JP2006057143A - 溶融塩電解による金属の製造方法および製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 原料である金属塩化物中に含まれる不純物を効果的に除去することができる金属マグネシウムまたは金属カルシウムの製造方法および製造装置を提供する。
【解決手段】 原料の金属塩化物中に含まれる不純物を分離除去し、該溶融金属塩化物を電解槽に供給し、電解槽に備えられた陽極および陰極に通電して溶融塩電解する。また、一部が開口した隔壁によって電解槽本体を少なくとも電解室およびメタル回収室に区画し、電解室には陽極と陰極を配置し、電解槽本体に電解浴を装入して溶融塩電解を行ない、メタル回収室に溶融金属マグネシウムを回収する金属マグネシウム製造用溶融塩電解装置において、メタル回収室の上部には、ろ過または吸着によって不純物を分離する不純物分離器が設けられ、電解浴は、不純物分離器を経由して電解槽に供給される。
【選択図】 図3

Description

本発明は、金属マグネシウムまたは金属カルシウムの製法および製造装置に関するものであり、特に、純度の高い金属マグネシウムまたは金属カルシウムを製造することができる溶融塩電解による金属の製造方法およびその製造装置に関する。
塩化マグネシウムは、金属チタンの製造方法の一つであるクロ−ル法において、四塩化チタンのマグネシウム還元反応を行う際に金属マグネシウムから副生される(TiCl+2Mg→Ti+2MgCl)。副生された塩化マグネシウムは、溶融塩電解工程を経て金属マグネシウムと塩素ガスに電解され、金属マグネシウムをチタンの製造工程に再利用している。
この塩化マグネシウムには、金属酸化物や金属窒化物等の不純物が含まれている。金属マグネシウムの溶融塩電解において、塩化マグネシウムに含まれる固形不純物である金属酸化物や金属窒化物は、溶融塩電解の電流効率に悪影響を及ぼすと言われている。また、金属窒化物が生成金属マグネシウム中に混入すると、この金属マグネシウムで四塩化チタンを還元して生成されるスポンジチタン中に移行し、最終製品であるチタンインゴットの品質に悪影響を及ぼす。また、塩化カルシウムを溶融塩電解して金属カルシウムを製造する際にも同様の問題を招く場合がある。
とりわけ、固形の酸化マグネシウムや窒化マグネシウムあるいは酸化カルシウムや窒化カルシウムがインゴットに移行すると品質面で問題が生じる場合があるので、塩化マグネシウムまたは塩化カルシウムの溶融塩電解に際してこれらの不純物を予め分離除去しておくことが重要である。
このような問題に対して、酸化マグネシウムを含んだ電解浴中に塩素ガスを導入して酸化マグネシウムを塩化マグネシウムに変化させるという技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、この技術は、電解浴中の酸化マグネシウムの含有量が高い場合に塩素ガスとの接触反応によって塩化マグネシウム濃度を増加させる技術であり、電解浴に酸化マグネシウムが不純物として微量にしか含まれない場合にこれを完全に除去する方法に関しては開示されていない。
また、塩化マグネシウム中に残留する溶融金属マグネシウムあるいは酸化マグネシウムあるいは窒化マグネシウムを沈降分離して除去するという技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、この技術においても、ある程度の不純物低減効果は得られるものの、ほぼ完全に不純物を分離除去するには至っておらず、品質特性の厳しい金属チタンを製造するために用いる金属マグネシウムを製造する場合には不充分であった。このため、上記課題を効果的に解決できる金属マグネシウムまたは金属カルシウムの製造方法および製造装置が望まれている。
特開平2−243789号公報 特開2003−328052号公報
本発明は、上記状況に鑑みてなされたものであり、金属マグネシウムまたは金属カルシウムの溶融塩電解に際して、原料である塩化マグネシウムまたは塩化カルシウム中に含まれる不純物を効果的に除去することができる金属マグネシウムまたは金属カルシウムの製造方法および製造装置の提供を目的としている。
すなわち、本発明の溶融塩電解による金属の製造方法は、原料の金属塩化物中に含まれる不純物を分離除去し、上記塩化物を電解槽に供給し、上記電解槽に備えられた陽極および陰極に通電して溶融塩電解することを特徴としている。
本発明の溶融塩電解による金属の製造方法によれば、不純物が除去された高純度な塩化マグネシウムまたは塩化カルシウム原料を得ることができる。その結果、不純物濃度の極めて低い金属マグネシウムまたは金属カルシウムを製造することができる。
また、本発明の金属製造用溶融塩電解装置は、一部が開口した隔壁によって電解槽本体を少なくとも電解室およびメタル回収室に区画し、電解室には陽極と陰極を配置し、電解槽本体に電解浴を装入して溶融塩電解を行ない、メタル回収室に溶融金属を回収する金属製造用溶融塩電解装置において、メタル回収室の上部には、ろ過または吸着によって不純物を分離する不純物分離器が設けられ、電解浴は、不純物分離器を経由して電解槽に供給されることを特徴としている。
このような本発明の金属製造用溶融塩電解装置によれば、溶融塩化物をまず不純物分離器に通して不純物を分離除去してから電解槽に供給するので、不純物濃度の極めて低い金属マグネシウムまたは金属カルシウムを製造することができる。また、溶融塩電解における電流効率も高いレベルに維持することができる。
本発明の最良の実施形態について金属塩化物として塩化マグネシウムを用いて金属マグネシウム製造する場合について図面を用いて以下に説明する。なお、金属塩化物として塩化カルシウムを用いて金属カルシウムを製造する場合にも本発明を効果的に適用することができる。
本発明は、溶融塩化マグネシウムの不純物を分離除去してから溶融塩電解に供することを特徴としているが、そのような分離除去手段の一つとして、図1にフィルターの構成例を表している。図1のフィルターのステンレス製容器1にスポンジチタン2を充填した後、不活性ガス雰囲気中でスポンジチタン2を含む容器全体を不活性ガス雰囲気中で塩化マグネシウムの融点以上に加熱保持する。
塩化マグネシウムの融点以上に加熱保持された容器1に溶融塩化マグネシウムが注入されると溶融塩化マグネシウムはスポンジチタン2中を流下して底部に沈降する。その際、溶融塩化マグネシウム中の酸化マグネシウムや窒化マグネシウム等の固形不純物は、スポンジチタン2にトラップされる。なお、フィルターに用いるスポンジチタン2の表面活性が高い場合には、溶融塩化マグネシウム浴中に溶解している酸化物、窒化物あるいは溶融金属マグネシウムをも分離除去することができる。
不純物が分離された塩化マグネシウムは外部へ排出される。排出された溶融塩化マグネシウムは、図示しない電解槽に供給され、金属マグネシウムと塩素ガスに溶融塩電解される。
容器1に充填するスポンジチタン2は、通常のクロール法で生産されるものを使用することができる。スポンジチタンの品位はそれほど重要ではなく適度に気孔を有しているものであれば制限はない。したがって、CPグレードのスポンジチタンの規格から外れたスポンジチタンを利用しても良い。
スポンジチタン2の粒度は、0.2mm〜15mmの範囲が好ましい。スポンジチタンの粒度が0.2mm以下であると塩化マグネシウム浴中の不純物により目詰まりを起こしやすくなり好ましくない。一方、スポンジチタンの粒度が50mmを超える場合には、スポンジチタンの比表面積が低下してフィルターの機能が低下して好ましくない。
容器1としては、塩化マグネシウムの融点以上の高温下での操業を考慮し、耐食性を有する炭素鋼あるいはステンレス鋼を選択することが好ましい。
容器1内のスポンジチタン2を継続使用すると次第にスポンジチタンの表面が不純物で汚染されていき、フィルターとしての機能が低下する。このため、スポンジチタンを適宜交換することが好ましい。
図2は、本発明の別の好ましい態様を表している。図に示すように、容器11の下流には容器12が直列に接続されており、容器11には金属切粉21、容器12にはスポンジチタン22がそれぞれ充填されている。還元工程から移送された溶融塩化マグネシウムは、まず金属切粉21を充填した容器11に注入され、溶融塩化マグネシウム中の固形不純物を分離除去する。次いで、スポンジチタン22を充填した容器12に移送されて溶融塩化マグネシウム中に残留している不純物を分離除去する。
上記のような構成とすることによって、溶融塩化マグネシウム中に含まれる比較的サイズの大きい固形不純物を容器11で分離除去した後、容器12に移送し、容器12に充填されたスポンジチタン層中を流下させて塩化マグネシウム中に残留する微細な固形物を分離除去するので、分離槽内の目詰まりを起こすことなく効率良く溶融塩化マグネシウムを円滑に精製することができる。このように金属切粉を充填した容器とスポンジチタンを充填した容器を連続して通過させることにより溶融塩化マグネシウムをさらに効率よく分離精製することができる。
図1あるいは図2に示した容器の処理温度は、溶融塩化マグネシウムの融点よりも10℃〜50℃高温域に保持することが好ましい。このような温度範囲を選択することで電解浴の粘度が低下して円滑にスポンジチタン層または金属切粉層を通過させることができる。
容器1、11および12の底部は溶融塩化マグネシウムの排出方向に向かって底面に傾斜をつけておくことが好ましい。このように容器1の底面に傾斜をつけておくことで精製された溶融塩化マグネシウムを円滑に排出することができる。
金属切粉層あるいはスポンジチタン層を通過させる溶融塩化マグネシウムの滞留時間、即ち分離時間は、溶融塩化マグネシウム中の不純物の分離状況を鑑みて適宜決めればよい。分離時間、即ち滞留時間を長く設定すれば溶融塩化マグネシウム中の不純物を効率良く分離除去できるが、生産性が低下するので不純物の分離状況を見ながら設定することが好ましい。
金属切粉としては、塩化マグネシウムの融点以上の高温下での操業を考慮し、耐食性を有する炭素鋼、あるいはステンレス鋼で構成されていることが好ましく、旋盤加工の際に発生する切粉あるいは鍛造時に発生するスクラップを用いても良い。なお、これらのスクラップを用いる場合には、油分や汚れが付着している恐れがあるので酸洗・乾燥しておくことが好ましい。
金属切粉のサイズは、0.01mm〜0.2mmの範囲に選別したものを用いることが好ましい。このようなサイズに規定しておくことで、溶融塩化マグネシウム中の不純物を効率良く分離除去することができる。
図3は、前記のフィルターを内装した不純物分離器5を溶融塩電解槽13に配置した金属マグネシウム製造用溶融塩電解装置の一例を表している。不純物分離器5は、溶融塩電解槽13の上蓋の開口部に配置され、この不純物分離器5を通して、溶融塩化マグネシウムが電解槽13内に供給される。不純物分離器5中には、スポンジチタン等からなるフィルター23が充填されている。電解槽13内には、溶融塩化マグネシウムからなる電解浴6が満たされている。また、電解槽13は、第1隔壁41および第2隔壁42によって3つの領域に分割されている。図3において向かって右側の領域は、電解室13aであり、溶融塩電解に用いる陽極31および陰極32が対向した状態で電解浴6中に浸漬配置されている。中央の領域は、中間室13bであり、左側の領域はメタル回収室13cである。
第1隔壁41の浴面近傍は空隙を有しており、この空隙によって電解室13aと中間室13bは浴面近傍にて連通している。また、第2隔壁42は、電解浴6の液面から上方を仕切っており、第2隔壁42の下部においては中間室13bとメタル回収室13cは連通している。メタル回収室13cの浴面近傍には、電解によって生成する金属マグネシウムが濃化されたマグネシウム層7が形成され、適宜抜き出して回収される。
まず、不純物分離器5に溶融塩化マグネシウムを供給する。供給された溶融塩化マグネシウムは前述の図1および図2のフィルター同様に、フィルター23によって溶融塩化マグネシウム中に混在している酸化マグネシウム、窒化マグネシウムあるいは、溶融金属マグネシウム等の不純物が効率良く分離除去される。不純物の除去された溶融塩化マグネシウムは、電解浴6に供給される。なお、図3には不純物分離器5の直下にマグネシウム層7が図示されているが、電解開始前のこの段階ではマグネシウム層7はまだ形成されていない。
電極31および32に所定の電圧を印加して溶融塩電解を開始すると、陽極31表面からは塩素ガスが発生し、陰極32表面には金属マグネシウムが析出する。発生した塩素ガスは、電解浴6に放出されて浴面に浮上するため、電解室13a内の電解浴6には、上方への流れが生じる。矢印6aで示すように、析出した金属マグネシウムを含む電解浴6は、この流れによって電解室13aの浴面近傍に達し、第1隔壁41に設けられた空隙を通過して中間室13bに流入する。続いて中間室13bを下降して第2隔壁42の下方を通過し、メタル室13cに流入する。ここで金属マグネシウムは浮上して浴面近傍にマグネシウム層7を形成する。続いて、金属マグネシウムを放出した電解浴6は、矢印6bに示すように第1隔壁41の下方を通過して電解室13aに戻り、再び溶融塩電解反応に供される。濃化された金属マグネシウム層7は、適宜回収される。
上記反応においては、溶融塩化マグネシウム中から不純物が高度に分離除去されているので、溶融塩電解における電流効率も高いレベルに維持することができ、反応効率が改善される。また、不純物濃度の極めて低い金属マグネシウムを製造することができる。
不純物分離器5内には、スポンジチタンをフィルター材として用いることが好ましい。スポンジチタンは、適度な空孔を有しており、また溶融塩化マグネシウムの粘度は低いのでスポンジチタン中の細孔内を容易に通過でき、その過程で溶融塩化マグネシウム中の酸化マグネシウムや窒化マグネシウム等の固形不純物がろ過分離される。
このスポンジチタンは、粒状のものをそのまま不純物分離器に装入して用いることができるが、一旦加熱して相互に焼結した形態のスポンジチタンを用いても良い。このようなスポンジチタンの焼結体を不純物分離器のフィルターとして用いることにより、フィルターの交換を容易にすることができる。
前記フィルターとして用いるスポンジチタンは、1mm〜15mm程度の大きさのスポンジチタンを用いることが好ましいが、これよりやや大きい25mm程度の大きさのスポンジチタンを用いても良い。ただし、粒度が微細になるにつれて、ろ過効率が低下するので1mm程度を下限にしておくことが好ましい。
前記スポンジチタンに代えて、ステンレスあるいは炭素鋼の切粉の集合体をフィルターとして用いることもできる。ただし、溶融塩化マグネシウムのろ過に対してはステンレス切粉を、また、本発明を溶融金属マグネシウムのろ過に適用する場合は、ろ過材として、炭素鋼を用いることが好ましい。
なお、図3に示した電解槽13中における電解浴6の流路上の所定部分にスポンジチタンを浸漬配置してもよい。このように配置することで電解浴中の固形不純物も効率良く分離除去することができる。
本発明の他の実施態様としては、電解槽13の外部に、図4に示す沈降分離槽14を併設し、この沈降分離槽14に溶融塩化マグネシウムを通過させた後、図3の電解槽13に供給することもできる。図4の沈降分離槽14では、内部に隔壁43を設けており、沈降分離槽14内に導入された溶融塩化マグネシウムは、隔壁43を通過する間に固形不純物が沈降し、スラッジ8として分離除去される。このように、沈降分離槽14によれば、不純物濃度の極めて低い溶融塩化マグネシウムを得ることができ、さらに、このような沈降分離槽14によって得られた溶融塩化マグネシウムを図3に記載した電解槽13に供給して溶融塩電解することでさらに不純物濃度の低い金属マグネシウムを製造することができる。
さらに、上記の電解槽、フィルターおよび沈降分離器を環状に接続して電解浴を循環させることにより、不純物濃度の極めて低い塩化マグネシウムを電解槽に供給し続けることもできる。
前記した本発明に係る実施態様は、不純物を分離する溶融塩化マグネシウムに代えて電解浴自身を精製する場合にも効果的に適用することができる。但し、溶融塩電解により金属カルシウムを生成させる場合には、酸化カルシウムが電解浴中に一部溶解する性質があるため、電解浴を酸化カルシウムが析出する温度範囲まで冷却してから本発明に係る装置または方法を適用することにより、電解浴中の不純物を効果的に分離除去することができる。
以上説明した本発明の溶融塩電解による金属マグネシウムの製造方法および製造装置を用いることにより、固形不純物がほとんど混在しない高純度な溶融塩化マグネシウムを原料として溶融塩電解を行うことができるので、電流効率が改善されて、従来と比較して効率良く溶融塩電解することができる。
また、こうして製造された金属マグネシウム中には不純物の混入がほとんどない。したがって、この金属マグネシウムにより四塩化チタンを還元して生成されるスポンジチタンの純度も極めて高く、低密度含有物(LDI)汚染の心配もなく品質の優れたスポンジチタンを製造することができる。
[実施例1]
図1に示した装置を用いて、粒径10メッシュ〜1/2インチに破砕整粒したスポンジチタンを容器1内に充填して、容器全体を不活性ガス中で800℃まで加熱保持した。容器1内の温度の安定を待ってから、還元工程から移送された溶融塩化マグネシウムを容器1内に注入した。容器1内に注入された溶融塩化マグネシウムを容器1の底部から抜き出し、図示しない電解槽に供給し、金属マグネシウムと塩素ガスに分解した。
[実施例2]
図2に示した装置を用いて、炭素鋼の切粉で構成した容器11と粒径10メッシュ〜1/2インチに破砕整粒したスポンジチタンを充填した容器12を準備し、容器全体を不活性ガス中で800℃まで加熱保持した。容器11内の温度の安定を待ってから、還元工程から移送された溶融塩化マグネシウムを容器11内に注入した。 ついで容器11から排出された溶融塩化マグネシウムを、さらにスポンジチタンの充填された容器12に移送し、さらにろ過精製した。ろ過精製の終了した塩化マグネシウムを図示しない電解槽に供給し、金属マグネシウムと塩素ガスに分解した。
各実施例において、各フィルターを通過した溶融塩化マグネシウム中の酸化マグネシウムおよび窒化マグネシウムの含有量を測定し、結果を表1に示した。
Figure 2006057143
表1から明らかなように、本発明のフィルターによって、溶融塩化マグネシウム中の不純物濃度が効果的に抑制されている。また、実施例1および2で精製された溶融塩化マグネシウムと、フィルターを介さない従来の溶融塩化マグネシウムを溶融塩電解して電流効率を測定して比較した結果、3%〜12%の電流効率の改善が見られた。
本発明によれば、金属マグネシウムまたは金属カルシウムの溶融塩電解に用いる溶融塩化マグネシウムまたは塩化カルシウムを高純度に精製することができ、極めて高純度な金属マグネシウムまたは金属カルシウムを製造でき、その結果純度の高い金属チタンを得ることができる。
本発明のフィルターの実施形態を示す模式図である。 本発明のフィルターの他の実施形態を示す模式図である。 本発明の溶融塩電解の実施形態を示す模式図である。 本発明の沈降分離槽を示す模式図である。
符号の説明
1 フィルター容器
11 フィルター容器
12 フィルター容器
13 電解槽
13a 電解室
13b 中間室
13c メタル回収室
14 沈降分離容器
2 スポンジチタン
21 金属切粉
22 スポンジチタン
23 スポンジチタン
31 陽極
32 陰極
41 第1隔壁
42 第2隔壁
43 隔壁
5 不純物分離器
6 電解浴
6a,b 電解浴の流れ方向
7 Mg層
8 スラッジ

Claims (15)

  1. 原料の金属塩化物中に含まれる不純物を分離除去し、上記金属塩化物を電解槽に供給し、上記電解槽に備えられた陽極および陰極に通電して溶融塩電解することを特徴とする溶融塩電解による金属の製造方法。
  2. 前記不純物が前記金属の酸化物、窒化物または上記金属であることを特徴とする請求項1に記載の溶融塩電解による金属の製造方法。
  3. 前記不純物を、ろ過、吸着または沈降分離することにより前記金属塩化物から分離除去することを特徴とする請求項1または2に記載の溶融塩電解による金属の製造方法。
  4. 前記不純物をろ過または吸着して分離するに際して、チタン材、金属切粉またはセラミックフィルターを用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の溶融塩電解による金属の製造方法。
  5. 前記チタン材がスポンジチタン、チタンスクラップまたはチタン切粉であることを特徴とする請求項4に記載の溶融塩電解による金属の製造方法。
  6. 前記金属切粉が、炭素鋼あるいはステンレス鋼で構成されたことを特徴とする請求項4に記載の溶融塩電解による金属の製造方法。
  7. 前記原料の金属塩化物が塩化マグネシウムまたは塩化カルシウムであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の溶融塩電解による金属の製造方法。
  8. 前記溶融塩電解で製造される金属が金属マグネシウムまたは金属カルシウムであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の溶融塩電解による金属の製造方法。
  9. 一部が開口した隔壁によって電解槽本体を少なくとも電解室およびメタル回収室に区画し、上記電解室には陽極と陰極を配置し、上記電解槽本体に電解浴を装入して溶融塩電解を行ない、上記メタル回収室に溶融金属を回収する金属製造用溶融塩電解装置において、
    上記メタル回収室の上部には、ろ過または吸着によって不純物を分離する不純物分離器が設けられ、
    上記電解浴は、上記不純物分離器を経由して上記電解槽に供給されることを特徴とする金属製造用溶融塩電解装置。
  10. 前記メタル回収室に回収された溶融金属を、さらに別の不純物分離器によってろ過または吸着して不純物を取り除くことを特徴とする請求項9に記載の金属製造用溶融塩電解装置。
  11. 前記不純物分離器の内部に、スポンジチタンまたは金属切粉で構成したフィルターを配置したことを特徴とする請求項9または10に記載の金属製造用溶融塩電解装置。
  12. 前記電解槽に、金属塩化物中の不純物を分離除去する沈降分離槽およびろ過槽または吸着槽が付設されていることを特徴とする請求項9〜11のいずれかに記載の金属製造用溶融塩電解装置。
  13. 前記電解槽と前記沈降分離槽間をパイプで接続し、上記沈降分離槽と前記ろ過槽または吸着槽間をパイプで接続し、上記ろ過槽または吸着槽と上記電解槽間をパイプで環状に接続することによって、上記電解槽、上記沈降分離槽、上記ろ過槽または吸着槽、上記電解槽の順に電解浴を循環させて不純物を取り除くことを特徴とする請求項9〜12のいずれかに記載の金属製造用溶融塩電解装置。
  14. 前記金属が金属マグネシウムまたは金属カルシウムであることを特徴とする請求項9〜13のいずれかに記載の金属製造用溶融塩電解装置。
  15. 前記金属塩化物が塩化マグネシウムまたは塩化カルシウムであることを特徴とする請求項9〜14のいずれかに記載の金属製造用溶融塩電解装置。
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