JP2006053210A - 屈折率分布型プラスチックロッドレンズの製造方法 - Google Patents

屈折率分布型プラスチックロッドレンズの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 MTFのばらつきが非常に少ない、安定した性能のプラスチックロッドレンズを、長期にわたり連続的に製造する。
【解決手段】 未硬化の3種以上の硬化性物質を、硬化後の屈折率が内側から外側に向かって順次低くなるように同心円状に配置し、3層以上の硬化性ストランドファイバを形成する第1工程と、前記硬化性ストランドファイバの隣接した2層の境界で、該2層を構成する前記硬化性物質を互いに拡散させることにより、前記2層を連続した屈折率分布とする第2工程と、前記硬化性ストランドファイバに2段以上で紫外線を照射して、該硬化性ストランドファイバを硬化する第3工程とを有し、前記第3工程で1段目に照射する紫外線の強度を、設定値から所定の範囲内に制御する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、複写機のラインセンサ部品などに使用される屈折率分布型プラスチックロッドレンズの製造方法に関する。
ロッドレンズは一般的に、軸線に垂直な両端面が鏡面に研磨された形態を有し、単体では微小レンズとして使用されている。一方、多数のロッドレンズを密接に配列して接着し、一体化したレンズアレイの形態では、複写機やファクシミリ、スキャナなどのラインセンサ部品として使用されるとともに、LEDプリンタの書き込みデバイスなどにも広く用いられている。
このようなロッドレンズのうち、軸線に垂直な方向(径方向)に連続的な屈折率分布を有するプラスチックロッドレンズが、特許文献1〜3などで提案されている。
そして、特許文献4には、同心円状の複合紡糸ノズルから、複数層で構成される未硬化線状体を吐出後、これに紫外線を照射して硬化することにより、屈折率分布型のプラスチックロッドレンズを連続的に製造する方法が記載されている。特にこの方法において、紫外線ランプ収納部の温度変化を±1℃以内にコントロールすることにより、得られるプラスチックロッドレンズのモデュレーショントランスファーファンクション(MTF、JIS Z 8120)は、平均値が77.5%、最大値が86.1%、最小値が66.6%となることが段落0014に記載されていて、個体間でばらつきが比較的少なく、安定した性能のロッドレンズを連続的に製造できるとされている。
なお、MTFは解像度を示すものであり、図2に示すMTF評価装置30を使用して求めることができる。
すなわち、光源31からの光を、光学フィルタ32、拡散板33、格子34を順次通過させる。そして格子像を、評価対象である多数のプラスチックロッドレンズ35aからなるレンズアレイ35を通してCCDラインセンサ36上に結像させる。そして、その際測定された測定光量の最大値imaxと最小値iminとから、下記数式(1)を用いてMTFを算出する。
MTF=(imax−imin)×100/(imax+imin)・・・(1)
特公昭47−28059号公報 国際公開第91/05274号パンフレット 国際公開第91/05275号パンフレット 特開平5−142433号公報
しかしながら、ここに記載されているMTFは、空間周波数4(単位:ラインペア/mm、図2の格子における白線と黒線の一対の組合わせを1ラインペアとし、この組合わせラインが1mm幅中に何本あるかを示す値)の格子を備えたMTF評価装置での測定値であって、例えば空間周波数6以上の高精細な格子を備えたMTF評価装置で測定した場合には、特許文献4に記載の方法で得られたロッドレンズのMTFは、製造開始から時間の経過とともに低下することがわかってきた。すなわち、連続製造時の初期に製造したロッドレンズは比較的高いMTFを示すが、日数が経過するにしたがって、得られるロッドレンズのMTFが低下することが明らかとなった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、高い空間周波数で測定した場合でも、MTFのばらつきが非常に少ない、安定した性能のプラスチックロッドレンズを、長期にわたり連続的に製造する方法を提供することを課題とする。
本発明者らは鋭意検討した結果、製造開始から時間の経過にともなうMTFの低下は、紫外線照射に使用される紫外線ランプの出力の経時的な減衰と対応していて、これがMTF低下の一因であることを見出し、本発明を成すに至った。
本発明の屈折率分布型プラスチックロッドレンズの製造方法は、未硬化での粘度が10〜10Pa・sである3種以上の硬化性物質を、硬化後の屈折率が内側から外側に向かって順次低くなるように同心円状に配置し、3層以上の硬化性ストランドファイバを形成する第1工程と、前記硬化性ストランドファイバの隣接した2層の境界で、該2層を構成する前記硬化性物質を互いに拡散させることにより、前記2層を連続した屈折率分布とする第2工程と、前記硬化性ストランドファイバに2段以上で紫外線を照射して、該硬化性ストランドファイバを硬化する第3工程とを有し、前記第3工程で1段目に照射する紫外線の強度を、設定値から所定の範囲内に制御することを特徴とする。
本発明の製造方法によれば、高い空間周波数で測定した場合でもMTFのばらつきが非常に少なく、安定した性能のプラスチックロッドレンズを、長期にわたり連続的に製造することができる。
以下、本発明の好ましい実施形態を図面に沿って詳細に説明する。
図1は、本発明の屈折率分布型プラスチックロッドレンズ(以下、ロッドレンズという。)の製造に好適に使用される成形装置10の一例であって、未硬化での粘度が10〜10Pa・sである5種の硬化性物質を、硬化後の屈折率が内側から外側に向かって順次低くなるように、同心円状の5層に配置した状態で吐出する同心円状複合ノズル(以下、ノズルという。)11と、このノズル11から吐出された硬化性ストランドファイバ12が通過する筒部13とを備えて概略形成されている。
筒部13の上流側は相互拡散部14になっていて、ノズル11から吐出された硬化性ストランドファイバ12がここを通過することによって、硬化性ストランドファイバ12における隣接した2層の境界で、各層を構成する硬化性物質が相互拡散する。その結果、硬化性ストランドファイバ12において隣接した全ての2層の屈折率分布が連続した状態になる。
筒部13の下流側は硬化処理部15になっていて、この例では1段目の紫外線照射を行う第1の硬化処理部15aと、2段目の紫外線照射を行う第2の硬化処理部15bとから構成されている。
各硬化処理部15a,15bでは、筒部13の外側にさらに外筒部16a,16bが形成され、筒部13と外筒部16a,16bとの間の空間は紫外線ランプ収納部17a,17bになっている。紫外線ランプ収納部17a,17bには、それぞれ複数本の紫外線ランプが設けられ、この紫外線ランプからの紫外線照射によって、硬化性ストランドファイバ12を硬化するようになっている。
なお、ここで硬化性ストランドファイバ12は、隣接した2層の境界で硬化性物質が相互拡散しているうちに第1の硬化処理部15aへと送られて行く。すなわち、筒部13における相互拡散部14と第1の硬化処理部15aとは、一部重複した状態となっている。
なお、この例の第1の硬化処理部15aには、長さ120cm、40Wのケミカルランプ(紫外線ランプ)18が周方向に等間隔で18本設けられ、第2の硬化処理部15bには、2kwの高圧水銀灯(紫外線ランプ)19が周方向に等間隔で3本設けられている。
また、各紫外線ランプ収納部17a,17bにおける外筒部16a,16bの内周面には、ケミカルランプ18や高圧水銀灯19からの紫外線を反射させるための反射板20a,20bが設置されている。このような反射板20a,20bの設置により、少ない出力で十分な紫外線を硬化性ストランドファイバ12に照射できるので、ランプ寿命が延び、その結果、ケミカルランプ18や高圧水銀灯19の交換頻度が少なくなりロッドレンズの生産性が向上する。
さらに、第1の硬化処理部15aの反射板20aにおける各ケミカルランプ18に対応する位置には、18個のシリコンフォトダイオード21が埋設されていて、各ケミカルランプ18から出力される紫外線の強度を監視できるようになっているとともに、第1の硬化処理部15aには、フィードバック回路が組み込まれケミカルランプ18の出力を制御する図示略の制御手段が設けられていて、照射される紫外線の強度を設定値から所定の範囲内に自動コントロールできるようになっている。
また、第1の硬化処理部15aにおける紫外線ランプ収納部17aには、ここに所定温度の空気を送風する図示略の送風手段が設けられていて、その内部を所定の一定温度に維持できるようになっている。
筒部13の両端近傍には、不活性ガス導入口22と不活性ガス排出口23がそれぞれ設けられていて、筒部13内に不活性ガスを流通させることにより、硬化の際に硬化性ストランドファイバ12から遊離する揮発性物質を不活性ガスに同伴させて、筒部13から排出できるようになっている。なお、ここでは図示していないが、不活性ガス導入口22は、ノズル11の先端面の周囲に複数を環状配置することが好ましい。また、不活性ガスを均一に硬化性ストランドファイバ12に作用させるために、図示のように、不活性ガスの流れ方向に縮径する筒状の整流板24を、不活性ガス導入口22近傍における筒部13の内周面に設けることが好ましい。
次に、この成形装置10を使用して、硬化したストランドファイバ12’を製造する具体的方法について説明する。
まず、粘度が10〜10Pa・sの範囲である5種の硬化性物質を調製し、これら硬化性物質を、それぞれ70℃程度の温度で予備攪拌した後、図示略の連続混練ユニットに供給する。ついで、これらの硬化性物質を、図示略のポンプでそれぞれ所定量計量した後、ノズル11へと供給し、5種の硬化性物質を、硬化後の屈折率が内側から外側に向かって順次低くなるように同心円状に配置、複合化して押出し、5層からなる未硬化の硬化性ストランドファイバ12を形成する(第1工程)。また、この際、不活性ガス導入口22から窒素ガスなどの不活性ガスを導入して、筒部13内に流通させておく。
ここで硬化性物質としては、ラジカル重合性ビニル単量体と、この単量体に可溶な可溶性ポリマーとを含有する組成物を使用でき、これらを適宜組み合わせることによって、組成物の粘度や硬化後の屈折率を調整する。
ラジカル重合性ビニル単量体の具体例としては、メチルメタクリレート(n=1.49)、スチレン(n=1.59)、クロルスチレン(n=1.61)、酢酸ビニル(n=1.47)、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2,2,9,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロプチル(メタ)アクリレート、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレートなどのフッ素化アルキル(メタ)アクリレート(n=1.37〜1.44)、屈折率1.43〜1.62の(メタ)アクリレート類、例えばエチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、脂環式(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、アルキレングリコール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ又はトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ、トリ又はテトラ(メタ)アクリレート、ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどが挙げられ、その他にもジエチレングリコールビスアリルカーボネイト、フッ素化アルキレングリコールポリ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。ここでnは屈折率である。
可溶性ポリマーは、組成物の粘度を10〜10Pa・sの範囲に調整するために使用される。組成物の粘度が10〜10Pa・sの範囲外であると、ストランドファイバ12を糸状にノズル11から吐出できなくなる。
可溶性ポリマーとしては、ラジカル重合性ビニル単量体から生成するポリマーと相溶性が良いものを使用することが好ましく、例えば、ポリメチルメタクリレート(n=1.49)、ポリメチルメタクリレート系共重合体(n=1.47〜1.50)、ポリ4−メチルペンテン−1(n=1.46)、エチレン/酢酸ビニル共重合体(n=1.46〜1.50)、ポリカーボネート(n=1.50〜1.57)、ポリフッ化ビニリデン(n=1.42)、フッ化ンビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体(n=1.42〜1.46)、フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロペン共重合体(n=1.40〜1.46)、フッ化アルキル(メタ)アクリレート系重合体が挙げられる。
ここで5種の組成物のそれぞれに、同一の可溶性ポリマー、または、同一の屈折率を有する可溶性ポリマーを使用すると、中心から外側に向かって連続的な屈折率分布を有するロッドレンズが得られやすいため好ましい。特に、各組成物に、可溶性ポリマーとしてポリメチルメタクリレートを使用すると、ポリメチルメタクリレートは透明性に優れるとともに、それ自体の屈折率も高いので、好適である。
また、組成物には、光硬化触媒を添加することが好ましい。
光硬化触媒としては、ベンゾフェノン、ベンゾインアルキルエーテル、4’−イソプロピル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンジルメチルケタール、2,2−ジエトキシアセトフェノン、クロロチオキサントン、チオキサントン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、N−メチルジエタノールアミン、トリエチルアミンなどが挙げられる。
また、得られるロッドレンズのフレア光やクロストーク光を除去し、レンズ性能を高めるために、硬化性ストランドファイバ12の最外層や最外層の内側に隣接する層など、すすなわち外周側の層を構成する組成物に、可視光および赤外光の領域のうちの少なくとも一部の波長域の光を吸収する光吸収剤を添加し、これらを光吸収層としてもよい。
光吸収剤としては、ロッドレンズが用いられる光学系で使用される光を吸収し得る種々の染料や顔料、色素が使用できる。これらの光吸収剤は、特定波長域のみを吸収する光吸収剤であって、吸収する波長がそれぞれ異なる光吸収剤を2種以上組合せて用いてもよい。例えば、レンズアレイをカラースキャナに用いる場合には、RGB各波長の光を吸収する染料を組み合わせて用いることができる。
また、このように可視光(400nm〜700nm程度)および近赤外(700nm〜1000nm程度)のうち特定波長域のみを吸収する光吸収剤を使用する以外に、全波長域を吸収する光吸収剤を用いてもよい。可視光領域の全ての光を吸収する光吸収層を形成する場合は、複数種の光吸収剤を混合して黒色としたものや、カーボンブラックやグラファイトカーボンなどの黒色の光吸収剤を用いることができる。
このような光吸収剤は、光吸収層中においてできるだけ均一に存在していることが好ましく、具体的には、光吸収層を構成している高分子中に均一に分散しているか、または、光吸収層を構成している高分子に結合されていることが好ましい。光吸収層を形成する組成物中、光吸収剤は0.001〜10質量%の範囲で含まれることが好ましく、さらに好ましくは0.01〜1質量%である。
第1工程において形成された未硬化状態の硬化性ストランドファイバ12は、ついで、相互拡散部14へと送られ、硬化性ストランドファイバ12の隣接した2層の境界で、これら2層を構成する硬化性物質が互いに拡散し、その結果、隣り合う2層が連続した屈折率分布となる(第2工程)。
ついで第3工程で、硬化性ストランドファイバ12は第1の硬化処理部15aにおいて、18本のケミカルランプ18により外周側から紫外線照射される。なお、前述したように、硬化性ストランドファイバ12は、隣接した2層の境界で硬化性物質が相互拡散しているうちに第1の硬化処理部15aへと送られて行くため、第2工程と第3工程とは一部同時に進行する。
第1の硬化処理部15aで照射される紫外線の強度は、シリコンフォトダイオード21と制御手段により、常に特定の設定値から所定範囲内となるように制御されている。この例では、あらかじめ求められた実験値より、設定値が7.5mw/cmとされ、この設定値から±0.4mw/cmの範囲内、好ましくは±0.2mw/cmの範囲内となるように制御されている。また、ここで紫外線ランプ収納部17aには、20℃に保持された空気が送風手段から送風されていて、その内部が一定温度に維持されている。
このように第1の硬化処理部15aにおいて、あらかじめ実験的に求められた特定の強度で紫外線を照射することによって、所望の理想的な屈折率分布が形成される時点で、硬化性ストランドファイバ12の隣接した2層間での相互拡散処理を終了させることができる。また、ここでは、照射される紫外線の強度を、設定値から所定範囲内となるように常に制御するので、このような理想的な屈折率分布の形成を経時的に維持することができ、MTFのばらつきの非常に少ない、安定した性能のロッドレンズを、長期にわたり連続的に製造できる。具体的には、照射される紫外線の強度を、設定値から±6%以内とすることが好ましく、さらには±3%以内とすることが好ましい。
ついで第2の硬化処理部15bにおいて、1段目と同等、もしくは、それ以上の強度で2段目の紫外線照射を行って硬化を完了させ、第1の硬化処理部15aで形成された屈折率分布が確実に固定されたストランドファイバ12’を得る。
このように硬化処理部15を経て硬化したストランドファイバ12’は、引き取りローラ24で引き取られた後、最終的に巻取部25に巻き取られる。
硬化したストランドファイバ12’には、必要に応じて延伸処理を行ってもよい。また、延伸処理の後に必要に応じて緩和処理を行ってもよい。
延伸処理および緩和処理は、適切に制御された温度条件および引き取り速度比のもとで行われる限り、例えば、引き取りローラ24の後段に延伸処理部、緩和処理部を設けて、インラインで行っても良いし、一旦巻取部25にストランドファイバ12’を巻き取った後、別途行ってもよく、具体的方法には制限はない。
ついで、得られたストランドファイバ12’を、所定の長さに切断後、両端面を鏡面に研磨することによりロッドレンズが得られる。
こうして得られたロッドレンズは、単体の形態では微小レンズとして使用され、多数のロッドレンズを密接に配列して接着し、一体化したレンズアレイの形態では、複写機やファクシミリ、スキャナなどのラインセンサ部品、LEDプリンタの書き込みデバイスなどに使用される。
このような方法によれば、未硬化の状態にある硬化性ストランドファイバ12に2段以上で紫外線を照射し、特に1段目に照射する紫外線の強度を設定値から所定の範囲内に制御するので、高い空間周波数で測定した場合でもMTFのばらつきが非常に少ない、安定した性能のロッドレンズを、長期にわたり連続的に製造できる。
また、2段目以降の紫外線の照射に、高圧水銀灯を使用することにより、硬化処理時間を短縮でき生産性を向上することができる。
また、紫外線ランプ収納部17a,17bに反射板20a,20bを設けることにより、紫外線の反射光も利用でき、少ない出力で十分な紫外線を照射できるので、ランプ寿命が延び、その結果、紫外線ランプの交換頻度が少なくなり、ロッドレンズの生産性が向上する。
なお、以上の説明においては、1段目に照射する紫外線の強度を、フィードバック回路が組み込まれた制御手段により自動コントロールする方法を例示したが、制御方法はこのような方法に限定されず、所定の範囲内となるように手動でコントロールする方法であってもよい。
また、硬化性ストランドファイバ12の層数は、3層以上であれば5層に限定されないし、硬化性ストランドファイバ12への紫外線の照射は、2段以上であれば2段に限定されない。
さらに、硬化処理部15で使用する紫外線ランプの種類、本数などにも特に制限はない。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
[実施例]
制御手段として、フィードバック回路が組み込まれておらず、手動操作する型の高周波蛍光灯点灯装置LSC−L40×18S(京都電気製)を具備している以外は、図1と同じ成形装置を使用して、5層からなるストランドファイバ12’を得た。
なお、各層の材料である硬化性物質として、以下の組成物を使用した。
(1)第1層(中心の層)の組成物
ポリメチルメタクリレート
(粘性率η=0.40、メチルエチルケトン中25℃にて測定) 47質量部
トリシクロ[5.2.1.02,6]デカニルメタクリレート 30質量部
メチルメタクリレート 23質量部
1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 0.25質量部
ハイドロキノン 0.1質量部
(2)第2層の組成物
ポリメチルメタクリレート
(粘性率η=0.40、メチルエチルケトン中25℃にて測定) 50質量部
メチルメタクリレート 40質量部
トリシクロ[5.2.1.02,6]デカニルメタクリレート 10質量部
1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 0.25質量部
ハイドロキノン 0.1質量部
(3)第3層の組成物
ポリメチルメタクリレート
(粘性率η=0.40、メチルエチルケトン中25℃にて測定) 50質量部
メチルメタクリレート 40質量部
2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチルメタクリレート
10質量部
1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 0.25質量部
ハイドロキノン 0.1質量部
(4)第4層の組成物
ポリメチルメタクリレート
(粘性率η=0.40、メチルエチルケトン中25℃にて測定) 50質量部
メチルメタクリレート 40質量部
2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチルメタクリレート
10質量部
1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 0.25質量部
ハイドロキノン 0.1質量部
(5)第5層(最外層)の組成物
ポリメチルメタクリレート
(粘性率η=0.40、メチルエチルケトン中25℃にて測定) 42質量部
メチルメタクリレート 18質量部
2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチルメタクリレート
40質量部
1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 0.25質量部
ハイドロキノン 0.1質量部
なお、クロストーク光やフレア光を抑制する目的で、第4層および第5層を形成する組成物中に、組成物全体に対して、染料Blue ACR(日本化薬(株)製、最大吸収波長576,616nm)を0.12質量%、染料MS Yellow HD−180(三井東圧染料(株)製、最大吸収波長433nm)を0.10質量%、染料MS Magenta HM−1450(三井東圧染料(株)製、最大吸収波長520nm)を0.08質量%添加した。
・第1工程
これらの組成物をそれぞれ70℃の温度で予備攪拌した後、連続混練ユニットに供給して混練し、その後、ポンプにて所定量を計量した各組成物を、50℃に制御されたノズル11から同心円状に押出した。この際、筒部13には、不活性ガスとして窒素ガスを流した。
なお、ここで各層の半径比を、ロッドレンズの各層の厚さ(1層目は半径)の比に換算して、1層目/2層目/3層目/4層目/5層目=18/50/29/2/1となるようにポンプ回転数を設定した。
・第2工程および第3工程
次いで、ノズル11から押出されたストランドファイバ12における相互拡散処理を、理想的な屈折率分布を成すポイントで終了させるように、1段目(第1の硬化処理部15a)のケミカルランプ18から出力される紫外線を、その強度が、設定値である7.5mw/cmから±0.2mw/cmの範囲内となるように、シリコンフォトダイオード(S1336−8BQ:浜松フォトニクス製)21にて監視しつつ、制御手段を用いて手動にてコントロールしながら、硬化性ストランドファイバ12に照射した。
ついで、2段目(第2の硬化処理部15b)においても、紫外線を照射した。ここでの強度は、75mw/cmとした。
このようにして得られた硬化したストランドファイバ12’、すなわちレンズ原糸の半径は0.24mmであった。
このストランドファイバ12’を、135℃の雰囲気下で2.2倍に延伸処理し、ついで、150℃の雰囲気下で緩和率が10/11になるように緩和処理を行った。
こうして得られたストランド(ロッドレンズ)の半径は0.17mm、中心屈折率は1.497、外周の屈折率は1.486であった。
このストランドを切断したもの複数本を、2枚のフェノール樹脂製基板(厚さ1mm)の間に1列に配列、挟持し、隙間に接着剤(カーボンブラックを0.5質量%添加したエピフォーム(商品名、ソマール社製))を充填し、接着剤を硬化した。その後、両端面を研磨することにより、レンズ長4.4mmのロッドレンズが一列に配列したレンズアレイを作成した。
得られたレンズアレイを、空間周波数12ラインペア/mmの格子を備えた図2のMTF評価装置10で評価することにより求めたロッドレンズのMTF(ave:平均値)は74.6%であった。
また、このような製造方法を30日間連続して行った際に得られたロッドレンズのMTF(ave:平均値)を図3に示す。さらに、この際に、第1の硬化処理部15aで、制御手段により制御されつつ照射された紫外線の強度を図4に示す。
図3から明らかなように、30日間連続生産した際にも、得られたロッドレンズのMTF(ave:平均値)の低下はほとんどなく、安定した性能を備えたロッドレンズを得ることができた。また、30日間にわたって第1の硬化処理部15aから制御されつつ照射された、図4に示す紫外線の強度の細かい変動は、図3に示すロッドレンズの性能と連動していることが示唆された。
[比較例]
第1の硬化処理部に制御手段および反射板を備えていない以外は実施例1で使用したものと同じ成形装置を使用して、同様の手法でロッドレンズを作製した。
また、このような製造方法を7日間連続して行った際の最終日に得られたロッドレンズのMTF(ave:平均値)は50.2%であった。
また、7日間のMTF(ave:平均値)の結果を図5に示すとともに、この際、第1の硬化処理部で使用したケミカルランプの出力の減衰特性を図6に示す。
図5から明らかなように、比較例で得られたものは、初期にはMTF(ave:平均値)が73.5%を示し高いものの、製造開始から時間の経過とともに大きく低下した。
本発明の製造方法で使用される成形装置の一例を示す部分縦断面図である。 (A)MTF評価装置の概略構成図と、(B)(A)で測定される光量レベルの概念図である。 実施例における製造日数に対するロッドレンズのMTF変化を示すグラフである。 実施例における製造日数に対する第1の硬化処理部で照射された紫外線の強度変化を示すグラフである。 比較例における製造日数に対するロッドレンズのMTF変化を示すグラフである。 比較例において第1の硬化処理部で使用したケミカルランプ出力の減衰特性を示すグラフである。
符号の説明
11 ノズル
12 硬化性ストランドファイバ
12’ ストランドファイバ
14 相互拡散部
15 硬化処理部
15a 第1の硬化処理部
15b 第2の硬化処理部
17a,17b 紫外線ランプ収納部
18 ケミカルランプ(紫外線ランプ)
19 高圧水銀灯(紫外線ランプ)
20a,20b 反射板
21 シリコンフォトダイオード
31 光源
32 光学フィルタ
33 拡散板
34 格子
35 レンズアレイ
36 CCDラインセンサ

Claims (1)

  1. 未硬化での粘度が10〜10Pa・sである3種以上の硬化性物質を、硬化後の屈折率が内側から外側に向かって順次低くなるように同心円状に配置し、3層以上の硬化性ストランドファイバを形成する第1工程と、
    前記硬化性ストランドファイバの隣接した2層の境界で、該2層を構成する前記硬化性物質を互いに拡散させることにより、前記2層を連続した屈折率分布とする第2工程と、
    前記硬化性ストランドファイバに2段以上で紫外線を照射して、該硬化性ストランドファイバを硬化する第3工程とを有し、
    前記第3工程で1段目に照射する紫外線の強度を、設定値から所定の範囲内に制御することを特徴とする屈折率分布型プラスチックロッドレンズの製造方法。
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