繊維で編まれたカーボンペーパーやカーボンクロスなどが用いられる。本実施の形態においては、厚さ0.3mmで、大きさが約7cm×14cmのカーボンペーパーを使用している。このカーボンペーパーの空隙率は約80%であり、触媒層が全面に塗布されているため、電気化学反応の場となる有効面積は、約100cm(=7cm×14cm)である。酸化剤ガス用セパレータ8、燃料ガス用セパレータ9および共通セパレータ12は、緻密で導電性を有する例えばカーボン板が用いられており、その表面には流路10を構成するように溝が形成され、大きさは電解質膜と同じ約10cm×20cmである。
このように構成された燃料電池の動作について説明する。図3に示すスイッチ19とスイッチ23とをオフ、スイッチ21をオンにして、図2に示す酸化剤入口15aから酸化剤ガスとして、空気を流し、燃料入口14aから燃料ガスとして、一酸化炭素を20ppm含んだ水素75%と二酸化炭素25%との混合ガスを流す。スタック11内の酸化剤ガス用セパレータ8、燃料ガス用セパレータ9および共通セパレータ12に形成された流路10を通って、酸化剤ガスおよび燃料ガスが、すべての膜電極接合体7の酸化剤電極5および燃料電極6に到達する。このとき、それぞれの電極の触媒層3、4では下記のような電気化学反応が生じる。
燃料電極6(触媒層4): H → 2H+2e (1)
酸化剤電極5(触媒層3): 2H+2e+1/2O → HO (2)
燃料電極6で生じたプロトン(H)は、電解質膜2を通過して酸化剤電極5へ移動し、酸化剤電極5の触媒層3で酸素と反応して水になる。燃料ガスおよび空気の流量がそれぞれ、22l/min、63l/minであり、燃料利用効率および空気利用効率がそれぞれ、80%、50%のとき、単セル当り750mVの発電電圧が発生し、外部負荷20には25Aの電流が流れた。このとき、スタック11には冷却水入口16aから70℃の冷却水を供給しており、冷却水出口16bでの冷却水温度が75℃になるように冷却水の流量を調整した。
上述のような動作を、1日24時間の間に8時間継続した後に16時間停止する。この動作を繰り返すDSS(Daily Start and Stop)運転を行ない、後述する停止方法のパターンによって、燃料電池の単セル当りの発電電圧がどのように変化するか測定した。
停止方法のパターンはA〜Cの3つあり、パターンAとBとは、従来の停止方法であり、パターンCが本発明に係る停止方法である。パターンAは、スイッチ21をオフにした後、酸化剤ガスおよび燃料ガスの供給を停止するものである。パターンBは、スイッチ21をオフにした後、酸化剤ガスの供給を停止し、スイッチ19をオンにして抵抗18と接続し、この抵抗18の両端の電位差が、積層された単セルの数と0.1Vとの積より小さくなった後に、燃料ガスの供給を停止するものである。パターンCは、スイッチ21をオフにした後、酸化剤ガスの供給を停止し、スイッチ19をオンにして抵抗18と接続し、この抵抗18の両端の電位差が、積層された単セルの数と0.1Vとの積より小さくなった後に、燃料ガスの供給を停止し、スイッチ23をオンにして、外部電源22によって、補助電極13と酸化剤電極5aおよび燃料電極6aとの間に約1.5Vの電圧を印加して停止するものである。なお、パターンBおよびパターンCにおいて、抵抗18の両端の電位差が、積層された単セルの数と0.1Vとの積より小さくなった後に、燃料ガスの供給を停止しているが、このタイミングは、仮に抵抗18をスタック11から切り離したときに、スタック11の発生電圧が、単セル当り0.1V以下になることを示しており、酸化剤電極5に酸素が残留していない状態である。
図4は、上述の3つパターンの停止方法でDSS運転を行なったときの燃料電池の単セル当りの発電電圧を比較した特性図であり、横軸はDSS運転日数、縦軸は単セル当りの発電電圧である。この単セル当りの発電電圧は、運転開始から2時間経過後に運転が安定したときの燃料電池の発電電圧を単セル数で割った値であり、初期の単セル当りの発電電圧は約750mVである。なお、DSS運転開始日の96日目から80日間の175日目までは運転を停止した休止期間を設けている。
パターンAの停止方法においては、単セル当りの発電電圧は、休止期間開始の前日(95日目)には715mVに低下し、休止期間終了後の176日目には670mVに低下し、さらに300日目には580mVまで低下した。次に、パターンBの停止方法においては、単セル当りの発電電圧は、休止期間開始の前日には745mVとほとんど低下しなかったが、80日間の休止期間後には、700mVまで低下し、300日目には680mVまで低下した。一方、本発明に係る停止方法であるパターンCの停止方法においては、単セル当りの発電電圧は、休止期間開始の前日には748mVとほとんど低下せず、休止期間後も748mVを維持しており、300日目でも747mVとほとんど低下は見られなかった。
次に燃料電池の劣化のメカニズムについて説明する。燃料電池において、停止によって両極に反応ガスが存在するのに発電していない状態、つまり反応が進行しない状態になった場合、酸化剤電極と燃料電極との間に約1Vの電位差が生じて酸化剤電極の触媒層が酸化電位となり、白金触媒の一部の微粒子がイオン化される。一方、運転が再開されて白金触媒の電位が下がった時には、白金触媒は還元される。DSS運転でこのイオン化と還元を繰り返すうちに、白金触媒が大粒子化し、白金触媒の比表面積が減少して、電気化学反応に有効な触媒面積が減少することになり発電性能が低下してしまう。また、停止中に酸化剤電極に酸素が多い場合、燃料電極側に酸素が拡散して、燃料電極の触媒層が高電位となる。このとき、燃料電極の触媒層では白金に比べて酸化電位の低いルテニウムが優先的に溶解して合金系の触媒の組成が変化して、発電性能が低下してしまう。
燃料電池の性能を評価する方法として、酸素ゲインで評価する方法とCOゲインで評価する方法とがある。酸素ゲインとは、酸化剤ガスとして空気を供給したときの発電電圧に対して、酸化剤ガスとして酸素100%を供給したときの発電電圧の比(酸素ゲイン)であり、酸素ゲインが大きいほど酸化剤電極の性能が低下していることを意味する。また、COゲインとは、燃料ガスに一酸化炭素が含まれるときの発電電圧に対して、燃料ガスに一酸化炭素が含まれないときの発電電圧の比(COゲイン)であり、COゲインが大きいほど燃料電極の性能が低下していることを意味する。
パターンAの停止方法でDSS運転を行なった燃料電池において、休止期間開始直前(95日目)と休止期間終了直後(176日目)とに、酸素ゲインとCOゲインとを測定したところ、95日目には、酸素ゲインのみ増大してCOゲインの増大は見られなかったが、176日目には、酸素ゲインおよびCOゲインともに増大していた。さらに、300日間のDSS運転を終了した燃料電池の触媒層を拡大観察したところ、酸化剤電極の触媒層では白金触媒の粒径増大が確認され、燃料電極の触媒層ではルテニウムが消失していることが確認された。
パターンBの停止方法でDSS運転を行なった燃料電池において、95日目には酸素ゲインおよびCOゲインともに増大は見られなかったが、176日目には酸素ゲインおよびCOゲインともに増大していた。300日間のDSS運転を終了した燃料電池の触媒層を拡大観察したところ、酸化剤電極の触媒層では白金触媒の粒径増大は見られなかったが、燃料電極の触媒層ではルテニウムが減少していることが確認された。
パターンCの停止方法でDSS運転を行なった燃料電池において、95日目、176日目においても酸素ゲインおよびCOゲインの増大は見られなかった。また、300日間のDSS運転を終了した燃料電池の触媒層を拡大観察したところ、酸化剤電極の触媒層および燃料電極の触媒層ともに初期の状態との明確な差は見られなかった。
パターンAの停止方法のように、単に外部負荷との接続を切りガスの供給を停止した場合は、停止後1時間程度は約1Vの電圧が酸化剤電極と燃料電極との間に残存するため、酸化剤電極の触媒層に劣化が生じ、燃料電池の発電性能が低下する。パターンBの停止方法のように、停止時に抵抗を接続し、酸化剤電極および燃料電極内に燃料ガスが残留するように停止した場合は、抵抗によって酸化剤電極の電位が上がらないため、酸化剤電極の触媒劣化はある程度防げるが、長期間の休止中では、残留する燃料ガスが消失して大気が侵入し、燃料電極の触媒層が酸化されて発電性能が低下する。一方、パターンCの停止方法のように、停止時に抵抗を接続し、酸化剤電極および燃料電極内に燃料ガスを残留させ、さらに補助電極と酸化剤電極および燃料電極との間に電圧を印加して停止した場合は、抵抗によって酸化剤電極および燃料電極の電位が上がらず、停止後の短期間は燃料ガスが残留するため触媒は酸化されず、さらに補助電極に電位が印加されていることにより、後述する理由により、常にスタック内のすべての電極が水素雰囲気に保たれるために、長期間の休止中でも触媒層が酸化されることがない。
補助電極とこの補助電極が形成された膜電極接合体の酸化剤電極および燃料電極との間に水の理論分解電圧である1.23Vより高い電圧を印加すると、電解質膜に含有されている水分が分解して補助電極側で酸素が、酸化剤電極および燃料電極側で水素が発生する。この水素が、侵入してきた大気中の酸素と反応して酸素を消費することができる。その結果、スタック内の酸化剤電極および燃料電極に大気が侵入してきても、触媒が酸化雰囲気なることを防止することができる。補助電極と酸化剤電極および燃料電極とは数cm以上離されて形成されているので、通常スタック内が水素雰囲気であれば、補助電極と酸化剤電極および燃料電極との抵抗は大きく、電流消費はわずかである。そのため、外部電源として乾電池を用いることが可能である。しかし、印加電圧を必要以上に高くすると、電流が増大して消費電力が増え、水素発生が多くなりスタック内の圧力増大を招く恐れがあるとともに、補助電極の触媒層の電位が高くなり、この触媒層の消耗が促進されることから、印加電圧は補助電極の溶出電圧より低い必要があり、具体的には3V以下、好ましくは2V以下であればよい。上述のように本実施の形態においては、印加電圧を1.5Vに設定している。
一方、印加電圧が0.9〜1.23Vの場合、水の理論分解電圧より低いために、スタック内の酸化剤電極あるいは燃料電極側で水素を発生させることはできないが、これらの電極の電位が水素電位に近い電位に保たれるため、大気の侵入がない限りは、触媒が酸化電位にならず、触媒の劣化を防止する効果は得られる。しかし、印加電圧が0.9V以下の場合、スタック内の酸化剤電極あるいは燃料電極の電位が水素電位の0.6Vを越えることになり、触媒の劣化を防ぐことはできない。したがって、補助電極に印加する電圧は、水の理論分解電圧より高く、かつ、補助電極の溶出電圧より低くする必要があり、1.23Vより高く3Vより低いことが好ましい。
次に、外部電源に乾電池を用いる場合について述べる。一次電池を用いる場合、マンガン乾電池、アルカリマンガン乾電池などは、1個の動作電圧が約1.5Vであるので外部電源として好ましい。二次電池を用いる場合、鉛蓄電池、リチウム二次電池などは、1個の起電力が約2Vであるので、過電流を防止するために抵抗などを接続して使用することが好ましい。また、ニッケルカドミウム電池であれば1個でよいが、ニッケル水素電池の場合は、2個直列につないで使用する必要がある。さらに、二次電池を用いる場合は、スタックの一部のセパレータと二次電池とを接続して、この二次電池の充電に用いることも可能である。このとき、二次電池の容量や、直列に接続する抵抗などを適宜選択することで、充電に要する電流を燃料電池全体の1%程度に抑えることが可能である。
なお、本実施の形態においては、外部電源を、酸化剤電極および燃料電極の両方に接続しているが、どちらかの電極のみに接続する場合でも、一方の電極で発生した水素が、電解質膜を通して他方の電極へ拡散するので、本実施の形態と同様な効果がある。また、補助電極をもつ膜電極接合体と外部電源とはスタックに1つ備えた例を示したが、スタック内に複数備えてもよい。さらに、冷却水を流すためのセパレータをスタック内に適当な場所に挟むことも可能である。
実施の形態2.
実施の形態1においては、停止の直後に酸化剤ガスおよび燃料ガスの供給を停止しているが、実施の形態2においては、酸化剤ガスおよび燃料ガスの供給を停止した後に酸化剤電極及び燃料電極を窒素ガスでパージを行なうものである。本実施の形態における、停止方法は、パターンD〜Fの3つあり、パターンDとEとは、従来の停止方法であり、パターンFが本発明に係る停止方法である。パターンDは、スイッチ21をオフにした後、酸化剤ガスおよび燃料ガスの供給を停止し、さらに酸化剤電極および燃料電極を窒素ガスでパージするものである。パターンEは、スイッチ21をオフにした後、酸化剤ガスの供給を停止し、スイッチ19をオンにして抵抗18と接続し、この抵抗18の両端の電位差が、積層された単セルの数と0.1Vとの積より小さくなった後に、燃料ガスの供給を停止し、酸化剤電極および燃料電極を窒素ガスでパージするものである。パターンFは、スイッチ21をオフにした後、酸化剤ガスの供給を停止し、スイッチ19をオンにして抵抗18と接続し、この抵抗18の両端の電位差が、積層された単セルの数と0.1Vとの積より小さくなった後に、燃料ガスの供給を停止し、酸化剤電極および燃料電極を窒素ガスでパージした後に、スイッチ23をオンにして、外部電源22により、酸化剤電極5aおよび燃料電極6aと補助電極13との間に約1.5Vの電圧を印加して停止するものである。これら、3つの停止のパターンでDSS運転を100日間行なった。なお、DSS運転開始日の51日目から30日間の80日目までは運転を停止した休止期間を設けている。
パターンDの停止方法でDSS運転を行なった燃料電池においては、休止期間開始直前(50日目)には単セル当りの発電電圧の低下は5mV程度であったが、休止期間終了直後(81日目)には単セル当りの発電電圧は20mV低下していた。パターンEの停止方法でDSS運転を行なった燃料電池においては、50日目には単セル当りの発電電圧の低下は見られなかったが、81日目には単セル当りの発電電圧は20mV低下していた。パターンFの停止方法でDSS運転を行なった燃料電池においては、50日目、81日目においても単セル当りの発電電圧の低下は見られなかった。
パターンDおよびパターンEにおいては、窒素ガスでパージを行なうことで、スタック内の残存電圧が低くなり、残留酸素がなくなることで初期の触媒の劣化を防止することができるが、残留する水素も同時になくなることから、休止期間中に侵入してきた大気中の酸素を消費することができなくなり、休止期間の触媒の劣化を防ぐことできない。一方、本発明に係るパターンFでは、スタック内に水素が残留していなくても、補助電極に電圧を印加することで、休止期間中にスタック内に水素を発生させることができることから、大気が侵入しても酸素を消費することができるためにスタック内は酸化雰囲気にならない。その結果、触媒が酸化されることがなく、発電性能の低下を防ぐことができる。
実施の形態3.
実施の形態3においては、実施の形態1と同様な構成の燃料電池において、補助電極13を備えた膜電極接合体7aを、スタックの左端に配置し、補助電極13と端部の単セルの外側に位置する燃料ガス用セパレータ9との間に電圧検知手段を設けたものである。図5は、本実施の形態における、補助電極13と燃料ガス用セパレータ9との間に電圧検知手段を接続するときの構成を示す模式図である。補助電極13と燃料ガス用セパレータ9の4つの隅部とを電圧検知手段24a、24b、24c、24dを介してそれぞれ接続する。燃料電池の休止期間中には、これらの電圧検知手段で電圧をモニターしておく。電圧検知手段としては、電圧計を用いることができる。
このように構成された燃料電池において、実施の形態1におけるパターンCで停止した場合、休止期間中それぞれの電圧検知手段では、通常約1Vの電圧が計測されるが、例えば燃料ガスの供給側の配管にリークが発生して燃料電極に大気が侵入した場合、燃料入口14aに最も近い隅部に接続された電圧検知手段24aの電圧が低下する。これにより、燃料電池のリークが燃料ガスの供給側の配管に発生したことが検知できる。同様に酸化剤ガスの排出側の配管にリークが発生した場合は、酸化剤出口15bに最も近い隅部に接続された電圧検知手段24bの電圧が低下することで、リークの発生箇所を特定することができる。リーク発生を検知した後は、外部電源22の電圧を1.5V以上に上げてスタック内の酸化剤電極および燃料電極での水素発生量を増やして侵入してきた大気中の酸素を消費するとともに、配管の継ぎ目のチェックなど、適宜リーク発生の原因を取り除く措置を行なう。
このように構成することで、リアルタイムにリークの発生箇所を検知することより、外部電源への印加電圧を制御してスタック内が酸化雰囲気になることを防ぐとともに、リーク発生の箇所の特定もできることから、スタック内が酸化雰囲気になった場合でも初期段階で防ぐことができ、燃料電池の劣化を最小限に抑えることができる。
なお、本実施の形態においては、停止方法として実施の形態1におけるパターンCで行なった場合について述べたが、それ以外の停止方法、パターンAまたはB、あるいは実施の形態2におけるパターンD〜Fの場合でも、リーク発生箇所の検知を行なうことができる。また、本実施の形態では、電圧検知手段を接続した補助電極をもつ膜電極接合体7aをスタック11の左端に配置したが、右端でもよく、また両端にそれぞれ配置してもよい。さらに、スタックの内部でリークが発生する恐れがある場合には、スタックの内部に追加して設置してもよい。
この発明の実施の形態1による単セルの断面を示す模式図である。 この発明の実施の形態1によるスタックの構成を示す模式図である。 この発明の実施の形態1による燃料電池の構成を示す模式図である。 この発明の実施の形態1による燃料電池の特性図である。 この発明の実施の形態3による燃料電池の要部構成を示す模式図である。
符号の説明
1 単セル、 2、2a 電解質膜、 3、4 触媒層、 5 酸化剤電極
6 燃料電極、 7 膜電極接合体、 8 酸化剤ガス用セパレータ
9 燃料ガス用セパレータ、 10 流路、 11スタック、 12 共通セパレータ
13 補助電極、 14a 燃料入口、 14b 燃料出口15a 酸化剤入口
15b 酸化剤出口、 16a 冷却水入口、 16b 冷却水出口
17a、17b 端版、 18 抵抗、 19、21、23 スイッチ
20 外部負荷、 22 外部電源
24a、24b、24c、24d 電圧検知手段

Claims (5)

  1. 電解質膜が酸化剤電極と燃料電極とで挟持された膜電極接合体に、上記酸化剤電極に酸化剤ガスを供給する流路を備えた酸化剤ガス用セパレータと、上記燃料電極に燃料ガスを供給する流路を備えた燃料ガス用セパレータとを密着配置した単セルと、
    複数の上記単セルが積層され、一方の端部に位置する上記単セルの外側に配置された上記酸化剤電極と、他方の端部に位置する上記単セルの外側に配置された上記燃料電極との間に電気的に接続された抵抗と、
    少なくともひとつの上記単セルの上記電解質膜に具備された、上記酸化剤電極および上記燃料電極から電気的に絶縁されている補助電極と、
    上記補助電極を有する上記単セルの上記酸化剤電極および上記燃料電極の少なくともいずれかと上記補助電極との間に電気的に接続された外部電源と
    を備えることを特徴とする燃料電池。
  2. 外部電源の出力電圧は、水の理論分解電圧よりも高く、補助電極に用いられる材料の溶出電圧より低いことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池。
  3. 外部電源の出力電圧は、1.23Vよりも高く、3Vより低いことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池。
  4. 補助電極は、端部に配置された単セルの電解質膜に具備され、上記単セルの外側に配置された酸化剤ガス用セパレータまたは燃料ガス用セパレータと上記補助電極との間に電圧検知手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の燃料電池。
  5. 運転の停止時には、酸化剤電極への酸化剤ガスの供給を停止し、抵抗の両端の電位差が積層された単セルの数と0.1Vとの積より小さくなった後に、燃料電極への燃料ガスの供給を停止し、外部電源から電圧を印加することを特徴とする請求項1記載の燃料電池の運転方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009135021A (ja) * 2007-11-30 2009-06-18 Toyota Motor Corp 燃料電池システム、及び燃料電池システムの制御方法
JP2012074329A (ja) * 2010-09-30 2012-04-12 Hitachi Ltd 燃料電池システム

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