JP2006050684A - リニアモータとその製造方法及びステージ装置並びに露光装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 移動対象の部材を高精度に駆動する。
【解決手段】 所定間隔で離間した互いに平行な2つの直線部144を有するコイル体141を、固定子と可動子とのいずれか一方に備える。所定間隔と同等以下の間隔の空隙Sを、コイル体141の2つの直線部144の間に形成する工程と、空隙Sに前記所定間隔と同じ幅を有する間隔調整部材146を嵌合させる工程とを有する。
【選択図】 図7

Description

本発明は、リニアモータとその製造方法及びステージ装置並びに露光装置に関し、例えば半導体素子、撮像素子、液晶表示素子、又は薄膜磁気ヘッド等のデバイスを製造するためのフォトリソグラフィ工程中で、マスクパターンを基板上に転写するために使用される露光装置のマスクステージや基板ステージに使用して好適なものである。
例えば半導体素子を製造する際に、マスクとしてのレチクルのパターンを基板としてのフォトレジストが塗布されたウエハ(又はガラスプレート等)の各ショット領域に転写するために、一括露光方式又は走査露光方式の露光装置が使用されている。前者の一括露光方式の露光装置は、主にウエハやレチクルを高精度に位置決めするために、また後者の走査露光方式の露光装置は、主に走査露光中のレチクル及びウエハの等速性を高精度に維持するために、それぞれレチクルステージ及びウエハステージを備えている。これらのステージの駆動用アクチュエータとして、かつては回転モータが用いられていたが、最近では、実質的に摩擦がなく、そのためステージに加わる外乱を低く、更には事実上なくすことができるリニアモータが用いられることが多い。
リニアモータは、基本的な構成として可動子と固定子とを有し、例えばムービングマグネット型のリニアモータでは、可動子に所定ピッチで磁石が配置され、固定子に磁石の配置に応じてコイル体が配置されている。通常、ストロークが長い場合、3相のリニアモータが用いられ、固定子(3相のコイル)に対する可動子(磁石)の位置(相対位置)により、各相のコイルの電流が設定される。
上記の露光装置においては、ステージの駆動用アクチュエータの他に、ステージ駆動時の駆動方向と略直交する方向の位置ずれを矯正(補正)する際や、ステージが非走査方向に移動する際の反力をキャンセルするためにもリニアモータが使用されている。例えば、特許文献1には、ステージを非走査方向に移動自在に支持するガイドバーの端部に設けられた可動子とステージの移動方向(走査方向)に沿って、且つ移動ストロークに応じた長さを有する固定子とを有するトリムモータ(リニアモータ)が開示されている。
ここで、リニアモータの発生する推力はフレミングの左手の法則に従い、その大きさは磁束密度に比例し、電流に比例する。また、コイル体によって発生する推力はコイル体の推力定数(単位電流当たりに発生する推力)に電流を乗ずることによって求めることができる。この推力定数は、固定子に対する可動子の位置における磁束密度の積分値に応じて変化するものである。
特開2003−299339号公報
しかしながら、上述したような従来技術には、以下のような問題が存在する。
通常コイル体は、導線を巻回することで、所定間隔で離間した互いに平行な2つの直線部と、これら直線部の端部同士を略円弧形状でつなぐ円弧部とからなる略0字状に形成されるが、コイル体がステージの移動ストロークに応じた大きな長さを有する場合、直線部における所定間隔を一定に維持した状態でコイル体を製造することは容易ではなく、巻き線のテンションの問題等により、直線部の直線性を確保するのは困難である。
この場合、コイル体の端部と中央部分とで磁石に対する直線部の位置が変化してしまうので、磁束密度の積分値が異なることになる。つまり、可動子の位置によって推力定数にバラツキ(誤差)が生じることになる。
このような推力定数の誤差は推力変動の要因となり、例えばステージの加減速時等に、可動子の位置によらずに一定の推力でその可動子を駆動したいときに、推力が変動することとなる。
半導体素子の一層の高集積化及びスループットの更なる向上の要求に応えるために、露光装置においてはステージの一層の高精度化及び高速化が求められている。そのため、上述のようなリニアモータの推力変動等の性能のばらつきはできるだけ小さくすることが望まれている。
本発明は、以上のような点を考慮してなされたもので、移動対象の部材を高精度に駆動できるリニアモータとその製造方法及びステージ装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、そのリニアモータを用いて、高精度にマスクパターンを基板上に転写できる露光装置を提供することをも目的とする。
上記の目的を達成するために本発明は、実施の形態を示す図1ないし図11に対応付けした以下の構成を採用している。
本発明のリニアモータの製造方法は、所定間隔で離間した互いに平行な2つの直線部(144)を有するコイル体(141)を、固定子(40)と可動子(30)とのいずれか一方(40)に備えるリニアモータ(79)の製造方法であって、前記所定間隔と同等以下の間隔の空隙(S)を、コイル体(141)の2つの直線部(144)の間に形成する工程と、空隙(S)に前記所定間隔と同じ幅を有する間隔調整部材(146)を嵌合させる工程とを有することを特徴とするものである。
また、本発明のリニアモータは、上記のリニアモータの製造方法により製造されたことを特徴としている。
従って、本発明のリニアモータの製造方法では、2つの直線部(144)の間の空隙(S)を一旦所定間隔と同等以下に形成するので、空隙(S)に前記所定間隔と同じ幅を有する間隔調整部材(146)を嵌合させたときに、コイル体(141)の弾性復元力によって直線部(144)が間隔調整部材(146)を挟持し、間隔が規定されることで直線部(144)の離間間隔を所定間隔に維持できる。そのため、可動子(30)の位置に応じて推力定数にバラツキが生じることを抑制でき、移動対象の部材(R)を高精度に駆動することが可能になる。
また、本発明のステージ装置は、上記のリニアモータ(79)が駆動装置として用いられることを特徴とするものである。
従って、本発明のステージ装置では、可動子(30)の位置に応じて推力定数にバラツキが生じることを抑制でき、移動対象の部材(R)を高精度に駆動することが可能になる。
さらに、本発明のリニアモータは、所定間隔で離間した互いに平行な2つの直線部(144)を有するコイル体(141)と、2つの直線部(144)の間に配置され、2つの直線部(144)の間隔を所定間隔に調整する間隔調整部材(146)と、コイル体(141)と間隔調整部材(146)とを一体化して成型する成型材とを有することを特徴としている。
従って、本発明のリニアモータでは、2つの直線部(144)の間隔を間隔調整部材(146)により所定間隔に調整した状態でコイル体(141)を一体化するので、可動子(30)の位置に応じて推力定数にバラツキが生じることを抑制でき、移動対象の部材(R)を高精度に駆動することが可能になる。
そして、本発明の露光装置は、マスクステージ(RST)に保持されたマスク(R)のパターンを基板ステージに保持された基板(W)に露光する露光装置(10)であって、上記のステージ装置(12)がマスクステージと基板ステージとの少なくともいずれか一方(RST)に用いられていることを特徴とするものである。
従って、本発明の露光装置では、マスク(R)や基板(W)を高精度に駆動することが可能になり、マスクパターンの基板(W)への転写精度を高めることができる。
なお、本発明をわかりやすく説明するために、一実施例を示す図面の符号に対応付けて説明したが、本発明が実施例に限定されるものではないことは言うまでもない。
本発明では、可動子の相対位置に関係なく所望の推力を発現することが可能になり、移動対象を高精度に駆動することができるとともに、一層の高精度化及び高速化にも対応することが可能になり生産性の向上にも寄与できる。
以下、本発明のリニアモータとその製造方法及びステージ装置並びに露光装置の実施の形態を、図1ないし図12を参照して説明する。
本例は、ステップ・アンド・スキャン方式よりなる走査露光型の投影露光装置(スキャニング・ステッパ)に備えられたステージ装置に本発明を適用したものである。
図1は、本例の投影露光装置(露光装置)10の概略構成を示し、この図1において、投影露光装置10に備えられている投影光学系PLの光軸AXに平行にZ軸を取り、Z軸に垂直な平面内で走査露光時のレチクル及びウエハ(詳細後述)の走査方向にY軸を取り、その走査方向に直交する非走査方向にX軸を取って説明を行う。
本例の投影露光装置10は、照明光学系ユニットIOP、マスクとしての回路パターンが形成されたレチクルRをY方向に所定のストロークで駆動するとともに、X方向、Y方向及びθz方向(Z軸の回りの回転方向)に微少駆動するステージ装置としてのレチクルステージ装置12、投影光学系PL、基板としてのウエハWをXY平面内でXY2次元方向に駆動するウエハステージ(基板ステージ)WST、及びこれらの制御系等を備えている。
照明光学系ユニットIOPは、露光光源及び照明光学系を含み、その内部に配置された視野絞り(レチクルブラインド)で規定されるレチクルRのパターン面の矩形又は円弧状の照明領域IARを露光ビームとしての露光光ILで均一な照度分布で照明する。その照明光学系と同様の照明系は、例えば特開平6−349701号公報などに開示されている。本例の露光光ILとしては、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)或いはFレーザ光(波長157nm)などの真空紫外光が用いられる。なお、露光光ILとして、KrFエキシマレーザ光(波長248nm)などの遠紫外光、超高圧水銀ランプからの紫外域の輝線(g線、i線等)等を用いることも可能である。
次に、レチクルステージ装置12は、照明光学系IOPの下端部に連結された環状の取り付け部101を有するプレートとしての照明系側プレート(キャッププレート)14の図1における下方に配置されている。照明系側プレート14は、略水平に不図示の支持部材によって支持され、そのほぼ中央部には露光光ILの光路(通路)となる矩形の開口14aが形成されている。
レチクルステージ装置12は、図1及びレチクルステージ装置12の斜視図である図2から分かるように、前記照明系側プレート14の下方に所定間隔を隔ててほぼ平行に配置された定盤としてのレチクルベース16、このレチクルベース16と照明系側プレート14との間に配置されたスライダとしてのレチクルステージRST、及びこのレチクルステージRSTを取り囲む状態でレチクルベース16と照明系側プレート14との間に配置された枠状部材18、及びレチクルステージRSTを駆動するレチクルステージ駆動系等を備えている。
レチクルベース16は、不図示の支持部材によって略水平に支持されている。このレチクルベース16は、図2の分解斜視図である図3に示すように、概略板状の部材から成り、そのほぼ中央には、凸のガイド部16aが形成されている。このガイド部16aの上面(ガイド面)は極めて高い平面度に仕上げられ、ガイド部16aのほぼ中央には、露光光ILをZ方向に通過させるためのX方向を長手方向とする矩形開口16bが形成されている。レチクルベース16の下面側には、図1に示すように、矩形開口16bに対応して投影光学系PLが配置されている。
レチクルステージRSTは、図4(A)に示すような特殊な形状のレチクルステージ本体22及びこのレチクルステージ本体22に固定された各種磁石ユニット(詳細後述)等を備えている。レチクルステージ本体22は、上方から見て概略矩形の板状部24Aと、この板状部24Aの−X方向の端部に設けられたミラー部24Bと、板状部24AのY方向の一側及び他側の端部からそれぞれY方向に突設された各一対の延設部24C1,24C2,24D1,24D2とを備えている。
前記板状部24Aのほぼ中央部には、露光光ILを通過させるための開口がその中央に形成された段付き開口22aが形成され、この段付き開口22aの段部(1段掘り下げられた部分)には、レチクルRを下側から複数点(例えば3点)で支持する複数(例えば3つ)のレチクル支持部材34が設けられている。また、各レチクル支持部材34にそれぞれ対応して、レチクルRを挟んで固定するために、板状部24Aには複数(例えば3つ)のレチクル固定機構34Pが設けられている。
そして、レチクルRは、そのパターン面(下面)が、レチクルステージ本体22(レチクルステージRST)の中立面CT(曲げモーメントを受けた場合に伸縮しない面)に略一致する状態で、複数の支持部材34によって支持されている(図4(B)参照)。なお、レチクル支持部材34及びレチクル固定機構34Pに代えて、或いはこれとともに、真空チャックや静電チャックなどの各種チャックを用いることは可能である。
また、前記ミラー部24Bは、図4(A),(B)から明らかなように、Y方向を長手方向とする概略角柱状の形状を有し、その中心部分には軽量化を図るための断面円形の空洞部CHが形成されている。ミラー部24Bの−X方向の端面は鏡面加工が施された反射面124m(図5参照)とされている。
板状部24A、ミラー部24Bを含むレチクルステージ本体部22は、一体成形(例えば、一つの部材を削り出すことにより成形)されているが、本例では、説明を分かり易くするため、必要に応じて各部が別部材であるかのような表現をも用いている。勿論、上記各部の何れか1つを他と別部材で構成しても良いし、全てを別部材で構成しても良い。
また、図4(A)において、レチクルステージ本体22の板状部24Aの−Y方向の端部には、2つの凹部24g1,24g2が形成され、この凹部24g1,24g2のそれぞれには、移動鏡としてのレトロリフレクタ32A,32Bが設けられている。そして、前記4つの延設部24C1,24C2,24D1,24D2は、概略板状の形状を有し、各延設部には強度向上のための断面三角形状の補強部が設けられている。レチクルステージ本体22の底面には、延設部24C1から延設部24D1に至るY方向の全域に亘る第1の差動排気型の気体静圧軸受けが形成され、延設部24C2から延設部24D2に至るY方向の全域に亘る第2の差動排気型の気体静圧軸受けが形成されている。
図1のレチクルステージ装置12の一部の断面図である図6に示すように、レチクルステージ本体22の底面の第1、第2の差動排気型の気体静圧軸受けからレチクルベース16のガイド部16aの上面に噴き付けられる加圧気体の静圧と、レチクルステージRST全体の自重とのバランスにより、ガイド部16aの上面上方に数μm程度のクリアランスを介して、レチクルステージRSTが非接触で浮上支持されている。
図2に戻り、前記枠状部材18の上面には、概略環状の凹溝83,85が二重に形成されている。このうちの内側の凹溝(以下、「給気溝」と呼ぶ)83には、その内部に複数の給気口(不図示)が形成され、外側の凹溝(以下、「排気溝」と呼ぶ)85には、複数の排気口(不図示)が形成されている。給気溝83の内部に形成された給気口は、不図示の給気管路及び給気管を介して不図示のガス供給装置に接続されている。また、排気溝85の内部に形成された排気口は、不図示の排気管路及び排気管を介して不図示の真空ポンプに接続されている。
また、枠状部材18の底面にも、上面の給気溝83及び排気溝85に対応するように概略環状の凹溝からなる給気溝及び排気溝(不図示)が形成され、これらの給気溝及び排気溝もそれぞれ不図示のガス供給装置及び真空ポンプに接続されている。その給気溝及び排気溝を含んで、実質的に、レチクルベース16の上面に枠状部材18を浮上支持する差動排気型の気体静圧軸受けが構成されている。
即ち、ガス供給装置と真空ポンプとが作動状態にあるときは、枠状部材18の底面の給気溝(不図示)からレチクルベース16の上面に加圧気体が噴き付けられ、この噴き付けられた加圧気体の静圧により枠状部材18の自重が支えられ、枠状部材18がレチクルベース16の上面に数μm程度のクリアランスを介して浮上支持される。
同様に、枠状部材18の上面の給気溝83及び排気溝85を含んで、実質的に、枠状部材18と照明系側プレート14との間のクリアランスを維持する差動排気型の気体静圧軸受けが構成されている。
即ち、ガス供給装置と真空ポンプとが作動状態にあるときは、枠状部材18の上面に形成された給気溝83から照明系側プレート14の下面に加圧気体が噴き付けられ、該噴き付けられた加圧気体の静圧と真空吸引力とのバランスによって、枠状部材18と照明系側プレート14との間に所定のクリアランスが維持される。
次に、図2に示すように、レチクルステージ駆動系は、レチクルステージRSTをY方向に駆動するとともにθz方向(Z軸の回りの回転方向)に微小駆動する第1駆動機構と、レチクルステージRSTをX方向に微小駆動する第2駆動機構とを備えている。前者の第1駆動機構は、枠状部材18の内部に、Y方向にそれぞれ架設された一対のY軸駆動部36、38を含んで構成され、後者の第2駆動機構は、枠状部材18の内部の+X方向側のY軸駆動部38の−X方向側にY方向に架設された固定子ユニット40を含んで構成されている。
前記一方のY軸駆動部36は、図3の分解斜視図に示すように、Y方向を長手方向とする一対のそれぞれコイルユニットが配置された固定子ユニット136A,136Bと、これらの固定子ユニット136A,136BをY方向(長手方向)の一端部と他端部とで保持する一対の固定部材152とを備えている。この場合、一対の固定部材152により、固定子ユニット136A,136Bは、Z方向(上下方向)に所定間隔をあけて相互に対向してかつXY平面にそれぞれ平行に保持されている。一対の固定部材152のそれぞれは、前述の枠状部材18の内壁面に固定されている。
前記固定子ユニット136A,136Bは、図3及び図1のレチクルステージ本体22付近の断面図である図5からも分かるように、断面矩形(長方形)の非磁性材料から成るフレームを有し、その内部には、Y方向に所定間隔で複数のコイルが配設されている。
前記+X方向側のY軸駆動部38も上記一方のY軸駆動部36と同様に構成されている。即ち、Y軸駆動部38は、Y方向を長手方向とする上下一対のそれぞれコイルユニットが配置された固定子ユニット138A,138Bと、これらの固定子ユニット138A,138BをZ方向に所定間隔を維持した状態で両端部にて固定する一対の固定部材154とを備えている。一対の固定部材154のそれぞれは、前述の枠状部材18の内壁面に固定されている。固定子ユニット138A,138Bは、前述の固定子ユニット136A,136Bと同様に構成されている(図5参照)。
また、上側の固定子ユニット136A,138Aと、下側の固定子ユニット136B,138Bとの間には、図5に示すように、それぞれ所定のクリアランスを介して、レチクルステージRSTが配設されている。この場合、固定子ユニット136A,136Bにそれぞれ対向して、レチクルステージRSTの上面、下面には、一対のそれぞれ磁石ユニット(磁極ユニット)が配置された可動子ユニット26A,26Bが埋め込まれ、固定子ユニット138A,138Bに対向して、レチクルステージRSTの上面、下面には、一対のそれぞれ磁石ユニットが配置された可動子ユニット28A,28Bが埋め込まれている。本例では、可動子ユニット26A,26B及び28A,28Bの磁石ユニットとして、それぞれZ方向に磁界を発生する複数の永久磁石を所定ピッチで極性を反転しながらY方向に配置したユニットが使用されているが、その永久磁石の代わりに電磁石等も使用することができる。
可動子ユニット26A,26Bのそれぞれは、図4(B)に示すように、前述のレチクルステージ本体22の板状部24Aの段付き開口22aの−X方向側に、レチクルステージ本体22の中立面CTに対して対称に上下面側にそれぞれ形成された凹部24e1,24e2内に配置されている。この場合、図5の固定子ユニット136A,136Bは、上記中立面CTを基準としてほぼ対称な位置に位置している。そして、一対の可動子ユニット26A,26Bは、磁性体部材と、この磁性体部材の表面にY方向に沿って所定間隔で配置された複数の磁石とを、それぞれ備えている。複数の磁石は、隣り合う磁石同士で逆極性とされている。従って、可動子ユニット26Aの上方の空間及び可動子ユニット26Bの下方の空間にはそれぞれY方向に沿って交番磁界が形成されている。
同様に、前記一対の可動子ユニット28A,28Bのそれぞれは、図4(B)に示すように、前述のレチクルステージ本体22の板状部24Aの段付き開口22aの+X方向側に、レチクルステージ本体22の中立面CTに関して対称に上下面側にそれぞれ形成された凹部24f1,24f2内に配置されている。また、一対の可動子ユニット28A,28Bは、段付き開口22aのX方向の中心位置(レチクルステージRSTの重心のX方向の位置とほぼ一致)を通るZ軸に平行な直線に関して、可動子ユニット26A,26Bとほぼ左右対称の配置となっている。また、図5の第1固定子ユニット138A,138Bは、中立面CTを基準としてほぼ対称な位置に位置している。
そして、一対の可動子ユニット28A,28Bは、磁性体部材と、この磁性体部材の表面にY方向に沿って所定間隔で配置された複数の磁石とをそれぞれ備えている。複数の磁石は、隣り合う磁石同士で逆極性とされている。従って、可動子ユニット28Aの上方の空間及び可動子ユニット28Bの下方の空間にもそれぞれY方向に沿って交番磁界が形成されている。
本例では、上述したY軸駆動部36及び38の上側の固定子ユニット136A及び138Aと、レチクルステージ本体22側に対向して配置された可動子ユニット26A及び28Aとから、それぞれ図5に示すように第1のY軸リニアモータ76A及び第2のY軸リニアモータ78Aが構成されている。そして、Y軸駆動部36及び38の下側の固定子ユニット136B及び138Bと、レチクルステージ本体22側の対応する可動子ユニット26B及び28Bとから、それぞれ図5に示すように第3のY軸リニアモータ76B及び第4のY軸リニアモータ78Bが構成されている。また、それぞれ1軸の駆動装置としての第1、第2、第3、及び第4のY軸リニアモータ76A,78A,76B,78Bから上記の第1駆動機構が構成されている。本例の4軸のY軸リニアモータ76A,78A,76B,78Bはそれぞれムービングマグネット型であり、広いストロークで移動する部材側には配線を接続する必要がないため、移動速度を高めることができ好ましい。
例えば第1のY軸リニアモータ76Aでは、固定子としての固定子ユニット136A内のコイルにX方向に電流が供給されることにより、そのコイルを流れる電流と可動子としての可動子ユニット26A内の磁石がZ方向に発生する磁界との電磁相互作用によって、フレミングの左手の法則に従って、固定子ユニット136A内のコイルにY方向への電磁力(ローレンツ力)が発生する。そして、この電磁力の反作用(反力)が固定子ユニット136Aに対して相対的に可動子ユニット26AをY方向に駆動する推力となる。同様に、図5の第2のY軸リニアモータ78Aは、固定子ユニット138Aに対して相対的に可動子ユニット28AをY方向に駆動する推力を発生する。また、第3及び第4のY軸リニアモータ76B及び78Bは、それぞれ固定子ユニット136B及び138Bに対して相対的に可動子ユニット26B及び28BをY方向に駆動する推力を発生する。
このように、固定子(固定子ユニット136A,138A,136B,138B)と可動子(可動子ユニット26A,28A,26B,28B)とが電磁相互作用のような物理的相互作用を行って駆動力を発生する際には、その固定子とその可動子とが「協働」して駆動力を発生するとも言うことができる。また、実際にはその電磁力(作用)によって固定子も可動子とは反対方向に僅かに移動する。そのため、本明細書では、相対的な移動量が多い方の部材を可動子又は可動子ユニットと呼び、相対的な移動量が少ない方の部材を固定子又は固定子ユニットと呼ぶものとする。
この場合、第1、第2、第3、及び第4のY軸リニアモータ76A,78A,76B,78Bの固定子ユニット136A,138A,136B,138Bはそれぞれ図2のY軸駆動部36,38を介して第1部材としての枠状部材18に連結され、可動子ユニット26A,28A,26B,28Bはそれぞれ図2の第2部材としてのレチクルステージRST(レチクルステージ本体22)に固定されている。また、第1及び第2のY軸リニアモータ76A及び78Aは、レチクルRを挟むようにほぼ対称にX方向に離れて配置されて、それぞれ枠状部材18に対して相対的にレチクルステージRSTをY方向に駆動する。また、第3及び第4のY軸リニアモータ76B及び78Bは、第1及び第2のY軸リニアモータ76A及び78Aに対向するように配置されて、それぞれ枠状部材18に対して相対的にレチクルステージRSTをY方向に駆動する。従って、第1及び第2のY軸リニアモータ76A及び78Aが第1の1対の駆動装置に対応し、第3及び第4のY軸リニアモータ76B及び78Bが第2の1対の駆動装置に対応している。
また、本実施形態では図2のY軸駆動部36,38が内側に固定された枠状部材18は、底面側のレチクルベース16及び上面側の照明系側プレート14との間で気体軸受けを介して非接触に支持されている。そのため、Y軸リニアモータ76A,78A,76B,78BによってレチクルステージRSTをY方向に駆動する際に、反力を相殺するように枠状部材18が逆方向に僅かに移動する。これによってレチクルステージRSTを駆動する際の振動の発生が抑制される。但し、レチクルステージRSTの質量に対して枠状部材18の質量はかなり大きいため、枠状部材18の移動量は僅かである。
本実施形態では、通常は、図5において、−X方向側の第1及び第3のY軸リニアモータ76A及び76Bは、同期してY方向に同じ推力を発生するように駆動される。同様に、+X方向側の第2及び第4のY軸リニアモータ78A及び78Bも、同期してY方向に同じ推力を発生するように駆動される。そして、レチクルステージRST(レチクルR)をY方向に等速駆動するような場合には、第1及び第3のY軸リニアモータ76A,76Bと、第2及び第4のY軸リニアモータ78A,78Bとが更に同期してほぼ等しい推力で枠状部材18に対してレチクルステージRSTをY方向に駆動する。また、レチクルステージRSTの回転角θz(ヨーイング)を補正する必要のある場合には、第1及び第3のY軸リニアモータ76A,76Bが発生する推力と、第2及び第4のY軸リニアモータ78A,78Bが発生する推力との大きさの比が制御される。
本実施形態の場合、図4(B)に示すように、レチクルステージRSTの中立面CTを基準として、可動子ユニット26A及び26B、並びに可動子ユニット28A及び28Bがそれぞれ対称に配置され、これらの可動子ユニットに対応する図5の固定子ユニット136A及び136B、並びに固定子ユニット138A及び138Bもそれぞれ中立面CTを基準として上下対称に配置されている。このため、固定子ユニット136A,136B,138A,138Bのコイルにそれぞれ対応する電流を供給して、互いに同一の駆動力を可動子ユニット26A,26B,28A,28Bに与えることによって、レチクルステージRSTの中立面CT(図4(B)参照)上の2箇所にY方向の駆動力(可動子ユニット26A,26Bの駆動力の合力、及び可動子ユニット28A,28Bの駆動力の合力)を作用させることができる。これにより、レチクルステージRSTにはピッチングモーメントが極力作用しないようになっている。
更に、本実施形態では可動子ユニット26A,26Bと、可動子ユニット28A,28Bとは、X方向に関しても、レチクルステージRSTの重心近傍位置に関してほぼ対称に配置されている。そのため、レチクルステージRSTの重心からX方向に等距離の2箇所で上記のY方向の駆動力が作用するので、この2箇所に同一の力を発生させることでレチクルステージRSTの重心位置近傍にY方向の駆動力の合力を作用させることが可能となっている。従って、例えばレチクルステージ本体22をY方向に直線的に駆動するような場合に、レチクルステージRSTにはヨーイングモーメントも極力作用しないようになっている。
次に、第2駆動機構側の固定子ユニット40は、図3に示すように、Y方向を長手方向とする一対の固定子としてのコイルユニット140A,140Bと、これらのコイルユニット140A,140BをY方向(長手方向)の一端部と他端部とで保持する一対の固定部材156とを備えている。この場合、一対の固定部材156により、コイルユニット140A,140Bは、Z方向(上下方向)に所定間隔をあけて相互に対向してかつXY平面にそれぞれ平行に保持されている。一対の固定部材156のそれぞれは、前述の枠状部材18の内壁面に固定されている。
コイルユニット140A,140Bは、図5からも明らかなように、断面矩形(長方形)の非磁性材料から成るフレームを有し、その内部には、コイル体が配置されている。
図7(A)はコイルユニット140A、140Bの平面図であり、図7(B)は正面断面図である。
各コイルユニット140A、140Bは、コイル体141が非磁性材料から成るフレーム142内にエポキシ樹脂等によりモールド体143として成型された状態で収容されている。モールド体143の両側縁には、フレーム142に接合するためのフランジ部143a、143bが延出して設けられている。コイル体141を含むモールド体143は、このフランジ部143a、143bにおいて取付ボルト等の締結手段148、149によりフレーム142に一体的に固定される。
コイル体141は、銅線等の線材を巻回することで、所定間隔(例えば10mm程度)の隙間Sを挟んで離間した互いに平行な2つの直線部144と、これら直線部144の端部同士を略円弧形状でつなぐ円弧部145とからなる略0字状に形成されている。直線部144間の隙間Sには、当該隙間Sの間隔を調整するためのコマ部材(間隔調整部材)146が図7(B)中、下方から嵌合して設けられており、コマ部材146にはコマ部材147が図7(B)中、上方から嵌合して設けられている。これらコマ部材146、147はコイル体141に対して対(組)で設けられる。
コマ部材146は、樹脂等の電気絶縁性材料で形成されており、直線部144間の隙間Sとして設定される所定間隔と同じ幅(直径)を有する断面円形の嵌合軸146aと嵌合軸146aの一端側に設けられ下面側からコイル体141に係合する円盤状のフランジ部146bとから構成されている。嵌合軸146aの上面には孔部146cが形成されている。また、フランジ部146bの下面には孔部(凹部、位置決め部)146dが形成されている。フランジ部146bの厚さは、コイル体141の下面側を被覆するモールド体143の厚さに設定されている。
コマ部材147は、コマ部材146と同様に、樹脂等の電気絶縁性材料で形成されており、嵌合軸146aの孔部146cと嵌合して位置決めされる軸部147aと、軸部147aの一端側に設けられ上面側からコイル体141に係合する円盤状のフランジ部147bとから構成されている。そして、フランジ部147bの上面には、孔部(凹部、位置決め部)147cが形成されている。フランジ部147bの厚さは、コイル体141の上面側を被覆するモールド体143の厚さに設定されている。
そして、これらコイル体141及びコマ部材146、147は、モールド体143として一体的に成型されている。
なお、図7においてはコマ部材146、147を一組しか図示していないが、実際にはコイル体141の長さに応じて、隙間Sの間隔が維持されるように一組以上配置される。例えばコイル体141の長さが800mm程度、隙間Sの間隔が10mm程度であれば、コマ部材146、147は互いに間隔をあけて5組程度が配置される。また、コマ部材146、147は、隙間Sの長手方向両端部に1つずつ配置されるのが望ましいので、5組のうちの2組は隙間Sの長手方向両端部に1つずつ配置される。
コイルユニット140A,140Bの間には、図5に示すように、それぞれ所定のクリアランスを介して、レチクルステージRSTの+X方向の端部に固定された可動子としての断面矩形(長方形)の板状のZ方向に磁界を発生する永久磁石30が配置されている。永久磁石30に代えて、磁性体部材とその上下面にそれぞれ固定された一対の平板状の永久磁石とから成る磁石ユニットを用いても良い。
この場合、永久磁石30及びコイルユニット140A,140Bは、中立面CTを基準としてほぼ対称な形状及び配置となっている(図4(B)及び図5参照)。従って、永久磁石30によって形成されるZ方向の磁界とコイルユニット140A,140Bをそれぞれ構成するコイルをY方向に流れる電流との間の電磁相互作用により、フレミングの左手の法則に従ってそのコイルにX方向の電磁力(ローレンツ力)が発生し、この電磁力の反力が永久磁石30(レチクルステージRST)をX方向に駆動する推力となる。また、この場合にも、レチクルステージRSTをX方向に駆動する際の反力を相殺するように、逆方向に枠状部材18が僅かに移動する。従って、レチクルステージRSTをX方向に駆動する際の振動の発生も抑制されている。
この場合、コイルユニット140A,140Bをそれぞれ構成するコイル体に同一の電流を供給することにより、レチクルステージRSTの中立面CT(図4(B)参照)上の位置にX方向の駆動力を作用させることができ、これにより、レチクルステージRSTにはローリングモーメントが極力作用しないようになっている。
上述のように、コイルユニット140A,140Bと永久磁石30とにより、レチクルステージRSTをX方向に微小駆動可能なムービングマグネット型のX軸ボイスコイルモータ(リニアモータ)79が構成されている。この駆動装置としてのX軸ボイスコイルモータ79によって、第2駆動機構が構成されている。
この結果、図2の本例のレチクルステージRSTは、枠状部材18に対してガイドレス方式でX方向、Y方向、θz方向の3自由度で相対的に変位できるように支持されており、枠状部材18に対してレチクルステージRSTを相対的に駆動するために、Y方向に推力を発生する4軸のY軸リニアモータ76A,78A,76B,78BとX方向に推力を発生する1軸のX軸ボイスコイルモータ79とからなる5軸の駆動装置が設けられている。
本実施の形態では、更に、前述の枠状部材18の+X方向の側面及び+Y方向の側面には、図3に示すように、Z方向の磁界を形成する磁石ユニットを含む可動子60A,60B,60Cが設けられている。これらの可動子60A,60B,60Cに対応してレチクルベース16には、支持台64A,64B,64Cを介して、Y方向に電流を流すコイルを含む固定子62A,62B及びX方向に電流を流すコイルを含む固定子62Cが設けられている。即ち、可動子60Aと固定子62Aとにより、及び可動子60Bと固定子62Bとにより、それぞれムービングマグネット型のボイスコイルモータから成るX方向駆動用のトリムモータが構成されている。また、可動子60Cと固定子62Cとによりムービングマグネット型のボイスコイルモータから成るY方向駆動用のトリムモータが構成されている。これら3つのトリムモータを用いることにより、レチクルベース16に対して枠状部材18をX方向、Y方向、及びθz方向の3自由度方向に駆動することが可能である。
上述のようにレチクルステージRSTをX方向、Y方向、θz方向に駆動する際には、その作用を相殺するように枠状部材18が僅かに移動するため、枠状部材18のXY平面内の位置が次第にずれる可能性がある。そこで、可動子60A〜60C及び固定子62A〜62Cよりなるトリムモータを用いて、例えば定期的に枠状部材18の位置を中央に戻すことで、枠状部材18の位置がレチクルベース16から外れることが防止できる。
前記枠状部材18の−X方向側の側壁のほぼ中央には、図3に示すように、凹状部18aが形成されている。この凹状部18aには枠状部材18の内部と外部とを連通する矩形開口18bが形成されている。また、枠状部材18の−Y側の側壁には、枠状部材18の内部と外部とを連通する矩形開口18cが形成されている。矩形開口18bの外側には、図5に示されるように、レチクルステージRSTのミラー部24Bの反射面124mに対向してX軸レーザ干渉計69Xが設けられている。このX軸レーザ干渉計69Xからの測長ビームが矩形開口18bを介してミラー部24Bの反射面124mに対して投射され、その反射光が矩形開口18bを介してX軸レーザ干渉計69X内に戻る。この場合、測長ビームの光路のZ方向の位置は、中立面CTの位置に一致し、中立面CTの位置はレチクルRのパターン面(レチクル面)に一致している。
また、図5に示すように、投影光学系PLの鏡筒の上端部近傍には、固定鏡Mrxが取付部材92を介して設けられている。X軸レーザ干渉計69Xからの参照ビームはレチクルベース16に形成された貫通孔(光路)71を介して、固定鏡Mrxに対して投射され、その反射光がX軸レーザ干渉計69X内に戻る。X軸レーザ干渉計69Xでは、測長ビームの反射光、参照ビームの反射光を内部の光学系により同軸にかつ同一の偏光方向の光に合成し、両反射光の干渉光を内部のディテクタによって受光する。そして、ディテクタの検出信号に基づいて、X軸レーザ干渉計69Xは、レチクルステージ本体22のX方向の位置を、固定鏡Mrxを基準として、例えば0.5〜1nm程度の分解能で常時検出する。また、X方向の位置の差分からレチクルステージ本体22のX方向の速度(通常はほぼ0)も検出されている。
一方、矩形開口18cの外側(−Y方向側)には、図1のレチクルステージ装置12近傍のYZ断面図である図6に示されるように、レチクルステージ本体22に設けられた前述のレトロリフレクタ32A,32Bの反射面に対向してY軸レーザ干渉計69YA,69YBが設けられている。各Y軸レーザ干渉計69YA,69YBからの測長ビームは矩形開口18cを介してレトロリフレクタ32A,32Bの反射面に対してそれぞれ投射され、それぞれの反射光が窓ガラスg2を介して各Y軸レーザ干渉計69YA,69YB内に戻る。この場合、測長ビームの照射点のZ方向の位置は、中立面CTの位置(レチクル面)にほぼ一致している。
また、図6に示すように、投影光学系PLの鏡筒の上端部近傍には、固定鏡Mryが取付部材93を介して設けられている。各Y軸レーザ干渉計69YA,69YBからの参照ビームはレチクルベース16に形成された貫通孔(光路)72を介して、固定鏡Mryに対してそれぞれ投射され、それぞれの反射光が各Y軸レーザ干渉計69YA,69YB内に戻る。そして、各Y軸レーザ干渉計69YA,69YBは、前述のX軸レーザ干渉計69Xと同様に、測長ビームの反射光と参照ビームの反射光との干渉光に基づいて、それぞれの測長ビームの投射位置(レトロリフレクタ32A,32Bの反射面の位置)におけるレチクルステージ本体22のY方向の位置を、固定鏡Mryをそれぞれ基準として例えば0.5〜1nm程度の分解能でそれぞれ常時検出する。この場合、一対のY軸レーザ干渉計69YA,69YBによって、レチクルステージRSTのZ軸回りの回転量も検出することが可能となっている。また、Y方向の位置の差分からレチクルステージ本体22のY方向の速度も検出されている。
本例では、前述の如く、X軸レーザ干渉計69Xの測長ビームの光路のZ方向の位置は、中立面CTの位置(レチクル面)に一致しているので、いわゆるアッベ誤差がなく、レチクルステージRST(レチクルR)のX方向の位置を精度良く計測することができる。一対のY軸レーザ干渉計69YA,69YBにおいても、同様の理由により、いわゆるアッベ誤差がなく、高い計測精度が得られる。
なお、上記の移動鏡としての、ミラー部24B、及びレトロリフレクタ32A,32Bの3つが図1では移動鏡Mmとして図示され、X軸レーザ干渉計69Xと一対のY軸レーザ干渉計69YA,69YBとが図1ではレチクル干渉計69として図示されている。また、図1では、図5及び図6の固定鏡(固定鏡Mrx,Mry)は図示が省略されている。
以下の説明においては、レチクル干渉計69によってレチクルステージRSTのXY平面内の位置(θz回転を含む)が計測されているものとする。このレチクル干渉計69からのレチクルステージRSTの位置情報(又は速度情報でも良い)は図1のステージ制御系90及びこれを介して主制御装置70に送られ、ステージ制御系90では主制御装置70からの指示に応じ、レチクルステージRSTの位置情報に基づいてレチクルステージRSTの駆動を制御する。
図1に戻り、前記投影光学系PLとしては、両側テレセントリックで屈折系又は反射屈折系よりなる投影倍率が1/4又は1/5等の縮小系が用いられている。走査露光中には、露光光ILのもとで、レチクルRの照明領域IAR内のパターンの投影光学系PLを介した縮小像は、投影光学系PLの像面上に配置されたウエハW上の一つのショット領域のレジスト層上の細長い露光領域IA上に転写される。被露光基板としてのウエハWは、半導体(シリコン等)又はSOI(silicon on insulator)等の直径が例えば150〜300mmの円板状の基板である。
投影光学系PLは、鏡筒部に設けられたフランジ部FLGを介して、不図示の保持部材によって保持されている。
次に、ウエハステージWSTは、ウエハ室80内に配置されている。このウエハ室80は、天井部の略中央部に投影光学系PLの下端部を通すための円形開口71aが形成された隔壁171で覆われている。この隔壁171は、ステンレス(SUS)等の脱ガスの少ない材料で形成されている。
ウエハ室80内には、定盤よりなるウエハベースBSが、複数の防振ユニット86を介してほぼ水平に支持されている。ウエハステージWSTは、ウエハホルダ25を介してウエハWを真空吸着等により保持し、例えばリニアモータ等を含む不図示のウエハ駆動系によってウエハベースBSの上面に沿ってXY2次元方向に駆動される。
ウエハ室80の隔壁171の−Y方向側の側壁には光透過窓185が設けられている。これと同様に、図示は省略されているが、隔壁171の+X方向側の側壁にも光透過窓が設けられている。また、ウエハホルダ25の−Y方向側の端部には、平面鏡から成るY軸移動鏡56YがX方向に延設されている。同様に、図示は省略されているが、ウエハホルダ25の+X方向側の端部には、平面鏡から成るX軸移動鏡がY方向に延設されている。そして、ウエハ室80の外部のY軸レーザ干渉計57Y及びX軸レーザ干渉計(不図示)からの測長ビームが、それぞれ光透過窓185及び不図示の透過窓を介してY軸移動鏡56Y及び不図示のX軸移動鏡に照射されている。Y軸レーザ干渉計57Y及びX軸レーザ干渉計は、それぞれ例えば内部の参照鏡を基準として対応する移動鏡の位置及び回転角、即ちウエハWのX方向、Y方向の位置、及びX軸、Y軸、Z軸の回りの回転角を計測する。Y軸レーザ干渉計57Y及びX軸レーザ干渉計の計測値は、ステージ制御系90及び主制御装置70に供給され、ステージ制御系90は、その計測値及び主制御装置70からの制御情報に基づいて、不図示の駆動系を介してウエハステージWSTの位置及び速度を制御する。
続いて、上述のようにして構成された投影露光装置10の中、コイルユニット140A、140Bを製造する手順を図8乃至図10を参照して説明する。
この製造工程は、コイル体成型工程及びモールド工程に大別される。
まず、コイル体成型工程においては、図8に示すように、形成すべきコイル体141における隙間Sの幅(2つの直線部144間の間隔)を直径とする芯材160、160をコイル体141の長さに応じた間隔で離間して配置する。次に、これら芯材160、160の周りに導電線(銅線)を所定長さ巻回して、直線部144及び円弧部145からなるコイル体141の原型を形成する。
次に、図9に示すように、コイル体141の長さ方向中間部が当該コイル体141に向けて突出する押さえ治具161、161によりコイル体141の直線部144を挟むように両側から押さえる。この工程によって、コイル体141の2つの直線部144は互いに接近する方向に湾曲し、直線部144、144間には上記所定間隔よりも小さな空隙Sが形成される。この後、導電線に被覆された融着層の種類に応じた処理、例えば熱融着の場合はコイル体141に対して加熱処理を施し、アルコール融着の場合はコイル体141をアルコールに浸漬処理する。
これにより、融着層が融解・再固化することで導電線は固定されて、隙間Sを有するコイル体141として成型される。
続いて、モールド工程においては、コイル体141を真空注型により樹脂材と一体的に成型する。
まず、図10(A)に示すように型の一方(下型)162にコマ部材146をセットする。ここで、下型162には、コマ部材146の孔部146dに嵌合する凸部162aが突設されており、孔部146dに凸部162aを嵌合させることにより、コマ部材146は下型162に対して位置決めされる。
ここで、下型162の凸部162aは、コイル体141へ嵌合させるコマ部材146、147の組の数だけ、正確に直線上に配置される。
なお、凸部162aとしては、下型162から削り出す構成や、下型162に孔部を設け、この孔部に下型162から突出するピンを嵌合させる構成としてもよい。
次に、図10(B)に示すように、下型162にセットされたコマ部材146の嵌合軸146aをコイル体141の直線部144、144間の空隙(隙間)Sに嵌合させる。
このとき、空隙Sはコイル体成型工程において予め上述した所定間隔(すなわち嵌合軸146aの直径)よりも小さく形成されているため、空隙Sを拡げた状態で挿入・嵌合させる。これにより、コイル体141の直線部144、144は、弾性復元力により嵌合軸146aを両側から挟持する。換言すると、コイル体141の直線部144は、空隙Sの幅を所定間隔に維持した状態で、コマ部材146を介して下型162に位置決めされて保持される。また、上述の通り、下型162の凸部162aは、正確に直線上に配置されているので、コイル体141の直線部144が湾曲している場合であっても、直線部144を直線状に矯正することができる。
続いて、図10(C)に示すように、型の他方(上型)163にコマ部材147をセットする。ここで、上型163には、下型162の凸部162aと対向する位置に、コマ部材147の孔部147cに嵌合する凸部163aが突設されており、孔部147cに凸部163aを嵌合させることにより、コマ部材147は下型163及びコマ部材146に対して位置決めされる。
なお、上型163には、締結手段148、149を貫通させるための貫通孔形成用の突部163b、163cが突設されている。
これら下型162及び上型163により、コイル体141に対して一体化成型処理を施す処理装置が構成される。
この後、図10(D)に示すように、下型162と上型163とを型締めする。
このとき、コマ部材146の孔部146cとコマ部材147の軸部147aとが嵌合することで、コマ部材146、147が互いに位置決めされる。また、コイル体141は、コマ部材146、147によって上下両側から挟持・保持されることで、厚さ方向の反りも抑制することができる。
そして、下型162、上型163間に形成された空間(キャビティ)にエポキシ樹脂等のモールド材143aを充填し固化させる一体化成型処理を施す。これにより、コイル体141及びコマ部材146、147がモールド材143aによって一体的に成形されたモールド体143が得られる。図10(D)に示すように、下型162とコイル体141との間隔、及び上型163とコイル体141との間隔は、コマ部材146、147のフランジ部146b、147bによって規定される。従って、フランジ部146b、147bの厚さを適宜設定することにより、所望のモールド厚さでコイル体141をモールドすることができる。
そして下型162、上型163を開いて、図7に示したように、得られたモールド体143を締結手段148によってフレーム142に取付・固定することでコイルユニット140A、140Bが得られる。
次に、上述のようにして構成された投影露光装置10による基本的な露光動作の流れについて簡単に説明する。
先ず、主制御装置70の管理の下、不図示のレチクルローダ、ウエハローダによって、レチクルロード、ウエハロードが行なわれる。その後、レチクルアライメント系、ウエハステージWST上の基準マーク板、オフアクシス・アライメント検出系(いずれも図示省略)等を用いて、レチクルアライメント及びウエハアライメントが実行される。次に、先ず、ウエハWの位置が、ウエハW上の最初のショット領域(ファースト・ショット)の露光のための走査開始位置となるように、ウエハステージWSTが移動される。同時に、レチクルRの位置が走査開始位置となるように、レチクルステージRSTが移動される。そして、主制御装置70からの指示により、ステージ制御系90がレチクル干渉計69によって計測されたレチクルRの位置情報、及びウエハ側のY軸レーザ干渉計57Y及びX軸レーザ干渉計によって計測されたウエハWの位置情報に基づき、レチクルR(レチクルステージRST)とウエハW(ウエハステージWST)とをY方向(走査方向)に同期移動させて、露光光ILを照射することにより、ファースト・ショットへの走査露光が行なわれる。続いて、ウエハステージWSTが非走査方向(X方向)又はY方向に1ショット領域分だけステップ移動した後、次のショット領域に対する走査露光が行なわれる。このようにして、ショット間のステップ移動と走査露光とが順次繰り返されて、ウエハW上の各ショット領域にレチクルRのパターンが転写される。
レチクルステージRSTのY方向への移動時、レチクルステージRSTのX方向への位置ずれはX軸レーザ干渉計69Xによって計測されモニターされており、ステージ制御系70はその位置ずれをキャンセルするようにX軸ボイスコイルモータ79を駆動する。
図11には、コイル体141の幅方向(X方向)の位置と磁束密度との関係が示されている。X軸ボイスコイルモータ79の推力定数は、固定子に対する可動子の位置における磁束密度の積分値に対応し、ステージ制御系70はレチクルステージRSTに付与する推力及び推力定数に応じた電力(電流)をX軸ボイスコイルモータ79のコイルユニット140A、140Bに供給させる。
以上のように、本実施の形態ではコイル体141の直線部144がコマ部材146に規制されて一定間隔の隙間Sを隔てて形成されるので、可動子である永久磁石30のY方向の位置に関係なく推力定数を一定にすることができる。従って、本発明では、可動子の位置に関係なく所望の推力を発現することが可能になり、移動対象であるレチクルステージRST(すなわちレチクルR)を高精度に駆動することができる。
結果として、本実施形態ではステージの一層の高精度化及び高速化にも対応することが可能になり、生産性の向上にも寄与できる。
また、本実施の形態では、これらコイル体141及びコマ部材146、147を一体化成形しているので、一定間隔で形成された直線部144の形状を容易に維持することが可能であり、長期に亘って安定した推力付与を実現することができる。
さらに、本実施の形態では、真空注型を行う際に用いる下型162及び上型163に、コマ部材146の孔部146d、コマ部材147の孔部147cに嵌合する凸部162a及び163aを、コイル体141の長さに応じた数及び配置で直線上に配列し、コイル体141を位置決めしているので、反りや曲がり等が生じることなく容易に所望形状のコイル体141を得ることが可能となっている。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、上記実施の形態では、コマ部材146、147に凹部としての孔部を設け、下型162、上型163に凹部と嵌合する凸部を設ける構成としたが、凹部と凸部とが逆に設けられる構成であってもよい。
上記実施形態では、モールド体143に凹形状が形成されることになり、薄型化を実現できる。一方、凹部と凸部とが逆に設けられる構成ではモールド体143に突形状が形成されることになるが、モールド体143をジャケット内に収容し、このジャケットとモールド体との間に冷媒を流動させる構成を採る場合に、ジャケットとモールド体との間の冷媒流路確保のためのスペーサとして用いることができる。
また、上記実施形態では、本発明のリニアモータとその製造方法を固定子ユニット40のコイルユニット140A、140Bに適用する構成としたが、これに限定されるものではなく、Y軸駆動部36、38の固定子ユニット136A、136B、138A、138Bにも適用可能である。さらに、本発明に係るリニアモータを有するステージ装置としてレチクルステージ装置12に適用する構成としたが、ウエハステージWSTにも適用可能である。
また、上記実施の形態では、可動子である1つの永久磁石30を、固定子である2つのコイルユニット140A、140Bで挟んだ開磁路型のリニアモータについて説明したが、2つの永久磁石30で、1つのコイルユニットを挟む閉磁路型のリニアモータに適用してもよい。閉磁路型を採用することにより、可動子の重量は増加するが、漏洩磁束を低減することができるという利点がある。
さらに、上記実施の形態では、ムービングマグネット型のリニアモータに本発明を適用するものとして説明したが、ムービングコイル型のリニアモータにも適用可能であることは言うまでもない。
また、上記実施形態の基板Wとしては、半導体デバイス用の半導体ウエハのみならず、液晶ディスプレイデバイス用のガラス基板や、薄膜磁気ヘッド用のセラミックウエハ、あるいは露光装置で用いられるマスクまたはレチクルの原版(合成石英、シリコンウエハ)等が適用される。
露光装置10としては、レチクルRと基板Wとを同期移動してレチクルRのパターンを走査露光するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置の他に、レチクルRと基板Wとを静止した状態でレチクルRのパターンを露光し、基板Wを順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置にも適用することができる。
また、本発明は、ツインステージ型の露光装置にも適用できる。ツインステージ型の露光装置の構造及び露光動作は、例えば特開平10−163099号公報及び特開平10−214783号公報(対応米国特許6,341,007号、6,400,441号、6,549,269号及び6,590,634号)、特表2000−505958号(対応米国特許5,969,441号)あるいは米国特許6,208,407号に開示されている。
露光装置10の種類としては、ウエハに半導体デバイスパターンを露光する半導体デバイス製造用の露光装置に限られず、角型のガラスプレートに液晶表示素子パターンを露光する液晶表示素子製造用の露光装置や、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD)あるいはマスクなどを製造するための露光装置などにも広く適用できる。
また、露光用照明光の光源として、超高圧水銀ランプから発生する輝線(g線(436nm)、h線(404.7nm)、i線(365nm))、KrFエキシマレーザ(248nm)、ArFエキシマレーザ(193nm)、F2 レーザ(157nm)のみならず、X線や電子線などの荷電粒子線を用いることができる。例えば、電子線を用いる場合には電子銃として、熱電子放射型のランタンヘキサボライト(LaB6 )、タンタル(Ta)を用いることができる。さらに、電子線を用いる場合は、マスクMを用いる構成としてもよいし、マスクMを用いずに直接ウエハ上にパターンを形成する構成としてもよい。また、YAGレーザや半導体レーザ等の高周波などを用いてもよい。
投影光学系PLとしては、エキシマレーザなどの遠紫外線を用いる場合は硝材として石英や蛍石などの遠紫外線を透過する材料を用い、FレーザやX線を用いる場合は反射屈折系または屈折系の光学系にし(レチクルRも反射型タイプのものを用いる)、また電子線を用いる場合には光学系として電子レンズ及び偏向器からなる電子光学系を用いればよい。なお、電子線が通過する光路は、真空状態にすることはいうまでもない。また、投影光学系PLを用いることなく、レチクルRと基板Wとを密接させてレチクルRのパターンを露光するプロキシミティ露光装置にも適用可能である。
上記実施形態のように基板ステージWSTやレチクルステージ装置12にリニアモータを用いる場合においてエアベアリングを用いたエア浮上型に限られず、ローレンツ力を用いた磁気浮上型を用いてもよい。また、各ステージWST、12は、ガイドに沿って移動するタイプでもよく、ガイドを設けないガイドレスタイプであってもよい。
基板ステージWSTの移動により発生する反力は、特開平8−166475号公報に記載されているように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもよい。また、レチクルステージ12の移動により発生する反力は、特開平8−330224号公報に記載されているように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもよい。
以上のように、本願実施形態の露光装置10は、本願特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度及びクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
半導体デバイスは、図12に示すように、デバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ202、デバイスの基材である基板を製造するステップ203、前述した実施形態の露光装置10によりマスクのパターンを基板に露光する基板処理ステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。
本発明に係る投影露光装置の概略構成を示す一部を切り欠いた図である。 図1の枠状部材及びレチクルステージの構成を示す斜視図である。 図1のレチクルステージ、枠状部材、及びレチクルベースの構成を示す分解斜視図である。 (A)は図1のレチクルステージを示す斜視図、(B)はレチクルステージをY方向に見た断面図である。 図1の照明系側プレート、レチクルステージ、及びレチクルベースをY方向に見た断面図である。 図1の照明系側プレート、レチクルステージ、及びレチクルベースの要部をX方向に見た断面図である。 (A)はコイルユニットの平面図であり、(B)は正面断面図である。 コイルユニットを製造する手順を示す図である。 コイルユニットを製造する手順を示す図である。 コイルユニットを製造する手順を示す図である。 コイル体の幅方向の位置と磁束密度との関係を示す図である。 半導体デバイスの製造工程の一例を示すフローチャート図である。
符号の説明
R…レチクル(マスク)、 RST…レチクルステージ(マスクステージ)、 S…空隙(隙間)、 W…ウエハ(基板)、 WST…ウエハステージ(基板ステージ)、 10…投影露光装置(露光装置)、 12…レチクルステージ装置(ステージ装置)、 30…永久磁石(可動子)、 40…固定子ユニット(固定子)、 79…X軸ボイスコイルモータ(リニアモータ)、 141…コイル体、 144…直線部、 146…コマ部材(間隔調整部材)、 146d、147c…孔部(凹部、位置決め部)、 162a…凸部

Claims (11)

  1. 所定間隔で離間した互いに平行な2つの直線部を有するコイル体を、固定子と可動子とのいずれか一方に備えるリニアモータの製造方法であって、
    前記所定間隔と同等以下の間隔の空隙を、前記コイル体の前記2つの直線部の間に形成する工程と、
    前記空隙に前記所定間隔と同じ幅を有する間隔調整部材を嵌合させる工程とを有することを特徴とするリニアモータの製造方法。
  2. 請求項1記載のリニアモータの製造方法において、
    前記間隔調整部材を嵌合させる工程の後に、前記コイル体と前記間隔調整部材とを一体化成型する工程を有することを特徴とするリニアモータの製造方法。
  3. 請求項2記載のリニアモータの製造方法において、
    前記間隔調整部材に凹部と凸部との一方を設け、
    前記コイル体に前記一体化成型処理を施す処理装置に、前記凹部と前記凸部との他方を設け、
    前記凹部と前記凸部とを用いて前記コイル体を前記処理装置に位置決めする工程を有することを特徴とするリニアモータの製造方法。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載のリニアモータの製造方法において、
    前記リニアモータは、前記所定間隔で離間した方向に推力を生じることを特徴とするリニアモータの製造方法。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載のリニアモータの製造方法により製造されたことを特徴とするリニアモータ。
  6. 所定間隔で離間した互いに平行な2つの直線部を有するコイル体と、
    前記2つの直線部の間に配置され、該2つの直線部の間隔を前記所定間隔に調整する間隔調整部材と、
    前記コイル体と前記間隔調整部材とを一体化して成型する成型材とを有することを特徴とするリニアモータ。
  7. 請求項6記載のリニアモータにおいて、
    前記間隔調整部材は、前記2つの直線部に沿って一直線上に複数配列されていることを特徴とするリニアモータ。
  8. 請求項6または7記載のリニアモータにおいて、
    前記間隔調整部材は、前記コイル体と前記間隔調整部材とを成型材で一体化する際に、前記コイル体を型の内部で位置決めするための位置決め部を備えることを特徴とするリニアモータ。
  9. 請求項8記載のリニアモータにおいて、
    前記位置決め部は、前記間隔調整部材に設けられた凹部であることを特徴とするリニアモータ。
  10. 請求項5から9のいずれか一項に記載のリニアモータが駆動装置として用いられることを特徴とするステージ装置。
  11. マスクステージに保持されたマスクのパターンを基板ステージに保持された基板に露光する露光装置であって、
    請求項10記載のステージ装置が前記マスクステージと前記基板ステージとの少なくともいずれか一方に用いられていることを特徴とする露光装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP5339056B2 (ja) * 2006-07-14 2013-11-13 株式会社ニコン 露光装置及びデバイス製造方法
JP2016025812A (ja) * 2014-07-24 2016-02-08 株式会社安川電機 コアレスリニアモータ電機子、コアレスリニアモータ及びコアレスリニアモータ電機子の製造方法

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