JP2006059406A - 対物レンズ駆動装置 - Google Patents

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Koichi Muramatsu
孝一 村松
Koji Watabe
浩治 渡部
Masaru Konagaya
賢 小長谷
Hiroyuki Ogawa
裕之 小川
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Abstract

【課題】レンズホルダの全方向への移動に伴うマグネットの振動に起因する推力が、サーボ特性に悪影響を及ぼす振動を発生する。
【解決手段】対物レンズ6を保持するレンズホルダー8に、ベース基板14に対して弾性支持するサスペンションワイヤ11と、レンズホルダー8をフォーカス方向及びトラッキング方向それぞれに駆動するフォーカスコイル9とトラッキングコイル10を固着し、当該フォーカスコイル9及びトラッキングコイル10に磁気的力を付与するマグネット15と、当該マグネット15を接着するヨーク17との間に、ゴム弾性部材18を備える。これにより、フォーカスコイル9及び/またはトラッキングコイル10に電流を供給し、マグネット15に生じる力は減衰することができ、振動を抑制できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、光ディスクに光学的に情報を記録及び/又は再生する光ピックアップ装置に搭載される光ヘッドの対物レンズ駆動装置である。
図5は一般的な光ピックアップ装置の光学系を中心とした分解斜視図で、図6はこれに組込まれる対物レンズ駆動装置の構成を示す要部拡大分解斜視図である。図5において、1は高密度情報媒体(例えばDVDビデオ、DVD−R、DVD−RAM等)用の発光素子と受光素子とを一体化した高密度用集積ユニット、2は低密度情報媒体(例えばCDオーディオ、CD−R等)用の発光素子と受光素子とを一体化した低密度用集積ユニット、3は高密度用集積ユニット1、低密度用集積ユニット2等を固定する光学ベース、4は高密度用集積ユニット1及び低密度用集積ユニット2それぞれからの光ビームを反射または透過するビームスプリッタ、5はビームスプリッタ4を通過した光ビームの光路を変換する立ち上げミラー、6は立ち上げミラー5で光路が変換された光ビームを不図示の情報媒体に集光する対物レンズ、7は対物レンズ駆動装置である。
光ピックアップ装置は、不図示の情報媒体の基板厚みまたは情報層の記録密度を検知して、高密度用集積ユニット1または低密度集積ユニット2の何れかを決定する。決定された集積ユニットから放射した光ビームは、ビームスプリッタ4で反射(本例では高密度用集積ユニット1)または透過(本例では低密度用集積ユニット2)して、立ち上げミラー5で対物レンズ駆動装置7の対物レンズ6に入射する。入射した光ビームは、情報媒体の情報層上に対物レンズ6により集光スポットを形成し、この集光スポットは情報層にユーザ情報信号を記録または情報層に記録された情報信号に応じて反射する。情報層で反射された反射光は、対物レンズ6、立ち上げミラー5、ビームスプリッタ4を経由し、放射した集積ユニットの光検出手段で受光する。
図6は対物レンズ駆動装置7の拡大斜視分解図であり、8は対物レンズ6を固着するレンズホルダー、9はフォーカスコイル、10はトラッキングコイル、11はレンズホルダー8を弾性支持する4本のサスペンションワイヤ、12はレンズホルダー8に固定され4本のサスペンションワイヤ11をそれぞれ固着するホルダー基板、13は4本のサスペンションワイヤーの他端を固着するサスペンションベース、14はサスペンションベース13に固着されるベース基板、15はマグネット、16はヨーク17と一体化したヨークベースである。
対物レンズ6はレンズホルダー8に固着され、レンズホルダー8にはフォーカスコイル9とトラッキングコイル10とが固着され可動部を構成している。4本のサスペンションワイヤ11は一端がレンズホルダー8に固着されたホルダー基板12に、他端がサスペンションベース13に固着されたベース基板14にそれぞれ半田付けされることにより前記可動部を片持ち支持している。マグネット15がヨークベース16と一体成形したヨーク17に固着され、このヨークベース16にサスペンションベース13が固着され固定部材を構成する。この時、レンズホルダー8は、ヨークベース16に固着されたマグネット15がレンズホルダー8の透孔に隙間を持ちながら入り込み、レンズホルダー8に取り付けられているフォーカスコイル9及びトラッキングコイル10の一部が磁気ギャップを持ちマグネット15と対面している。フォーカスコイル9は対物レンズ6の光軸に直交する水平方向に巻かれており、これに電流が流れる時レンズホルダー8は垂直方向(光軸方向)に移動する。また、トラッキングコイル10は磁気ギャップ内の有効部として垂直方向に電流が流れるように巻かれており、電流が流れる時レンズホルダー8は水平方向に移動する。以上のように対物レンズ駆動装置7は、各コイルに電流を流すことにより、光軸方向及び光軸方向に垂直な方向の二次元に対物レンズ8を駆動する振動系をなすものである。
このような構成の対物レンズ駆動装置7において、トラッキングコイル10に駆動電流を流すと、トラッキングコイル10及びマグネット15のそれぞれに対して、図2に示すように大きさが等しく方向が逆の推力T1及びT2が発生する。推力T1はレンズホルダー8をトラッキング方向に移動させる。一方、マグネット15はヨークベース16を介し光学ベース3に固定されているため、T2はマグネット15と共に光学ベース3を振動させる。また、フォーカスコイル9に電流を流すと、トラッキングコイル10に電流を流した時と同様に、図3に示すように推力F1及びF2が発生し、レンズホルダー8を移動させると共にマグネット15及び光学ベース3を振動させる。
この光学ベース3の振動は、ビームスプリッタ4、立ち上げミラー5等の光学素子及びこれらを支持する光学ベース3を介し光ディスクに伝達される。この時振動の経路内に特異な共振点があると、トラッキングサーボ及びフォーカスサーボが発振するなどの問題が発生する場合がある。特に、最近では、光ピックアップ装置の薄型化、軽量化の要求に伴って、光ピックアップ装置を構成する各部品の剛性が低下する傾向にあるため、特異な共振が発生しやすい。そのため、トラッキングサーボ及びフォーカスサーボの発振などの問題が生じやすくなる課題を有している。
この対策として、特許文献1では図7に示したように、対物レンズ駆動装置の固定部全体を例えば板バネ19で弾性支持することで、フォーカス方向にのみ自由度をもって粘弾性支持する方法が提案されている。
特開平7−105550号公報
しかしながら、前記方法では、低周波数から減衰効果を持たせているため、可動部が制御電流に対し十分に追従せず、フォーカス方向のピッチング周波数にて位相が遅れ、安定したサーボ特性を得られなくなる問題がある。すなわち、マグネット15で生じた推力T1、T2、F1及びF2に起因した振動がダンピングされることなく、ヨークベース16えお介して光学ベース3に伝わり、例えば図8のサーボ特性の一部のボード線図に示すように、特異的な共振が発生及び/またはゲインや位相曲線に乱れが生じる。このような乱れを生じると、位相の裕度がなくなり、サーボが発振し、再生及び/または記録動作ができなくなるという重大な課題が発生する。
更に、特許文献1では図7に示したように板バネ19がトラッキング方向は完全固定となっており、トラッキングサーボの安定が得られない。また、対物レンズ駆動装置7の固定部全体を粘弾性支持する板バネ19のスペースが必要となり、構成が複雑であり小型及び軽量化が困難であるとともに、コストアップ要因となるという課題がる。
本発明は、前記従来の問題点を解決するもので、その目的は、省スペースでレンズホルダーの全方向の移動に伴うマグネットの振動を抑える対物レンズ駆動装置を提供することを目的とする。
本発明の対物レンズ駆動装置は、情報媒体の情報層に光スポットを集光する対物レンズ、前記対物レンズを保持するレンズホルダー、マグネット、前記マグネットを固定するヨーク、前記マグネットと磁気回路を構成し前記対物レンズの光軸方向と前記光軸方向に直交する方向に前記レンズホルダーを駆動するコイル、及び前記レンズホルダーを弾性支持する支持部材を有し、前記マグネットと前記ヨークとの界面にゴム弾性部材を備える。
本発明の対物レンズ駆動装置は、上記構成を採用することにより、非常に簡単な構成にて、生産性がよく、共振のない安定したサーボ特性を得られるため、記録及び/または再生光ピックアップ装置を小型・安価・高性能が実現できる。
以下本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の対物レンズ駆動装置の要部分解斜視図である。図において、対物レンズ6が固着されたレンズホルダー8には、フォーカスコイル9が、その中心軸が前記対物レンズ6の光軸に対し平行になるように巻装され、また、トラッキングコイル10が、その中心軸が前記対物レンズ6の光軸に対し垂直になるように巻装され、レンズホルダー8に固着されて可動部を構成している。4本の平行に配置されたワイヤー11は一端がヨークベース16に固着したベース基板14、他端がレンズホルダー8に固着されたホルダー基板12にそれぞれ半田付けされることにより、レンズホルダー8を可動可能に片持ち支持している。マグネット15のヨーク17との接着面にライン状にゴム弾性部材18を介してマグネット15がヨーク17に固着され、ヨークベース16に設けた一対のヨーク17の内側にはフォーカスコイル9及びトラッキングコイル10とに隙間を持ちながら入り込む。これによりフォーカスコイル9及びトラッキングコイル10とマグネット15との間に形成した磁気ギャップに、レンズホルダー8に装着されているフォーカスコイル9及びトラッキングコイル10の一部が入るようになる。また、ヨークベース16は光学ベース3に固着される。
本実施形態においては、ゴム弾性部材18として、硬度70度以下のウレタンゴムをコーティングし、粘弾性接着剤20の厚み50μm以上の厚み確保するような厚みとした。そして、マグネット15が接着力を有する粘弾性部材20を介しヨーク17に固着した。
以上のように構成された本実施形態の光ピックアップ装置について、以下その作用について説明する。マグネット15に前述のように接着面の両端にライン上に、ゴム弾性部材18を介してマグネット15をヨーク17固定することによって、電磁気力によりフォーカスコイル9及びトラッキングコイル10とマグネット15との間で発生した推力は、マグネット15を振動させる力をダンピングすることにより、光学ベース3に伝達する振動を減衰させ、従来発生していた特定の周波数での共振の発生をなくすことができ、安定したサーボ特性が得た。
図6は本実施形態でのサーボ特性の一部を示すボード線図である。マグネット15で生じた推力による振動が、ヨーク17を介してヨークベース16に伝わる前にダンピングされることができ、光学ベース3にて特異な共振の発生がなくなり、ゲイン及び位相曲線の乱れがなくなり位相余裕が確保された安定したサーボ特性を得られることが分かった。
また、マグネット15とヨーク17の接着固定に、ダンピング特性を有した粘弾性接着剤20を用いることで、ダンピング用、接着用にそれぞれ違う部材を使う必要がなく、生産性が良く、更に一定厚みのゴム弾性部材18をマグネット15表面にコーティングすることにより、粘弾性体接着剤20の厚みを一定とできるため、対物レンズ駆動装置7の磁気ギャップ精度を安定して確保しながら、必要とされるダンピング効果を安定して得ることができる。
なお、上記実施形態ではゴム弾性部材をマグネットに備えた後ヨークに接着する構成を説明したが、ヨークにゴム弾性部材を備えてもよいが、一般的にヨークはヨークベースと一体成形されるため、ゴム弾性部材を貼り付けまたはコーティングし難いため、マグネットに施す方が生産的には有利である。
本発明の対物レンズ駆動装置は、光学的性能が良好であるため、光ピックアップに最適に用いることができる。
本発明の対物レンズ駆動装置の一実施形態における要部分解斜視図 対物レンズ駆動装置の正面図 対物レンズ駆動装置の側面図 本発明の対物レンズ駆動装置におけるサーボ特性図 光ピックアップ装置の構成を示す要部分解斜視図 対物レンズ駆動装置の構成を示す要部分解斜視図 従来の対物レンズ駆動装置の要部斜視図 従来の対物レンズ駆動装置におけるサーボ特性図
符号の説明
1 高密度用集積ユニット
2 低密度用集積ユニット
3 光学ベース
4 ビームスプリッタ
5 立ち上げミラー
6 対物レンズ
7 対物レンズ駆動装置
8 レンズホルダー
9 フォーカスコイル
10 トラッキングコイル
11 サスペンションワイヤ
12 ホルダー基板
13 サスペンションベース
14 ベース基板
15 マグネット
16 ヨークベース
17 ヨーク
18 ゴム弾性部材
19 板バネ
20 粘弾性接着部材

Claims (2)

  1. 情報媒体の情報層に光スポットを集光する対物レンズ、前記対物レンズを保持するレンズホルダー、マグネット、前記マグネットを固定するヨーク、前記マグネットと磁気回路を構成し前記対物レンズの光軸方向と前記光軸方向に直交する方向に前記レンズホルダーを駆動するコイル、及び前記レンズホルダーを弾性支持する支持部材を有し、
    前記マグネットと前記ヨークとの界面にゴム弾性部材を備えることを特徴とする対物レンズ駆動装置。
  2. 前記ゴム弾性部材は、前記マグネットと前記ヨークとの接触面の外周に少なくとも一対配され、前記外周に囲まれた範囲の内側に粘弾性接着剤を備えることを特徴とする請求項1記載の対物レンズ駆動装置。
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