JP2006054679A - ホワイトバランス装置及びそのプログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 測光処理を行い(S1)、プリズム回折格子17によって波長毎に分光された光をセンサアレイ18等を介して取得された分光エネルギー分布L(λi)を取得する(S2)。そして、取得した分光エネルギー分布L(λi)から3刺激値、色度座標の算出を行い(S3〜S5)、該算出された色度座標から色温度、黒体輻射軌跡との偏差Δuvを求める(S6)。そして、該求めた偏差Δuvが許容範囲内か否かを判断し(S7)、許容範囲内と判断すると該求めた色温度を元に、撮像信号の利得を制御することによりホワイトバランスを行う(S8)。
一方、偏差Δuvが許容範囲内でないと判断すると、色温度測定が失敗した旨のエラー表示を行う。
【選択図】 図5
Description
また、ホワイトバランスを調整するには、光源の色温度が必要だが、大別して、色温度検出用の3色RGBセンサ等を別に設ける外部測光方式と、CCDの撮像信号のRGBの比率から検出する内部測光方式とがある。内部測光方式では、撮像画面内の無彩色部分を抽出して積分し、RGB色差成分の比率が等しくなるように調節し、外部測光方式では、RGB線さの色差成分のバランスや、(R−Y)、(B−Y)の平均や積分値がゼロになるように、色差信号ゲインを調節する。或は、色温度が高い場合にはRのゲインを上げてBのゲインを下げ、色温度が低い場合には逆の制御を行う。
(1)RGBの比によるWB制御は、3刺激値型の光電色彩計と同様の原理で、3つの受光系の分光感度が、視覚の比視感度特性やCIE(国際照明学会)1931に規定されたRGB3刺激値の等色関数等に適合させれば、正しい色度座標や色温度も計測でき、これを元に正確なWB制御もできるはずだが、細かく校正しても、光学系の分光透過率や受光部の分光感度特性を、等色関数にぴたりと合わせることは難しく、アナログ的にWB制御はできても、色温度など数値を求めるには精度が低いので、高精度に色温度などを求めてWB制御を行うという課題がある。
また、太陽光や白熱電灯等、なだらかな分光分布の光源では問題はないが、蛍光灯など分光特性の凹凸が激しく輝線スペクトルが顕著な光源等ではうまく計測できず、蛍光灯下でも高精度に色温度を求めるという課題がある。
また、複数種の光源が混ざった場合や、新しい特性の光源には対応できなかった。
また、3刺激値型の光電色彩計や、撮像信号から色情報を求めるのでは、分光感度特性を等色関数に合わせるのは難しく、蛍光灯など放電型の光源にも対応できなかった。
入射された光源を波長毎に分光する分光手段と、
前記分光手段により分光された波長毎の光の分光エネルギー分布を取得する分光取得手段と、
前記分光取得手段により取得された分光エネルギー分布に基づいて、前記取得手段により取得された撮像信号の利得を制御することによりホワイトバランスを行うホワイトバランス制御手段と、
を備えたことを特徴とする。
前記刺激算出手段により算出された3刺激値から色度座標を算出する座標算出手段と、
を備え、
前記ホワイトバランス制御手段は、
前記座標算出手段により算出された色度座標に基づいて、前記取得手段により取得された撮像信号の利得を制御することによりホワイトバランス制御を行うようにしてもよい。
前記分光取得手段により取得された分光エネルギー分布と等色関数とから3刺激値を算出するようにしてもよい。
前記ホワイトバランス制御手段は、
前記色温度算出手段により算出された色温度に基づいて、前記取得手段により取得された撮像信号の利得を制御することによりホワイトバランス制御を行うようにしてもよい。
前記座標算出手段により算出された色度座標と、黒体輻射軌跡に対応する色温度ととから、該色度座標に対応する色温度を算出するようにしてもよい。
また、例えば、請求項7に記載されているように、前記表示制御手段は、
取得手段により取得された撮像信号の画像を前記表示手段に表示させるとともに色度図及び該色度図上に前記座標算出手段により算出された色度座標を表示させるようにしてもよい。
RGB表色系の色度図、XYZ表色系の色度図、UVW表色系のUV色度図のうち1つを表示させるようにしてもよい。
また、例えば、請求項9に記載されているように、前記表示制御手段は、
前記表示手段に表示させる色度図及び色度座標の代わりに、U*V*W*均等色空間、CIELABのL*A*B*均等色空間、もしくはマンセル色空間などの色空間図及び色空間座標もしくは色相、彩度、明度等を表す指数等を表示させるようにしてもよい。
前記指定手段によって指定された画像の一部領域の色の情報を設定する設定手段と、
前記指定手段により指定された一部領域が前記設定手段により設定された色となるように、前記取得手段により取得された撮像信号の利得を制御することによりホワイトバランスの補正制御を行うホワイトバランス補正制御手段と、
を備えるようにしてもよい。
前記取得手段により取得された撮像信号のうち前記指定手段により指定された一部領域の撮像信号の撮像分光エネルギー分布を算出する算出手段と、
を備え、
前記ホワイトバランス補正制御手段は、
前記算出手段により算出された撮像分光エネルギー分布が前記演算手段によりシミュレーション演算された補正分光エネルギー分布となるようにホワイトバランスの補正制御を行うようにしてもよい。
前記ホワイトバランス補正制御手段は、
前記補正座標算出手段により算出された撮像分光エネルギー分布の色度座標が、前記補正座標算出手段により算出された補正分光エネルギー分布の色度座標となるように撮像信号の利得を制御する制御することにより、ホワイトバランスの補正制御を行うようにしてもよい。
前記ホワイトバランス補正制御手段は、
前記補正色温度算出手段により算出された撮像信号の分光エネルギー分布の色温度が、前記補正色温度算出手段により算出された補正分光エネルギー分布の色温度となるように撮像信号の利得を制御することにより、ホワイトバランスの補正制御を行うようにしてもよい。
ユーザによって選択された分光反射率特性を色の情報として設定するようにしてもよい。
また、例えば、請求項15に記載されているように、前記設定手段は、
ユーザによって選択された色に対応する分光反射率特性を色の情報として設定するようにしてもよい。
ユーザが前記表示手段に表示された色度図の座標カーソルの加減補正することにより選択された色度座標を色の情報として設定するようにしてもよい。
前記算出された撮像分光エネルギー分布から色度座標を算出する撮像座標算出手段と、
を備え、
前記ホワイトバランス補正制御手段は、
前記撮像座標算出手段により算出された色度座標が、前記設定手段により設定された色度座標となるように、撮像信号の利得を制御することによりホワイトバランスの補正制御を行うようにしてもよい。
記録手段に記録されたデータから撮像信号を取得するようにしてもよい。
また、例えば、請求項19に記載されているように、前記取得手段は、
被写体を撮像する撮像素子により撮像された撮像信号を取得するようにしてもよい。
前記分光手段を介して測光用センサアレイによって受光された波長毎の光の分光エネルギー分布を取得する第1の取得手段と、
計測光学系の分光感度特性を取得する計測透過率取得手段と、
前記測光用センサアレイの分光感度特性を取得する測光感度取得手段と、
前記撮像光学系の分光透過率特性を取得する撮像透過率取得手段と、
前記撮像素子の分光感度特性を取得する撮像感度取得手段と、
前記第1の取得手段により取得された分光エネルギー分布、及び、前記計測透過率取得手段により取得された計測光学系の分光透過率特性、及び、前記測光感度取得手段により取得された測光用センサアレイの分光感度特性から光源の分光エネルギー分布をシミュレーション演算する第1の演算手段と、
を備え、
前記第1の演算手段によりシミュレーション演算された光源の分光エネルギー分布、及び、前記撮像透過率取得手段により取得された撮像光学系の分光透過率特性、及び、前記撮像感度取得手段により取得された撮像素子の分光感度特性から、前記撮像素子によって受光された分光エネルギー分布をシミュレーション演算し、該得られた分光エネルギー分布を取得するようにしてもよい。
撮像光学系である撮像レンズやフィルタ、フォーカスレンズの位置、ズームレンズの位置から適切な撮像光学系の分光透過率特性を取得するようにしてもよい。
前記撮像素子の現在の感度情報から適切な撮像素子の分光感度特性を取得するようにしてもよい。
また、例えば、請求項24に記載されているように、前記設定手段は、
前記連続撮影制御手段により連続して被写体を撮影するごとに、異なる色の情報を設定し。
前記ホワイトバランス補正制御手段は、
前記指定手段により指定された一部領域が前記設定手段により設定された色となるように撮像信号の利得を制御することによりホワイトバランスの補正制御を行うようにしてもよい。
前記設定手段は、
前記連続撮影制御手段により連続して被写体を撮影するごとに、前記補正間隔入力手段により入力された色の情報の補正間隔にしたがって、色の情報を設定するようにしてもよい。
また、例えば、請求項26に記載されているように、前記色の情報の補正間隔は、
色度座標の補正間隔、色温度の補正間隔、分光反射率特性の補正間隔のうち1であるようにしてもよい。
更に、補正順序、補正枚数を入力するための入力手段を備え、
前記設定手段は、
前記連続撮影制御手段により連続して被写体を撮影するごとに、前記補正間隔入力手段により入力された色の情報の補正間隔、補正順序、補正枚数にしたがって、色の情報をブラケティングさせて異なる色の情報を設定していくようにしてもよい。
前記取得手段により取得された撮像信号から色度座標を算出する第1の算出手段と、
前記取得手段により取得された撮像信号の画像を表示手段に表示させるとともに、色度図及び該色度図上に前記第1の算出手段により算出された色度座標を表示させる表示制御手段と、
ユーザが前記表示手段に表示された画像の一部領域を指定するための指定手段と、
ユーザが前記表示手段に表示された色度図の座標カーソルを加減補正することにより前記指定手段により指定された一部領域の色度座標を設定するための設定手段と、
前記指定手段により指定された一部領域の撮像信号から一部領域の色度座標を算出する第2の算出手段と、
前記第2の算出手段により算出された一部領域の色度座標が前記設定手段により設定された色度座標となるように、前記取得手段により取得された撮像信号の利得を制御することによりホワイトバランスの制御を行うホワイトバランス制御手段と、
を備えたことを特徴とする。
入射された光源を波長毎に分光された波長毎の光の分光エネルギー分布を取得する分光取得処理と、
この処理により取得された分光エネルギー分布に基づいて、前記取得処理により取得された撮像信号の利得を制御することによりホワイトバランスを行う処理と、
を含み、上記各処理をコンピュータで実行させることを特徴とする。
また、色度座標を求めてホワイトバランスを行うので、ユーザによって指定された色度座標を元にホワイトバランス制御を行うことができる。
また、色温度を求めてホワイトバランスを行うので、ユーザによって指定された色温度を元にホワイトバランス制御を行うことができる。
請求項7乃至9記載の発明によれば、取得手段により取得された画像を表示手段に表示させるとともに、色度図及び該色度図上に算出された色度座標を表示させるので、ユーザは、表示されている画像の色度座標等の詳細を容易に認識することができる。
また、顔や肌色部分だけを抽出したり、強制的に肌色だけを色変換したりせずに、画像全体に対してホワイトバランスを行うので、画像全体の色調を一緒に補正することができ、顔や肌色だけが浮いたり異なる画質となったり違和感のある色調になったりすることがなく、自然な画像を得ることができる。
また、処理が簡単なので、高速にホワイトバランスを行うことができる。
請求項15記載の発明によれば、設定手段は、ユーザによって選択された色となるような分光反射率特性を色の情報として設定するので、ユーザは具体的に好みの色を選択することができ、確実に指定した一部領域の色がユーザの好みの色となるようなホワイトバランスを行うことができる。
また、記録した画像の指定した一部領域の色を、ユーザの好みの色となるようにホワイトバランスを行うことができる。
請求項19記載の発明によれば、取得手段は、被写体を撮像する撮像素子により撮像された撮像信号を取得するので、現在、撮像している画像のホワイトバランスを精密に行うことができる。
また、撮像した画像の指定した一部領域の色を、ユーザの好みの色となるようにホワイトバランスを行うことができる。
請求項24記載の発明によれば、設定手段は、連続して被写体を撮影するごとに、異なる色の情報を設定して、ホワイトバランス補正制御手段は、指定手段により指定された一部領域が該設定された色となるように撮像信号の利得を制御するので、一回の撮影で色の異なる複数の画像を得ることができる。
また、連続撮影した複数の画像の中から、所望の色を有する画像を選択することができるので、好みの色を有する画像を得る確率が高くなり、シャッタチャンスを逃すことがない。
また、顔や肌色部分だけを抽出したり、強制的に肌色だけを色変換したりせずに、画像全体に対してホワイトバランスを行うので、画像全体の色調を一緒に補正することができ、顔や肌色だけが浮いたり異なる画質となったり違和感のある色調になったりすることがなく、自然な画像を得ることができる。
また、処理が簡単なので、高速にホワイトバランスを行うことができる。
[第1の実施の形態]
A.デジタルカメラの構成
図1は、本発明のホワイトバランス装置を実現するデジタルカメラ1の電気的な概略構成を示すブロック図である。
デジタルカメラ1は、撮像レンズ2、駆動回路3、絞り兼用シャッタ4、垂直ドライバ5、TG(timing generator)6、CCD7、サンプルホールド回路8、アナログデジタル変換器9、色分離回路10、利得調整部11、画像信号処理部12、メモリ13、制御回路14、表示部15、キー入力部16、プリズム回折格子17、センサアレイ18、ドライバー・アンプ19、アナログデジタル変換器20、エネルギー分布表メモリ21、情報メモリ22、刺激値演算部23、ROM24、色度座標演算部25、取得部26、色温度演算部27、ホワイトバランス制御部28、色度座標・色温度情報メモリ29から構成されている。
撮像レンズ2は、複数のレンズ群から構成されるフォーカスレンズ2a、ズームレンズ2b等を含む。そして、撮像レンズ2には、駆動回路3が接続されており、駆動回路3は、制御回路14から送られてくる制御信号にしたがって、フォーカスレンズ2a、ズームレンズ2bを光軸方向に移動させる。
絞りとは、撮像レンズ2から入射してくる光の量を制限する機構のことをいい、シャッタ速度とは、時間によってCCD7に当てる光の量を制限する機構のことをいう。
サンプルホールド回路8は、CCD7から送られてきたアナログ信号をCCD7の解像度に適合した周波数でサンプリング(例えば、相関二重サンプリング)してアナログデジタル変換器9に出力する。なお、サンプリング後に自動利得調整(AGC)を行うこともある。
アナログデジタル変換回路9は、サンプリングされたアナログ信号をデジタル信号に変換して色分離回路10に出力する。
利得調整部11は、色分離回路から送られてきたそれぞれの、R・G・Bデータを、ホワイトバランス制御部28から送られてきた制御信号にしたがって、それぞれの利得を調整し、画像信号処理部12に出力する。
画像信号処理部は、画素補間処理、γ補正処理等を含むカラープロセス処理を行い、RGBデータから輝度・色差マルチプレクス信号(以下、YUV信号という)を生成する。
キー入力部16は、シャッタボタン、ブラケット撮影ボタン、実行キー、キャンセルキー、カーソルキー、モードキー等の複数の操作キーを含み、ユーザのキー操作に応じた操作信号を制御回路14に出力する。このキー入力部16は、本発明の指定手段、補正間隔入力手段に相当する。
センサアレイ18は、ドライバー・アンプ19によって駆動され、入射された波長帯毎に分光された光を一定周期毎に光電変換しドライバー・アンプ19に出力する。このセンサアレイ18は、本発明の測光用センサアレイとして機能する。
ドライバー・アンプ19は、該光電変換された波長毎のアナログ信号を増幅し、アナログデジタル変換器20に出力する。
アナログデジタル変換器20は、入力されたアナログ信号をデジタル変換して、分光エネルギー分布L(λi)を取得し、該取得した分光エネルギー分布の表データをエネルギー分布表メモリに記憶する。
刺激値演算部23は、ROM24に記録されている等色関数(λi)、(λi)、(λi)及びエネルギー分布表メモリに記憶されている分光エネルギー分布L(λi)を読み出し(分光取得手段)、該読み出した等色関数と分光エネルギー分布L(λi)とを乗算し、各波長毎(λi)の乗算結果を波長領域のn帯域(i=0〜n−1)全体で総和して3刺激値R、G、Bを算出する(刺激算出手段)。
色度座標演算部25は、入力された3刺激値から色度座標(x、y、z)を数4にしたがって求める。この機能は本発明の、座標算出手段に相当する。
色温度演算部27は、該入力された色度座標から色温度Ta、黒体輻射軌跡との偏差Δuv等を求める(色温度算出手段)。ここで、ホワイトバランス制御に用いられる色温度Taは、黒体の輻射時の温度と波長の関係を指標として、色度を黒体放射軌跡の色度座標に相当する相関色温度(単位:K、ケルビン)で表したものである。
まず、プランクの放射則によれば、黒体輻射の放射エネルギー・スペクトルe(λ,T)は、数5によって求めることができ、この数を用いることにより、黒体輻射の各温度での波長毎の分光エネルギーを求めることができる。
但し、λ:光の波長、T:放射体の絶対温度、h:プランク定数、k:ボルツマン定数、c:真空中の光速、とする。
また、図2に示すように、色度座標(x、y、z)と色温度Taの換算テーブルを予め色温度演算部27に記録させておき、この換算テーブルを用いて、色度座標に該当する色温度Taを求めるようにしてもよい。
なお、ここでは、求めた色温度Taを6500Kとし、偏差Δuvの求めかたは周知技術なので、ここでは説明を省略する。
制御回路14は、色度座標・色温度情報メモリ29に記憶されている偏差ΔuvがROM24に記録されている閾値より小さいか否かを判断し、小さいと判断すると許容範囲内と判断し、ホワイトバランス制御部28にホワイトバランスの制御を行う旨の制御信号を送る。
一方、制御回路14は、偏差ΔuvがROM24に記録されている閾値より大きいと判断した場合は、許容範囲外であると判断し、色温度測定のエラー処理を行う。
図3は、色温度TaとRGB成分の相対強度(5000Kを基準とした場合)を示したものである。現在の色温度Taは、図に示すように6500Kであり、RGB成分のそれぞれの相対強度は、1.14、1.00、0.76であることがわかる。
色温度演算部27が、検出した色温度6500Kをホワイトバランス制御部28に出力すると、ホワイトバランス制御部28は、R成分、G成分、B成分のそれぞれの相対強度の逆数(R成分;1/0.76、G成分;1、B成分;1/1.14)に相当する利得制御量となるように利得調整部11r、11g、11bを制御する。
そして、CCD7によって撮像されたRGB成分は、色分離回路10によってR成分、G成分、B成分に分離され、R成分は利得調整部11rで1/0.76倍に増幅され、G成分は利得調整部11gで1倍に増幅され、B成分は利得調整部11bで1/1.14倍に増幅され、それぞれのRGB成分が画像信号処理部12に送られる。
なお、求めた色度座標を元にホワイトバランスを行うようにしてもよい。
第1の実施の形態におけるデジタルカメラ1の動作を図5のフローチャートにしたがって説明する。
測光処理を行い(ステップS1)、プリズム回折格子17によって波長毎に分光された光をセンサアレイ18、ドライバー・アンプ19により受光されたアナログ信号をアナログデジタル変換器20でデジタル信号に変換して、光源光の分光エネルギー分布L(λi)を取得し、該取得した光源光の分光エネルギー分布の表データをエネルギー分布表メモリ21に記憶する(ステップS2)。
ここで、図6(a)は、プリズム回折格子18を介してセンサアレイ19等に入射される波長毎の分光エネルギー分布L(λi)の例を表したものであり、図6(b)は、エネルギー分布表メモリに記憶される分光エネルギー分布表の例を示したものである。
図7(c)は、RGB表色系の等色関数(λi)、(λi)、(λi)を示したものであり、ROM24には、図7(d)に示すような等色関数表のデータが記録されている。
なお、ROM24に、予めXYZ表色系の等色関数(λi)、(λi)、(λi)を記録しておき、分光エネルギー分布L(λi)とXYZ表色系の等色関数(λi)、(λi)、(λi)とから直接XYZ表色系の3刺激値X、Y、Zを算出するようにしてもよい。
図8(e)は、XYZ表色系の等色関数(λi)、(λi)、(λi)を示したものであり、ROM24には、図8(f)にしめすような等色関数表データを記録しておく。
次いで、色度座標(x、y、z)から色温度Ta、黒体輻射軌跡との偏差Δuvの算出を行う(ステップS6)。この算出方法としては、上述したプランクの放射則により黒体輻射の各温度での波長毎の分光エネルギーを求め、波長毎の分光エネルギーと当該波長毎の等色関数とを乗算した結果を、可視光領域全体で総計(加算)して3刺激値を求めてから、色度座標を算出することにより色温度に該当する色度座標を求めるという方法を逆算することにより色度座標に該当する色温度Taを算出することができる。ここでは、求めた色温度Taは6500K(ケルビン)とする。なお、色温度の単位は、MIREDやLB指数等のほかの単位であってもよい。
また、図2に示すような色温度と色度座標の換算テーブルを予め色温度演算部27に記録しておくことにより、この色温度と色度座標の換算テーブルを用いて色度座標から色温度Taを求めるようにしてもよい。
なお、偏差Δuvの算出方法は周知技術なのでここでは説明を省略する。
許容範囲外であると判断すると、色温度の測定が失敗した旨を報知するエラー表示を行う。
このホワイトバランスの制御の方法は多種あるが、より精密な色温度Taの計測値に基づいてホワイトバランスを制御するには、色温度TaとRGB成分の相対強度との特性データから求めた色温度Taに該当するRGB信号の利得制御量を相対強度の逆数から求めて、利得調整部11を制御することにより、ホワイトバランスを行う。
また、光源毎の識別手段や色温度検出手段等を個々に設ける必要もなく、3波長型蛍光灯など多様な光源や複数光源が混在した場合でもそのまま対応することができる。
また、色度座標や色温度を求めてホワイトバランスを行うので、蛍光灯などの光源でも、ケルビンやMIRED、LB指数など、具体的な色温度単位や、色度座標で指定したWB設定やWBブラケティング撮影なども可能となる。
また、明所視での比視感度特性に基づく等色関数に替えて、暗所視や色弱者の比視感度特性に基づく等色関数に設定して、それらの場合の刺激値や色度座標、色温度を算出するようにしてもよい。
次に、第2の実施の形態について説明する。
第2の実施の形態は、撮像した被写体の肌色がユーザ好みの肌色となるように肌色バランス制御を行うというものである。
第2の実施の形態も、図1に示したものと同様の構成を有するデジタルカメラ1を用いることにより本発明の撮像装置を実現する。
しかし、以下の点で構成の機能が異なる。
制御回路14は、第1の実施の形態に示すようにホワイトバランス制御部28によって撮像された画像データのホワイトバランスを行うと、ホワイトバランスがされた該画像データの画像(被写体のスルー画像)を表示部15に表示させる(表示制御手段)。
制御回路14は、ユーザによって指定された被写体像の一部領域が指定されたか否かを判断し、指定されたと判断すると、指定された一部領域を指定エリアとして指定する。この一部領域が指定されたか否かの判断は、キー入力部16から一部領域を指定する旨の操作信号が送られてきたか否かにより判断する。
また、制御回路14は、一部領域の指定が行われると(指定エリアの指定を行うと)、ROM24に記録されている複数の被写体の分光反射率特性R2(λi)(色の情報)の一覧表示を表示部15に表示させる。
なお、分光反射率特性R2(λi)の一覧表示を表示部15に表示させないで、例えば、肌色に近い複数の色度や色見本が並んだパレットを表示部16に表示させて、ユーザが該表示されたパレットの中から色度や色見本を選択するようにし、該選択した色度や色見本に相当する色温度(色の情報)や分光反射率特性R2(λi)(色の情報)を自動的に選択できるようにしてもよい。
刺激値演算部23は、制御回路14から設定された分光反射率特性R2(λi)を取得する旨の操作信号が送られてくると、ROM24から該選択された分光反射率特性R2(λi)の取得を行う。
色度座標演算部25は、入力された3刺激値から色度座標(x2、y2、z2)の算出を行い(補正座標算出手段)、該算出した色度座標(x2、y2、z2)を色温度演算部27に出力する。また、該算出した色度座標(x2、y2、z2)を色度座標・色温度情報メモリ29に記憶させる。
また、制御回路14は、利得調整部11r、11g、11bから出力されるRGB成分のうち、指定エリアに対応するRGB成分の取得を行い、取得したRGB成分から分光エネルギー分布L3(λi)を求める(算出手段)。そして、該求めた分光エネルギー分布L3(λi)を刺激値演算部23に出力する。
刺激値演算部23に入力された分光エネルギー分布L3(λi)から、刺激値演算部23、色度座標演算部25、色温度演算部27を介して、指定エリアの色度座標(x3、y3、z3)の算出(補正座標算出手段)、色温度Ta3の算出(補正色温度算出手段)を行う。また、該求められた色度座標(x3、y3、z3)、及び色温度Ta3は色度座標・色温度情報メモリ29に記憶する。
なお、指定エリアの分光エネルギー分布L3(λi)がシミュレーション演算によって求められたL2(λi)に略一致するようにホワイトバランス制御部28に制御信号を送るようにしてもよい。
そして制御回路14は、利得調整部11r、11g、11bから出力された撮像信号のRGBの各成分うち、ユーザによって指定された一部領域の各成分の再取得を行い、その分光エネルギー分布L´3(λi)を求め、該分光エネルギー分布L3´(λi)を刺激値演算部23に出力し、刺激値演算部23、色度座標演算部25、色温度演算部29を介して算出され、色度座標・色温度情報メモリ29に記憶された色度座標(x3´、y3´、z3´)、色温度Ta3´を被写体のスルー画像とともに表示部15に表示させる(表示制御手段)。
第2の実施の形態におけるデジタルカメラ1の動作を図10、図11のフローチャートにしたがって説明する。
測光処理を行い(ステップS21)、プリズム回折格子17によって波長毎に分光された光をセンサアレイ18、ドライバー・アンプ19、アナログデジタル変換器20により受光されたアナログ信号をデジタル信号に変換して、光源光の分光エネルギー分布L1(λi)を取得し、該取得した光源光の分光エネルギー分布の表データをエネルギー分布表メモリ21に記憶する(ステップS22)。
次いで、該算出した色温度Taを元に、利得調整部11を制御することによりホワイトバランス処理を行う(ステップS24)。
ここでまでの、動作は、第1の実施の形態と同様である。
次いで、ユーザによって指定された被写体像の一部領域を指定エリアとして指定する(ステップS26)。
ここで、ユーザは、被写体のスルー画像を見ながら、キー入力部16を操作することにより、フォーカス枠や測光枠などを操作して、好みの肌色にしたい被写体像の一部領域(顔や腕など)の指定を行う。なお、このユーザによる一部領域の指定は、タッチパネルなどにより直接一部領域を指定するようにしてもよいし、カーソルの操作により一部領域を指定するようにしてよい。
ここで、ユーザはキー入力部16を操作することにより、表示部15に表示された分光反射率特性R2(λi)の一覧表示の中から、指定した一部領域の肌色が自分の好みの肌色となるような分光反射率特性R2(λi)を選択する。なお、分光反射率特性R2(λi)の一覧表示を表示部15に表示させないで、例えば、肌色に近い複数の色度や色見本が並んだパレットを表示部16に表示させて、ユーザが該表示されたパレットの中から色度や色見本を選択するようにし、該選択された色度や色見本に相当する色温度や分光分布特性に相当する分光反射率特性R2(λi)を取得するようにしてもよい。
次いで、ステップS30で、指定した指定エリア(ユーザによって指定された被写体像の一部領域)の撮像信号のRGBの各成分を取得する。
なお、指定エリアの色温度Ta3がシミュレーション演算によって求められた分光エネルギー分布L2(λi)の色温度Ta2に略一致するようにホワイトバランス処理を行うようにしてもよい。
次いで、被写体のスルー画像とともに、色度図を表示部15に表示させ、該色度図上に該算出した指定エリアの色度座標(x3´、y3´、z3´)及び色温度Ta3´に表示させる(ステップS34)。
図を見るとわかるように、被写体(女性の顔)のスルー画像とともに色度図が表示されている。この色度図上にY軸と平行する太線100と、X軸に平行する太線110が表示されている。この太線100と太線110の交差点がステップS34で算出した色度座標(x3´、y3´)を示すものである。色度図では、色度座標のx、y、zのうちx、yのみしか表示を行わない。色度座標x、y、zは、x+y+z=1の関係を有するので、x、yとがわかれば必然的にzがわかるからである。また、枠120は一部領域を指定するためのフォーカス枠や測光枠である。
また、処理が簡易なので、高速に肌色バランスを行うことができる。
また、ユーザ好みの肌色となるように肌色バランスを行うことができる。
つまり、ROM24に各色度に相当する分光反射率特性のデータを記録しておき、指定された一部領域の色がユーザの好みの色となるような分光反射率特性をユーザが選択し、該選択された分光反射率特性と光源光の分光エネルギー分布とから、光源光が被写体に反射されて撮像系に入射する光の分光エネルギー分布をシミュレーション演算して、ホワイトバランス処理を行うようにしてもよい。
図13(g)は、XYZ表色系の代わりにマンセル表色系を表示したときの例を示すものであり、図13(h)は、CIELAB均等色空間を示したときの例を示すものである。
この場合には、計測した光源光の色度座標や色温度に基づき、WB調整後の撮像画像データから、フォーカス枠などで指定した一部領域のデータを元に、そのR、G、B信号の相対強度を求め、図3に示すような色温度とRGB成分の相対強度の特性データや換算表を参照して色温度を求め、図2の色温度と色度座標の対照表などから色度座標を求めるようにしてもよい。或いは、撮像信号のRGBから直接3刺激値を算出し、刺激値から色度座標を求めるようにしてもよい。
次に、第3の実施の形態について説明する。
第3の実施の形態は、ユーザによって設定された撮影条件にしたがって肌色ブラケット撮影、CB(カラーバランス)ブラケット撮影を行うというものである。
第3の実施の形態も、図1に示したものと同様の構成を有するデジタルカメラ1を用いることにより本発明の撮影装置を実現する。
まず、第3の実施の形態のデジタルカメラ1における、特徴となる構成の機能について説明する。
ここで、補正間隔とは、肌色ブラケット撮影、CBブラケット撮影でブラケティングされていく間隔のことをいう。例えば、色度座標(x、y)をブラケティングさせていくことにより、ブラケティング撮影を行う場合は、補正間隔が(Δx、Δy)となる。
また、0+−順の場合は、(0、補正なし)→(+1補正間隔)→(+2補正間隔)→・・→(−1補正間隔)→(−2補正間隔)→・・・の順となり、0−+順の場合は、(0、補正なし)→(−1補正間隔)→(−2補正間隔)→・・→(+1補正間隔)→(+2補正間隔)→・・の順となる。
また、補正枚数とは、ブラケット撮影により一度に連続撮影する回数のことをいう。
このブラケット撮影により被写体を連続して撮影する機能は、本発明の連続撮影制御手段に相当する。
第3の実施の形態におけるデジタルカメラ1の動作を図16〜図19フローチャートにしたがって説明する。肌色バランスブラケット撮影、カラーバランスブラケット撮影の動作はほぼ同様なので、ここでは、カラーバランスブラケット撮影の処理について説明する。
撮影モードでない場合は、現在設定されたモードが設定モードであるか否かを判断する(ステップS52)。
CBブラケット設定でない場合は、その他の設定処理を行い、CBブラケット設定である場合には、ユーザによって入力されたブラケット撮影用の撮影条件である色度座標の補正間隔(Δx、Δy)、補正順序、補正枚数i(i=2k+1)を設定して(ステップS54)、ステップS51に戻る。ここで補正間隔(Δx=0.01、Δy=0.01)、補正順序を上り順、補正枚数iを3枚と設定したものとする。また、補正枚数i(i=2k+1=3)であるから、k=1となる。
そして、エネルギー分布表メモリ21に記憶されている光源の分光エネルギー分布L(λ)から色度座標、色温度を求める(ステップS57)。この色度座標、色温度の算出方法については第1の実施の形態で述べたとおりである。
そして、該算出した色温度に基づいてホワイトバランス処理を行う(ステップS58)。
そして、現在撮像している被写体の撮影を行うか否かを判断する(ステップS61)。この判断は、シャッタボタンの操作、若しくはブラケット撮影ボタンの操作に対応する操作信号がキー入力部16から送られてきたか否かにより判断する。
撮影を行わないと判断すると(ステップS61でNOに分岐)、ステップS74に進み、その他のキー処理、表示処理などを行う。
この判断は、ブラケット撮影ボタンの操作に対応する操作信号がキー入力部16から送られてきたか否かにより判断する。なお、静止画撮影用のシャッタボタンとブラケティング撮影ボタンを別個に設けたが、予めユーザがブラケティング撮影を行う旨を指示しておき、シャッタボタンを押下するとブラケティング撮影を行うようにしてもよい。
ここではステップS54で補正順序を上り順と設定したので、上り順のCBの色度座標の初期値(x1、y1)の設定を行う(ステップS65)。
ここで、上り順の初期値(x1、y1)は、(x1=x0−k・Δx、y1=y0−k・Δy)である。
したがって、ここでは、初期値(x1=0.09、y1=0.29)となる。但し、(x0、y0)=(0.1、0.3)、(Δx、Δy)=(0.01、0.01)であり、k=1である。
次いで、撮影順序mを「m=+1」として設定して(ステップS66)、ステップS70に進む。
下り順である場合には、下り順のCBの色度座標の初期値(x1、y1)の設定を行う(ステップS68)。
ここで、下り順の初期値(x1、y1)は、(x1=x0+k・Δx、y1=y0+k・Δy)である。
したがって、この場合には初期値(x1=0.11、y1=0.31)となる。
次いで、撮影順序mを「m=−1」と設定して(ステップS69)、ステップS70に進む。
次いで、CB補正撮影処理を行う(ステップS71)。ここで、CB補正撮影処理の動作を図19のフローチャートにしたがって説明する。
したがって、ここでは、補正順序を上り順と設定しているので、(x1=0.09、y1=0.29)であることから、補正色度座標(x=0.09、y=0.29)となる。但し、「m=+1」、「j=0」、「Δx=0.01、Δy=0.01」である。
次いで、設定した撮影条件で被写体を撮影し、撮影した画像データをDRAMに記憶し(ステップS94)、DRAMに記憶した該画像データをフラッシュメモリに記録する(ステップS95)。
次いで、撮影済枚数jが撮影枚数n以上か否かを判断する(ステップS73)。ここでは、j=1であり、n=3であるので、撮影済枚数jは撮影枚数nより小さいと判断し、ステップS71に戻りCB補正撮影処理を行う。
つまり、図19のステップS91で補正色度座標(x、y)=(0.1、0.3)と設定し、設定した補正色度座標となるようにホワイトバランス処理を行いってから被写体を撮影し、該撮影した画像データをフラッシュメモリに記録する(ステップS92〜ステップS95)。
このループ(ステップS71〜ステップS73)により撮影される画像の指定された一部領域の色度座標(x、y)は、1枚目が(0.09、0.29)、2枚目が(0.1、0.3)、3枚目が(0.11、0.31)となる。
そして、撮影済枚数iが撮影枚数以上であると判断すると(ステップS73でYに分岐)、その他のキー処理、表示処理を行う(ステップS74)。
0+−順でないと判断すると、その他の処理、つまり、その他の補正順序で被写体を撮影する。
一方、0+−順であると判断すると、CBの色度座標(x1、y1)の初期値を(x1=x0、y1=y0)と設定する(ステップS76)。したがって、初期値(x1、y1)=(0.1、0.3)となる。
次いで、ステップS79に進み、CB補正撮影処理を行う。
CB補正撮影処理は上述したように、ステップS91に進み、CBブラケット撮影の補正色度座標(x、y)の設定を行う。
ここで、x=x1+m・j・Δx、y=y1+m・j・Δyなので、x=0.1+1×0×0.01=0.1、y=0.3+1×0×0.01=0.3ということになる。
次いで、図18のステップS80に進み、jを「j=j+1=0+1=1」と設定し、撮影済枚数j(j=1)が撮影枚数n(n=2)以上か否かを判断する(ステップS81)。ここでは、jはnより小さいので、ステップS79に進み上記した動作を繰り返す。
そして、2枚目の画像が撮影されると、撮影済枚数jは2となるので(j=1+1=2)、ステップS81で撮影済枚数j(j=2)は撮影済枚数n(n=2)以上と判断し、ステップS82に進む。
次いで、撮影順序mを「m=−1」と設定し(ステップS83)、撮影枚数nを「n=k」と、撮影済枚数jを「j=1」と設定する(ステップS84)。ここで、k=1なので、撮影枚数nは「1」と設定される。
次いで、ステップS85に進み、CB補正撮影処理を行う。
ここで、x=x1+m・j・Δx、y=y1+m・j・Δyなので、x=0.1+(−1)×1×0.01=0.09、y=0.3+(−1)×1×0.01=0.29ということになる。
次いで、該設定した色度座標に相当する色温度Taを算出し、該算出した色温度に基づいてホワイトバランス処理を行ってから被写体を撮影し、該撮影した画像データをフラッシュメモリに記録する(ステップS92〜ステップS95)。
補正順序が0+−順の場合に撮影される3枚目の画像の指定された一部領域の色度座標(x、y)は、(0.09、0.29)である。
また、自動的に設定された場合の肌色などが所望の肌色となっていない場合でも、ブラケット撮影した複数の中から、所望の肌色を有する画像を選択することができるので、好みの肌色やカラーを有する画像を得る確率が高くなり、シャッタチャンスを逃すことがない。
また、色度座標を少しずつ変更して(ブラケティングして)ブラケット撮影を行うようにしたが、分光反射率特性R2(λi)又は色温度Taを少しずつ変更することにより、色度座標を少しずつ変更してブラケット撮影を行うようにしてもよい。
この場合には、ユーザは補正間隔を(Δx、Δy)で設定するのではなく、ΔR2(λi)又はΔTaを設定することになる。
例えば、1枚目の画像の指定された一部領域の色度座標は(0.1、0.3)、2枚目の画像の指定された一部領域の色度座標は(0.1、0.31)、3枚目の画像の指定された一部領域の色度座標は(0.11、0.29)ということになる。
次に、第4の実施の形態について説明する。
第4の実施の形態は、撮像レンズやフィルタ等が交換可能であって、撮像レンズやフィルタ等が交換された場合でも、適正なホワイトバランスを行うというものである。
第4の実施の形態も、図1に示したものと同様の構成を有するデジタルカメラ1を用いることにより本発明の撮像装置を実現する。
しかし、以下の点で構成の機能が異なる。
また、駆動回路3は、該マイコンに記録されている撮像系(撮像レンズ2やフィルタ)の分光透過率特性T2(λi)の情報を読み出し、駆動回路3に設けられているメモリに該情報を記憶させる。また、駆動回路3は、現在のフォーカスレンズ2aの位置情報、ズームレンズ2bの位置情報もメモリに記憶させる。
また、取得部26は、制御回路14から送られてきた現在のCCD7の感度設定情報の取得を行い、該取得した感度設定情報も情報メモリ22に記憶させる。
刺激値演算部23は、エネルギー分布表メモリ21に記憶されている分光エネルギー分布L1(λi)の読み出し(第1の取得手段)、ROM24に記録されている計測系の分光透過率特性T1(λi)の読み出し(測光透過率取得手段)及びセンサアレイの分光感度特性S1(λi)の読み出しを行い(測光感度取得手段)、該読み出した分光エネルギー分布L1(λi)及び分光透過率特性T1(λi)及び分光感度特性S1(λi)から、光源の分光エネルギー分布L0(λi)のシミュレーション演算を行う(第1の演算手段)。
ここで、レンズの分光透過率特性、フィルタ(アンバー色、ブルー色)の分光透過率特性、CCD7の分光感度特性の例を図20に示す。
この図を見ると明らかなように、光源の分光エネルギー分布L0(λi)は、計測光学系の分光透過率特性T1(λi)及びセンサアレイ18の分光感度特性S1によって影響され、センサアレイ18から出力される分光エネルギー分布L1(λi)は、光源の分光エネルギー分布L0(λi)と同一となることはなく、センサアレイ18から出力される分光エネルギー分布L1(λi)は、L1(λi)=L0(λi)・T1(λi)・S1(λi)で表せることができる。
したがって、光源の分光エネルギー分布L0(λi)は、数7によって求めることができる。
そして、刺激値演算部23は、取得した撮像光学系の分光透過率特性T2(λi)、CCD7の分光感度透過率特性S2(λi)及び算出した光源の分光エネルギー分布L0(λi)からCCD7から出力される分光エネルギー分布L2(λi)のシミュレーション演算を行う(取得手段)。
図を見るとわかるように、光源の分光エネルギー分布L0(λi)は、撮像光学系の分光透過率特性T2(λi)、CCD7の分光感度特性S2(λi)によって影響され、CCD7から出力される分光エネルギー分布L2(λi)は数8にしたがって求めることができる。
他は、第1の実施の形態と同様なので説明を省略する。
第1の実施の形態におけるデジタルカメラ1の動作を図22、図23のフローチャートにしたがって説明する。
ステップS101で、予めROM24に記録されている計測光学系やフィルタ等の分光透過率特性T1(λi)及びセンサアレイ18の分光感度特性S1(λi)を読み出して設定を行う。
次いで、取得した分光分布データL1(λi)と、ステップS1で設定した計測光学系やフィルタの分光透過率T1(λi)及びセンサアレイ18の分光感度特性S1(λi)を元に、入射光源のエネルギー分布L0(λi)を数7にしたがって算出する(ステップS104)。
次いで、情報メモリ22に該記憶したレンズやフィルタや、ズームレンズ位置毎などの撮像光学系の分光透過率特性T2(λi)と、ズームレンズ2bの位置等を参酌することにより、適切な撮像光学系の分光透過率特性T2(λi)を情報メモリ22から取得し、設定を行う。また、情報メモリ22に該記憶した現在の感度設定情報を参酌して、ROM24に記録されているCCD7の感度毎の分光透過率特性S2(λi)から適切なCCD7の分光感度特性S2(λi)を取得し、設定を行う(ステップS106)。
次いで、該算出した分光エネルギー分布L2(λi)とRGB表色系の等色関数から3刺激値R、G、Bを数1又は数2にしたがって算出する(ステップS108)。
次いで、3刺激値X、Y、Zから色度座標(x、y、z)の算出を数4にしたがって行う(ステップS110)。
次いで、色度座標の変換を行うと、色度座標から色温度Ta、黒体輻射軌跡との偏差Δuvの算出を行う(ステップS111)。この色温度Ta、偏差Δuvの算出は周知技術(例えば、国際照明学会などの技術により)なので省略する。
また、図2に示すような色度座標と色温度Taなどの換算テーブルをROM24に記録させておき、それを参照して色温度Taなどを求めるようにしてもよい。
許容範囲内であると判断すると(ステップS112でYに分岐)、ステップS11で求めた色温度に基づいてホワイトバランスの制御を行う(ステップS113)。
一方、許容範囲内でないと判断すると色温度の測定が失敗したと判断し、エラー処理を行う。
また、第4の実施の形態によるホワイトバランスを行ってから、第2の実施の形態で説明したような肌色バランスやカラーバランス、及び第3の実施の形態で説明したような肌色バランスブラケット撮影、カラーバランスブラケット撮影を行うようにしてもよい。つまり、第4の実施の形態と第2、第3の実施の形態とを組み合わせるようにしてもよい。
また、撮像レンズ2にマイコンを実装することが難しい場合には、レンズやフィルタの型番、規格、仕様などをユーザのキー入力部16の操作により入力された規格等、又は、一覧表リストを表示させて選択された規格等を設定することにより、該設定された規格に対応する分光透過率特性T2(λi)を取得するようにしてもよい。この場合には、予め、ROM24などに、該規格等に対応する分光透過率特性T2(λi)が複数記録されていることは言うまでもない。
また、上記第3、第4の実施の形態におけるホワイトバランス装置は、デジタルカメラに限定されるものではなく、カメラ付き携帯電話、カメラ付きPDA、カメラ付きパソコン等、又はデジタルビデオカメラでもよく、要は、被写体を撮影することができる装置であれば何でもよい。
2 撮像レンズ
3 駆動回路
4 絞り兼用シャッタ
5 垂直ドライバ
6 TG
7 CCD
8 サンプルホールド回路
9 アナログデジタル変換器
10 色分離回路
11 利得調整部
12 画像信号処理部
13 メモリ
14 制御回路
15 表示部
16 キー入力部
17 プリズム回折格子
18 センサアレイ
19 アンプ
20 アナログデジタル変換器
21 エネルギー分布表メモリ
22 情報メモリ
23 刺激値演算部
24 ROM
25 色度座標演算部
26 取得部
27 色温度演算部
28 ホワイトバランス制御部
29 色度座標・色温度情報メモリ
Claims (29)
- 撮像信号を取得する取得手段と、
入射された光源を波長毎に分光する分光手段と、
前記分光手段により分光された波長毎の光の分光エネルギー分布を取得する分光取得手段と、
前記分光取得手段により取得された分光エネルギー分布に基づいて、前記取得手段により取得された撮像信号の利得を制御することによりホワイトバランスを行うホワイトバランス制御手段と、
を備えたことを特徴とするホワイトバランス装置。 - 前記分光取得手段により取得された分光エネルギー分布から3刺激値を算出する刺激算出手段と、
前記刺激算出手段により算出された3刺激値から色度座標を算出する座標算出手段と、
を備え、
前記ホワイトバランス制御手段は、
前記座標算出手段により算出された色度座標に基づいて、前記取得手段により取得された撮像信号の利得を制御することによりホワイトバランス制御を行うことを特徴とする請求項1記載のホワイトバランス装置。 - 前記刺激算出手段は、
前記分光取得手段により取得された分光エネルギー分布と等色関数とから3刺激値を算出することを特徴する請求項2記載のホワイトバランス装置。 - 前記座標算出手段により算出された色度座標から色温度を算出する色温度算出手段を備え、
前記ホワイトバランス制御手段は、
前記色温度算出手段により算出された色温度に基づいて、前記取得手段により取得された撮像信号の利得を制御することによりホワイトバランス制御を行うことを特徴とする請求項3記載のホワイトバランス装置。 - 前記色温度算出手段は、
前記座標算出手段により算出された色度座標と、黒体輻射軌跡に対応する色温度ととから、該色度座標に対応する色温度を算出することを特徴とする請求項4記載の撮影装置。 - 前記取得手段により取得された撮像信号の画像を表示手段に表示させる表示制御手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のホワイトバランス装置。
- 前記表示制御手段は、
取得手段により取得された撮像信号の画像を前記表示手段に表示させるとともに色度図及び該色度図上に前記座標算出手段により算出された色度座標を表示させることを特徴とする請求項6記載のホワイトバランス装置。 - 前記表示制御手段は、
RGB表色系の色度図、XYZ表色系の色度図、UVW表色系のUV色度図のうち1つを表示させることを特徴とする請求項7記載のホワイトバランス装置。 - 前記表示制御手段は、
前記表示手段に表示させる色度図及び色度座標の代わりに、U*V*W*均等色空間、CIELABのL*A*B*均等色空間、もしくはマンセル色空間などの色空間図及び色空間座標もしくは色相、彩度、明度等を表す指数等を表示させることを特徴とする請求項7記載のホワイトバランス装置。 - ユーザが前記表示手段に表示された画像の一部領域を指定するための指定手段と、
前記指定手段によって指定された画像の一部領域の色の情報を設定する設定手段と、
前記指定手段により指定された一部領域が前記設定手段により設定された色となるように、前記取得手段により取得された撮像信号の利得を制御することによりホワイトバランスの補正制御を行うホワイトバランス補正制御手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1乃至9記載のホワイトバランス装置。 - 前記分光取得手段により取得された分光エネルギー分布と前記選択手段により選択された色の情報とから、補正分光エネルギー分布をシミュレーション演算する演算手段と、
前記取得手段により取得された撮像信号のうち前記指定手段により指定された一部領域の撮像信号の撮像分光エネルギー分布を算出する算出手段と、
を備え、
前記ホワイトバランス補正制御手段は、
前記算出手段により算出された撮像分光エネルギー分布が前記演算手段によりシミュレーション演算された補正分光エネルギー分布となるようにホワイトバランスの補正制御を行うことを特徴とする請求項10記載のホワイトバランス装置。 - 前記演算手段によりシミュレーション演算された補正分光エネルギー分布、及び、前記算出手段により算出された撮像分光エネルギー分布のそれぞれの色度座標を算出する補正座標算出手段を備え、
前記ホワイトバランス補正制御手段は、
前記補正座標算出手段により算出された撮像分光エネルギー分布の色度座標が、前記補正座標算出手段により算出された補正分光エネルギー分布の色度座標となるように撮像信号の利得を制御する制御することにより、ホワイトバランスの補正制御を行うことを特徴とする請求項11記載のホワイトバランス装置。 - 前記補正座標算出手段により算出された撮像分光エネルギー分布の色度座標、及び、補正分光エネルギー分布の色度座標からそれぞれの色温度を算出する補正色温度算出手段を備え、
前記ホワイトバランス補正制御手段は、
前記補正色温度算出手段により算出された撮像信号の分光エネルギー分布の色温度が、前記補正色温度算出手段により算出された補正分光エネルギー分布の色温度となるように撮像信号の利得を制御することにより、ホワイトバランスの補正制御を行うことを特徴とする請求項12記載のホワイトバランス装置。 - 前記設定手段は、
ユーザによって選択された分光反射率特性を色の情報として設定することを特徴する請求項10乃至13記載のホワイトバランス装置。 - 前記設定手段は、
ユーザによって選択された色に対応する分光反射率特性を色の情報として設定することを特徴とする請求項14記載のホワイトバランス装置。 - 前記設定手段は、
ユーザが前記表示手段に表示された色度図の座標カーソルの加減補正することにより選択された色度座標を色の情報として設定することを特徴とする請求項10記載のホワイトバランス装置。 - 前記取得手段により取得された撮像信号のうち前記指定手段により指定された一部領域の撮像信号の撮像分光エネルギー分布を算出する算出手段と、
前記算出された撮像分光エネルギー分布から色度座標を算出する撮像座標算出手段と、
を備え、
前記ホワイトバランス補正制御手段は、
前記撮像座標算出手段により算出された色度座標が、前記設定手段により設定された色度座標となるように、撮像信号の利得を制御することによりホワイトバランスの補正制御を行うことを特徴とする請求項16記載のホワイトバランス装置。 - 前記取得手段は、
記録手段に記録されたデータから撮像信号を取得することを特徴とする請求項1乃至17記載のホワイトバランス装置。 - 前記取得手段は、
被写体を撮像する撮像素子により撮像された撮像信号を取得することを特徴とする請求項1乃至17記載のホワイトバランス装置。 - 前記取得手段は、
前記分光手段を介して測光用センサアレイによって受光された波長毎の光の分光エネルギー分布を取得する第1の取得手段と、
計測光学系の分光感度特性を取得する計測透過率取得手段と、
前記測光用センサアレイの分光感度特性を取得する測光感度取得手段と、
前記撮像光学系の分光透過率特性を取得する撮像透過率取得手段と、
前記撮像素子の分光感度特性を取得する撮像感度取得手段と、
前記第1の取得手段により取得された分光エネルギー分布、及び、前記計測透過率取得手段により取得された計測光学系の分光透過率特性、及び、前記測光感度取得手段により取得された測光用センサアレイの分光感度特性から光源の分光エネルギー分布をシミュレーション演算する第1の演算手段と、
を備え、
前記第1の演算手段によりシミュレーション演算された光源の分光エネルギー分布、及び、前記撮像透過率取得手段により取得された撮像光学系の分光透過率特性、及び、前記撮像感度取得手段により取得された撮像素子の分光感度特性から、前記撮像素子によって受光された分光エネルギー分布をシミュレーション演算し、該得られた分光エネルギー分布を取得することを特徴とする請求項19記載のホワイトバランス装置。 - 前記撮像透過率取得手段は、
撮像光学系である撮像レンズやフィルタ、フォーカスレンズの位置、ズームレンズの位置から適切な撮像光学系の分光透過率特性を取得することを特徴とする請求項20記載のホワイトバランス装置。 - 前記撮像感度取得手段は、
前記撮像素子の現在の感度情報から適切な撮像素子の分光感度特性を取得することを特徴とする請求項20又は21記載のホワイトバランス装置。 - 連続して前記撮像素子による被写体の撮影を制御する連続撮影制御手段を備えたことを特徴とする請求項19乃至22の何れかに記載のホワイトバランス装置。
- 前記設定手段は、
前記連続撮影制御手段により連続して被写体を撮影するごとに、異なる色の情報を設定し。
前記ホワイトバランス補正制御手段は、
前記指定手段により指定された一部領域が前記設定手段により設定された色となるように撮像信号の利得を制御することによりホワイトバランスの補正制御を行うことを特徴とする請求項23記載のホワイトバランス装置。 - 少なくともユーザがブラケティングさせる色の情報の補正間隔を入力するための補正間隔入力手段を備え、
前記設定手段は、
前記連続撮影制御手段により連続して被写体を撮影するごとに、前記補正間隔入力手段により入力された色の情報の補正間隔にしたがって、色の情報を設定することを特徴とする請求項24記載のホワイトバランス装置。 - 前記色の情報の補正間隔は、
色度座標の補正間隔、色温度の補正間隔、分光反射率特性の補正間隔のうち1であることを特徴とする請求項25記載のホワイトバランス装置。 - 前記補正間隔入力手段は、
更に、補正順序、補正枚数を入力するための入力手段を備え、
前記設定手段は、
前記連続撮影制御手段により連続して被写体を撮影するごとに、前記補正間隔入力手段により入力された色の情報の補正間隔、補正順序、補正枚数にしたがって、色の情報をブラケティングさせて異なる色の情報を設定していくことを特徴とする請求項25又は26記載のホワイトバランス装置。 - 撮像信号を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された撮像信号から色度座標を算出する第1の算出手段と、
前記取得手段により取得された撮像信号の画像を表示手段に表示させるとともに、色度図及び該色度図上に前記第1の算出手段により算出された色度座標を表示させる表示制御手段と、
ユーザが前記表示手段に表示された画像の一部領域を指定するための指定手段と、
ユーザが前記表示手段に表示された色度図の座標カーソルを加減補正することにより前記指定手段により指定された一部領域の色度座標を設定するための設定手段と、
前記指定手段により指定された一部領域の撮像信号から一部領域の色度座標を算出する第2の算出手段と、
前記第2の算出手段により算出された一部領域の色度座標が前記設定手段により設定された色度座標となるように、前記取得手段により取得された撮像信号の利得を制御することによりホワイトバランスの制御を行うホワイトバランス制御手段と、
を備えたことを特徴とするホワイトバランス装置。 - 撮像信号を取得する取得処理と、
入射された光源を波長毎に分光された波長毎の光の分光エネルギー分布を取得する分光取得処理と、
この処理により取得された分光エネルギー分布に基づいて、前記取得処理により取得された撮像信号の利得を制御することによりホワイトバランスを行う処理と、
を含み、上記各処理をコンピュータで実行させることを特徴とするプログラム。
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