JP2006058272A - 元素濃度分析方法および元素濃度分析装置 - Google Patents

元素濃度分析方法および元素濃度分析装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 検出器の検出限界より微量の汚染物質についてもその元素濃度分析を行う。
【解決手段】 例えばグラファイトチューブに複数設けられた注入口のうち、2以上のまたは全部の注入口に試料液滴を注入する。次に、試料液滴を注入したグラファイトチューブを加熱してそのグラファイトチューブ内で試料から原子蒸気を生成する。そして、その原子蒸気を透過した光の吸収強度から元素濃度を分析する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、元素濃度分析の方法および元素濃度分析を行う装置に関し、特に低濃度領域の分析に関するものである。
近年の半導体技術の微細化に伴い、例えばMOSトランジスタのゲート酸化膜の薄膜化やゲート長の微細化など、さらなるデバイスの縮小化が進められている。
薄膜化や微細化が進むと、ウェーハ表面の汚染物質によるデバイス特性への影響が大きくなる。例として、ウェーハ上にゲート酸化膜を形成する場合には、その過程で外部からの不純物が酸化膜に取り込まれてしまうことがある。薄い酸化膜が不純物で汚染されると、その物質が微量であっても、キャリアのライフタイムが低下したり、ゲート酸化膜の耐圧が劣化したり、リーク電流が発生したりする可能性が高まる。
このため、ウェーハ表面の汚染物質を低減する重要性は従来にもまして大きく、汚染物質を低減するには、微量の汚染物質も測定可能にする必要がある。
現在、ウェーハ表面全域の汚染物質を測定する方法として、非特許文献1に記載されているような気相分解法(VPD:Vapor Phase Decomposition method)とグラファイトファーネス原子吸光法(GFAAS法:Graphite Furnace Atomic Absorption Spectrometry)を組み合わせた分析装置が使用されている。
酸化膜中の不純物を分析するような場合、気相分解法をもちいて、その不純物を試料液滴中に回収する。そしてグラファイトファーネス原子吸光分析法にて、試料中の元素濃度を測定する。試料中の元素濃度は、その試料に含まれる原子の蒸気を透過した光の吸収強度から得ることができる。原子の蒸気は、試料液滴を注入したグラファイトチューブを加熱することで生成される。
このような分析装置の測定感度は、108〜1012atoms/cm2であり、その下限値は、光吸収強度を測定するための検出器の性能に依存する。
原 央編 著、"ULSIプロセス技術"培風館
汚染物質が微量になると、試料に含まれる対象元素の原子の数がそれだけ少なくなる。また、構造上の理由によりグラファイトチューブに注入し得る液量にも制限がある。このため、現状の検出器では性能が不足しつつあり、微量の汚染物質を定量することが難しくなっている。
本発明は、このような従来の技術における課題を鑑みてなされたものであり、現在の検出器の検出限界より微量の汚染物質でも、検出し得る元素濃度分析方法および元素濃度分析装置を提供することを目的とするものである。
上述の目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用している。
本発明に係る元素濃度分析方法では、まず、グラファイトチューブへの試料液滴の注入と注入した試料からの水分除去とを繰り返すことにより、そのグラファイトチューブ内で液滴を濃縮する。次に、グラファイトチューブを加熱してそのグラファイトチューブ内で試料から原子蒸気を生成する。そして、その原子蒸気を透過した光の吸収強度から元素濃度を分析する。
このように試料を濃縮した場合、試料中に含まれる対象元素の原子の数がその濃縮倍率に応じて増大するので、原子蒸気を透過する光の吸収量も対応して増大する。このため、濃縮前の試料に含まれていた対象元素の原子の数が検出器の性能で定まる測定感度の下限値より小さくても、濃縮倍率を適当に設定することで、その検出器を用いて光吸収強度および濃度の定量をすることが可能となる。その結果、分析範囲を広げることができる。
また同様の目的で本発明は別の元素濃度分析方法も提供する。この方法では、まず、グラファイトチューブに複数設けられた注入口のうち、2以上のまたは全部の注入口に試料液滴を注入する。次に、試料液滴を注入したグラファイトチューブを加熱してそのグラファイトチューブ内で試料から原子蒸気を生成する。そして、その原子蒸気を透過した光の吸収強度から元素濃度を分析する。
このように複数の注入口から試料を注入して原子蒸気を生成することにより、原子蒸気を透過する光の吸収量、または検出器に入射する光量を増大させることができる。このため、各注入口に注入される試料に含まれる対象元素の原子の数が検出器の性能で定まる測定感度の下限値よりも小さくても、利用する注入口の数を適当に設定することで、その検出器を用いて光吸収強度および濃度の提供をすることが可能となる。その結果、分析範囲を広げることができる。
本発明は、同様の目的でさらに他の方法も提供する。この方法では、まず、グラファイトチューブに複数設けられた注入口のうち、2以上のまたは全部の注入口への試料液滴の注入と注入した試料からの水分除去とを繰り返すことにより、そのグラファイトチューブ内で液滴を濃縮する。次に、試料液滴を注入したグラファイトチューブを加熱してそのグラファイトチューブ内で試料から原子蒸気を生成する。そして、その原子蒸気を透過した光の吸収強度から元素濃度を分析する。
このように試料の濃縮と複数の注入口への注入とを組み合わせても、分析範囲を広げることができる。
これらの元素濃度分析方法では、試料液滴の総注入量に基づいて元素濃度を求めることができる。
また複数の注入口を利用する場合に、検出器への単一の光路に対してそれらを直列に配置することができる。複数の注入口を直列に配置することで、原子蒸気を透過する光の吸収量が増大する。このとき、複数の注入口は単一のグラファイトチューブに設けてもよいし、複数の注入口それぞれを複数のグラファイトチューブのいずれかに設けてもよい。
また検出器までの複数の光路それぞれに対して、注入口を有するグラファイトチューブを配置することもできる。
本発明は、同様の目的でさらに他の方法も提供する。この方法は、光吸収強度と元素濃度との関係を表す検量線を定める手順とその検量線を用いて測定を行う手順とに分けることができる。
検量線を定める手順では、まずグラファイトチューブに複数設けられた注入口のいずれかに対する試料液滴の注入と注入した試料からの水分除去とを繰り返すことにより、そのグラファイトチューブ内で液滴を濃縮する。次に、試料液滴を注入したグラファイトチューブを加熱してそのグラファイトチューブ内で試料から原子蒸気を生成する。その原子蒸気を透過した光の吸収強度から元素濃度が得られるまで、試料液滴の注入回数を変更する。そして、光吸収強度から元素濃度が得られると、得られた元素濃度に基づいて、試料液滴を注入する注入口およびその注入口への注入回数についての設定を行うとともに、その設定に対する検量線を定める。
その検量線を用いて測定を行う手順では、まずその設定に従って試料液滴を注入口に注入する。次に、試料液滴を注入したグラファイトチューブを加熱してそのグラファイトチューブ内で試料から原子蒸気を生成する。そして、その原子蒸気を透過した光の吸収強度およびその設定に対する検量線から、その設定に従って注入した試料について元素濃度を分析する。
これによって、分析のために利用する注入口の数や注入回数などを最適化することができる。しかも、注入に関する設定や検量線の特定を行うときには濃縮を利用するので、光路のばらつきやその他の条件で生じる誤差の影響を抑えることができる。
注入に関する設定は、優先的に濃縮をする指定があるかどうかにも基づいて行うことができる。優先的に濃縮をする指定があるときは、分析のために利用する注入口の数を抑え、注入回数を増やす。優先的に濃縮をしない指定があるときは、分析に利用する注入口の数を増やし、注入回数を抑える。このような指定はユーザがすればよい。同等の測定感度を得るために注入回数を多くすれば、光路のばらつきなどによる誤差の影響を抑えることができ、注入口の数を多くすれば、測定に必要な時間を抑えることができる。
別の観点では、本発明は元素濃度分析装置を提供する。この装置は前述の元素濃度分析方法に対応する。この装置では、注入手段が、グラファイトチューブに設けられた注入口に試料液滴を注入する。加熱手段は、グラファイトチューブを加熱する。制御手段は、グラファイトチューブへの試料液滴の注入と注入した試料からの水分除去とを繰り返すことにより液滴が濃縮されると、前記加熱手段を制御してそのグラファイトチューブ内で試料から原子蒸気を生成する。そして分析手段は、その原子蒸気を透過した光の吸収強度から元素濃度を分析する。
本発明は他の元素濃度分析装置も提供する。この装置で注入手段は、グラファイトチューブに複数設けられた注入口のうち、2以上のまたは全部の注入口に試料液滴を注入する。制御手段は、加熱手段を制御して、試料液滴が注入されたグラファイトチューブ内で試料から原子蒸気を生成する。
本発明はさらに他の元素濃度分析装置も提供する。この装置でも注入手段は、グラファイトチューブに複数設けられた注入口のうち、2以上のまたは全部の注入口に試料液滴を注入する。制御手段は、グラファイトチューブへの試料液滴の注入と注入した試料からの水分除去とを繰り返すことにより液滴が濃縮されると、加熱手段を制御して、そのグラファイトチューブ内で試料から原子蒸気を生成する。
このような元素濃度分析装置において、元素濃度は、試料液滴の総注入量に基づいて分析手段が求めることができる。
本発明はさらに他の元素濃度分析装置も提供する。この装置で注入手段は、グラファイトチューブに複数設けられた注入口のうち、少なくとも一つの注入口に試料液滴を注入する。制御手段は、加熱手段を制御して、グラファイトチューブ内で試料から原子蒸気を生成する。変更手段は、いずれかの注入口に対する試料液滴の注入と注入した試料からの水分除去とを繰り返すことにより濃縮された液滴について、その原子蒸気を透過した光の吸収強度から元素濃度が得られるまで、試料液滴の注入回数を変更する。設定手段は、光吸収強度から元素濃度が得られると、得られた元素濃度に基づいて、試料液滴を注入する注入口およびその注入口への注入回数についての設定を行うとともに、その設定に対する検量線を定める。そして分析手段は、その設定に従って注入された試料について、その原子蒸気を透過した光の吸収強度およびその設定に対する検量線から元素濃度を分析する。
この装置には、優先的に濃縮をするかどうかを指定する指定手段をさらに備えることができる。その場合、設定手段は、優先的に濃縮をする指定があるかどうかにも基づいて注入に関する設定を行う。
このような構成を採用することにより、本発明では、分析系全体の測定感度が向上し、検出器の検出限界より微量の汚染物質についてもその元素濃度を分析することが可能となる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。この実施の形態における元素濃度分析装置は、グラファイトファーネス原子吸光法を利用した装置で、例えば半導体ウェーハ表面の汚染物質について元素濃度を分析するために用いられる。
ウェーハ表面の酸化膜中に取り込まれたような汚染物質は、気相分解法を用いて回収することができる。まず密閉容器内でその酸化膜をフッ化水素蒸気と反応させ、酸化膜を溶解し、ウェーハ表面を疎水性にする。続いて、硝酸などの酸溶液をウェーハ表面に滴下し、疎水性のウェーハ表面全体を走査する。これにより溶液中に溶けたウェーハ表面の汚染不純物を回収する。元素濃度分析装置は、回収した試料液滴について元素濃度を分析する。図1はこの元素濃度分析装置の概要を説明するための機能ブロック図である。
この元素濃度分析装置では、グラファイトチューブ1が加熱部2に配置される。試料液滴は、このグラファイトチューブ1に注入される。注入手段3がグラファイトチューブ1に設けられた注入口4から、予め設定された量、例えば数十μlの試料をグラファイトチューブ1に注入する構成になっている。
グラファイトチューブ1は加熱装置5により室温から2000〜3000℃程度にまで加熱される。この加熱で試料に含まれていた汚染物質が解離し、グラファイトチューブ1内に原子蒸気が生成される。
グラファイトチューブ1の一端には光源6からスリット7を介して光が入射する。その光源6には中空陰極ランプ(HLC)や無電極放電管(EDL)を用いることができる。利用するランプは分析対象の元素に合わせて自動的に切り替わる構成になっており、各元素の共鳴線に応じて、190〜860nmの波長が使用される。例えば「Cs」であれば、共鳴線の波長は852.1nmであり、「K」であれば、766.5nmである。その他の元素についても列記すると、「Li」は670.8nm、「Na」は589.0nm、「Ba」は553.6nm、「Sr」は460.7nm、「Ca」は422.7nm、「Fe」は372.0nm、「Cr」は357.9nm、「Cu」は324.8nm、「Mg」は285.2nm、「Co」は240.7nm、「Ni」は232.0nm、「Cd」は228.8nm、「Zn」は213.7nmである。
グラファイトチューブ1に入射した光はグラファイトチューブ1内を通過し、そのグラファイトチューブ1の他端側に配置された検出器8に入射する。検出器8は、入射した光の光量を例えば電流信号に変換して出力する。グラファイトチューブ1内で原子蒸気が生成されている場合、原子蒸気はその共鳴発光線を吸収する。このため、原子蒸気を透過したときの光量は原子蒸気を透過していないときの光量よりも小さくなる。
信号処理回路9は、原子蒸気を透過した光の吸収強度から元素濃度を分析する分岐手段として機能する。検出器8の出力信号から光の吸収強度を求め、さらにその光吸収強度の値から対象元素の濃度を算出する。信号処理回路9には、CPUのような演算処理回路や、RAMやROMのようなメモリを含む回路を利用することができる。算出に必要なデータやプログラムはフラッシュメモリのような不揮発性のメモリに記憶する。
算出に必要なデータには原子蒸気を透過していないときの検出器8の出力信号のデータが含まれる。光吸収強度は、原子蒸気を透過していないときの光量とその原子蒸気を透過したときの光量との比の対数で表されるので、予め記憶したそのデータと測定時の検出器8からのデータに基づいて求めることができる。汚染物質が微量で試料の濃度が検出器8の測定感度の下限値より小さくなっていると、光吸収強度の値は0以下になってしまう。
算出に必要なデータは、このようなデータの他、検量線に対応するデータを含む。図2に示すように、検量線は光吸収強度と濃度との関係を示し、検量線に対応するデータは、光吸収強度の値とその強度に対応する濃度の値を表す。検量線L1を用いるときは、試料の光吸収強度の値P2から濃度の値D2を得ることができる。逆に濃度が既知の標準試料を測定試料と同量用いて光吸収強度を得ることで、その検量線を定めることができる。
制御装置10は、信号処理回路9を用いて濃度を算出するために、加熱装置5や注入手段3を含め装置全体の制御を行う。この制御装置10にも、信号処理回路9と同様に、CPUのような演算処理回路や、RAMやROMのようなメモリを含む回路を用いることができる。信号処理回路9と制御装置10に共通のハードウェアを用いてもよい。制御のための設定データやプログラムはフラッシュメモリのような不揮発性のメモリに記憶する。そのプログラムの指令に従い、制御装置10は、加熱装置5を制御してグラファイトチューブ内で試料から原子蒸気を生成する制御手段として機能することができる。
(第1の実施の形態) 第1の実施の形態では、微量の汚染物質についても定量するために、この制御装置10の制御により図3に示すようなシーケンスで濃度分析が行われる。まず制御装置10は、注入手段3を制御して、注入口4からグラファイトチューブ1内に試料液滴を注入する(S1)。次に加熱装置5を制御して、室温から85〜100℃まで温度が遷移した状態で数十秒間安定させる。これにより試料の水分が蒸発する。このようにして水分を蒸発させるか試料の乾燥により、試料から水分が除去されると(S2)、制御装置10は再び注入手段3を制御して、注入口4からグラファイトチューブ1内に試料液滴を前回と同じ量だけ注入する(S1)。その注入が完了すると、試料から水分を除去する(S2)。
このように、試料の注入(S1)と注入した試料からの水分除去(S2)とからなるサイクルを予め設定された回数行い、試料を濃縮する。ユーザは、そのサイクルを行う回数を設定することで濃縮倍率を指定することができる。試料を濃縮すると、制御装置10は加熱装置5を制御して、2000〜3000℃程度の気化温度までグラファイトチューブ1の温度を上昇させる。これによりグラファイトチューブ1内に原子蒸気が生成する。信号処理回路9は制御装置10の制御に従い、その原子蒸気を透過した光に対する検出器8の出力信号から元素濃度を算出する。
注入した試料液滴中の対象元素が微量であっても、濃縮した液滴中では、濃縮倍率に対応して原子の数、または対象元素の濃度が増加している。原子蒸気で吸収される光量も多くなる。このため、対象元素の原子の数または濃度が濃縮前には、検出器8の性能で定まる測定感度の下限値より小さくても、濃縮倍率を適当に設定すれば、その検出器8を用いて光吸収強度の定量をすることができ、濃度の定量も可能となる。
ここで、定量した濃度は濃縮した試料に対するものである。濃縮前の試料の濃度は、信号処理回路9が濃縮倍率(設定回数)を用いて算出することができる。設定回数がN回であれば、光吸収強度は試料中の原子の数に比例するからN倍になり、系全体としての測定感度もN倍となっている。このため、濃縮しない場合の検量線を用いている場合に、得られた濃度が値D2であれば、その値D2に1/Nを乗じる。前述のサイクル間で注入量を異ならせている場合には、設定回数の代わりに試料液滴の注入総量を用いることで濃縮前の試料の濃度を得ることができる。濃縮した試料の液量と注入総量との比を濃縮した試料に対する濃度に乗算すればよい。
このように第1の実施の形態における元素濃度分析方法および元素濃度分析装置は、試料液滴をグラファイトチューブ内で濃縮することにより系全体としての測定感度を増大させることができ、検出器の性能で定まる測定感度の下限値より小さな濃度の試料について分析をすることができる。このため、極めて微量の汚染物質について定量が可能となり、デバイスの縮小化に寄与することができる。
(第2の実施の形態) 第2の実施の形態における元素濃度分析装置では、図4に示すように、複数のグラファイトチューブ101乃至103が、光源6から検出器8に至る単一の光路Pに対して直列に配置されている。
ここで各グラファイトチューブ101乃至103は、第1の実施の形態におけるグラファイトチューブ1と同様、単一の注入口4を備えている。
この装置を用いて対象元素の濃度分析を行う場合、制御装置10は注入手段3を制御して、各グラファイトチューブ101乃至103の注入口4に同一の試料液滴を同量注入する。
次に制御装置10は加熱装置5を制御して、試料液滴を注入したグラファイトチューブ101乃至103を加熱することにより試料の水分を蒸発させる。その後、さらに加熱して各グラファイトチューブ101乃至103内で試料から原子蒸気を生成する。
原子蒸気を生成すると、その原子蒸気を透過した光について検出器8が測定を行う。信号処理回路9は、制御装置10の制御に従って検出器8の出力信号から光の吸収強度を求め、さらにその光吸収強度の値から対象元素の濃度を算出する。
この装置では光源6からの光が、グラファイトチューブ101乃至103の数に対応して、原子蒸気を3回透過する。このため、原子蒸気で吸収される光量が増加する。従って、各グラファイトチューブ101乃至103に注入される試料の濃度が検出器8の性能で定まる測定感度の下限値より小さくても、その検出器8を用いて光吸収強度および濃度の定量が可能となる。
ここで、定量した濃度は、3つのグラファイトチューブ101乃至103内で生成された原子蒸気に対するものである。グラファイトチューブ101乃至103のいずれかにのみ注入した試料について検量線を得ているような場合には、試料の濃度を補正しなければならない。その補正は、信号処理回路9がグラファイトチューブ101乃至103の数を用いて計算することにより行うことができる。グラファイトチューブをM個用意すると、光吸収強度はM倍になり、系全体としての測定感度もM倍となる。このため、得られた濃度が値D2であれば、その値D2に1/Mを乗じることで補正をすることができる。各グラファイトチューブ101乃至103への注入量が異なっている場合には、グラファイトチューブ101乃至103の数の代わりに試料液滴の注入総量を用いればよい。
このように第2の実施の形態における元素濃度分析方法および元素濃度分析装置は、単一の光路に対して複数のグラファイトチューブを直列に配置することにより、系全体としての測定感度を増大させることができ、検出器の性能で定まる測定感度の下限値より小さな濃度の試料について分析をすることができる。このため、極めて微量の汚染物質について定量が可能となり、デバイスの縮小化に寄与することができる。
なお、この実施の形態では、複数のグラファイトチューブを用いることで光路Pに対して複数の注入口を直列に配置しているが、例えば図5に示すように単一のグラファイトチューブ104に複数の注入口401乃至403を設けるようにしてもよい。これらの注入口401乃至403にそれぞれ試料液滴を注入して測定を行うことで、同様に系全体としての測定感度が向上する。
また、上述の説明では、3つのグラファイトチューブ101乃至103を用いたが、グラファイトチューブの数はこれに限られるものではなく、2つでも4つ以上でもよい。
複数のグラファイトチューブを用いる場合、光路Pに対して配列する複数の注入口それぞれは、いずれかのグラファイトチューブに設ければよい。必要数の注入口を配列するために、複数の注入口を設けたグラファイトチューブと単一の注入口を設けたグラファイトチューブとを用いることもできる。
また光路Pに対して直列に配置した複数の注入口の全てに試料液滴を注入する必要はない。対象試料について濃度を定量することができれば、一部の注入口にだけ試料液滴を注入すればよい。さらに複数のグラファイトチューブを用いている場合に、注入口を利用しないグラファイトチューブがあれば、そのグラファイトチューブは加熱しなくてもよい。
また複数の注入口の一部または全部について第1の実施の形態のように試料液滴の濃縮を行うようにしてもよい。
(第3の実施の形態) 第3の実施の形態における元素濃度分析装置では、図6に示すように、光吸収強度を測定するための検出器8までの光路が複数用意されている。
光路P5乃至P7に対して、グラファイトチューブ105乃至107をそれぞれ配置している。ここで各グラファイトチューブ105乃至107は、第1の実施の形態におけるグラファイトチューブ1と同様、単一の注入口4を備えている。
この実施の形態における元素濃度分析装置は、光源605乃至607およびスリット705乃至707も、光路P5乃至P7に対応して備えている。光源605乃至607からの光は、それぞれスリット705乃至707を介してグラファイトチューブ105乃至107に入射する。光源605乃至607には通常同じものを用いる。各光源605乃至607が利用するランプは、第1の実施の形態と同様に対象元素に応じて自動的に切り替わる。
一部の光路P5およびP7にはプリズム115および117がそれぞれ配置されており、各グラファイトチューブ105乃至107を通る光は検出器8上の一定の領域に入射する。グラファイトチューブ105または107を通る光はそのプリズム115または117で偏向されてから検出器8に入射し、グラファイトチューブ106を通る光はプリズム115および117のような光学素子を介さずに検出器8に入射する。
この装置を用いて対象元素の濃度分析を行う場合、制御装置10は注入手段3を制御して、グラファイトチューブ105乃至107の注入口4に同一の試料液滴を同量注入する。
次に制御装置10は加熱装置5を制御して、試料液滴を注入したグラファイトチューブ105乃至107を加熱することにより試料の水分を蒸発させる。その後、さらに加熱して、各グラファイトチューブ105乃至107内で試料から原子蒸気を生成する。
原子蒸気を生成すると、その原子蒸気を透過した光について、検出器8が測定を行う。信号処理回路9は、制御装置10の制御に従って検出器8の出力信号から光の吸収強度を求め、さらにその光吸収強度の値から対象元素の濃度を算出する。
各グラファイトチューブ105乃至107を通った光は検出器8上の一定の領域に入射しているので、光路の数に対応してその領域に入射する光の光量が増大する。従って、各グラファイトチューブ105乃至107に注入される試料の濃度が検出器8の性能で定まる測定感度の下限値よりも小さくても、その検出器8を用いて光吸収強度および濃度の定量が可能となる。
ここで、定量した濃度は、3つのグラファイトチューブ105乃至107に注入した試料に対するものである。グラファイトチューブ105乃至107のいずれかにのみ注入した試料について検量線を得ているような場合には、試料の濃度を補正しなければならない。その補正は、第2の実施の形態と同様に、信号処理回路9がグラファイトチューブ105乃至107の数を用いて計算することにより行うことができる。グラファイトチューブをO個用意すると、光吸収強度はO倍になり、系全体としての測定感度もO倍となる。このため、得られた濃度が値D2であれば、その値D2に1/Oを乗じることで補正をすることができる。各グラファイトチューブ105乃至107への注入量が異なっている場合には、グラファイトチューブ105乃至107の数の代わりに試料液滴の注入総量を用いればよい。
このように第3の実施の形態における元素濃度分析方法および元素濃度分析装置は、注入口を有するグラファイトチューブを複数の光路それぞれに対して配置することにより、系全体としての測定感度を増大させることができ、検出器の性能で定まる測定感度の下限値よりも小さな濃度の試料について分析をすることができる。このため、極めて微量の汚染物質について定量が可能となり、半導体プロセスの微細化に寄与することができる。
なお、この実施の形態では、3つの光路P5乃至P7に対してグラファイトチューブ105乃至107を配置したが、グラファイトチューブを配置する光路の数はこれに限られるものではなく、2つであっても4つ以上であってもよい。
また複数の光路のうち少なくとも一つの光路に対し複数のグラファイトチューブを直列に配置するようにしてもよい。
また複数の光路に対して配置するグラファイトチューブの少なくとも1つに複数の注入口を設けるようにしてもよい。複数のグラファイトチューブの少なくとも1つに複数の注入口を設けることにより、各グラファイトチューブに単一の注入口を設けている場合よりも、光の吸収強度を増大させることができる。従って系全体の測定感度がさらに向上する。
また複数の光路に対して配置したグラファイトチューブの注入口全てに試料液滴を注入する必要はない。対象試料について濃度を定量することができれば、一部の注入口にだけ試料液滴を注入すればよい。さらに注入口を利用しないグラファイトチューブがあれば、そのグラファイトチューブは加熱しなくてもよい。
また複数の注入口の一部または全部について第1の実施の形態のように試料液滴の濃縮を行うようにしてもよい。
(第4の実施の形態) 第4の実施の形態では、対象元素の分析を行う前に、試料液滴の注入に関する設定、および検量線の特定を自動的に行う。図7はこの実施の形態における元素濃度分析装置の概略構成を説明するための機能ブロック図である。
図7の例では、図5の例と同様に、光路Pに対して複数の注入口401乃至403が直列に配置されている。この装置を用いた対象元素の濃度分析は第2の実施の形態で説明したように行うことができる。
この装置において、制御装置10は制御手段として機能する他、プログラムの指令に従い変更手段20および設定手段21としても機能する。変更手段20は、複数の注入口401乃至403のいずれかに対する試料液滴の注入と注入した試料からの水分除去とを繰り返すことにより濃縮された液滴について、その原子蒸気を透過した光の吸収強度から元素濃度が得られるまで、試料液滴の注入回数を変更する。
ここでは、グラファイトチューブ104に設けた注入口401乃至403のうち注入口402で試料の濃縮を行い、他の注入口401および403にはそのとき試料を注入しない。制御装置10は注入手段3を制御して、試料の濃縮のため設定回数だけ注入口402に試料を注入する。この回数にはユーザが指定した値を用いてもよいし、設定データの示す値を用いてもよい。
設定回数だけ試料を注入口402に注入し試料の濃縮が完了すると、制御装置10は加熱装置5を制御して、グラファイトチューブ104内でその試料から原子蒸気を生成する。原子蒸気を生成すると、その原子蒸気を透過した光について検出器8が測定を行う。信号処理回路9は、制御装置10の制御に従って検出器8の出力信号から光の吸収強度を求める。
光吸収強度が求められると、ここでは、その値が一定の範囲内にあるかどうかを制御装置10が判定する。光吸収強度の値がその範囲外にある場合、制御装置10は試料液滴の注入回数を変更する。例えば検出器8の性能に対して注入回数が不足していると、光吸収強度の値が0以下となり、元素濃度を得ることができない。光吸収強度の値が0以下となりしきい値の値を下回っているようなときに、制御装置10は試料液滴の注入回数を変更する。変更後の注入回数についても、ユーザが指定した値を用いてもよいし、設定データの示す値を用いてもよい。試料液滴の注入回数を変更した場合、その変更した回数に対して光吸収度の計算を行うために制御装置10は制御を行う。この変更は光吸収強度の値が範囲外にある間繰り返される。光吸収強度の値がその範囲内にある場合、信号処理回路9は光吸収強度の値およびそのときの注入回数から元素濃度を計算する。
このようにして元素濃度が得られると、制御装置10は設定手段21として機能する。設定手段21は、光吸収強度から元素濃度が得られると、得られた元素濃度に基づいて注入の態様についての設定を行うとともに、その設定に対する検量線を定める。
元素濃度の分析は、その設定に従って注入された試料について行われる。注入の態様は、その態様における測定感度と得られた元素濃度との関係で定めることができる。ここでは、その関係から、注入口401乃至403のうちどの注入口を分析のために利用するか、また利用する注入口への注入回数を制御装置10が定める。例えば全ての注入口401乃至403に試料を注入しても測定感度が不足するときには、少なくとも一つの注入口について濃縮を行うため、その注入口への注入回数が2以上の値に設定される。また濃縮の回数(注入回数)が増加すると、注入と水分除去とを繰り返す分だけ測定に必要な時間が増える。濃縮回数を最小にするように分析に利用する注入口の数を設定することで、必要な測定感度を確保しつつ測定時間を極小化することができる。
制御装置10は、このような設定について検量線を求める。この検量線は、分析のために注入する試料の総注入量を用いて定めることができる。定めた検量線とその設定に従って試料を注入した場合に得た光吸収強度の値とから元素濃度を計算する。
このように第4の実施の形態における元素濃度分析方法および元素濃度分析装置では、複数の注入口のうち分析に利用する注入口および注入の回数を分析対象の濃度に応じて最適化することができる。
なお、この実施の形態では、単一のグラファイトチューブ104を用いて光路Pに対し複数の注入口を直列に配置する例を説明したが、これに限られるものではない。第2の実施の形態で説明したように複数のグラファイトチューブを用いて複数の注入口を直列に配置する例や、第3の実施の形態で説明したように複数の光路それぞれに対してグラファイトチューブを配置する例にも、この実施の形態における最適化をすることが可能である。
複数の光路それぞれに対してグラファイトチューブを配置するときには、光路によって測定精度が変わる可能性がある。例えばプリズムを配置している光路では、そのプリズムでの減衰により、プリズムを配置していない光路よりも測定精度が悪くなる可能性がある。濃縮を利用すれば、分析に利用する注入口の数を少なくすることができるので、このような測定精度のばらつきなどの影響を抑えることができる。
そこで元素濃度分析装置に、優先的に濃縮をするかどうかを指定する指定手段22を備えるようにしてもよい。この指定手段22は、制御装置10に接続された入出力装置などで実現することができる。ユーザはこの指定手段22を用いて優先的に濃縮をするかどうかを指定する。設定手段21は、優先的に濃縮をする指定があるときは、分析に利用する注入口の数を抑え、注入回数を増やす。優先的に濃縮をしない指定があるときは、同等の測定感度を得るために、分析に利用する注入口の数を増やし注入回数を抑える。
いずれの場合でも、プリズムを配置していない光路を優先的に利用するのが好ましい。これによって、誤差の影響を抑えることを優先するか、測定に必要な時間を短縮することを優先するかということに対するユーザの判断を分析に反映することが可能となる。
本発明にかかる元素濃度分析方法および元素濃度分析装置は、光吸収強度を測定する検出器の性能以上に検出範囲を広げることができ、縮小化が進むデバイスの汚染管理などの用途に適用することができる。
本発明の元素濃度分析装置の概要を説明するための機能ブロック図 検量線を示す図 本発明の第1の実施の形態における元素濃度分析方法の手順を説明するための図 本発明の第2の実施の形態における元素濃度分析装置が利用するグラファイトチューブの配置に関する一例を示す図 本発明の第2の実施の形態における元素濃度分析装置が利用するグラファイトチューブの配置に関する別の例を示す図 本発明の第3の実施の形態における元素濃度分析装置が利用するグラファイトチューブの配置に関する一例を示す図 本発明の第4の実施の形態における元素濃度分析装置を説明するための機能ブロック図
符号の説明
1 グラファイトチューブ
2 加熱部
3 注入手段
4 注入口
5 加熱装置
6 光源
7 スリット
8 検出器
9 信号処理回路
10 制御装置
20 変更手段
21 設定手段
22 指定手段
101、102、103、104 グラファイトチューブ
115、117 プリズム
401、402、403 注入口
605、606、607 光源
705、706、707 スリット

Claims (18)

  1. グラファイトチューブへの試料液滴の注入と注入した試料からの水分除去とを繰り返すことにより、そのグラファイトチューブ内で液滴を濃縮し、
    グラファイトチューブを加熱してそのグラファイトチューブ内で試料から原子蒸気を生成し、
    その原子蒸気を透過した光の吸収強度から元素濃度を分析する
    元素濃度分析方法。
  2. グラファイトチューブに複数設けられた注入口のうち、2以上のまたは全部の注入口に試料液滴を注入し、
    試料液滴を注入したグラファイトチューブを加熱してそのグラファイトチューブ内で試料から原子蒸気を生成し、
    その原子蒸気を透過した光の吸収強度から元素濃度を分析する
    元素濃度分析方法。
  3. グラファイトチューブに複数設けられた注入口のうち、2以上のまたは全部の注入口への試料液滴の注入と注入した試料からの水分除去とを繰り返すことにより、そのグラファイトチューブ内で液滴を濃縮し、
    試料液滴を注入したグラファイトチューブを加熱してそのグラファイトチューブ内で試料から原子蒸気を生成し、
    その原子蒸気を透過した光の吸収強度から元素濃度を分析する
    元素濃度分析方法。
  4. 試料液滴の総注入量に基づいて元素濃度を求める請求項1乃至3のいずれか1項記載の元素濃度分析方法。
  5. 光吸収強度を測定するための検出器までの光路が単一であり、その光路に対して注入口を直列に配置した請求項2または3記載の元素濃度分析方法。
  6. 複数の注入口それぞれを複数のグラファイトチューブのいずれかに設けた請求項5記載の元素濃度分析方法。
  7. 光吸収強度を測定するための検出器までの光路が複数あり、注入口を有するグラファイトチューブを各光路に対して配置した請求項2または3記載の元素濃度分析方法。
  8. グラファイトチューブに複数設けられた注入口のいずれかに対する試料液滴の注入と注入した試料からの水分除去とを繰り返すことにより、そのグラファイトチューブ内で液滴を濃縮し、
    試料液滴を注入したグラファイトチューブを加熱してそのグラファイトチューブ内で試料から原子蒸気を生成し、
    その原子蒸気を透過した光の吸収強度から元素濃度が得られるまで、試料液滴の注入回数を変更し、
    光吸収強度から元素濃度が得られると、得られた元素濃度に基づいて、試料液滴を注入する注入口およびその注入口への注入回数についての設定を行うとともに、その設定に対する検量線を定め、
    その設定に従って試料液滴を注入口に注入し、
    試料液滴を注入したグラファイトチューブを加熱してそのグラファイトチューブ内で試料から原子蒸気を生成し、
    その原子蒸気を透過した光の吸収強度およびその設定に対する検量線から、その設定に従って注入した試料について元素濃度を分析する
    元素濃度分析方法。
  9. 前記設定は、優先的に濃縮をする指定があるかどうかにも基づいて行う請求項8記載の元素濃度分析方法。
  10. グラファイトチューブに設けられた注入口に試料液滴を注入する手段、
    グラファイトチューブを加熱する加熱手段、
    グラファイトチューブへの試料液滴の注入と注入した試料からの水分除去とを繰り返すことにより液滴が濃縮されると、前記加熱手段を制御してそのグラファイトチューブ内で試料から原子蒸気を生成する手段、ならびに
    その原子蒸気を透過した光の吸収強度から元素濃度を分析する分析手段
    を備えた元素濃度分析装置。
  11. グラファイトチューブに複数設けられた注入口のうち、2以上のまたは全部の注入口に試料液滴を注入する手段、
    グラファイトチューブを加熱する加熱手段、
    前記加熱手段を制御して、試料液滴が注入されたグラファイトチューブ内で試料から原子蒸気を生成する手段、ならびに
    その原子蒸気を透過した光の吸収強度から元素濃度を分析する分析手段
    を備えた元素濃度分析装置。
  12. グラファイトチューブに複数設けられた注入口のうち、2以上のまたは全部の注入口に試料液滴を注入する手段、
    グラファイトチューブを加熱する加熱手段、
    グラファイトチューブへの試料液滴の注入と注入した試料からの水分除去とを繰り返すことにより液滴が濃縮されると、前記加熱手段を制御して、そのグラファイトチューブ内で試料から原子蒸気を生成する手段、ならびに
    その原子蒸気を透過した光の吸収強度から元素濃度を分析する分析手段
    を備えた元素濃度分析装置。
  13. 前記分析手段が、試料液滴の総注入量に基づいて元素濃度を求める請求項10乃至12のいずれか1項記載の元素濃度分析装置。
  14. 光吸収強度を測定するための検出器までの光路が単一であり、その光路に対して注入口を直列に配置した請求項11または12記載の元素濃度分析装置。
  15. 複数の注入口それぞれを複数のグラファイトチューブのいずれかに設けた請求項14記載の元素濃度分析装置。
  16. 光吸収強度を測定するための検出器までの光路が複数あり、注入口を有するグラファイトチューブを各光路に対して配置した請求項11または12記載の元素濃度分析装置。
  17. グラファイトチューブに複数設けられた注入口のうち、少なくとも一つの注入口に試料液滴を注入する手段、
    グラファイトチューブを加熱する加熱手段、
    前記加熱手段を制御して、グラファイトチューブ内で試料から原子蒸気を生成する手段、
    いずれかの注入口に対する試料液滴の注入と注入した試料からの水分除去とを繰り返すことにより濃縮された液滴について、その原子蒸気を透過した光の吸収強度から元素濃度が得られるまで、試料液滴の注入回数を変更する手段、
    光吸収強度から元素濃度が得られると、得られた元素濃度に基づいて、試料液滴を注入する注入口およびその注入口への注入回数についての設定を行うとともに、その設定に対する検量線を定める設定手段、ならびに
    その設定に従って注入された試料について、その原子蒸気を透過した光の吸収強度およびその設定に対する検量線から元素濃度を分析する手段
    を備えた元素濃度分析装置。
  18. 優先的に濃縮をするかどうかを指定する手段をさらに備え、
    前記設定手段は、優先的に濃縮をする指定があるかどうかにも基づいて前記設定を行う請求項17記載の元素濃度分析装置。
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JP2010169510A (ja) * 2009-01-22 2010-08-05 Hitachi High-Technologies Corp 原子吸光光度計および黒鉛管
CN115128018A (zh) * 2021-03-24 2022-09-30 福建福清核电有限公司 一种利用gfaas分析核电站二回路水中硅的分析方法

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