JP2006049811A - 有機薄膜トランジスタ及びこれを備えたフラットパネルディスプレイ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 機械的ストレスによる変形又は剥離などを防止する有機薄膜トランジスタ及びこれを備えたフラットパネルディスプレイ装置を提供する。
【解決手段】 ゲート電極104と,ゲート電極104から絶縁されるソース電極105及びドレイン電極106と,ゲート電極104から絶縁され,ソース電極105及びドレイン電極106に接触する有機半導体層107と,ソース電極105,ドレイン電極106及び有機半導体層107からゲート電極104を絶縁させるゲート絶縁層108とを含み,ゲート絶縁層108はアイランド状にパターニングされる。
【選択図】図4

Description

本発明は,有機薄膜トランジスタ及びこれを備えたフラットパネルディスプレイ装置に関し,さらに詳細には,機械的ストレスによる変形又は剥離などを防止する有機薄膜トランジスタ及びこれを備えたフラットパネルディスプレイ装置に関するものである。
一般に,半導体特性を有する共役性有機高分子であるポリアセチレンが開発されて以来,有機物の特徴(即ち,合成方法)が多様であり,繊維又はフィルム形態に容易に成形可能であるという特徴と,柔軟性,伝導性,及び低コストなどの利点のため,有機物を用いるトランジスタの研究が機能性電子素子及び光素子などの広範囲な分野で活発に行われている。
シリコンから形成される半導体層を備える従来のシリコン薄膜トランジスタ(silicon thin film transistor)の場合には,高濃度の不純物でドーピングされたソース領域及びドレイン領域と両領域間に形成されたチャンネル領域を有する半導体層を備え,半導体層から絶縁され,チャンネル領域に対応する領域に位置するゲート電極と,ゲート電極から絶縁され,ソース領域及びドレイン領域に各々接触するソース電極及びドレイン電極とを備えている。
しかし,上記構造の従来のシリコン薄膜トランジスタは,製造コストが高く,外部からの衝撃で壊れやすく,300℃以上の高温工程により生産されることから,プラスチック基板などを使用することができないといった問題がある。
特に,液晶ディスプレイ装置(LCD)又は電界発光ディスプレイ装置(ELD:electroluminescence display device)などのフラットパネルディスプレイ装置においては,各画素の動作を制御し駆動するスイッチング素子及び駆動素子として薄膜トランジスタが使用される。かかるフラットパネルディスプレイ装置において,近年要求されている大型化及び薄型化とともにフレキシブル特性を満たすため,既存のガラス材以外のプラスチック材などからなる基板を使用しようとする試みが続いている。しかしながら,プラスチック基板を使用する場合は,上記のように,高温工程でなく低温工程を用いなければならない。したがって,従来のシリコン薄膜トランジスタを使用するのが困難である,という問題があった。
一方,薄膜トランジスタの半導体層として有機層を使用する場合には,上記問題を解決できるので,近年においては,有機層を半導体層として使用する有機薄膜トランジスタ(organic thin film transistor)の研究が活発に行われている。
図1〜図3は,各々,従来のインバーテッドコプレーナー型有機薄膜トランジスタ,インバーテッドスタッガード型有機薄膜トランジスタ,及びスタッガード型有機薄膜トランジスタを概略的に示す断面図である。
まず,図1に示すように,基板12の上部にゲート電極14が形成され,ゲート電極14を覆うように,基板12の全面にゲート絶縁層18が形成される。そして,ゲート絶縁層18上にソース電極15及びドレイン電極16が形成され,ソース電極15及びドレイン電極16を覆うように,基板12の全面に有機半導体層17が形成される。図2及び図3に示すインバーテッドスタッガード型薄膜トランジスタ及びスタッガード型薄膜トランジスタも,図1に示すインバーテッドコプレーナー型薄膜トランジスタとその構成要素の上下位置のみが相違するばかりで,基本的な構成要素間の位置関係は同一である。
上記構造において,基板12,22,32の全面に形成されるものは,有機半導体層17,27,37とゲート絶縁層18,28,38である。有機半導体層17,27,37とゲート絶縁層18,28,38が共に有機物から形成される場合には,フレキシブル特性が最良である。しかし,ゲート絶縁層18,28,38は,薄膜トランジスタの電気的特性に大きな影響を与えるもので,リーク電流(leakage current)の大きさが10−10以下のものがよく,破壊電圧(breakdown voltage)の大きさが5MV/cm以上のものがよいが,有機物を使用してそのような特性を満足させることが易くない。それで,有機薄膜トランジスタに形成されるゲート絶縁層として,上記のような特性を持っているシリコンオキサイド(SiO)又はシリコンニトリド(SiN)などの無機物を主に使用する。
しかしながら,このような無機物からなるゲート絶縁層はフレキシブル特性がよくなくて,機械的ストレスなどによる薄膜トランジスタなどの変形又は剥離現象などが発生する,という問題がある。
したがって,本発明は,このような問題点を解決するためのもので,その目的は,機械的ストレスによる変形又は剥離などを防止することが可能な新規かつ改良された有機薄膜トランジスタ及びこれを備えたフラットパネルディスプレイ装置を提供することにある。
上記課題を解決するため,本発明の第1の観点によれば,ゲート電極と,前記ゲート電極から絶縁されるソース電極及びドレイン電極と,前記ゲート電極から絶縁され,前記ソース電極及び前記ドレイン電極に接触する有機半導体層と,前記ソース電極,前記ドレイン電極及び前記有機半導体層から前記ゲート電極を絶縁させるゲート絶縁層と,を含み,前記ゲート絶縁層はアイランド状にパターニングされることを特徴とする,有機薄膜トランジスタが提供される。
上記記載の発明では,ゲート絶縁層をアイランド状にパターニングすることにより,後に基板の曲がりなどの機械的ストレスが印加される場合に,ゲート絶縁層に加わる機械的ストレスを減らし,これにより有機薄膜トランジスタの変形又は剥離現象などを防止することができる。ゲート絶縁層をアイランド状にパターニングすることにより,ゲート絶縁層と基板間の接着力がよくない場合,後に基板の曲がりなどの機械的ストレスが印加されるときにゲート絶縁層と基板間で剥離現象などが発生することを防止することができる。
また,前記ゲート絶縁層は,無機物から形成される,如く構成すれば,フラットパネルディスプレイ装置に設けられた有機薄膜トランジスタのゲート絶縁層をアイランド状にパターニングすることにより,後に基板の曲がりなどの機械的ストレスが印加されるときに発生し得る変形又は剥離現象などを防止し,フラットパネルディスプレイ装置の長寿命化などを図ることができる。
また,前記ゲート電極は,基板上に位置し,前記ゲート絶縁層は前記ゲート電極を覆うように形成され,前記ソース電極及び前記ドレイン電極は前記ゲート絶縁層上に形成され,前記有機半導体層は前記ソース電極及び前記ドレイン電極を覆うように形成される,如く構成することができる。
また,前記ゲート電極は,前記基板上に形成され,前記ゲート絶縁層は前記ゲート電極を覆い,前記有機半導体層は前記ゲート絶縁層上に形成され,前記ソース電極及び前記ドレイン電極は前記有機半導体層上に形成する,如く構成することができる。
また,前記ソース電極及び前記ドレイン電極は前記基板上に形成され,前記有機半導体層は前記ソース電極及び前記ドレイン電極を覆うように形成され,前記ゲート絶縁層は前記有機半導体層上に形成され,前記ゲート電極は前記ゲート絶縁層上に形成する,如く構成することができる。
また,前記有機薄膜トランジスタはフレキシブル基板上に形成される,如く構成するのが好ましい。
また,前記ゲート絶縁層は,各々の有機薄膜トランジスタに対応するようにパターニングされる,如く構成するのが好ましい。
上記目的を達成するため,本発明の第2の観点によれば,ゲート電極と,前記ゲート電極から絶縁されるソース電極及びドレイン電極と,前記ゲート電極から絶縁され,前記ソース電極及び前記ドレイン電極に接触する有機半導体層と,前記ソース電極,前記ドレイン電極及び前記有機半導体層から前記ゲート電極を絶縁させるゲート絶縁層とを含む有機薄膜トランジスタと;前記ソース電極及び前記ドレイン電極のうち少なくとも一つの電極に電気的に連結されるディスプレイ素子と;を含み,前記ゲート絶縁層はアイランド状にパターニングされる,ことを特徴とするが提供される。
また,前記ゲート絶縁層は各々の有機薄膜トランジスタに対応するようにパターニングされる,如く構成するのが好ましい。
また,前記ディスプレイ素子は,赤色,緑色及び青色の光のいずれか一つを放出し,前記ゲート絶縁層は各々の有機薄膜トランジスタに対応するようにパターニングされる,如く構成するのが好ましい。
また,前記ディスプレイ素子は,赤色,緑色及び青色の光のいずれか一つを放出し,前記ゲート絶縁層は,赤色,緑色及び青色の光を放出する三つの隣接ディスプレイ素子に対応するようにパターニングされる,如く構成するのが好ましい。
また,前記ディスプレイ素子は電界発光ディスプレイ素子である,如く構成することができる。
本発明の有機薄膜トランジスタ及びこれを備えたフラットパネルディスプレイ装置によれば,次のような効果が得られる。
(1)ゲート絶縁層をアイランド状にパターニングすることにより,後に基板の曲がりなどの機械的ストレスが印加される場合に,ゲート絶縁層に加わる機械的ストレスを減らし,これにより有機薄膜トランジスタの変形又は剥離現象などを防止することができる。
(2)ゲート絶縁層をアイランド状にパターニングすることにより,ゲート絶縁層と基板間の接着力がよくない場合,後に基板の曲がりなどの機械的ストレスが印加されるときにゲート絶縁層と基板間で剥離現象などが発生することを防止することができる。
(3)フラットパネルディスプレイ装置に設けられた有機薄膜トランジスタのゲート絶縁層をアイランド状にパターニングすることにより,後に基板の曲がりなどの機械的ストレスが印加されるときに発生し得る変形又は剥離現象などを防止し,フラットパネルディスプレイ装置の長寿命化などを図ることができる。
以下に添付図面を参照しながら,本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお,本明細書及び図面において,実質的に同一の機能構成を有する構成要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
図4は,本発明の好適な第1実施形態にかかるインバーテッドコプレーナー型有機薄膜トランジスタを概略的に示す断面図である。
図4に示すように,ゲート電極104から絶縁されるソース電極105及びドレイン電極106が形成される。さらに,ゲート電極104から絶縁され,ソース電極105及びドレイン電極106に各々接する有機半導体層107が形成される。ソース電極105,ドレイン電極106及び有機半導体層107をゲート電極104から絶縁させるため,ゲート絶縁層108が形成される。ゲート絶縁層108は,無機物から構成可能であるが,かかる無機物としては,例えば,シリコンオキサイド又はシリコンニトリドなどが挙げられる。
上記構造において,図4に示すように,ゲート電極104は,基板102上に形成される。ゲート絶縁層108は,ゲート電極104を覆うように形成される。ソース電極105及びドレイン電極106は,ゲート絶縁層108上に形成される。有機半導体層107は,ソース電極105及びドレイン電極106を覆うように形成される。上記のように,いわゆるインバーテッドコプレーナー型構造を取っている。
本発明の第1実施形態にかかるインバーテッドコプレーナー型有機薄膜トランジスタが図1に示す従来のインバーテッドコプレーナー型有機薄膜トランジスタと異なる点は,ゲート絶縁層108がアイランド状にパターニングされたゲート絶縁層であることである。
即ち,図4に示すように,ゲート絶縁層108をアイランド状にパターニングすることにより,後に基板102の曲がりなどの機械的ストレスが印加された場合に,ゲート絶縁層108に加わる機械的ストレスを低減し,有機薄膜トランジスタの変形又は剥離現象などを防止することができる。
特に,ゲート絶縁層108と基板102間の接着力が良くない場合には,後に基板102の曲がりなどの機械的ストレスが印加された際にゲート絶縁層108と基板102間で剥離現象などが発生し得るが,上記のように,ゲート絶縁層108をアイランド状にパターニングすることにより上記現象を防止することができる。
一方,本発明の第1実施形態において,基板102はフレキシブル基板で構成することができる。このようなフレキシブル基板の例としては,例えば,メタルホイル又はプラスチック基板などが挙げられるが,本発明はかかる例には限定されるものではない。これは後述する実施形態においても同様である。
ゲート絶縁層108のパターニングは特定のパターニングに限定されない。例えば,図4に示すように,有機薄膜トランジスタが位置しない部分にゲート絶縁層108bのみをパターニングすることができる。
図4は,ゲート絶縁層108がパターニングされたインバーテッドコプレーナー型有機薄膜トランジスタを示しているが,ゲート絶縁層がアイランド状にパターニングされていれば,インバーテッドコプレーナー型有機薄膜トランジスタだけでなく,インバーテッドスタッガード型有機薄膜トランジスタ又はスタッガード型有機薄膜トランジスタなど,どんな形態の有機薄膜トランジスタにも本発明を適用することができる。これは後述する実施形態においても同様である。
インバーテッドスタッガード型有機薄膜トランジスタの構造について簡略に説明する。ゲート電極が形成され,ゲート電極から絶縁されるソース電極及びドレイン電極が形成され,ゲート電極から絶縁され,ソース電極及びドレイン電極に各々接する有機半導体層が形成され,ソース電極,ドレイン電極及び有機半導体層をゲート電極から絶縁させるため,ゲート絶縁層が形成されることは,前述したインバーテッドコプレーナー型有機薄膜トランジスタの構造と同様である。インバーテッドスタッガード型有機薄膜トランジスタと前述したインバーテッドコプレーナー型有機薄膜トランジスタの構造的相違点は,ゲート電極が基板上に形成され,ゲート絶縁層がゲート電極を覆うように形成され,有機半導体層がゲート絶縁層上に形成され,ソース電極及びドレイン電極は有機半導体層上に形成されることである。
次に,スタッガード型有機薄膜トランジスタの構造について簡略に説明する。スタッガード型有機薄膜トランジスタの基本的構成要素は,上記インバーテッドコプレーナー型有機薄膜トランジスタ又はインバーテッドスタッガードコプレーナー型有機薄膜トランジスタの構造と同一であるが,ソース電極及びドレイン電極が基板上に形成され,有機半導体層がソース電極及びドレイン電極を覆うように形成される。ゲート絶縁層が有機半導体層上に形成され,ゲート電極がゲート絶縁層上に形成されることに相違点がある。
インバーテッドスタッガード型有機薄膜トランジスタにおいては,基板上に形成されたゲート電極を覆うように形成されるゲート絶縁層をアイランド状にパターニングすることにより,かつスタッガード型有機薄膜トランジスタにおいては,有機半導体層上に形成されるゲート絶縁層をアイランド状にパターニングすることにより,後に基板の曲がりなどの機械的ストレスが印加される場合に,ゲート絶縁層に加わる機械的ストレスを減らし,有機薄膜トランジスタの変形又は剥離現象などを防止することができる。
(第2の実施の形態)
図5は,本発明の好適な第2実施形態によるインバーテッドコプレーナー型有機薄膜トランジスタを概略的に示す断面図である。
本実施形態によるインバーテッドコプレーナー型有機薄膜トランジスタおいては,二つ以上の薄膜トランジスタのゲート絶縁層208aが一体的に形成され,ほかの薄膜トランジスタのゲート絶縁層208bは独立して形成されることもできる。
(第3の実施の形態)
図6は本発明の好適な第3実施形態によるインバーテッドコプレーナー型有機薄膜トランジスタを概略的に示す断面図である。
本実施形態によるインバーテッドコプレーナー型有機薄膜トランジスタが上記実施形態によるインバーテッドコプレーナー型有機薄膜トランジスタと異なる点は,ゲート絶縁層308が各々の有機薄膜トランジスタと対応するようにパターニングされることである。このようにパターニングされることにより,後に基板の曲がりなどの機械的ストレスが印加されるときにゲート絶縁層308に加わる機械的ストレスを減らすので,有機薄膜トランジスタの変形又は剥離現象などを防止することができる。
(第4の実施の形態)
図7は,本発明の好適な第4実施形態によるインバーテッドスタッガード型有機薄膜トランジスタを概略的に示す断面図である。本発明の第4実施形態による有機薄膜トランジスタにおいても,ゲート絶縁層408が各々の有機薄膜トランジスタと対応するようにパターニングされる。このようにパターニングされることにより,後に基板の曲がりなどの機械的ストレスが印加される際にゲート絶縁層408に加わる機械的ストレスを減らすことにより,有機薄膜トランジスタの変形又は剥離現象などを防止することができる。
(第5の実施の形態)
図8は,本発明の好適な第5実施形態によるスタッガード型有機薄膜トランジスタを概略的に示す断面図である。本発明の第5実施形態による有機薄膜トランジスタにおいても,ゲート絶縁層508が各々の有機薄膜トランジスタと対応するようにパターニングされる。このようにパターニングされることにより,後に基板の曲がりなどの機械的ストレスが印加されるときにゲート絶縁層508に加わる機械的ストレスを減らすことにより,有機薄膜トランジスタの変形又は剥離現象などを防止することができる。
以下,上記各実施形態にかかる有機薄膜トランジスタが適用されたフラットパネルディスプレイ装置などについて説明する。
上記各実施形態等による有機薄膜トランジスタは,フレキシブルフラットパネルディスプレイ装置に設けられることができる。即ち,上記のような有機薄膜トランジスタのドレイン電極に電気的に連結されるディスプレイ素子を備えることにより,後に基板の曲がりなどの機械的ストレスが印加される際に,有機薄膜トランジスタのゲート絶縁層に加わる機械的ストレスを低減することができるので,有機薄膜トランジスタの変形又は剥離現象などを防止し,より信頼性の高くて寿命の長いフラットパネルディスプレイ装置を具現することができる。
このようなディスプレイ装置としては,前述したような液晶ディスプレイ装置又は電界発光ディスプレイ装置が挙げられる。
液晶ディスプレイ装置又は電界発光ディスプレイ装置などのフラットパネルディスプレイ装置には,各画素の動作を制御するスイッチング素子及び各画素の駆動素子とそのほかの各種ドライバとして,薄膜トランジスタが使用される。このような構造の有機薄膜トランジスタを上記のようなフラットパネルディスプレイ装置の各画素の動作を制御するスイッチング素子及び駆動素子とそのほかの各種ドライバの薄膜トランジスタとして備えることができる。駆動薄膜トランジスタとして使用される場合には,ソース電極及びドレイン電極のいずれか一電極にフラットパネルディスプレイ装置の画素電極が連結可能である。
本実施形態にかかる薄膜トランジスタは,特に電界発光ディスプレイ装置に有用に使用可能である。以下,このような構造のフラットパネルディスプレイ装置を説明する。
電界発光ディスプレイ装置は,発光層の発光色相によって多様な画素パターンを備える。例えば,赤色,緑色及び青色の副画素を備える。赤色,緑色及び青色からなる各々の副画素は,自発光素子である電界発光素子及び電界発光素子に連結される少なくとも一つの薄膜トランジスタを有し,薄膜トランジスタは前述した実施形態による有機薄膜トランジスタであり得る。当然ながら,各画素はキャパシタも備えることができる。
電界発光素子は,電流駆動方式の発光素子であって,素子を具現する両電極間の電流の流れによって赤色,緑色又は青色の光を発光して所定の画像を具現する。このような電界発光素子の構成を簡略に説明すると,電界発光素子は,上記薄膜トランジスタを構成する薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極のいずれか一電極に連結された画素電極と,全画素を覆うように,又は各画素に対応するように形成された対向電極と,画素電極と対向電極間に配置される少なくとも一つの発光層を有する中間層とからなる。本発明は必ずしも上記のような構造に限定されるものではなく,多様な電界発光ディスプレイ装置の構造を使用することができる。
画素電極はアノード電極として機能し,対向電極はカソード電極として機能するが,これら画素電極と対向電極の極性は反対にしてもかまわない。
画素電極は,透明電極又は反射型電極とすることができる。画素電極が透明電極である場合には,ITO,IZO,ZnO又はInから形成可能である。画素電極が反射型電極である場合には,Ag,Mg,Al,Pt,Pd,Au,Ni,Nd,Ir,Cr又はこれらの化合物から形成した後,その上にITO,IZO,ZnO又はInを加えることができる。
対向電極も透明電極又は反射型電極とすることができる。対向電極が透明電極である場合には,Li,Ca,LiF/Ca,LiF/Al,Al,Ag,Mg又はこれらの化合物を中間層に対向するように蒸着した後,その上にITO,IZO,ZnO又はInなどの透明電極形成用物質で補助電極層又はバス電極ラインを形成することができる。
対向電極が反射型電極である場合には,LI,Ca,LiF/Ca,LiF/Al,Al,Ag,Mg又はこれらの化合物を全面に蒸着して形成する。しかし,本発明は必ずしもこれらに限定されるものではなく,画素電極及び対向電極として伝導性ポリマーなどの有機物を使用することができる。
電界発光素子は,中間層が無機層であるか有機層であるかによって,無機電界発光素子と有機電界発光素子に分類される。後者の場合には,有機中間層は低分子有機層又は高分子有機層から構成可能である。
低分子有機層を使用する場合には,中間層は,ホール注入層(HIL:Hole Injection Layer),ホール輸送層(HTL:Hole Transport Layer),有機発光層(EML:Emission Layer),電子輸送層(ETL:Electron Transport Layer),電子注入層(EIL:Electron Injection Layer)などを単一又は複合構造に積層して形成することができ,使用可能な有機材料としては,銅フタロシアニン(CuPc:copper phthalocyanine),N,N−ジ(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ジフェニル−ベンジジン(N,N’−di(naphthalene−1−yl−)−N,N’−diphenyl−benzidine:NPB),トリス−8−ヒドロキシキノリンアルミニウム(tris−8−hydroxyquinoline aluminum)(Alq3)などの多様な材料を適用することができる。これら低分子有機層は,真空中で有機物を加熱して蒸着する真空蒸着法で形成される。当然ながら,中間層の構造は必ずしもこれに限定されるものではなく,必要に応じて多様な層で構成できる。
高分子有機層の場合には,中間層は,ホール輸送層(HTL)及び有機発光層(EML)を有することができる。高分子ホール輸送層は,ポリエチレンジヒドロキシチオフェン(PEDOT:poly−(2,4)−ethylene−dihydroxy thiophene)又はポリアニリン(PANI:polyaniline)などを使用し,これをインクジェット印刷法又はスピンコーティング法で形成可能である。高分子有機発光層は,PPV,Soluble PPV’s,Cyano−PPV,ポリフルオレンなどで構成可能であり,インクジェット印刷,スピンコーティング又はレーザによる熱転写方式などの通常の方法でカラーパターンを形成することができる。当然ながら,このような高分子有機層の場合にも,中間層の構造は必ずしもこれに限定されるものではなく,必要に応じて多様な層で構成できる。
無機電界発光素子の場合には,中間層は無機層で構成可能であり,これは,発光層と,発光層と電極間に介在された絶縁層とを含むことができる。当然ながら,中間層の構造は必ずしもこれに限定されるものではなく,必要に応じて多様な層で構成できる。
発光層は,ZnS,SrS,CaSなどの金属硫化物,又はCaGa,SrGaなどのアルカリ土類カリウム硫化物,及びMn,Ce,Tb,Eu,Tm,Er,Pr,Pbなどを含む遷移金属のような発光中心原子で形成できる。
上記のような構造を有する電界発光ディスプレイ装置は,電界発光素子の画素電極に,前述したようにゲート絶縁層がパターニングされた少なくとも一つの有機薄膜トランジスタが連結されることにより,画素電極を通して流れる電流の流れを制御して各画素の発光を制御する。
また,上記のように,液晶表示パネルにも有機薄膜トランジスタが形成できる。以下,このような液晶表示パネルの構造を簡略に説明する。
互いに対向する第1基板と第2基板間に,液晶層を整列させるための整列層が形成され,整列層と第1基板間に第1電極が,整列層と第2基板間に第2電極が形成され,第2基板と第2電極間にカラーフィルタ層が形成される。
第2基板の反対側の第1基板面には第1偏光層が形成され,第1基板の反対側の第2基板面には第2偏光層が形成される。第2偏光層の上面には保護フィルムが形成される。
上記のような構造の液晶パネルにおいて,第1電極が,前述したようなゲート絶縁層がパターニングされた有機薄膜トランジスタに連結されることにより,有機薄膜トランジスタにより制御された外部信号に応じて第1電極と第2電極間に電位差が生じる。かかる電位差により液晶層の配列が決定され,液晶層の配列によって,液晶パネルの第1基板の下部に形成されたバックライトユニット(BLU:Back Light Unit)から供給される可視光線が遮断されるか又は通過され,通過した光がカラーフィルタ層を通過しながら色を発して画像を具現することになる。
上本実施形態にかかる有機薄膜トランジスタは,電界発光ディスプレイ装置又は液晶ディスプレイ層のほかに多様なフラットパネルディスプレイ装置にも適用可能であり,フラットパネルディスプレイ装置のほかに,電子紙(electronic sheet),スマートカード(smart card),商品タグ又はRFID用プラスチックチップ(smart tag,RFID)など,薄膜トランジスタを使用する全ての装置に適用することができる。
上記のようなフラットパネルディスプレイ装置において,フラットパネルディスプレイ装置に設けられた有機薄膜トランジスタを構成するゲート絶縁層のパターニングは,特定のパターニングに限定されずに,任意のアイランド状にパターニングできる。このように,フラットパネルディスプレイ装置に設けられた有機薄膜トランジスタのゲート絶縁層をアイランド状にパターニングすることにより,後に基板の曲がりなどの機械的ストレスが印加されるときに有機薄膜トランジスタのゲート絶縁層に加わる機械的ストレスを低減することができるので,有機薄膜トランジスタの変形又は剥離現象などを防止し,より信頼性が高く,寿命の長いフラットパネルディスプレイ装置を具現することができる。
特に,フラットパネルディスプレイ装置のディスプレイ素子は,少なくとも一つの有機薄膜トランジスタを備えることができ,ゲート絶縁層は各々の有機薄膜トランジスタに対応するようにパターニングできる。また,前述したように,ディスプレイ装置に設けられるディスプレイ素子は,赤色,緑色及び青色の光のいずれか一光を放出するディスプレイ素子とすることができる。ゲート絶縁層は,各々のディスプレイ素子に対応するように(即ち,各々の副画素に対応するように),パターニングされることができる。また,ゲート絶縁層は,赤色,緑色及び青色の光を各々放出する隣接した三つのディスプレイ素子に対応するように(即ち,各々の画素に対応するように),パターニングされることもできる。このことにより,後に基板の曲がりなどの機械的ストレスが印加されるときに有機薄膜トランジスタのゲート絶縁層に加わる機械的ストレスを低減することができるので,有機薄膜トランジスタの変形又は剥離現象などを防止し,より信頼性が高く,寿命の長いフラットパネルディスプレイ装置を具現することができる。
以上,添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが,本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された範疇内において,各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明は,機械的ストレスによる変形又は剥離などを防止する有機薄膜トランジスタ及びこれを備えたフラットパネルディスプレイ装置に適用可能である。
従来のインバーテッドコプレーナー型有機薄膜トランジスタを概略的に示す断面図である。 従来のインバーテッドスタッガード型有機薄膜トランジスタを概略的に示す断面図である。 従来のスタッガード型有機薄膜トランジスタを概略的に示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態にかかるインバーテッドコプレーナー型有機薄膜トランジスタを概略的に示す断面図である。 本発明の第2の実施の形態にかかるインバーテッドコプレーナー型有機薄膜トランジスタを概略的に示す断面図である。 本発明の第3の実施の形態にかかるインバーテッドコプレーナー型有機薄膜トランジスタを概略的に示す断面図である。 本発明の第4の実施の形態にかかるインバーテッドスタッガード型有機薄膜トランジスタを概略的に示す断面図である。 本発明の第5の実施の形態にかかるスタッガード型有機薄膜トランジスタを概略的に示す断面図である。
符号の説明
12,22,32,102,202,302,402,502 基板
14,24,34,104,204,304,404,504 ゲート電極
15,25,35,105,205,305,405,505 ソース電極
16,26,36,106,206,306,406,506 ドレイン電極
17,27,37,107,207,307,407,507 有機半導体層
18,28,38,108,208,308,408,508 ゲート絶縁層

Claims (12)

  1. ゲート電極と;
    前記ゲート電極から絶縁されるソース電極及びドレイン電極と;
    前記ゲート電極から絶縁され,前記ソース電極及び前記ドレイン電極に接触する有機半導体層と;
    前記ソース電極,前記ドレイン電極及び前記有機半導体層から前記ゲート電極を絶縁させるゲート絶縁層と;を含み,
    前記ゲート絶縁層はアイランド状にパターニングされる,
    ことを特徴とする有機薄膜トランジスタ。
  2. 前記ゲート絶縁層は,無機物から形成される,ことを特徴とする請求項1に記載の有機薄膜トランジスタ。
  3. 前記ゲート電極は基板上に位置し,
    前記ゲート絶縁層は前記ゲート電極を覆うように形成され,
    前記ソース電極及び前記ドレイン電極は前記ゲート絶縁層上に形成され,及び
    前記有機半導体層は前記ソース電極及び前記ドレイン電極を覆うように形成される,
    ことを特徴とする請求項1に記載の有機薄膜トランジスタ。
  4. 前記ゲート電極は,前記基板上に形成され,
    前記ゲート絶縁層は,前記ゲート電極を覆い,
    前記有機半導体層は,前記ゲート絶縁層上に形成され,
    前記ソース電極及び前記ドレイン電極は,前記有機半導体層上に形成される,
    ことを特徴とする請求項1に記載の有機薄膜トランジスタ。
  5. 前記ソース電極及び前記ドレイン電極は,前記基板上に形成され,
    前記有機半導体層は,前記ソース電極及び前記ドレイン電極を覆うように形成され,
    前記ゲート絶縁層は,前記有機半導体層上に形成され,
    前記ゲート電極は,前記ゲート絶縁層上に形成される,
    ことを特徴とする請求項1に記載の有機薄膜トランジスタ。
  6. 前記有機薄膜トランジスタは,フレキシブル基板上に形成される,ことを特徴とする請求項1に記載の有機薄膜トランジスタ。
  7. 前記ゲート絶縁層は,各々の有機薄膜トランジスタに対応するようにパターニングされる,ことを特徴とする請求項1〜6に記載の有機薄膜トランジスタ。
  8. ゲート電極と,前記ゲート電極から絶縁されるソース電極及びドレイン電極と,前記ゲート電極から絶縁され,前記ソース電極及び前記ドレイン電極に接触する有機半導体層と;前記ソース電極,前記ドレイン電極及び前記有機半導体層から前記ゲート電極を絶縁させるゲート絶縁層とを含む有機薄膜トランジスタと;
    前記ソース電極及び前記ドレイン電極のうち少なくとも一つの電極に電気的に連結されるディスプレイ素子と;を含み,
    前記ゲート絶縁層は,アイランド状にパターニングされる,
    ことを特徴とするフラットパネルディスプレイ装置。
  9. 前記ゲート絶縁層は,各々の有機薄膜トランジスタに対応するようにパターニングされる,ことを特徴とする請求項8に記載のフラットパネルディスプレイ装置。
  10. 前記ディスプレイ素子は,赤色,緑色及び青色の光のいずれか一つを放出し,前記ゲート絶縁層は各々のディスプレイ素子に対応するようにパターニングされる,ことを特徴とする請求項8に記載のフラットパネルディスプレイ装置。
  11. 前記ディスプレイ素子は,赤色,緑色及び青色の光のいずれか一つを放出し,
    前記ゲート絶縁層は,赤色,緑色及び青色の光を放出する三つの隣接ディスプレイ素子に対応するようにパターニングされる,
    ことを特徴とする請求項8に記載のフラットパネルディスプレイ装置。
  12. 前記ディスプレイ素子は,電界発光ディスプレイ素子である,ことを特徴とする請求項8〜11に記載のフラットパネルディスプレイ装置。
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