JP2006057771A - 樹脂用タッピンネジ取付部材 - Google Patents
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Abstract
【課題】 リサイクルに対応して、ネジを取付けるための部材のみを簡単に交換でき、耐トルク、引き抜き強度も確保できる樹脂用タッピンネジ取付部材を提供する。
【解決手段】 樹脂用タッピンネジ11がネジを切りながら螺合するための内壁部1aが形成され、内壁部1aの一端側には他端側に比べて内径が小さい小径部1bが形成され、一端側を径方向外側に広げることができるようにスリット状の切り込み2が施された管状部材1と、管状部材1が挿嵌されることで雌ネジ側としての機能が付与される挿嵌部材3と、小径部1bの内壁面に当接しながら管状部材1の一端側を押し広げる拡径ピン10とを備え、小径部1bの内壁面、拡径ピン10の外周面のうち少なくとも一方がテーパー状に形成された。
【選択図】 図5
【解決手段】 樹脂用タッピンネジ11がネジを切りながら螺合するための内壁部1aが形成され、内壁部1aの一端側には他端側に比べて内径が小さい小径部1bが形成され、一端側を径方向外側に広げることができるようにスリット状の切り込み2が施された管状部材1と、管状部材1が挿嵌されることで雌ネジ側としての機能が付与される挿嵌部材3と、小径部1bの内壁面に当接しながら管状部材1の一端側を押し広げる拡径ピン10とを備え、小径部1bの内壁面、拡径ピン10の外周面のうち少なくとも一方がテーパー状に形成された。
【選択図】 図5
Description
本発明は、電子機器などに用いる樹脂部材のネジ取付け部分を構成する樹脂用タッピンネジ取付部材に関し、特に、リサイクルに対応して、ネジを取付けるための部材のみを簡単に交換でき、耐トルク、引き抜き強度も確保できる樹脂用タッピンネジ取付部材に関する。
電子機器などにおいては、カバー、各種ユニットなどの樹脂モールド部品の組付け箇所、固定箇所等の締結手段としてセルフタッピンネジを使うことが多い。そのため、破棄された電子機器を構成する樹脂モールド部品をリサイクルして再使用しようとしても、モールド部材に形成したネジ山が壊れている場合には、部品の再使用が出来ず破棄せざるを得なかった。
このような問題に対して、例えば特許文献1では、ネジ形成部分を交換できるようにした技術を提案している。また、特許文献2の技術では、ネジ作業方向の裏側からネジ形成部分を交換できるような技術が示されている。
特開2001−56011公報
特開2000−81016公報
このような問題に対して、例えば特許文献1では、ネジ形成部分を交換できるようにした技術を提案している。また、特許文献2の技術では、ネジ作業方向の裏側からネジ形成部分を交換できるような技術が示されている。
しかしながら、上述の特許文献1の技術では、部材固定がスナップフィットなのでネジ組み付け方向からの交換において、耐トルク、引き抜き強度が弱くなる欠点がある。また、特許文献2の技術の問題として、実際の機器では周辺構造等によって裏側からの交換が難しいものもあるという実情がある。
そこで、本発明は、上述した実情を考慮してなされたもので、ネジを取付けるための部材をネジ作業方向から簡単に交換でき、耐トルク、引き抜き強度も確保でき、交換が簡単でリサイクルに適する樹脂用タッピンネジ取付部材を提供することを目的とする。
そこで、本発明は、上述した実情を考慮してなされたもので、ネジを取付けるための部材をネジ作業方向から簡単に交換でき、耐トルク、引き抜き強度も確保でき、交換が簡単でリサイクルに適する樹脂用タッピンネジ取付部材を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、樹脂用タッピンネジがネジを切りながら螺合するための内壁部が形成され、前記内壁部の一端側には他端側に比べて内径が小さい小径部が形成され、一端側を径方向外側に広げることができるようにスリット状の切り込みが施された管状部材と、前記管状部材が挿嵌されることで雌ネジ側としての機能が付与される挿嵌部材と、前記小径部の内壁面に当接しながら前記管状部材の一端側を押し広げる拡径ピンとを備え、前記小径部の内壁面、前記拡径ピンの外周面のうち少なくとも一方がテーパー状に形成されている樹脂用タッピンネジ取付部材を最も主要な特徴とする。
また、請求項2に記載の発明では、前記小径部は先端に向かって徐々に内径が小さくなるテーパー状に形成され、前記拡径ピンの外形は前記小径部の形状に対応したテーパー状に形成されている樹脂用タッピンネジ取付部材を主要な特徴とする。
また、請求項3に記載の発明では、前記樹脂用タッピンネジの先端部分が前記拡径ピンに当接した状態で前記管状部材内を前進することで前記拡径ピンを前記管状部材の一端側に押動する樹脂用タッピンネジ取付部材を主要な特徴とする。
また、請求項4に記載の発明では、樹脂用タッピンネジがネジを切りながら螺合するための内壁部が形成され、前記内壁部は先端に向かって徐々に内径が小さくなるテーパー状に形成され、一端側を径方向外側に広げることができるようにスリット状の切り込みが施された管状部材と、前記管状部材が挿嵌されることで雌ネジ側としての機能が付与される挿嵌部材とを備えた樹脂用タッピンネジ取付部材を主要な特徴とする。
また、請求項5に記載の発明では、前記管状部材の外周に凸部が設けられ、前記凸部が嵌合するための凹部が前記挿嵌部材に形成された樹脂用タッピンネジ取付部材を主要な特徴とする。
また、請求項6に記載の発明では、前記挿嵌部材の穴形状は入口側が前記管状部材の他端側の太さに対応した大きさの穴に形成され、前記挿嵌部材が挿嵌されたときに前記管状部材の一端側の外周面に対向する位置の前記挿嵌部材の内壁部は前記管状部材の他端側の太さよりも広く形成されている樹脂用タッピンネジ取付部材を主要な特徴とする。
また、請求項7に記載の発明では、前記拡径ピンを前記管状部材から取り出すときに前記拡径ピンに係合させて引き出すことができるように前記拡径ピンに係合部を設けた樹脂用タッピンネジ取付部材を主要な特徴とする。
また、請求項8に記載の発明では、前記管状部材、前記拡径ピンは前記挿嵌部材を構成する樹脂と同一の材質である樹脂用タッピンネジ取付部材を主要な特徴とする。
また、請求項2に記載の発明では、前記小径部は先端に向かって徐々に内径が小さくなるテーパー状に形成され、前記拡径ピンの外形は前記小径部の形状に対応したテーパー状に形成されている樹脂用タッピンネジ取付部材を主要な特徴とする。
また、請求項3に記載の発明では、前記樹脂用タッピンネジの先端部分が前記拡径ピンに当接した状態で前記管状部材内を前進することで前記拡径ピンを前記管状部材の一端側に押動する樹脂用タッピンネジ取付部材を主要な特徴とする。
また、請求項4に記載の発明では、樹脂用タッピンネジがネジを切りながら螺合するための内壁部が形成され、前記内壁部は先端に向かって徐々に内径が小さくなるテーパー状に形成され、一端側を径方向外側に広げることができるようにスリット状の切り込みが施された管状部材と、前記管状部材が挿嵌されることで雌ネジ側としての機能が付与される挿嵌部材とを備えた樹脂用タッピンネジ取付部材を主要な特徴とする。
また、請求項5に記載の発明では、前記管状部材の外周に凸部が設けられ、前記凸部が嵌合するための凹部が前記挿嵌部材に形成された樹脂用タッピンネジ取付部材を主要な特徴とする。
また、請求項6に記載の発明では、前記挿嵌部材の穴形状は入口側が前記管状部材の他端側の太さに対応した大きさの穴に形成され、前記挿嵌部材が挿嵌されたときに前記管状部材の一端側の外周面に対向する位置の前記挿嵌部材の内壁部は前記管状部材の他端側の太さよりも広く形成されている樹脂用タッピンネジ取付部材を主要な特徴とする。
また、請求項7に記載の発明では、前記拡径ピンを前記管状部材から取り出すときに前記拡径ピンに係合させて引き出すことができるように前記拡径ピンに係合部を設けた樹脂用タッピンネジ取付部材を主要な特徴とする。
また、請求項8に記載の発明では、前記管状部材、前記拡径ピンは前記挿嵌部材を構成する樹脂と同一の材質である樹脂用タッピンネジ取付部材を主要な特徴とする。
本発明によれば、樹脂用タッピンネジの締め付けによって拡径ピンが管状部材の先端を径方向外側へ押し開くように構成されているので、樹脂用タッピンネジを外せば、管状部材をネジ作業方向から簡単に取り外すことができ、リサイクル時などにおいて、ネジ切りによって既に雌ネジとしての機能が低下している管状部材の新品への交換作業を簡単にすることができる。また、ネジ締め付け時には管状部材を挿嵌部材内に強固に固定することができるので、管状部材の耐トルク及び引き抜き強度が向上する。
また、管状部材の挿嵌部材に対する位置は制限を受けないので、管状部材の高さ(ネジ座面)を一定にでき、部品の取付け精度が安定するという効果がある。また、拡径ピンに係合部を形成した場合には、拡径ピンに係合させた状態で管状部材から引き出すことができるので、拡径ピンの取り出し作業がより簡単になる。
管状部材の内径が先端に向かって徐々に小さくなるように内径全体をテーパー状に形成した場合の樹脂用タッピンネジ取付部材では、ネジの締め付けによって、管状部材の先端が径方向外側に開くので、管状部材をネジ作業方向から簡単に取り外すことができ、リサイクル時などにおいて、ネジ切りによって既に雌ネジとしての機能が低下している管状部材の新品への交換作業が容易になる。また、ネジ締め付け時には管状部材が挿嵌部材内に強固に固定され、管状部材の耐トルク及び引き抜き強度が向上する。また、管状部材の挿嵌部材に対する位置は制限を受けないので、管状部材の高さ(ネジ座面)を一定にでき、部品の取付け精度が安定するという効果がある。
また、管状部材の外周に凸部を設け、これと嵌合する凹部を挿嵌部材に形成した場合の樹脂用タッピンネジ取付部材では、管状部材に対する回り止め効果により耐トルク性能が一層向上するという効果が得られる。また、挿嵌部材の入口側を管状部材の他端側の太さに対応させた大きさの穴に形成し、挿嵌部材が挿嵌されたときに管状部材の一端側の外周面に対向する位置の挿嵌部材の内壁部を管状部材の他端側の太さよりも広く形成した場合の樹脂用タッピンネジ取付部材では、ネジによる締め付けによって管状部材の先端が開いて抜け止め機能を奏するので、管状部材の取り出し方向の移動が規制され、管状部材の引き抜き力に対する強度をより一層向上させることができる。また、管状部材の材質を挿嵌部材と同じものにした場合には、リサイクル処理において同一材質として分別することなく一括して処理することが可能となり、リサイクル作業の効率が向上する。
また、管状部材の挿嵌部材に対する位置は制限を受けないので、管状部材の高さ(ネジ座面)を一定にでき、部品の取付け精度が安定するという効果がある。また、拡径ピンに係合部を形成した場合には、拡径ピンに係合させた状態で管状部材から引き出すことができるので、拡径ピンの取り出し作業がより簡単になる。
管状部材の内径が先端に向かって徐々に小さくなるように内径全体をテーパー状に形成した場合の樹脂用タッピンネジ取付部材では、ネジの締め付けによって、管状部材の先端が径方向外側に開くので、管状部材をネジ作業方向から簡単に取り外すことができ、リサイクル時などにおいて、ネジ切りによって既に雌ネジとしての機能が低下している管状部材の新品への交換作業が容易になる。また、ネジ締め付け時には管状部材が挿嵌部材内に強固に固定され、管状部材の耐トルク及び引き抜き強度が向上する。また、管状部材の挿嵌部材に対する位置は制限を受けないので、管状部材の高さ(ネジ座面)を一定にでき、部品の取付け精度が安定するという効果がある。
また、管状部材の外周に凸部を設け、これと嵌合する凹部を挿嵌部材に形成した場合の樹脂用タッピンネジ取付部材では、管状部材に対する回り止め効果により耐トルク性能が一層向上するという効果が得られる。また、挿嵌部材の入口側を管状部材の他端側の太さに対応させた大きさの穴に形成し、挿嵌部材が挿嵌されたときに管状部材の一端側の外周面に対向する位置の挿嵌部材の内壁部を管状部材の他端側の太さよりも広く形成した場合の樹脂用タッピンネジ取付部材では、ネジによる締め付けによって管状部材の先端が開いて抜け止め機能を奏するので、管状部材の取り出し方向の移動が規制され、管状部材の引き抜き力に対する強度をより一層向上させることができる。また、管状部材の材質を挿嵌部材と同じものにした場合には、リサイクル処理において同一材質として分別することなく一括して処理することが可能となり、リサイクル作業の効率が向上する。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態を詳細に説明する。図1は本発明を実施するための最良の形態である樹脂用タッピンネジ取付部材の構成要素である管状部材1の外観図である。図1(a)は管状部材1の斜視図であり、図1(b)は管状部材1の底面図である。管状部材1には、樹脂用タッピンネジがネジを切りながら螺合するための内壁部1aが形成され、内壁部1aの一端側には他端側に比べて内径が小さい後述の小径部1bが形成されている。また、管状部材1の一端側(図1(a)においては下側)には、管状部材1の先端を径方向外側に広げることができるようにスリット状の切り込み2がこの例では90度間隔で4箇所に施されている。
図2は管状部材1とこれを挿嵌取付けするための挿嵌部材3の斜視図である。この挿嵌部材3の穴3aに管状部材1が挿嵌取付けされることで雌ネジ側としての機能が付与される。挿嵌部材3は例えば樹脂部材4と同一材料で一体で構成されており、穴3a内に管状部材1を備えることで樹脂部材4に対してセルフタッピンネジ(樹脂用タッピンネジ)を螺着できるようになる。これにより、例えば、樹脂部材4に対して他の部品をネジ止めすることが可能になる。なお、管状部材1の材質を挿嵌部材3(樹脂部材4)と同じものにしておけば、リサイクル処理において同一材質として一括して処理することが可能である。
図3は挿嵌部材3に管状部材1を挿嵌し、さらに管状部材1に拡径ピン10を軽圧入した状態の断面図である。図3に示すように、管状部材1の小径部1bは先端に向かって徐々に内径が小さくなるテーパー状に形成されており、この形状に対応して拡径ピン10の外形面の形状もテーパー状になっている。拡径ピン10は図4のように小径部1bの内壁面に当接しながら深さ方向に進むことで管状部材1の一端側を径方向外側へ押し広げ、挿嵌部材3の穴3a内壁に外周角部を食い込ませる役割を持っている。
図2は管状部材1とこれを挿嵌取付けするための挿嵌部材3の斜視図である。この挿嵌部材3の穴3aに管状部材1が挿嵌取付けされることで雌ネジ側としての機能が付与される。挿嵌部材3は例えば樹脂部材4と同一材料で一体で構成されており、穴3a内に管状部材1を備えることで樹脂部材4に対してセルフタッピンネジ(樹脂用タッピンネジ)を螺着できるようになる。これにより、例えば、樹脂部材4に対して他の部品をネジ止めすることが可能になる。なお、管状部材1の材質を挿嵌部材3(樹脂部材4)と同じものにしておけば、リサイクル処理において同一材質として一括して処理することが可能である。
図3は挿嵌部材3に管状部材1を挿嵌し、さらに管状部材1に拡径ピン10を軽圧入した状態の断面図である。図3に示すように、管状部材1の小径部1bは先端に向かって徐々に内径が小さくなるテーパー状に形成されており、この形状に対応して拡径ピン10の外形面の形状もテーパー状になっている。拡径ピン10は図4のように小径部1bの内壁面に当接しながら深さ方向に進むことで管状部材1の一端側を径方向外側へ押し広げ、挿嵌部材3の穴3a内壁に外周角部を食い込ませる役割を持っている。
図5は樹脂用タッピンネジ11によって部品同士を締め付け固定した状態の断面図である。樹脂用タッピンネジ11を締め付け方向に回していくと、図5のように樹脂用タッピンネジ11は管状部材の内壁面1aにネジを切りながら深部側に進み、先端部分が拡径ピン10に当接する。さらに進むと、拡径ピン10は管状部材1の一端側に押動され、小径部1bを押して管状部材1の先端が径方向外側に広がり管状部材1が挿嵌部材3に固定される。樹脂用タッピンネジ11の長さは管状部材1の固定と部品の締め付け完了がほぼ同時に行われるように選定されている。
アンカーボルトなど内径にネジを切ってあるものの雌ネジ部の固定は図6のように拡径楔7を締結本体の固定用穴の下に置き、スリーブ6を打ち込んで行うためスリーブの高さ方向が一定にできない、スリーブ6を抜くことが出来ないという問題があるが、上述のように拡径ピン10を用いると管状部材1の高さ(ネジ座面)を一定にでき、部品の取付け精度が安定する。
このように、上述した樹脂用タッピンネジ取付部材は、管状部材1と、挿嵌部材3と、拡径ピン10とを備え、樹脂用タッピンネジ11の締め付けによって拡径ピン10が管状部材1の先端を径方向外側へ押し開くように構成されているので、樹脂用タッピンネジ11を外せば、管状部材1をネジ作業方向から簡単に取り外すことができ、リサイクル時などにおいて、ネジ切りによって既に雌ネジとしての機能が低下している管状部材1の新品への交換作業が容易になるという効果を得ることができる。また、ネジ締め付け時には管状部材1が挿嵌部材3内に強固に固定され、管状部材1の耐トルク及び引き抜き強度が向上するという効果が得られる。
管状部材1のネジ山が壊れた場合は切り込み2に沿って拡径ピン10の先端部に金具を差込み(当接させ)引き上げれば簡単に拡径ピンと共に管状部材1を外せるようになるが、図7のように拡径ピン10の上部外周に係合部としての溝10aを形成したり、軸心部に孔10bを形成しておけば、拡径ピン10に係合させた状態で管状部材1から引き出すことができるので、拡径ピン10の取り出し作業がより簡単になる。
アンカーボルトなど内径にネジを切ってあるものの雌ネジ部の固定は図6のように拡径楔7を締結本体の固定用穴の下に置き、スリーブ6を打ち込んで行うためスリーブの高さ方向が一定にできない、スリーブ6を抜くことが出来ないという問題があるが、上述のように拡径ピン10を用いると管状部材1の高さ(ネジ座面)を一定にでき、部品の取付け精度が安定する。
このように、上述した樹脂用タッピンネジ取付部材は、管状部材1と、挿嵌部材3と、拡径ピン10とを備え、樹脂用タッピンネジ11の締め付けによって拡径ピン10が管状部材1の先端を径方向外側へ押し開くように構成されているので、樹脂用タッピンネジ11を外せば、管状部材1をネジ作業方向から簡単に取り外すことができ、リサイクル時などにおいて、ネジ切りによって既に雌ネジとしての機能が低下している管状部材1の新品への交換作業が容易になるという効果を得ることができる。また、ネジ締め付け時には管状部材1が挿嵌部材3内に強固に固定され、管状部材1の耐トルク及び引き抜き強度が向上するという効果が得られる。
管状部材1のネジ山が壊れた場合は切り込み2に沿って拡径ピン10の先端部に金具を差込み(当接させ)引き上げれば簡単に拡径ピンと共に管状部材1を外せるようになるが、図7のように拡径ピン10の上部外周に係合部としての溝10aを形成したり、軸心部に孔10bを形成しておけば、拡径ピン10に係合させた状態で管状部材1から引き出すことができるので、拡径ピン10の取り出し作業がより簡単になる。
また、図8のように、管状部材1の他端側(図8においては上側)の外周に薄板状の凸部1cを設け、凸部1cが嵌合するためのスリット状の凹部3bを挿嵌部材3の穴3aの内径に形成することで、管状部材1に対して回り止め効果を得ることができ、耐トルク性能が一層向上するという効果を得ることができる。
図9は管状部材13の内径が先端に向かって徐々に小さくなるように内径全体をテーパー状に形成した場合の断面図である。この管状部材13の穴13a内に樹脂用タッピンネジ14をねじ込んで締め付けると、図10のように管状部材13の先端が径方向外側に開き、管状部材13は挿嵌部材12に固定され、同時に部品同士の締め付けが完了する。
したがって、図9の樹脂用タッピンネジ取付部材では、管状部材13をネジ作業方向から簡単に取り外すことができ、リサイクル時などにおいて、ネジ切りによって既に雌ネジとしての機能が低下している管状部材13の新品への交換作業が容易になる。また、ネジ締め付け時には管状部材13が挿嵌部材12内に強固に固定され、管状部材13の耐トルク及び引き抜き強度が向上する。また、管状部材13の材質を挿嵌部材12と同じものにしておけば、リサイクル処理において同一材質として一括して処理することが可能である。
図9は管状部材13の内径が先端に向かって徐々に小さくなるように内径全体をテーパー状に形成した場合の断面図である。この管状部材13の穴13a内に樹脂用タッピンネジ14をねじ込んで締め付けると、図10のように管状部材13の先端が径方向外側に開き、管状部材13は挿嵌部材12に固定され、同時に部品同士の締め付けが完了する。
したがって、図9の樹脂用タッピンネジ取付部材では、管状部材13をネジ作業方向から簡単に取り外すことができ、リサイクル時などにおいて、ネジ切りによって既に雌ネジとしての機能が低下している管状部材13の新品への交換作業が容易になる。また、ネジ締め付け時には管状部材13が挿嵌部材12内に強固に固定され、管状部材13の耐トルク及び引き抜き強度が向上する。また、管状部材13の材質を挿嵌部材12と同じものにしておけば、リサイクル処理において同一材質として一括して処理することが可能である。
図11は挿嵌部材15の入口側を細く構成した場合の断面図である。図12のように、挿嵌部材15の穴15aの形状は入口側が管状部材16の他端側の太さに対応した大きさの穴に形成され、挿嵌部材15が挿嵌されたときに管状部材16の一端側の外周面に対向する位置(挿嵌部材15の底部側)の挿嵌部材15の内壁部は管状部材16の他端側(挿嵌部材15の入口側)の太さよりも広く形成されている。この例では、挿嵌部材15の底部側には深さ方向に向かって徐々に内径が広くなる拡径部17が形成されている。
なお、管状部材16は上述の管状部材1又は管状部材13と同様の構造である。また、ここの例では、挿嵌部材15の入口の大きさは、管状部材16を軽圧入できる程度の大きさであるが、挿嵌部材15の入口は管状部材16の挿嵌前の太さに近い大きさであればよく、挿嵌力の程度は特に限定しなくてもよい。
管状部材16を挿嵌してネジによる締め付けが完了した状態では、図13のように管状部材16の先端が開いて拡径部17のテーパー状の表面に当接し、管状部材16の取り出し方向の移動が規制される。すなわち、管状部材16の引き抜き力に対する強度をより一層向上させることができる。なお、図13の管状部材16には、上述した凸部1c及び凹部3bを形成し、回り止め効果を得るようにしてもよい。また、管状部材16の材質を挿嵌部材15と同じものにしておけば、リサイクル処理において同一材質として一括して処理することが可能である。
なお、管状部材16は上述の管状部材1又は管状部材13と同様の構造である。また、ここの例では、挿嵌部材15の入口の大きさは、管状部材16を軽圧入できる程度の大きさであるが、挿嵌部材15の入口は管状部材16の挿嵌前の太さに近い大きさであればよく、挿嵌力の程度は特に限定しなくてもよい。
管状部材16を挿嵌してネジによる締め付けが完了した状態では、図13のように管状部材16の先端が開いて拡径部17のテーパー状の表面に当接し、管状部材16の取り出し方向の移動が規制される。すなわち、管状部材16の引き抜き力に対する強度をより一層向上させることができる。なお、図13の管状部材16には、上述した凸部1c及び凹部3bを形成し、回り止め効果を得るようにしてもよい。また、管状部材16の材質を挿嵌部材15と同じものにしておけば、リサイクル処理において同一材質として一括して処理することが可能である。
1、13、16 管状部材、1a 内壁部、1b 小径部、1c凸部、2 切り込み、3、12、15 挿嵌部材、3a 穴、3b 凹部、4 樹脂部材、6 スリーブ、7 拡径楔、10 拡径ピン、10a 溝、10b 孔、11 樹脂用タッピンネジ、17 拡径部
Claims (8)
- 樹脂用タッピンネジがネジを切りながら螺合するための内壁部が形成され、前記内壁部の一端側には他端側に比べて内径が小さい小径部が形成され、一端側を径方向外側に広げることができるように壁部にスリット状の切り込みが施された管状部材と、
前記管状部材が挿嵌されることで雌ネジ側としての機能が付与される挿嵌部材と、
前記環状部材の小径部の内壁面に当接しながら前記管状部材の一端側を押し広げる拡径ピンとを備え、
前記小径部の内壁面、前記拡径ピンの外周面のうち少なくとも一方がテーパー状に形成されていることを特徴とする樹脂用タッピンネジ取付部材。 - 請求項1記載の樹脂用タッピンネジ取付部材において、
前記小径部は先端に向かって徐々に内径が小さくなるテーパー状に形成され、前記拡径ピンの外形は前記小径部の内面形状に対応したテーパー状に形成されていることを特徴とする樹脂用タッピンネジ取付部材。 - 請求項1又は2に記載の樹脂用タッピンネジ取付部材において、
前記樹脂用タッピンネジの先端部分が前記拡径ピンに当接した状態で前記管状部材内を前進することで前記拡径ピンを前記管状部材の一端側に押動することを特徴とする樹脂用タッピンネジ取付部材。 - 樹脂用タッピンネジがネジを切りながら螺合するための内壁部が形成され、前記内壁部は先端に向かって徐々に内径が小さくなるテーパー状に形成され、一端側を径方向外側に広げることができるように壁部にスリット状の切り込みが施された管状部材と、
前記管状部材が挿嵌されることで雌ネジ側としての機能が付与される挿嵌部材とを備えたことを特徴とする樹脂用タッピンネジ取付部材。 - 請求項1から4のいずれか一項に記載の樹脂用タッピンネジ取付部材において、
前記管状部材の外周に凸部が設けられ、前記凸部が嵌合するための凹部が前記挿嵌部材に形成されたことを特徴とする樹脂用タッピンネジ取付部材。 - 請求項1から5のいずれか一項に記載の樹脂用タッピンネジ取付部材において、
前記挿嵌部材の穴形状は入口側が前記管状部材の他端側の太さに対応した大きさの穴に形成され、前記挿嵌部材が挿嵌されたときに前記管状部材の一端側の外周面に対向する位置の前記挿嵌部材の内壁部は前記管状部材の他端側の太さよりも広く形成されていることを特徴とする樹脂用タッピンネジ取付部材。 - 請求項1から3のいずれか一項に記載の樹脂用タッピンネジ取付部材において、
前記拡径ピンを前記管状部材から取り出すときに前記拡径ピンに係合させて引き出すことができるように前記拡径ピンに係合部を設けたことを特徴とする樹脂用タッピンネジ取付部材。 - 請求項1から7のいずれか一項に記載の樹脂用タッピンネジ取付部材において、
前記管状部材、前記拡径ピンは前記挿嵌部材を構成する樹脂と同一の材質であることを特徴とする樹脂用タッピンネジ取付部材。
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JP2004241557A JP2006057771A (ja) | 2004-08-20 | 2004-08-20 | 樹脂用タッピンネジ取付部材 |
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JP2004241557A JP2006057771A (ja) | 2004-08-20 | 2004-08-20 | 樹脂用タッピンネジ取付部材 |
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Family
ID=36105407
Family Applications (1)
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JP2004241557A Pending JP2006057771A (ja) | 2004-08-20 | 2004-08-20 | 樹脂用タッピンネジ取付部材 |
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-
2004
- 2004-08-20 JP JP2004241557A patent/JP2006057771A/ja active Pending
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