JP2006049203A - 車両用前照灯 - Google Patents
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Abstract
【課題】 車両用前照灯において、ロービーム用配光パターンの形成に悪影響を及ぼすことなく、車両前方路面における側方領域の視認性を高める。 【解決手段】 光軸Ax上に配置された光源22aを前方側から覆うシェード26の内面において、光軸Axに関して斜め上方に位置する領域に、光源22aの中心点を第1焦点F1とするとともにその前方に位置する点を第2焦点F2とする回転楕円面からなる第1反射面30aを形成し、また、光軸Axに関して第1反射面30aと対向する斜め下方に位置する領域に、光軸Axと同軸の軸線を焦線FLとする放物柱面からなる第2反射面30bを形成する。そして、光源22aから前方へ向かう直射光の一部を、第1反射面30aで反射させてその第2焦点F2に一旦収束させた後、第2反射面30bで反射させ、これを上下方向には拡散することなく水平方向に拡散する光として灯具斜め側方前方へ向けて照射する。
【選択図】 図2
【選択図】 図2
Description
本願発明は、ロービーム用配光パターンを形成するための光照射を行い得るように構成された車両用前照灯に関するものである。
一般に車両用前照灯は、上端縁にカットオフラインを有するロービーム用配光パターンを形成し得る構成となっており、これにより対向車ドライバ等にグレアを与えないようにしつつ、自車ドライバの前方視認性をできるだけ確保するようになっている。
そして、これを実現するための構成として、例えば「特許文献1」に記載されているように、車両前後方向に延びる光軸上近傍に配置された光源と、この光源からの光を前方へ向けて反射させるリフレクタと、光源を前方側から覆うように配置され、該光源から前方へ向かう直射光を遮蔽するシェードとを備えた灯具構成が知られている。
その際、上記「特許文献1」に記載された車両用前照灯においては、そのリフレクタの反射面形状に工夫を施すことにより、灯具斜め側方前方へ向けて光照射を行う構成となっている。
また「特許文献2」には、上記シェードの構成として、その内面に、光源近傍の点を第1焦点とするとともに該第1焦点から前方斜め下方に離れた点を第2焦点とする回転楕円面からなる第1反射面と、上記第2焦点を焦点とする回転放物面からなる第2反射面とが形成されたものが記載されている。
上記「特許文献1」に記載されているように、リフレクタの反射面形状に工夫を施して、灯具斜め側方前方へ向けて光照射を行うようにすれば、車両前方路面における側方領域の視認性を高めることができる。しかしながら、この場合には、ロービーム用配光パターンを形成するためのリフレクタに対して、その反射面形状に変更を施すこととなるので、ロービーム用配光パターンの形成に悪影響を及ぼすことなく、車両前方路面における側方領域の視認性を高めることには、自ずと限界がある。
これに対し、上記「特許文献2」に記載されているように、シェードの内面に回転楕円面からなる第1反射面および回転放物面からなる第2反射面が形成された構成とすれば、リフレクタからの反射光に加えてシェードの内面反射光を灯具前方へ照射することができる。しかしながら、この「特許文献2」に記載されたシェードは、その第2反射面が回転放物面で構成されているので、ロービーム用配光パターンに対してスポット状の配光パターンを付加することはできるが、このようなスポット状の配光パターンでは車両前方路面における側方領域の視認性を高めることはできない、という問題がある。
本願発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、ロービーム用配光パターンを形成するための光照射を行い得るように構成された車両用前照灯において、ロービーム用配光パターンの形成に悪影響を及ぼすことなく、車両前方路面における側方領域の視認性を高めることができる車両用前照灯を提供することを目的とするものである。
本願発明は、シェードの内面形状に工夫を施すことにより、上記目的達成を図るようにしたものである。
すなわち、本願発明に係る車両用前照灯は、
ロービーム用配光パターンを形成するための光照射を行い得るように構成された車両用前照灯において、
車両前後方向に延びる光軸上近傍に配置された光源と、この光源からの光を前方へ向けて反射させるリフレクタと、上記光源を前方側から覆うように配置され、該光源から前方へ向かう直射光を遮蔽するシェードとを備えてなり、
上記シェードの内面における上記光軸に関して斜め上方に位置する領域に、上記光源近傍の点を第1焦点とするとともに該第1焦点から前方に離れた点を第2焦点とする回転楕円面からなる第1反射面が形成されており、
上記シェードの内面における上記光軸に関して上記第1反射面と対向する斜め下方の領域に、上記第2焦点を通るようにして略車両前後方向に延びる軸線を焦線とする放物柱面からなる第2反射面が形成されている、ことを特徴とするものである。
ロービーム用配光パターンを形成するための光照射を行い得るように構成された車両用前照灯において、
車両前後方向に延びる光軸上近傍に配置された光源と、この光源からの光を前方へ向けて反射させるリフレクタと、上記光源を前方側から覆うように配置され、該光源から前方へ向かう直射光を遮蔽するシェードとを備えてなり、
上記シェードの内面における上記光軸に関して斜め上方に位置する領域に、上記光源近傍の点を第1焦点とするとともに該第1焦点から前方に離れた点を第2焦点とする回転楕円面からなる第1反射面が形成されており、
上記シェードの内面における上記光軸に関して上記第1反射面と対向する斜め下方の領域に、上記第2焦点を通るようにして略車両前後方向に延びる軸線を焦線とする放物柱面からなる第2反射面が形成されている、ことを特徴とするものである。
上記「車両用前照灯」は、ロービーム用配光パターンを形成するための光照射のみを行うように構成されたものであってもよいし、ロービーム用配光パターンを形成するための光照射とハイビーム用配光パターンを形成するための光照射とを選択的に行い得るように構成されたものであってもよい。
上記「光源」の種類は特に限定されるものではなく、例えば、放電バルブの放電発光部やハロゲンバルブのフィラメント等が採用可能である。
上記「第2焦点」は、第1焦点から前方に離れた点であれば、光軸上の点であってもよいし、光軸上から外れた点であってもよい。
上記「焦線」は、第2焦点を通るようにして略車両前後方向に延びる軸線であれば、光軸と同軸の軸線であってもよいし、光軸と平行な軸線であってもよいし、光軸に対して多少傾斜した軸線であってもよい。
上記構成に示すように、本願発明に係る車両用前照灯は、ロービーム用配光パターンを形成するための光照射を行い得るように構成されているが、その光軸上近傍に配置された光源を前方側から覆うシェードは、その内面における光軸に関して斜め上方に位置する領域に、光源近傍の点を第1焦点とするとともに該第1焦点から前方に離れた点を第2焦点とする回転楕円面からなる第1反射面が形成されており、また、その内面における光軸に関して第1反射面と対向する斜め下方の領域に、上記第2焦点を通るようにして略車両前後方向に延びる軸線を焦線とする放物柱面からなる第2反射面が形成されているので、次のような作用効果を得ることができる。
すなわち、シェードの内面に第1および第2反射面が形成されているので、リフレクタからの反射光に加えてシェードの内面反射光を灯具前方へ照射することができる。そしてこれにより、リフレクタからの反射光によるロービーム用配光パターンの形成に悪影響を及ぼすことなく、灯具斜め側方前方へ向けて光照射を行うことができる。
その際、光源から前方へ向かう直射光の一部は、シェードの第1反射面で反射して該第1反射面を構成する回転楕円面の第2焦点に収束した後、シェードの第2反射面に入射するが、この第2反射面は、第2焦点を通り略車両前後方向に延びる軸線を焦線とする放物柱面で構成されているので、この第2反射面からの反射光を、上下方向には拡散することなく水平方向に拡散する光として灯具斜め側方前方へ向けて照射し、横長の配光パターンを形成することができる。そしてこれにより、車両前方路面における側方領域の視認性を高めることができる。
このように本願発明によれば、ロービーム用配光パターンを形成するための光照射を行い得るように構成された車両用前照灯において、ロービーム用配光パターンの形成に悪影響を及ぼすことなく、車両前方路面における側方領域の視認性を高めることができる。そしてこれにより、交差点や曲線路等での旋回走行時における安全性を高めることができる。
上記構成において、第1反射面が光軸に関して車幅方向外側に形成されるとともに、第2反射面が光軸に関して車幅方向内側に形成された構成とすれば、シェードの内面反射光を車幅方向外側へ向けて照射することができるので、次のような作用効果を得ることができる。
すなわち、一般に車両用前照灯は、車両前端部における左右コーナ部に配置されるので、その透光カバーは、車両前端コーナ部の車体形状に沿って車幅方向内側から車幅方向外側へ向けて後方側へ回り込むように形成されていることが多い。このような場合において、第1反射面を光軸に関して車幅方向外側に形成するとともに、第2反射面を光軸に関して車幅方向内側に形成し、シェードの内面反射光を車幅方向外側へ向けて照射するようにすれば、シェードの内面反射光が他の灯具構成部材によって不用意に遮蔽されないようにすることができ、これにより車両前方路面における側方領域の視認性を十分に高めることができる。
また上記構成において、第2反射面を構成する放物柱面の焦線を、前方へ向けて左右方向に関して第1反射面から離れる方向に延びる構成とすれば、次のような作用効果を得ることができる。
すなわち、第2反射面には、第1反射面で反射してその第2焦点に一旦収束した光源からの光が、該第2焦点からの発散光として入射するので、この第2反射面を構成する放物柱面の焦線を、光軸と同軸または平行に延びる構成とした場合には、該第2反射面からの反射光の一部が、灯具斜め側方前方へ向けて必要以上に大きい側方照射角度で照射されてしまうことも考えられる。
そこで、第2反射面を構成する放物柱面の焦線を、前方へ向けて左右方向に関して第1反射面から離れる方向に延びる構成とすれば、該第2反射面からの反射光の側方照射角度を小さくして、これを適正角度に設定することができ、これにより車両前方路面における側方領域の視認性を高めることができる。
以下、図面を用いて、本願発明の実施の形態について説明する。
図1は、本願発明の一実施形態に係る車両用前照灯10を示す平断面図である。
同図に示すように、この車両用前照灯10は、車両の左前端部に配置される灯具であって、ランプボディ12とその前端開口部に取り付けられた素通し状の透光カバー14とで形成される灯室内に、2つの灯具ユニット20、40が車幅方向に隣接配置された状態で収容されてなっている。そして、この車両用前照灯10においては、灯具ユニット20の点灯によりロービーム用配光パターンを形成するとともに、灯具ユニット20、40の同時点灯によりハイビーム用配光パターンを形成するようになっている。
これら2つの灯具ユニット20、40は、いずれも車両前後方向に延びる光軸Axを有しており、ランプボディ12に各々エイミング機構50を介して上下方向および左右方向に傾動可能に支持されている。そして、これら各エイミング機構50によるエイミング調整が完了した段階では、灯具ユニット20の光軸Axは、車両前後方向に対して0.5〜0.6°程度下向きの方向に延びるようになっており、一方、灯具ユニット40の光軸Axは、車両前後方向に延びるようになっている。
透光カバー14は、車両前端部の左側コーナ部の車体形状に沿って、その車幅方向内側から車幅方向外側へ向けて後方側へ幾分回り込むように形成されている。このため、2つの灯具ユニット20、40は、車幅方向外側に位置する灯具ユニット20が、車幅方向内側に位置する灯具ユニット40に対して、やや後方側へずれるようにして配置されている。
上記灯室内には、透光カバー14に沿うようにしてエクステンションパネル16が設けられている。このエクステンションパネル16には、各灯具ユニット20、40をその前端部近傍において囲む開口部16a、16bが形成されている。
次に、各灯具ユニット20、40の構成について説明する。
まず、灯具ユニット20の構成について説明する。
図2は、この灯具ユニット20を詳細に示す車両用前照灯10の要部平断面図である。また、図3は、図2のIII-III 線断面図であり、図4は、図2のIV方向矢視図である。
これらの図にも示すように、灯具ユニット20は、いわゆるパラボラ型の灯具ユニットであって、光源バルブ22と、リフレクタ24と、シェード26とを備えてなっている。
光源バルブ22は、放電発光部を光源22aとするメタルハライドバルブ等の放電バルブであって、その光源22aはバルブ中心軸方向に延びる線分光源として構成されている。そして、この光源バルブ22は、その光源22aが灯具ユニット20の光軸Ax上に配置されるようにして、バルブ支持リング28を介してリフレクタ24の後頂開口部に後方側から挿入固定されている。
リフレクタ24は、その反射面24aが、光軸Axを中心軸とする回転放物面を基準面として形成された複数の反射素子24sからなり、これら各反射素子24sにより、光源22aからの光を前方へ向けて拡散偏向反射させるようになっている。
シェード26は、光源バルブ22を前方側から覆うように配置されたシェード本体30と、このシェード本体30の下部2箇所から後方へ延び、バルブ支持リング28に固定支持された左右1対のステー32とからなっている。
シェード本体30は、光軸Axを囲むようにして筒状に形成された筒状部30Aと、この筒状部30Aの前端部に形成された2つの前端壁30B、30Cとからなっている。
筒状部30Aは、光軸Axを含む鉛直面を境にして、その車幅方向内側部分が車幅方向外側部分よりも前方まで延びるように形成されている。また、2つの前端壁30B、30Cは、光源22aから前方へ向かう直射光が灯具前方へ漏れないようにするため、灯具正面視において光源22aが見えないような配置および形状で形成されている。すなわち、これら2つの前端壁30B、30Cは、光軸Axを含む鉛直面を境にして分割形成されるとともに、車幅方向外側の前端壁30Bよりも車幅方向内側の前端壁30Cの方がある程度前方に位置するようにして配置されている。そして、これら2つの前端壁30B、30Cの間には、光軸Axを含む鉛直面に沿った開口部が形成されるようになっている。
筒状部30Aの車幅方向外側部分の内面における光軸Axの斜め上方に位置する領域(図3において破線の網目で示す領域)には、アルミニウム蒸着等による鏡面処理が施されており、これにより第1反射面30aが形成されている。この第1反射面30aは、光軸Ax上における光源22aの中心点を第1焦点F1とするとともに該第1焦点F1から前方に所定距離離れた光軸Ax上の点を第2焦点F2とする回転楕円面で構成されている。
また、筒状部30Aの車幅方向内側部分の内面における光軸Axの斜め下方に位置する領域(図3において実線の網目で示す領域)にも、アルミニウム蒸着等による鏡面処理が施されており、これにより第2反射面30bが形成されている。この第2反射面30bは、光軸Axと同軸の軸線を焦線FLとする放物柱面で構成されている。この放物柱面において焦線FLと直交する鉛直断面形状を構成する放物線は、図4に示すように、その軸Ax1の向きが車幅方向外側へ向けて僅かに下向きとなるように設定されている。
これにより、シェード26は、光源22aから前方へ向かう直射光の一部を、そのシェード本体30の第1反射面30aで反射させて一旦第2焦点F2に収束させた後、この第2焦点F2からの発散光として第2反射面30bに入射させ、この第2反射面30bにより、上下方向には拡散することなく水平方向に拡散する光として、灯具斜め側方前方へ向けてやや下向きに反射させるようになっている。
その際、第2反射面30bは、シェード本体30の後端縁から第1反射面30aよりも前方までの広い範囲にわたって形成されており、これにより第1反射面30aで反射した光源22aからの光の多くを該第2反射面30bに入射させるとともに、光源22aからの直射光も該第2反射面30bに入射させ、これを上下方向には拡散することなく水平方向に拡散する光として灯具斜め側方前方へ向けてやや下向きに反射させるようになっている。
次に、灯具ユニット40の構成について説明する。
図1に示すように、この灯具ユニット40も、灯具ユニット20と同様、パラボラ型の灯具ユニットであって、光源バルブ42と、リフレクタ44とを備えてなっている。
光源バルブ42は、単一のフィラメントを光源42aとするハロゲンバルブであって、その光源42aはバルブ中心軸方向に延びる線分光源として構成されている。そして、この光源バルブ42は、その光源42aが灯具ユニット40の光軸Ax上に配置されるようにして、リフレクタ44の後頂開口部に後方側から挿入固定されている。
リフレクタ44は、その反射面44aが、光軸Axを中心軸とする回転放物面を基準面として形成された複数の反射素子44sからなり、これら各反射素子44sにより、光源バルブ42からの光を前方へ向けて左右方向に拡散反射させるようになっている。
図5は、車両用前照灯10から前方へ照射される光により灯具前方25mの位置に配置された仮想鉛直スクリーン上に形成されるロービーム用配光パターンPLを透視的に示す図である。
同図に示すように、このロービーム用配光パターンPLは、左配光のロービーム用配光パターンであって、灯具ユニット20からの光照射により形成されるようになっている。このロービーム用配光パターンPLは、リフレクタ24からの反射光により形成される基本配光パターンPL0の左側方(すなわち車幅方向外側)に、シェード26からの内面反射光により形成される付加配光パターンPLaが付加された配光パターンとなっている。
基本配光パターンPL0は、上端縁に水平カットオフラインCL1とこの水平カットオフラインCL1から15°で立ち上がる斜めカットオフラインCL2とを有しており、両カットオフラインCL1、CL2の交点であるエルボ点Eは、灯具正面方向の消点であるH−Vの0.5〜0.6°程度下方に位置している。この基本配光パターンPL0は、その左右方向の最大拡散角度が左右各々30°程度であって、その左右方向中心部には、エルボ点Eを囲むようにして高光度領域であるホットゾーンHZLが形成されている。
付加配光パターンPLaは、HーVを通る鉛直線であるVーV線から左側方20〜60°程度の角度範囲にわたって水平方向に拡がる横長の配光パターンとなっている。この付加配光パターンPLaの上端縁は、HーVを通る水平線であるHーH線よりも僅かに下方に位置しているが、これは、第2反射面30bの鉛直断面形状を構成する放物線の軸Ax1の向きが、車幅方向外側へ向けて僅かに下向きになるように設定されていることによるものである。
図6は、車両用前照灯10から前方へ照射される光により上記仮想鉛直スクリーン上に形成されるハイビーム用配光パターンPHを透視的に示す図である。
同図に示すように、このハイビーム用配光パターンPHは、ロービーム用配光パターンPLと、灯具ユニット40からの光照射により形成されるハイビーム用付加配光パターンPAとの合成配光パターンとして構成されている。
ハイビーム用付加配光パターンPAは、H−Vを中心にして左右両側に拡がる横長の配光パターンであって、そのホットゾーンHZAはH−V上に形成されている。
そして、このハイビーム用配光パターンPHにおいては、ロービーム用配光パターンPLとハイビーム用付加配光パターンPAとの合成により、カットオフラインCL1、CL2の上方領域まで光照射が行われており、H−V近傍にホットゾーンHZL、HZAの重畳による明るいホットゾーンHZHが形成されている。
以上詳述したように、本実施形態に係る車両用前照灯10は、その灯具ユニット20によりロービーム用配光パターンPLを形成するための光照射を行い得るように構成されているが、その光軸Ax上に配置された光源22aを前方側から覆うシェード26は、その内面における光軸Axに関して斜め上方に位置する領域に、光軸Ax上における光源22aの中心点を第1焦点F1とするとともに該第1焦点F1から所定距離前方に離れた光軸Ax上の点を第2焦点F2とする回転楕円面からなる第1反射面30aが形成されており、また、その内面における光軸Axに関して第1反射面30aと対向する斜め下方に位置する領域に、光軸Axと同軸の軸線を焦線FLとする放物柱面からなる第2反射面30bが形成されているので、次のような作用効果を得ることができる。
すなわち、シェード26の内面に第1および第2反射面30a、30bが形成されているので、リフレクタ24からの反射光に加えてシェード26の内面反射光を灯具前方へ照射することができる。そしてこれにより、リフレクタ24からの反射光によるロービーム用配光パターンPLの形成に悪影響を及ぼすことなく、灯具斜め側方前方へ向けて光照射を行うことができる。
その際、光源22aから前方へ向かう直射光の一部は、シェード26の第1反射面30aで反射して該第1反射面30aを構成する回転楕円面の第2焦点F2に収束した後、第2反射面30bに入射するが、この第2反射面30bは、第2焦点F2を通り車両前後方向に延びる軸線を焦線とする放物柱面で構成されているので、この第2反射面30bからの反射光を、上下方向には拡散することなく水平方向に拡散する光として灯具斜め側方前方へ向けて照射し、横長の配光パターンを形成することができる。そしてこれにより、車両前方路面における側方領域の視認性を高めることができる。
このように本実施形態によれば、ロービーム用配光パターンPLを形成するための光照射を行い得るように構成された車両用前照灯10において、ロービーム用配光パターンPLの形成に悪影響を及ぼすことなく、車両前方路面における側方領域の視認性を高めることができる。そしてこれにより、交差点や曲線路等での旋回走行時における安全性を高めることができる。
その際、本実施形態においては、第1反射面30aが光軸Axに関して車幅方向外側に形成されるとともに、第2反射面30bが光軸Axに関して車幅方向内側に形成されているので、シェード26の内面反射光を車幅方向外側へ向けて照射することができる。そしてこれにより、本実施形態のように、透光カバー14が車両前端コーナ部の車体形状に沿って車幅方向内側から車幅方向外側へ向けて後方へ回り込むように形成された車両用前照灯10において、シェード26の内面反射光がエクステンションパネル16等の他の灯具構成部材によって不用意に遮蔽されないようにすることができ、これにより車両前方路面における側方領域の視認性を十分に高めることができる。
なお、上記実施形態のように、シェード26の内面反射光を車幅方向外側へ向けて照射する構成とする代わりに、光軸Axに関してシェード26と左右対称形状を有するシェードを用いて、その内面反射光を車幅方向内側へ向けて照射する構成とすることも可能である。
また、上記実施形態においては、車両の左前端部に配置される車両用前照灯10について説明したが、車両の右前端部に配置される車両用前照灯についても、上記実施形態と同様の構成を採用することにより上記実施形態と同様の作用効果を得ることができる。そして、車両として、このような車両用前照灯が左右前端部に1対配置された構成とすれば、車両前方路面における側方領域の視認性を左右両側に関して高めることができる。
次に、上記実施形態の第1変形例について説明する。
図7は、本変形例に係る車両用前照灯110の要部を示す、図2と同様の図である。
同図に示すように、この車両用前照灯110は、その透光カバー114が、車両前端部の左側コーナ部の車体形状に沿って、その車幅方向内側から車幅方向外側へ向けて後方側へ大きく回り込むように形成されている。
これに伴い、この車両用前照灯110の灯具ユニット120は、そのリフレクタ124およびシェード126の構成が、上記実施形態の灯具ユニット20の場合と異なっている。
すなわち、リフレクタ124は、その光軸Axに関して車幅方向外側に位置する反射領域の前端縁が、車幅方向内側に位置する反射領域の前端縁よりも後方側に変位している。
シェード126は、上記実施形態のシェード26と同様、シェード本体130と左右1対のステー132とからなっているが、そのシェード本体130の構成が上記実施形態の場合と異なっている。
すなわち、このシェード本体130は、リフレクタ124の形状に対応させるべく、筒状部130Aの車幅方向外側部分の後端縁が上記実施形態の筒状部30Aよりも後方側へ変位しており、筒状部130Aの車幅方向内側部分が上記実施形態のシェード本体30よりも前方側へ変位している。その際、筒状部130Aの車幅方向内側部分は、上記実施形態の筒状部30Aよりも前方側へ長く延びている。
筒状部130Aの内面に形成された第1反射面130aおよび第2反射面130bの表面形状は、上記実施形態の第1反射面30aおよび第2反射面30bと同様であるが、第2反射面130bは上記実施形態の第2反射面30bよりも前方まで長く延びており、これにより第1反射面130aで反射した光源22aからの光をより多く第2反射面130bに入射させるようになっている。
この筒状部130Aの前端部に形成された2つの前端壁130B、130Cのうち、前端壁130Bの形状は、上記実施形態の前端壁30Bと略同様であるが、前端壁130Cの形状は、第2反射面130bからの反射光を遮蔽してしまわないようにするため、上記実施形態の前端壁30Cよりも鋭角状に形成されている。
エクステンションパネル116は、透光カバー114に沿った形状に形成されており、その開口部116aは、リフレクタ124の前端縁形状に沿って形成されている。
図8は、本変形例に係る車両用前照灯110の灯具ユニット120から前方へ照射される光により上記仮想鉛直スクリーン上に形成されるロービーム用配光パターンPLを透視的に示す図である。
同図に示すように、このロービーム用配光パターンPLは、その基本配光パターンPL0がフレクタ124からの反射光により形成され、その付加配光パターンPLaがシェード126からの内面反射光により形成されるようになっている。
その際、基本配光パターンPL0については、図5に示す基本配光パターンPL0と略同様であるが、付加配光パターンPLaは、図5に示す付加配光パターンPLaよりも明るくかつ車幅方向内側への水平拡散角度が大きい配光パターンとして形成されている。これは、第2反射面130bが、実施形態の第2反射面30bよりも前方まで長く延びていることによるものである。
本変形例においても、第1反射面130aが光軸Axに関して車幅方向外側に形成されるとともに、第2反射面130bが光軸Axに関して車幅方向内側に形成されているので、シェード126の内面反射光を車幅方向外側へ向けて照射することができる。そしてこれにより、本変形例のように透光カバー114が車両前端コーナ部の車体形状に沿って車幅方向内側から車幅方向外側へ向けて後方側へ大きく回り込むように形成された車両用前照灯110において、シェード126の内面反射光がエクステンションパネル116等の他の灯具構成部材によって不用意に遮蔽されないようにした上で、車両前方路面における側方領域の視認性を高めることができる。
次に、上記実施形態の第2変形例について説明する。
図9は、本変形例に係る車両用前照灯210の要部を示す、図2と同様の図である。
同図に示すように、この車両用前照灯210の灯具ユニット220は、第1変形例の灯具ユニット120に対して、シェード126のシェード本体130における第2反射面230bの形状が異なっているが、それ以外の構成については、第1変形例の場合と全く同様である。
すなわち、本変形例の第2反射面230bは、第1変形例の第2反射面130bと同様、放物柱面で構成されているが、その焦線FL1は、第1変形例の焦線FLのように光軸Axと同軸の軸線ではなく、第1反射面130aを構成する回転楕円面の第2焦点F2を通るようにして前方へ向けて車幅方向内側へ延びる軸線で構成されている。
また、本変形例においては、第2反射面230bの後半部分が第3反射面230cとして構成されている。この第3反射面230cは、光軸Ax上における光源22aの中心点を通るようにして前方へ向けて車幅方向外側へ延びる軸線を焦線FL2とする放物柱面で構成されている。
図10は、本変形例に係る車両用前照灯210の灯具ユニット220から前方へ照射される光により上記仮想鉛直スクリーン上に形成されるロービーム用配光パターンPLを透視的に示す図である。
同図に示すように、このロービーム用配光パターンPLは、その基本配光パターンPL0については、図8に示す基本配光パターンPL0と略同様であるが、付加配光パターンPLaは、基本配光パターンPL0の左端部近傍において、図8に示す付加配光パターンPLaよりも水平拡散角度が小さい配光パターンとして形成されており、その分だけ全体的に明るい配光パターンとなっている。
本変形例に係る車両用前照灯210においても、第1変形例の場合と同様、シェード本体130の第1反射面130aで反射した光源22aからの光を、その第2焦点F2からの発散光として第2反射面230bに入射させ、この第2反射面230bにより、上下方向には拡散することなく水平方向に拡散する光として、灯具斜め側方前方へ向けてやや下向きに反射させるようになっているので、車両前方路面における側方領域の視認性を高めることができる。
その際、本変形例においては、第2反射面230bを構成する放物柱面の焦線FL1が前方へ向けて車幅方向内側へ延びる軸線で構成されているので、該第2反射面230bからの反射光の側方照射角度を小さくして、これを適正角度に設定することができる。また、第2反射面230bにおいて光源22aからの直射光が多く入射する後半部分が、光軸Ax上における光源22aの中心点を通るようにして前方へ向けて車幅方向外側へ延びる軸線を焦線FL2とする放物柱面で構成されているので、その反射光の側方照射角度を大きくして、これを適正角度に設定することができる。
そしてこれにより、付加配光パターンPLaを基本配光パターンPL0の左端部近傍において適度な拡散角度で拡がる明るい配光パターンとして形成することができるので、車両前方路面における側方領域の視認性をより一層高めることができる。
10、110、210 車両用前照灯 12 ランプボディ 14、114 透光カバー 16、116 エクステンションパネル 16a、16b、116a 開口部 20、40、120、220 灯具ユニット 22、42 光源バルブ 22a、42a 光源 24、44、124 リフレクタ
24a、44a 反射面
24s、44s 反射素子
26、126 シェード
28 バルブ支持リング
30、130 シェード本体
30A、130A 筒状部
30B、30C、130B、130C 前端壁
30a、130a 第1反射面
30b、130b、230b 第2反射面
32、132 ステー
50 エイミング機構
230c 第3反射面
Ax 光軸
Ax1 放物線の軸
CL1 水平カットオフライン
CL2 斜めカットオフライン
E エルボ点
F1 第1焦点
F2 第2焦点
FL、FL1、FL2 焦線
HZA、HZH、HZL ホットゾーン
PA ハイビーム用付加配光パターン
PH ハイビーム用配光パターン
PL ロービーム用配光パターン
PL0 基本配光パターン
PLa 付加配光パターン
24a、44a 反射面
24s、44s 反射素子
26、126 シェード
28 バルブ支持リング
30、130 シェード本体
30A、130A 筒状部
30B、30C、130B、130C 前端壁
30a、130a 第1反射面
30b、130b、230b 第2反射面
32、132 ステー
50 エイミング機構
230c 第3反射面
Ax 光軸
Ax1 放物線の軸
CL1 水平カットオフライン
CL2 斜めカットオフライン
E エルボ点
F1 第1焦点
F2 第2焦点
FL、FL1、FL2 焦線
HZA、HZH、HZL ホットゾーン
PA ハイビーム用付加配光パターン
PH ハイビーム用配光パターン
PL ロービーム用配光パターン
PL0 基本配光パターン
PLa 付加配光パターン
Claims (3)
- ロービーム用配光パターンを形成するための光照射を行い得るように構成された車両用前照灯において、
車両前後方向に延びる光軸上近傍に配置された光源と、この光源からの光を前方へ向けて反射させるリフレクタと、上記光源を前方側から覆うように配置され、該光源から前方へ向かう直射光を遮蔽するシェードとを備えてなり、
上記シェードの内面における上記光軸に関して斜め上方に位置する領域に、上記光源近傍の点を第1焦点とするとともに該第1焦点から前方に離れた点を第2焦点とする回転楕円面からなる第1反射面が形成されており、
上記シェードの内面における上記光軸に関して上記第1反射面と対向する斜め下方の領域に、上記第2焦点を通るようにして略車両前後方向に延びる軸線を焦線とする放物柱面からなる第2反射面が形成されている、ことを特徴とする車両用前照灯。 - 上記第1反射面が、上記光軸に関して車幅方向外側に形成されるとともに、上記第2反射面が、上記光軸に関して車幅方向内側に形成されている、ことを特徴とする請求項1記載の車両用前照灯。
- 上記焦線が、前方へ向けて左右方向に関して上記第1反射面から離れる方向に延びている、ことを特徴とする請求項1または2記載の車両用前照灯。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004231025A JP2006049203A (ja) | 2004-08-06 | 2004-08-06 | 車両用前照灯 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004231025A JP2006049203A (ja) | 2004-08-06 | 2004-08-06 | 車両用前照灯 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006049203A true JP2006049203A (ja) | 2006-02-16 |
Family
ID=36027501
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004231025A Pending JP2006049203A (ja) | 2004-08-06 | 2004-08-06 | 車両用前照灯 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006049203A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102192461A (zh) * | 2010-03-12 | 2011-09-21 | 本田技研工业株式会社 | 前照灯装置 |
-
2004
- 2004-08-06 JP JP2004231025A patent/JP2006049203A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN102192461A (zh) * | 2010-03-12 | 2011-09-21 | 本田技研工业株式会社 | 前照灯装置 |
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