JP2006050117A - 出力ドライバ回路及び半導体ic - Google Patents

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Abstract

【課題】出力ドライバ回路における出力レベルの変動に伴って生じる電源線の電位の変動を抑える。
【解決手段】実装配線により外部電源に接続された電源線aと、外部へ信号を出力する出力線xと、該電源線aと該出力線xにそれぞれドレインとソースが接続され、ゲートにはスイッチ12を介して信号が入力される出力トランジスタQ1と、該電源線aの電位の変動を検出する検出器13を備え、該検出器13の出力により該スイッチ12の開閉を制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、出力ドライバ回路と出力ドライバ回路が形成された半導体ICに関するものである。
図6は半導体ICで生成された信号を外部へ出力するために用いられる出力ドライバ回路の構成を示す図である。出力ドライバ回路は一対のpMOSトランジスタQ1とnMOSトランジスタQ2から成っており、pMOSトランジスタQ1とnMOSトランジスタQ2のドレインは共通の出力線xに接続され、pMOSトランジスタQ1のソースは高電位電源線a、nMOSトランジスタQ2のソースは低電位電源線bに接続されている。そして、pMOSトランジスタQ1とnMOSトランジスタQ2のゲートには同一半導体基板上に形成されている他の回路で生成された信号NP1、NN1がそれぞれ印加される。
上記出力ドライバ回路では、信号NP1、NN1が共に低電位になったときpMOSトランジスタQ1はオン状態、nMOSトランジスタQ2はオフ状態となるので出力線xの電位Vxは高電位となり”1”レベルが出力される。また、信号NP1、NN1が共に高電位になったときpMOSトランジスタQ1はオフ状態、nMOSトランジスタQ2はオン状態となるので出力線xの電位Vxは低電位となり”0”レベルが出力される。
図7は出力ドライバ回路が形成されたICチップの実装形態を示す斜視図であり、出力ドライバ回路1の形成されたICチップ2がパッケージ3に搭載され、さらにパッケージ3がボード4に搭載された状態を示している。そして、出力ドライバ回路1からパッケージ3を通ってボード4にいたるまでボンディングワイヤやパターン配線等の実装配線5が形成されており、ICチップ2で生成された信号は出力ドライバ回路1からこれらの実装配線5を通って外部に出力される。
また、pMOSトランジスタQ1とnMOSトランジスタQ2を駆動する高電位電源VDE、低電位電源VSSはボード4上に配置されており(図示せず)、これらの電源もボンディングワイヤやパターン配線等からなる実装配線5により出力ドライバ回路1の高電位電源線a、低電位電源線bに接続される。
前述のように、出力ドライバ回路は同一ICチップの他の回路で生成された信号に応じて”1”レベルあるいは”0”レベルを外部へ出力する機能を有するものであるが、出力信号が”1”レベルから”0”レベル、あるいは”0”レベルから”1”レベルへと変化するとき、次に述べるような問題が生じる。
図8(a)、(b)は図6の出力ドライバ回路各部における電位の時間変化を示す図であり、同図(a)は入力信号NP1、NN1を高電位から低電位へ変化させた場合、同図(b)は逆に低電位から高電位へ変化させた場合を示している。ここでは、高電位をVDE=2.5V、低電位をVSS=0Vとする。
まず、図8(a)に示したように、時刻T1で入力信号NP1が2.5Vから0Vへ変化すると、pMOSトランジスタQ1はオフ状態からオン状態へ変化するため、ソースに接続された高電位電源線aから出力線xに電流が流入し出力線xの電位Vxが上昇する。
前述のように高電位電源線aはボード上に配置された高電位電源VDEと実装配線により接続されているので、高電位電源線aに流れる電流の変化量が大きくなると、実装配線の持つ寄生インダクタンスにより電圧降下が生じ、高電位電源線aの電位Vaは高電位VDE=2.5Vから低電位VSS=0Vへ向けて低下する。出力線xの電位Vxが2.5Vに近づき電流の変化量が小さくなると、寄生インダクタンスによる電圧降下量も小さくなり時刻T2で高電位電源線aの電位Vaは再び上昇を開始しVDE=2.5Vに近づくことになる。
高電位電源線aの電位VaはICチップ上の他の回路の電源線にも供給されるため、出力ドライバ回路における出力レベルの変化に伴うその電位変化はこれらの回路の誤動作をもたらす恐れがある。
また、図8(b)に示したように、時刻T1で信号NN1が0Vから2.5Vへ変化すると、nMOSトランジスタQ2はオフ状態からオン状態へと変化するため、出力線xからソースに接続された低電位電源線bに向けて電流が流れ出し出力線xの電位Vxは下降する。
低電位電源線bは高電位電源線aと同様にボンディングワイヤとパターン配線からなる実装配線を通ってボード上の低電位電源VSSに接続されているので、低電位電源線bに流れる電流の変化量が大きくなると、実装配線には寄生インダクタンスによる電圧降下が生じ、低電位電源線bの電位Vbはこの電圧降下分だけ低電位電源VSSから上昇する。そして、出力線xの電位Vxが0Vに近づき電流の変化量が小さくなると、寄生インダクタンスによる電圧降下量も小さくなり時刻T2で低電位電源線bの電位Vbは再び降下を開始しVSS=0Vに近づくことになる。
低電位電源線bの電位VbはICチップ上の他の回路の電源線にも供給されるため、出力ドライバ回路における出力レベルの変化に伴うその電位変化はこれらの回路の誤動作をもたらす恐れがある。
以上述べたような高電位電源線と低電位電源線に生じる電位の変動を抑えるためには出力トランジスタに流れる電流を小さくすることが有効であるが、これは出力ドライバ回路の著しい性能低下をもたらす。
そこで、高電位電源線あるいは低電位電源線を通って流れる電流をICチップ内に形成した電流検出回路によって検出し、この電流が所定値を超えたときに限って出力トランジスタの駆動能力を抑制するようにした方法が提案されている(特許文献1)。具体的には、電源線に小さな抵抗あるいはコイルを挿入してその両端の電位を検出し、出力信号が変化して電源線を流れる電流が大きくなったとき、この検出電位を入力とするオペアンプの出力により出力トランジスタのゲート電位を強制的に電源と同電位にするものであり、単に出力トランジスタに流れる電流を小さくする方法に比べて出力ドライバ回路の性能劣化は最小限に抑えられる。
しかしこの方法では、ICチップ内に新たにオペアンプを形成する必要があるためIC形成プロセスが複雑化し高コストになる他に、電流検出のためにコイルを用いると、ICチップやパッケージの面積増加をもたらすという問題がある。さらに、この方法では出力トランジスタのゲート電位を強制的に電源と同電位にしたとき、出力トランジスタを流れる電流が急激に変化するので寄生インダクタンスによる電位の変動が大きくなるという問題が生じる。
特開平7−46113号公報
解決しようとする問題点は、出力ドライバ回路における出力状態が変化したとき出力ドライバ回路に電源を供給する電源線の電位の変動を抑えることである。
本発明の一態様である出力ドライバ回路は、実装配線により外部電源に接続された電源線と、外部へ信号を出力する出力線と、該電源線と該出力線にそれぞれドレインとソースが接続され、ゲートにはスイッチを介して信号が入力される出力トランジスタと、該電源線の電位の変動を検出する検出器を備え、該検出器の出力により該スイッチの開閉を制御すること、
あるいは、上記出力ドライバ回路が、前記実装配線とは異なる実装配線により外部電源に接続された基準電位線を備え、該検出器は該電源線と該基準電位線の電位の差を検出するものであることを特徴とする。
また、本発明の一態様である半導体ICは、上記出力ドライバ回路が電源線と基準電位線を共通にして複数形成されていることを特徴とする。
また、本発明の一態様である出力ドライバ回路は、第1の実装配線により高電位電源に接続された高電位電源線と、外部へ信号を出力する出力線と、該高電位電源線と該出力線にそれぞれドレインとソースが接続され、ゲートには第1のスイッチを介して第1の信号が入力される第1の出力トランジスタと、該高電位電源線の電位の変動を検出する第1の検出器と、第2の実装配線により低電位電源に接続された低電位電源線と、該低電位電源線と該出力線にそれぞれドレインとソースが接続され、ゲートには第2のスイッチを介して第2の信号が入力される第2の出力トランジスタと、該低電位電源線の電位の変動を検出する第2の検出器を備え、該第1及び第2の検出器の出力により該第1及び第2のスイッチの開閉を制御することを特徴とする。
上記構成では、電源線は実装配線により外部電源に接続されているため、出力ドライバ回路から出力される信号の出力レベルが変化し電源線に電流が流れたとき、実装配線には寄生インダクタンスによる電圧降下が生じ、この電圧降下分だけ電源線の電位が変化する。そこで、検出器により電源線の電位の変動を検出しその変動量に応じてスイッチを開閉する。たとえば、電位の変動量が所定値を超えて大きくなったときにスイッチを開くようにすると、出力トランジスタのゲートは自身の持つ浮遊容量によりしばらくの間一定電位を保ち、これにより電源線のそれ以上の電位変動が抑えられることになる。高電位電源線と低電位電源線の電位変動も同様にして抑えられる。
また、基準電位線は出力トランジスタに接続されていないので出力レベルの変化にかかわらず電流は流れない。従って、外部電源と基準電位線を接続する実装配線には寄生インダクタンスによる電圧降下が生ぜず基準電位線の電位は一定値を保つので、電源線と基準電位線の電位の差により電源線の電位の変化を容易に検出することができる。高電位電源線と基準高電位線の電位の差及び低電位電源線と基準低電位線の電位の差についても同様である。
また、半導体ICに複数の出力ドライバ回路を形成した場合、電源線と基準電位線を共通にしているので外部電源に接続するための実装配線数やパッド数を減らし半導体ICのチップ面積やパッケージ面積を小さくすることができる。
本発明は抵抗やコイルを用いて電源線に流れる電流の大きさを検出する方式に比べて構成が簡単となりICチップやそれを搭載するパッケージを小さく且つ低コストにできる。また、出力トランジスタの出力状態が変化したときの電源線の電位の変動量を従来に比べて小さくすることができるという利点がある。
出力ドライバ回路における出力レベルの変化に伴って生じる電源線の電位の変動を抑えるという目的を簡単な構成で実現した。
図1は本発明の実施例に係る出力ドライバ回路の構成を示す図であり、従来例と同様に出力ドライバ回路を構成する出力トランジスタとしてpMOSトランジスタQ1とnMOSトランジスタQ2を用いた例について述べる。図1に見られるように、pMOSトランジスタQ1のソースは高電位電源線aに接続され、ドレインは出力線xに接続される。また、nMOSトランジスタQ2のソースは低電位電源線b、ドレインは共通の出力線xに接続される。
図2は上記出力ドライバ回路の形成されたICチップの実装形態を示す斜視図である。同図に見られるように、出力ドライバ回路1からパッケージ3を通ってボード4にいたるまでボンディングワイヤやパターン配線からなる実装配線5が形成されており、出力ドライバ回路1の出力信号はこれらの実装配線5を経て外部に出力される。また、ICチップ2上の出力ドライバ回路1とそれ以外の回路を駆動するための高電位電源VDE及び低電位電源VSS (図示せず)も実装配線5により出力ドライバ回路1の高電位電源線a及び低電位電源線bに接続される。さらに、出力ドライバ回路1には、図1に示したようにボード4上の高電位電源VDEと低電位電源VSSからそれぞれ上記実装配線とは異なる実装配線により接続された基準高電位線cと基準低電位線dを設ける。
図1において、同一ICチップ上の他の回路で生成された信号N0はインバータ11を介し信号NP1としてスイッチ12の一方の端子に入力される。スイッチ12のもう一方の端子はpMOSトランジスタQ1のゲートに接続され、ゲートには信号NP2が印加される。スイッチ12はpMOSトランジスタQ3とnMOSトランジスタQ4を並列に接続したもので構成されている。また、検出器13には高電位電源線a、基準高電位線c及び低電位電源線bの電位が入力される。そして、高電位電源線aと基準高電位線cの電位の差に応じた信号が出力されてスイッチ12の開閉を制御する。
図3(a)は検出器13の構成を示す図である。基準高電位線cと低電位電源線bの間に直列に接続されたpMOSトランジスタQ7とnMOSトランジスタQ8からしきい値電圧Vth1が生成される。そして、トランジスタQ9−Q13により構成されたカレントミラー差動増幅器の一方の入力端子にしきい値電圧Vth1、他方の入力端子に高電位電源線aの電位を入力させる。カレントミラー差動増幅器の出力をNPC1、その反転論理信号をNPC0として取り出すようにする。
図3(b)は検出器13の入出力特性を示す図である。同図は検出器13の出力信号NPC1とNPC0の高電位電源線aの電位Vaに対する関係を示したものである。Vaがしきい値電圧Vth1以上のときNPC1は高電位、NPC0は0電位となり、逆に、Vaがしきい値電圧Vth1以下のときにはNPC1は0電位、NPC0は高電位となる。信号NPC1とNPC0はそれぞれスイッチ12を構成するnMOSトランジスタQ4とpMOSトランジスタQ3のゲートに入力される。従って、高電位電源線aの電位Vaがしきい値電圧Vth1以上のときにはpMOSトランジスタQ3とnMOSトランジスタQ4はともにオン状態となってスイッチ12は閉じられ、しきい値電圧Vth1以下になるとpMOSトランジスタQ3とnMOSトランジスタQ4はともにオフ状態となってスイッチ12は開かれる。
同様にして、同一ICチップ上の他の回路で生成された信号はインバータ14を介してスイッチ15の一方の端子に信号NN1として入力される。スイッチ15のもう一方の端子はnMOSトランジスタQ2のゲートに接続される。スイッチ15はpMOSトランジスタQ5とnMOSトランジスタQ6を並列に接続したもので構成されている。検出器16には低電位電源線b、基準低電位線d、高電位電源線aの電位が入力される。そして、低電位電源線bと基準低電位線dの電位の差に応じた信号が出力されてスイッチ15の開閉を制御する。
図4(a)は検出器16の構成を示す図である。基準低電位線dと高電位電源線aの間に直列に接続されたpMOSトランジスタQ15とnMOSトランジスタQ16からしきい値電圧Vth2が生成される。そして、トランジスタQ17−Q21により構成されたカレントミラー差動増幅器の一方の入力端子にしきい値電圧Vth2、他方の入力端子には低電位電源線bの電位を入力させる。カレントミラー差動増幅器の出力はNNC1、その反転論理信号NNC0として取り出される。
図4(b)は検出器16の入出力特性を示す図である。同図は検出器16の出力信号NNC1とNNC0の低電位電源線bの電位Vbに対する関係を示したものである。電位Vbがしきい値電圧Vth2以下のときNNC1は高電位、NNC0は低電位となり、逆に、Vbがしきい値電圧Vth2以上のときNNC1は低電位、NNC0は高電位となる。NNC1とNNC0はそれぞれスイッチ15を構成するpMOSトランジスタQ5とnMOSトランジスタQ6のゲートに入力される。従って、電位Vbがしきい値電圧Vth2以上のときにはpMOSトランジスタQ5とnMOSトランジスタQ6はともにオン状態となってスイッチ15は閉じられ、しきい値電圧Vth2以下になるとpMOSトランジスタQ5とnMOSトランジスタQ6はともにオフ状態となってスイッチ15は開かれる。
図5(a)、(b)は図1に示す出力ドライバ回路各部における電位の時間変化を示す図である。以下、図1−図5を参照して出力ドライバ回路の動作を説明する。ここでは、高電位をVDE=2.5V、低電位をVSS=0Vとし、また、図1中に示したように、出力ドライバ回路に入力される信号N0がインバータ11、14を通ってそれぞれ信号NP1、NN1となりスイッチ12、15へ入力される。そして、スイッチ12、15から出力されpMOSトランジスタQ1とnMOSトランジスタQ2へ印加される信号をそれぞれNP2、NN2とする。
まず、図5(a)において、時刻T1以前には信号NP1はVDE=2.5Vを保持している。高電位電源線aには電流が流れないので高電位電源線aは高電位VDE=2.5Vを保持しており、このとき、図3(b)に示したように検出器13の出力信号NPC1は高電位VDE=2.5V、NPC0は0電位を保持しているのでスイッチ12は閉じられ信号NP1はそのまま信号NP2としてpMOSトランジスタQ1のゲートに印加され、pMOSトランジスタQ1はオフ状態となっている。
時刻T1で信号NP1が2.5Vから0Vへ向けて変化したとき、pMOSトランジスタQ1はオフ状態からオン状態へと変化し、これによりpMOSトランジスタQ1のソースに接続された高電位電源線aからドレインに接続された出力線xに向けて電流が流入し出力線xの電位Vxが上昇する。電位Vxの上昇開始直後には高電位電源線aに流れる電流の変化量が大きくなり高電位電源線aに接続された実装配線の持つ寄生インダクタンスにより高電位電源線aの電位VaはVDE=2.5VからVSS=0Vへ向けて低下する。一方、基準高電位線cには電流が流れないので電位VcはVDE=2.5Vを保持し変化しない。
時刻T2で高電位電源線aの電位Vaが検出器13のしきい値電圧Vth1以下にまで低下すると、図3(b)に示したように、検出器12の出力信号NPC1は0電位、NPC0は高電位となるのでスイッチ12は開かれてpMOSトランジスタQ1のゲートは浮遊状態となる。そのため、信号NP2はゲートの浮遊容量により暫くの間一定電位を保持する。そして、高電位電源線aの電位Vaの低下が止まって再び上昇を開始し、時刻T3でしきい値電圧Vth1以上になったとき、検出器12の出力により再びスイッチ12が閉じられ出力線xの電位VxはVDE=2.5Vに近づく。
高電位電源線aの電位Vaがあらかじめ定めた許容低下量δVDEを超えて低下しないようにしきい値電圧Vth1を設定すれば半導体ICの誤動作を防ぐことができる。しきい値電圧Vth1は検出器13のpMOSトランジスタQ7とnMOSトランジスタQ8のゲート長とゲート幅の比を選択することによって任意の値に設定することができる。
次に、図5(b)において、時刻T1以前には信号NN1はVSS=0Vを保持しており、低電位電源線bには電流が流れず低電位電源線bの電位Vbは低電位VSS=0Vを保持している。このとき、図4(b)に示したように検出器16の出力信号NNC1は高電位、NNC0は低電位を保持しているのでスイッチ15は閉じられ信号NN1はそのまま信号NN2としてnMOSトランジスタQ2のゲートに印加され、nMOSトランジスタQ2はオフ状態となっている。
時刻T1で信号NN1が0Vから2.5Vへ向けて変化したとき、nMOSトランジスタQ2はオフ状態からオン状態へと変化を開始する。これによりnMOSトランジスタQ2のソドレインに接続された出力線xからソースに接続された低電位電源線bへ向けて電流が流入し出力線xの電位Vxが降下する。電位Vxの降下直後には低電位電源線bに流れる電流の変化量が大きくなり低電位電源線bに接続された実装配線の持つ寄生インダクタンスにより低電位電源線bの電位VbはVSS=0VからVDE=2.5Vへ向けて上昇を開始する。一方、基準高電位線cには電流が流れないので電位VcはVDE=2.5Vを保持し変化しない。
時刻T2で低電位電源線bの電位Vbが検出器16のしきい値電圧Vth2を超えて上昇すると、図4(b)に示したように、検出器16の出力信号NNC1は低電位、NPC0は高電位となるのでスイッチ15は開かれてnMOSトランジスタQ2のゲートは浮遊状態となる。そのため、信号NN2はゲートの浮遊容量により暫くの間一定電位を保持する。その結果、低電位電源線bの電位Vbの上昇が止まって下降を開始し、時刻T3でしきい値電圧Vth2以下になったとき、検出器16の出力により再びスイッチ15が閉じられ出力線xの電位VxはVSS=0Vに近づく。
低電位電源線bの電位Vbがあらかじめ定めた許容低下量δVSSを超えて低下しないようにしきい値電圧Vth2を設定すれば半導体ICの誤動作を防ぐことができる。しきい値電圧Vth2は図4に示す検出器16のpMOSトランジスタQ15とnMOSトランジスタQ16のゲート長とゲート幅の比を選択することによって任意の値に設定することができる。
なお、上記実施例では出力トランジスタとして一対のpMOSトランジスタとnMOSトランジスタを用いるとともに、各トランジスタにスイッチと検出器を設けた構成について述べたが、これに限らずスイッチと検出器をいずれかのトランジスタにのみ設けるようにすることもでき、あるいは、出力トランジスタとしてpMOSトランジスタとnMOSトランジスタのいずれかを用いることにより出力ドライバ回路の構成をより簡素化することもできる。
また、同一ICチップ上に複数の出力ドライバ回路を形成する場合には、全ての出力ドライバ回路に対し電源線と基準電位線を共通にすることができる。これによればボード上に配置された外部電源とICチップ上に形成された電源線及び基準電位線を接続するための実装配線数やボンディングパッド数を減らすことができるのでICチップやそれを搭載するパッケージの面積が低減される。
また、複数の出力ドライバ回路に対して検出器を共通に設けることもでき、これによれば構成の簡単化、小型化をさらに進めることができる。
(付記1) 実装配線により外部電源に接続された電源線と、
外部へ信号を出力する出力線と、
該電源線と該出力線にそれぞれドレインとソースが接続され、ゲートにはスイッチを介して信号が入力される出力トランジスタと、
該電源線の電位の変動を検出する検出器を備え、
該検出器の出力により該スイッチの開閉を制御することを特徴とする出力ドライバ回路。
(付記2) 前記実装配線とは異なる実装配線により外部電源に接続された基準電位線を備え、
該検出器は該電源線と該基準電位線の電位の差を検出するものであることを特徴とする付記1記載の出力ドライバ回路。
(付記3) 付記2記載の出力ドライバ回路が電源線と基準電位線を共通にして複数形成されていることを特徴とする半導体IC。
(付記4) 第1の実装配線により高電位電源に接続された高電位電源線と、
外部へ信号を出力する出力線と、
該高電位電源線と該出力線にそれぞれドレインとソースが接続され、ゲートには第1のスイッチを介して第1の信号が入力される第1の出力トランジスタと、
該高電位電源線の電位の変動を検出する第1の検出器と、
第2の実装配線により低電位電源に接続された低電位電源線と、
該低電位電源線と該出力線にそれぞれドレインとソースが接続され、ゲートには第2のスイッチを介して第2の信号が入力される第2の出力トランジスタと、
該低電位電源線の電位の変動を検出する第2の検出器を備え、
該第1及び第2の検出器の出力により該第1及び第2のスイッチの開閉を制御することを特徴とする出力ドライバ回路。
(付記5) 第1の検出器と第2の検出器のいずれか一方を備えたことを特徴とする付記4記載の出力ドライバ回路。
(付記6) 第1の実装配線とは異なる実装配線により高電位電源に接続された基準高電位線と、
第2の実装配線とは異なる実装配線により低電位電源に接続された基準低電位線とを備え、
該第1の検出器は該高電位電源線と該基準高電位線の電位の差を検出するものであり、該第2の検出器は該低電位電源線と該基準低電位線の電位の差を検出するものであることを特徴とする付記4記載の出力ドライバ回路。
(付記7) 付記6記載の出力ドライバ回路が高電位電源線、低電位電源線、基準高電位線、基準低電位線をそれぞれ共通にして複数形成されていることを特徴とする半導体IC。
電源線の電位の変動を簡単な構成で容易に抑えることができるので、出力ドライバ回路を有する半導体ICに広く適用できる。
本発明の実施例に係る出力ドライバ回路の構成を示す図である。 本発明の実施例に係るICチップの実装形態を示す斜視図である。 (a)、(b)検出器の構成とその入出力特性を示す図(その1)。 (a)、(b)検出器の構成とその入出力特性を示す図(その2)。 (a)、(b)本発明の実施例に係る出力ドライバ回路の動作を説明する図。 従来例に係る出力ドライバ回路の構成を示す図である。 従来例に係るICチップの実装形態を示す斜視図である。 (a)、(b)従来例に係る出力ドライバ回路の動作を説明する図。
符号の説明
1 出力ドライバ回路
2 ICチップ
3 パッケージ
4 ボード
5 実装配線
11、14 インバータ
12、15 スイッチ
13、16 検出器

Claims (5)

  1. 実装配線により外部電源に接続された電源線と、
    外部へ信号を出力する出力線と、
    該電源線と該出力線にそれぞれドレインとソースが接続され、ゲートにはスイッチを介して信号が入力される出力トランジスタと、
    該電源線の電位の変動を検出する検出器を備え、
    該検出器の出力により該スイッチの開閉を制御することを特徴とする出力ドライバ回路。
  2. 前記実装配線とは異なる実装配線により外部電源に接続された基準電位線を備え、
    該検出器は該電源線と該基準電位線の電位の差を検出するものであることを特徴とする請求項1記載の出力ドライバ回路。
  3. 請求項2記載の出力ドライバ回路が電源線と基準電位線を共通にして複数形成されていることを特徴とする半導体IC。
  4. 第1の実装配線により高電位電源に接続された高電位電源線と、
    外部へ信号を出力する出力線と、
    該高電位電源線と該出力線にそれぞれドレインとソースが接続され、ゲートには第1のスイッチを介して第1の信号が入力される第1の出力トランジスタと、
    該高電位電源線の電位の変動を検出する第1の検出器と、
    第2の実装配線により低電位電源に接続された低電位電源線と、
    該低電位電源線と該出力線にそれぞれドレインとソースが接続され、ゲートには第2のスイッチを介して第2の信号が入力される第2の出力トランジスタと、
    該低電位電源線の電位の変動を検出する第2の検出器を備え、
    該第1及び第2の検出器の出力により該第1及び第2のスイッチの開閉を制御することを特徴とする出力ドライバ回路。
  5. 第1の実装配線とは異なる実装配線により高電位電源に接続された基準高電位線と、
    第2の実装配線とは異なる実装配線により低電位電源に接続された基準低電位線とを備え、
    該第1の検出器は該高電位電源線と該基準高電位線の電位の差を検出するものであり、該第2の検出器は該低電位電源線と該基準低電位線の電位の差を検出するものであることを特徴とする請求項4記載の出力ドライバ回路。
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