JPH06193624A - スタンピングナットを使用した固定方法およびスタンピングナット用リベット並びにスタンピングナットおよびスタンピングナット用係止溝 - Google Patents

スタンピングナットを使用した固定方法およびスタンピングナット用リベット並びにスタンピングナットおよびスタンピングナット用係止溝

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JPH06193624A
JPH06193624A JP7598892A JP7598892A JPH06193624A JP H06193624 A JPH06193624 A JP H06193624A JP 7598892 A JP7598892 A JP 7598892A JP 7598892 A JP7598892 A JP 7598892A JP H06193624 A JPH06193624 A JP H06193624A
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stamping nut
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Abstract

(57)【要約】 【目 的】 プレスのみによって成形されたスタンピン
グナットと当該スタンピングナットの開口に回転しなが
らネジ溝を切るリベットとによる固定方法。 【構 成】 1ピッチ区間にわたり、立てられるネジ溝
の螺旋形状と同じ傾斜に成形された傾斜部と、当該傾斜
部の周縁部によって形成されたスタンピングナットの開
口に、回転付与用凹凸部を備えた頭部と当該頭部に連設
されている胴部とから構成されたリベットを回転しなが
ら挿入して、前記リベットの胴部にネジ溝を立てること
によって、リベットの頭部とスタンピングナットとによ
って固定する方法。上記固定方法に使用するリベット。
板状部材に少なくとも1個設けられたスタンピングナッ
ト。スタンピングナットに滑り止めの突起を設ける。板
状部材にスタンピングナット用の係止溝を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、回転付与部を備えた頭
部と当該頭部に連設されている胴部とから構成されたリ
ベットとスタンピングナットとによって部材を固定する
ためのスタンピングナットを使用した固定方法およびス
タンピングナット用リベットに関するものである。ま
た、本発明は、ケースあるいはシャーシ等に少なくとも
一つのスタンピングナットを成形しておき、リベットに
よって少なくとも一つの部品を取り付けるスタンピング
ナットおよびスタンピングナット用係止溝に関するもの
である。なお、通常使用されている「リベット」とは、
上部に丸型あるいは平型頭部を有し、当該頭部に連設し
た胴部から構成されるものであるが、本明細書における
「リベット」とは、たとえばドライバー等によって回転
を付与する回転付与用凹凸部を備えた頭部と、当該頭部
に連設した胴部とから構成される。また、本明細書にお
いて「機器を構成する板状部材」とは、たとえば「ケー
ス」、「シャーシ」、あるいは電子部品、機構部品、あ
るいは部品取付け板等を含む。
【0002】
【従来の技術】従来のナットは、ナットの外形と同形状
に形成された棒状体を切断したもの、あるいは鍛造品等
に、切断と孔加工とを施した後、その内部にタップを立
ててネジに螺合するためのネジ溝を形成している。ま
た、簡易ナットは、板状体にセルフタップを立てながら
ネジを螺合するためのネジ溝を形成している。この場
合、板状体の厚さは、少なくともネジの3ピッチ以上が
必要である。また、板厚の薄いものを使用した簡易ナッ
トは、プレスでバーリングを施し、見掛け上の板厚を厚
くした折曲げ部にタップが立てられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ナットを製造するため
には、前述のごとく、ナットの外形を形成した棒状体の
一つ一つを切断形成する切断工程、棒状体の中心に開け
る孔開け工程、および前記孔の内壁にネジを立てるタッ
プ立て工程という全く異なる種類の加工工程が必要であ
った。しかも、ナットに仕上げるためのタップ立て加工
の速度は、たとえ、自動機を使用して高速化を計ったと
しても、ネジを螺旋状に切る関係で、既に限度に達して
いる。そのため、より安価なナットを提供することは困
難であった。また、安価な固着方法として、ナットを使
用しないセルフタップ式のタッピングスクリュウが開発
されるようになった。しかし、このセルフタップ式の固
着方法は、タップを立てる側の金属板にネジの3ピッチ
分の厚さや、ネジ側にタップを立て易くするテーパーを
作るための前加工、およびタッピングスクリュウ自体に
刃付け加工を施す必要がある。そのため、セルフタップ
式の固着方法は、スクリュウ側のコストが高くつくだけ
でなく金属板側の厚さにも問題があった。
【0004】また、セルフタップ式の固着方法は、タッ
プが立て易いプラスチック等の板材にも使用できる利点
がある。しかし、セルフタップ式の固着方法をプラスチ
ック等の板材に適用した場合には、繰り返し留め外しを
行なうと、当初と異なる位置からネジ立てが始まり、ひ
いては、バカネジにしてしまうことが往々にしてあっ
た。したがって、セルフタップ式の固着方法は、繰り返
し抜き挿しを行う場所に使用できないという問題があっ
た。さらに、安価なナットとして、プラスチック部材に
タップを立てたものがある。このようなプラスチック部
材に立てられたタップは、金属部材のタップピッチに比
べて大きくとることにより、強度を保つことができる。
したがって、プラスチック部材にタップを立てるために
は、プラスチック部材の厚さがある程度必要なこと、お
よびプラスチック自体の強度に問題があった。
【0005】本発明は、以上のような問題を解決するた
めのもので、プレス加工のみにより簡単に成形されると
共に、何回も抜き挿しの繰り返しを行なっても、形成さ
れたネジ溝が破壊されないリベットとスタンピングナッ
トとを使用した固定方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、締め付け力が強く、安価でスタンピン
グナットが形成された板状部材およびリベットを提供す
ることを目的とする。さらに、本発明は、固定するに際
し滑らないスタンピングナットおよび板状部材を提供す
ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
(第1発明)以上のような問題を解決するために、本発
明のスタンピングナットを使用した固定方法は、1ピッ
チ区間にわたり、立てられるネジ溝(図1の4)の螺旋
形状と同じ傾斜に成形された傾斜部(図1および図2の
14、15)と、当該傾斜部(14、15)の周縁部
(図1および図2の19)によって形成されたスタンピ
ングナット(図1および図2の11)の開口(図2の1
8′)に、回転付与部(図1の5)を備えた頭部(図1
の2)と当該頭部(2)に連設されている胴部(図1の
3)とから構成されたリベット(図1の1)を挿入した
後に回転し、前記傾斜部(14、15)と周縁部(1
9)とによって形成されている角部(19′)が前記リ
ベット(1)の胴部(3)にネジ溝(4)を立てること
によって、頭部(2)とスタンピングナット(11)間
で被固定部材(A、B)を固定することを特徴とする。
【0007】(第2発明)本発明の固定方法に使用され
るリベットは、回転付与部(5)を備えた頭部(2)と
当該頭部(2)に連設されている胴部(3)とから構成
される。
【0008】(第3発明)本発明の固定方法に使用され
るスタンピングナット(図1の11、図5および図6の
11′、11″)は、機器を構成する板状部材(図7の
51)上に少なくとも1個設けたことを特徴とする。
【0009】(第4発明)本発明の固定方法に使用され
るスタンピングナット(図5の11′)は、少なくとも
一つの滑り止め用突起(図5の41)を備えていること
を特徴とする。
【0010】(第5発明)本発明の固定方法に使用され
るスタンピングナット用係止溝(図6の44)は、機器
を構成する板状部材(図6の43)上に形成されたこと
を特徴とする。
【0011】
【作 用】本発明の固定方法は、スタンピングナット
の周縁部がネジの1ピッチに対応する区間、螺旋状に傾
斜して形成されている点、およびスタンピングナットを
プレス成形する際に前記周縁部の角が鋭く切断されてい
る点とに着目したものである。また、本発明の固定方法
に使用するリベットは、通常のリベットと相違し、頭部
に回転付与部を備えているため、挿入された後に、スタ
ンピングナットに押しつけながら、たとえば1ないし半
回転によって前記スタンピングナットの周縁部に形成さ
れた角部で、胴部にネジが切られる。
【0012】(第1発明)本発明のリベットは、スタン
ピングナットの開口に挿入されると共に、たとえばドラ
イバーを用いて、リベットの頭部に成形されている回転
付与部によって回転させられる。スタンピングナットに
成形された螺旋状の傾斜部は、上記リベットの回転にし
たがい、その周縁部の角部によってリベットの胴部にネ
ジ溝が切られる。さらに、リベットの回転が進むと、ス
タンピングナットの傾斜部は、開口が狭まる方向(図1
の上方向)に力が働き、この力によって前記周縁部の角
部がリベットの胴部に食い込むと共に、ネジ溝が立てら
れる。このようにして、本発明の固定方法は、リベット
の頭部とスタンピングナットとの間に部材を挟持するこ
とができる。スタンピングナットは、リベットが回転挿
入されるにしたがい、その傾斜部が水平面となり、開口
を狭めるような力が働くために、繰り返しの使用に対し
ても耐えるものである。また、本発明の固定方法は、規
格のない径のスタンピングナットおよびリベットをプレ
スにより簡単に製造できる。
【0013】(第2発明)本発明の固定方法に使用する
リベットは、たとえば鋼材、銅、アルミニウム、その他
合金、およびプラスチック材からなり、頭部にたとえ
ば、ドライバーによって回転を与えるためのすり割り
溝、プラス溝、角状凹部、または角状凸部等が成形され
ている。また、上記リベットは、前記頭部の下部に連設
した胴部から構成される。そして、当該リベットは、そ
の回転によってスタンピングナットの傾斜部に形成され
た角によってネジが立てられる。
【0014】(第3発明)機器はたとえば、ケースある
いはシャーシ、または板状部材等で部品を取り付けるも
のであって、その部材は、金属あるいはプラスチックの
板部材から構成されている。このような板状部材に、ス
タンピングナットは、所望の位置に少なくとも一つ設け
られている。このため、ケースあるいはシャーシ、また
は板状部材等がナットと一体になっているため、部品等
の組立てが簡単であると共に、部品点数を減少できる。
【0015】(第4発明)本発明のリベットを回転させ
ながら、スタンピングナットの開口に挿入すると、スタ
ンピングナットが動く場合には、リベットの胴部にネジ
溝を立てることができない。そのため、スタンピングナ
ット表面には、少なくとも一つの滑り止め用突起を設け
る。したがって、スタンピングナットは、この滑り止め
用突起によって被固定部材から滑って回転することな
く、リベットにネジ溝を立てることができる。
【0016】(第5発明)機器を構成する板状部材、た
とえばケースあるいはシャーシまたは板状部材等には、
リベットにネジ溝が立て易いようにスタンピングナット
の滑り止め用係止溝が形成されている。したがって、ス
タンピングナットは、その開口にリベットを回転しなが
ら挿入しても、滑り止め用係止溝によって回転しないた
め、リベットの胴部に容易にネジ溝が立てられる。
【0017】
【実 施 例】図1は本発明におけるスタンピングナッ
トを使用した固定方法の説明図である。図2は本発明に
おけるスタンピングナットを説明するための図である。
図3は本発明におけるスタンピングナットを製造する際
の第1工程説明図である。図4は本発明におけるスタン
ピングナットを製造する際の第2工程説明図である。先
ず最初に、図3および図4を参照しつつ本発明における
スタンピングナットの成形を工程順に説明する。スタン
ピングナット11は、たとえば、銅、りん青銅、鉄、ア
ルミニウム、真鍮あるいはこれらの合金等の金属板、ま
たはプラスチックからなるストリップ材を図示されてい
ないプレス金型によって加工される。たとえば、上記ス
トリップ材には、図3に示すように、プレス金型により
段部16を有する不完全な円17が打ち抜かれて開口1
8が形成される。なお、図3および図4において、スタ
ンピングナット11は、独立した1個のナットとして切
断されているが、前記ストリップ部材を連続して加工
し、最終工程の終了後、一つ一つプレス金型によって切
断されるか、または数個の連続したナットが成形され
る。さらに、前記ストリップ材の代わりとなる、後述の
シャーシあるいはケース等のような機器の一部を構成す
るものの上に、少なくとも一つのスタンピングナット1
1を設け、このスタンピングナット11によって、前記
シャーシあるいはケース等と部品とが取り付けられて固
定される。
【0018】次に、図3において、前記開口18の中心
から外方向に向かって、たとえば、4本の切込み溝20
ないし23が他の図示されていないプレス金型により設
けられる。上記切込み溝20ないし23は、少なくとも
1本あれば良い。なお、上記開口18と切込み溝20な
いし23とは、同じ工程によって形成することも可能で
ある。その後、開口18の周縁部19に沿った近傍は、
前記と別の図示されていないプレス金型により、図4に
示す点線24の部分から押圧され、たとえば、傾斜部1
4、14′、15、15′が成形される。上記傾斜部1
4ないし15′の傾斜角度は、当該スタンピングナット
11にネジ込む後述のリベットのネジ溝4のピッチと同
一にする。したがって、傾斜部14と傾斜部15′とで
は、高さ方向に所望のリベットに設けるネジ溝4の1ピ
ッチ分の段部16が生じるように金型を形成しておく。
換言すれば、前述のごとく、図3の開口18は、完全な
円ではなく、段部16を有する不完全な円17であるた
め、上記金型で押圧した後、リベット1の進行方向の中
心に対して完全な円形状の開口18′(図2参照)とな
るようにする。上記リベット1の進行方向の中心に対し
て完全な円を成形する際の無理な力を無くし、傾斜部1
4ないし15′の立ち上げを容易にするために前記切込
み溝20ないし23が有効に作用する。
【0019】このようにして成形されたスタンピングナ
ット11の長さ関係は次のようになる。すなわち、図2
に示すように、水平部12と13とは、同じ水平面にあ
り、スタンピングナット11の断面における長さは、水
平部12と傾斜部14とを加えたものと、水平部13と
傾斜部15とを加えたものとが同じである。すなわち、
図2に示すように、a+b=c+d という関係が成り
立っている。また、傾斜部14、15の傾斜角度は、前
述のごとく、所望するリベットに設けるネジ溝4の傾斜
と一致する。さらに、図2に示すスタンピングナット1
1に形成されている開口18′の周縁部19は、プレス
により切断された部分であるから90度でしかも鋭い角
になっている。
【0020】一方、図1を参照しつつ本発明の固定方法
に使用するスタンピングナット用リベットについて説明
する。従来のリベットは、回転させる必要がないから、
一般に丸型あるいは平型頭部と当該頭部から連設されて
いる胴部とから構成される。しかし、本発明の実施例に
使用されたリベット1の頭部には、当該リベット1を回
転させるための凹凸部が備えられている。たとえば、リ
ベット1は、すり割溝5を備えた頭部2と、当該頭部2
に連設された胴部3とから構成される。すり割溝5は、
リベット1に回転を付与できる形状の凹凸であれば、プ
ラス型、角型凹部、あるいはこれらと同形状の凸部等公
知のものに代えることができる。あるいは、頭部が角型
のように、たとえばスパナ等によって、回転を与えられ
る形状であれば、通常のどのよな型のリベットでも本発
明に適用できる。
【0021】リベット1は、上記のようにして成形され
たスタンピングナット11の開口18′に挿入され、回
転付与用凹凸部、たとえばすり割溝5に図示されていな
いドライバーを挿入して、当該ドライバーを回すことに
より回転させられる。リベット1は、上記スタンピング
ナット11の開口18に挿入されて押しつけられた後、
1ないし半回転させると、頭部2とスタンピングナット
11との間には、たとえば被固定部材Aおよび被固定部
材Bが挟持される。この場合、スタンピングナット11
と被固定部材Bとの間にワッシャを挿入することができ
る。さらに、前記リベット1の1ないし半回転の締めつ
けは、スタンピングナット11の周縁部19の角19′
が、リベット1の胴部3に食い込む。また、この時、ス
タンピングナット11の傾斜部14、15は、リベット
1の周囲にネジ溝4を形成しながら上方に上がると共
に、図2に示す開口18′が狭まるようにな力が働く。
したがって、スタンピングナット11の水平面方向に亀
裂ができて破壊されない限り、スタンピングナット11
の傾斜部14および15は、リベット1の周囲にネジ溝
4を形成しながら密着する。これによってリベット1の
頭部2とスタンピングナット11との間に被固定部材A
および被固定部材Bが強固に取り付けられる。
【0022】図5は本発明におけるスタンピングナット
に滑り止め用突起を設けた実施例を説明するための図で
ある。図5において、スタンピングナット11′の表面
には、滑り止め用突起41が少なくとも一つ設けられて
いる。この滑り止め用突起41の形状およびその数は、
リベット1を回転する際にスタンピングナット11′が
滑って回転しなければ任意の形状を採ることができる。
要するに、前記滑り止め用突起41が被固定部材Bの一
部に食い込めば良い。たとえば、スタンピングナット1
1′の滑り止め用突起41は、その水平部12、13の
一部を上方に折曲げ、押出成形、プレス金型等により成
形され、被固定部材Bに食い込ませたり、あるいは被固
定部材Bに予め形成された凹部に押し込む等により、ス
タンピングナット11′の滑りあるいは回転を止めるよ
うにすることができる。
【0023】図6は本発明における滑り止め用突起を設
けたスタンピングナットを使用して部材をシャーシに止
めた実施例を説明するための図である。図6に示すスタ
ンピングナット11″には、たとえば図5に示す滑り止
め用突起41と反対方向に突出している滑り止め用突起
42が設けられている。そして、前記滑り止め用突起4
2が設けられたスタンピングナット11″は、たとえば
シャーシ43に形成された係止溝44に圧入される。前
記スタンピングナット11″は、圧入に際しシャーシ4
3および部材Dの取り付け孔25の中心と一致させた
後、仮固定されるため、多少の振動等によっても位置ず
れを起こすことがない。その後、リベット1は、スタン
ピングナット11″に挿入すると共に、図示されていな
いドライバー等によって回転される。スタンピングナッ
ト11″は、リベット1の回転によっても、前記シャー
シ43に設けられた係止溝44に滑り止め用突起42が
圧入されているため、移動あるいは回転しないので、シ
ャーシ43と部材Dとが前述のように強固に固定され
る。上記滑り止め用突起42およびシャーシ43に設け
た係止溝44の形状あるいは大きさ等は、滑り止めある
いは回転防止等の作用を果たすものであれば、任意に変
形することは自由である。なお、図6に示す実施例のシ
ャーシ43は、スタンピングナット11″と同様に金属
製あるいはプラスチック製とすることができる。
【0024】図7(イ)および(ロ)はケースまたはシ
ャーシ状部材にスタンピングナットを成形した状態を説
明するための図を示す。図7(イ)は機器に組み込まれ
るケースまたはシャーシの断面図であり、図7(ロ)は
同じくその上面図である。図7(イ)および(ロ)に
は、スタンピングナット11が3個(52ないし54)
成形された場合が示されている。板状部材だけでなく機
器を構成する、たとえばケースまたはシャーシ51に
は、スタンピングナット52ないし54が一例として成
形されている。また、ケースまたはシャーシ51には、
他の部材等に取り付けるための取り付け部55が設けら
れている。また、図7(ロ)に示すスタンピングナット
52ないし54には、リベット1に形成するネジ溝4の
1ピッチ区間にわたり、ネジ溝4と同じ傾斜の傾斜部1
4、15が成形されている。なお、図7(ロ)に示す切
込み溝21と23は、上記成形を容易にするためのもの
である。このようなスタンピングナット52ないし54
は、ケースまたはシャーシ51を成形する際に、同じ工
程で成形できる。そして、スタンピングナット52ない
し54が成形されたケースまたはシャーシ51は、部品
等の取り付けに際し、ナットを不要とするだけでなく、
自動機等によって簡単に組み立てられる。なお、ケース
またはシャーシ51は、図7(イ)および(ロ)に示す
ような単純な形状以外、複雑な形状をしたものにもスタ
ンピングナット52ないし54を成形することができ
る。
【0025】以上のような本発明の実施例は、金属板状
部材にスタンピングナットを設けた場合を説明したが、
金属板状部材に代えてプラスチック部材によっても設け
ることができる。そして、プラスチック部材は、スタン
ピングナットを成形する際に、その強度をもたせるた
め、ピッチを大きくすること、あるいはプレス成形時に
加熱すること等の考慮をすれば、割れの発生を防ぐこと
ができる。また、プラスチック部材によるスタンピング
ナットの成形は、プレス以外に図示されていない射出成
形機によって達成できる。以上、本発明の実施例を詳述
したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではな
い。そして、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱
することがなければ、種々の設計変更を行うことが可能
である。たとえば、スタンピングナットの傾斜は、自由
にできると共に、逆ネジ等に対応する形状にすることも
できる。スタンピングナットは、その傾斜部の向きを反
対、すなわち図1の上方に曲げることができる。この場
合、リベットを締めつけると、スタンピングナットの傾
斜部は、広がる方向に曲げられる。したがって、上記の
ようなスタンピングナットは、被固定部材にスタンピン
グナットの傾斜部と同じ傾斜の面取りを施しておけば、
リベットを締めつけても、広がろうとする傾斜部が面取
り部に当接するため、広がらずに固定できる。
【0026】
【発明の効果】以上詳述したごとく、本発明によれば、
切削加工、タップ立ておよび切断加工といった別種の加
工を必要とした従来のナットに比べ、数種の連続したプ
レス加工だけで、ナットが成形され、しかも、従来のリ
ベットの頭部に回転付与部を設けただけのものを挿入し
た後に1ないし半回転するだけで、締め付け力の強い固
定方法が安価に提供される。本発明によれば、簡単な構
成であるにもかかわらず、セルフタップ式のナットのよ
うに複数回の使用により使用不能になることはなく、何
回でも使用できる信頼性の高いスタンピングナット用リ
ベットを提供できる。本発明によれば、スタンピングナ
ットがプレス金型だけによって簡単に形成できるため、
規格にない半端な寸法のものを作ることができるので、
当該スタンピングナット用リベットも安価なものとな
る。また、本発明のようなスタンピングナットをケース
またはシャーシまたは板状部材等に設けておくと、ナッ
トが不要になるだけでなく、部品を自動機によって組立
てる際に、チャックのナットをつかむ時間が不要であ
る。また、部品組立用自動機の構造も簡単になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明におけるスタンピングナットを使用し
た固定方法の説明図である。
【図2】 本発明におけるスタンピングナットを説明す
るための図である。
【図3】 本発明におけるスタンピングナットを製造す
る際の第1工程説明図である。
【図4】 本発明におけるスタンピングナットを製造す
る際の第2工程説明図である。
【図5】 本発明におけるスタンピングナットに滑り止
め用突起を設けた実施例を説明するための図である。
【図6】 本発明における滑り止め用突起を設けたスタ
ンピングナットを使用して部材をシャーシに止めた実施
例を説明するための図である。
【図7】 (イ)および(ロ)はケースまたはシャーシ
状部材にスタンピングナットを成形した状態を説明する
ための図を示す。
【符号の説明】
1・・・リベット 2・・・頭部 3・・・胴部 4・・・ネジ溝 5・・・すり割溝 11、11′、11″・・・スタンピングナット 12、13・・・水平部 14、15・・・傾斜部 16・・・段部 17・・・不完全な円 18・・・開口 19・・・周縁部 19′・・・周縁部の角

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1ピッチ区間にわたり、立てられるネジ
    溝の螺旋形状と同じ傾斜に成形された傾斜部と、当該傾
    斜部の周縁部によって形成されたスタンピングナットの
    開口に、 回転付与用凹凸部を備えた頭部と当該頭部に連設されて
    いる胴部とから構成されたリベットを挿入した後に回転
    し、 前記傾斜部と周縁部とによって形成されている角部が前
    記リベットの胴部にネジ溝を立てることによって、 頭部とスタンピングナット間で被固定部材を固定するこ
    とを特徴とするスタンピングナットを使用した固定方
    法。
  2. 【請求項2】 回転付与部を備えた頭部と当該頭部に連
    設されている胴部とから構成されたことを特徴とする請
    求項1記載の固定方法に使用されるスタンピングナット
    用リベット。
  3. 【請求項3】 機器を構成する板状部材上に少なくとも
    1個設けたことを特徴とする請求項1記載の固定方法に
    使用されるスタンピングナット。
  4. 【請求項4】 少なくとも一つの滑り止め用突起を備え
    ていることを特徴とする請求項1記載の固定方法に使用
    されるスタンピングナット。
  5. 【請求項5】 機器を構成する板状部材に、請求項1記
    載の固定方法に使用されるスタンピングナットを係止す
    る係止溝を備えたことを特徴とするスタンピングナット
    用係止溝。
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