JP2006054080A - 炭化水素系ポリマーを含有する電解質層を用いた多層電解質膜、これを用いた膜−電極接合体、この製造方法及びこれを用いた燃料電池 - Google Patents

炭化水素系ポリマーを含有する電解質層を用いた多層電解質膜、これを用いた膜−電極接合体、この製造方法及びこれを用いた燃料電池 Download PDF

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康生 久保田
Koichi Uejima
浩一 上島
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信司 武田
Hideyasu Tachiki
秀康 立木
Shoichi Sasaki
晶市 佐々木
Hiroyuki Sonobe
宏幸 園部
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Abstract

【課題】 水ならびにアルコール、特にメタノールに対する膨潤が小さく、水素ガス低透過性、メタノール低透過性を示す電解質膜、これを用いた膜-電極接合体ならびに燃料電池を提供すること。
【解決手段】 酸生成基を有する炭化水素系ポリマーを含有する電解質層を2層以上含有する多層電解質膜であって、1層に含まれる前記ポリマーのイオン交換容量が、他の1層に含まれる前記ポリマーのイオン交換容量と異なることを特徴とする多層電解質膜を提供する。また、この多層電解質と電極とを含む膜-電極接合体を用いた燃料電池を提供する。

Description

炭化水素系ポリマーを含有する電解質層を用いた多層電解質膜、これを用いた膜-電極接合体、この製造方法及びこれを用いた燃料電池。
燃料電池は、発電効率が高く、環境性に優れており、現在大きな課題となっている環境問題、エネルギー問題の解決に貢献可能な次世代の発電装置として期待されている。
この燃料電池の中でも固体高分子型燃料電池は、他のいずれの方式に比べても小型かつ高出力であり、小規模オンサイト型、移動体(車載)用、携帯用の燃料電池として次世代の主力とされている。
現状では、固体高分子型燃料電池はまだ実用段階に至っていないが、試作、あるいはテスト段階で用いられている燃料電池の高分子電解質膜としては、パーフルオロアルキレン基を主骨格とし、一部にパーフルオロビニルエーテル側鎖の末端にスルホン酸基、カルボン酸基等のイオン交換基を有するフッ素系の高分子電解質膜として「ナフィオン(R)」、「フレミオン(R)」等が知られている。
しかし、現状で用いられている燃料電池の高分子電解質膜である「ナフィオン(R)」等では、100℃を超える条件で運転しようとすると、高分子電解質膜の含水率が急激に落ちるほか、高分子電解質膜の軟化も顕著となる。
また、特に直接メタノール型燃料電池は高エネルギー密度を有するメタノールを燃料として使用できかつ小型化できるため携帯機器用(携帯電話、PDA、ノート型パソコンなど)ポータブル電源としての実用化が将来が期待されている。従来の「ナフィオン(R)」の様なフッ素系プロトン伝導性高分子材料を電解質として用いた場合、アノードから通リ抜けたメタノールが電解質中を拡散して、カソードに到達し、そこでカソード触媒上で酸化剤(O2)と直接反応するという短絡現象(クロスオーバー)を起こし、電池性能を著しく低下させることから十分な性能を発揮することができないという問題がある。このメタノールクロスオーバーは、燃料であるメタノールの濃度が高いほど、また、電極の触媒作用が活発になる高温ほど顕著に起こる。
このような問題を解決するため、従来からフッ素系膜の代わりとなる耐熱性の芳香族環にスルホン酸基のような酸生成基を導入した高分子電解質膜の検討が種々行なわれている。高分子電解質膜の耐熱性や化学的安定性を考慮すると、化合物骨格としては、芳香族ポリアリーレンエーテルケトン類、たとえば、ポリエーテルエーテルケトンをスルホン化したもの(特許文献1)、スルホン化ポリスチレン等が挙げられる。
しかし、合成されたポリマーを硫酸、発煙硫酸等の強酸で直接スルホン酸化する方法では、スルホン酸基量を制御することが難しい。また、スルホン酸基量が制御できず多くのスルホン酸基がポリマー中に導入した際、スルホン酸基は親水性であることから高分子電解質膜の耐水性が悪化して、水の膨潤による高分子電解質膜の強度低下等により高分子電解質膜が破損してしまう課題がある。また、このメタノールクロスオーバーを回避するために、特定のプロトン酸基を有するポリイミドを電解質膜として使用する方法があるが(特許文献2)、この方法では、実際の燃料電池に適用した際、電流密度を大きくすると出力電圧の降下が大きくなるという欠点がある。
したがって、電解質膜の膨潤及びメタノール透過を抑制することが課題となっている。
特開平6−93114号公報 特開2003−338298号公報
本発明の目的は、水ならびにアルコール、特にメタノールに対する膨潤が小さく、水素ガス低透過性、メタノール低透過性を示す電解質膜、これを用いた膜-電極接合体ならびに燃料電池を提供することにある。
また、本発明の目的は、上記のようにメタノール低透過性で、かつプロトン伝導率の高い電解質膜、これを用いた膜-電極接合体ならびに燃料電池を提供することにある。
さらに、本発明の目的は、環境適合性材料を用いた電解質膜であって、メタノール等の溶媒に対する膨潤が小さく、メタノール低透過性で、かつプロトン伝導率の高い電解質膜を提供することにある。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、酸生成基を有する炭化水素系ポリマーを含有する電解質層を2層以上含有する多層電解質膜を燃料電池用の固体高分子膜として採用し、かつ、1層に含まれる前記ポリマーのイオン交換容量が、他の1層に含まれる前記ポリマーのイオン交換容量と異なるように電解質層を選択することにより、水、メタノール等の液体に対する膨潤が小さく、メタノール低透過性で、かつプロトン伝導率の高い電解質膜を提供することができることを見出した。
即ち、本発明は、酸生成基を有する炭化水素系ポリマーを含有する電解質層を2層以上含有する多層電解質膜であって、1層に含まれる前記ポリマーのイオン交換容量が、他の1層に含まれる前記ポリマーのイオン交換容量と異なることを特徴とする多層電解質膜に関するものである。
また、本発明は、これら多層電解質膜に含まれる酸生成基を有する炭化水素系ポリマーを含有する電解質層の各層を互いに積層することを含む多層電解質膜の製造方法に関する。
さらに、本発明は、電極と、該電極の少なくとも1面に設けた上記多層電解質膜とを含む、膜-電極接合体及びその製造方法に関する。
加えて、本発明は、上記膜-電極接合体を用いた燃料電池、及びその製造方法、特に、上記多層電解質膜を2つの電極の間に配置して膜-電極接合体を得る工程を含む、燃料電池の製造方法に関する。
本発明により、水ならびにメタノール等の液体に対する膨潤が小さく、水素ガス低透過性、メタノール低透過性を示し、かつプロトン伝導率の高い電解質膜、それを用いた膜-電極接合体ならびに燃料電池を提供することができる。また、本発明の多層電解質膜は、メタノール低透過性を有することから、高濃度のメタノール燃料を使用することができる。従って、本発明の多層電解質膜を使用した燃料電池は、燃料電池のエネルギー密度を高めることができる。このような優位な特性を有する本発明の燃料電池は、特に、移動通信用、建築・土木工事用等の数10kW〜数100W程度の小型電源のポータブル化に対応できる。
さらに、本発明により、環境適合性のある材料を用いた燃料電池を提供することができる。
本発明を更に詳細に説明する。
(1)多層電解質膜
本発明の多層電解質膜は、酸生成基を有する炭化水素系ポリマー、任意のその他の樹脂、及び任意の添加剤を含有する樹脂組成物からなる電解質層を2層以上含有する。
(1-1)多層電解質膜に含まれる電解質層の構成
本発明の多層電解質膜は、酸生成基を有する炭化水素系ポリマーを含有する電解質層を2層以上含有するもの、例えば、2層、3層、4層又は5層の多層電解質膜である。さらに、2層以上の電解質層のうちの特定の2層において、1層に含まれる前記ポリマーのイオン交換容量が、他の1層に含まれる前記ポリマーのイオン交換容量と異なるものである。一般に、イオン交換容量が高いと、プロトン伝導性が向上し、ひいては燃料電池の性能を向上することができる。しかし、イオン交換容量が高いと、水に対する耐膨潤性が低下し、耐水性が悪化して電解質膜の強度が低下する傾向がある。また、メタノールに対する耐透過性も低下し、メタノールを透過しやすくなる傾向がある。
一方、イオン交換容量が低いと、プロトン伝導性が低下するが、水及びアルコール等に対する耐膨潤性が向上し、また、水素やメタノールに対する耐透過性も向上する。本発明は、イオン交換容量の異なる少なくとも2層の電解質層を多層電解質膜に含めることにより、プロトン伝導性の向上、水に対する耐膨潤性の向上、及びメタノールに対する耐透過性の相乗的な向上を図るものである。
多層電解質膜中の電解質層の構成は、特に限定はないが、イオン交換容量が高いポリマーを使用した電解質層を、アノード側(アルコール燃料供給側)に配置することが、プロトン伝導性の面から好ましい。また、奇数枚の電解質層を使用する場合、イオン交換容量が高いポリマーを使用した電解質層を最外面に配置することが、プロトン伝導性の面から好ましい。
酸生成基を有する炭化水素系ポリマーのイオン交換容量は、膜に十分なプロトン伝導性及び機械強度を与えるために、例えば、0.03〜5.00 meq./g、好ましくは、0.04〜4.50 meq./gであることが適当である。0.03meq./g以上であれば、電池の電気抵抗が上昇することもなく、また、5.00meq./g以下であれば、十分な電解質膜の機械強度が得られるので好ましい。
また、2層以上の電解質層のうち、1層に含まれる前記ポリマーのイオン交換容量と、他の1層に含まれる前記ポリマーのイオン交換容量との差が、例えば、0.01〜5.00meq./g、好ましくは、0.01〜4.00meq./gであることが適当である。0.01meq./g以上であれば、高いプロトン伝導率を維持できるので好ましく、また、5.00meq./g以下であれば、高い機械強度を維持できるので好ましい。また、イオン交換容量との差を有するポリマーを含有する2層の電解質は、互いに隣接していることが好ましい。
本発明の電解質層の積層構造に特に制限は無い。積層構造において隣接する層との間に電気的に不導部分となる隙間がないよう、互いに接着接触しているのが好ましい。層間に独立した隙間がなければ、燃料電池の電気抵抗の上昇を優位に防止することができるからである。
(1-2) 酸生成基を有する炭化水素系ポリマーの構造
本発明の酸生成基を有する炭化水素系ポリマーは、下記の式(1)で表わされる繰返し単位と、下記の式(2)で表わされる繰返し単位とを含む。
式(1) −Ar1−O−
[式(1)において、Ar1は下記の式(3)、(4)及び(5)からなる群から選択される少なくとも一の式で表わされる結合単位を示す。]
式(2) −Ar2−O−
[式(2)において、Ar2は下記の式(6)、(7)、(8)及び(9)からなる群から選択される少なくとも一の式で表わされる結合単位を示す。]
以下、式(3)〜(9)で表される結合単位について詳細に説明する。
式(3):



Figure 2006054080

式(3)において、Aは直接結合、−O−、−S−、−S(O)−、−S(O)2−、−C(O)−、−P(O)(C65)−、−C(CH32−、−C(CF32−、

Figure 2006054080

または炭素数1〜6のアルキレン基を示す。B、C、D、Eはそれぞれ独立に水素、炭素数1〜6の脂肪族基、フェニル基、ニトロ基、塩素、臭素、及びヨウ素からなる群より選択される基であり、ただし、B、C、D、Eのうち少なくとも2種は水素よりなる。
式(3)はAからEによって形成されるあらゆる構造を選択し得る。
上式(3)の例としては、
−C64−SO2−C64−、
−C64−CO−C64−、
−C64−PO(C65)−C64−、
−C64−C(CF32−C64−、
−C64−C(CH32−C64−、
−C64−C(C642−C64−、
−C64−O−C64−、
−C64−C64−、
−C64−S−C64−、
等が挙げられる。
好ましくは、
−C64−SO2−C64−、
−C64−CO−C64−、
−C64−PO(C65)−C64−、
−C64−O−C64−、
−C64−C64−、
−C64−S−C64−、
−C64−C(C642−C64−、
等が挙げられる。
特に好ましくは、
−C64−SO2−C64−、
−C64−CO−C64−、
−C64−PO(C65)−C64−、
−C64−O−C64−、
−C64−C64−、
−C64−C(C642−C64−、
等が挙げられる。
式(4):

Figure 2006054080

式(4)において、Fは直接結合、−O−、−S−、−S(O)−、−S(O)2−、−C(O)−、−P(O)(C65)−、−C(CH32−、−C(CF32−、

Figure 2006054080

または炭素数1〜6のアルキレン基を示す。
式(4)は、Fによって形成されるあらゆる構造を選択し得る。
式(4)の例としては、

Figure 2006054080

等が挙げられる。
式(5):

Figure 2006054080
である。
式(5)の例としては、









Figure 2006054080

等が挙げられる。
式(6):

Figure 2006054080

式(6)において、Lは直接結合、−O−、−S−、−S(O)−、−S(O)2−、−C(O)−、−P(O)(C65)−、−C(CH32−、−C(CF32−、

Figure 2006054080

または炭素数1〜6のアルキレン基を示す。Nは水素、炭素1〜6の脂肪族基、フェニル基、ニトロ基、塩素、臭素、及びヨウ素からなる群より選択される基であり、MはSO3H、COOH、及びPO32からなる群より選択される酸基を示す。nは1から4の置換基数を表わし、mは4−nの置換基数を表わす。
式(6)の例としては、
−C63(SO3H)−SO2−C63(SO3H)−,
−C63(SO3H)−CO−C63(SO3H)−,
−C63(SO3H)−C63(SO3H)−,
−C63(SO3H)−PO(C65)−C63(SO3H)−,
−C63(SO3H)−O−C63(SO3H)−,
−C63(SO3H)−S−C63(SO3H)−,
−C63(SO3H)−C(C642−C63(SO3H)−,
−C63(SO3H)−C(CF32−C63(SO3H)−,
−C63(SO3H)−C(CH32−C63(SO3H)−,
−C63(PO32)−SO2−C63(PO32)−,
−C63(PO32)−CO−C63(PO32)−,
−C63(PO32)−C63(PO32)−,
−C63(PO32)−PO(C65)−C63(PO32)−,
−C63(PO32)−O−C63(PO32)−,
−C63(PO32)−S−C63(PO32)−,
−C63(PO32)−C(C642−C63(PO32)−,
−C63(PO32)−C(CF32−C63(PO32)−,または
−C63(PO32)−C(CH32−C63(PO32)−
等が挙げられる。
好ましくは、
−C63(SO3H)−SO2−C63(SO3H)−,
−C63(SO3H)−CO−C63(SO3H)−,
−C63(SO3H)−C63(SO3H)−,
−C63(SO3H)−PO(C65)−C63(SO3H)−,
−C63(SO3H)−O−C63(SO3H)−,
−C63(SO3H)−S−C63(SO3H)−,
−C63(SO3H)−C(C642−C63(SO3H)−,
−C63(SO3H)−C(CF32−C63(SO3H)−,または
−C63(SO3H)−C(CH32−C63(SO3H)−
等が挙げられる。
特に好ましくは、
−C63(SO3H)−SO2−C63(SO3H)−,
−C63(SO3H)−CO−C63(SO3H)−,
−C63(SO3H)−C63(SO3H)−,
−C63(SO3H)−PO(C65)−C63(SO3H)−,
−C63(SO3H)−O−C63(SO3H)−,
−C63(SO3H)−S−C63(SO3H)−,または
−C63(SO3H)−C(C642−C63(SO3H)−,
等が挙げられる。
式(7):

Figure 2006054080

式(7)において、Xは直接結合、−O−、−S−、−S(O)−、−S(O)2−、−C(O)−、−P(O)(C65)−、−C(CH32−、−C(CF32−、

Figure 2006054080

または炭素数1〜6のアルキレン基を示す。Pは水素、炭素数1〜6の脂肪族基、フェニル基、ニトロ基、塩素、臭素、及びヨウ素からなる群より選択される基であり、QはSO3H、COOH、及びPO32からなる群より選択される酸基を示す。nは1から4の置換基数を表わし、mは4−nの置換基数を表わす。
上式(7)の例としては、

Figure 2006054080

等が挙げられる。
好ましくは、

Figure 2006054080

等が挙げられる。
式(8):

Figure 2006054080

式(8)において、Yは直接結合、−O−、−S−、−S(O)−、−S(O)2−、−C(O)−、−P(O)(C65)−、−C(CH32−、−C(CF32−、

Figure 2006054080

または炭素数1〜6のアルキレン基を示す。Sは水素、炭素数1〜6の脂肪族基、フェニル基、ニトロ基、塩素、臭素、及びヨウ素からなる群より選択される基であり、TはSO3H、COOH、及びPO32からなる群より選択される酸基を示す。nは1から4の置換基数を表わし、mは4−nの置換基数を表わす。
式(8)の例としては、

Figure 2006054080

等が挙げられる。
好ましくは、








Figure 2006054080

等が挙げられる。
式(9):

Figure 2006054080

式(9)において、Uは水素または炭素数1〜6の脂肪族基、フェニル基、ニトロ基、塩素、臭素、及びヨウ素からなる群より選択される基であり、VはSO3H、COOH、及びPO32からなる群より選択される酸基を示す。nは1から4の置換基数を表わし、mは4−nの置換基数を表わす。
上式(9)の例としては、

Figure 2006054080

等が挙げられる。
好ましくは、

Figure 2006054080

等が挙げられる。
本発明の酸生成基を有する炭化水素系ポリマー中に含有される結合単位Ar1の構造は必ずしも一種類に限定されるものではなく、二種類以上の構造からなるAr1が同じ化合物中に含有されていてもよい。同様に、本発明の酸生成基を有する炭化水素系ポリマー中に含有される結合単位Ar2の構造は必ずしも一種類に限定されるものではなく、二種類以上の構造からなるAr2が同じ化合物中に含有されていてもよい。
式(1)におけるAr1の前駆体の例としては、4,4’−ジクロロジフェニルスルホン、4,4’−ジフルオロジフェニルスルホン、4,4’−ジフルオロベンゾフェノン、1,3−ジクロロナフタレン、1,3−ジフロロナフタレン、1,5−ジクロロナフタレン、1,5−ジフロロナフタレン、式(4)に示すキノリン誘導体のジフルオロ又はジクロロ化合物等のハロゲン化合物、4,4’−ビフェノール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)メタン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルチオエーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、1,3−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、式(4)に示すキノリン誘導体のジヒドロキシ化合物等のヒドロキシ化合物などが挙げられる。
式(2)におけるAr2の前駆体の例としては、スルホン酸基含有4,4’−ジクロロジフェニルスルホン、スルホン酸基含有4,4’−ジフルオロジフェニルスルホン、スルホン酸基含有4,4’−ジクロロベンゾフェノン、スルホン酸基含有4,4’−ジフルオロベンゾフェノン、スルホン酸基含有1,3−ジクロロナフタレン、スルホン酸基含有1,3−ジフルオロナフタレン、スルホン酸基含有1,5−ジクロロナフタレン、スルホン酸基含有1,5−ジフルオロナフタレン、式(7)または(8)に示すスルホン酸基含有キノリン誘導体のジフルオロ又はジクロロ化合物等のスルホン酸基含有ハロゲン化合物、スルホン酸基含有4,4’−ジヒドロキシビフェニル、スルホン酸基含有4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、スルホン酸基含有4,4’−ジヒドロキシジフェニルチオエーテル、スルホン酸基含有4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、スルホン酸基含有4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、スルホン酸基含有1,3−ジヒドロキシナフタレン、スルホン酸基含有1,5−ジヒドロキシナフタレン、式(7)又は式(8)に示すスルホン酸基含有キノリン誘導体のジヒドロキシ化合物等のスルホン酸基含有ジヒドロキシ化合物などが挙げられる。
本発明の一つの酸生成基を有する炭化水素系ポリマー中において、式(1)で表わされる繰返し単位の化学構造は繰返し単位ごとに異なり得る。これは式(2)で表わされる繰返し単位についても同様である。そして、式(1)で表わされる繰返し単位と、式(2)で表わされる繰返し単位とは、ランダム共重合の形で結合していてもよく、ブロック共重合の形で結合していてもよい。
さらに、式(1)と式(2)で表わされる繰返し単位間にその他の繰返し単位が含まれていてもよい。
式(1)または式(2)で表わされる繰返し単位以外の繰返し単位には、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、テトラメチレンオキシド等のアルキレンエーテル、パーフルオロアルキレンエーテル、芳香族イミド、アミド、オキサゾール、チアゾール等の結合を有する芳香族エーテル、チオフェン、ピロール等のヘテロ環含有芳香族エーテル、芳香族スルフィド等がある。
本発明の酸生成基を有する炭化水素系ポリマーは、上記の式(2)で表わされる繰返し単位のモル数の合計αと、式(1)及び(2)で表わされる繰返し単位のモル数の合計βが、0.01≦α/β≦1の関係を満たすことが好ましい。これは、上記範囲内の比率において、式(1)、(2)で表わされる繰返し単位以外の繰返し単位を含む多層電解質膜を作製した場合には、繰返し単位(1)、(2)のみから多層電解質膜を作製した場合と同程度の良好なプロトン伝導率が得られるためである。上記関係式は、プロトン伝導率と耐久性の観点から、0.1≦α/β≦0.8の関係であることが好ましく、0.2≦α/β≦0.6の関係であることが特に好ましい。α/βが0.01以上であれば、十分な耐久性を保持しつつ、多層電解質膜としたときに十分なプロトン伝導率を維持できる。
(1-3) 酸生成基を有する炭化水素系ポリマーの調製
本発明に用いられる酸生成基を有する炭化水素系ポリマーの調製方法は、特に限定されないが、例えば、炭化水素系ポリマーに酸生成基を導入するか、又は、モノマーに酸生成基を導入して酸生成基含有モノマーを得、この酸生成基含有モノマーを重合する方法が挙げられる。
(1-3-1)炭化水素系ポリマー
酸生成基が導入される炭化水素系ポリマーとしては、ポリエーテルケトン、ポリスルフィド、ポリホスファゼン、ポリフェニレン、ポリベンゾイミダゾール、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリアミド、ポリイミド、ポリ尿素、ポリスルホン、ポリスルホネート、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾチアゾール、ポリチアゾール、ポリフェニルキノキサリン、ポリキノリン、ポリシロキサン、ポリトリアジン、ポリジエン、ポリピリジン、ポリピリミジン、ポリオキサチアゾール、ポリテトラザピレン、ポリオキサゾール、ポリビニルピリジン、ポリビニルイミダゾール、ポリピロリドン、ポリアクリレート誘導体、ポリメタクリレート誘導体、ポリスチレン誘導体等が挙げられる。好ましくは、ポリエーテルケトン、ポリスルフィド、ポリホスファゼン、ポリフェニレン、ポリベンゾイミダゾール、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリアミド、ポリイミド、ポリ尿素、ポリスルホン、ポリスルホネート、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾチアゾール、ポリフェニルキノキサリン、ポリキノリン、ポリトリアジン、ポリジエン、ポリピリジン、ポリオキサチアゾール、ポリアクリレート誘導体、ポリメタクリレート誘導体、ポリスチレン誘導体等が挙げられる。特に好ましくは、ポリエーテルケトン、ポリスルフィド、ポリホスファゼン、ポリフェニレン、ポリベンゾイミダゾール、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリ尿素、ポリスルホン、ポリスルホネート、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾチアゾール、ポリフェニルキノキサリン、ポリキノリン、ポリトリアジン、ポリジエン、ポリアクリレート誘導体、ポリメタクリレート誘導体、ポリスチレン誘導体等が挙げられる。なかでも、フッ素を含まないポリマーが、環境適応性、プロトン伝導性の面から好ましい。特に、−SO3H基を含有するポリマーは、フッ素を含有するポリマーと比べて親水性であり、プロトン伝導性が良好であるので好ましい。
(1-3-2)モノマー
酸生成基が導入されるモノマーとしては、炭化水素系ポリマーを合成するために使用されるモノマーが挙げられる。例えば、4,4’-ジヒドロキシジフェニルエーテル、スチレン、(メタ)アクリロニトリル、9,9’-ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、4,4’-ジクロロジフェニルスルホン等が挙げられる。
(1-3-3)酸生成基
上記炭化水素系ポリマー及びモノマーに導入される酸生成基としては、プロトンを放出しやすい官能基が挙げられる。例えば、スルホン酸基(-SO3H)、カルボン酸基(-COOH)、リン酸基(-PO3H2)、アルキルスルホン酸基(-(CH2)nSO3H)、アルキルカルボン酸基(-(CH2)nCOOH)、アルキルホスホン酸基(-(CH2)nPO3H2)、およびフェノール性ヒドロキシル基(-Ph-OH)等からなる群より選ばれた少なくとも1種以上含まれたものが好ましい(nは、例えば、1〜10、好ましくは1〜5)。上記スルホン酸基、カルボン酸基、リン酸基は、一部がアルキル基、ナトリウム、カリウム、カルシウム等で置換されていてもよい。上記酸生成基に含まれるアルキル基及びアルキレン基は、炭素数が1〜10個、好ましくは、1〜5個含有するものであり得る。
(1-3-4) 酸生成基の導入
スルホン酸基、カルボン酸基及びフェノール性ヒドロキシル基等の上記酸生成基を炭化水素系ポリマー又はモノマーに導入するためには、種々の既知の官能基導入反応を利用することができる。例えば、スルホン酸基を導入する場合、スルホン化剤が使用される。このスルホン化剤としては、特に限定されるものではないが、たとえば、濃硫酸、発煙硫酸、クロロ硫酸、無水硫酸錯体等を好適に使用することができる。また、カルボン酸基を導入する場合、酸化反応、カルボン酸誘導体の加水分解反応、転移反応等を用いることができる。フェノール性ヒドロキシル基を導入する場合、ハロゲン等の置換反応、キノン等の還元反応、炭化水素の酸化反応等を用いることができる。
なかでも、スルホン化剤としては、さらに特許第2884189号公報に記載のスルホン化剤、すなわち、1,3,5−トリメチルベンゼン−2−スルホン酸、1,3,5−トリメチルベンゼン−2,4−ジスルホン酸、1,2,4−トリメチルベンゼン−5−スルホン酸、1,2,4−トリメチルベンゼン−3−スルホン酸、1,2,3−トリメチルベンゼン−4−スルホン酸、1,2,3,4−テトラメチルベンゼン−5−スルホン酸、1,2,3,5−テトラメチルベンゼン−4−スルホン酸、1,2,4,5−テトラメチルベンゼン−3−スルホン酸、1,2,4,5−テトラメチルベンゼン−3,6−ジスルホン酸、1,2,3,4,5−ペンタメチルベンゼン−6−スルホン酸、1,3,5−トリエチルベンゼン−2−スルホン酸、1−エチル−3,5−ジメチルベンゼン−2−スルホン酸、1−エチル−3,5−ジメチルベンゼン−4−スルホン酸、1−エチル−3,4−ジメチルベンゼン−6−スルホン酸、1−エチル−2,5−ジメチルベンゼン−3−スルホン酸、1,2,3,4−テトラエチルベンゼン−5−スルホン酸、1,2,4,5−テトラエチルベンゼン−3−スルホン酸、1,2,3,4,5−ペンタエチルベンゼン−6−スルホン酸、1,3,5−トリイソプロピルベンゼン−2−スルホン酸、1−プロピル−3,5−ジメチルベンゼン−4−スルホン酸、並びにこれらの塩を用いることも可能である。
上記のスルホン化剤の中でも、スルホン酸基の両側のオルソ位に低級アルキルが置換された化合物、たとえば、1,3,5−トリメチルベンゼン−2−スルホン酸、1,2,4,5−テトラメチルベンゼン−3−スルホン酸、1,2,3,5−テトラメチルベンゼン−4−スルホン酸、1,2,3,4,5−ペンタメチルベンゼン−6−スルホン酸、1,3,5−トリメチルベンゼン−2,4−ジスルホン酸、1,3,5−トルエチルベンゼン−2−スルホン酸等が特に好ましく、さらには、1,3,5−トリメチルベンゼン−2−スルホン酸が最も好ましい。
スルホン酸基を炭化水素系ポリマーに導入する場合、スルホン化剤は、ポリマー100質量部に対して、例えば、1〜20000質量部、好ましくは、5〜10000質量部の範囲で加えることが適当である。スルホン化剤の添加量が1質量部以上であればスルホン酸基の導入が十分に行われ、またスルホン化剤の添加量が20000質量部以下であれば、反応後のスルホン化剤の処理が容易になるので好ましい。また、スルホン酸基をモノマーに導入する場合、スルホン化剤は、モノマー100質量部に対して、30〜5000質量部、好ましくは50〜2000質量部の範囲で加えることが適当である。スルホン化剤の添加量が30質量部以上であればスルホン酸基の導入が十分に行われ、またスルホン化剤の添加量が5000質量部以下であれば、反応後のスルホン化剤の処理が容易になるので好ましい。
スルホン酸基を炭化水素系ポリマー又はモノマーに導入する方法としては、スルホン化剤を用い、化合物構造に応じた反応条件を選定することにより実施することができる。
例えば、炭化水素系ポリマー又はモノマーと、スルホン化剤とを、炭酸カリウムなどの触媒の存在下、反応温度−20〜150℃の範囲、反応時間0.5〜50時間の範囲で反応させることにより、スルホン酸基を導入することができる。反応温度が−20℃以上であれば、スルホン化反応が速やかに進み、反応温度が150℃以下であれば、特定の芳香族環にのみスルホン酸基を導入することできるので好ましい。
酸生成基の導入は、有機溶媒及び無機溶媒等の溶媒中で行ってもよい。有機溶媒としては、特に限定されるものではなく、酸生成基導入に悪影響を及ぼさないものであれば従来から既知のものを使用することができる。
具体例としては、N-メチル-2-ピロリドン、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素類、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素類、ニトロメタン、ニトロベンゼン等のニトロ化合物類、トリメチルベンゼン、トリブチルベンゼン、テトラメチルベンゼン、ペンタメチルベンゼン等のアルキルベンゼン類、スルホラン等の複素環化合物類、オクタン、デカン、シクロヘキサン、トルエン等の直鎖、分枝鎖または環状の脂肪族飽和炭化水素類が挙げられる。
上記溶媒は、一種または二種以上を混合して使用してもよく、その使用量は、適宜選択されるが、通常はスルホン化剤等の試薬100質量部に対して100〜2000質量部の範囲にあることが好ましい。溶媒の量が100質量部以上であれば、酸生成基導入反応を均一に進めることができ、溶媒の量が2000質量部以下であれば、酸生成基導入反応後の溶媒と試薬との分離、溶媒の回収が容易であるので好適である。
得られた酸生成基を有する炭化水素系ポリマー又はスルホン酸基含有モノマーを精製する方法は、従来から公知の精製方法を好適に使用可能である。たとえば、得られた酸生成基含有ポリマー又はモノマーが固体状の場合には、得られたポリマー又はモノマーをろ過し、水等の溶媒で洗浄して乾燥することにより精製することができる。また、得られたポリマー又はモノマーがオイル状の場合には、このオイル状物と溶媒とが2相に分かれるときは溶媒を分液することにより、溶媒に溶解している場合には溶媒を蒸発除去することにより、精製することができる。
あるいは、本発明の酸生成基を有する炭化水素系ポリマー又はスルホン酸基含有モノマーが含まれる反応液に水を加え、必要に応じてアルカリ成分を加えて溶解し、反応液相と水相に分離した後に、水相より酸析や塩析等の方法により沈殿化させ、濾過後に溶剤で洗浄して乾燥させることにより精製することもできる。
また、濃硫酸等のスルホン化剤のみで酸生成基の導入を行う場合には、本発明の酸生成基を有する炭化水素系ポリマー又はスルホン酸基含有モノマーが含まれる反応液を水中に注ぐことにより沈殿物を得、この沈殿物を回収して精製物を得ることも有効である。
(1-3-5) 炭化水素系ポリマー又は酸生成基を有する炭化水素系ポリマーの重合
炭化水素系ポリマー又は酸生成基含有モノマーからの酸生成基を有する炭化水素系ポリマーの重合方法は、縮重合、付加重合、ラジカル重合及び開環重合等、既知の重合方法を用いることができる。
重合に使用されるモノマーとしては、例えば、2個以上の置換反応可能な官能基を有するモノマーとこのモノマーと反応可能な2個以上の官能基を有するモノマーが挙げられる。具体的には、例えば、上記酸生成基が導入されるモノマーと同一のものを使用することができる。
ポリマーの重合は、触媒存在下、溶媒中で行うことができる。
触媒としては、重合反応の種類にもよるが、例えば、酸、アルカリ、ラジカル開始剤等を使用することができる。例えば、縮重合反応の場合、触媒としては、例えば、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化セシウム、フッ化セリウム、フェリシアン化カリウム、塩化ニッケル、塩化銅、酸化鉛を使用することができる。触媒の量は、反応させるモノマーの全モル数に対して、例えば、0.1から100倍、好ましくは、1〜10倍の量で使用することができる。
ポリマーを合成するために使用される反応溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、ヘキサメチルホスホンアミド等の非プロトン極性溶媒や、メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒及びフェノール、クレゾール等のフェノール系溶媒から適切なものを選ぶことができるがこれらに限定されるものではない。これらの溶媒は、可能な範囲で複数を混合して使用してもよい。
溶媒量は、反応させるモノマーおよび触媒の総重量に対して、例えば、0.01〜2倍、好ましくは、0.1〜1倍の範囲で用いることができる。
反応温度は、重合の種類にもよるが、例えば、0〜350℃であり、好ましくは40〜260℃である。反応時間は、重合の種類にもよるが、例えば、2〜500時間、好ましくは、10〜100時間である。
得られた炭化水素系ポリマー又は酸生成基を有する炭化水素系ポリマーの数平均分子量は、例えば、1000〜1000000、好ましくは5000〜500000、より好ましくは10000〜100000であることが適当である。
数平均分子量が1000以上であれば、酸生成基を有する炭化水素系ポリマー及びこのポリマーから得られる多層電解質膜の十分な強度が得られるので好ましい。また、1000000以下であれば加工が困難となることもないので好ましい。
(1-4) その他の樹脂
本発明の電解質層を構成する樹脂組成物は、本発明の酸生成基を有する炭化水素系ポリマーのみからなる樹脂組成物であってもよいが、その特性を著しく低下しない範囲で、構造の異なる他の樹脂を含有していてもよい。
他の樹脂としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ABS樹脂およびAS樹脂等の汎用樹脂、ポリアセテート(POM)、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド(PA:ナイロン)、ポリエチレンテレフタレート(PET)およびポリブチレンテレフタレート(PBT)等のエンジニアリングプラスチック、ならびにポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリケトン(PK)、ポリイミド(PI)、ポリシクロヘキサンジメタノールテレフタレート(PCT)、ポリアリレート(PAR)及び各種液晶ポリマー(LCP)等の熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ノボラック樹脂等の熱硬化性樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、他の樹脂は、本発明の酸生成基を有する炭化水素系ポリマーを含む電解質層全体を100質量部とした場合、例えば、0質量部以上50質量部未満、より好ましくは、0質量部以上70質量部未満含まれていることが適当である。他の樹脂が樹脂組成物全体の50質量部未満であれば、本発明の電解質層中の酸生成基濃度を十分に高く保持して良好なプロトン伝導性が得られ、また、酸生成基を含有するポリマーが連続相の状態を保持できるので良好なプロトン伝導性を得ることができる。
(1-5) その他の添加剤
本発明の電解質層を構成する樹脂組成物には、必要に応じて、たとえば、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、粘着付与剤、可塑剤、架橋剤、粘度調整剤、静電気防止剤、抗菌剤、消泡剤、分散剤、重合禁止剤、等の各種添加剤を加えることができる。
(1-6)樹脂組成物の成形
本発明の酸生成基を有する炭化水素系ポリマーを含む樹脂組成物は、電解質層を形成する前に、押し出し、紡糸、圧延またはキャスト等任意の方法で成形し、繊維やフィルム等の成形体とすることができる。中でも適当な溶媒に上記樹脂組成物を溶解した樹脂組成物溶液から成形することが好ましい。
本発明の樹脂組成物の成形に用いる溶媒としては、酸生成基を有する炭化水素系ポリマーとの相溶性が良好で、電気化学的安定範囲が広い有機系溶媒が好ましい。
そのような有機系溶媒としては、例えば、カーボネート系溶媒、芳香族ニトリル系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒、ケトン系溶媒、ラクトン系溶媒、アミド系溶媒、フェノール系溶媒、スルホン系溶媒、スルホキシド系溶媒、リン酸エステル溶媒などから適切なものを選ぶことができるがこれらに限定されるものではない。特に、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、炭酸ビニレン、(メタ)アクリロイルカーボネート、ベンゾニトリル、トルニトリル、メチルアルコール、エチルアルコール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラハイドロフラン、アセトン、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、フェノール、クレゾール等が好ましく用いられる。これらの溶媒は、可能な範囲で複数の溶媒を混合して使用してもよい。
樹脂組成物溶液中の樹脂組成物濃度は0.1〜70質量部の範囲であることが好ましい。樹脂組成物溶液中の樹脂組成物濃度が0.1質量部以上であれば、良好な成形性を保持することができ、70質量部以下であれば、良好な加工性を保持することができる。
樹脂組成物溶液から成形体を得る方法は、従来から公知の方法を用いて行うことができる。たとえば加熱、減圧乾燥、化合物を溶解する溶媒と混和することができる化合物非溶媒への浸漬等によって、溶媒を除去し成形体を得ることができる。溶媒が有機溶媒の場合は、加熱又は減圧乾燥で溶媒を留去させることが好ましい。成形体の形状は、例えば、繊維状、フィルム状、ペレット状、プレート状、ロッド状、パイプ状、ボール状、ブロック状等であってもよい。必要に応じて他の化合物と複合された形で成形体を形成してもよい。好ましくは、良好な成形性を得るために、溶解性挙動が類似する化合物と組み合わせることが好ましい。
(1-7)多層電解質膜の作製
本発明の酸生成基を有する炭化水素系ポリマーを含む樹脂組成物から電解質層を作製することができる。
本発明で用いる電解質層を作製する方法としては、電解質層に使用される樹脂組成物を溶媒で希釈してスプレー法、キャスト法、ディップ法、スピンコーティング法、ラミネート法などにより基材上に塗布した後、必要であればその後重合を行い、硬化及び/又は製膜するために溶媒を除去することにより電解質膜を形成することが好ましい。
また、得られた電解質層を積層して多層電解質膜を得る方法としては、例えば、上記基材の代わりに得られた電解質層又は別の電解質層を使用し、電解質層上にさらに樹脂組成物を塗布する方法が挙げられる。また、複数の層を予め別の基材上でフィルム状やシート状に成形し、得られた層を載置する方法をとってもよい。さらにこれらを組み合わせて繰り返すことにより、所望の層構造の多層電解質膜を形成することができる。
本発明で膜形成に用いる溶媒としては、酸生成基を有する炭化水素系ポリマーとの相溶性が良好で、電気化学的安定範囲が広い有機系溶媒が好ましい。
そのような有機系溶媒としてはカーボネート系溶媒、芳香族ニトリル系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒、ケトン系溶媒、ラクトン系溶媒、アミド系溶媒、フェノール系溶媒、スルホン系溶媒、スルホキシド系溶媒、リン酸エステル溶媒などから適切なものを選ぶことができるがこれらに限定されるものではない。特に、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、炭酸ビニレン、(メタ)アクリロイルカーボネート、ベンゾニトリル、トルニトリル、メチルアルコール、エチルアルコール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラハイドロフラン、アセトン、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、フェノール、クレゾール等が好ましく用いられる。これらの溶媒は、可能な範囲で複数の溶媒を混合して使用してもよい。
本発明の電解質層を作製する手法として好ましいのは、キャスト法である。以下、キャスト法を例にとって説明する。
まず、本発明の酸生成基を有する炭化水素系ポリマーを含有する樹脂組成物を溶媒と混合して溶液を得、例えば、アプリケータ、ドクターブレード等を用いてこの溶液を基材に塗布してキャストする。この際、キャストされた溶液の厚さを一定とするための方法としては、上記アプリケータ、ドクターブレード等を使用する方法の他、ガラスシャーレ等を用いてキャスト面積を一定にして溶液の量や濃度で厚さを制御する方法など、溶液のキャスト厚を制御する方法として従来から公知の方法を用いてもよい。また、溶液の粘度が高い場合には、溶液を塗布した基材や溶液自体を加熱して高温下でキャストすることにより、溶液の粘度が低下して容易にキャストすることができる。
キャストする際の溶液の厚みは特に制限されないが、例えば、3〜2000μm、好ましくは5〜1500μmであることが適当である。溶液の厚みが3μm以上であれば、電解質層としての形態を十分に保持することができ、また、2000μm以下であれば均一な電解質層が得られるので好ましい。
さらに、キャストされた溶液は、加熱乾燥等の方法により溶媒を除去して、目的の電解質層を得る。溶媒の除去は、電解質層の均一性の点から乾燥によることが好ましい。特に、樹脂組成物や溶媒の分解及び変質をさけるため、減圧下でできるだけ低い温度で乾燥することが望ましい。また、より均一な電解質層を得るために、キャストした溶液からの溶媒の除去速度を調整することが好ましい。たとえば、加熱乾燥の初期段階ではできるだけ低温(40〜100℃程度)にして溶媒の蒸発速度を緩やかにすることが望ましい。
(1-8)多層電解質膜の性質
本発明の電解質層は、目的に応じて任意の膜厚にすることができる。具体的には、本発明に用いる電解質層の厚さは、1層あたり、例えば、0.5〜400μm、好ましくは、1〜300μmである。また、本発明の電解質層を積層した多層電解質膜の厚さは、例えば、1.0〜1200μm、好ましくは、1.0〜800μmである。また、積層させる電解質層は、同一構造のポリマー又は樹脂組成物を含有する電解質層を積層しても良く、又は異なった構造のポリマー又は樹脂組成物を含有する電解質層を積層しても良い。
本発明の多層電解質膜の厚さが0.5μm以上であれば、多層電解質膜の取り扱いが良好となり、この多層電解質膜を用いて燃料電池を作製した場合に短絡の発生を適宜防止できる。また、多層電解質膜の厚さが1200μm以下であれば、多層電解質膜の電気抵抗値が高くなり燃料電池の発電性能が低下することもないので好ましい。
また、本発明の多層電解質膜のプロトン伝導性は、0.001S/cm以上であることが好ましい。特に好ましくは、プロトン伝導性は0.005S/cm以上であることが好ましい。プロトン伝導性が0.001S/cm以上である場合には、その多層電解質膜を用いた燃料電池において良好な出力が得られる傾向にある。
(2) 膜-電極接合体
本発明の膜-電極接合体は、上記多層電解質膜と、この多層電解質膜の通常両面に設けた電極とを含む。
(2-1)電極
本発明の電極は、ガス拡散層と、このガス拡散層上及び/又は内部に設けた触媒層と、任意の結着剤とを有する。
(2-1-1)ガス拡散層
ガス拡散層としては、例えば、カーボン繊維織布、カーボンペーパー等、通気性を有する既知の基体が使用され得る。好ましくは、これらの基体等を撥水処理したものが使用される。撥水処理は、例えば、これら基体を、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体などのフッ素樹脂等からなる撥水剤の水溶液中に浸漬し、乾燥し、焼成することにより行われる。
(2-1-2)触媒層
触媒層に使用される触媒物質としては、例えば、白金,ロジウム,ルテニウム,イリジウム,パラジウム,オスニウムなどの白金族金属及びその合金が適している。これら触媒物質及び触媒物質の塩類を単独または混合して用いてもよい。中でも、金属塩や錯体、特に[Pt(NH3)4]X2または[Pt(NH3)6]X4(Xは1価の陰イオン)であらわされるアンミン錯体が好ましい。また、触媒として金属化合物を用いる場合、いくつかの化合物の混合物を用いても良いし、複塩でもよい。例えば、白金化合物とルテニウム化合物を混ぜて用いることで、還元工程により、白金−ルテニウム合金の形成が期待できる。
触媒の粒径は、特に限定されないが、触媒活性の大きくなる適当な大きさの観点から平均粒径が0.5〜20nmであることが好ましい。なお、K. Kinoshita等の研究(J. Electrochem. Soc., 137, 845(1990))では、酸素の還元に対して活性の高い白金の粒径は3nm程度であることが報告されている。
本発明で用いる触媒には、更に助触媒を添加することができる。助触媒としては、微粉状炭素が挙げられる。微粉状炭素としては共存する触媒が高い活性を示すものが好ましく、例えば、触媒として白金族金属の化合物を用いる場合には、Denka Black, Valcan XC-72,Black Pearl 2000等の、アセチレンブラック等が適当である。
触媒の量は、付着方法等により異なるが、ガス拡散層の表面に例えば、約0.02〜約20mg/cm2の範囲、好ましくは約0.02〜約20mg/cm2の範囲で付着されていることが適当である。また、電極の総量に対し、例えば、0.01〜10質量%、好ましくは、0.3〜5質量%の量で存在することが適当である。
(2-1-3)結着剤
本発明の電極は、電極の中及び/又は表面に結着剤を有するものが好ましい。このような結着剤は、上記ガス拡散層と触媒層との結合、及び電極と多層電解質膜との結合を促進する。結着剤としては、例えば、本発明で使用され得るポリマー並びに樹脂、又はプロトン導電性を有するポリマー、その他、ナフィオン(R)やフレミオン(R)などのフッ素系等の固体高分子電解質を使用することができる。
(2-1-4)電極の性質
得られる電極は、多孔質である。電極の平均孔直径は、例えば、0.01〜50μm、好ましくは0.1〜40μmであることが適当である。さらに、電極の間隙率は、例えば、10〜99%、好適には10〜60%であることが適当である。
(2-2) 膜-電極接合体の製造
本発明の膜−電極接合体は、多層電解質膜上に、上記電極を設けることにより製造される。好ましくは、多層電解質膜側に電極の触媒層側が接合される。この、膜−電極接合体の製造方法としては、たとえば以下の3つの方法が挙げられる。
(1)多層電解質膜上に、直接触媒物質を適用して触媒層を形成し、さらに形成した触媒層上にガス拡散層を形成する方法。例えば、特表2000-516014号公報に記載の方法によりイオン交換基を有するパーフルオロカーボンポリマー、白金族触媒、微粉状炭素(カーボンブラック)その他添加物を含む触媒物質を多層電解質膜上に塗布、噴霧、印刷等することにより適用して触媒層を形成し、この触媒層上に、ガス拡散層を熱プレス等により加熱圧着する方法がある。
(2)あらかじめ基板上に触媒物質を適用して触媒層を作成し、得られた触媒層を多層電解質膜上に転写し、さらに形成した触媒層上にガス拡散層を形成する方法。例えば、あらかじめポリ四弗化エチレンと、トーマス法等で合成した白金黒とを均一に混合し、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)シート基板上に適用して加圧成型した後、多層電解質膜上に転写し、さらにガス拡散層を配置し、得られた積層物を加圧圧着する方法がある。
(3)ガス拡散層を触媒物質の溶液に浸漬等させてあらかじめ電極を作成し、得られた電極を多層電解質膜上に設ける方法。例えば、可溶性白金族塩の溶液(ペースト)に、ガス拡散層を浸漬し、可溶性白金族塩をガス拡散層上及び内に吸着(イオン交換)させる。次いで、ヒドラジン、Na2BO4のような還元剤溶液に浸漬してガス拡散層上に触媒となる金属を析出させる方法がある。
より好ましい本発明の膜−電極接合体の製造方法としては、触媒物質とガス拡散層材料とを含む電極材料を直接多層電解質膜上に適用する方法が挙げられる。具体的には、触媒物質として、白金−ルテニウム(Pt-Ru)白金(Pt)等の触媒物質を担持した触媒担持カーボン粒子を用い、この触媒物質を、水のような溶媒、固体高分子電解質のような結着剤、及び任意にガス拡散層の製造に使用されるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粒子のような撥水剤と共に混合してペーストを作成する。このペーストを直接本発明の多層電解質膜上に塗布あるいは噴霧により適用して製膜し、その後加熱乾燥して、多層電解質上に触媒層(撥水剤を含む場合はガス拡散層の一部をなす撥水性層を含む)を形成する。この触媒層上に、任意に撥水処理されたカーボンペーパー等のガス拡散層を熱プレス等することによって電極が作製される。
このときの触媒層の厚さは、例えば、0.1〜1000μm、好ましくは、1〜500μmであることが好ましい。
上記ペーストは、粘度を0.1〜1000Pa・Sの範囲に調節しておくことが望ましい。この粘度は、(i)各粒子サイズを選択するか、(ii)触媒の粒子と結着剤との組成を調節するか、(iii)水の含有量を調節するか、或は(iv)好適には粘度調節剤、例えばカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースおよびセルロースなど、およびポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウムおよびポリメチルビニルエーテルなどを添加することなどで調節可能である。
(3) 燃料電池
本発明の燃料電池は、上記膜-電極接合体を用いたものである。
また、本発明の燃料電池の製造方法は、上記多層電解質膜を2つの電極の間に配置して膜-電極接合体を得る工程を含む。
具体的には、例えば、本発明の多層電解質膜の各面上に触媒層を付着させ、さらにガス拡散層を設けた膜-電極接合体の各面に、さらにアノード極及びカソード極の2つの極板を配置又は挟持し、得られた積層体の一方の面に常圧或いは加圧された水素ガス、加圧されたメタノールガス或いはメタノール水溶液を保持できる燃料室を配置し、積層体の他方の面に常圧或いは加圧された酸素或いは空気を保持できるガス室を配置することにより燃料電池が作製される。このように作製された燃料電池は、水素或いはメタノールと酸素が反応して生じた電気エネルギーを取り出すものである。
また、必要な電力を取り出すために、この膜-電極接合体又は積層体を1単位として直列或いは並列に多数の単位を配してもよい。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<スルホン酸基含有モノマーの合成>
撹拌子を入れた300mlナス型フラスコ中に、4,4’-ジクロロジフェニルスルホン28.7gおよび30%発煙硫酸30mlを入れ、窒素雰囲気下、90℃で6時間撹拌した。反応終了後、反応溶液を室温まで冷却し、1000mlビーカーに入れた冷水(約500ml)中に投入した。この水溶液に、pH試験紙を用いてpH=8程度になるまで炭酸ナトリウムを加えて中和した。次に塩化ナトリウムを多量に加えて生成物を析出させた。その後、生成物を吸引ろ過し、得られた化合物を100℃で1日間減圧乾燥後、粗結晶を得た。この粗結晶を水/メタノール(=1/2質量比)混合溶媒で再結晶を2回行い、生成した結晶物を吸引ろ過後、100℃で1日間減圧乾燥することにより、白色針状結晶の4,4’-ジクロロジフェニルスルホン-3,3’-ジスルホン酸ナトリウムを得た(収率:36%)。
<酸生成基を有する炭化水素系ポリマーを含有する電解質層の合成>
(合成例1)
上述のようにして得られた4,4’-ジクロロジフェニルスルホン-3,3’-ジスルホン酸ナトリウム8.91 g(17.5 mmol)、酸生成基を有する炭化水素系ポリマーに含有する結合単位Ar1及びAr2の前駆体として、4,4’-ジクロロジフェニルスルホン 9.33 g(32.5 mmol)及び4,4’-ジヒドロキシジフェニルエーテル10.11 g(50.0 mmol)、ならびに重合反応触媒として、炭酸カリウム8.29 g(60.0 mmol)を、それぞれ105℃、4時間真空乾燥行った後、これらの化合物を500mlのセパラブルフラスコに入れ、さらに真空乾燥1時間行った。その後すばやく系内を窒素置換し、窒素気流下、溶媒としてN-メチル-2-ピロリドン200 ml及びトルエン150 ml加え室温で30分間撹拌した。その後、反応温度を160℃として、生成した水をトルエンと共沸し、水を系外に取り出した。この後反応温度を180℃として、50時間反応させた。反応混合物を精製水中に加え、再沈殿させることによりポリマーを析出させた。析出したポリマーを、ろ紙を用い吸引ろ過することにより精製した。これを110℃の乾燥機中で8時間乾燥させ、28.0 gのポリマーA(イオン交換容量=1.48meq./g)を得た。
(合成例2)
上述のようにして得られた4,4’-ジクロロジフェニルスルホン-3,3’-ジスルホン酸ナトリウム2.00g(4.0mmol)、酸生成基を有する炭化水素系ポリマーに含有する結合単位Ar1及びAr2の前駆体として4,4’-ジクロロジフェニルスルホン13.21g(46.0mmol)及び4,4’-ジヒドロキシジフェニルエーテル10.11g(50.0mmol)、ならびに重合反応触媒として炭酸カリウム8.29g(60.0mmol) を、それぞれ105℃、4時間真空乾燥行った後、これらの化合物を500mlのセパラブルフラスコに入れ、さらに真空乾燥1時間行った。その後すばやく系内を窒素置換し、窒素気流下、溶媒としてN-メチル-2-ピロリドン 200 ml及びトルエン150 mlを加え、室温で30分間撹拌した。その後、反応温度を160℃として、生成した水をトルエンと共沸し、水を系外に取り出した。この後反応温度を180℃として、50時間反応させた。反応混合物を精製水中に加え、再沈殿させることによりポリマーを析出させた。析出したポリマーを、ろ紙を用い吸引ろ過することにより精製した。これを110℃の乾燥機中で8時間乾燥させ、30.0 gのポリマーB(イオン交換容量=0.41meq./g)を得た。
(製膜例1)
ポリマーA4.0 gをN-メチル-2-ピロリドン6.0 gに溶解し、不揮発成分40%のワニス溶液を調製した。このワニス溶液を、ガラス板上に固定したポリエチレンテレフタレート製フィルム(PETフィルム)上に、アプリケータを用いて塗布した。その後、100℃で10分間プレ硬化し、さらに、160℃で30分間硬化して製膜した。得られた膜をPETフィルムから剥離し、得られた膜をプロトン化するために、10wt%硫酸水溶液に24時間浸漬し、その後精製水で洗浄した。本操作により、本発明の電解質層1層分に相当する30μmの電解質層を得た。
<多層電解質膜の製作>
(実施例1)
ポリマーB4.0 gをN-メチル-2-ピロリドン6.0gに溶解し、不揮発成分40%のワニス溶液を調製した。このワニス溶液を、製膜例1で得られたポリマーAからなる電解質層上に製膜例1と同様にアプリケータを用いて塗布し、100℃で10分間プレ硬化し、さらに、160℃で30分間硬化してポリマーA電解質層-ポリマーB電解質層(A-B)からなる2層の電解質層の多層膜を得た。得られた多層膜を製膜例1と同様に10wt%硫酸水溶液に24時間浸漬し、さらに精製水で洗浄し、55μmの2層膜を得た。
(実施例2)
実施例1で得られたA-Bからなる2層の多層膜のうち、ポリマーAの電解質層側表面上に、ポリマーBを含むワニス溶液を製膜例1と同様に塗布し、その後乾燥し、ポリマーA電解質層-ポリマーB電解質層-ポリマーA電解質層(A-B-A)からなる3層の電解質層の多層膜を得た。得られた多層膜を製膜例1と同様に硫酸水溶液に浸漬し、さらに精製水で洗浄し、80μmの3層膜を得た。
(実施例3)
実施例2で得られたA-B-Aからなる3層膜のポリマーAの電解質層側表面上に、ポリマーBを含むワニス溶液を製膜例1と同様に塗布し、その後乾燥し、ポリマーA電解質層-ポリマーB電解質層-ポリマーA電解質層-ポリマーB電解質層(A-B-A-B)からなる4層の電解質層の多層膜を得た。得られた多層膜を製膜例1と同様に硫酸水溶液に浸漬し、さらに精製水で洗浄し、110μmの4層膜を得た。
(実施例4)
実施例3で得られたA-B-A-Bからなる4層膜のポリマーBの電解質層表面上に、ポリマーAを含むワニス溶液を製膜例1と同様に塗布し、その後乾燥し、ポリマーA電解質層-ポリマーB電解質層-ポリマーA電解質層-ポリマーB電解質層-ポリマーA電解質層(A-B-A-B-A)からなる4層の電解質層の多層膜を得た。得られた多層膜を製膜例1と同様に硫酸水溶液に浸漬し、さらに精製水で洗浄し、140μmの5層膜を得た。
(比較例1)
比較例1の電解質膜として、製膜例1で作製した電解質層をそのまま使用した。なお、比較例1は、電解質層が単層であるので、本発明の参考例である。
(比較例2)
比較例2の電解質膜として、市販のナフィオン117(R)(デュポン製)を使用した。具体的には、180μmのナフィオン117を用意し、これを単層で使用した。なお、比較例2は、電解質層が単層であるので、本発明の参考例である。
<測定方法および評価方法>
(i)膨潤率の測定
電解質膜の膨潤率は、水に対する膨潤率を測定して評価した。水に対する膨潤率は、まず、各電解質膜試料を真空乾燥機中で120℃で乾燥し、電解質膜試料の面積を求めた(面積1)。その後、80 ℃の温水に2時間浸漬した際の電解質膜の面積変化を測定した(面積2)。この面積の値から、下記式(1)により、膨潤率を求めた。
膨潤率(%)=[(面積2)−(面積1)]/(面積1)×100 (1)
膨潤率が、20%以下、好ましくは、15%以下であれば、良好な耐膨潤性を有するものと判断した。
(ii)メタノール透過性の測定
メタノール透過性は、Yamaguchiらの方法(J. Electrochem. Soc., 2002, 149, A1448-1453)に基づいて評価した。
30℃における10質量%メタノール水溶液の透過量をガスクロマトグラフィを用いて測定した。具体的には、ガスクロマトグラフィを用いて電解質膜を透過したメタノールを定量し、経時変化に対してメタノール透過量をプロットした。このプロットの傾きから、メタノール透過流速J(kg/m2h)を得た。このメタノール透過流速Jから、電解質膜の膜厚の寄与分を考慮した下式(2)に従い、メタノール透過係数P(kgμm/m2h)を算出した。
P=J×l (2)
(P:メタノール透過係数(kgμm/m2h), J:メタノール透過流速(kg/m2h), l:膜厚(μm))
メタノール透過係数P(kgμm/m2h)は、電解質膜の膜厚の寄与分を排除した電解質膜自身のメタノール透過性を示す値である。例えば、メタノール透過係数Pが10以下、好ましくは5以下であれば、良好なメタノール透過性が達成されると評価できる。
上記評価の結果を以下の表1に示す。
表1 膨潤率及びメタノール透過性
Figure 2006054080
表1に示すように、本発明の多層電解質膜は、比較例1及び2に比べて膨潤率及びメタノール透過率を低減でき、優れた多層電解質膜であることが分かる。
<燃料電池の作製>
触媒担持カーボン粒子(田中貴金属株式会社製、TEC10V30E:Valcan XC-72に白金を30wt%担持)1g、固体高分子電解質(アルドリッチ社製,ナフィオン(R)5質量%溶液)10g、水2gからなる触媒ペーストC−1を準備した。この触媒ペーストC−1を、ホットプレート上に配置した実施例2の多層電解質膜(3層膜、60mm×60mm)上に、アプリケータを用いて直接塗布し、触媒層C(30mm×30mm)を上記多層電解質膜の中央部に積層した。得られた触媒層Cの膜厚は、25μmで、触媒層C中の白金の担持量は2.3mg/cm2であった。
さらに、上記触媒層Cが形成された多層電解質膜の面とは反対側の面に、触媒担持カーボン粒子(田中貴金属株式会社製、TEC61V33:Valcan XC-72に白金/ルテニウム合金を30wt%担持)1g、固体高分子電解質(アルドリッチ社製,ナフィオン5wt%溶液)10g、水2gからなる触媒ペーストD−1を、上記触媒ペーストC−1と同様の方法で塗布し、触媒層D(30mm×30mm)を上記多層電解質膜の中央部に積層した。得られた触媒層Dの膜厚は30μmで、触媒層D中の白金の担持量は3.3mg/cm2であった。
作製した触媒層C及びDが積層された本発明の多層電解質膜を熱プレスにより加熱圧着し、ガス拡散層としてさらにポリテトラフルオロエチレン(PTFE)で撥水処理が施されたカーボンペーパー(間隙率72%)を両面から挟み込み、再度、熱プレスすることで、膜−電極接合体を得た。得られた膜−電極接合体の両面にステンレス製の極板を設け、さらに触媒層Cが積層された側の膜−電極接合体背面に空気を導入するガス室を、触媒層Dが積層された側の膜−電極接合体背面にメタノールを導入する燃料室を配置して本発明の燃料電池1を作製した。
<参考燃料電池の作製>
実施例2の多層電解質膜(3層膜)の代わりにアルドリッチ社製のナフィオン112(50μm、単層)を用た以外は、上記燃料電池1の作製と同様に参考燃料電池1を作製した。なお、本参考燃料電池は、単層構造の電解質膜を使用しているため、本発明の参考例である。
<燃料電池の評価>
上記燃料電池の評価は、電気化学的試験によって行った。具体的には、電流密度を変化させた場合の出力電圧の変化を、ソーラトロン社製、エレクトロケミカルインターフェースSI-1287を利用して測定した。測定条件は、電池の温度を80℃とし、メタノール水溶液濃度1.5ml/リットル、メタノール水溶液流量5ml/分、酸素流量100ml/分とした。
電流密度に対する出力電圧の低下が少ないほど、エネルギー密度の低下が少ないこととなり、効率のよい電池であるといえる。結果を下記のグラフ1に示す。
Figure 2006054080
グラフ1より、本発明による燃料電池は、従来の単層の電解質膜と比べ、出力電圧が高いことがわかる。これは、本発明による多層電解質膜を用いることにより、アノードからカソードへのメタノール透過量が減少したために、エネルギー密度の低下が少なく、高性能な膜−電極接合体並びに燃料電池が得られるためである。

Claims (9)

  1. 酸生成基を有する炭化水素系ポリマーを含有する電解質層を2層以上含有する多層電解質膜であって、1層に含まれる前記ポリマーのイオン交換容量が、他の1層に含まれる前記ポリマーのイオン交換容量と異なることを特徴とする多層電解質膜。
  2. 前記1層に含まれる前記ポリマーのイオン交換容量と前記他の1層に含まれる前記ポリマーのイオン交換容量との差が、0.01 meq./g〜5.00 meq./gである、請求項1記載の多層電解質膜。
  3. 各層に含まれる前記ポリマーのイオン交換容量がそれぞれ5.0 meq./g以下であることを特徴とする請求項1記載の多層電解質膜。
  4. 前記ポリマーが、スルホン酸基、カルボン酸基、リン酸基およびフェノール性ヒドロキシル基からなる群より選ばれる酸生成基を少なくとも1種以上含む、請求項1〜3のいずれか1項記載の多層電解質膜。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項記載の多層電解質膜に含まれる酸生成基を有する炭化水素系ポリマーを含有する電解質層を互いに積層することを含む多層電解質膜の製造方法。
  6. 電極と、該電極の少なくとも1面に設けた請求項1〜4のいずれか1項記載の多層電解質膜とを含む、膜-電極接合体。
  7. 電極の少なくとも1面に請求項1〜4のいずれか1項記載の多層電解質膜を設けることを含む、請求項6記載の膜-電極接合体の製造方法。
  8. 請求項6記載の膜-電極接合体を用いた燃料電池。
  9. 請求項1〜4のいずれか1項記載の多層電解質膜を2つの電極の間に配置して膜-電極接合体を得る工程を含む、請求項8記載の燃料電池の製造方法。
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