JP2006052663A - 筒内噴射式内燃機関 - Google Patents
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Abstract
【課題】 筒内噴射式内燃機関において、インジェクタから噴射される燃料による点火プラグの燻りや、インジェクタから噴射された燃料の燃焼室内壁面への付着を抑制する。
【解決手段】 筒内噴射式内燃機関1は、燃焼室2の内部に燃料を直接噴射するインジェクタ6、点火プラグ5、吸気弁Viおよび排気弁Veを有し、燃焼室2内でピストン10を往復移動させて動力を発生するものであり、ピストン10の頂面には、インジェクタ6の燃料噴射方向に沿って複数のキャビティ12,13,14,15が形成されており、キャビティ12〜15の底面12a,13a,14a,15aと、ピストン10の移動方向と直交する面P0とのなす角度θa12,θa14,θa14,θa15は、燃料噴射方向の下流側に向かうにつれて大きくなっている。
【選択図】 図3
【解決手段】 筒内噴射式内燃機関1は、燃焼室2の内部に燃料を直接噴射するインジェクタ6、点火プラグ5、吸気弁Viおよび排気弁Veを有し、燃焼室2内でピストン10を往復移動させて動力を発生するものであり、ピストン10の頂面には、インジェクタ6の燃料噴射方向に沿って複数のキャビティ12,13,14,15が形成されており、キャビティ12〜15の底面12a,13a,14a,15aと、ピストン10の移動方向と直交する面P0とのなす角度θa12,θa14,θa14,θa15は、燃料噴射方向の下流側に向かうにつれて大きくなっている。
【選択図】 図3
Description
本発明は、燃焼室の内部に燃料を直接噴射するインジェクタを備えた筒内噴射式内燃機関に関する。
インジェクタによって燃焼室の内部に直接燃料が噴射される筒内噴射式内燃機関では、点火プラグ周辺に所望の混合気の層を形成するために、ピストンの頂面にキャビティ(凹部)を形成するのが一般的である。そして、この種の筒内噴射式内燃機関として、ピストンの頂面に、主にインジェクタに対向する側からインジェクタに向けて進行して点火プラグ近傍を通過するスキッシュを発生させるスキッシュエリアが設けられているものも知られている(例えば、特許文献1参照。)。この筒内噴射式内燃機関では、更に、キャビティ内に複数の段部が形成されており、インジェクタから噴射される燃料は、ピストンの上昇に伴ってこれらの段部に順次衝突する。そして、燃料噴射量が少ない時に燃料が衝突する少なくとも二つの段部は、衝突した燃料を互いに略平行に点火プラグのスキッシュ上流側に偏向する。
しかしながら、上述のように構成される従来の内燃機関において、特にピストンが吸気上死点付近にある際にインジェクタから噴射された燃料は、ピストンと衝突するまでの距離が短いことから、ピストンと衝突した後も充分に霧化されずに液滴のまま進行することがあり、このような燃料が点火プラグに達すると、点火プラグの燻りが生じて混合気の着火性(点火性)が損なわれてしまうおそれがある。また、ピストンが下降して吸気下死点付近に近づいた際には、インジェクタから噴射された燃料の一部がインジェクタから遠い側のキャビティ(段部)で跳ね返され、燃焼室の内壁面に付着してしまうおそれもある。
そこで、本発明は、インジェクタから噴射される燃料による点火プラグの燻りや、インジェクタから噴射された燃料の燃焼室内壁面への付着を抑制することができる筒内噴射式内燃機関の提供を目的とする。
本発明による内燃機関は、燃焼室の内部に燃料を直接噴射するインジェクタ、点火プラグ、吸気弁および排気弁を有し、燃焼室内でピストンを往復移動させて動力を発生する筒内噴射式内燃機関において、ピストンの頂面には、インジェクタの燃料噴射方向に沿って複数のキャビティが形成されており、キャビティの底面と、ピストンの移動方向と直交する面とのなす角度は、燃料噴射方向の下流側に向かうにつれて大きくなっていることを特徴とする。
この筒内噴射式内燃機関では、ピストンの頂面に形成された複数のキャビティの底面と、ピストンの移動方向と直交する面とのなす角度が、燃料噴射方向の下流側に向かうにつれて大きくなっている。従って、インジェクタから噴射され、インジェクタに近い側のキャビティの底面と衝突した燃料は、点火プラグに向けて進行しないように、キャビティの底面により比較的浅い(小さい)角度で跳ね返される。一方、インジェクタから噴射され、インジェクタから遠い側、すなわち、燃焼室の内壁面に近い側のキャビティの底面と衝突した燃料は、燃焼室の内壁面に向けて進行しないように、キャビティの底面により比較的大きな角度で跳ね返される。従って、この筒内噴射式内燃機関では、ピストンと衝突した後も霧化されずに液滴のまま進行する燃料が点火プラグに達することを抑制してインジェクタから噴射される燃料による点火プラグの燻りを良好に抑制すると共に、インジェクタから噴射された燃料の燃焼室内壁面への付着を良好に抑制することができる。
また、各キャビティは、底面の燃料噴射方向の下流側に、インジェクタから噴射された燃料の少なくとも一部を吸気弁に向けて跳ね返すことができる噴霧偏向面を有しているとよく、噴霧偏向面とピストンの移動方向と直交する面とがなす角度は、燃料噴射方向の下流側に向かうにつれて大きくなっていると好ましい。
この筒内噴射式内燃機関では、噴霧偏向面で吸気弁に向けて跳ね返された燃料が吸気弁の周辺から横方向(側方)に拡散していくことになるので、各キャビティを比較的浅くしても、燃焼室内に所望の混合気の層を良好に形成可能となる。そして、この筒内噴射式内燃機関では、噴霧偏向面とピストンの移動方向と直交する面とのなす角度が、燃料噴射方向の下流側に向かうにつれて大きくなっている。これにより、インジェクタに近い側では、ピストンと衝突した後も霧化されずに液滴のまま進行する燃料が点火プラグに達することを抑制してインジェクタから噴射される燃料による点火プラグの燻りを確実に抑制することができる。また、インジェクタから離れた側では、インジェクタから噴射された燃料の燃焼室内壁面への付着を抑制することができる。
更に、噴霧偏向面の幅は、燃料噴射方向の下流側に向かうにつれて大きくなっていると好ましい。
すなわち、インジェクタから噴射される燃料の噴霧幅は、一般に、インジェクタから離れるほど(燃料噴射方向の下流側に向かうほど)大きくなることから、このような構成を採用すれば、インジェクタから噴射された後、横方向(側方)に拡がった燃料を噴霧偏向面によって良好に受けることが可能となる。
また、噴霧偏向面の中央部は、燃料噴射方向に概ね直行する方向に延在し、噴霧偏向面の両端部は、燃料噴射方向の上流側に向けて湾曲させられていると好ましい。
このような構成のもとでは、噴霧偏向面の両端部を燃焼室内壁面からできるだけ遠ざけることが可能となり、インジェクタから噴射された燃料の燃焼室内壁面への付着を良好に抑制することができる。
本発明によれば、インジェクタから噴射される燃料による点火プラグの燻りや、インジェクタから噴射された燃料の燃焼室内壁面への付着を抑制することができる筒内噴射式内燃機関の実現が可能となる。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明による筒内噴射式内燃機関を示す部分断面図である。同図に示される筒内噴射式内燃機関(以下、適宜「内燃機関」という)1は、燃焼室2の内部でガソリン等の燃料および空気の混合気を燃焼させ、燃焼室2内でピストン10を往復移動させることにより動力を発生するものである。なお、図1には1気筒のみが示されるが、内燃機関1は多気筒エンジンとして構成されると好ましく、本実施形態の内燃機関1は、例えば4気筒エンジンとして構成される。
また、本実施形態の内燃機関1は、いわゆる4バルブエンジンとして構成されており、各燃焼室2には、吸気ポートおよび排気ポートがそれぞれ2つずつ設けられている。各燃焼室2の2つの吸気ポートは、それぞれ吸気通路(吸気マニホールド)3に接続され、各燃焼室2の2つの排気ポートは、それぞれ排気通路(排気マニホールド)4に接続されている。そして、内燃機関1のシリンダヘッドCHには、各吸気ポートを開閉する吸気弁Viと、排気ポートを開閉する排気弁Veとが燃焼室2ごとに配設されている。2体の吸気弁Viおよび2体の各排気弁Veは、例えば、可変バルブタイミング機能を有する動弁機構(図示省略)によって開閉させられる。
更に、内燃機関1は、点火プラグ5と、例えばスリット状の燃料噴口を有するインジェクタ6とを気筒数に応じた数だけ有しており、点火プラグ5とインジェクタ6とは、燃焼室2ごとに少なくとも1体ずつ備えられている。図1に示されるように、点火プラグ5は、対応する燃焼室2の上部中央付近に臨むようにシリンダヘッドCHに装着されている。また、本実施形態の内燃機関1では、いわゆるサイドインジェクション方式が採用されており、インジェクタ6は、図1に示されるように、燃焼室2に連なる吸気通路3の下方に位置するようにシリンダヘッドCHに装着されている。そして、各インジェクタ6は、対応する燃焼室2に対して側方から燃料を直接噴射する。
一方、ピストン10の頂面には、図2に示されるように、2体の吸気弁Viに対応するバルブリセス11iと、2体の排気弁Veに対応するバルブリセス11eとが形成されている。本実施形態において、各バルブリセス11iおよび11eは、吸気弁Viまたは排気弁Veの弁体の外形に応じた弧状の浅い凹部として形成されている。このように、ピストン10の頂面にバルブリセス11iおよび11eを形成しておくことにより、各吸気弁Viと各排気弁Veとをオーバーラップさせても、ピストン10と各吸気弁Viおよび各排気弁Veとが干渉し合ってしまうことを防止することができる。
更に、各燃焼室2の内部にインジェクタ6から燃料が直接噴射される内燃機関1では、点火プラグ5の周辺に所望の混合気の層を形成すべく、ピストン10の頂面に複数のキャビティ12,13,14および15がインジェクタ6の燃料噴射方向(吸気側から排気側に向かう燃料の流れ方向)に沿って並設(形成)されている。各キャビティ12〜15は、図2および図3に示されるように、概ね平坦な底面(燃料衝突面)12a,13a,14a,15a、および底面12a〜15aの燃料噴射方向下流側の端部から立ち上がる噴霧偏向面12b,13b,14b,15bをそれぞれ含む。
図2に示されるように、キャビティ12〜15は、燃料噴射方向において順次連続するように形成されており、全体で上方から見て概ね扇状を呈する凹部を画成する。そして、各キャビティ12〜15、および各噴霧偏向面12b〜15bの幅(燃料噴射方向と直交する方向における最大寸法)は、燃料噴射方向の下流側に向かうにつれて(インジェクタ6や吸気弁Viから離れるにつれて)大きくなっている。つまり、各噴霧偏向面12b〜15bの幅をL12、L13,L14,L15とすると、L12<L13<L14<L15という関係が満たされる。
また、最もインジェクタ6や吸気弁Viに近い噴霧偏向面12bを除いた噴霧偏向面13b〜15bは、図2に示されるように、それぞれの中央部が燃料噴射方向に概ね直行する方向に延在すると共に、それぞれの両端部が燃料噴射方向の上流側、すなわち、インジェクタ6や吸気弁Viに向けて湾曲するように形成されている。これにより、噴霧偏向面13b〜15bの両端部を燃焼室2の内壁面からできるだけ遠ざけることが可能となり、インジェクタ6から噴射された燃料の燃焼室2の内壁面への付着を良好に抑制することができる。
図3に示されるように、キャビティ12の底面12aは、ピストン10の移動方向と直交する面P0と概ね平行をなすように(後述の角度θa12=0となるように)形成されている。また、キャビティ13〜15の底面13a〜15aは、基本的に、燃料噴射方向の下流側に向かうにつれて(インジェクタ6や吸気弁Viから離れるにつれて)面P0から図中下向きに傾斜するように形成されている。更に、各噴霧偏向面12b〜15bの傾斜角度は、インジェクタ6から噴射された燃料の少なくとも一部を吸気弁Viに向けて跳ね返すように設定されている。これにより、内燃機関1では、噴霧偏向面12b〜15bによって吸気弁Viに向けて跳ね返された燃料が吸気弁Viの周辺から横方向(側方)に拡散していくことになるので、各キャビティ12〜15を比較的浅くしても燃焼室2内に所望の混合気の層を良好に形成可能となる。
ここで、ピストン10の頂面に形成された複数のキャビティ12〜15の底面12a〜15aと、ピストン10の移動方向と直交する面P0とのなす角度は、図3に示されるように、燃料噴射方向の下流側に向かうにつれて(インジェクタ6や吸気弁Viから離れるにつれて)大きくなっている。すなわち、本実施形態では、キャビティ12の底面12aと面P0とのなす角度をθa12とし、キャビティ13の底面13aと面P0とのなす角度をθa13とし、キャビティ14の底面14aと面P0とのなす角度をθa14とし、キャビティ15の底面15aと面P0とのなす角度をθa15とすると、
θa12<θa13<θa14<θa15
という関係が満たされる。
θa12<θa13<θa14<θa15
という関係が満たされる。
なお、最もインジェクタ6に近いキャビティ12の底面12aと面P0とのなす角度θa12と、最もインジェクタ6から離れたキャビティ15の底面15aと面P0とのなす角度θa15との間において、θa12<θa15という関係が満たされるのであれば、θa13やθa14は、互いに、あるいは、θa12またはθa15と等しくなっていてもよい。
また、各キャビティ12〜15は、それぞれ底面12a〜15aの燃料噴射方向下流側に、噴霧偏向面12b〜15bを有しているが、本実施形態において、噴霧偏向面12b〜15bとピストン10の移動方向と直交する面P0とがなす角度は、燃料噴射方向の下流側に向かうにつれて(インジェクタ6や吸気弁Viから離れるにつれて)大きくなっている。すなわち、図3に示されるように、キャビティ12の噴霧偏向面12bと面P0とのなす角度をθb12とし、キャビティ13の噴霧偏向面13bと面P0とのなす角度をθb13とし、キャビティ14の噴霧偏向面14bと面P0とのなす角度をθb14とし、キャビティ15の噴霧偏向面15bと面P0とのなす角度をθb15とすると、
θb12<θb13<θb14<θb15
という関係が満たされる。
θb12<θb13<θb14<θb15
という関係が満たされる。
なお、最もインジェクタ6に近いキャビティ12の噴霧偏向面12bと面P0とのなす角度θb12と、最もインジェクタ6から離れたキャビティ12の噴霧偏向面15bと面P0とのなす角度θb15との間において、θb12<θb15という関係が満たされるのであれば、θb13やθb14は、互いに、あるいは、θb12またはθb15と等しくなっていてもよい。
さて、上述のように構成された内燃機関1において、例えばピストン10が吸気上死点付近にある際にインジェクタ6から燃料が噴射されると、インジェクタ6とピストン10との距離が短いことから、インジェクタ6からの燃料は充分に霧化されていない状態で主にインジェクタ6や吸気弁Viに近い側のキャビティ12,13等と衝突することがある。これに対して、内燃機関1では、ピストン10に形成された複数のキャビティ12〜15の底面12a〜15aとピストン10の移動方向と直交する面P0とのなす角度が、上述のように、燃料噴射方向の下流側に向かうにつれて大きくなっている。従って、例えばインジェクタ6や吸気弁Viに近い側のキャビティ12,13の底面12a,13aと衝突した燃料は、底面12a,13aによって比較的浅い(小さい)角度で跳ね返されるので、ピストン10の真上に位置する点火プラグ5に向けて進行しないようになる。
この結果、内燃機関1では、ピストン10と衝突した後も霧化されずに液滴のまま進行する燃料が点火プラグ5に達することを抑制してインジェクタ6から噴射される燃料による点火プラグ5の燻りを確実に抑制することが可能となる。また、例えばインジェクタ6や吸気弁Viに近い側のキャビティ12,13等と、燃焼室2の内壁面との間には、ある程度の距離が存在していることから、キャビティ12,13の底面12a,13等で跳ね返された直後に液滴のままである燃料が、そのまま微粒化されることなく燃焼室2の内壁面に達してしまうおそれは極めて少ない。
一方、例えばピストン10が吸気下死点に向けて下降している際にインジェクタ6から燃料が噴射されると、インジェクタ6とピストン10との距離が長くなることから、インジェクタ6からの燃料は、比較的良好に微粒化された後、主にインジェクタ6や吸気弁Viから遠い側、すなわち、燃焼室2の内壁面に近い側のキャビティ14,15等と衝突する。そして、例えばインジェクタ6や吸気弁Viから遠い側のキャビティ14,15の底面14a,15aと衝突した燃料は、底面14a,15aによって比較的大きな角度で跳ね返されるので、燃焼室2の内壁面に向けて進行しないようになる。これにより、内燃機関1では、インジェクタ6から噴射された燃料の燃焼室2の内壁面への付着を抑制することができる。
また、内燃機関1において、噴霧偏向面12b〜15bとピストンの移動方向と直交する面P0とがなす角度は、燃料噴射方向の下流側に向かうにつれて大きくなっている。従って、インジェクタ6や吸気弁Viに近い側の噴霧偏向面12b,13b等で跳ね返された燃料が真上の点火プラグ5へと進行してしまうことが抑制され、インジェクタ6や吸気弁Viから遠い側、すなわち、燃焼室2の内壁面に近い側の噴霧偏向面14b,15b等で跳ね返された燃料が燃焼室2の内壁面へと進行してしまうことが抑制される。この結果、内燃機関1では、インジェクタ6から噴射される燃料による点火プラグ5の燻りや、インジェクタ6から噴射された燃料の燃焼室2の内壁面への付着をより一層確実に抑制することが可能となる。
更に、内燃機関1では、キャビティ12〜15、および噴霧偏向面12b〜15bの幅が燃料噴射方向の下流側に向かうにつれて大きくなっているので、インジェクタ6から噴射された後、横方向(側方)に拡がった燃料を、特に燃料噴射方向の下流側のキャビティ14,15等や噴霧偏向面14b,15b等によって良好に受けることが可能となる。かかる構成は、特に、燃料の噴霧幅が燃料噴口から離れるほど(燃料噴射方向の下流側に向かうほど)大きくなるスリット状の燃料噴口を有するインジェクタ6が採用されている内燃機関に適用されると有効である。
図4および図5は、本発明の内燃機関に適用可能なピストンの他の例を示す斜視図である。
図4および図5に示されるピストン10Aは、成層燃焼用の深皿キャビティ16を有するものである。そして、ピストン10Aの頂面には、深皿キャビティ16と排気弁Ve用のバルブリセス11eとの間に(排気弁Ve側に)、キャビティ17,18が形成されている。キャビティ17,18は、それぞれ概ね平坦な底面17a,18aと、底面17a,18aの燃料噴射方向下流側の端部から立ち上がる噴霧偏向面17b,18bとを含む。キャビティ17,18、および各噴霧偏向面17b,18bの幅(燃料噴射方向と直交する方向における最大寸法)は、燃料噴射方向の下流側に向かうにつれて(インジェクタ6や吸気弁Viから離れるにつれて)大きくなっている。また、噴霧偏向面17b、18bは、図4に示されるように、それぞれの中央部が燃料噴射方向に概ね直行する方向に延在すると共に、それぞれの両端部が燃料噴射方向の上流側、すなわち、インジェクタ6や吸気弁Viに向けて湾曲するように形成されている。
更に、キャビティ17の底面17aとピストン10Aの移動方向と直交する面P0とのなす角度をθa17とし、キャビティ18の底面18aと面P0とのなす角度をθa18とすると、θa17<θa18という関係が満たされる。そして、キャビティ17の噴霧偏向面17bと面P0とのなす角度をθb17とし、キャビティ18の噴霧偏向面18bと面P0とのなす角度をθb18とすると、θb17<θb18という関係が満たされる。上述の内燃機関1に対して、このようなピストン10Aを備えても、インジェクタ6から噴射される燃料による点火プラグ5の燻りや、インジェクタ6から噴射された燃料の燃焼室2の内壁面への付着を良好に抑制することができる
1 筒内噴射式内燃機関
2 燃焼室
5 点火プラグ
6 インジェクタ
10,10A ピストン
12,13,14,15,17,18 キャビティ
12a,13a,14a,15a,17a,18a 底面
12b,13b,14b,15b,17b,18b 噴霧偏向面
16 深皿キャビティ
Ve 排気弁
Vi 吸気弁
2 燃焼室
5 点火プラグ
6 インジェクタ
10,10A ピストン
12,13,14,15,17,18 キャビティ
12a,13a,14a,15a,17a,18a 底面
12b,13b,14b,15b,17b,18b 噴霧偏向面
16 深皿キャビティ
Ve 排気弁
Vi 吸気弁
Claims (4)
- 燃焼室の内部に燃料を直接噴射するインジェクタ、点火プラグ、吸気弁および排気弁を有し、前記燃焼室内でピストンを往復移動させて動力を発生する筒内噴射式内燃機関において、
前記ピストンの頂面には、前記インジェクタの燃料噴射方向に沿って複数のキャビティが形成されており、前記キャビティの底面と、前記ピストンの移動方向と直交する面とのなす角度は、前記燃料噴射方向の下流側に向かうにつれて大きくなっていることを特徴とする筒内噴射式内燃機関。 - 前記各キャビティは、前記底面の前記燃料噴射方向の下流側に、前記インジェクタから噴射された燃料の少なくとも一部を前記吸気弁に向けて跳ね返すことができる噴霧偏向面を有しており、前記噴霧偏向面と前記ピストンの移動方向と直交する面とがなす角度は、前記燃料噴射方向の下流側に向かうにつれて大きくなっていることを特徴とする請求項1に記載の筒内噴射式内燃機関。
- 前記噴霧偏向面の幅は、前記燃料噴射方向の下流側に向かうにつれて大きくなっていることを特徴とする請求項2に記載の筒内噴射式内燃機関。
- 前記噴霧偏向面の中央部は、前記燃料噴射方向に概ね直行する方向に延在し、前記噴霧偏向面の両端部は、前記燃料噴射方向の上流側に向けて湾曲させられていることを特徴とする請求項2または3に記載の筒内噴射式内燃機関。
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JP2004233795A JP2006052663A (ja) | 2004-08-10 | 2004-08-10 | 筒内噴射式内燃機関 |
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---|---|---|---|---|
JP2018044511A (ja) * | 2016-09-16 | 2018-03-22 | 株式会社Subaru | 内燃機関のピストン |
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2004
- 2004-08-10 JP JP2004233795A patent/JP2006052663A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2018044511A (ja) * | 2016-09-16 | 2018-03-22 | 株式会社Subaru | 内燃機関のピストン |
US10385802B2 (en) | 2016-09-16 | 2019-08-20 | Subaru Corporation | Piston of internal combustion engine |
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