JP2006056951A - 反応型導電性樹脂組成物及びそれを用いた導電性接着剤 - Google Patents

反応型導電性樹脂組成物及びそれを用いた導電性接着剤 Download PDF

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Abstract

【課題】バインダー樹脂の硬化に伴って導電性金属粒子を生成し、同時または逐次に硬化物を形成することで、優れた作業性・電気導電性・接合強度を確保しうる反応型導電性樹脂組成物及びそれを用いた導電性接着剤を提供する。
【解決手段】金属塩化合物(A)、潜在性還元触媒(B)、バインダー(C)、及び潜在性硬化触媒(D)を含有する反応型導電性樹脂組成物であって、潜在性還元触媒(B)は、熱・光又は紫外線によってバインダー(C)が硬化反応する際に金属塩化合物(A)を還元して導電性金属粒子を生成する機能を有することを特徴とする反応型導電性樹脂組成物などにより提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、反応型導電性樹脂組成物及びそれを用いた導電性接着剤に関し、さらに詳しくは、バインダーの硬化反応に伴って導電性金属粒子を硬化物中に均一分散して固定することができ、優れた作業性・電気導電性・接合強度を確保しうる樹脂・金属分散系の反応型導電性樹脂組成物及びそれを用いた導電性接着剤に関する。
近年のエレクトロニクス技術の著しい発展に伴い、電子・電気用途の導電性接着剤は、高機能化を求められている。例えば、チップ抵抗、チップコンデンサー、機能性部品などの接着には、これまで鉛はんだや鉛フリーはんだが主に用いられていたが、最近ではこれらに代わり有機バインダーに金属粒子を分散させた導電性樹脂組成物(導電性接着剤)が用いられるようになった。また、IC、LEDをはじめとする半導体素子の基板への接着においても、導電性接着剤が主流になってきた。
導電性接着剤は、はんだに比べて低温での接着が可能なこと、不可逆化学反応により接着温度(硬化温度)以上の耐熱性を持つこと、鉛などの環境負荷・人体への有害物質を含まないこと、作業性が良いこと、さらにリサイクルが容易であることから今後ますます需要拡大が見込まれる材料である。
しかし、現行の導電性接着剤は、鉛はんだ、鉛フリーはんだに代表される材料における金属結合とは異なり、バインダー中に金属粒子を分散した、いわゆる有機・無機混合硬化系であるため、電気伝導性・接合強度などの金属結合がもつ特性を代替することが難しく、現在鋭意開発が進められているところである。
前記の各種特性を具備する導電性接着剤を製造するために、銀粉や金粉などの金属粉末をバインダー中に高重量充填する方法(特許文献1、2参照)、また、ナノパウダーなどの微細な金属粉末をバインダー中に高分散させる方法(特許文献3、4参照)、さらには、はんだボールや複合融着型粒子をバインダー中に分散させることで、金属粒子同士を熱融着させることにより電気特性・熱特性を確保しようとする方法(特許文献5、6参照)などが提案されている。
しかし、銀粉や金粉などの金属粉末をバインダー中に高重量充填する方法では、金属粉末が増えることで電気抵抗・熱抵抗は良くなるものの、バインダーの含有量が相対的に減ることになり、ペースト粘度が上昇し、これに伴い作業性・接着性・耐熱性の著しい劣化を招いてしまう。
また、ナノパウダーなどの微細な金属粉末をバインダー中に高分散させる方法では、ナノパウダーの低温焼結を助長させて導電性を確保しているが、ナノパウダー自体が凝集しやすく保存安定性に難があり、かつ低温焼結した金属膜の強度が必ずしも強くないことから接着力が十分ではなく、硬化・焼結後にクラックが生じ厚膜特性にも問題があることが指摘されている。
さらに、はんだボールや複合融着型粒子をバインダー中に分散させる方法は、Ag・Sn・In・Bi・Cu・Znなどの低融点金属を適宜選択したり、複合粒子化して用いるが、加熱による粒子表面の酸化や熱融着の不可逆化によって、ヒートサイクル時に金属間でクラックが発生したりバインダー樹脂又はフラックス樹脂との相互作用などにより接合強度の不安定が示唆されるなど実使用条件で安定した熱・電気の接合を確保することが難しいという問題がある。
バインダーと金属粉末とを混合してバインダー中に金属粉末を分散させて得た分散混合系の組成物(ペースト状)では、金属粒子表面の極性、あるいはバインダー内に含まれており、金属粒子表面に付着する分散剤とバインダー樹脂の極性の齟齬等により粒子の見かけ比重の減少が期待できず、前記組成物中で金属粒子が分離、沈降して凝集することも明らかになっている。
このような状況下で金属粉末の充填量を増加することなく、またナノパウダー、はんだボールや複合融着型粒子を主体とすることなく容易に製造でき、作業性・接着性・耐熱性および電気伝導特性に優れた導電性樹脂組成物の出現が切望されていた。
特開2003−234016号公報 特開2002−265920号公報 特開2003−309352号公報 特開2002−299833号公報 特開2001−298049号公報 特開平10−249577号公報
本発明の目的は、上記従来技術の問題点に鑑み、バインダー樹脂の硬化反応に伴って導電性金属粒子を生成でき、それを硬化物中に分散、固定化して、優れた電気導電性を確保しうる反応型導電性樹脂組成物及びそれを用いた導電性接着剤を提供することにある。
本発明者は、上記従来の課題を解決するために鋭意研究を行った結果、従来のようにバインダー樹脂と、多量の凝集、沈殿、分離しやすい銀粉や金粉などの金属粉末、ナノパウダー、はんだボール、あるいは複合有着型粒子とを混合することなく、金属塩化合物と潜在性硬化触媒とを配合したバインダーと、分散性のよい導電性金属粒子を作成できる特定の潜在性還元剤とを用いることで、、金属粒子を有機・金属混合硬化物として硬化物中に均一かつ安定状態で生成させて、作業性・電気伝導・接合強度に優れた反応型導電性樹脂組成物が得られることを見出し本発明を完成させるに至った。
本発明の第1の発明によれば、金属塩化合物(A)、潜在性還元触媒(B)、バインダー(C)、及び潜在性硬化触媒(D)を含有する反応型導電性樹脂組成物であって、潜在性還元触媒(B)は熱、光又は紫外線を受けることにより、該熱、光又は紫外線により発生する潜在性硬化触媒(D)とバインダー(C)との硬化反応に先行しつつ、あるいは該硬化反応と同時並行的に該反応型導電性樹脂組成物中に溶解している金属塩化合物(A)を還元して導電性金属粒子を生成する機能を有することを特徴とする反応型導電性樹脂組成物が提供される。
本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、金属塩化合物(A)が銀、銅、ニッケル、または錫から選ばれる一種以上の金属を含有する金属有機酸塩であることを特徴とする反応型導電性樹脂組成物が提供される。
本発明の第3の発明によれば、第1の発明において、潜在性還元触媒(B)と潜在性硬化触媒(D)とが同一物であることを特徴とする反応型導電性樹脂組成物が提供される。
本発明の第4の発明によれば、第1の発明において、潜在性硬化触媒(D)がフェノールまたはその誘導体、アミンまたはその誘導体から選ばれる一種以上の化合物であることを特徴とする反応型導電性樹脂組成物が提供される。
本発明の第5の発明によれば、第1の発明において、バインダー(C)が、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、フェノキシ樹脂の何れか1つ又は複数であることを特徴とする反応型導電性樹脂組成物が提供される。
本発明の第6の発明によれば、第5記載の発明において、バインダー(C)が、エポキシ樹脂であることを特徴とする反応型導電性接着剤組成物が提供される。
本発明の第7の発明によれば、第1の発明において、さらに、ビニル樹脂又はビニルエステルから選ばれる一種以上の樹脂成分(E)を含むことを特徴とする反応型導電性樹脂組成物が提供される。
本発明の第8の発明によれば、第1の発明において、金属塩化合物(A)の含有量は、硬化反応終了後の組成物全量に対して、生成する金属粒子量基準で0.1〜70容積%であることを特徴とする反応型導電性樹脂組成物が提供される。
本発明の第9の発明によれば、第1〜8のいずれかの発明の反応型導電性樹脂組成物を用いてなる電子・電気部品用の導電性接着剤が提供される。
本発明によれば、従来の樹脂バインダー中に導電性金属粒子を分散する有機・無機分散系と異なり、バインダーの未硬化状態(ペースト状態)では金属粒子が顕在化していないことから、充分に液状・流動性を確保でき、従来技術では難しいとされていた印刷時やディスペンス時の沈殿・分離・目詰まりや粘度変化がなく、作業性・保存安定性も飛躍的に向上する。したがって、チップ、チップ部品、あるいは各種ICの接合に使用でき、それ以外にも、ファインピッチの印刷、スルーホールなどの流し込み、スピンコートも可能である。
以下に、本発明の反応型導電性樹脂組成物及びそれを用いた導電性接着剤について、詳細に説明する。
1.反応型導電性樹脂組成物
本発明の反応型導電性樹脂組成物は、金属塩化合物(A)、潜在性還元触媒(B)、バインダー(C)、および潜在性硬化触媒(D)で構成され、必要により、溶剤やその他の添加剤、充填材を配合し、潜在性還元触媒(B)として、原則としてバインダーの硬化に伴って金属塩化合物が還元され導電性金属粒子を生成する機能を有するものを用いている。原則として、としたのはバインダー硬化のための、熱、光又は紫外線が照射された際に、バインダーの硬化に先行して導電性粒子が析出し始め、以後、硬化の進行に伴い析出反応が進行しても良く、逆に、バインダーの硬化が先行して始まり、引き続き硬化の進行と共に導電性粒子の析出反応が進行しても良いからである。
すなわち、本発明の反応型導電性樹脂組成物は、金属塩化合物(A)、潜在性還元触媒(B)、バインダー(C)、及び潜在性硬化触媒(D)を含有する反応型導電性樹脂組成物であって、潜在性還元触媒(B)は、熱、光又は紫外線を受けることにより、該熱、光又は紫外線により発生する潜在性硬化触媒とバインダー(C)との硬化反応に先行しつつ、あるいは該硬化反応と同時並行的に、該反応型導電性樹脂組成物中に溶解している金属塩化合物(A)を還元し導電性金属粒子をバインダー内に生成する機能を有している。本発明の反応型導電性樹脂組成物には、この他に、ビニル樹脂又はビニルエステルなどの樹脂成分(E)を配合することができる。
金属塩化合物(A)
金属塩化合物は、本発明の反応型導電性樹脂組成物において、バインダーの硬化時に生成される導電性金属粒子の原料であり、例えば、硝酸銀、酢酸銀、硝酸銅、硫酸銅、酢酸銅、硝酸ニッケル、硫酸ニッケル、酢酸ニッケル、硝酸錫、酢酸錫などの無機酸塩または有機酸塩が使用できる。ただし、無機酸塩はイオン性不純物の残留が懸念されることから、特にこの反応型導電性樹脂組成物を電子・電気部品に使用する場合は、有機酸塩のほうが好ましい。
有機酸塩を構成する有機酸基は、直鎖状でも分岐鎖状でも一部が環状であってもよいが、直鎖状であることが好ましい。例えば、蟻酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、グルタミン酸塩、クエン酸塩、サリチル酸塩などが挙げられ、中でも溶剤への溶解性が良く、取扱いが容易なことから蟻酸塩、酢酸塩が好ましい。
また、金属塩化合物は、予めバインダーを構成する樹脂中に分散・溶解させておくことにより、常温で還元触媒と反応することを防ぎ、保存安定性を長くすることができる。
この際、金属塩化合物の樹脂への溶解・分散を助けることを目的として溶媒を用いるが、溶媒として、多価アルコール又はその誘導体を用いれば、これら自体が潜在性還元触媒としての機能を併せ持つので望ましい。
多価アルコール又はその誘導体としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール等のエチレングリコール類;プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等のプロピレングリコール類;エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ポリエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル等のエチレングリコールエーテル類;プロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、ポリプロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のプロピレングリコールエーテル類;および蟻酸モノエステル、酪酸モノエステル、蟻酸ジエステル、酪酸ジエステル、プロピオン酸ジエステル等のなどのグリコールエステルが挙げられる。
これらの中でも、沸点が190〜250℃のものが好ましい。特に好ましいのは、エチレングリコール類である。沸点が190℃未満の多価アルコール又はその誘導体には、室温での蒸気圧が高いので、作業中に蒸発するなどの問題があり、沸点が250℃を超えるものでは、硬化反応後に硬化物中に残留するか、硬化物中の耐熱温度を下げるなどの問題があり、いずれも好ましくない。
潜在性還元触媒(B)
本発明において、潜在性還元触媒は、バインダーと潜在性硬化触媒とを速やかに硬化反応をせしめる熱・光等により活性化されるものであり、特に熱により活性化されるものが望ましい。光およびUV反応によるものでは、生成した金属粒子が外部からの光・UVの遮蔽物となり、低濃度で含まれる薄膜での金属生成の目的を除き、安定・均一の硬化や金属粒子の生成を促すことが困難な場合がありうるからである。また、潜在性還元触媒が潜在性硬化触媒として機能するものであれば、より好ましい。
加えて、保存安定性・ポットライフ(可使時間)・分散性等を考慮すると常温で固体かつ微細粉末であることが更に望ましい。
この潜在性還元触媒は、バインダーに含有されるものであって、金属塩化合物を還元する機能を有するものであれば特に限定されない。このような還元触媒としては、前述した溶媒として用いうる多価アルコール又はその誘導体の他、カテコール、レゾルシン等の多価フェノールとその誘導体、脂肪族ポリアミド・アミンの3級アミンなどを挙げることができる。
潜在性還元触媒は、使用条件・硬化条件等の対応により、硬化反応を促進する硬化触媒としての機能を併せもつものも使用できる。例えば、フェノール又はフェノール誘導体、アミン又はアミン誘導体から選ばれる一種以上の硬化触媒である。いいかえれば、これらは、潜在性還元触媒と潜在性硬化触媒が同一物といえる。
フェノールとその誘導体としては、2,3−キシレノール、2,3,5−トリメチルフェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール、4−イソプロピルフェノール、4−t−ブチルフェノールや更には、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール、1−ナフトール、2−ナフトールなどの1価のフェノール類、レゾルシン、カテコール、ハイドロキノン、ビスフェノールA、ピロガロールなどの多価フェノール類などが挙げられ、アミン又はアミン誘導体としてはジエチレントリアミンなどの脂肪族ポリアミン、芳香族ポリアミンが挙げられる。さらには、N−フェニル尿素、N−ジメチル尿素、N−3−ニトロフェニル尿素などが挙げられる。
これらの化合物は、単独で用いてもよく、また組み合わせて用いてもよい。
これらの他にも、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とポリアミンを反応させエポキシ樹脂を消費させた残留アミノ基の活性水素を持つ内在アミンアダクト型硬化触媒、活性水素・水酸基を1つ以上残したアミンブロック型のアミン・フェノール変性硬化触媒、アミンの活性水素基を別の基で置き換えたアミンブロックタイプのアミン硬化触媒、各種アミンをマイクロカプセル化したもの等でバインダー樹脂と速やかに硬化反応させるものが潜在的還元触媒として利用できる。
なお、潜在性還元触媒は、硬化触媒常温で固体であっても加熱時に速やかに溶解するものであれば良い。
バインダー(C)
本発明において、バインダー(C)は、熱・光・UVなどのいずれかを作用させることで硬化し、かつ還元性の触媒あるいは還元反応による硬化物形成が可能な樹脂が主成分である。
具体的には、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル系樹脂、ポリイミド樹脂、アクリレート樹脂、フェノキシ樹脂などである。このうち、耐熱性、耐湿性、耐電気特性、接合強度、硬化特性の観点よりより優れるエポキシ樹脂が好ましい。これらの樹脂は単一でも適宜混合して使用することもできる。
エポキシ樹脂は、1分子中に1個以上のエポキシ基を有するもので、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂やカテコール、レゾルシンなどの多価フェノールまたはグリセリンやポリエチレングリコールのような多価アルコールとエピクロルヒドリンとを反応させて得られたポリグリシジルエーテル、あるいはp−オキシ安息香酸のようなヒドロキシカルボン酸とエピクロルヒドリンとを反応させて得られたグリシジルエーテルエステルやフタル酸、テレフタル酸のようなポリカルボン酸から得られるポリグリシジルエステル、さらには、ノボラック型エポキシやエポキシ化ポリオレフィンなどが挙げられる。これらは、単独で用いることも適宜組み合わせて用いることもできる。
樹脂が固体である場合は、溶媒に溶解して用いることができる。バインダーに使用する溶媒としては、例えば、キシレンなどの芳香族類、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、ブチルカルビトールアセテート、ジグライム、ノルマルメチルピロリジノンなどやグリシジルエーテル類、グリシジルエステル類のエポキシ基を有するものなどを使用することができる。
潜在性硬化触媒(D)
本発明において、潜在性硬化触媒は、熱・光等により活性化され、バインダーと速やかに硬化反応をせしめるものであることが望ましい。
この潜在性硬化触媒としては、例えば、フェノールまたはフェノール誘導体、アミンまたはアミン誘導体から選ばれる一種以上のものである。
フェノールとその誘導体としては、2,3−キシレノール、2,3,5−トリメチルフェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール、4−イソプロピルフェノール、4−t−ブチルフェノールや更には、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール、1−ナフトール、2−ナフトールなどの1価のフェノール類、レゾルシン、カテコール、ハイドロキノン、ビスフェノールA、ピロガロールなどの多価フェノール類などが挙げられ、アミン又はアミン誘導体としてはジエチレントリアミンなどの脂肪族ポリアミン、芳香族ポリアミンが挙げられる。さらには、N−フェニル尿素、N−ジメチル尿素、N−3−ニトロフェニル尿素などが挙げられる。これらの化合物は、単独で用いてもよく、また組み合わせて用いてもよい。
これらの他にも、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とポリアミンを反応させエポキシ樹脂を消費させた残留アミノ基の活性水素を持つ内在アミンアダクト型硬化触媒、活性水素・水酸基を1つ以上残したアミンブロック型のアミン・フェノール変性硬化触媒、アミンの活性水素基を別の基で置き換えたアミンブロックタイプのアミン硬化触媒、各種アミンをマイクロカプセル化したもの等でバインダー樹脂と速やかに硬化反応せしむるものが利用できる。潜在性硬化触媒は、常温で固体であっても加熱時に速やかに溶解するものであれば良い。
これら潜在性硬化触媒を用いることにより、予め反応型導電性樹脂組成物を構成する全ての物質を1液硬化型ペーストとすることができ、加熱などの外部からの刺激により、容易に導電性樹脂組成物を形成することができる。
本発明における潜在性硬化触媒は、熱化学反応によるものがより好ましい。光およびUV反応によるものでは、生成した金属粒子が外部からの光・UVの遮蔽物となり、低濃度で含まれる薄膜での金属生成の目的を除き、安定・均一の硬化や金属粒子の生成を促すことが困難な場合がありうる。
なお、前記した潜在性還元触媒の多くは、潜在性硬化触媒としての機能を併せ持っている。すなわち、潜在性還元触媒と潜在性硬化触媒が同一物といえるので、別途、潜在性硬化触媒を配合する必要がない。しかしながら、潜在性硬化触媒の機能を併せ持たないものや硬化能力の弱いものを潜在性還元触媒として用いた場合には、潜在性硬化触媒を別途配合しなければならない。
樹脂成分(E)
本発明において、上記の各成分に対しバインダーの主成分となる樹脂の外にビニル樹脂又はビニルエステルから選ばれる一種以上の樹脂を配合できる。
ビニル樹脂又はビニルエステル樹脂は、金属塩化合物(A)が潜在性還元触媒(B)によって還元されて生成する過程で金属粒子の粒子成長を制御し粒子の大きさ・形を均一にする効果が期待できるとともに生成した粒子の金属表面を被覆する金属表面の保護安定剤としても機能する成分である。
ビニル樹脂又はビニルエステルとしては、例えば、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリジノン、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸メチル、ポリビニルホルマールなどが挙げられ、その分子量Mwは50000以下が好ましい。この中で、特に好ましいのはポリビニルピロリジノンである。分子量Mwが50000を超えるものは、金属表面に薄い膜を形成しにくいので好ましくない。
なお、これら以外に、本発明の目的を損なわず、保存安定性、硬化性、導電性に悪影響を及ぼさない範囲で、チタネート系、シラン系などのカップリング剤、酸化ケイ素、アルミナなどの沈降防止剤、アルキド樹脂、セルロ−ズなどのチクソトロフィー調整剤、芳香族炭化水素や脂肪族炭化水素などの希釈剤を配合することもできる。ただし、これらの反応型導電性樹脂組成物中には、ハロゲンイオン、金属イオンなどのイオン性不純物が実質的に含まれず、含まれていたとしても10ppm以下であることが望ましい。
また、フィラーとして、さらに導電性金属粒子、カーボン、あるいはグラファイトから選ばれる1種以上の導電性粉末を含むことができる。これにより、本発明の反応型導電性樹脂組成物は、追加されるフィラーの種類と量に応じて、様々な分野で幅広く使用できるものとなる。前記導電性金属粒子とは、球状、フレーク状あるいは棒状の銀粉末、金粉末などである。フィラーは、本発明の目的を損なわない限り、ナノ粒子径〜20μm径の範囲であれば有効に使用できる。
この組成物は、上記のように各成分を配合したことにより、ペースト状態(液体)状態では金属生成を伴わず、ペースト硬化(バインダーの硬化)に伴って、同時に金属を生成し、ペースト硬化物中に金属粒子を形成し得るものとなる。
2.反応型導電性樹脂組成物の製造方法
本発明の反応型導電性樹脂組成物は、金属塩化合物(A)に、所望によりビニル樹脂又はビニルエステルなどの樹脂成分(E)を加え、これを多価アルコールなどの溶剤と混合し、所定の温度に加熱し、この混合物にバインダー(C)を混合したのち室温まで冷却する。次に室温においてこの混合物に潜在性硬化触媒(D)と潜在性還元触媒(B)とを加え、混合することで製造される。
本発明において、金属塩化合物の使用量は、本発明の反応型導電性樹脂組成物が硬化して得られる硬化物中に、生成する金属粒子量基準で0.1〜70体積%となるようにする。該金属塩化合物が0.1体積%よりも少ないと電気伝導性が悪化し、一方、70体積%を超えると、接着強度、塗布性、耐ヒートサイクル性が悪化するので好ましくない。なお、ここに記載した本発明の金属塩化合物の使用量は、前記フィラーを配合する場合でも同じである。
バインダーの配合量は、組成物全量に対して20体積%以上、好ましくは30〜60体積%とする。配合量が20体積%未満では、粘性が不十分となり対象物に対して良好な塗布を行うことができない。ただし、60体積%を超えると、粘性が低くなりすぎてペースト使用時にダレ・滲み・糸引き・版離れの悪化を生じ操作性が低下する。
潜在性硬化触媒や潜在性還元触媒の使用量は、バインダーを硬化できるだけでなく、金属塩化合物の実質的全てを還元できる量でなければならない。実際には、バインダーと金属塩化合物の種類と量によって決定され、バインダーと潜在性硬化触媒の比率は、硬化官能基の数の当量計算により個々に求めることができる。したがって、潜在性硬化触媒であれば、通常硬化反応に必要とされる量に、前記の金属塩化合物を還元できる量が付加されなければならない。
ビニル樹脂又はビニルエステルなど樹脂成分の使用は任意であるが金属塩化合物に対して、0.01〜10重量%配合することが望ましい。0.01重量%よりも少ないと保護安定性が不足し、一方、10重量%よりも多くなると、金属表面に着く保護膜が厚くなる傾向にあるので好ましくない。
まず、金属塩化合物と前記樹脂に多価アルコールなどを配合後、通常、100〜200℃、好ましくは110〜190℃に加熱され、0.1〜1時間混合される。温度が100℃未満では、原料が十分に混合されず、200℃を超えると多価アルコールなどが分解する場合があるので好ましくない。
次いで、この混合物にバインダー(C)を混合後、通常、30〜80℃、好ましくは50〜70℃で加熱され、0.5〜3時間混合される。温度が30℃未満では、原料が十分に混合されず、80℃を超えるとバインダーの変質やゲル化が生ずる場合があるので好ましくない。
上記の操作後に室温に戻し、潜在性還元触媒(B)、又は潜在性還元触媒(B)と潜在性硬化触媒(D)を混合する。混合は、ホモジナイザー、自公転ミキサー、セラミックスロール等を使用し、空気中の水分・酸素の影響を防ぐため窒素雰囲気中で行うことが望ましい。
また、上記で作成したペーストに更に導電性金属粒子、カーボン、或いはグラファイト等のフィラー、カップリング剤、アルミナ、酸化ケイ素等の電気伝導・分散性調整剤、アルキド樹脂セルローズ等のチクソトロフィー調整剤、脂肪族炭化水素・芳香族炭化水素等の希釈剤を適宜、混練することもできる。
3.導電性接着剤
本発明の反応型導電性樹脂組成物は、電子・電気製品やその部品に対して幅広い用途があり、中でも導電性接着剤として好ましい特性を発揮する。
すなわち、従来の有機バインダー中に導電性金属粒子を多量に強制分散させた有機・無機分散系と異なり、本発明の反応型導電性樹脂組成物においては、有機バインダーが未硬化状態(ペースト状態)では金属粒子の存在がないか少量分散されているに過ぎず、このため印刷時やディスペンス時の目詰まりや粘度変化がなく、作業性や塗布精度が飛躍的に向上する。したがって、高機能化が進められている薄膜・高集積のICチップの基板への接合、鉛フリー化が進められているチップ抵抗・チップコンデンサー等の内・外部・端面の電極、さらに鉛はんだに変わる部品の接合・接続に使用できる。また、ペースト塗布手段は従来の方法に加え、更に高精度なファインピッチの印刷・薄膜塗布・微細スルーホールなどの流し込み・スピンコートも可能である。
本発明によれば、金属塩化合物の導電性金属粒子への還元反応と、バインダーの硬化反応とがバインダー中で並行又は逐次進行する。この還元反応と硬化反応は同じ温度領域で生起する場合と、異なる温度領域で生起する場合がありうる。バインダー主成分がエポキシ樹脂であれば、例えば空気中で、先ず、50〜100℃の条件で20〜60分加熱をすることによりバインダー硬化物中に導電性金属粒子を生成させ、引き続き、150〜200℃の条件で10〜40分加熱をすることにより、バインダーの硬化を行うことができる。この場合、50〜100℃での加熱工程を、使用状況に応じさらに数段階に分け金属の析出速度・量・金属粒子の形状を変えることも可能である。
以下に、実施例及び比較例を示して、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例によって何ら限定されるものではない。
硬化物中の銀含有率、および銀を含んだ硬化物の特性は、下記の要領で評価した。
判定基準で示す記号「◎」は使用に優れたもの、「○」は汎用の使用に供することができるもの、「△」は限定使用が可能なもの、「×」は使用に好ましくないものを表している。
(1)銀含有率:
銀を含んだ硬化物を砕き、硫酸と硝酸の混酸で分解後、チオシアン酸カリウムで滴定を行った(ボルハード法)。
(2)接着強度:
1インチ角のアルミナ基板(京セラ(株)、98%アルミナ)上に所定のペーストを10〜20μm厚で塗布し、1.5mm角ICチップを荷重10gでマウントした。所定条件で硬化後、プッシュプルゲージ(イマダ製作所(株))を用いてチップの水平方向剥離強度を測定した。
判定基準:◎ 50N以上、○ 30N〜50N未満、△ 10N〜30N未満、× 10N未満
(3)熱時強度:
上記のサンプルを260℃、20秒の熱板上でダイヤルゲージ(イマダ製作所(株))を用いチップの水平方向剥離強度を測定した。
判定基準:◎ 30N以上、○ 10N〜30N未満、△ 5N〜10N未満、、× 5N未満
(4)電気伝導率:
前記アルミナ基板上にAg/Pd焼成体(住友金属鉱山(株))で所定距離離れた対電極を形成し、この電極間を跨ぐ状態で導電性樹脂組成物を硬化させた。硬化後、室温にてデジタルマルチメーター(アドバンテック(株))を用い、体積抵抗値を測定した。体積抵抗値と硬化物断面積・長さ(トキメック(株)、深さ厚み測定器)より、比抵抗値を算出した。
判定基準:◎ 3×10−3Ω・cm未満、○ 3×10−3Ω・cm〜9×10−3Ω・cm未満、△ 9×10−3Ω・cm〜5×10−2Ω・cm未満、× 5×10−2Ω・cm以上
(5)塗布性:
5ccの注射器に導電性樹脂組成物(未硬化ペースト)を10g充填し、0.25mmφのニードルをセットし、室温でディスペンサー(武蔵エンジニアリング(株) ML−500)を使用し、空気圧力0.8〜1.2Kg/cm、0.25秒/打の条件でガラスエポキシ基板上に連続吐出させた。前記組成物の分離やニードル詰まりにより塗布が不可能になるまでの時間を測定した。
判定基準:◎ 24時間以上、○ 12時間〜24時間未満、△ 6時間〜12時間未満、× 6時間未満
(6)耐ヒートサイクル性:
上記(2)で作成した硬化物サンプルを−55℃←→+125℃各30分/サイクルで熱衝撃試験機((株)タバイエスペック)に投入し、100サイクル後取り出し、室温でチップ接合強度を測定した。
判定基準:◎ 40N以上、○ 20N〜40N未満、△ 10N〜20N未満、× 10N未満
(実施例1)
硝酸銀(関東化学(株)1級)0.25Mと、ポリビニルピロリジノン(関東化学(株)1級)0.38Mを加圧密閉容器に入れ、エチレングリコール(関東化学(株)1級)を15ml加え、加圧密封し、150℃で30分加熱攪拌した。
この初期混合物に対し、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(Mw=380、(株)JER)にフェノールノボラック硬化触媒(Mw1500、群栄化学(株))を20重量部添加して作成したバインダーを20重量%添加し、さらに、65℃で120分加熱攪拌した。加熱後、室温放冷し、遠心分離機により上澄みを除去した。
次に、この中間混合物に、ジエチレントリアミン(富士化成(株)製)をエポキシ樹脂に対し、5重量部、粘度調整用にBCA(ブチルカルビトールアセテート)を若干加え、自公転ミキサーにより2分間混合した。
この最終混合物をアルミナ基板上にスクリーン印刷により、20〜30μm厚で塗布した後、熱風循環型オーブン(タバイエスペック(株))を使用し大気雰囲気中で室温より毎分5℃で昇温させ60℃×30分、100℃×30分、150℃×30分の各ステップの保持を行い硬化させ、反応型導電性樹脂組成物の硬化サンプルとした。硬化物中の銀の体積分率は19%であった。
(実施例2)
実施例1と同様に行い、金属塩化合物を含有する初期混合物のエポキシ樹脂バインダーへの添加量を変え、銀の体積分率0.5%の硬化物を得た。
(実施例3)
実施例1と同様に行い、金属塩化合物を含有する初期混合物のエポキシ樹脂バインダーへの添加量を変え、銀の体積分率73%の硬化物を得た。
(実施例4)
潜在性硬化触媒をフェノールノボラック(Mw:1500)のみに変更した以外は、実施例1に記載された方法で、最終混合物を調製した。この最終混合物を反応型導電性樹脂組成物として、実施例1と同様にして硬化した。硬化物中の銀の体積分率は35%であった。
(比較例1)
低温焼結型(約220℃で銀焼結)の銀ナノ粉末を含むブチルカルビトール混合物(ナノ銀ペースト、日本ペイント(株)製)に10重量%レゾールフェノール樹脂(分解温度180℃、群栄化学(株))と、表面保護剤としてアミン化合物とを混合分散させ、最終混合物として、実施例1と同様にアルミナ基板に塗布し、80℃→150℃→220℃と、窒素中で各30分加熱し、オーブン硬化しサンプルとした。硬化物中の銀の体積分率は76%であった。
(比較例2)
鱗片状銀粉末(平均粒径5μm、(株)徳力化学研究所製)を実施例1のエポキシ樹脂と潜在性硬化触媒(ジシアンジアミド/関東化学(株)、ジウロン(DCMU)/保土ヶ谷化学(株):エポキシ樹脂に対し潜在性硬化触媒20重量部、ジシアンアンジアミドとDCMUは1:3)と、表面保護剤としてオレイン酸、ステアリン酸とを混合したバインダー中に投入し3本ロールを使用して強制分散させバインダー得た。
得られた最終混合物を実施例1と同様にアルミナ基板に塗布し、150℃→200℃と各30分、大気中で加熱し、オーブン硬化しサンプルとした。硬化物中の銀の体積分率は36%であった。
(比較例3)
In/Ag/Snの混合はんだ粉末(平均粒径20μm、千住金属(株)製)を85重量%、実施例1のエポキシ樹脂とベンゾグアナミン(関東化学(株))を混合したバインダー中に自公転ミキサーを利用して分散させ、さらに2%のトリエタノールアミンをフラックスとして加え最終混合物とした。これを実施例1と同様にアルミナ基板に塗布し、100℃→200℃→250℃と各30分、窒素中で加熱し、オーブン硬化しサンプルとした。硬化物中の体積分率は67%であった。
(比較例4)
潜在性硬化触媒の使用量を減らし、ジエチレントリアミン(富士化成(株)製)をエポキシ樹脂に対し、8PHRとした以外は実施例1に記載された方法で、最終混合物を調製した。
この最終混合物をアルミナ基板(98%アルミナ、京セラ(株)製)上にスクリーン印刷により、20〜30μm厚で塗布した後、オーブン(大気中)で60℃×30分、100℃×30分、150℃×30分の各ステップ加熱で硬化させ、反応型導電性樹脂組成物の硬化サンプルとした。硬化物中の銀の体積分率は0.01%であった。
Figure 2006056951
Figure 2006056951
「評価」
上記の実施例1〜4により、金属塩化合物とバインダーによるペースト硬化過程で導電性金属粒子を生成する還元触媒とを含有する本発明の反応型導電性樹脂組成物は、基板への塗布性が良好で、導電性金属粒子がペースト硬化物中に均一分散しているので、接着強度、熱時強度が大きく、電気伝導率、耐ヒートサイクル性にも優れることが分かる。
これに対して、従来技術である比較例1〜3は、銀ナノパウダー、鱗片状銀粉末、あるいは混合はんだ粉末を用いているので、基板への塗布性が悪いか、接着強度、あるいは電気伝導率のいずれかが不十分である。また、比較例4は、還元触媒の配合量が少ないので、金属粒子の生成量が減少してしまい電気伝導率が悪化した。
本発明の反応型導電性樹脂組成物は、バインダーの未硬化状態(ペースト状態)では金属粒子が顕在化していないことから、この反応型導電性樹脂組成物を用いた導電性接着剤は、電子・電気部品の接合、IC・LEDをはじめとする半導体の基材への接合、スルーホール・配線材料などに優れた特性を発揮することから、工業的価値は極めて大きい。

Claims (9)

  1. 金属塩化合物(A)、潜在性還元触媒(B)、バインダー(C)、及び潜在性硬化触媒(D)を含有する反応型導電性樹脂組成物であって、潜在性還元触媒(B)は熱、光又は紫外線を受けることにより、該熱、光または紫外線により発生する潜在性硬化剤(D)とバインダー(C)との硬化反応に先行しつつ、あるいは該硬化反応と同時並行的に該反応型導電性樹脂組成物中に溶解している金属塩化合物(A)を還元して導電性金属粒子を生成する機能を有することを特徴とする反応型導電性樹脂組成物。
  2. 金属塩化合物(A)が、銀、銅、ニッケル、または錫から選ばれる一種以上の金属を含有する金属有機酸塩であることを特徴とする請求項1に記載の反応型導電性樹脂組成物。
  3. 潜在性還元触媒(B)と潜在性硬化触媒(D)とが同一物であることを特徴とする請求項1に記載の反応型導電性樹脂組成物。
  4. 潜在性硬化触媒(D)が、フェノール又はフェノール誘導体、アミン又はアミン誘導体から選ばれる一種以上の化合物であることを特徴とする請求項1に記載の反応型導電性樹脂組成物。
  5. バインダー(C)が、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、フェノキシ樹脂等の樹脂の何れか1つ又は複数であることを特徴とする請求項1に記載の反応型導電性樹脂組成物。
  6. バインダー(C)が、エポキシ樹脂であることを特徴とする請求項5に記載の反応型導電性樹脂組成物。
  7. さらに、ビニル樹脂又はビニルエステルから選ばれる一種以上の樹脂成分(E)を含むことを特徴とする、請求項1に記載の反応型導電性樹脂組成物。
  8. 金属塩化合物(A)の含有量は、硬化反応終了後の組成物全量に対して、生成する金属粒子量基準で、0.1〜70容積%であることを特徴とする、請求項1に記載のいずれかの反応型導電性樹脂組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の反応型導電性樹脂組成物を用いてなる電子・電気部品用の導電性接着剤。
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