JP2006059308A - 汎用化されリアルタイム可能な情報処理装置 - Google Patents

汎用化されリアルタイム可能な情報処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】さまざまな用途に対応した組込みシステムをより少ない設計工数で実現するとともに使用者の要求する用途変更に対応する。
【解決手段】リアルタイムOS、アプリケーション、ドライバプログラムを内部に保持し、外部ネットワーク回線を有し、さまざまな制御対象に対応するために構成コードを書換え可能な外部装置制御部を有する組込みシステムを提供する。
【選択図】図5

Description

発明の詳細な説明
本発明は、コンピュータを応用した組込み制御システムに関し、特に開発作業を容易にしたコンピュータを応用した組込み制御システムに関するものである。
近年、コンピュータを応用した組込み機器システムは巨大化、複雑化している。このシステムでは、新規の組込み機器システムを開発する度に、ハードウエアとソフトウエアをシステムの設計ごとにその機器に合わせて、再構成してから、それらをシステムとして組み込んでいた。
組込み機器システムで使用されるソフトウエアはシステム起動後、すべてのシステムの管理を自らが行なう、OSを使用しない単独のプログラムによって構成される場合や、アプリケーションプログラムを管理する基本ソフト、すなわちOSと特定の機能を実現するためのアプリケーションプログラムとから構成される場合がある。
前述の組込み機器システムに、新しい機能を追加したい場合、その度に、アプリケーションプログラムあるいはOSをその機器に合わせて、再構成してから、ソフトウエア部全体をまとめてダウンロードしていた。
システム全体の効率化や高速化を実現するために、分散型システムを構築する場合がある。この周辺ハードウエアを制御するモジュールにはマイコンやICが用いられる。このマイコンには実行プログラムであるファームウエアが書込まれ、その機能が決定される。また高速性、回路の小型化あるいは低電力などの必要があると専用のICを使って対応していた。これはIC製造工場内にてすべての機能が決定されるASICや、ユーザが使用する時に回路の機能を構成コードを書き込むことによって機能が決定される、PLD、CPLDおよびFPGAなどのプログラマブルデバイスによって実現していた。
前述のマイコン、ICのいずれかまたは両者を用いて周辺モジュールを構成するにせよ、コンピュータシステムが企画される度にそのハードウエアを設計する必要があった。またハードウエアを駆動するためのこれに付随するソフトウエアもその都度、個別に設計していた。
組込み機器に新たな機能や組み込まれていた機能に不具合がありこれを補修したい場合、ハードウエア回路を改修する必要や、ソフトウエアあるいはデータを改修する必要があった。これを行うために、装置を停止させて回路の改修やソフトウエアの書き込みをする必要があった。
組込み機器の下部システムであるマイコンのファームウエアやプログラマブルデバイスのプログラムも装置を止めて書き込みをしていた。さらにこれを行なうために特別に用意されている別の回線を取り付けて行なっていた。
組込み機器システムに、制御対象に要求される時間内に情報の取りこぼし無く確実に動作することを保証したい局面がある。OSを使用しない場合は、プログラムのすべての部分がこの時間制限に違反しないか逐一注意深く確認しながら設計する必要があり、大規模なプログラムを作成することが困難であった。WindowsやLinuxなどパソコン用OSを用いて基本機能を確保した上でアプリケーションプログラムを作成することもできる。しかしパソコン用OSは要求される時間内に情報を処理するための配慮は特にされていない。一方、この様な分野に適するOSとしてリアルタイムOSと称される組込み機器用のOSがある。リアルタイムOSはパソコン用OSと違い、外部のイベントが要求する処理時間Tに対して、指定されたタスク(プログラム)をシステムで定められたある時間要件τに、確実にτ<Tとしてデータ処理を行なうOSのことを指す。リアルタイムOSとして、TRON、VxWorksやRT−Linuxなどをが知られている。しかし、これらのリアルタイムOSは携帯電話や白物家電製品の内部で用いられたり、ハードウエアを新規に開発設計する必要がある。さらに、アプリケーションプログラムをこれに合わせて設計者が組み込む必要がある。パソコンで用いることも可能であるが、これを製品には組み込んで出荷することは困難である。したがって、製品レベルでの組込み機器の開発、研究、設計または実験には、ハードウエアの開発、研究、設計または実験が不可欠であった。
発明が解決しようとする課題
このため以下の(1)〜(7)に示すような問題点があった。
(1)組込み機器に於いて、新規に製品の開発を行う場合、ハードウエアの設計とソフトウエアの設計との両者に対して必要であり、これらをすべてその製品にあわせて設計する必要があった。そのため製品の設計に多大な工数が必要となる。したがって、設計が複雑であり、迅速な製品の設計が行えず、新規設計に伴う費用が増大していた。
(2)前述の新規設計作業では、ハードウエア設計に精通した設計者が介在しなければ組み込み機器を開発することができなかった。つまり、誰でもが製品を開発設計が行えず、製品開発の要員に制限があった。したがって、設計者の確保や教育に手間がかかり、迅速な製品の設計が行えず、新規設計に伴う教育や設計費用が増大する。また簡単に高性能化、大規模化することはできない。
(3)ソフトウエアにバグがあったり、それに新規の機能を追加したり、新たな機能追加を追加したい場合、ボードに搭載されたソフトウエア記憶装置を交換したり、新規プログラムを、直接その記憶装置に書き込む必要があった。したがって外部ネットワークによるデータ転送を使用した保守作業が行なえず保守費用の増大を招いていた。
(4)また、前述の書きかえ作業に於いて、書き換える必要のあるソフトウエアがOSあるいはアプリケーションプログラムの一部だったとしても、システムのソフト全体を書き換えていた。したがって、必要な個所だけの補修作業が行なえず保守管理の工数の増大を招いていた。
(5)さらに、前述の書きかえ作業に於いて、ソフトウエアの追加または削除を行なう場合、追加したプログラムに致命的な誤りがあったり、あるいはこの作業手順を誤ると、組込み機器システムそのものが動作できなくなり、システムが完全に運用できなくなる恐れがあった。したがって、保守作業が容易に行なえず、保守費用の増大を招いていた。
(6)マイコン、プログラマブルデバイスのファームウエア、構成コード書換え作業において、作業内容は内部ソフトウエアの書換えであるにもかかわらず、ハードウエアに手を加える必要があり煩雑であった。したがって、保守作業が容易に行なえず、作業要員の教育コストが大きいなど、費用の増大を招いていた。
(7)組込み機器システムを、制御対象に要求される時間内に情報の取りこぼし無く確実に動作することを保証したいとき、OSを使用しない場合は、システム処理プログラムすべての部分がこの時間制限に違反しないか逐一注意深く確認しなから設計する必要があり、バグのない大規模なプログラムを作成することが困難であった。パソコン用OSを使用すると、この様な配慮がないので、時間制限内に処理を行なうことが保証されない。したがって、高速に制御を必要とする制御対象を制御することができなかった。リアルタイムOSを使用する場合は、これを搭載したハードウエアの設計が必要不可欠であり、アプリケーションプログラムを合わせて組み込む必要があるなど、これを手軽にまたは安易に行なうことは難しく、多大な設計費用が必要であった。
本発明は上記の問題点を解決するためになされたものである。
発明の詳細な説明
課題を解決するための手段
請求項1記載の発明は、コンピュータを応用した組込み制御システムであって、OS、アプリケーションプログラムおよびドライバプログラムを保持可能な記憶装置を有し、外部ネットワーク通信を行なうための回線を有することを特徴とするコンピュータを応用した組込み制御システムである。
請求項2記載の発明は、前記OS、アプリケーションプログラムおよびドライバプログラムは追加、削除あるいは変更が可能なことを特徴とするコンピュータを応用した組込み制御システムである。
請求項3記載の発明は、前記OSは、複数個のOSを備えることが可能であって、その中からいずれかを選択して起動可能なことを特徴とするコンピュータを応用した組込み制御システムである。
請求項4記載の発明は、前記OSはリアルタイムOSであることを特徴とするコンピュータを応用した組込み制御システムである。
請求項5記載の発明は、前記アプリケーションプログラムは外部ネットワークを介して別のコンピュータへまたは別のコンピュータから接続しコマンドを実行する、他のコンピュータへファイルを転送する、コンピュータへの通信を暗号化して実行する、情報を暗号化するまたは他のコンピュータからの要求に応答して内部の情報を返答するアプリケーションプログラムのいずれかひとつを含むことを特徴とするコンピュータを応用した組込み制御システムである。
請求項6記載の発明は、前述コンピュータを応用した組込み制御システムはシステム外部の装置対象を駆動するための外部装置制御部を有し、この外部装置制御部の構成コードを書換えることが可能であることを特徴とするコンピュータを応用した組込み制御システムである。
請求項7記載の発明は、前述外部装置制御部に対する構成コードは、基板上に設けられた端子、組込み制御システム中央制御部または外部ネットワークを経由して供給されるか、組込みシステム中央制御部からマイコンへさらにマイコンからプログラマブルデバイスへ供給されるか、組込みシステム中央制御部からプログラマブルデバイスへ直接供給されることを特徴とするコンピュータを応用した組込み制御システムである。
請求項8記載の発明は、前述のコンピュータを応用した組込み制御システムにおいて、組込み制御システム中央制御部、外部装置制御部ならびにアプリケーションプログラムから入出力される情報を、外部ネットワークを介して操作加工することが可能か、または操作加工手続きを記述したプログラムを内部に記憶させかつ実行することが可能であることを特徴とするコンピュータを応用した組込み制御システムである。
請求項9記載の発明は、前述コンピュータを応用した組込み制御システム内の記憶装置は、そのすべてまたは一部が取り外し可能なモジュールであることを特徴とするコンピュータを応用した組込み制御システムである。
請求項10記載の発明は、前述コンピュータを応用した組込み制御システムは、組込みシステム中央制御部と外部装置制御部とが分離したモジュールであることを特徴とするコンピュータを応用した組込み制御システムである。
発明の詳細な説明
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1は本発明の一実施形態を概念的に示した図である。本発明による組込みシステム中央制御部1はたとえば、産業用組み立て装置、産業用・家庭用ロボットの中に組み込まれており、記憶装置2、演算装置(CPU)4、主記憶装置(RAM)3、外部ネットワーク接続装置および回線5、組込みシステム内部データ回線6を含んでいる。記憶装置は通常フラッシュメモリと呼ばれるEEPROMで構成されるものや電池やキャパシタで電源がバックアップされたRAMで構成されるものなどがある。また、SanDisk社互換のコンパクトフラッシュと呼ばれる大容量記憶カートリッジや小型HDDなどを使用することも可能である。
記憶装置2にはOSを起動するためのブートローダー、OS本体7、複数のアプリケーションプログラム8、その他にアプリケーションプログラムによって参照される設定ファイル、データファイル等が記録されている。この様子は図2に示される。
アプリケーションプログラム8はシステムの基本運用を行なうための複数のコマンドプログラムから構成されている。それらの機能はファイルシステムを管理するためのプログラム(fdisk、mkdir,mknodコマンド)、ファイルの複製・転送・消去などを管理するためのプログラム(cp、mv、rmコマンド)、ファイルの内容や種類を編集・確認するためプログラム(ls、file、viコマンド)、外部ネットワーク上の他のシステムに接続するためのプログラム(telnet,sshコマンド)、ファイルや通信内容を暗号化するためプログラム(cryptコマンド)、暗号通信を行なうプログラム(scpコマンド)外部ネットワークを管理したり、確認するためのプログラム(ping、routeコマンド)などである。
ここでこれらのプログラムはシステムの都合により、情報圧縮された形態や、複数のプログラムがより少ない数のプログラムにまとめられた形態で運用されるが、ここではその形態については問わない。もちろん、各機能ごとに1つのプログラムの形態をとっていてもかまわない。
さらにアプリケーションプログラム8には、組込みシステム中央制御部1自身の持っている機能やデータを提供する、WEBサーバプログラム(apache)、データベースプログラム(SQL)などや、組込みシステムのふるまいを規定するための手順を実行するためのスクリプトプログラム(シェルスクリプト、php、javaスクリプトなど)やコンパイラ(c、javaコンパイラ)などの任意のプログラムなども記録されている。
本発明では、もしアプリケーションプログラムに誤りがあっても、外部ネットワークを通じて適正な動作をするアプリケーションプログラムをscpコマンドなどで受信して、mvコマンドで正しいプログラムを上書き変更することが可能である。さらにこの適正な動作をするアプリケーションプログラムを記憶装置に書きこむことでシステムを更新し、次回の起動時からは誤りのないシステムとすることが可能である。さらに、利用者が新たな機能追加したい場合、同様の手続きを行なって、簡単にソフトウエアを追加することでこれを実現することが可能である。
外部にある制御対象20を直接駆動するためのドライバプログラムも外部ネットワークを通じてダウンロードしたり、前述同様にもしこれに誤りがあっても、外部ネットワークを通じて適正な動作をするドライバプログラムに変更することが可能である。さらにこの適正な動作をするアプリケーションプログラムを記憶装置に書きこむことでシステムを更新し、次回の起動時からは誤りのないシステムとして運用することが可能となる。
以下、本発明の第2の実施形態を図3を参照して説明する。ここではもうひとつの例として、システムに制御対象20が接続されており、このハードウエアに柔軟に対応する場合を示す。この場合も前述とほぼ同様の流れをとる。制御対象20は具体的にはAC/DCモータ、サーボモータ、各種アクチュエータ、デジタル入出力端子、エンコーダ、各種物理量計測センサ、カメラ入力などである。さらにこの制御対象20が単独で用いられる場合やその内部で複合して用いられる場合がある。
組込みシステム中央制御部1は、記憶装置2、演算装置(CPU)4、主記憶装置(RAM)3、外部ネットワーク接続装置および回線5、組込みシステム内部データ回線6を含んでいる。
記憶装置2にはOSを起動するためのブートローダー、OS本体7、複数のアプリケーションプログラム8、アプリケーションプログラムによって参照される設定ファイル、データファイル等が記録されている。
組込みシステム内部データ回線6を介して外部装置制御部10が接続されている。制御対象20はデータ入出力装置14を介して接続されている。外部装置制御部10内に制御対象をコントロールするためにマイコン11やプログラマブルデバイス12からなる制御回路が構成される。
ここで、マイコン11は単なる中央演算制御機能を持つだけの要素ではなく、メモリ、AD変換器、通信機能のいくつかの機能モジュールをあわせもつワンチップマイコンでもかまわない。さらに前述プログラマブルデバイス12はそのふるまいをユーザーが決定することの出来るデバイスを指しているのであって、CPLD、FPGAと称されるプログラマブルデバイスを含む。無論、これはアナログ演算を行なうICでもかまわないし、出荷時に既に内部機能が決定されているASICを使用することも可能である。
外部装置制御部10はマイコン11やプログラマブルデバイス12から構成されており、このマイコン11またはプログラマブルデバイス12はそれぞれ、ファームウエアあるいは構成コードを書き込むことでその動作や機能を確定することが出来る。ここではこれらを統一的に論ずるためこのファームウエアあるいは構成コードをまとめて構成コードを呼ぶことにする。構成コード7を供給するためのダウンロード回線13はシリアル通信バスである、SCIバス、I2Cバス、SPIバス、J−TAGバス(IEEE1149.1)やパラレルバスであるCPUのアドレス・データバス、IOポートなどである。マイコン11、プログラマブルデバイス12にそれぞれたとえばルネサス製H8、SHマイコンやXilinx製XC9532等を使用する場合、SCIバス、J−TAGバスを用いることとなり、構成コード7を供給するためのプロセスはたとえば、ルネサス社、Xilinx社等から入手できる文章に詳細に解説されている(ADJ−602−223A、XAPP058(v3.1)など)。
この構成では外部装置制御部10のふるまいを記述した構成コード7をダウンロード回線13を通じて書き込むことができる。したがって制御対象に合わせてそのふるまいを書換えることが可能であり、これにあわせて、外部装置制御部10に対する制御プログラムによって使用されるドライバプログラムや制御用アプリケーションプログラムを追加することが可能となる。
前述の特徴にあわせ、この構成ではOSカーネル部7はリアルタイムOSで構成されている。制御対象20に対して要求される時間制限がTとすると、外部装置制御部10に関するタスクはある一定の時間τ内で制御されることが保証される。このことはすなわち、制御対象用信号入出力回線14に接続された下位モジュールである制御対象20がほぼτ内で制御され、τ<Tで処理を行なうことを意味する。
さらに本発明では、制御対象20は外部装置制御部10を介して接続されているが、外部装置制御部10内部に構成コード7を書き込むことで上位の組込みシステム中央制御部1はこれらをあたかも1つのモジュールとして扱うことができる。組込みシステム中央制御部1は前述アプリケーションプログラム8とこのモジュール化された制御対象とを使い容易に組込みシステムを作ることができる。制御対象20としてメカニカルスイッチとLEDランプを使用した場合、マイコン11あるいはプログラマブルデバイス12に対する構成コードは図7、図8の様な手順を参照にして記述することができる。これらはC言語、VHDLなどの適当な言語によって記述され、専用のコンパイラで各デバイスに適合した実行形式の構成コード7に翻訳されてから、マイコン11、プログラマブルデバイス12にダウンロードされる。すると、組込みシステム中央制御部1は組込みシステム内部データ回線6より下位の各構成要素を個々の要素として扱うことなく、ソフトウエア上では1つのモジュールとして扱えばよく、格段に効率的に制御対象を扱うことができる。この例での組込みシステム中央制御部1の制御対象に対するやり取りの手順を図9、図10に記述する。
以下、本発明の第3の実施形態を図4を参照して説明する。この例では、システムに周辺装置のためのハードウエアを追加する場合を示す。この場合も前述とほぼ同様の流れをとる。
この実施例ではダウンロード回線13は組込みシステム中央制御部1と外部装置制御部10とを接続している。マイコン11やプログラマブルデバイス12への構成コード7の書込みはこのダウンロード回線13を通じて行なわれる。この構成コード7の書込みの手続きは組込みシステム中央制御部1から行なうことが可能となる。つまり、オペレータが組込みシステム中央制御部1にこの手続きの指令を直接行なうことやあるいは組込みシステム中央制御部1により実行される構成コード書込み手順プログラムにより、構成コード7が書き込まれる。特別な書込み用の冶具ケーブルを外部装置制御部10に取り付けることなく、書き込むことが可能である。さらにこの構成コード7や構成コード書込み手順プログラムを外部ネットワーク接続装置および回線5から送信することにより、外部ネットワーク経由で作業を行なうことができる。これらにより一連の作業を自動的に外部ネットワーク経由で行なうことができ、自動化が可能となる。
以下、本発明の第4の実施形態を図5を参照して説明する。この例では、システムに周辺装置のためのハードウエアを追加する場合を示す。この場合も前述とほぼ同様の流れをとる。
この実施例では組込みシステム中央制御部1と外部装置制御部10はそれぞれ互いに勘合するコネクタ15をもつモジュールとして構成されている。コネクタ15は組込みシステム内部データ回線6、ダウンロード回線13、電源端子などを含む内部端子から構成される。この例では内部配列はどのモジュールでも同一である。そのため、これらを使い、組込み機器の設計をする者は、新規に設計する場合でもハードウエアの設計を行なう必要がなく、ソフトウエアの設計だけを行なうことで組込み機器を容易に開発することが出来る。そのうえ、コネクタ15の内部配列を同一にしてしておくことで、内部の部品をより高性能あるいは大規模な部品に変えた、組込みシステム中央制御部1あるいは外部装置制御部10を用いれば、設計したソフトウエアになんらの変更なくとも容易にシステム全体の高性能化を容易に達成することが可能となる。さらに、万が一、組込みシステム中央制御部1あるいは外部装置制御部10が破損したとしても、それに書き込んたソフトウエアを新規のそれに書込むことで容易に装置の復旧を行なうことが可能となる。また上記のモジュール構成に対し、外部装置制御部10のコネクタ15に新たに外部装置制御部10を接続し、外部装置制御部10を複数用いることでこれらの性能や機能をより高性能化、大規模化とすることも可能である。
この実施例では、プログラマブルデバイス12の構成コード7はマイコン11から供給される。この様子を図6を示し説明する。この例ではマイコン11とプログラマブルデバイス12との間のダウンロード回線13はJ−TAGバスとして接続されている。構成コードはマイコン11内部のメモリに記憶されていてもよいし、組込みシステム中央制御部1からマイコン11へ転送されてもよい。構成コードはJ−TAGバスを経由し、プログラマブルデバイス12内部へ送信される。CPLD、FPGAは構成コード7をそれぞれEEPROMやSRAMに記憶させる。そのため、プログラマブルデバイス12としてCPLDが用いられる場合は初期化の際に1度だけ転送すればよい。FPGAが用いられる場合は電源投入毎にこれを転送することとなる。
以上に加え、前述の実施例では、マイコン11の構成コード7は組込みシステム中央制御部1から供給される。この様子も前記同様図6に示される。この例では組込みシステム中央制御部1とマイコン11との間のダウンロード13はSCIバスとして接続されている。構成コード7は組込みシステム中央制御部1内部に記憶されていてもよいし、外部ネットワーク6を経て組込みシステム中央制御部1へ転送されてもよい。構成コード7はSCIバスを経由し、マイコン11内部へ送信される。構成コード7をEEPROMに書き込むマイコン11の場合、これを初期化の際に1度だけ転送すればよい。
前述のプログラマブルデバイス12、マイコン11のふるまいを規定するための構成コード7はより上位のシステムから供給することが可能であり、さらに外部ネットワークを通じて供給することも可能である。その上、これらの手続きはより上位のシステム内に記述されたプログラムに従って自動的に動作させることが可能である。さらに、組込みシステム中央制御部1を外部ネットワーク経由で遠隔操作することにより行なうこともできる。具体的にはtelnet、sshコマンドなどのリモートシェルコマンドで組込みシステム中央制御部1を速隔操作し、構成コード7をftp、scpコマンド等で外部ネットワーク転送する。供給するためのプロセスは前述の資料に従って供給する。もちろんこの手順は使用するデバイスに応じて変更が必要なことはいうまでもない。
さらにこの例では記憶装置2に合わせて、脱着可能である外部記憶装置2bを取り付けることが可能となっている。外部記憶装置2bとしてはたとえばROMモジュール、コンパクトフラッシュメモリやマイクロドライブなどを用いる。これにより、より大きなアプリケーションプログラムを記憶させて使用することや、ある特定の動作をさせるためのアプリケーションプログラムやデータをこの中に記憶させたカードリッジにした状態で供給が可能となる。このことは機能の向上、配布・流通性の多様化に貢献するとともに、装置全体の操作に熟知しないユーザーでも簡単に装置を使用することが可能となる。
発明の効果
本発明によれば次のような効果を得ることができる。
(1)組込み機器に於いて、新規に製品の設計を行う場合、ハードウエアの設計とソフトウエアの設計とが両方必要であり、これらをすべてその製品にあわせて設計する必要があった。そのため製品の設計に多大な工数が必要となっていた。しかし、本発明によれば、ハードウエアモジュールが用意されており、アプリケーションプログラムも必要なものを追加することができるので、迅速にかつ最小の工数で新規製品の設計を達成することができる。したがって、迅速な製品の設計が行える様になるとともに、新規設計に伴う費用が抑制できるため、大幅な開発費用の削減が可能となった。また、簡単に高性能化、大規模化することも可能となった。
(2)前述の新規設計作業では、ハードウエア設計に精通した設計者が介在しなければ組み込み機器を設計することができなかった。しかし、本発明によれば、あらかじめ用意されたハードウエアに、構成コードをダウンロードし、外部装置制御部の内部回路を再構築することが可能であり、組込み機器ハードウエアを製品に応じて設計する必要がない。したがって、迅速な製品の設計が行える様になるとともに、新規設計に伴う設計費用が抑制できるなど、大幅な開発費用の削減が可能である。
(3)ソフトウエアにバグがあったり、それに新規の機能を追加したり、新たな機能追加を追加したい場合、ボードに搭載されたソフトウエア記憶装置を交換したり、新規プログラムを、直接その記憶装置に書き込む必要があった。しかし、本発明によれば、システムを稼動した状態でプログラムの追加または削除が可能となった。さらにこの作業を自動化して行なうことが出来る様になった。このことは外部ネットワークや外部記憶装置モジュール交換による保守作業が可能となると同時に、ボード変更に伴う費用が必要無くなるなど、大幅な保守費用の削減が可能である。
(4)また、前述の書きかえ作業に於いて、書き換える必要のあるソフトウエアがOSあるいはアプリケーションプログラムの一部だったとしても、システムのソフト全体を書き換えていた。したがって、必要な個所だけの補修作業が行なえず保守管理の工数の増大を招いていた。しかし、本発明によれば、OSあるいはアプリケーションプログラムの一部など必要な個所だけプログラムの追加または削除が可能となった。さらにこの作業を自動化して行なうことが出来る様になった。このことは保守管理の工数を削減するとともに大幅な保守費用の削減が可能である。
(5)さらに、前述の書きかえ作業に於いて、ソフトウエアの追加または削除を行なう場合、追加したプログラムに致命的な誤りがあったり、あるいはこの作業手順を誤ると、組込み機器システムそのものが動作できなくなり、システムが完全に運用できなくなる恐れがあった。またマイコン、プログラマブルデバイスのファームウエア、構成コード書換え作業が必要で、作業内容は内部ソフトウエアの書換えであるにもかかわらず、ハードウエアに手を加える必要があり煩雑であった。しかし、本発明によれば、この様な場合でも、確実にシステムを運用することが可能であり、復旧することができる。このことは外部ネットワークや外部記憶装置モジュール交換による保守作業が可能となると同時に、ボード変更に伴う費用が必要無くなるなど、大幅な保守費用の削減が可能である。
(6)マイコン、プログラマブルデバイスのファームウエア、構成コード書換え作業において、作業内容は内部ソフトウエアの書換えであるにもかかわらず、ハードウエアに手を加える必要があり煩雑であった。しかし、本発明によれば、ハードウエアに手を加えることは従来より少ないが、完全に不要である。このため従来よりはるかに簡単に作業を実行することが可能である。このとき作業は従来よりソフトウエアのみに集中しているので作業が統一される。このことは外部ネットワークや外部記憶装置モジュール交換による保守作業が可能となると同時に、作業要員の教育が軽減されるなど、大幅な費用の削減が可能である。
(7)組込み機器システムに、制御対象に要求される時間内に情報の取りこぼし無く確実に動作することを保証したい局面がある。従来、OSを使用しない場合は、設計が難しく、バグのない大規模なプログラムを作成することが困難であった。パソコン用OSを使用すると、高速に制御を必要とする制御対象を制御することができなかった。リアルタイムOSを使用する場合は、これを搭載したハードウエアの設計が必要不可欠であり、これを手軽にまたは安易に行なうことは難しく、多大な設計費用が必要であった。
しかし、本発明によれば、モジュール化された組込みシステム中央制御部にリアルタイムOSが搭載されており、これにモジュール化された外部装置制御部を取り付けることでただちに組込み機器システムを構成することができる。したがって、前述の厳しい時間制限のある組込み機器システムであっても、ハードウエアの設計に関係なく簡便に開発設計することができ、大幅な開発設計費用の削減が可能である。
以上のことから本発明によれば、従来の方法では実現できなかった、組込み機器における汎用的かつ柔軟な拡張性の達成と機械制御を目的のひとつとする組込み機器におけるリアルタイム性の確保を同時に達成されることが理解できる。
本発明にかかる構成を示すブロック図である。 本発明にかかる構成要素を観念的に示すブロック図である。 本発明にかかる構成を示すブロック図である。 本発明にかかる構成を示すブロック図である。 本発明にかかる構成の外観を示す図である。 本発明にかかる構成を示すブロック図である。 ワンチップマイコン11あるいはプログラマブルIC12が、制御対象20としてメカニカルスイッチを用いる例での構成コードを生成するフロー図である。 ワンチップマイコン11あるいはプログラマブルIC12が、制御対象20としてLEDを用いる例での構成コードを生成するフロー図である。 組込みシステム中央制御部1がメカニカルスイッチを取り付けた外部装置制御部10をモニタするためのフロー図である。 組込みシステム中央制御部1がLEDを取り付けた外部装置制御部10を制御するためのフロー図である。
符号の説明
100 組込みシステム全体
1 組込みシステム中央制御部
2 記憶装置
2b 脱着可能である外部記憶装置
3 主記憶装置(RAM)
4 演算処理装置(CPU)
5 外部ネットワーク接続装置および回線
6 組込みシステム内部データ回線
7 構成コード
10 外部装置制御部
11 ワンチップマイコン(CPU)
12 プログラマブルIC
13 ダウンロード回線
14 制御対象用信号入出力回線
15 コネクタ
20 制御対象
7 OSカーネル
8 アプリケーションプログラム
9 仮想入出力回線

Claims (10)

  1. コンピュータを応用した組込み制御システムであって、OS、アプリケーションプログラムおよびドライバプログラムを保持可能な記憶装置を有し、外部ネットワーク通信を行なうための回線を有することを特徴とするコンピュータを応用した組込み制御システム。
  2. 前記OS、アプリケーションプログラムおよびドライバプログラムは追加、削除あるいは変更が可能なことを特徴とするコンピュータを応用した組込み制御システム。
  3. 前記OSは、複数個のOSを備えることが可能であって、その中からいずれかを選択して起動可能なことを特徴とするコンピュータを応用した組込み制御システム。
  4. 前記OSはリアルタイムOSであることを特徴とするコンピュータを応用した組込み制御システム。
  5. 前記アプリケーションプログラムは外部ネットワークを介して別のコンピュータへまたは別のコンピュータから接続しコマンドを実行する、他のコンピュータへファイルを転送する、コンピュータへの通信を暗号化して実行する、情報を暗号化するまたは他のコンピュータからの要求に応答して内部の情報を返答するアプリケーションプログラムのいずれかひとつを含むことを特徴とするコンピュータを応用した組込み制御システム。
  6. 前述コンピュータを応用した組込み制御システムはシステム外部の装置対象を駆動するための外部装置制御部を有し、この外部装置制御部の構成コードを書換えることが可能であることを特徴とするコンピュータを応用した組込み制御システム。
  7. 前述外部装置制御部に対する構成コードは、基板上に設けられた端子、組込み制御システム中央制御部または外部ネットワークを経由して供給されるか、組込みシステム中央制御部からマイコンへさらにマイコンからプログラマブルデバイスへ供給されるか、組込みシステム中央制御部からプログラマブルデバイスへ直接供給されることを特徴とするコンピュータを応用した組込み制御システム。
  8. 前述のコンピュータを応用した組込み制御システムにおいて、組込み制御システム中央制御部、外部装置制御部ならびにアプリケーションプログラムから入出力される情報を、外部ネットワークを介して操作加工することが可能か、またはこの操作加工手続きを記述したプログラムを内部に記憶させかつ実行することが可能であることを特徴とするコンピュータを応用した組込み制御システム。
  9. 前述コンピュータを応用した組込み制御システム内の記憶装置は、そのすべてまたは一部が取り外し可能なモジュールであることを特徴とするコンピュータを応用した組込み制御システム。
  10. 前述コンピュータを応用した組込み制御システムは、組込みシステム中央制御部と外部装置制御部とが分離したモジュールであることを特徴とするコンピュータを応用した組込み制御システム。
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