JP2006049700A - 固体撮像装置の製造方法 - Google Patents

固体撮像装置の製造方法 Download PDF

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清文 山本
康介 ▲高崎▼
Kosuke Takasaki
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Abstract

【課題】チップサイズパッケージタイプの固体撮像装置のように、接合されたウェーハとガラス板とで構成された積層構造物を切断等するにあたり、接着不良箇所によって不良品となることを防止できる固体撮像装置の製造方法を提供する。
【解決手段】ウェーハ11の表面に多数の固体撮像素子11Aを形成し、透明ガラス板12下面の固体撮像素子に対応する箇所に、個々の固体撮像素子を囲む形状のスペーサ13を形成し、スペーサに透明ガラス板の周縁まで連通する溝gを形成する。ウェーハと透明ガラス板とを相対させて位置合わせし、このウェーハと透明ガラス板とをスペーサを介して接合する。そして、接合されたウェーハと透明ガラス板とを個々の固体撮像装置に分割する。
【選択図】 図5

Description

本発明は、固体撮像装置の製造方法に関し、特に、チップサイズパッケージ(CSP)タイプの固体撮像装置の製造に好適な固体撮像装置の製造方法に関する。
デジタルカメラや携帯電話に用いられる、CCDやCMOSからなる固体撮像装置は、益々小型化が要求されている。このため、固体撮像素子チップ全体をセラミックス等のパッケージに気密封止した、従来の大型パッケージから、最近では、固体撮像素子チップの大きさと略等しい大きさの、チップサイズパッケージ(CSP)タイプに移行しつつある。
このような中で、ウェーハ(半導体基板)上に多数形成された、各固体撮像素子の受光部を包囲する位置に対応させて、透明ガラス板にスペーサを形成するとともに、この透明ガラス板をスペーサ部分でウェーハに接着してウェーハとの間に空隙部を形成し、しかる後に透明ガラス板及びウェーハを、スクライブラインに沿ってダイシングし、個々の固体撮像装置に分離する方法が提案されている(たとえば、特許文献1参照。)。
図15は、このような透明ガラス板1とウェーハ2とを示す斜視図である。同図において、ウェーハ2には、個々の固体撮像装置に対応する固体撮像素子3、3…とパッド4、4…とが形成されている。一方、透明ガラス板1の下面には、図16に示されるように、スペーサ5の層が形成されている。
特開2002−231921号公報
しかしながら、この特許文献1に記載された技術では、透明ガラス板とウェーハとを貼り合わせる際に、透明ガラス板やウェーハの厚さムラに起因する気泡が接合箇所に生じ、接合不良となる問題があった。図17は、この現象を示すもので、透明ガラス板1とウェーハ2とを貼り合わせた状態の要部拡大断面図である。図17に示されるように、矢印Dで示される箇所において、スペーサ5の層とウェーハ2との間に接着不良箇所を生じている。
このような状態では、この接着不良箇所より異物が空隙部6内に入り込むことを避けられない。たとえば、ダイシング装置等を使用して、ダイシングした場合、この接着不良箇所より研削液が空隙部6内に浸入することとなる。図18は、この現象を示すもので、透明ガラス板1とウェーハ2とが貼り合わされた状態でダイシングされている状態を示す要部拡大断面図である。ただし、ガラス板1とウェーハ2とが図17と異なり、上下逆転した状態となっている。なお、ガラス板1の下面に貼着されているのは、粘着フィルム1Aであり、ダイシング後の固体撮像装置の飛散を防止するために導入されている。
図18において、回転するダイシングブレード7がウェーハ2の裏面より積層体に切り込んでいる。このダイシングが円滑に行えるように、ノズル8、8より研削液(クーラント)9がダイシングブレード7の周縁に供給されている。
ところが、前述したように、スペーサ5の層とウェーハ2との間の接着不良箇所があると、ここより研削液9が空隙部6内に浸入し、製品としての品質を維持できない状態となる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、チップサイズパッケージ(CSP)タイプの固体撮像装置のように、接合された基板(ウェーハ)と板状物(ガラス板)とで構成された積層構造物を切断等するにあたり、接着不良箇所によって不良品となることを防止できる固体撮像装置の製造方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、請求項1に係る本発明は、ウェーハの表面に多数の固体撮像素子を形成する工程と、前記ウェーハに接合される透明平板下面の前記固体撮像素子に対応する箇所に、個々の固体撮像素子を囲む形状の所定厚さのスペーサを形成する工程と、前記スペーサに前記透明平板の周縁まで連通する溝を形成する工程と、前記ウェーハと前記透明平板とを位置合わせして、前記スペーサを介して接合する工程と、接合された前記ウェーハと前記透明平板とを個々の固体撮像装置に分割する工程と、を備えることを特徴とする固体撮像装置の製造方法を提供する。
請求項1に係る本発明によれば、スペーサに透明平板の周縁まで連通する溝を形成するので、ウェーハと透明平板とをスペーサを介して接合する際に、この溝を経て外部にエアを排除できる。したがって、気泡が接合箇所に生じ接着不良箇所を生じるような不具合は生じず、製品の品質を維持できる。
請求項2に係る本発明は、ウェーハの表面に多数の固体撮像素子を形成する工程と、前記ウェーハに接合される透明平板の前記固体撮像素子に対応する箇所の周縁部分に、貫通孔を形成する工程と、前記透明平板下面の前記固体撮像素子に対応する箇所に、個々の固体撮像素子を囲む形状の所定厚さのスペーサを形成する工程と、前記ウェーハと前記透明平板とを位置合わせして、前記スペーサを介して接合する工程と、接合された前記ウェーハと前記透明平板とを個々の固体撮像装置に分割する工程と、を備えることを特徴とする固体撮像装置の製造方法を提供する。
請求項2に係る本発明によれば、透明平板に多数の貫通孔を形成するので、ウェーハと透明平板とをスペーサを介して接合する際に、この貫通孔を経て外部にエアを排除できる。したがって、気泡が接合箇所に生じ接着不良箇所を生じるような不具合は生じず、製品の品質を維持できる。
請求項3に係る本発明は、ウェーハの表面に多数の固体撮像素子を形成する工程と、前記ウェーハの前記多数の固体撮像素子以外の表面に周縁まで連通する溝を形成する工程と、前記ウェーハに接合される透明平板下面の前記固体撮像素子に対応する箇所に、個々の固体撮像素子を囲む形状の所定厚さのスペーサを形成する工程と、前記ウェーハと前記透明平板とを位置合わせして、前記スペーサを介して接合する工程と、接合された前記ウェーハと前記透明平板とを個々の固体撮像装置に分割する工程と、を備えることを特徴とする固体撮像装置の製造方法を提供する。
請求項3に係る本発明によれば、ウェーハの固体撮像素子以外の表面に周縁まで連通する溝を形成するので、ウェーハと透明平板とをスペーサを介して接合する際に、この溝を経て外部にエアを排除できる。したがって、気泡が接合箇所に生じ接着不良箇所を生じるような不具合は生じず、製品の品質を維持できる。
なお、本明細書において、「固体撮像素子」とは、多数の固体撮像素子(CCD等)が2次元のアレイ状に集合したものを指し、1のアレイ状の集合が1の固体撮像装置に対応するものである。
以上説明したように、本発明の固体撮像装置の製造方法によれば、ウェーハと透明平板とをスペーサを介して接合する際に、気泡が接合箇所に生じ接着不良箇所を生じるような不具合は生じず、製品の品質を維持できる。
以下、添付図面に従って、本発明に係る固体撮像装置の製造方法の好ましい実施の形態(第1実施形態)について詳説する。なお、各図において、同一部材には同一の番号又は記号を付している。
図1及び図2は、本発明に係る固体撮像装置の製造方法によって製造されたチップサイズパッケージ(CSP)タイプの固体撮像装置の外観形状を示す斜視図、及び要部断面図である。
固体撮像装置21は、固体撮像素子11A、及び固体撮像素子11Aと電気的に接続するための複数の接続端子であるパッド11B、11B…が設けられた矩形状の固体撮像素子チップ11Cと、固体撮像素子11Aを取り囲むように固体撮像素子チップ11C上に取り付けられた枠形状のスペーサ13と、このスペーサ13の上に取り付けられて固体撮像素子11Aを封止する透明ガラス板12とからなる。
なお、固体撮像素子チップ11Cは、後述する半導体基板(ウェーハ)11(本発明の基板に相当)が分割されたものである。また、スペーサ13は、接着剤13Aを介して透明ガラス板12と、接着剤13Bを介してウェーハ11と、それぞれ接合されている。
固体撮像素子11Aの製造には、一般的な半導体素子製造工程が適用される。固体撮像素子11Aは、ウェーハ11に形成された受光素子であるフォトダイオード、励起電圧を外部に転送する転送電極、開口部を有する遮光膜、層間絶縁膜、層間絶縁膜の上部に形成されたインナーレンズ、インナーレンズの上部に中間層を介して設けられたカラーフィルタ、カラーフィルタの上部に中間層を介して設けられたマイクロレンズ等で構成されている。
固体撮像素子11Aはこのように構成されているため、外部から入射する光がマイクロレンズ及びインナーレンズによって集光されてフォトダイオードに照射され、有効開口率が上がるようになっている。
パッド11B、11B…は、たとえば、導電性材料を用いて固体撮像素子チップ11Cの上に印刷により形成されている。また、パッド11Bと固体撮像素子11Aとの間も同様に印刷によって配線が施されている。
更に、固体撮像素子チップ11Cを貫通する貫通配線24が設けられており、パッド11Bと外部接続端子26との導通が取られている。
ウェーハ11としては、単結晶シリコンウェーハを用いるのが一般的である。
スペーサ13は、無機材料、たとえば、シリコンで形成されている。すなわち、スペーサ13の材質としては、ウェーハ11及び透明ガラス板12と熱膨張係数等の物性が類似した材質が望ましい。このため、スペーサ13の材質としては、シリコンが好適である。
透明ガラス板12には、CCDのフォトダイオードの破壊を防止するために、透明なα線遮蔽ガラスが用いられている。
次に、本発明に係る固体撮像装置の製造方法が適用されるCSPタイプ固体撮像装置の製造工程の概略について説明する。
図3は、固体撮像装置の製造工程を示すフローチャートである。第1の工程では、図4、図5及び図6に示されるように、透明ガラス板12の上に、多数のスペーサ13が形成されるとともに、ウェーハ11に、個々の固体撮像装置21に対応する固体撮像素子11A、11A…とパッド11B、11B…とが形成される。
すなわち、図4は、透明ガラス板12とウェーハ11とを示す斜視図であり、図5は、透明ガラス板12の下面のスペーサ13の層を示す平面図であり、図6は、スペーサ13の層を示す透明ガラス板12の断面図である。
透明ガラス板12とウェーハ11のサイズは、固体撮像装置21のチップサイズ(3〜35mm角が一般的)にもよるが、たとえば、外径約102mm(4インチ)とできる。透明ガラス板12の厚さは、たとえば、0.3〜0.7mmとでき、ウェーハ11の厚さは、たとえば、0.3〜0.6mmとできる。
なお、図4において、透明ガラス板12とウェーハ11の両側部の円内には、位置合わせ用のマークがそれぞれ形成されている。また、図5において、スペーサ13に形成された正方形状の抜け部分15は、各固体撮像素子11Aに対応する。
スペーサ13の層には、透明ガラス板12の周縁まで連通する溝gが形成されている。この溝gは、個々の固体撮像素子11A(固体撮像装置21)を取り囲むように設けられた枠形状のスペーサ13の4周に漏れなく設けられる形状となっている。スペーサ13の厚さは、たとえば、0.02〜0.2mmとできる。
これらのスペーサ13は、たとえば、次のような方法によって形成される。先ず、透明ガラス板12上にシリコン等の無機材料をスピンコート等の塗布やCVD装置等で積層し、無機材料膜を形成する。次いで、フォトリソグラフイ技術、エッチング処理等を用いて、無機材料膜から多数のスペーサ13のパターンを形成する。
フォトリソグラフイ技術、エッチング処理による場合、先ず、ガラス板12上の全面に無機材料膜を形成し、次いで、フォトリソグラフイ技術により、図5の溝g及び正方形状の抜け部分15以外の表面にフォトレジストの層を形成し、エッチング処理により溝g及び正方形状の抜け部分15を形成する。
また、スピンコート等以外に、透明ガラス板12上に無機材料膜を形成するために、透明ガラス板12とシリコンウェーハとを貼り合わせてもよい。
更に、透明ガラス板12上に無機材料を図5のようなパターン状に印刷して、スペーサ13を直接形成してもよい。
以上のスペーサ13の形成工程において、透明ガラス板12の周縁まで連通する溝gの形成は、スペーサ13の形成と同時に行ってもよく(たとえば、印刷法)、別個に行ってもよい(たとえば、フォトリソグラフイ技術、エッチング処理)。
第2の工程では、図7に示されるように、透明ガラス板12上のスペーサ13の表面(下面)に接着剤13Bが薄く均一に塗布される。接着剤13Bの種類としては、硬化時の反り防止のために常温硬化型接着剤が用いられる。また、5〜10μm程度の薄い塗布厚を実現するために、0.1〜10Pa・s程度の粘度の接着剤13Bが使用される。
第3の工程では、図8(B)に示されるように、多数の固体撮像素子11A及びパッド11Bが形成されたウェーハ11上に透明ガラス板12が貼り合わされる。透明ガラス板12とウェーハ11との貼り合わせには、アライメント貼付け装置が使用される。図8(A)に示されるように、アライメント貼付け装置は、エア吸引孔16aからエアを吸引してウェーハ11を位置決め保持する貼り合わせテーブル16と、同様にエア吸引孔17aからエアを吸引して透明ガラス板12を保持し、ウェーハ11に合わせて透明ガラス板12のXY方向及びθ方向(回転方向)の位置調整を行なう位置決めテーブル17とを備えている。
この位置決めテーブル17により、ウェーハ11と透明ガラス板12とのオリフラ11f、12f(図4参照)や、適宜設けられた既述のアライメントマーク等を利用してウェーハ11と透明ガラス板12との位置調整を行なう。
その後、位置決めテーブル17を下降させて、透明ガラス板12をウェーハ11に重ね合わせ、位置決めテーブル17で透明ガラス板12を均一に加圧することにより、透明ガラス板12とウェーハ11との仮貼り合わせが行なわれる。
次いで、加圧を継続することにより、本貼り合わせが行なわれる。加圧されたウェーハ11と透明ガラス板12とは、互いの厚さのバラツキや反りなどに沿って僅かに変形し、スペーサ13とウェーハ11との接触状態が均一になる。その後、この加圧を接着剤13B(図7参照)が硬化する所定時間維持することにより、ウェーハ11に対する各スペーサ13の取り付け状態が均一となる。
この仮貼り合わせ及び本貼り合わせにおいて、スペーサ13に透明ガラス板12の周縁まで連通する溝gが形成されているので、ウェーハ11と透明ガラス板12に厚さのバラツキや反りなどがあったとしても、スペーサ13とウェーハ11との間の気泡をこの溝gを経て外部に排除できる。したがって、スペーサ13とウェーハ11との接触状態は良好であり、気泡が接合箇所に生じ接着不良箇所を生じるような不具合は生じず、製品の品質を維持できる。
第4の工程では、固体撮像素子チップ11Cを貫通する貫通配線24形成が行われ、次いで、第5の工程では、外部接続端子26が形成され、パッド11Bと外部接続端子26との導通が取られる(図2参照)。これらの工程は、公知の各手段を用いればよい。
第6の工程では、図9に示されるように、透明ガラス板12とウェーハ11のダイシングが実施され、多数の固体撮像装置21が形成される。このダイシングは、ダイヤモンドホイール31(研削砥石)、透明ガラス板12及びウェーハ11が必要以上に加熱されないように、噴射ノズル32から研削液(クーラント)が掛けられながら行なわれる。このダイシングに際し、スペーサ13とウェーハ11との間は接着剤12によって確実に封止されているので、研削液がスペーサ13内に浸入することはない。
なお、ダイシングの前に、ウェーハ11の下面にダイシングテープ34が貼付され、ダイシング後に固体撮像装置21が飛散することを防止できるようになっている。
次に、本発明に係る固体撮像装置の製造方法の第2の実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同一、類似の部材については、同様の符号を附し、その説明を省略する。
本実施形態においては、第1実施形態における、スペーサ13に形成され透明ガラス板12の周縁まで連通する溝gに代えて、透明ガラス板12に形成される多数の貫通孔の構成が採用されている。
図10は、透明ガラス板12の下面のスペーサ13の層を示す平面図であり、第1実施形態の図5に対応する。図10において、スペーサ13に形成された正方形状の抜け部分15は、各固体撮像素子11Aに対応する。そして、この抜け部分15の斜上下に形成された円形状の抜け部分は、透明ガラス板12に形成される多数の貫通孔Hに対応する。
図11は、透明ガラス板12とウェーハ11との貼り合わせ状態を示す要部断面図であり、第1実施形態の図8に対応する。なお、図11において、貼り合わせテーブル16や位置決めテーブル17の図示は省略されている。
図11に示される貼り合わせ工程において、透明ガラス板12に(同一箇所のスペーサ13にも)多数の貫通孔Hが形成されているので、ウェーハ11と透明ガラス板12に厚さのバラツキや反りなどがあったとしても、ウェーハ11と透明ガラス板12との間の気泡をこの貫通孔Hを経て外部に排除できる。したがって、スペーサ13とウェーハ11との接触状態は良好であり、気泡が接合箇所に生じ接着不良箇所を生じるような不具合は生じず、製品の品質を維持できる。
このような貫通孔Hの形成方法としては、透明ガラス板12に行うフォトリソグラフイ技術、エッチング処理等により達成できる。このうち、フォトリソグラフイ技術においては、貫通孔Hが形成される部分以外の透明ガラス板12の表裏面を覆う形状のレジストパターンを形成する。この際、透明ガラス板12の両面へのフォトレジストの塗布、貫通孔Hが形成される部分が表裏面で一致するような透明ガラス板12の両面へのフォトマスクの位置合わせが重要である。また、透明ガラス板12へのフォトレジストの付着力向上が重要である。具体的には、下地の表面処理として、シランカップリング剤や金属酸化膜の形成が効果的である。
エッチング処理において、透明ガラス板12の両面よりエッチングを行い、レジストパターンが形成されていない部分のガラスを溶解させ、貫通孔Hを形成する。この際、フッ酸によるウェットエッチング処理が効果的であり、珪フッ化物の堆積によるエッチング速度の低下を防ぐべく、添加剤(硫酸等)の添加が効果的である。
スペーサ13の層の形成においては、第1実施形態と同様の方法が採用できる。この際、このような貫通孔Hを避けてスペーサ13の層を形成することが望ましいが、このような貫通孔Hを避けずにスペーサ13の層を形成しても、貫通孔H上にスペーサ13の層が形成できなかったり、工程中に貫通孔H上のスペーサ13の層が脱落するのであればよい。
次に、本発明に係る固体撮像装置の製造方法の第3の実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同一、類似の部材については、同様の符号を附し、その説明を省略する。
本実施形態においては、第1実施形態における、スペーサ13に形成され透明ガラス板12の周縁まで連通する溝gに代えて、ウェーハ11の固体撮像素子11A以外の表面に形成される、周縁まで連通する溝Gの構成が採用されている。
このような溝Gのウェーハ11へ平面配置は、図5に示されるスペーサ13の層の透明ガラス板12の周縁まで連通する溝gと同様にすればよい。
図12は、透明ガラス板12とウェーハ11との貼り合わせ状態を示す要部断面図であり、第1実施形態の図8及び第2実施形態の図11に対応する。なお、図12において、図11と同様に、貼り合わせテーブル16や位置決めテーブル17の図示は省略されている。
図12に示される貼り合わせ工程において、ウェーハ11に周縁まで連通する溝Gが形成されているので、ウェーハ11と透明ガラス板12に厚さのバラツキや反りなどがあったとしても、ウェーハ11と透明ガラス板12との間の気泡をこの溝Gを経て外部に排除できる。したがって、スペーサ13とウェーハ11との接触状態は良好であり、気泡が接合箇所に生じ接着不良箇所を生じるような不具合は生じず、製品の品質を維持できる。
このような溝Gの形成方法としては、ウェーハ11の処理工程中のいずれか(たとえば、固体撮像素子11A又はパッド11Bの形成工程)において、溝Gを形成するエッチング工程を加えればよい。具体的には、フォトリソグラフイ技術により、溝Gが形成される部分以外のウェーハ11の表面を覆う形状のフォトレジストの層を形成し、エッチング処理により溝Gが形成される部分のウェーハ11を溶解させ、溝Gを形成する。
以上に説明した、本発明に係る固体撮像装置の各製造方法によれば、ウェーハ11と透明ガラス板12(透明平板)とをスペーサ13を介して接合する際に、気泡が接合箇所に生じ接着不良箇所を生じるような不具合は生じず、製品の品質を維持できる。
以上、本発明に係る固体撮像装置の製造方法の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、各種の態様が採り得る。
たとえば、上記実施形態は、図1及び図2に示されるような正方形平面の固体撮像装置21について述べられているが、図13(斜視図)及び図14(断面図)に示されるような長方形平面の固体撮像装置21’についても好適に適用でき、同様の効果が得られる。この固体撮像装置21’は、固体撮像素子チップ11Cの端面がスペーサ13及び透明ガラス板12と面一とならず、張り出しており、固体撮像素子チップ11Cの表面に、パッド11B、11B…が露出するように設けられた構成のものである。
また、本実施形態では、図7に示されるように、スペーサ13が接着剤13Bを介してウェーハ11と接合される構成を採用しているが、図2に示されるように、スペーサ13が、接着剤13Aを介して透明ガラス板12と、接着剤13Bを介してウェーハ11と、それぞれ接合される構成を採用してもよい。
本発明に係る固体撮像装置の製造方法によって製造された固体撮像装置の斜視図 本発明に係る固体撮像装置の製造方法によって製造された固体撮像装置の要部断面図 固体撮像装置の製造工程を示すフローチャート 透明ガラス板とウェーハとを示す斜視図 透明ガラス板下面のスペーサの層を示す平面図 スペーサの層を示す透明ガラス板の断面図 接着剤の層を示す透明ガラス板の断面図 透明ガラス板とウェーハとの貼り合わせ状態を示す要部断面図 透明ガラス板とウェーハのダイシング状態を示す要部断面図 透明ガラス板の下面のスペーサの層を示す平面図 透明ガラス板とウェーハとの貼り合わせ状態を示す要部断面図 透明ガラス板とウェーハとの貼り合わせ状態を示す要部断面図 本発明に係る固体撮像装置の製造方法によって製造される固体撮像装置の他の態様の斜視図 本発明に係る固体撮像装置の製造方法によって製造される固体撮像装置の他の態様の要部断面図 従来例における透明ガラス板とウェーハとを示す斜視図 従来例における透明ガラス板下面のスペーサの層を示す平面図 従来例における透明ガラス板とウェーハとの貼り合わせ状態を示す要部断面図 従来例における透明ガラス板とウェーハのダイシング状態を示す要部断面
符号の説明
11…ウェーハ(基板)、11A…固体撮像素子、11B…パッド、11C…固体撮像素子チップ、12…透明ガラス板、13…スペーサ、13B…接着剤、21…固体撮像装置

Claims (3)

  1. ウェーハの表面に多数の固体撮像素子を形成する工程と、
    前記ウェーハに接合される透明平板下面の前記固体撮像素子に対応する箇所に、個々の固体撮像素子を囲む形状の所定厚さのスペーサを形成する工程と、
    前記スペーサに前記透明平板の周縁まで連通する溝を形成する工程と、
    前記ウェーハと前記透明平板とを位置合わせして、前記スペーサを介して接合する工程と、
    接合された前記ウェーハと前記透明平板とを個々の固体撮像装置に分割する工程と、
    を備えることを特徴とする固体撮像装置の製造方法。
  2. ウェーハの表面に多数の固体撮像素子を形成する工程と、
    前記ウェーハに接合される透明平板の前記固体撮像素子に対応する箇所の周縁部分に、貫通孔を形成する工程と、
    前記透明平板下面の前記固体撮像素子に対応する箇所に、個々の固体撮像素子を囲む形状の所定厚さのスペーサを形成する工程と、
    前記ウェーハと前記透明平板とを位置合わせして、前記スペーサを介して接合する工程と、
    接合された前記ウェーハと前記透明平板とを個々の固体撮像装置に分割する工程と、
    を備えることを特徴とする固体撮像装置の製造方法。
  3. ウェーハの表面に多数の固体撮像素子を形成する工程と、
    前記ウェーハの前記多数の固体撮像素子以外の表面に周縁まで連通する溝を形成する工程と、
    前記ウェーハに接合される透明平板下面の前記固体撮像素子に対応する箇所に、個々の固体撮像素子を囲む形状の所定厚さのスペーサを形成する工程と、
    前記ウェーハと前記透明平板とを位置合わせして、前記スペーサを介して接合する工程と、
    接合された前記ウェーハと前記透明平板とを個々の固体撮像装置に分割する工程と、
    を備えることを特徴とする固体撮像装置の製造方法。
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