JP2006052334A - 樹脂組成物及びその製造方法、並びにそれを用いてなる成形体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 樹脂、前記樹脂の屈折率よりも高い屈折率を有するフィラー、及び、前記樹脂の屈折率よりも低い屈折率を有するフィラーを含有する分散相と、樹脂、前記樹脂の屈折率よりも高い屈折率を有するフィラー、及び、前記樹脂の屈折率よりも低い屈折率を有するフィラーを含有し、該分散相よりもフィラー濃度の低い連続相とからなり、全光線透過率が光路長1mm当たり60%以上である樹脂組成物。
【選択図】 なし
Description
また、本発明の別の趣旨は、樹脂と、屈折率の異なる複数種のフィラーとを含有し、前記樹脂の屈折率と総フィラーの平均屈折率との差が0.1以下であることを特徴とする樹脂組成物に存する(請求項2)。
また、本発明の別の趣旨は、上述の樹脂組成物を製造する方法であって、樹脂重合時にフィラーを共存させることを特徴とする樹脂組成物の製造方法に存する(請求項8)。
また、本発明の別の趣旨は、上述の樹脂組成物を用いて形成されたことを特徴とする成形体に存する(請求項9)。
また、本発明の樹脂組成物の製造方法によれば、上述の樹脂組成物を簡便に製造することが可能となる。
また、本発明の成形体は、上述の樹脂組成物を用いているので、透明性及び寸法精度に優れている。
本発明の樹脂組成物に用いられる樹脂(以下「マトリックス樹脂」と記載することがある。)は、高分子鎖が架橋した硬化性樹脂であっても、熱可塑性樹脂であってもよいが、一般に成形サイクルが短く成形収縮率が小さいことから、熱可塑性樹脂が好ましい。
本発明の樹脂組成物に用いられるフィラーは、熱可塑性を有さないものであれば、その種類は特に制限されず、有機物(例えば架橋樹脂、結晶)でも無機物でも使用できる。中でも、屈折率の範囲を広く選べる点と化学的安定性が良い点から、無機物が好ましい。
本発明の樹脂組成物は、上述のマトリックス樹脂と、複数種のフィラー(上述の高屈折率フィラー及び低屈折率フィラー)とを含有する。フィラーの総量は、樹脂組成物全体に対して通常1体積%以上、3体積%以上、更には5体積%以上、また、通常50体積%以下、中でも40体積%以下、更には30体積%以下の範囲とすることが好ましい。フィラーの総量がこの範囲よりも少ないと、十分な寸法安定性が得られないおそれがあり、逆に、フィラーの総量がこの範囲よりも多いと、相対的に樹脂の比率が少なくなり、樹脂組成物が十分な強度を保てなくなったり、透明性が低下したりするおそれがあるため、いずれも好ましくない。この体積%は、フィラーの仕込み重量と比重から計算される。また、3次元透過型電子顕微鏡(通称「3D−TEM」)を用いて得られる樹脂組成物のモルホロジー観察画像によって定量することもできる。
また、第1の樹脂組成物における分散相のフィラー濃度は、通常1体積%以上、中でも3体積%以上、更には5体積%以上、また、通常50体積%以下、中でも40体積%以下、更には30体積%以下の範囲とすることが好ましい。分散相のフィラー濃度がこの範囲に満たないと、十分な寸法安定性が得られないおそれがあり、逆に、分散相のフィラー濃度がこの範囲を超えると、相対的に樹脂の比率が少なくなり、樹脂組成物が十分な強度を保てなくなったり、透明性が低下したりするおそれがあるため、いずれも好ましくない。
なお、第1の樹脂組成物における連続相のフィラー濃度と分散相のフィラー濃度との差は、屈折率の僅かな差による光拡散を抑えるために、できるだけ小さい方が好ましい。
分散相及び連続相の各々のフィラー濃度は、透過型電子顕微鏡(TEM)により、平面フィラー濃度(各相の単位面積あたりのフィラーの個数とフィラーの平面面積より求めた値)として求めることができる。
本発明の樹脂組成物の製造方法に特に制限はない。例としては、屈折率の異なる複数種のフィラーをマトリックス樹脂と混合する製造方法と、マトリックス樹脂の原料(例えば重合反応に使用する単量体)と混合する製造方法とが挙げられる。
本発明の樹脂組成物は、所望の形状に成形することにより、成形体として用いることができる。本発明の樹脂組成物を用いて形成した成形体(本発明の成形体)は、透明性及び寸法精度の双方に優れている。
(混合フィラー溶液の作製)
高屈折率フィラーとして、オプトレイク1120Z(TiZrSiOx(チタニア粒子の外表面にジルコニアとシリカの複合物がコーティングされたフィラー)、粒子径5〜10nm、固形分20%、触媒化成工業(株)社製)を使用し、低屈折率フィラーとして、アエロジル300CF(SiO2、粒子径7nm、日本アエロジル(株)社製)を使用した。まず、アエロジル24gとメタノール276gとを混合し、これを超音波分散して、固形分8%のアエロジル分散ゾルを作製した。アエロジル分散ゾル282gにオプトレイク67gを混合し、30分間攪拌して混合フィラー溶液とした後、一週間程度静置した。
重合用ガラス管に、マトリックス樹脂の原料としてビスフェノールA72.8g(0.32mol)及びジフェニルカーボネート73.8g(0.34mol)、触媒として炭酸セシウム51mg(0.156mmol,金属換算500ppm vs.OH基)と、上記混合フィラー溶液88.3g(固形分10.3wt%)を仕込んだ。反応系内を不活性雰囲気下(窒素)に置換し、攪拌翼・スリーワンモーター(HEIDON社製BL300R)を用いて攪拌(初期回転数:200rpm)しながら、シリコンオイルバスでガラス管内を160℃に昇温させ、大気下で上記の各成分を溶融させ、溶媒を留去した。溶融留去後、更に230℃まで昇温させ、大気下で60分間攪拌し、その後30分間かけて大気圧(100kPa)から26kPaまでロータリーポンプを用いて徐々に減圧し、230℃、26kPaの状態を保ったまま60分間攪拌し、続いて30分間で26kPaから3kPaまで減圧し、230℃から250℃まで昇温し、250℃、3kPaに保持して30分間攪拌した。更に、30分間で3kPaから0.7kPa程度まで減圧するとともに、250℃から270℃まで昇温し、その後0.01kPa、270℃で任意の粘度が得られるまで攪拌する。反応中の留出物(フェノール)は冷却トラップ管に溜まるようにした。また、反応系内の粘度はスリーワンモーターの攪拌トルクから判断し、200rpm、100rpm、50rpmと徐々に回転数を落としていき、最終的に25rpm、0.025N・mとなったところで系内に窒素を導入して大気圧にし、重合を終了とした。ヒーターでガラス管を温めながら窒素で腹圧し、透明な樹脂組成物を得た。
フィラーとしてアエロジル300CF(SiO2、日本アエロジル(株)製)を単独で使用した。重合用ガラス管に、ビスフェノールA100g(0.44mol)、ジフェニルカーボネート101g(0.47mol)、触媒として0.1wt%炭酸セシウム水溶液0.072ml(0.022mmol,金属換算0.5ppm vs.OH基)と、フィラーにアエロジル300CF11.6gを仕込んだ。実施例1と同様の手順で重合を行なった結果、ストランド状の白濁色の樹脂組成物を得た。
得られた実施例1及び比較例1の樹脂組成物について、TEMによる観察を行なったところ、実施例1、比較例1ともに樹脂組成物中に分散相及び連続相の存在が確認された。
また、実施例1及び比較例1の樹脂組成物について、全光線透過率の測定を行なった。全光線透過率(%)は、JIS−K7105規格に基づいて測定した。実施例1及び比較例1の樹脂組成物の組成及び物性、並びに全光線透過率の測定結果を下記表1に示す。
Claims (12)
- 樹脂、前記樹脂の屈折率よりも高い屈折率を有するフィラー、及び、前記樹脂の屈折率よりも低い屈折率を有するフィラーを含有する分散相と、樹脂、前記樹脂の屈折率よりも高い屈折率を有するフィラー、及び、前記樹脂の屈折率よりも低い屈折率を有するフィラーを含有し、該分散相よりもフィラー濃度の低い連続相とからなり、全光線透過率が光路長1mm当たり60%以上であることを特徴とする樹脂組成物。
- 樹脂と、屈折率の異なる複数種のフィラーとを含有し、前記樹脂の屈折率と総フィラーの平均屈折率との差が0.1以下であることを特徴とする樹脂組成物。
- フィラーの1次粒径が1nm以上、50nm以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の樹脂組成物。
- 該樹脂組成物に対するフィラーの総量が1体積%以上、50体積%以下であることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の樹脂組成物。
- 少なくとも一つのフィラーがSiを含有することを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の樹脂組成物。
- 熱可塑性を有することを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の樹脂組成物。
- 樹脂としてポリカーボネート樹脂及び/又はポリエステル樹脂を含有することを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の樹脂組成物。
- 請求項1〜7の何れか一項に記載の樹脂組成物を製造する方法であって、樹脂重合時にフィラーを共存させることを特徴とする樹脂組成物の製造方法。
- 請求項1〜7の何れか一項に記載の樹脂組成物を用いて形成されたことを特徴とする成形体。
- シート状に成形されたことを特徴とする請求項9記載の成形体。
- 光学部材として用いられることを特徴とする請求項9又は請求項10に記載の成形体。
- 無機コート層を有することを特徴とする請求項9〜11の何れか一項に記載の成形体。
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