以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳細に説明する。図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
[写真シール作成装置の側面の外観]
図1は、本発明を適用した写真シール作成装置1の外観の概略側面図である。写真シール作成装置は、本体部2と背面部3が対向して配備されており、これらとともにフレーム枠(構造材)やパネル(壁面)やサイドカーテンなどが組み合わされて構成される。
写真シール作成装置1では、前述の構成要素を組み合わせることによって、本体部2と背面部3との間には適宜な広さの撮影空間6が形成される。また、便宜上、撮影空間6の天井面は天井部4、床面は床面部5と呼ぶ。本体部2の外部側の面に第1編集空間7a、背面部3の外部側の面に第2編集空間7b(これらをまとめて編集空間7という)とが形成される。第1編集空間7aには第1編集部8a、第2編集空間7bには第2編集部8bが形成される(これらをまとめて編集部8という)。
かかる写真シール作成装置1を用いる際、被写体である利用者は撮影空間6に入り、本体部2の撮影操作側の面(以降、便宜上正面という)に相対する向きで撮影プレイを行なう。そして、撮影の後は所定の基準で編集空間7a、7bのいずれかを利用するかが決定され、利用者は決定された第1編集空間7aまたは第2編集空間7bに入り、撮影した画像にいわゆる落書きと呼ばれるスタンプ画像やテキストなどをペン入力する編集プレイを行なう。
[写真シール作成装置の撮影空間の構成]
まず、写真シール作成装置1の撮影空間6の構成の説明を行なう。
図2は本体部2を正面から見た斜視図である。本体部2は、プリンタ11、撮影・印刷用コンピュータ装置100a、編集用コンピュータ装置100b、および制御部110などの各種機器類を収める。これらの詳細は、後に図14を用いて説明される。
本体部2の正面には、被写体である利用者を撮影するためのCCD(Charge Coupled Device)、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)
などの撮像素子からなるカメラ12と、カメラ12から撮像される映像をリアルタイム表示して利用者に撮像される映像を視覚確認させるためのライブモニタ13とが備えられる。カメラ12は複数備えられたり、移動や角度調節をできるようにしてもよい。カメラ12は、一般的にデジタルカメラが用いられる。一般的なデジタルカメラで設定できる項目(たとえばシャッタースピード、絞り値、露出補正、ホワイトバランスなど)の変更や撮影タイミングは、撮影・印刷用コンピュータ装置100aから指示される。
また、カメラ12の左側に前面照明装置14a、カメラ12の右側に前面照明装置14b、カメラ12の下側に前面照明装置14cが備えられる(これらをまとめて前面照明装置14という)。前面照明装置14は、被写体である利用者を前面から照明する。
前面照明装置14に関しては、天井照明装置41、側面照明装置42L、42Rとともに後に詳細を説明する。
前面照明装置14cの拡散板31cの左側には面17a、右側には面17bが配備される。面17a、17bは、左右方向が本体部2の中央方向に向かって低くなるように傾斜し、上下方向が本体部2の下方向に向かって低くなるように傾斜して配備されている。面17bの中央には、撮影操作モニタ18が備えられ、撮影操作モニタ18の上には透明なタッチパネル19が積層されている。撮影操作モニタ18には撮影指示や選択肢やプレイ時の各種の誘導などを行なう画面が表示され、タッチパネル19は、利用者の指などでタッチされる入力を検出する。利用者は、撮影操作モニタ18に表示される選択肢に対して、選択処理を行なうことができる。
このように中央方向に向かって低くなるように傾斜した面に入力操作するためのタッチパネル19を積層した撮影操作モニタ18があるため、利用者にとっては入力操作がより行ないやすく、指示画面がより見やすくなる。また面17aや17bなどに手を置いて撮影することにより撮影時のポーズなども決まりやすい。
また左上面17aの下方の垂直な面17cの上部には撮影側スピーカ20Lが備えられ、右上面17bの下方の垂直な面17dの上部には撮影側スピーカ20Rが備えられ、撮影操作などの案内を出力する。
右下面17dの下部(撮影側スピーカ20Rの下部)には対価である硬貨を投入するためのコイン投入口21と、受け付けられなかった硬貨などを排出するコイン排出口22とが備えられる。
照明装置14cの下部には、写真シール作成装置1の利用者がプレイ中に荷物を置くことができるように、凹状に荷物置き場23が備えられる。
また、本体部2の側面の下方には、コインボックス扉24とプリント取出口25とプリント案内部26とが備えられる。コインボックス扉24は、写真シール作成装置1をプレイするための対価として投入されたコインを蓄積するボックスを、写真シール作成装置1の設置者が取り出すための開閉可能な扉である。プリント取出口25は、本体部2の内部にあるプリンタ11から排出するシールシートを利用者に提供するための取出口である。
図3はプリント案内部26の具体例を示す図である。プリント案内部26は、液晶またはLED(Light Emitting Diode)などの表示装置であり、外部にどちらの編集部8のシールを印刷中であるかなどの通知、印刷完了の通知、あるいは印刷中に用紙切れ、インク切れ、用紙詰り、メカニカルエラーなどのエラーが発生していることの通知を行なう通知手段としての機能を有する。例えば、第1編集部8aのシールシートを印刷中の場合、第1編集部8aは、青色のデザインが施されているため、図示のように「青コーナー印刷中」などの表示がなされる。このような表示を点滅させることにより、注意喚起することができる。また、スクロール表示させることにより、文字数の制限なく、わかりやすく通知を行なうことができる。
また、本体部2には、本体部2の内部の熱を逃がすためのファンや、外部装置への画像の配信、リモートメンテナンスなどの、外部装置との通信を行なうときにケーブルを差込むためのLAN(Local Area Network)ケーブル差込口、内部の装置のメンテナンスを行なうときに開閉可能なメンテナンスドアなどが備えられていることが好ましい。
図4は、背面部3と天井部4と床面部5とを写真シール作成装置1側から見た斜視図である。天井部4の略中央付近には前方背景装置40aが、天井部4の背面部3に近い位置には後方背景装置40bが配備される(これらをまとめて背景装置40という)。前方背景装置40aと後方背景装置40bとの間には天井照明装置41が配備される。背面部3付近には、側面照明装置42L、42Rとが配備される。床面部5には前方フットスイッチ43aと後方左側フットスイッチ43bLと、後方右側フットスイッチ43bRとが配備される(これらをまとめてフットスイッチ43という)。
[背景装置]
より詳細に背景装置40の説明をする。
図5は、前方背景装置40aおよび後方背景装置40bの側面図である。前方背景装置40aは、モータ46a(不図示)、巻取装置47a、様々な色や柄の背景ロールカーテン48aなどを含み、背景ロールカーテン48aに施された背景画像が撮影時の被写体の背景を形成し背景手段としての機能を有する。背景ロールカーテン48aは、プレイ時の利用者の選択によって利用者所望の背景画像を施された背景ロールカーテン48aがセットされたり、予め所定の背景ロールカーテン48aがセットされたり、各々の撮影コースに対応した方法で決定されセットされる。後方背景装置40bも同様に、モータ46b(不図示)、巻取装置47b、背景ロールカーテン48bで構成される。
前方背景装置40aは、顔アップ撮影などの近接撮影時に使用され3種類の背景ロールカーテン48aを有する。後方背景装置40bは主に全身撮影などの遠隔撮影時に使用され5種類の背景ロールカーテン48bを有する。また、背面部3の背景ロールカーテン48bの後方の面にも背景画像が施されているため合計9種類の背景画像が利用できる。
近接撮影に用いられる前方背景装置40aの背景ロールカーテン48aは柄の入った背景画像が施される。比較的きれいに撮影したいと思う利用者は、顔アップなどの近接撮影をすることを好むため、このように柄が施されることによって豪華さを演出し、より顔が美しく映えるようにすることができる。このような背景画像を背景ロールカーテン48aに施すことが好ましい。
遠隔撮影に用いられる後方背景装置40bの背景ロールカーテン48bは無地の着色された背景画像が施される。背景ロールカーテン48bは無地であるため、後に説明するように背景柄を合成することができるため背景画像の種類を多くすることができる。
また、このように前方背景装置40aと後方背景装置40bとを用いることによって、後方背景装置40bを利用した自由な立ち位置での撮影だけでなく、前方背景装置40aを利用した立ち位置を制限した撮影が可能となる。このため、前方背景装置40aを利用した撮影では、照明設定に応じた最適な立ち位置に自然に誘導することが可能となる。
このような構造である以上、前方背景装置40aと後方背景装置40bとの間には、利用者が位置できる程度の空間があくことがある。このため、利用者が背景ロールカーテン48aと背景ロールカーテン48bとの間に挟まれてしまい、利用者がカメラ12に写らないという問題が考えられる。
上述のような問題を解決すべく、前方背景装置40aの背景ロールカーテン48aの昇降と、後方背景装置40bの背景ロールカーテン48bとの昇降とを、背景ロールカーテン48aと背景ロールカーテン48bとの間に、利用者が挟まれないように制御する。
具体的には、CPU101aが制御部110を介して背景制御部115(図14参照)に指示信号を送信することにより、背景ロールカーテン48aの降下速度を背景ロールカーテン48bの降下速度よりも低速にするよう制御する。
または、背景ロールカーテン48aは降下時に段階的に降下させるよう制御する。すなわち、背景制御部115は、背景ロールカーテン48aの降下途中で一時停止を何度か行なうように制御する。
このように制御することにより、背景ロールカーテン48aが完全に降下してしまう前に、背景ロールカーテン48aが降下していることを利用者に認識させることができるため、利用者は背景ロールカーテン48aよりカメラ12寄りの位置へ移動することができる。このため、利用者が背景ロールカーテン48aと背景ロールカーテン48bとの間に挟まれないようにすることができる。
また、通常は先に使用した背景ロールカーテン48を巻き上げるのと同時に、次に使用する背景ロールカーテン48を降下するように、背景制御部115によって制御されているが、後方の背景ロールカーテン48bを使用し、その次に前方の背景ロールカーテン48aを使用する場合においてのみ、後方の背景ロールカーテン48bが完全に収納(昇降)してから、前方の背景ロールカーテン48aを降下するよう制御する。
このように制御することにより、背景ロールカーテン48aが降下するまでに時間的な余裕ができるため、利用者は背景ロールカーテン48aよりカメラ12寄りの位置へ移動することができる。このため、利用者が背景ロールカーテン48aと背景ロールカーテン48bとの間に挟まれないようにすることができる。
また、背景ロールカーテン48aの幅方向の長さは、背景ロールカーテン48bの幅方向の長さより、カメラ12の撮影範囲に収まる程度に短くする。
このようにすることで、万が一、背景ロールカーテン48aと背景ロールカーテン48bとの間に挟まれてしまったとしても、背景ロールカーテン48aよりもカメラ12側に容易に移動することができる。
以上が、背景装置の説明である。
[照明装置]
より詳細に照明装置の説明をする。
図6および図7は、前面照明装置14の内部構造を示す図である。前面照明装置14の内部には蛍光灯15も配備されているが、図6、図7においては図示を省略する。
前面照明装置14の内部は白色に塗装され、適宜な空間を有している。それぞれ蛍光灯15などの常灯照明とストロボ16などの閃光照明(フラッシュ)とストロボ16から出射した光を反射する黒色の反射板30を有しており、外部に接する面は、乳白色のアクリルパネルなどの拡散板31が配備されている。
ストロボ16は、利用者から撮影の開始が指示され、カメラ12のシャッタ動作が行なわれると、カメラ12のシャッタ動作のタイミングに合わせて発光する。ストロボ16から発光した光は照明装置14の内部で反射を繰り返し、拡散板31の面から光を拡散して出射することによって、被写体である利用者を前面から照明する。
図6を参照して、前面照明装置14aと前面照明装置14bとは左右対称でカメラ12の両隣に配備され、ストロボ16a、16bはそれぞれ前面照明装置14の内部の中央付近に配備される。出射面である拡散板31a、31bの方向とは逆のやや斜め上方を向いて照射するよう配備され、上部照明手段として機能する。ストロボ16a、16bの照射方向の先には、それぞれ黒色に施された反射板30a、30bが配備されている。拡散板31a、31bは天井方向に向かうにつれて前方に突出して配備される。また、拡散板31a、31bは曲面で構成されている。
前面照明装置14a、14bは、主に被写体の顔部分を照明する。被写体の顔部分を照明するとき、ストロボ16a、16bの光量が強すぎると白飛びしてしまい、美しい写り具合が実現できない。反射板30a、30bを黒色に施すことによって、ストロボ16a、16bから出射される光をある程度吸収する。このようにすることによって、顔に照射する光量を適宜な量に抑制することができる。また、顔部分の肌色に黒色が入ることによって引き締まった印象の写り具合を実現することができる。
図7を参照して、前面照明装置14cは前面照明装置14a、14bの下部に配備される。ストロボ16cは、拡散板31dの方向に照射するように配備され、下部照明手段として機能する。内部の底面の中央付近には、黒色に施された反射板30cが配備されている。拡散板31cは床方向に向かうにつれて前方に突出して配備される。また、拡散板31cは曲面で構成されている。拡散板31dは本体部2の中央下部の垂直な面の上方に配備される。
上述のように前面照明装置14cは、拡散板31cと拡散板31dとの2つの出射面を有する。拡散板31cから出射する光は主に被写体を顔部分を下部から照明する。このようにすることで、照明装置14a、14bから出射される光と照明装置14cの拡散板31cの面から出射される光とが干渉しあい、被写体の顔部分を適宜な光量で照射することができる。一方、拡散板31dから出射する光は主に被写体の足元や下方を照明する。このようにすることで、暗くなりやすい被写体の足元付近も明るく照明することができる。
上述の上部照明手段14a、14bと下部照明手段14cとは前面照明手段として機能する。
図8は、天井照明装置41と、側面照明装置42L、42Rの斜視図である。天井照明装置41は被写体を斜め上方の後背面から照射し、側面照明装置42L、42Rは被写体を側面から照射する。内部は前面照明装置14と同様に蛍光灯15(不図示)などの常灯照明とストロボ16(不図示)などの閃光照明(フラッシュ)を有している。外部に接する面は、同様に乳白色のアクリルパネルなどの拡散板31で形成しているが、さらに拡散板31の前面にグリッドと呼ばれる格子状の部材を備えている。グリッドは黒色が施され、拡散板31から出射された散乱光を吸収し擬似的に平行光とする。このような天井照明装置41や側面照明装置42L、42Rを使用することにより、光が被写体の後背面に向かって平行に照射されるようになされている。このような照明を使用することで、被写体の髪に天使の輪を光らせたりするなど、髪の毛を美しく撮影することができる。
上述の天井照明装置41と、側面照明装置42L、42Rとは後方照明手段として機能する。
以上が照明装置の説明である。上述のような照明装置を利用した照明設定については後に詳細を説明する。
[フットスイッチ]
より詳細にフットスイッチ43の説明をする。
フットスイッチ43は、後に説明する撮影コースの内「フットシャッター」コースにおいて使用される。図4が図示するように、写真シール作成装置1の撮影空間6の床面部5に配備されており、利用者の踏み込み動作によって、カメラ12のシャッタ動作が行なわれる。
図9は撮影空間6の床面部5に配備されるフットスイッチ43の配置を上方から見た図である。
フットスイッチ43は、本体部2に近い側に配備される前方フットスイッチ43aと、背面部3に近い側に配備される後方左側フットスイッチ43bLと、後方右側フットスイッチ43bRとがある(これらをまとめ後方フットスイッチ43bという)。なお、前方フットスイッチ43aと後方フットスイッチ43bとを総称してフットスイッチ43という。
前方フットスイッチ43aは、本体部3の幅方向に長い長方形になっており、後方フットスイッチ43bは、人足より少し大きくなっている。また、前方フットスイッチ43aと後方フットスイッチ43bとの間はカメラ12の撮影方向に向かって距離があいている。このため、各々のフットスイッチ43の間には適宜な空間があり、利用者は撮影操作モニタ18に表示される指示に従って、様々な位置のフットスイッチ43を踏込動作をすることになる。「フットシャッタ」コースでは、フットスイッチ43が、利用者に踏込動作されることによってシャッタ動作が行なわれるため、利用者は楽しみながら様々な位置で撮影を行なうことができる。
図10はフットスイッチ43の側面図である。
図示のように、フットスイッチ43は、スイッチ部50と、基底部51と踏込部52と基底部51と踏込部52とを回転可能に保持する回転軸部53とを含んで構成される。利用者によって踏込部52を踏込動作されることによって、回転可能な踏込部52はスイッチ部50に接触し、スイッチ部50はオン信号を制御部110に送信する。前方フットスイッチ43aは、踏込部52の面積が広いため、スイッチ部50が複数(ここでは2個)配備される。
写真シール作成装置1でフットスイッチ43を使用する場合に、フットスイッチ43が小型であると、撮影時に利用者はフットスイッチ43に気をとられてしまい、撮影時のポーズがとりにくいという問題があった。
また、フットスイッチ43が小型の場合に、利用者がフットスイッチ43の踏込み動作をする位置が限定されてしまい、自由な位置どりで撮影ができないという問題があった。
しかしながら、利用者が踏みやすい程度の大きさのフットスイッチ43は、製造コストが高くなるという問題があった。
本実施の形態のフットスイッチ43においては、上述のように市販の小さなスイッチ(スイッチ部50)より、大きな基底部51と踏込部52とを被せることによって、簡単な機構、かつ低コストで面積が広いフットスイッチ43を実現する。
このことによって、利用者はフットスイッチ43を使用して、自由な位置どりで、撮影時のポーズも気にしながら、遊戯性の高い撮影ができる。また、製造コストを低減することができる。
なお、フットスイッチ43は内部のスイッチ部50は同じであるため、踏込部52の形状はどのような形態でも構わない。丸型やホームベース型など様々な形状で実現できる。また、このような写真シール作成装置1は、バージョンアップ等によって遊戯の形態が変更することがある。さらに、遊戯の形態によっては、踏込部52の形状や配置を変更することがある。このような場合、踏込部52の変更のみでフットスイッチ43の形状を変更することができるため低コストである。
以上が、フットスイッチ43の説明である。
[写真シール作成装置の編集空間の構成]
次に写真シール作成装置1の編集空間7の構成の説明を行なう。
図11は、写真シール作成装置1の本体部2の背面に形成される第1編集部8aを第1編集空間7a側から見た斜視図である。図12は、写真シール作成装置1の背面部3の背面に形成される第2編集部5bを第2編集空間7b側から見た斜視図である。第1編集部8aと第2編集部8bは同様な構成であるため、第1編集部8aでまとめて説明をする。
第1編集部8aは、撮影により得られた画像を表示して画像の編集を受付ける透明なタッチパネル61aが積層されている編集操作モニタ60aと、画像入力を行なうための
複数のタッチペン62aL、62aRと、利用者に対し音楽や操作方法の説明などを音声で出力する編集側スピーカ63aと、夫々のタッチペンを使用しないときに置いておくタッチペンフォルダ64aL、64bLとが備えられる。編集操作モニタ60aにはデータが表示され、タッチパネル61aは、タッチペン62aL、62aRでタッチされることによって行なわれる入力を検出する。このようにして、撮影画像に落書き用画像を入力するいわゆる落書きと呼ばれる編集操作を行なうことができる。
また、以降の説明では同様の説明を行なう場合には、編集操作モニタ60a、bをまとめて編集操作モニタ60、タッチパネル61a、bをまとめてタッチパネル61、タッチペン62aL、62aR、62bL、62bRをまとめてタッチペン62、編集側スピーカ63a、bをまとめて編集側スピーカ63、タッチペンフォルダ64aL、64aR、64bL、64bRをまとめてタッチペンフォルダ64という。
なお、本体部2の内部にはコンピュータ装置101などの各種機器類が配備されているため熱が篭りやすい。このため本体部2の背面にあたる第1編集部8a側には、熱排出口65が設けられている。
図13は、タッチペンフォルダ64と、タッチペン62とを示す図である。従来、タッチペン62は、使用していないときに置き場所がなくて、ぶらさがった状態のまま放置されたり、置き場所があったとしても利用者にその場所には置いてもらえなかったり、置き場所にきちんと置かれていたとしてもその位置に固定するのが難しいという問題があった。また、上述のようにぶらさがった状態であると、様々な所にタッチペン62が衝突しやすくなるため、タッチペン62が壊れやすくなってしまうという問題があった。
このような問題を檻みて、夫々のタッチペン62に対し図13(A)が図示するように利用者にわかりやすい位置に、タッチペン62を置きやすいタッチペンフォルダ64を設ける。このようにすることで利用者は、図13(B)が図示するようにタッチペン62をタッチペンフォルダ64に置くことができ、タッチペン62がぶらさがった状態のまま放置されることを防止し、タッチペン62の故障を抑制することができる。
[写真シール作成装置の機能構成]
次に、写真シール作成装置1の機能構成の具体例を図14の概略機能ブロック図で示す。
図14を参照して、本実施の形態にかかる写真シール作成装置1は、各機能や処理動作のための演算、制御の中心部となる撮影・印刷用コンピュータ装置100a、編集用コンピュータ装置100bと(これらをまとめてコンピュータ装置100という)、基板から構成され、コンピュータ装置100からの指示を受けて、接続してある各種装置を制御、駆動する制御部110とを備える。
写真シール作成装置1は、電源を必要とする蛍光灯15、ストロボ16などの電源系統を制御する電源制御部112を備え、外部からそれらの装置に対する電源の電圧を安定させるよう制御する。図示はしていないが、電源制御部112はストロボ16などの他にも電源を必要とする機器に接続し、同様の制御を行なう。さらに、そのような電源の投入および切断は、電源スイッチ111を押すことで行なわれる。しかし、電源切断によりコンピュータ装置100で動作しているプログラムを強制的に終了させることは、動作を不安定にさせる原因となる。そのため、電源が落とされても、しばらくはUPS(Uninterrupted Power Supply)113が電源をバックアップし、コンピュータ装置100に停電信号を送信する。その間に、コンピュータ装置100はプログラムの終了の手続を行ない、プログラムを正常に終了させる。一方、コンピュータ装置100を正規の手順で終了した場合は、その旨の信号がUPS113に送信される。
コンピュータ装置100は、コンピュータ装置100の中心部として演算処理を行なう演算装置であるCPU(Central Processing Unit)101と、装置を動作させるためのプログラムおよびプログラムで必要なグラフィックデータ、音声データ、撮影された画像や撮影画像に対して入力した編集画像その他の各種画像などを記憶する記憶部102と、プログラムの一時的な作業領域ともなるメモリ103と、カメラ、各種モニタ、プリンタどの周辺機器を制御するためのソフトウェアであるドライバ104(不図示)と、LANケーブルを介して外部機器と接続された場合に通信を行なう通信部105(不図示)とを含む。また、入出力インターフェイス106(不図示)を備え、必要に応じて、磁気ディスクや光ディスクや光磁気ディスク、または半導体メモリが装着される。
コンピュータ装置100は、電源の投入及び切断を制御する電源スイッチ111が押され、本装置に電源プラグより電源が投入されると、プログラムが起動されて動作を開始する。撮影・印刷用コンピュータ装置100aは、接続されるカメラのシャッタタイミングや、ライブモニタ13および撮影操作モニタ18での表示や、プリンタ11での出力を制御する。編集用コンピュータ装置100bは、接続される編集操作モニタ60での表示を制御する。
また、撮影・印刷用コンピュータ装置100aは、上記プログラムの実行や、タッチパネル19から受信した、利用者の指などでタッチされる入力操作にしたがった指示信号に基づいて、制御部110に対して制御信号を送信する。編集用コンピュータ装置100bは、タッチパネル61から受信した、タッチペン62でタッチされる入力操作にしたがった指示信号に基づいて、制御部110に対して制御信号を送信する。
プリンタ11は、撮影された画像を紙やシールや金属やプラスチックなどの印刷媒体に印刷するためのプリンタであって、昇華型プリンタやサーモオートクローム方式(光定着型直接感熱記録方式)等のプリンタが一般的に用いられる。なお、写真シール作成装置は、プリンタ11でシールが印刷されるものとして説明を行なうが、印刷媒体はシールに限定されず、他の印刷媒体であっても同様の処理が実行される。
プリンタ11は、上述の用紙切れなどの状態を撮影・印刷用コンピュータ装置100aに通知する。撮影・印刷用コンピュータ装置100aは、その状態に応じて制御部110に制御信号を送信する。
制御部110は、撮影・印刷用コンピュータ装置100a、編集用コンピュータ装置100bおよび電源制御部112の他に、ストロボ制御部114、撮影側スピーカー20L、R、フットスイッチ43a、43b、背景制御部115、サービスパネル116、コイン制御部117、編集側スピーカ63a、63b、プリント案内部26に接続される。
ストロボ制御部114はカメラ12に接続されて、カメラ12におけるシャッタタイミングに応じた同期信号を取得する。そして、カメラ12のシャッタタイミングに同期させて、ストロボ16を発光させるように制御する。ストロボ制御部114は、各々のストロボ16の発光のON・OFF、光量を制御する。
制御部110は、撮影・印刷用コンピュータ装置100aから受信した制御信号(指示コマンドなど)にしたがって、撮影側スピーカー20L、20Rに対して指示信号を送信し、写真シール作成装置1の撮影プレイにおける操作などの案内やBGM(Back Ground Music)などを出力する。同様に制御部110は、編集用コンピュータ装置100bから受信した制御信号にしたがって、編集側スピーカ63a、63bに指示信号を送信し、写真シール作成装置1の編集プレイにおける操作などの案内やBGMなどを出力する。なお、撮影側スピーカ20または編集側スピーカ63の音声のボリュームを調整する音量調整つまみは、サービスパネル116に備えられる。
フットスイッチ43a、43bL、43bR(これらをまとめてフットスイッチ43という)は、特定の撮影コースでの撮影プレイ時(ここではフットシャッターコース)に、利用者からの踏み込み動作を検出したとき、検出信号を制御部110を介して撮影・印刷用コンピュータ装置100aに送信する。撮影・印刷用コンピュータ装置100aは該検出信号を受信したら、カメラ12にシャッタ動作を行なう指示信号を送信する。
また、制御部110は、撮影・印刷用コンピュータ装置100aから、タッチパネル19によって利用者が所望の背景を選択する入力操作にしたがった指示信号を受信し、該指示信号にしたがって背景制御部115を制御することにより、背景ロールカーテン48の巻取りや繰り出しを制御する。このように背景制御部115で、モータ46の動作を制御することによって、利用者が選択した背景画像が施された背景ロールカーテン48を巻取装置47から繰り出しセットする。また、撮影・印刷用コンピュータ装置100aから受信した制御信号(指示コマンドなど)によって自動的に背景画像が決定され背景ロールカーテン48のセットがなされてもよい。
サービスパネル116は、投入されたコインの枚数をカウントするコインカウンタ、印刷されたプリントの枚数をカウントするプリントカウンタ、撮影側スピーカ20または編集側スピーカ63から出力する音声のボリュームを調整する音量調整つまみ、テストモードを行なうためのテストボタン、コインを投入しなくても装置が利用できるようにするためのサービスボタン等を備えるパネルであって、写真シール作成装置1の設置者が各種設定やメンテナンスの操作を行なう際に用いる。サービスパネル116は、サービスボタンの操作などの制御操作が行なわれると、その操作にしたがった制御信号を制御部110に対して送信する。
制御部110は、コンピュータ装置100から受信した制御信号にしたがって、サービスパネル116に対して制御信号を送信する。サービスパネル116は、該制御信号に従って、コインカウンタやプリントカウンタを動作させる(例えばカウンタを1インクリメントする)。
コイン制御部117は、コイン投入口21に投入されたコインの正当性を検出し、制御部110にコインが投入されたことを示す検出信号を送信する。
制御部110はコンピュータ装置100から受信した制御信号にしたがって、コイン制御部117に対して制御信号を送信する。コイン制御部117は、該制御信号にしたがって、コインが投入されないようにコイン投入口21をブロックするか、コイン投入口21に投入されたコインをコイン排出口22から排出することができる。コイン制御部117は、前者の場合はコインブロッカとして機能し、後者の場合はコインキャンセラとして機能する。このことで、プレイ中にコイン投入を禁止することができる。
さらに、制御部110は、コンピュータ装置100からプリンタ11の状態に応じた制御信号を受信し、該制御信号にしたがって、プリント案内部26の表示を制御する。
なお、言うまでもなく、写真シール作成装置の形態は図1〜図14に示される具体例に限定されるものではない。すなわち、図1〜図14に記載されない他の機能が備えられていてもよいし、図1〜図14に記載されている機能の必ずしも全てが備えられていなくても構わない。
[写真シール作成装置の撮影プレイ処理]
次に、本実施の形態にかかる写真シール作成装置での処理について説明する。
このような写真シール作成装置の処理は、コンピュータ装置100のCPU101が、記憶部102に記憶されたプログラムをメモリ103に読出して実行することによって実現される。
写真シール作成装置でのプレイ(遊戯)は主に撮影プレイと編集プレイとに分かれる。夫々のプレイは異なる空間で行なわれているため、写真シール作成装置での一連の処理は、図15の撮影空間6側で行なわれる処理を示すフローチャートと、図29の編集空間7およびプリント取出口25側で行なわれる処理を示すフローチャートとを用いて説明する。
まず、撮影空間6で行なわれる撮影プレイの処理を図15のフローチャートを用いて説明する。
まず、写真シール作成装置1に備わる電源スイッチ111が投入されると、各種装置に電源が供給され、撮影・印刷用コンピュータ装置100aの記憶部102aに格納された動作プログラムが起動する。撮影・印刷用コンピュータ装置100aは、各種装置が正常に接続されているかチェックし、初期化が必要な装置に対しては初期化を行なう(S1)。
このとき、本装置の編集割当フラグ(f)値の初期化も同時に行なわれる。編集部割当フラグ(f)の値は変数で、前述の電源投入時の編集部割当フラグ(f)の値はf=0となる。一組の利用者の撮影プレイが終了したら、編集部割当フラグ(f)の値はf=1となり、更に次の組の利用者の撮影プレイが終了したら、再び編集部割当フラグ(f)の値はf=0となる。すなわち、CPU101aは、一組の利用者が撮影プレイを終了する度に編集部割当フラグ(f)の値をXOR演算などを用いて、“0”と“1”とに交互に切替える。編集部割当フラグ(f)は、上記CPU101aにより、メモリ103aの所定の記憶領域に記憶(セット)され、該プレイ時にどちらの編集部を使用するのか識別するためのフラグである。
また、編集部割当フラグ(f)の値がf=0の場合、撮影操作モニタ18の指示画面は青色を基調としたデザインで構成され、編集プレイは第1編集部8aを使用する。編集部割当フラグ(f)の値がf=1の場合は撮影操作モニタ18の指示画面は赤色を基調としたデザインで構成され、編集プレイは第2編集部8bを使用する。すなわち、CPU101aは、編集部割当フラグ(f)の値に応じて上記指示画面のデザインを切替えるようになっている。
なお、編集部割当フラグ(f)の値によって、撮影プレイ前に撮影プレイ後どちらの編集部8を利用するのかを案内することもできる。このため、利用者は撮影プレイ前にどちらの編集部8を利用するのかを意識することができるため、編集部8への移動の際に迷うことが少なくなり回転がスムーズになる。
また、第1編集部8aを構成する装置やカーテンなどを青色を基調としたデザインを施し、第2編集部8bを構成する装置やカーテンなどを赤色を基調としたデザインを施す。
このように、利用者にどちらの編集部を使用するのかが自然にわかるような構成になっている。
ついでCPU101aは、写真シール作成装置1の使用を促すタイトルデモ画面を撮影操作モニタ18に表示し、それに応じて撮影側スピーカ20L、20Rから音声を出力する(S5)。
CPU101aは、タイトルデモ画面が表示されている状態で、サービスパネル116のテストボタンが押されたか否かを判別する(S10)。通常タイトルデモ画面表示中テストボタンが押下されることによって(S10でYES)、写真シール作成装置のメンテナンスを行なうためのテストモードを起動することができる(S15)。テストモードは、写真シール作成装置の設置者が写真シール作成装置を操作するためのモードであり、このモードにおいては写真シール作成装置の利用状況の確認や、カメラ12、プリンタ11など周辺機器の調整ができる。
ここでいう写真シール作成装置の設置者とは、当該写真シール作成装置を設置し営業を行なっている店舗などの経営者、管理者、および従業員であり、営業中に、利用者に対応できる者である。なお、テストモード中はコインを受付けないようにすることが望ましい。
タイトルデモ表示中でテストボタンが押下されておらず(S10でNO)、コイン制御部117がコインの投入を検出していない場合(S20でNO)、ステップS5ヘ戻り引き続き、テストボタンの押下やコインの投入を監視する。一方、コイン制御部117が所定の対価の受付を検出した場合は(S20でYES)、ステップS23へ進む。
プレイに必要な対価は上述の通貨などのコイン投入に限定するものではない。コインの代替となる磁気カードやプリペイドカードや専用コインや非接触型電子マネーの使用や、私的なパスワード等による操作なども含み、プレイ(遊戯)に対する対価支払いであればよい。
コイン制御部117が所定の対価の受付を検出すると(S20でYES)、まずCPU101aは、図16が図示する編集部案内画面を、撮影操作モニタ18に表示する(S23)。これは、撮影プレイ後、複数の編集部8のうちいずれかで編集プレイを行なうかを案内する画面である。編集部割当フラグ(f)の値によって第1編集部8a(青コーナー)か、第2編集部8b(赤コーナー)かいずれかへの案内画面を表示する。
このため、利用者は撮影プレイ前にどちらの編集部8を利用するのかを意識することができるため、編集部8への移動の際に迷うことが少なくなり回転がスムーズになる。
ついで、CPU101aは、図17が図示する撮影コースを選択する撮影コース選択画面を撮影操作モニタ18に表示する(S25)。これらは、複数の撮影プレイからいずれかを選択させる選択手段として機能する。
図17が示すように「こだわり6ショット」「おまかせ10ショット」「フットシャッター」など、コース別に表示し、利用者の指などで撮影操作モニタ18に積層されたタッチパネル19の該当領域をタッチされることによって、撮影コースが選択される。
「こだわり6ショット」コースは、予め設定された所定の回数の撮影を、繰返し行なうように設定されているが、撮影の前に行なわれる照明や背景や明るさの選択は、選択に要する時間に個人差があるため、所定の回数の撮影が終了する時間は利用者によって異なる。このため、所定の回数の撮影終了後に所定の制限時間に達してない場合、時間調整としておまけ撮影をすることによって、「こだわり6ショット」の撮影プレイは所定の制限時間で終了する。「こだわり6ショット」の撮影プレイは第2の撮影プレイの一例である。
「おまかせ10ショット」コースは予め設定されたタイミングで撮影を繰返し行ない、予め設定されたタイミングで設定された撮影が自動的に行なわれるため、いつでも同じように「おまかせ10ショット」の撮影プレイは所定の制限時間で終了する。「おまかせ10ショット」の撮影プレイは第1の撮影プレイの一例である。
「フットシャッター」コースは、利用者所望のタイミングか1回の撮影の制限時間のいずれかによって撮影が行なわれるため、撮影回数と1回の撮影の制限時間とのいずれかを調整することによって「フットシャッター」の撮影プレイは所定の制限時間で終了する。「フットシャッター」の撮影プレイは第2の撮影プレイの他の例である。
このように、これらの撮影コースはプレイ方法は異なるが、プレイ状況に応じて同じ時間で終了するように調整することができる。そして、CPU101aは、利用者が選択した撮影コースの撮影処理手順で撮影処理(S30)を実行する。
なお、撮影処理の間、CPU101aは、カメラ12から取得される画像をライブモニタ13にリアルタイム表示する。利用者はライブモニタ13の表示によって、撮影時のポーズや表情などを視覚確認できるようになっている。
それぞれの撮影コースの撮影処理手順は各々別のフローチャートを用いて説明する。
[こだわり6ショット撮影処理]
まず、「こだわり6ショット」コースにおける撮影処理を図18のフローチャートを用いて説明する。「こだわり6ショット」では2回連続撮影を3回繰り返す(計6回)。
CPU101aはステップS25の撮影コース選択で、「こだわり6ショット」が選択されたと判定すると、撮影制限時間の計時(カウント)を開始する(S101)。こうして、利用者が撮影プレイを行ない得る所定の制限時間まで計時する。
ついで、CPU101aは、図19が示す照明選択画面を撮影操作モニタ18に表示する(S103)。図19が図示するように、照明選択画面は「うる肌」「キラ髪」「全身」というように、撮影時にどのような照明設定を行なうか選択肢が表示される。
「うる肌」は顔アップ撮影(近接撮影)で肌が美しく写るような照明設定がなされ、「キラ髪」は髪が美しく写るような照明設定がなされ、「全身」は全身撮影(遠隔撮影)で全身が均等に美しく写るような照明設定がなされる。
CPU101aは照明選択の選択肢のうちのいずれが選択されたかを判定し、利用者から選択された照明設定に応じて、制御部110を介して上述の通りストロボ制御部114に指示信号を送信する。
ついで、CPU101aは、背景選択画面を撮影操作モニタ18に表示する(S105)。「うる肌」の場合は、前方背景装置40aと後方背景装置40bとに配備される背景ロールカーテン48のいずれも選択可能にしている。「キラ髪」「全身」の場合は後方背景装置に配備される背景ロールカーテン48のみ選択可能にしている。このように、それぞれの照明方法で最適な背景での撮影を提供するため、選択可能な背景を制限している。
ストロボ16の光量や発光の有無は、撮影コースや撮影方法などによって異なるように構成されている。予め撮影・印刷側コンピュータ装置100aの記憶部102aに設定が記憶されており、撮影時にどの撮影コースや撮影方法が選択されているかによって、ストロボ制御部114(図14参照)はストロボ16の発光や光量を制御する。
本実施の形態においては、前面照明装置の上部照明手段14a、14bのストロボ16a、16bは、照射面である拡散板31a、31bとは逆の方向に向いているため、外部へは光が弱めに出射される。前面照明装置の下部照明手段14cのストロボ16cは、照射面である拡散板31cの方向を向いているため、外部へは光が強めに出射される。また、天井照明装置41と側面照明装置42L、42Rとのストロボ16d〜16f(不図示)は、照射面である拡散板31e〜31gの方向を向いているため、外部へは光が強めに出射される。
このように、ストロボ16は備えられる位置や方向によって、同じ光量値でも拡散板31から外部へ出射する光量は異なるため、ストロボ16の配置や方向を考慮した設定を行ない記憶部102aに記憶される。該設定に基づいてストロボ制御部114はストロボ16の発光を制御する。
ストロボ16の発光時の光量値は、弱(S)、中(M)、強(L)とに分かれる。また、その中でも更に5段階の値に分かれる。弱の中で一番弱い光量値をS1、一番強い光量値をS5とし、数値が大きいほど光量は強くなる。同様に中(M)はM1〜M5、強(L)はL1〜L5などの光量値に分かれる。
図20は、各々の照明設定におけるストロボ16の光量設定の具体例を示す図である。光量設定は、近接撮影用の「うる肌」と、髪中心またはどの位置でも美しい写りを実現しやすい「キラ髪」と、遠隔撮影用の「全身」とがある。また、図示の光量設定は標準設定であり、後述する明るさ選択で選択された明るさによって光量値は異なる。
「うる肌」は、近接撮影で顔が美しく写るような近接撮影用の照明設定である。前面照明装置14cのストロボ16cは、照射面である拡散板31cの方向を向いているため、外部へは光が強めに出射される。拡散板31cから出射する光は、被写体の下方向から顔を照射するため、ストロボ16cの光量が強いと顔部分の上方向に向けて影ができてしまい、写り具合として好ましくないため、ストロボ16a、16bの光量は強めに発光し、ストロボ16cの光量は弱めに発光するような設定になっている。
具体的には、前面照明装置14a、14bのストロボ16a、16bの光量をL3、前面照明装置14cのストロボ16cの光量をS3、天井照明装置41のストロボ16d、側面照明装置42L、42Rのストロボ16e、16fの発光をOFFにする。
「キラ髪」は、髪が美しく写るような髪中心撮影用の照明設定である。髪を美しく撮影するには、被写体の斜め上後方から照射することにより、髪に天使の輪ができるなど美しく撮影することができるため、天井照明装置41と側面照明装置42L、42Rとを発光する設定になっている。全体的に光量が強くなりすぎるので前面照明装置14a、14b、14cの光量は弱めに発光するような設定になっている。
具体的には、前面照明装置14a、14bのストロボ16a、16bの光量をM1、前面照明装置14cのストロボ16cの光量をS3、天井照明装置41のストロボ16dの光量をM4、側面照明装置42L、42Rのストロボ16e、16fの光量をL3にする。
「全身」は、全身が均等に美しく写るような遠隔撮影用の照明設定である。全身を美しく撮影するには、撮影空間6の後方まで光を均等に照射する必要があるため、前面照明装置14a、14b、14cの光量を強めに発光させるよう制御する。また、前述の通り前面照明装置14a、14bと前面照明装置14cとではストロボ16の向きが異なるため、前面照明装置14a、14bの光量をやや前面照明装置14cより強めに発光するような設定になっている。
具体的には、前面照明装置14a、14bのストロボ16a、16bの光量をL2、前面照明装置14cのストロボ16cの光量をL1、天井照明装置41のストロボ16d、側面照明装置42L、42Rのストロボ16e、16fの発光をOFFにする。
写真シール作成装置1では、撮影コースや撮影方法に応じて、「うる肌」「キラ髪」「全身」が適宜選ばれて撮影が行なわれる。撮影時には、CPU101aは、「うる肌」「キラ髪」「全身」の各照明設定のどれを実行するかを制御部110を介してストロボ制御部114に指示し、ストロボ制御部114は設定に従ったストロボ16の発光、光量設定を実現するよう制御する。
なお、上述の照明選択で選択された照明方法での撮影を2回連続で行なう。このため、この背景選択では利用者に夫々の撮影で使用する背景ロールカーテン48を選択させる。すなわち、背景ロールカーテン48を2種類選択させる。
ついで、CPU101aは、明るさ選択画面を撮影操作モニタ18に表示する(S107)。1〜5の5段階の明るさの中から利用者所望の明るさが選択できるようになっている。明るさは数値が大きくなるほど明るく、上述の図20の光量値の標準設定は明るさが3の設定である。
なお、ここで選択された明るさは連続して行なわれる撮影2回で共通であって、各々の撮影時には同じ明るさ調整がなされる。各々の明るさはストロボ16の発光時の光量によって調節される。上述の照明設定で選択された照明方法での照明バランスの比率を保って、明るめの設定が選択されたら光量を強くし、暗めの設定が選択されたら光量を弱くする。
より具体的には、「うる肌」で明るさ4が選択された場合、前面照明装置の上部照明手段14a、14bのストロボ16a、16cの光量をL4、前面照明装置の下部照明手段14cのストロボ16cの光量をS4とする。
ついで、CPU101aは、撮影方法に関する説明画面を撮影モニタ18に表示する(S109)。「うる肌」の場合は、カメラに近接して撮影すると美しい写真が得られるので「アップで撮るよ!カメラの近くに寄ってね」、「全身」の場合は、カメラから離れて遠隔で撮影すると美しい写真が得られるので「全身で撮るよ!後ろにさがってね」、「キラ髪」の場合は、どの位置でも同じような効果が得られるので「準備はいい?撮影するよ」など、スピーカ20L、20Rからの音声出力を行なう。このように、それぞれの照明設定で最適な写り具合が実現できる位置に誘導するように案内を行なう。
そして、CPU101aは、カメラ12のシャッタ動作(撮影)までのカウントダウンを開始し(S111)、カウントが終了してない場合は(S113でNO)、カウントが終了する(“0”になる)まで、カウントを継続する。カウントが終了したら(S113でYES)、設定された照明によりシャッタ動作(撮影)を行なう(S115)。
ついで、CPU101aは、ステップS115で撮影した撮影画像のプレビュー画面を撮影操作モニタ18に表示する(S117)。このようにすることで、利用者は撮影画像のでき具合を視覚確認することができる。
ついで、CPU101aは、連続撮影における所定回数(ここでは2回)の撮影が行なわれたかを判定する(S119)。所定回数(ここでは2回)の撮影が行なわれていない場合は(S119でNO)、ステップS109へ戻る。所定回数(ここでは2回)の撮影が行なわれた場合は(S119でYES)、さらに「こだわり6ショット」における所定回数(ここでは2回×3セットで6回)の撮影が行なわれたかを判定する(S121)。所定回数(ここでは6回)の撮影が行なわれていない場合は、ステップS103へ戻る。所定回数(ここでは6回)の撮影が行なわれた場合は(S121でYES)、ステップS101から計時(カウント)を行なっている撮影制限時間に達しているかどうか判定する(S123)。
「こだわり6ショット」コースでは、撮影前に照明や背景や明るさの選択を行なう。このような選択に要する時間は個人差があるため、所定の回数の撮影が終了する時間は利用者によって異なる。このため、所定の回数での撮影が終了し、撮影制限時間に達してない場合は(S123でNO)、おまけ撮影処理を行なう(S125)。
すなわち、CPU101aは、所定の回数の撮影が終了した後に、タイマなどの計時手段で計時する経過時間と所定の制限時間とを比較し、計時手段で計時する経過時間が所定の制限時間(撮影制限時間)に達していない場合に、さらに利用者におまけ撮影を行なわせることによって、撮影プレイが所定の時間で終了するよう調整する。
[おまけ撮影処理]
おまけ撮影処理を図21のフローチャートを用いて説明する。
おまけ撮影処理では、「こだわり6ショット」コースで所定の撮影制限時間に達していない場合に、おまけとして撮影を行なう。すなわち、おまけ撮影によって撮影時間の調整を行なう。このようにすることで、本実施形態のように複数の撮影コースで構成される場合に効率よく時間を調整することができる。また、通常の撮影だけでなくさらに付加的に撮影を行なうことができるがめ、利用者にお得感を感じさせることができ、顧客満足を向上させることができる。
まず、CPU101aは、今からおまけ撮影を行なう旨や、おまけ撮影の撮影方法に関する説明画面を撮影モニタ18に表示し、スピーカ20L、20Rからの音声出力を行なう(S131)。
そして、CPU101aは、カメラ12のシャッタ動作(撮影)までのカウントダウンを開始し(S133)、カウントが終了してない場合は(S135でNO)、カウントが終了する(“0”になる)まで、カウントを継続する。カウントが終了したら(S135でYES)、シャッタ動作(撮影)を行なう(S137)。このとき図22が図示するようにライブモニタ13にも、カウントダウン表示を行なう。
図22はライブモニタ13におけるカウントダウン表示画面の具体例である。従来、このようなライブモニタ13には、カメラ12が取得する画像をリアルタイムで表示していくことによって、利用者に視覚確認させるようになされていることが多い。しかしながら、利用者が写り具合を気にするあまり、ライブモニタ13をじっと見てしまうという問題があった。このことによって、カメラ12の光軸方向から視線がずれて、ライブモニタ13への目線で撮影されてしまうなど、視線がずれてしまうという問題があった。また、ライブモニタ13を意識するあまり自然な表情が出にくいという問題があった。
そこで、撮影前のカウントダウン時は、図22が図示するように、カメラ12が取得する被写体である利用者のライブ画像表示は行なわず、ライブモニタ13にカウントダウン表示を行なうよう制御する。このようにすることにより、利用者が撮影時にライブモニタ13の目線にならずに自然な表情が出せるようになり、写り具合のよい写真を提供できる。
もちろん、おまけ撮影の時以外でも撮影(シャッタ動作)前のカウントダウン時にこのように、カメラ12が取得する被写体である利用者のライブ画像表示は行なわず、ライブモニタ13にカウントダウン表示を行なうよう制御してもよい。
ついで、CPU101aは、ステップS137で撮影した撮影画像のプレビュー画面を撮影操作モニタ18に表示する(S139)。このようにすることで、利用者は撮影画像のでき具合を視覚確認することができる。
以上が、おまけ撮影処理の説明である。
おまけ撮影処理の1回の撮影が終了したら、図18のステップS123へ戻る。このようにして撮影制限時間に達するまで(図18のS123でYES)、おまけ撮影処理を行なう。撮影制限時間に達していたら(図18のS123でYES)、図15のメインフローへ戻る。
このように、「こだわり6ショット」は、予め設定された所定の回数の撮影を、繰返し行なう。しかしながら、撮影の前に行なわれる照明や背景や明るさの選択は、選択に要する時間に個人差があるため、所定の回数の撮影が終了する時間は利用者によって異なる。このため、所定回数の撮影終了後に所定の制限時間に達してない場合、おまけ撮影処理を実行することによって撮影プレイを所定の制限時間で終了することができる。
以上が「こだわり6ショット」コースにおける撮影処理の説明である。
[おまかせ10ショット撮影処理]
次に、「おまかせ10ショット」コースにおける撮影処理を図23のフローチャートを用いて説明する。「おまかせ10ショット」では撮影操作モニタ18に表示されるアニメーションや、スピーカ20L、20Rから出力されるBGM(Back Ground Music)などの曲やアナウンスなどの音声に従って、所定のタイミングで順次撮影していく。
CPU101aはステップS25の撮影コース選択で、「おまかせ10ショット」が選択されたと判定すると、明るさ選択画面を撮影操作モニタ18に表示する(S151)。5段階の明るさの中から利用者所望の明るさが選択できるようになっている。また、ここで選択された明るさは撮影5回分共通であって、各々の撮影時には同じ明るさ調整がなされる。各々の明るさはストロボ16の発光時の光量によって調節される。
ついで、CPU101aは撮影回数(n)に1をセットする(S153)。
ついで、CPU101aは、タイマでの計時を開始し、同時に撮影操作モニタ18へのアニメーション表示を開始し、BGMやアナウンスをスピーカ20L、20Rから出力する(S155)。上述のタイマは、アニメーション開始からの経過時間を計時する。上述のアニメーションは撮影(シャッタ動作)のタイミングや撮影の案内情報を含む。撮影の案内情報は撮影までのカウントダウンや撮影する前に撮影する旨の案内表示を含む。また、BGMやアナウンスはアニメーション表示に同期して出力される。
このようなアニメーションは、1枚1枚の静止画を組み合わせて順次表示出力してもよいし、動画像を出力してもよい。また、アニメーションと音声出力が同期していれば、音声ファイルとアニメーションのデータファイルは同一であっても、別であってもよい。
図24はアニメーション中の所定回数(ここでは5回)毎の撮影タイミングと各々の撮影時の背景と照明との設定の具体例を示す図である。撮影タイミングは、アニメーション画像の表示開始と同時に計時開始するタイマの経過時間で示される。前述の経過時間が図24で示される撮影時間に達したときに、自動的に撮影(シャッタ動作)が行なわれる。この撮影は図24を参照して対応する背景や照明設定で行なわれる。このような設定が記憶部102a設定ファイルとして記憶されており、撮影プレイ時には上述の設定ファイルの情報を参照してプレイが進行する。
ついで、CPU101aは、図24が図示する設定ファイルの背景情報を参照して、撮影回数(n)回目に対応する背景ロールカーテン48を繰り出しするよう制御部110を介して、背景制御部115に指示信号を送信し、背景制御部115は該当する背景ロールカーテン48を繰り出すように制御する。また、このときCPU101aは図24が図示する設定ファイルの照明情報を参照して、撮影回数(n)回目に対応する照明設定にするよう制御部110を介してストロボ制御部114に指示信号を送信し、ストロボ制御部114は照明情報の通りにストロボ16の発光を行なうよう制御する(S157)。
そして、CPU101aは、図24が図示する設定ファイルを参照して、ステップS155で計測を開始したタイマの値(経過時間)が、現在の撮影回数(n)回目の撮影(シャッタ動作)を行なう時間(撮影タイミング)に達したかどうかを判定する(S159)。撮影時間(撮影タイミング)に達していなければ(S159でNO)、引き続き撮影時間(撮影タイミング)に達したかどうかの判定を行なう。撮影時間(撮影タイミング)に達した場合(S159でYES)、撮影(シャッタ動作)を行なう(S161)。なお、撮影(シャッタ動作)を行なう前に、撮影の案内情報をアニメーション中に表示し、アニメーションに同期してBGMやアナウンスを出力する。
ついで、CPU101aは、所定回数(ここではn=5回)の撮影が終了したかを判定する(S163)。所定回数の撮影が終了したと判定したら(S163でYES)、S165に移る。所定回数の撮影が終了していない場合は(S165でNO)、撮影回数(n)に+1加算し(S167)、ステップS157に戻る。
CPU101aは、所定回数(ここではn=5回)の撮影が終了したと判定した場合(S163)アニメーションとBGMとの終了処理を行なう(S165)。アニメーションとBGMとを終了させると、CPU101aは、ステップS161で撮影した撮影画像のプレビュー画面を撮影操作モニタ18に表示する(S169)。このようにすることで、利用者は撮影画像の出来具合を視覚確認することができる。
ついで、CPU101aは、所定回数(ここでは5回撮影×2セット)のアニメーション表示による撮影が終了したかを判定する(S171)。上述の所定回数のアニメーション表示による撮影が終了していない場合は(S171でNO)、ステップS151へ戻り、明るさ選択から始まる一連の処理を繰り返す。このとき、最初のアニメーションとは異なるアニメーション及びそのアニメーションに対応する設定ファイルで撮影を行なう。所定回数(ここでは5回撮影×2セット)のアニメーション表示による撮影が終了した場合は(S171でYES)、図15のメインフローへ戻る。
このように、「おまかせ10ショットコース」では、予め設定されたタイミングで撮影を繰返し行ない、予め設定されたタイミングで設定された撮影が自動的に行なわれるため、いつでも同じように撮影プレイを所定の制限時間で終了することができる。
また、このような構成によって、利用者は撮影指示や背景選択および背景配置などの操作を必要とせず、また撮影のタイミングに戸惑うことなく、一連のアニメーション画像、曲、音声(ナレーション)の演出に任せて、自然なポーズで、複数の背景を利用した撮影を楽しく行なうことができる。また、自動で繰返し行われる撮影の単調さ、退屈感を解消できる。それにより、集客効果が高まる。
以上が「おまかせ10ショット」コースにおける撮影処理の説明である。
[フットシャッター撮影処理]
次に、「フットシャッター」コースにおける撮影処理を図25のフローチャートを用いて説明する。「フットシャッター」コースはフットスイッチ43を用いて、撮影プレイを行なう。
CPU101aは、ステップS25の撮影コース選択で、「フットシャッター」コースが選択されたと判定すると、撮影制限時間の計時(カウント)を開始する(S181)。こうして、利用者が撮影プレイを行ない得る所定の制限時間まで計時する。
ついで、CPU101aは、撮影方法に関する説明画面を撮影操作モニタ18に表示する(S183)。フットスイッチ43を用いて撮影するように案内を行なう。
ついで、CPU101aは撮影操作モニタ18へのアニメーション表示を開始し、BGMをスピーカ20L、20Rから出力する(S185)。アニメーションやBGMは撮影時にテンポよく流れるため利用者の気分を向上させることができる。
そして、CPU101aは、どのフットスイッチ43を押下するかを指示する画面を撮影モニタ18に表示し(S187)、1回の撮影の制限時間のカウントを開始する(S189)。指定以外のフットスイッチ43が押下されたり、指定のフットスイッチ43が押下されない場合や、1回の撮影の制限時間に達していない場合は(S191でNO)、引き続き1回の撮影の制限時間のカウントを継続する。
指定のフットスイッチ43が押下されたか、1回の撮影の制限時間に達したかのいずれかの場合(S191でYES)、撮影開始画面を撮影操作モニタ18に表示し(S193)、カメラ12のシャッタ動作(撮影)を行なう(S195)。
ついで、CPU101aは、ステップS195で撮影した撮影画像のプレビュー画面を撮影操作モニタ18に表示し(S197)、ステップS199へ移る。
そして、ステップS181から計時(カウント)を行なっている撮影制限時間に達しているか、または撮影可能な所定回数(ここでは10回)の撮影が終了しているかどうかを判定する(S199)。撮影制限時間に達している、または撮影可能な所定の回数(ここでは10回)の撮影が終了している場合は(S199でYES)、図15のメインフローへ戻る。ここでは、撮影制限時間に達していれば、所定の回数(ここでは10回)未満しか撮影していなくても、撮影プレイは終了する。このように、撮影回数を調整することによって撮影プレイを所定の制限時間で終了することができる。
撮影制限時間に達しておらず、所定回数(ここでは10回)の撮影が終了していない場合(S199でNO)、ステップS183へ戻る。このように、撮影制限時間に達したか、撮影可能な所定回数撮影したかのいずれかで、撮影プレイは終了する。なお、撮影可能な所定回数は、撮影制限時間において撮影が行ない得る最大の回数で設定される。
なお、1回の撮影が終了した後、次回の1回の撮影の制限時間を変更するよう制御することによって、撮影し得る最大限の回数(ここでは10回)の撮影を行なうようにすることもできる。
まず、撮影プレイの制限時間から、タイマが計時する経過時間を減算して、制限時間までの残り時間を算出する。そして、「フットシャッター」コースの撮影可能な最大限の回数(ここでは10回)から現在撮影している撮影回数を減算して、残りの撮影回数を算出する。残り時間から残りの撮影回数を割り算することによって、残りの撮影を全て撮影するための1回の撮影制限時間が算出できる。このように、1回の撮影制限時間を1回の撮影が終了する毎に繰返し算出することによって、「フットシャッター」コースで撮影し得る最大限の回数の撮影を行なうことができ、さらに所定の撮影制限時間で終了することができる。
このように、「フットシャッター」コースは利用者所望のタイミングか1回の撮影の制限時間のいずれかで撮影が行なわれるため、撮影回数と1回の撮影の制限時間とのいずれかを調整することによって撮影プレイを所定の制限時間で終了することができる。
以上が「フットシャッター」コースにおける撮影処理の説明である。
上述のように各々の撮影コースでは、「こだわり6ショット」コースでは、撮影制限時間が定められ、通常撮影が早く終了し、時間が余った場合にはおまけ撮影処理を行ない時間調整を行なう。「おまかせ10ショット」コースでは、アニメーションにあわせて自動撮影されるので、はじめから定められた時間で撮影プレイが進行する。「フットシャッター」コースでは、1回の撮影制限時間と撮影可能な回数とのいずれかの調整によって時間調整を行なう。
このようにすることで、利用者の好みに応じた複数種類の撮影プレイを提供することができる。また、いずれのプレイにおいても同じ対価で同じ時間のプレイを提供することができるので、利用者の満足度が向上する。また、装置はどの利用者に対しても一定の時間で稼動するために回転効率がよく、装置の稼動率が向上する。
さらに、本実施形態の写真シール作成装置のように、撮影プレイをする場所と編集プレイをする場所が異なり、一度に複数組の利用者がプレイを行なう場合は、撮影プレイが早く終了したとしても、先の利用者が編集プレイを終了するまでは編集プレイができないために待ち時間が生じる。
このような待ち時間を生じさせないために、撮影コースが異なっていても、上述のように撮影プレイ時間は同じになるように調整する。このようにすることによって、利用者の編集プレイ待ち時間が削減でき、例えばおまけ撮影ができるなどお得感を感じさせることもでき、顧客満足を向上させることができる。
また、本実施形態の写真シール作成装置のように編集プレイをする場所が複数あり、交互に利用者を夫々の編集部に割り当てる場合には、撮影コースや撮影方法によって撮影時間が異なると、効率よく利用者を夫々の編集部に割り当てることができないという問題があった。また、編集部が1つである場合と同様に待ち時間が発生するという問題があった。
上述のように、どの撮影コースでも同じ撮影時間になるように調整することによって、先の利用者が編集を終了したのと同時に、次の利用者は編集を開始できるため、回転効率が向上し、装置の稼働率が高まる。また、利用者は待ち時間の退屈さがなくなるため、満足度が向上する。
ステップS30において、各々の撮影コースで撮影処理が終了すると、撮影画像をより美しい仕上がりにするため、図26のフローチャートを参照して説明するマスク画像作成処理を行なう(S35)。
[境界マスク画像作成処理]
上述の図26のステップS35のマスク作成処理では、編集処理時の画像処理に使用するため複数のマスク画像が作成される。このようなマスク画像のうち、境界マスク画像の作成処理を図26のフローチャートを用いて説明する。
まず、図示してはいないが、予めカメラ12などの撮影手段による撮影処理時に被写体の後方に配置され、被写体とともに撮影される背景として使用した背景ロールカーテン48の情報と、使用した照明設定の情報を保持しておく。そして、上述の情報から記憶部102aに記憶されている設定ファイルを参照して背景色情報などの所定の情報に基づいて、撮影時に記憶部102bに記憶された撮影画像の背景領域と背景領域以外の領域である被写体領域とを特定する。被写体とは主に、本写真シール作成装置でプレイをおこなっている利用者(人物)である。
設定ファイルは、各々の照明設定での撮影時における各々の背景ロールカーテン48の色の背景色情報が記憶されている。背景色情報は、例えばRGB値で記憶されている。照明設定によって、撮影された背景ロールカンテーン48の発色が異なるので、背景色情報は(照明設定の種類数)×(背景ロールカーテン48の種類数)分用意される。
なお、撮影時には、前面照明装置14から光を照射しているために、背景部分には被写体の影が生じる。すなわち同一の背景色でも暗くなる部分が生じるため、元の背景色情報のみによる抽出だけでは正確に全ての背景領域(被写体以外の部分)を抽出できない。このため、設定ファイルの背景色情報の各々には、被写体の影になる部分も考慮された背景色情報が複数記憶してある。そして、CPU101aは、背景特定処理時には該設定ファイルを元に段階的に複数回、複数種類の背景色情報に基づいて撮影画像の中から背景領域80を特定する(S251)。
上述のように、本発明の写真シール作成装置1は、複数回、複数種類の背景色情報で背景領域を特定することにより、背景領域80aを正確に特定することができる。すなわち、図27(A)に図示するように、撮影画像Aを背景領域80(斜線部分)と被写体領域81(斜線以外の部分)とに区分することができる。
そして、上述の領域情報を元に図27(B)に示される第1のマスク画像(マスク画像B)を作成する(S253)。すなわち、CPU101aは、被写体領域81に含まれている画素のRGB値を(R,G,B)=(0,0,0)にして、背景領域80に含まれている画素のRGB値を(R,G,B)=(255,255,255)にして、第1のマスク画像Bを作成する。
このようにして、特定された背景に対応する背景領域80と背景領域以外の領域である被写体領域81とに区別された第1のマスク画像Bを作成する。
ついで、CPU101aは、第1のマスク画像Bの背景領域80を所定のピクセル分、被写体領域81方向に(図27(C)の矢印方向)に拡張して(S255)、図27(C)が図示する第1の拡張マスク画像Cを作成する。
このようにして、第1のマスク画像の背景領域を被写体領域の方向に所定の比率で拡張した第1の拡張マスク画像Cを作成する。
ついで、CPU101aは、第1のマスク画像Bの背景領域80を所定のピクセル分、被写体領域81方向に(図27(D)の矢印方向)に縮小して(S257)、図27(D)が図示する第2の拡張マスク画像Dを作成する。
このようにして、第1のマスク画像の被写体領域を背景領域の方向に所定の比率で拡張した第2の拡張マスク画像Dを作成する。
そして、第1の拡張マスク画像CのRGB値から第2の拡張マスク画像DのRGB値を減算する。すなわち、第1の拡張マスク画像Cと第2の拡張マスク画像Dとの差分情報を算出する。
このような減算を行なった場合、第1の拡張マスク画像Cと第2の拡張マスク画像Dとのいずれもが黒色すなわちRGB値(0,0,0)のポイントでは、C(0,0,0)−D(0,0,0)=(0,0,0)となる。第1の拡張マスク画像C、第2の拡張マスク画像Dのいずれもが白色すなわちRGB値(255,255,255)のポイントでは、C(255,255,255)−D(255,255,255)=(0,0,0)となる。第1の拡張マスク画像Cが白色で第2の拡張マスク画像Dが黒色のポイントでは、C(255,255,255)−D(0,0,0)=(255,255,255)となる。
上述のように背景領域を拡張することによって、第1の拡張マスク画像Cは、RGB値(255,255,255)である領域が、第1のマスク画像Bより広くなる。また、背景領域を縮小することによって、第2の拡張マスク画像Dは、RGB値(0,0,0)である領域が、第1のマスク画像Bより広くなる。
このように、CPU101aは、第1の拡張マスク画像Cから第2の拡張マスク画像Dの減算処理を行なうことによって算出された差分情報によって、図27(E)が図示するように、背景領域80と被写体領域81との境界領域82(図27(E)の白の領域)を設定し、設定された境界に対応する境界領域82と境界領域82以外の領域83とに区別された境界マスク画像Eを作成する(S259)。
すなわち、CPU101aは、撮影画像中の背景と被写体との境界部分を設定する設定手段としての機能を有する。
このように作成された境界マスク画像Eの境界領域82は、撮影画像の境界部分から背景領域80寄りと被写体領域81寄りとに少しずつ被るような範囲となっている。このような境界領域82の範囲は、画像情報Cの作成時の拡張画素数と画像情報Dの作成時の縮小画素数を調節することで、広くすることも狭くすることもできる。境界マスク画像Eは撮影画像に対する画像編集において利用することができる。
なお、このようにして作成された複数のマスク画像は、撮影画像とともに記憶部102aに記憶され(S261)、処理に必要なときに適宜利用することができる。例えば、第1のマスク画像Bを利用して、背景領域にのみ合成処理でハートやチェック柄を入れたりすることができ、実際にある背景ロールカーテン48の種類よりも、より多様な背景を提供することができる。なお、境界マスク画像Eの利用方法は後に詳細を説明する。
境界マスク画像作成処理は、ここでは、撮影終了後に撮影・印刷用コンピュータ装置101aで行なわれているが、編集処理前に編集用コンピュータ装置101bで行なわれてもよい。また、撮影処理中の1回の撮影毎にマスク画像を作成してもよい。
以上が境界マスク画像作成処理の説明である。
[境界マスク画像を利用した画像処理]
上述のようにして作成されたマスク画像は、撮影画像に多様な画像処理を施したり、後述の編集処理に用いることができる。撮影画像に画像処理を施す一例として、境界マスク画像Eを利用して、光彩(グロー)効果を撮影画像に施す処理を説明する。
CPU101aは、図26のステップS259で作成された境界マスク画像Eの境界領域82を元にして、境界領域82にのみ光彩(グロー)効果を施した画像を作成し、撮影画像と合成する。このようにすることにより、撮影画像の被写体領域81を縁取るような範囲に光彩(グロー)効果が施される。このようにすることによって、図27(F)が図示するように、被写体の周囲が光に包まれて輝いているように見える美しい仕上がりの写真を提供することができる。
また、境界マスク画像Eの境界領域82の情報を使用し、撮影画像の該当する領域に色味を入れる、色調を変更する、シャープにする、ぼかすなどその他の画像処理を行なうこともできる。
また、後述の編集プレイ時において、境界領域82に画像処理効果を施す機能(ツール)を搭載しておくことによって、利用者が撮影画像の境界領域にどのような効果を施すかを選択できるようにしてもよい。
このように、本発明の写真シール作成装置1は境界マスク画像Eで設定されている境界領域に模様画像を合成したり、撮影画像Aに直接、色調変更、シャープ、ぼかし、光彩(グロー)、明るさ変更などの画像処理を施したりする画像編集を行なう編集手段を備える。
以上が、撮影画像に画像処理を施す処理の一例の説明である。
ついで、CPU101aは、図28のフローチャートを参照して説明する編集部割当処理を行なう(S40)。
[編集部割当処理]
まず、CPU101aは、現在の編集部割当フラグ(f)の値を参照し、当該値がf=0であるか否かを判別する(S301)。ここで、編集部割当フラグ(f)の値がf=0であると(S301でYES)、ステップS303に進み、編集部割当フラグ(f)の値がf=1であると(S301でNO)、ステップS311に進む。
編集部割当フラグ(f)の値がf=0であると(S301でYES)、CPU101aは、現在、撮影空間6にいる利用者が第1編集部8aを使用可能であるか否かを判別する(S303)。ここで、第1編集部8aを使用可能であると判別すると(S303でYES)、S307へ進み、第1編集部8aを使用可能でないと判別すると(S303でNO)、S305へ進む。
「編集部を使用可能」とは、先にプレイしている別グループの利用者が編集部を使用中でない場合や、編集部が故障中でない場合を含む。
撮影空間にいる利用者が第1編集部8aを使用可能であると(S303でYES)、CPUは、利用者を第1編集部8aへ誘導するように促す誘導案内を行なう(S307)。具体的には操作モニタに「青のブースに移動してね!」などの表示をし、撮影側スピーカ20L、20Rから音声で上述のような誘導案内を出力することにより、利用者に対して青色ブース、すなわち第1編集空間7aに移動するように促す。
ついで、利用者を第1編集部8aへ誘導すると、CPU101aは、編集対象画像(撮影画像)を第1編集部へ転送する画像データ転送処理を行なう(S309)。画像データ転送処理では、撮影・印刷用コンピュータ装置100aに記憶されている利用者の撮影画像を、編集用コンピュータ装置100bの記憶部102bの第1編集部8aに対応する画像データ用の記憶領域へ転送するようになっている。
そして、転送が終了したら、図15のメインフローに戻り、編集部割当フラグ(f)の値を切り替える(図15のS45)。すなわち、編集部割当フラグ(f)の値がf=0ならf=1に切り替え、編集部割当フラグ(f)の値がf=1ならf=0に切り替える。
撮影空間にいる利用者が第1編集部を使用可能でないと(S303でNO)、CPU101aは、利用者に対して第1編集部を使用可能になるまで、撮影空間外部で待機するように促す待機案内を行なう(S305)。具体的には、撮影操作モニタ18に「外に出て青のブースの横で待ってね!」などの待機表示や、エラー案内を表示し、撮影側スピーカ20L、20Rから音声で上述のような待機案内、またはエラー案内を出力することにより、利用者に対して撮影空間の外部で第1編集部8a周辺の位置に待機させるように促す。そして、第1編集部8aが使用可能となるか否かを監視する。
CPU101aは、第1編集部8aが使用可能でなければ(S303でNO)、引き続き第1編集部8aが使用可能になるか否かを監視し、第1編集部8aが使用可能であれば(S303でYES)、撮影画像を編集側コンピュータ装置100bの記憶部102bの第1編集部8aに対応する領域へ転送する画像データ転送処理を行ない(S309)、編集部割当フラグ(f)の値を切り替える。
一方S301において、編集部割当フラグ(f)の値がf=1であると(S301でNO)、CPU101aは、現在撮影空間にいる利用者が第2編集部8bを使用可能であるか否かを判別する(S313)。そして、以降のS311からS317までの処理は、上述の第1編集部8aのS303からS309までの処理と同様であるため、詳細な説明は繰り返さない。
すなわち、CPU101aは、落書き入力をどちらの編集部で実行させるかを交互に決定し、上記決定結果に応じて利用者を第1編集部8aまたは第2編集部8bへ誘導するよう、誘導手段(操作モニタ、スピーカ)を使用して制御するようになっている。
前述のような案内に従って、利用者は第1編集部8aまたは第2編集部8bへ移動する。利用者が移動する方向を迷わないようにするために、たとえば矢印とともに「第1編集ブース」と表示し、第1編集部8aの方向を示す案内と、矢印とともに「第2編集ブース」と表示し、第2編集部8bの方向を示す案内とを撮影空間6内のパネルまたはサイドカーテンなどに表示しておくことが好ましい。
また、編集部8への誘導案内画面は、編集割当フラグ(f)の値を参照することによって、どちらの編集部8を利用するかは判定できるため、撮影処理終了後に限定されることなく、どのタイミングで表示しても構わない。このため、利用者は撮影プレイ前にどちらの編集部8を利用するのかを意識することができるため、編集部8への移動の際に迷うことが少なくなり回転がスムーズになる。
以上が、撮影プレイ処理の説明である。
[写真シール作成装置の編集プレイ処理]
次に、編集空間7で行なわれる編集プレイの処理を図29のフローチャートを用いて説明する。
なお、第1編集部8aと第2編集部8bにおいて実行される編集処理の内容は、場所や位置などは異なるが、同様な構成であり、同様な処理が行なわれるため、第1編集部8aの説明のみで、説明の重複部分は繰り返さない。各編集部の処理は編集用コンピュータ装置100bによって制御される。
上記電源スイッチ111が操作され、電源が投入されると、撮影・印刷用コンピュータ装置100aと同様に、編集用コンピュータ装置100bのCPU101bは、記憶部102bに記憶されたプログラムを起動する。ついで、CPU101bは、各種装置が正常に接続されているかチェックし、初期化処理を行なう(S51)。初期化処理では、初期化が必要な装置に対して初期化が行なわれる。
ついで、CPU101bは、利用者に編集操作を待機させるための待機画面または撮影からプレイを開始するように案内する画面を編集操作モニタ60aに表示し、それに応じて編集側スピーカ63aから、利用者に使用を待機させる案内を音声で出力する待機処理を行なう(S53)。ついで、CPU101bは、撮影・印刷用コンピュータ装置100aから転送開始された撮影画像データを受信したか否かを判別する(S55)。すなわち、CPU101bは、待機画面を表示しながら、撮影画像データの受信を開始したか否かを監視する。ここで、撮影画像データの受信を開始していないと判別すると(S55でNO)、このまま撮影画像データを受信するまで待機する。
撮影画像データの受信を開始すると(S55でYES)、CPU101bは、撮影画像データを受信中であることを、編集操作モニタ60aに案内表示し(S59)、撮影画像データの受信が終了したか否かを判別する(S61)。撮影画像データの受信が終了していないうちは(S61でNO)、引き続き撮影画像受信中の案内を表示し(S59)、撮影画像データの転送が終了したら(S61でYES)、S63に進む。
次に、CPU101bは、複数種類の編集コースの中から所定の編集コースを選択する編集コース選択処理を行なう(S63)。図30は、編集コース選択画面を示す図である。編集コース選択処理では、利用者が編集コースを選択するための編集コース選択画面を編集操作モニタ60aに表示し、それに応じて編集側スピーカ63aから、利用者に対して編集コースを選択する案内を音声で出力し、利用者に編集コースを選択させる。
編集コースは「なかよし」と「みんなで」と「ラブラブ」とがある。「なかよし」は、メッセージスタンプなど、落書き用画像が、少人数の友達同士で落書きするのに好適な素材を提供する。「みんなで」は、多人数の友達同士で落書きするのに好適な素材を提供する。「ラブラブ」は、恋人同士で落書きするのに好適な素材を提供する。
写真シール作成装置は複数人でプレイされることが多いため、友達2人でプレイを行なっている場合や、大勢でプレイを行なっている場合や、恋人同士でプレイを行なっている場合など、利用者の関係性は様々である。上述のように落書き用画像の素材をそれぞれの関係性に応じて提供することによって、編集が行ないやすくなり、出来上がりのシートも利用者の満足いくものとなりやすい。
ついで、CPU101bは、撮影画像の中から編集対象とする画像(編集対象画像)を選択する編集対象画像選択処理を行なう(S65)。編集対象画像選択処理では、利用者が編集対象画像を選択するための編集対象画像選択画面を編集操作モニタ60aに表示し、それに応じて編集側スピーカ63aから、利用者に対して編集対象画像を選択する案内を音声で出力し、利用者に編集対象画像を所定枚数(ここでは4枚)選択させる。所定枚数の選択が行なわれない場合は、撮影した順で自動的に選択される。つまり、必ず所定枚数(ここでは4枚)の編集対象画像が選択される。ここで編集対象画像として選択されなかった撮影画像はおまけ画像として処理される。おまけ画像に関しては後に詳細を説明する。
編集対象画像の選択が終了したら、利用者からタッチペン62aL、62aRによる編集対象画像に対する編集入力を受け付ける編集処理を行なう(S67)。
[編集処理]
ステップS67で実行される編集処理の具体例について説明する。
図31は編集画面を示す図である。図31に示すように、編集画面は、撮影画像のうちステップS65で編集対象画像として選択された画像を表示して選択可能にする編集対象画像選択領域200と、撮影画像のうちステップS65で編集対象画像として選択されなかった画像を表示して選択可能にするおまけ画像選択領域201と、この画像選択領域に表示される撮影画像の中から選択された撮影画像を表示し、利用者が編集入力するための作業領域である落書き入力領域202a、202b(これらをまとめて落書き入力領域202という。)と、編集を行なう機能を選択するための「スペシャル」、「ペン」、「スタンプ」、「フレーム&ライン」、等のいわゆる編集ツールを選択するための選択領域である落書き機能選択領域203と、いわゆるお絵描きパレットと呼ばれる落書き機能選択領域203で選択した機能の落書き用画像(模様画像)を表示して選択させるための落書き用画像選択領域204a、204b(これらをまとめて落書き用画像選択領域204という。)と、日付や落書きのヒントとなるような言葉や質問を順次表示していくヒント表示領域205とを含んで構成される。ヒントは自動的に一定間隔で切り替わるよう制御される。
また、その他には、落書き用画像入力を最初からやり直すための「はじめから」ボタンや、入力した落書き用画像を消すための「けしごむ」、入力操作を一つ前の状態に戻すための「もどる」などの様々な機能ボタンも配置されている。
利用者は、これらのボタンをタッチペン62aL、62aRでタッチすることで使用する機能を選択し、編集操作を行なう。落書き用画像選択領域204に該ツールの落書き用画像を表示し、さらに、色、柄、大きさなどを選択した後、落書き入力領域(描画領域)202に表示された編集対象画像の上で編集入力(落書き用画像の入力)を行なうことができる。
上述のスタンプなどの機能のうち、「親子スタンプ」に関しては後に詳細を説明する。
また、図示の編集画面は、落書き入力領域202と落書き用画像選択領域204とが複数で構成されている。
上述の場合は、編集対象画像の選択操作を2人で同時に許容し、編集画面上には、それぞれの利用者により選択された撮影画像に対応して2人で同時に編集操作ができるようにいわゆる2画面の構成をとっている。このようにすることにより、複数の利用者で編集プレイを楽しむことができる。それぞれのタッチペン62aはそれぞれの落書き入力領域202に対応し、それぞれが別の編集を同時に行なえるように構成している。
具体的には、中央部分の編集対象画像選択領域200とおまけ画像選択領域201と機能選択領域203とは、両方のタッチペン62aL、62aRで入力操作を受け付け、落書き入力領域202a、落書き用画像選択領域204aは左側タッチペン62aLのみ入力操作を受け付け、落書き入力領域202b、落書き用画像選択領域204bは右側タッチペン62aRのみ入力操作を受け付ける。
編集処理では、利用者は編集制限時間内において編集プレイを行なうことができる。編集制限時間は利用者にわかりやすいように、編集操作モニタ60aの編集画面上に残り時間を表示し、カウントダウンを行なう。
利用者が編集処理を行なっている間、CPU101bは、編集処理が終了したか否かを監視する(S69)。編集時間はタイマの残り時間が“0”になり、編集制限時間に達することによって終了する。このようにすることで、利用者の1回のプレイ時間が長引くことを防止することができ、このため、本装置の稼動回転率(顧客回転率)の低下を防止することができる。
ついで、CPU101bは、上記編集処理が終了すると、おまけ画像を選択するおまけ画像選択処理を行なう(S71)。おまけ画像は1枚から4枚、利用者の所望の画像を選択できる。ここで、選択した画像はおまけ画像としてシールシートに印刷される。このように、おまけ画像を選択できるため、利用者の好みのおまけ画像を提供することができる。
おまけ画像は通常印刷される編集対象画像とは別に、シールシートの隅や余白などに印刷される画像である。上述の編集対象画像に選択されなかった撮影画像はおまけ画像としてシールシートの隅の方や余白などに印刷することができる。図32は印刷されたシールシートの具体例である。通常シールシートには、編集対象画像のみを印刷するが、本実施の形態においては、編集対象画像が領域Aに印刷され、編集対象画像として選択されなかった撮影画像がおまけ画像として領域Bに印刷されている。このようにすることで、利用者にお得感を感じさせることができる。
おまけ画像選択処理が終了すると、CPU101bは、利用者所望のシールレイアウトの選択を行なう印刷レイアウト選択処理を行なう(S73)。印刷レイアウト選択処理では、編集対象画像の枚数に応じて、予め決められた複数の印刷レイアウトで構成された印刷レイアウト画面を表示し、上記複数の印刷レイアウトの中から利用者に対し好みの印刷レイアウトを選択させるようになっている。
上記印刷レイアウト選択処理が終了すると、CPU101bは、編集操作モニタ60aに「シールをプリント中です。プリント取出口の前で待ってね。」など、利用者をプリント取出口25に誘導する画面を表示すし、同時に誘導するアナウンス音声(例えば「シールは左から出るよ!」)を、編集側スピーカ63aから出力する。こうして、利用者をプリント取出口25の前に誘導する(S75)。
CPU101bは、選択されたレイアウトに基づいて撮影画像と入力された落書き用画像とを合成した合成画像とを含む印刷画像データを作成する。そして、編集用コンピュータ装置100aから撮影・印刷用コンピュータ装置100bへ作成された印刷画像データの転送を開始する(S79)。印刷データの転送が完了したら(S81でYES)、ステップS53へ戻り、次の利用者の編集操作を待機する。
以上が、編集プレイ処理の説明である。
編集用コンピュータ装置100bから、印刷画像データが転送されると、撮影・印刷用コンピュータ装置100aのCPU101aは、印刷画像をシールシートの表面に印刷させる印刷制御を行なう印刷開始処理を行なう。すなわち、プリンタ11は撮影画像と落書き用画像との合成画像をレイアウトに応じて複数配置された印刷画像データをシールシートに印刷出力する。
このときCPU101aは、現在出力中の印刷画像データが第1編集部8a(青コーナー)の印刷画像データである場合は「青コーナーのシートを印刷中です」、第2編集部8b(赤コーナー)の印刷画像データである場合は「赤コーナーのシートを印刷中です」とプリント案内部26に表示する。
印刷が終了したら、シールシートはプリント取出口25に排出される。
[親子スタンプを用いた編集処理]
次に「親子スタンプ」の編集処理を、図33のフローチャートを用いて説明する。「親子スタンプ」は、撮影画像に落書き用画像を編集入力する「スタンプ」機能の1つである。
図34は親子スタンプの模様画像を示す図である。「親子スタンプ」において用いられる落書き用画像は、親画像210と子画像211とを含んで構成される。子画像211はさらに画像要素212a〜212d(これらをまとめて画像要素212という)を含んで構成される。「親子スタンプ」はタッチペン62によって現在タッチされている位置に親画像210を表示し、タッチペン62の移動する軌跡上に子画像211を配置することにより、親画像210から子画像211の画像要素212a〜212dが次々に生まれているような表現をするスタンプである。
始めに、図31に示される編集画面に選択可能に表示されている機能の中から、用いられる機能として「スタンプ」が選択されると、「スタンプ」機能で用いられる機能がわかりやすくカテゴリ別に表示される。
表示された機能の中から「スタンプ」機能において用いる機能として「親子スタンプ」が選択されると、編集画面の落書き用画像選択領域204に「親子スタンプ」機能で用いられる落書き用画像(模様画像)を示すアイコンが選択可能に複数表示される。なお、落書き用画像選択領域204に示されるアイコンは、実際に編集対象画像上に配置される模様画像でなく、配置される模様画像をイメージできるものであればよい。そして、利用者は表示された複数のアイコンの中から編集入力に用いる模様画像をタッチペン62でタッチして選択する。
CPU101bは、編集入力に用いる「親子スタンプ」の模様画像が選択されたか否かを判定する(S401)。模様画像が選択されていないと判定すると(S401でNO)、ステップS405へ移る。模様画像が選択されたと判定すると(S401でYES)、ステップS403へ移る。
次に、CPU101bは、編集操作モニタ60に表示されている落書き入力領域202がタッチペン62でタッチされたか否かを判定する(S403)。落書き入力領域202がタッチペン62でタッチされていないと判定すると(S403でNO)、ステップS405へ移る。落書き入力領域202がタッチペン62でタッチされたと判定すると(S403でYES)、ステップS409へ移る。
CPU101bは、模様画像が選択されておらず、落書き入力領域202がタッチペン62でタッチされていない場合、タッチペン62で他の機能が選択されるなどの他の動作がなされたかどうか判定する(S405)。他の機能が選択されるなどの他の動作がなされた場合(S405でYES)、他の動作に従った処理が行なわれる(S407)。他の動作がなされていない場合は(S405でNO)、ステップS401へ戻る。
CPU101bは、落書き入力領域202がタッチペン62でタッチされたと判定すると(S403でYES)、タッチペン62でタッチされている落書き入力領域202上の現在位置座標(x、y)を検出する。そして、図35(A)が示すように、タッチペン62でタッチされている現在位置座標(x、y)上に親画像210を表示する(S409)。
ついで、CPU101bは、落書き入力領域202からタッチペン62が離れたか否かを判定する(S411)。落書き入力領域202からタッチペン62が離れていない場合は(S411でNO)、ステップS413へ移る。
ついで、CPU101bは、タッチペン62が落書き入力領域202上を移動したか否かを判定する(S413)。タッチペン62が落書き入力領域202上を移動した場合(S413でYES)、ステップS415へ移る。タッチペン62が落書き入力領域202上を移動していない場合(S413でNO)、ステップS411へ戻り、タッチペン62が落書き入力領域202を離れたか否かを判定する処理から始まる一連の処理を行なう。
CPU101bは、タッチペン62が現在位置座標から移動したと判定すると(S413でYES)、図35(B)が図示するように、表示中の親画像210を消去し、移動したタッチペン62がタッチされている現在位置座標上に親画像210を表示する(S415)。
ついで、CPU101bは、タッチペン62が移動した軌跡の長さが所定値に達したかどうか判定する(S417)。ここでいう所定値とは、図34に示される子画像211の画像要素212aの長さwである。軌跡の長さが所定値に達した場合(S417でYES)、図35(C)が図示するように、子画像211の画像要素212aをタッチペン62の軌跡上に表示する(S419)。そして、ステップS411へ戻る。
さらにタッチペン62が移動し、移動した軌跡の長さが所定値に達したら、図35(D)が図示するように、子画像211の画像要素212bをタッチペン62の軌跡上に表示する。すなわち、子画像211の画像要素212が配置できる長さ分タッチペン62が移動すると図35(E)が図示するように画像要素211が所定の順番(ここでは212a→212b→212c→212dの順)で、タッチペン62の軌跡上に配置される。そして引き続きタッチペン62が移動したら、再び、図35(F)が図示するように、画像要素211が所定の順番(ここでは212a→212b→212cの順)で、タッチペン62の軌跡上に配置される。
各画像要素211が配置される位置は必ずしもタッチペン62が描く軌跡上でなくてもよく、たとえば親画像210が配置される位置が座標(x、y)であるときに、画像要素211aの配置される位置は座標(x、y−1)とし、画像要素211bの配置される位置は(x、y+1)とするなど、配置位置を軌跡からずらすようにしてもよい。
また、タッチペン62で描かれた軌跡が曲線である場合、曲線に沿って画像要素212を回転させてもよい。これはタッチペンの軌跡上の画像要素212を配置する位置における軌跡に対する法線に応じて、各画像要素212を回転させることで実現される。または、含まれる画像要素212を回転させるための制御情報を各画像要素が保持し、その制御情報の法則に従って含まれる画像要素を回転させてもよい。
このようにして、タッチペン62の移動につれてタッチペン62の現在位置上を親画像210が移動し、所定の間隔(たとえば10ms)毎に連続的に検出された座標(x、y)から成る軌跡上に、子画像211の画像要素212を繰り返し配置して、落書き入力領域202上に模様画像を表示する。
CPU101bにおいて、タッチペン62が落書き入力領域202から離れた場合は、タッチペン62が離れた時点で表示されている親画像210、子画像211を含む模様画像を入力された落書き画像として確定する(S421)。
このようにすることで、描画時に親画像210から子画像211が次々に生まれているような表現を行なうことができ、編集入力時の面白味が増す。
図36は、子画像211が複数ある場合の「親子スタンプ」の模様画像を示す図である。図36(A)が示すように、子画像211は複数で構成されてもよい。このように複数の子画像211を含む「親子スタンプ」は、描画をすると、図36(B)が図示するように、子画像211bが子画像211aのアクセントになり、編集入力が多様になる。
以上が「親子スタンプ」を用いた編集処理の説明である。
さらに、上述の写真シール作成装置のコンピュータ装置51の制御方法を、プログラムとして提供することもできる。このようなプログラムは、コンピュータに付属するフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc-Read Only Memory)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random
Access Memory)およびメモリカードなどのコンピュータ読取り可能な記録媒体にて記録させて、プログラム製品として提供することもできる。あるいは、コンピュータに内蔵するハードディスクなどの記録媒体にて記録させて、プログラムを提供することもできる。また、電気通信回線や衛星通信回線などのネットワークを通じて、プログラムを提供することもできる。
提供されるプログラム製品は、ハードディスクなどのプログラム格納部にインストールされて実行される。なお、プログラム製品は、プログラム自体と、プログラムが記録された記録媒体とを含む。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。