以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
この実施の形態は、通信販売(カタログ販売)形態により、食品や日用品等の各種商品及び/又は各種サービスを受発注する商品・サービス受発注システムである。この商品・サービス受発注システムは、ユーザが所有する携帯電話端末機に音声を読み上げるためのアプリケーションプログラムを実装し、従来の視覚的な情報からなるカタログの代わりに音声によって内容を提示する音声カタログを提供することにより、健常者のみならず視覚障害者であっても、携帯電話端末機を用いて通信販売を手軽に行うことができるものである。
なお、この商品・サービス受発注システムは、携帯電話端末機に実装できるアプリケーションプログラムのデータ規模の増大化とパケット通信料金の低廉化とに着目して考案されたものであり、携帯電話端末機と業務用サーバ装置との連携技術として実用段階になりつつあるJAVA(登録商標)によるウェブサービスを基盤技術とし、ウェブサービスサーバと、JAVA(登録商標)アプリケーションプログラムが実装された携帯電話端末機とを用いて構成されるものである。
ここで、ウェブサービスとは、いわゆるXML(eXtensible Markup Language)を用いてリモート環境でオブジェクトをアクセスするためのプロトコルであるSOAP(Simple Object Access Protocol)形式のメッセージ交換により、ネットワーク上の自律したアプリケーションを連携させる技術のことであり、近年、企業間や組織間のコラボレーションを実現するためにウェブ上でシステムを連携させることが可能な技術である。従来のウェブシステムにおいては、ブラウザからの入力データをウェブアプリケーションが受け取り、その処理結果をブラウザに表示させる、といった形式のものが一般的である。したがって、従来のウェブシステムにおいては、ウェブサーバとクライアントとの間でのみデータの授受が行われ、処理結果がいわゆるHTML(HyperText Markup Language)形式でクライアントに返されることから、データをさらに処理したり加工したりすることはできない。これに対して、ウェブサービスにおいては、処理結果をHTML形式ではなくXML形式で授受することから、クライアントにおいてデータをさらに処理したり加工したりすることができる。また、従来のウェブシステムにおいては、ユーザがクライアントを用いてウェブサーバにアクセスし、その処理結果をブラウザを介して閲覧するのに対して、ウェブサービスにおいては、アプリケーションプログラムからウェブサーバにアクセスし、その処理結果をXML形式のデータとして受け取ることから、呼び出し元のアプリケーションプログラムによってそのデータをさらに処理したり加工したりすることが可能とされる。
本発明の実施の形態として示す商品・サービス受発注システムは、現段階ではほとんど実現されていない、携帯電話端末機をクライアントとしたウェブサービスを基盤技術として構築されるものであり、セキュリティ面の実装に関して最適なサービス形態である。
以下、かかる商品・サービス受発注システムについて詳述する。
商品・サービス受発注システムは、図1に示すように、携帯電話端末機と、ウェブサーバと、クライアントとの3部に大別される。携帯電話端末機は、音声カタログを読み上げるとともに注文処理を行うショッピングアプリケーションプログラムと、各種情報の更新等を行うデータ更新アプリケーションプログラムとを実装して構成される。なお、これらショッピングアプリケーションプログラム及びデータ更新アプリケーションプログラムは、1つのアプリケーションプログラムとして構成されるものであってもよいため、以下では、携帯用アプリケーションプログラムと称するものとする。また、サーバサイドは、各商品及び/又はサービスに関する情報を示すメニューデータを管理するメニュー管理データベースと、注文データを管理する注文データ管理データベースと、音声カタログを構成する音声データやメニューデータをファイルとして格納する音声・メニューファイルサーバと、音声データやメニューデータからなるファイルを携帯電話端末機に対して配信する音声・メニューファイル配信アプリケーションプログラムとから構成される。さらに、クライアントは、注文データを管理する注文データ管理アプリケーションプログラムと、メニューデータを作成するメニュー作成アプリケーションプログラムとを実装して構成される。
このような商品・サービス受発注システムは、具体的には図2に示すように、商品及び/又はサービスの注文を行うユーザUSと、商品及び/又はサービスの注文に必要な情報を音声カタログとして提供する音声カタログ提供業者MVOSと、注文があった商品及び/又は注文があったサービスを化体した物品をユーザUSへと配送する宅配サービス業者DLSVと、商品及び/又はサービスを化体した物品を納入する納入業者GDDLとに、それぞれ、携帯電話端末機やサーバ装置等を所有させることによって実現される。
ユーザUSは、ユーザ端末機としての携帯電話端末機10を所有する。携帯電話端末機10は、インターネットに接続可能ないわゆるブラウザフォンとして構成され、図示しないCPU(Central Processing Unit)によって実行されるJAVA(登録商標)アプリケーションプログラムとしての携帯用アプリケーションプログラムが実装されて構成される。また、携帯電話端末機10には、ウェブサービスクライアント環境が構築される。具体的には、携帯電話端末機10は、メッセージ交換のプロトコルとして上述したSOAPに基づいて動作し、XML文書を解析するためのXMLパーサが実装されて構成される。このような携帯電話端末機10は、後述するような手続きを経ることにより、音声による商品及び/又はサービス注文のガイダンス機能を実現する。
音声カタログ提供業者MVOSは、商品及び/又はサービスの注文に必要な情報を音声カタログとして提供する業者であり、いわゆるリナックス(Linux)(登録商標)等をOS(Operating System)とするコンピュータから構成されたウェブサービスサーバ及びデータベースサーバとしてのサーバ装置201,202を所有する。これらサーバ装置201,202のうち、一方のサーバ装置201は、商品及び/又はサービスの注文に必要な情報を管理する商品・サービス情報管理システムとして構成される。サーバ装置201は、取り扱う商品及び/又はサービスに関する情報であるメニューデータをデータベースとして管理するとともに、このメニューデータとして登録された全ての商品及び/又はサービスに関する情報を音声データからなる音声カタログとして管理する。また、サーバ装置201は、顧客たるユーザUSに関する情報を顧客情報としてデータベースに保持して管理する。一方、他方のサーバ装置202は、サーバ装置201によって管理されているメニューデータや音声データをユーザUSが所有する携帯電話端末機10に対して配信する商品・サービス情報配信システムとして構成される。サーバ装置202は、ユーザUSによる携帯電話端末機10からのアクセスに応じて、サーバ装置201によって管理されているメニューデータや音声データを読み出し、当該携帯電話端末機10に対して配信する。なお、これらサーバ装置201,202は、別個の装置として構成されてもよく、また、1つの装置として構成されてもよい。したがって、以下では、これらサーバ装置201,202を単にサーバ装置20と称するものとする。
宅配サービス業者DLSVは、注文があった商品及び/又はサービスを受注して、その商品及び/又はサービスを化体した物品をユーザUSへと配送する業者であり、リナックス(登録商標)等をOSとするコンピュータから構成されたウェブサービスサーバ及びデータベースサーバとしてのサーバ装置30を所有する。このサーバ装置30は、ユーザUSによる商品及び/又はサービスの注文を受注する受注システム、音声カタログ提供業者MVOSが所有するサーバ装置20にデータベースとして管理されている商品及び/又はサービスに関する情報の照会を行う商品・サービス情報照会システム、商品及び/又はサービスの在庫を管理する商品・サービス在庫管理システム、納入業者GDDLに対して商品及び/又はサービスの発注を行う発注システム、商品及び/又はサービスの売り上げを管理する売上管理システム、及び実際に販売した商品及び/又はサービスを管理する販売管理システムとして構成される。また、このサーバ装置30は、いわゆるASP(Application Service Provider)サービスにおけるサーバファームとして機能し、在庫を照会するために実行する在庫照会ウェブAP(Web Application Port)や注文を受け付けるために実行する注文受付ウェブAP、さらには納入業者GDDLに対する出荷指示を実行する出荷指示ウェブAP等を実装する。そして、サーバ装置30は、顧客たるユーザUSに関する情報を顧客情報としてデータベースに保持するとともに、個々の注文に関する注文データをデータベースに保持し、これら顧客情報や注文データを管理する。
納入業者GDDLは、宅配サービス業者DLSVの指示に応じて商品及び/又はサービスを化体した物品納入する業者であり、例えば、小売店、ケータリングサービス事業者、コンビニエンスストア等が該当する。納入業者GDDLは、ウィンドウズ(登録商標)等をOSとするコンピュータから構成されたクライアントとしての情報処理装置40を所有する。この情報処理装置40は、メニューデータを作成するメニュー作成アプリケーションプログラムを実装し、音声カタログ提供業者MVOSに対して商品及び/又はサービスに関する情報を書き込む商品・サービス情報書き込みシステムとして構成される。また、情報処理装置40は、注文データを管理する注文データ管理アプリケーションプログラムを実装し、この注文データに基づいて、商品及び/又はサービスの売り上げを管理する売上管理システム、並びに商品及び/又はサービスを管理する商品・サービス管理システムとして構成される。そして、情報処理装置40は、顧客たるユーザUSに関する情報を顧客情報としてデータベースに保持するとともに、在庫情報もデータベースとして保持し、これら顧客情報や在庫情報を管理する。
なお、商品・サービス受発注システムにおいては、特にケータリングサービス事業者等のように、宅配サービス業者DLSVと納入業者GDDLとが同一業者であってもよい。すなわち、商品・サービス受発注システムにおいては、サーバ装置30と情報処理装置40との機能を実現する1つ又は複数の装置を当該事業者が所有している場合であっても適用することができる。ただし、以下では、説明の便宜上、サーバ装置30と情報処理装置40とに区別して説明するものとする。
このような商品・サービス受発注システムにおいては、音声カタログ提供業者MVOS、宅配サービス業者DLSV、及び納入業者GDDLが互いにウェブサービスを呼び出して連携を図る。具体的には、商品・サービス受発注システムにおいては、音声カタログ提供業者MVOS及び宅配サービス業者DLSVの2業者間では、同図中実線矢印で示すように、宅配サービス業者DLSVが所有する商品・サービス情報照会システムによって音声カタログ提供業者MVOSが実装する商品・サービス情報提供ウェブサービスが呼び出され、この処理結果が当該商品・サービス情報照会システムに提供されるとともに、宅配サービス業者DLSVが所有する受注システムによって音声カタログ提供業者MVOSが実装する商品・サービス受注データ提供ウェブサービスが呼び出され、この処理結果が当該受注システムに提供される。また、商品・サービス受発注システムにおいては、音声カタログ提供業者MVOS、宅配サービス業者DLSV、及び納入業者GDDLの3業者間では、同図中破線矢印で示すように、納入業者GDDLが所有する商品・サービス情報書き込みシステムによって音声カタログ提供業者MVOSが実装する商品・サービス情報提供ウェブサービスが呼び出され、この処理結果が当該商品・サービス情報書き込みシステムに提供され、宅配サービス業者DLSVが所有する商品・サービス情報照会システムによって納入業者GDDLが実装する商品・サービス情報提供ウェブサービスが呼び出され、この処理結果が当該商品・サービス情報照会システムに提供され、さらに、宅配サービス業者DLSVが所有する発注システムによって納入業者GDDLが実装する在庫確認・受注ウェブサービスが呼び出され、この処理結果が当該発注システムに提供される。
さて、このような商品・サービス受発注システムにおいて、音声カタログ提供業者MVOSが所有するサーバ装置20には、ウェブサーバ環境とデータベースサーバとが構築される。サーバ装置20とサーバ装置30や情報処理装置40との間及びサーバ装置20と携帯電話端末機10との間の通信路は、セキュリティを確保するために、それぞれ、暗号化される。そして、サーバ装置20は、ウェブアプリケーションの仕組みを利用して、メニューデータをデータベースとして登録するとともに、音声データを例えばWAVE形式等の携帯電話端末機10によって音声読み上げ可能な音声ファイルとして登録する。このとき、サーバ装置20は、登録した音声ファイルを実際に出力し、誤りがある場合には修正する処理を行う。なお、携帯電話端末機10ではなくサーバ装置20が音声ファイルを登録して管理するのは、金銭の授受が絡む受発注システムにおいては誤った情報をユーザUSに提示することが許されないためであり、正確な音声ファイルを作成するためである。また、商品・サービス受発注システムにおいては、宅配サービス業者DLSV及び納入業者GDDLによるプライベートウェブサービスとして、新たな商品及び/又はサービスに関するメニューデータを提供するサービスが用意され、新たなメニューデータの追加や既存のメニューデータの変更等が生じる度に、その情報を一括的にサーバ装置20を介して携帯電話端末機10に対して配信することが可能とされる。さらに、サーバ装置20は、ユーザUSからの注文情報を受け取るウェブサービスを実装し、携帯電話端末機10から送信された注文情報をデータベースとして保持するとともに、この注文情報を宅配サービス業者DLSVに対してウェブサービスとして提供する。さらにまた、サーバ装置20は、必要に応じて、ユーザUSからの注文を確認するために、携帯電話端末機10に対して発呼し、注文の確認動作を行うこともできる。
一方、商品・サービス受発注システムにおいては、ユーザUSが所有する携帯電話端末機10には、上述したように、SOAPやXMLパーサ等によるウェブサービスクライアント環境が構築される。音声カタログ提供業者MVOSが所有するサーバ装置20との間の通信路は、セキュリティを確保するために暗号化される。そして、携帯電話端末機10においては、サーバ装置20に対して接続し、ユーザUSに固有の顧客IDやパスワード等を利用した認証処理を行うと、例えば図3(a)に示すように、サーバ装置20から配信された音声データに基づくJAVA(登録商標)による音声ガイダンスにしたがって任意のキーやボタン等の操作子を押下する又は押下している操作子を離すという簡便な操作のもとに、所望の商品及び/又はサービス分類が選択される。そして、携帯電話端末機10においては、商品及び/又はサービスが決定されると、サーバ装置20が実装する図示しない注文受け付けウェブサービスを呼び出し、商品及び/又はサービスの詳細情報等を音声として確認することが可能とされ、この確認後、例えば図3(b)に示すように、音声ガイダンスにしたがった上述した操作子操作を行うことによって当該商品及び/又はサービスが注文候補として決定され、仮想的な買い物籠に投入される。また、携帯電話端末機10においては、買い物籠に投入した商品及び/又はサービスの一部又は全部をキャンセルしたい場合には、例えば図3(c)に示すように、キャンセルを示す音声ガイダンスにしたがった操作子操作を行うことにより、任意の商品及び/又はサービスの一部又は全部をキャンセルすることもできる。携帯電話端末機10においては、例えば図3(d)に示すように、購入したい商品及び/又はサービスについてかかる処理を繰り返し行い、全ての商品及び/又はサービスの選択が終了すると、例えば図3(e)に示すように、支払いを示す音声ガイダンスにしたがった操作子操作を行うことにより、注文すべき全ての商品及び/又はサービスの支払い情報等について音声による確認を行うことができ、注文確定を示す音声ガイダンスにしたがった操作子操作を行うことにより、注文が確定される。そして、携帯電話端末機10においては、サーバ装置20が実装する図示しない注文受け付けウェブサービスを呼び出し、注文情報を送信し、必要に応じて、サーバ装置20から音声による注文情報の確認電話を受け、操作子操作に応じて最終確認が行われる。
なお、携帯電話端末機10においては、視覚障害者のみならず健常者の使い勝手を向上させるために、音声ガイダンスにあわせて、例えば図4(a)に示すような視覚的な情報を表示画面を表示してもよい。これにより、商品・サービス受発注システムにおいては、視覚障害者をサポートする健常者が存在する場合や弱視者等の場合には高い操作性を提供することができる。このとき、携帯電話端末機10においては、さらなる操作性の向上を図るため、キーやボタンの押下操作のみならず、カーソルキー等を用いたスクロール操作によって商品及び/又はサービスの選択動作を可能とするような構成としてもよい。また、携帯電話端末機10においては、視覚的な情報を表示画面に表示する場合には、商品及び/又はサービス等を示す文字のみの表示ではなく、例えば図4(b)に示すように、当該商品及び/又はサービス等をイラストとして表示するのも望ましい。すなわち、携帯電話端末機10においては、例えば図5に示すように、商品及び/又はサービスの分類毎に階層化されたイラストデータをサーバ装置20から取得して記憶しておき、これを音声ガイダンスにあわせて表示すればよい。このとき、携帯電話端末機10においては、様々な症状のユーザUSの操作を容易とするために、例えば図4(c)に示すように、背景色や文字色等を任意に変更可能としてもよい。さらに、携帯電話端末機10においては、例えば図4(d)に示すように、文字の大きさを任意倍率に変更可能としてもよく、また、文字種として平仮名を片仮名や漢字等に任意に変更可能としてもよい。さらにまた、携帯電話端末機10においては、例えば図4(e)に示すように、家庭用テレビジョン等に接続することにより、さらに大画面表示を行うようにしてもよい。
より具体的には、商品・サービス受発注システムにおいては、図6に示すような一連の工程を経ることにより、商品及び/又はサービスの受発注を行う。なお、商品・サービス受発注システムにおいては、例えば"野菜"や"肉"といった大分類商品・サービスカテゴリと、例えば"牛肉"や"鶏肉"といった大分類商品・サービスカテゴリの下位に位置する中分類商品・サービスカテゴリと、例えば"モモ"や"ササミ"といった中分類商品・サービスカテゴリの下位に位置する小分類商品・サービスカテゴリといったように、階層的な概念からなるゾーンに区分けされた分類に基づいて、商品及び/又はサービスを絞り込む選択動作を行う。
まず、商品・サービス受発注システムにおいては、同図に示すように、ユーザUSが自己の携帯電話端末機10を起動し、JAVA(登録商標)アプリケーションプログラムとしての携帯用アプリケーションプログラムを起動する。そして、携帯電話端末機10は、携帯用アプリケーションプログラムの起動に応じて、音声カタログ提供業者MVOSが所有するサーバ装置20に対して接続する。このとき、携帯電話端末機10は、ユーザUSに固有の顧客IDや当該ユーザUSによって入力されたパスワードを暗号化して送信し、サーバ装置20との通信路を確立する。具体的には、携帯電話端末機10は、0〜9の数字を組み合わせた数桁のパスワードが設定されている場合には、例えば図7に示すように、予めメモリ等に格納されている音声データ(音声ファイル)群の中から、"本人認証を行います"といった内容からなる認証用の音声ガイダンスを行うための音声ファイルを検索し、その音声ファイルを携帯用アプリケーションプログラムによって読み上げた上で、各桁毎に、0〜9までの数字を内容とする音声ファイルを当該携帯用アプリケーションプログラムによって順次読み上げる。ユーザUSは、順次読み上げられる0〜9までの数字のうち、該当する数字が読み上げられた際に、任意の操作子を押下又は離すことにより、各桁の数字を確定する操作を行う。携帯電話端末機10は、このようにして入力されたパスワードを顧客IDとともに暗号化してサーバ装置20に対して送信する。
これに応じて、サーバ装置20は、既に当該商品・サービス受発注システムの利用契約を行って登録されているユーザUSの携帯電話端末機10からのアクセスであるか否かを確認するために、データベースに保持されている顧客情報を参照し、この結果に応じて認証の可否を決定する。そして、携帯電話端末機10は、サーバ装置20から認証する旨を示す情報を受信した場合には、"確認しました。○○さん、いらっしゃいませ"といった内容からなる認証用の音声ガイダンスを行うための音声ファイルを検索し、その音声ファイルを携帯用アプリケーションプログラムによって読み上げ、ユーザUSに認証された旨を報知する。
携帯電話端末機10は、サーバ装置20によって認証されると、例えば図8に示すように、後述するユーザUSにあわせた音声カタログのチューニングや上述した文字の大きさや色、背景色等の変更を行うための設定メニュー、予めブックマークとして登録してある商品及び/又はサービスの注文を行うための定番商品・サービス注文メニュー、音声カタログを用いた商品・サービスの注文を行うためのショッピングメニュー、過去に購入した商品及び/又はサービスのリストを確認するためのリストメニュー等からなるトップメニューのうち、任意のメニュー項目を選択させるため、これらメニュー項目に対応付けられた音声ファイルを検索し、その音声ファイルを携帯用アプリケーションプログラムによって順次読み上げる。ユーザUSは、順次読み上げられるメニュー項目のうち、所望のメニュー項目が読み上げられた際に、任意の操作子を押下又は離すことにより、当該メニュー項目の選択操作を行う。
携帯電話端末機10は、ショッピングメニューが選択された場合には、サーバ装置20から配信されてメモリ等に格納されているメニューデータ(メニューファイル)に基づいて、当該ショッピングメニューを構成するメニュー項目を携帯用アプリケーションプログラムによって読み上げる。具体的には、携帯電話端末機10は、メニューファイルに基づいて、大分類商品・サービスカテゴリとして登録されている商品及び/又はサービスカテゴリ名からなるメニュー項目を携帯用アプリケーションプログラムによって読み上げることによってユーザUSに提示する。ユーザUSは、聴取した音声に基づいて所望の商品及び/又はサービスカテゴリの選択操作を行う。
例えば、携帯電話端末機10は、図9中ゾーン1に示すように、大分類商品・サービスカテゴリのメニュー項目として、"食品"、"野菜"、"肉"、"菓子"、"日用品"、"魚"、"惣菜"、"インスタント食品"、"雑貨"等の商品及び/又はサービスカテゴリ名が登録されている場合には、これら商品及び/又はサービスカテゴリ名を携帯用アプリケーションプログラムによって順次読み上げる。これに応じて、ユーザUSは、図10(a)に示すように、順次読み上げられる商品及び/又はサービスカテゴリ名のうち、所望の商品及び/又はサービスカテゴリ名が読み上げられた際に、任意の操作子を押下又は離すことにより、当該商品及び/又はサービスカテゴリの選択操作を行う。なお、携帯電話端末機10は、これら商品及び/又はサービスカテゴリ名の番号についてもあわせて読み上げるようにしてもよい。この場合、ユーザUSは、例えば、"肉"を選択したい場合には、携帯電話端末機10における各種操作子のうち、読み上げられた番号に対応する操作子"3"を押下する一方で、"インスタント食品"を選択したい場合には、対応する操作子"8"を押下するようにしてもよい。また、携帯電話端末機10は、携帯用アプリケーションプログラムによって順次読み上げられる複数の商品及び/又はサービスカテゴリ名の後に、1階層上位に位置する図8に示したメニュー項目の選択に戻るためのメニュー項目を設けることにより、直前のメニューを構成するメニュー項目の選択操作に戻るのを容易としている。
このようにして大分類商品・サービスカテゴリとして登録されている商品及び/又はサービスについてのカテゴリの選択が終了すると、携帯電話端末機10は、図6に示すように、中分類商品・サービスカテゴリとして登録されている商品及び/又はサービスカテゴリ名からなるメニュー項目を携帯用アプリケーションプログラムによって読み上げることによってユーザUSに提示する。ユーザUSは、聴取した音声に基づいて所望の商品及び/又はサービスカテゴリの選択操作を行う。
例えば、携帯電話端末機10は、図9中ゾーン2に示すように、大分類商品・サービスカテゴリに属する"肉"の下位に位置する中分類商品・サービスカテゴリのメニュー項目として、"牛肉"、"豚肉"、"鶏肉"、・・・等の商品及び/又はサービスカテゴリ名が登録されている場合には、これら商品及び/又はサービスカテゴリ名を携帯用アプリケーションプログラムによって順次読み上げる。これに応じて、ユーザUSは、図10(b)に示すように、順次読み上げられる商品及び/又はサービスカテゴリ名のうち、所望の商品及び/又はサービスカテゴリ名が読み上げられた際に、任意の操作子を押下又は離すことにより、当該商品及び/又はサービスカテゴリの選択操作を行う。なお、携帯電話端末機10は、これら商品及び/又はサービスカテゴリ名の番号についてもあわせて読み上げるようにしてもよい。この場合、ユーザUSは、例えば、"鶏肉"を選択したい場合には、携帯電話端末機10における各種操作子のうち、読み上げられた番号に対応する操作子"3"を押下するようにしてもよい。また、携帯電話端末機10は、携帯用アプリケーションプログラムによって順次読み上げられる複数の商品及び/又はサービスカテゴリ名の後に、1階層上位に位置する大分類商品・サービスカテゴリの選択に戻るためのメニュー項目を設けることにより、ゾーンの移動を容易としている。
さらに、携帯電話端末機10は、このようにして中分類商品・サービスカテゴリとして登録されている商品及び/又はサービスについてのカテゴリの選択が終了すると、図6に示すように、小分類商品・サービスカテゴリとして登録されている商品及び/又はサービス名からなるメニュー項目を携帯用アプリケーションプログラムによって読み上げることによってユーザUSに提示する。ユーザUSは、聴取した音声に基づいて所望の商品及び/又はサービスの選択操作を行う。
例えば、携帯電話端末機10は、図9中ゾーン3に示すように、中分類商品・サービスカテゴリに属する"鶏肉"の下位に位置する小分類商品・サービスカテゴリのメニュー項目として、"モモ"、"サラミ"、"ムネ"、・・・等の商品及び/又はサービス名が登録されている場合には、これら商品及び/又はサービス名を携帯用アプリケーションプログラムによって順次読み上げる。これに応じて、ユーザUSは、図10(c)に示すように、順次読み上げられる商品及び/又はサービス名のうち、所望の商品及び/又はサービス名が読み上げられた際に、任意の操作子を押下又は離すことにより、当該商品及び/又はサービスの選択操作を行う。なお、携帯電話端末機10は、これら商品及び/又はサービス名の番号についてもあわせて読み上げるようにしてもよい。この場合、ユーザUSは、例えば、例えば、"モモ"を選択したい場合には、携帯電話端末機10における各種操作子のうち、読み上げられた番号に対応する操作子"1"を押下するようにしてもよい。また、携帯電話端末機10は、携帯用アプリケーションプログラムによって順次読み上げられる複数の商品及び/又はサービス名の後に、1階層上位に位置する中分類商品・サービスカテゴリの選択に戻るためのメニュー項目を設けることにより、ゾーンの移動を容易としている。
携帯電話端末機10は、このようにして小分類商品・サービスカテゴリとして登録されている商品及び/又はサービスの選択が終了すると、ユーザUSが注文を所望している商品及び/又はサービス名を認知する。そして、携帯電話端末機10は、図6に示すように、認知した商品及び/又はサービスについての販売可能な現実の商品及び/又はサービスの詳細情報からなる選択商品・サービス情報を取得すべく、サーバ装置20に対して接続する。これに応じて、サーバ装置20は、データベースに保持されているメニューデータを参照し、選択商品・サービス情報を取得すると、これを携帯電話端末機10に対して配信する。携帯電話端末機10は、サーバ装置20から配信された選択商品・サービス情報を携帯用アプリケーションプログラムによって読み上げることによってユーザUSに提示する。
例えば、携帯電話端末機10は、図9中ゾーン4に示すように、小分類商品・サービスカテゴリで選択された"モモ"の商品・サービス説明として、"○○○産ブロイラーモモ肉500グラム、賞味期限は7日、税込2100円です"といったメッセージを携帯用アプリケーションプログラムによって読み上げる。ユーザUSは、読み上げられた説明に基づいて、当該商品及び/又はサービスを注文するか否かの選択操作を行う。すなわち、ユーザUSは、図10(d)に示すように、商品及び/又はサービス毎の注文数を入力させる音声ガイダンスが携帯用アプリケーションプログラムによって読み上げられた際に、任意の操作子を押下又は離すことにより、当該商品及び/又はサービスの注文数の入力操作へと移行する。これに応じて、携帯電話端末機10は、図9中ゾーン5に示すように、0〜9までの数字を内容とする音声ファイルを当該携帯用アプリケーションプログラムによって順次読み上げる。ユーザUSは、図10(e)に示すように、順次読み上げられる0〜9までの数字のうち、該当する数字が読み上げられた際に、任意の操作子を押下又は離すことにより、注文数を確定する操作を行う。なお、携帯電話端末機10は、注文数に対応する操作子を押下することによって注文数の決定を行ったり、任意の操作子を注文数と同じ回数だけ押下し、さらに所定の決定用操作子を押下することによって注文数の決定を行ったりしてもよい。
携帯電話端末機10は、このようにして注文数の入力操作が行われると、図6及び図9中ゾーン6に示すように、注文確定操作へと移行する。具体的には、ユーザUSは、図10(f)に示すように、例えば、当該商品及び/又はサービスを注文して他の買い物を継続するためのメニュー項目、当該商品及び/又はサービスを注文して買い物を終了するためのメニュー項目、当該商品及び/又はサービスの注文をキャンセルするためのメニュー項目のいずれかが携帯用アプリケーションプログラムによって読み上げられた際に、任意の操作子を押下又は離すことにより、当該メニュー項目の選択操作を行う。なお、携帯電話端末機10は、これらメニュー項目の番号についてもあわせて読み上げ、読み上げられた番号に対応する操作子を押下することにより、当該メニュー項目の選択操作を行うようにしてもよい。そして、携帯電話端末機10は、当該商品及び/又はサービスを注文して買い物を終了するためのメニュー項目が選択された場合には、図11に示すように、選択された商品及び/又はサービスに関する情報を携帯用アプリケーションプログラムによって順次読み上げる。これに応じて、ユーザUSは、注文確定を行う場合には、その旨が読み上げられた際に、任意の操作子を押下又は離すことにより、注文を確定する操作を行う。また、ユーザUSは、注文のキャンセルや注文数の変更を行う場合には、その旨を示すメニュー項目が読み上げられた際に、任意の操作子を押下又は離すことにより、かかるキャンセルや変更操作を行う。
携帯電話端末機10は、このようにして注文内容が確定すると、図6に示すように、確定した商品及び/又はサービスと注文数とを示す注文商品・サービス情報をサーバ装置20に対して送信する。サーバ装置20は、注文商品・サービス情報を受信すると、ユーザUSからの注文の最終確認のために、必要に応じて、携帯電話端末機10に対して発呼する。携帯電話端末機10は、サーバ装置20から音声による注文情報の確認電話を受け、注文内容を携帯用アプリケーションプログラムによって読み上げる。このとき、携帯電話端末機10は、注文内容の読み上げに代えて、音楽やバイブレータ機能を作動させてもよく、また、注文内容の読み上げとともに音楽やバイブレータ機能を作動させることによってユーザUSの注意をさらに喚起するようにしてもよい。そして、携帯電話端末機10は、最終注文の意思表示として、ユーザUSが任意の操作子を押下又は離すのに応じて、最終注文決定情報をサーバ装置20に対して送信し、一連の注文動作を終了する。
商品・サービス受発注システムにおいては、このような一連の工程を経ることにより、商品及び/又はサービスの受発注を行うことができる。このように、商品・サービス受発注システムにおいては、商品及び/又はサービスを選択するために、3つのゾーン、すなわち、大分類商品・サービスカテゴリ、中分類商品・サービスカテゴリ、及び小分類商品・サービスカテゴリに階層化されたメニュー項目をユーザUSに提示する場合には、当該ユーザUSは、最小で7回の操作を行うのみで所望の商品及び/又はサービスを注文することが可能となる。勿論、商品・サービス受発注システムにおいては、取り扱う商品及び/又はサービスの数や種類が多い場合には、適切な注文動作の支援を実現するために、任意にゾーンを増やしてもよい。商品・サービス受発注システムにおいては、このように商品及び/又はサービスをカテゴリ毎に区分けした分類毎に音声によるメニュー項目からなる音声カタログを作成し、携帯電話端末機10によって最上位のカテゴリから最下位のカテゴリまで各カテゴリ毎に登録されているメニュー項目を順次読み上げることにより、その内容をユーザUSに提示して一の候補を選択させる処理を繰り返す。このようにして、商品・サービス受発注システムにおいては、ユーザUSが所望する商品及び/又はサービスを絞り込む選択動作を行うことにより、極めて効率よく商品及び/又はサービスの絞り込みを行うことが可能となる。
さて、以下では、このような商品・サービス受発注システムについてのより具体的な内容について説明する。
商品・サービス受発注システムにおいては、納入業者GDDLが情報処理装置40を用いてメニュー項目の一部となる商品及び/又はサービスに関する情報をサーバ装置20に登録する。具体的には、納入業者GDDLは、商品及び/又はサービスに関する情報を登録するための登録画面を情報処理装置40の表示画面に表示させる。具体的には、この登録画面は、例えば図12に示すように、登録しようとする商品及び/又はサービスが属する分類を示す商品・サービス分類番号と、当該商品及び/又はサービスに固有の商品・サービス番号と、当該商品及び/又はサービスの名称を示す商品・サービス名と、当該商品及び/又はサービスの説明と、その単価金額とを入力可能に構成される。また、納入業者GDDLは、商品及び/又はサービスが属する分類を登録するための登録画面を情報処理装置40の表示画面に表示させる。具体的には、この登録画面は、例えば図13に示すように、その商品・サービス分類の上位に位置する分類を示す親商品・サービス分類番号と、当該商品・サービス分類の名称を示す商品・サービス分類名とを入力可能に構成される。
商品・サービス受発注システムにおいては、納入業者GDDLがこのような登録画面を介して必要事項を入力することにより、商品及び/又はサービスに関する情報をサーバ装置20に登録することができる。サーバ装置20は、登録された商品及び/又はサービスに関する情報をメニューデータ(メニューファイル)として作成して格納し、このメニューファイルを携帯電話端末機10に対して配信する。また、商品・サービス受発注システムにおいては、商品及び/又はサービスに関する情報の登録に応じて、サーバ装置20に対する音声データ(音声ファイル)の登録も行われる。この音声ファイルの登録は、主に以下の3通りの方法によって行われる。
まず、第1の方法としては、登録画面を介して入力された各種情報に基づいて、サーバ装置20によって音声データを作成することが挙げられる。すなわち、サーバ装置20は、情報処理装置40を介して商品及び/又はサービスに関する情報が登録された上で、先に図12に示した登録画面に設けられた音声ファイル登録ボタンが納入業者GDDLによって押下されるのに応じて、当該登録画面を介して入力された各種情報について文字認識を行い、認識した文字列を音声データに変換する。このとき、サーバ装置20は、音声データを携帯電話端末機10によって音声読み上げ可能な音声ファイルとして登録する。また、サーバ装置20は、図12に示した登録画面に設けられた音声確認ボタンが納入業者GDDLによって押下されるのに応じて、登録した音声ファイルを情報処理装置40に対して送信する。これに応じて、情報処理装置40は、受信した音声ファイルを読み上げ、当該納入業者GDDLに提示する。そして、サーバ装置20は、情報処理装置40によって読み上げた音声に誤りがある場合等、納入業者GDDLから音声ファイルの変更が要求された場合には、その音声ファイルを適宜修正する処理を行う。このように、商品・サービス受発注システムにおいては、サーバ装置20に音声データを登録することができる。
また、第2の方法としては、契約した専門の声優やアナウンサ等によってスタジオ録音された音声データを登録することが挙げられる。すなわち、サーバ装置20は、情報処理装置40を介して商品及び/又はサービスに関する情報が登録された上で、図12に示した登録画面に設けられた音声ファイル登録ボタンが納入業者GDDLによって押下されるのに応じて、音声データのスタジオ録音を発注する。そして、サーバ装置20は、スタジオ録音された音声データを取得すると、これを携帯電話端末機10によって音声読み上げ可能な音声ファイルに変換し、この音声ファイルを情報処理装置40に対して送信して確認を求めた上で登録する。また、サーバ装置20は、図12に示した登録画面に設けられた音声確認ボタンが納入業者GDDLによって押下されるのに応じて、登録した音声ファイルを情報処理装置40に対して送信する。これに応じて、情報処理装置40は、受信した音声ファイルを読み上げ、当該納入業者GDDLに提示する。そして、サーバ装置20は、納入業者GDDLから音声ファイルの変更が要求された場合には、その音声ファイルを適宜修正する処理を行う。商品・サービス受発注システムにおいては、このようなスタジオ録音を行うことにより、サーバ装置20に音声データを登録することができる。この方法は、特にガイダンスメッセージ等の固定内容からなる音声データの登録に好適である。
さらに、第3の方法としては、契約した専門の声優やアナウンサ等に所定条件以上の環境での録音を依頼し、この音声データを登録することが挙げられる。このとき、商品・サービス受発注システムにおいては、録音を簡便に行うために、所定の録音用携帯アプリケーションプログラムを用いる。すなわち、サーバ装置20は、例えば図14に示すように、情報処理装置40を介して商品及び/又はサービスに関する情報が登録された上で、図12に示した登録画面に設けられた音声ファイル登録ボタンが納入業者GDDLによって押下されるのに応じて、音声データの録音を発注する。これに応じて、声優やアナウンサ等は、自己が所有する携帯電話端末機50に実装されている所定の録音用携帯アプリケーションプログラムを起動する。録音用携帯アプリケーションプログラムは、起動されると、録音が要求される文章等を表示画面に表示させ、表示画面に表示された文章等から所望の文章等が選択操作されるのに応じて、録音可能状態へと移行し、声優やアナウンサ等に発話を促す。そして、録音用携帯アプリケーションプログラムは、録音が終了すると、この音声データをサーバ装置20に対して送信する。サーバ装置20は、音声データを受信すると、これを携帯電話端末機10によって音声読み上げ可能な音声ファイルに変換し、この音声ファイルを情報処理装置40に対して送信して確認を求め、納入業者GDDLから音声ファイルの変更が要求された場合には、声優やアナウンサ等に変更要求を行った上で、音声ファイルを登録する。そして、サーバ装置20は、声優やアナウンサ等が所有する携帯電話端末機50に対して、作業完了を示す電子メール等を送信し、一連の登録処理を終了する。商品・サービス受発注システムにおいては、このような方法によってもサーバ装置20に音声データを容易に登録することができる。この方法は、特に商品及び/又はサービスの詳細説明等の音声データの登録に好適である。
また、納入業者GDDLは、顧客たるユーザUSに関する情報を登録する際に、例えば図15に示すように、当該ユーザUSに固有の顧客IDと、当該ユーザUSに固有のパスワードと、当該ユーザUSの氏名を示す顧客名とを入力する登録画面を情報処理装置40の表示画面に表示させる。納入業者GDDLは、このような登録画面を介して必要事項を入力することにより、ユーザUSに関する情報をサーバ装置20に登録することができる。さらに、納入業者GDDLは、ユーザUSからの注文を確認する際に、例えば図16に示すような注文確認画面を情報処理装置40の表示画面に表示させる。具体的には、この注文確認画面は、注文毎に固有に付与される注文IDと、ユーザUSに固有の顧客IDと、当該ユーザUSの氏名を示す顧客名と、注文日付と、注文された商品及び/又はサービスに関する情報とから構成される。納入業者GDDLは、このような注文確認画面を介して、個々の注文内容を把握することが可能となる。
さて、このようにして音声ファイル、並びに音声ファイルと各メニュー項目とを対応付けるメニューファイルがサーバ装置20に登録される商品・サービス受発注システムにおいては、当該サーバ装置20と携帯電話端末機10とが以下のように構成される。
携帯電話端末機10は、上述したように、携帯用アプリケーションプログラムを実装して構成される。この携帯用アプリケーションプログラムは、概略的には図17に示すように、サーバ装置20に対して認証要求を行う端末認証要求機能部51と、商品及び/又はサービスの選択を行う商品・サービス選択機能部52と、注文候補としての商品及び/又はサービスとその注文数とを一時的に保存する買い物籠機能部53と、買い物籠内の商品及び/又はサービスの注文を行う発注機能部54と、注文された商品及び/又はサービスをキャンセルするキャンセル要求機能部55と、注文候補として選択された商品及び/又はサービスをブックマークとして登録するブックマーク機能部56と、過去に購入した商品及び/又はサービスの問い合わせを行う注文履歴確認機能部57と、サーバ装置20から音声ファイルやメニューファイルをダウンロードするファイルダウンロード機能部58と、ユーザUSにあわせた音声カタログのチューニングを行うチューニング機能部59とを備える。
端末認証要求機能部51は、不揮発性のメモリや着脱可能な記憶媒体等に形成された端末設定記憶部61に格納されているユーザUSに固有の顧客IDや当該ユーザUSによって入力されたパスワードをサーバ装置20に対して送信することにより、当該携帯電話端末機10の認証要求を行う。ここで、端末設定記憶部61は、例えば図18に示すように、ユーザUSに固有の顧客ID、当該ユーザUSに固有のパスワード、並びに、後述するチューニング機能部59によって設定された音声ファイルを読み上げる際の音量、読み上げ速度、及び音質等の設定内容等の情報が、ユーザUS毎に対応付けられて構成される。端末認証要求機能部51は、このような端末設定記憶部61を参照して顧客IDを読み出し、この顧客IDとユーザUSによって入力されたパスワードとを認証データとしてサーバ装置20に対して送信する。携帯電話端末機10は、サーバ装置20によって認証された場合にのみ、携帯用アプリケーションプログラムを利用することが可能となる。
商品・サービス選択機能部52は、不揮発性のメモリや着脱可能な記憶媒体等に形成されたメニュー記憶部62に格納されたメニューファイルに基づいて、メニュー項目と音声ファイルとを対応付けることにより、上述したように、各メニュー項目を読み上げ、ユーザUSの操作に応じて商品及び/又はサービスの選択を行う。ここで、メニュー記憶部62には、例えば図19に示すように、当該メニュー内の通し番号、全メニュー数、カテゴリ番号、メニュー番号、次のメニューのメニュー番号、音声ファイル名、項目ID、再生間隔有無、商品及び/又はサービスの金額、並びに、当該商品及び/又はサービスを数える際の単位等の情報が、メニュー項目毎に対応付けられて構成されたメニューファイルが格納される。また、メニュー記憶部62には、ここでは図示しないが、定番商品・サービス区分や個数等の情報も、メニュー項目毎に対応付けられて格納される。なお、これらの情報については、再度後述するものとする。商品・サービス選択機能部52は、このようなメニュー記憶部62を参照して、各メニュー項目の内容を把握し、必要なメニュー項目に対応する音声ファイルを音声ファイル群記憶部65から検索して読み上げる。なお、商品・サービス選択機能部52は、ユーザUSの操作の便宜を図るべく、一度選択されたメニュー項目については案内する順序を変更し、優先的に案内するように動作するようにしてもよい。
買い物籠機能部53は、注文候補として選択された商品及び/又はサービスとその注文数とを示す情報を、RAM(Random Access Memory)等に形成された買い物籠記憶部63に一時的に保存する。ここで、買い物籠記憶部63は、例えば図20に示すように、商品及び/又はサービスに固有の商品・サービス番号、その単価金額、並びに、注文数等の情報が、商品及び/又はサービス毎に対応付けられて構成される。買い物籠機能部53は、商品・サービス選択機能部52によって商品及び/又はサービスが選択される度に、その情報を買い物籠記憶部63に保存する。また、買い物籠機能部53は、注文数の変更等があった場合には、買い物籠記憶部63に保存した情報を削除したり変更したりする。
発注機能部54は、ユーザUSの操作に応じて、買い物籠内の商品及び/又はサービスの情報を注文データとしてサーバ装置20に対して送信することにより、当該商品及び/又はサービスの注文を行う。
キャンセル機能要求部55は、ユーザUSの操作に応じて、サーバ装置20に対してキャンセルデータを送信することにより、誤って注文してしまった商品及び/又はサービス等、注文された商品及び/又はサービスのキャンセル要求を行う。
ブックマーク機能部56は、ユーザUSの操作に応じて、注文候補として選択された商品及び/又はサービスを不揮発性のメモリや着脱可能な記憶媒体等に形成されたブックマーク記憶部64に登録するとともに、ブックマーク記憶部64に登録されている不必要な商品及び/又はサービスを削除する。ここで、ブックマーク記憶部64には、例えば図21に示すように、メニュー記憶部62に格納されるメニューファイルの内容と同様の情報が、登録された商品及び/又はサービス毎に作成されて格納される。ブックマーク記憶部64に登録された商品及び/又はサービスは、以降の注文の際に、予めブックマークとして登録してある商品及び/又はサービスの注文を行うための上述した定番商品・サービス注文メニューを選択することによって読み出すことが可能とされる。これにより、ユーザUSは、注文することが多い商品及び/又はサービスを容易に再注文することが可能となる。
注文履歴確認機能部57は、過去に購入した商品及び/又はサービスのリストを確認するための上述したリストメニューがユーザUSによって選択されるのに応じて、過去に購入した商品及び/又はサービスについてサーバ装置20に問い合わせ、確認を行う。そして、注文履歴確認機能部57は、問い合わせに応じてサーバ装置20から返送された注文履歴を一覧リストとして表示画面に表示させたり、読み上げさせたりする。
ファイルダウンロード機能部58は、サーバ装置20から音声ファイルやメニューファイルをダウンロードする。このファイルダウンロード機能部58によってダウンロードされたメニューファイルは、メニュー記憶部62に格納される。また、このファイルダウンロード機能部58によってダウンロードされた音声ファイルは、音声ファイル群記憶部65として不揮発性のメモリや着脱可能な記憶媒体等に格納される。これにより、携帯電話端末機10は、メニューファイルに基づいて、各メニュー項目と各音声ファイルとを対応付けることが可能となる。
チューニング機能部59は、音声カタログのチューニングや上述した文字の大きさや色等の変更を行うための上述した設定メニューがユーザUSによって選択されるのに応じて、例えば、音声ファイルを読み上げる際の音量、読み上げ速度、及び音質等の設定を変更する。このチューニング機能部59によって設定された内容は、端末設定記憶部61に格納される。
一方、サーバ装置20は、上述したように、メニュー管理データベースと、注文データ管理データベースと、音声・メニューファイルサーバと、音声・メニューファイル配信アプリケーションプログラムとから構成される。機能的には、サーバ装置20は、概略的には図17に示すように、携帯電話端末機10の認証を行う端末認証機能部71と、携帯電話端末機10からの注文を受注する受注機能部72と、携帯電話端末機10から注文された商品及び/又はサービスをキャンセルするキャンセル機能部73と、携帯電話端末機10を介して過去に購入のあった商品及び/又はサービスの履歴を送信する注文履歴送信機能部74と、携帯電話端末機10に対して音声ファイルやメニューファイルを送信するファイル送信機能部75とを備える。
端末認証機能部71は、携帯電話端末機10から送信された顧客IDやパスワードからなる認証データと顧客データベース81の内容とを照合し、携帯電話端末機10が登録された正当のものであるか否かの認証を行う。ここで、顧客データベース81は、例えば図22に示すように、ユーザUSに固有の顧客ID、当該ユーザUSに固有のパスワード、並びに、当該ユーザUSの氏名等の情報が、ユーザUS毎に対応付けられて構成される。端末認証機能部71は、このような顧客データベース81を参照して携帯電話端末機10の認証を行い、その認証結果を当該携帯電話端末機10に対して送信する。
受注機能部72は、携帯電話端末機10から送信された注文データを検証し、注文データベース82に格納する。ここで、注文データベース82は、例えば図23に示すように、注文毎に固有に付与される注文ID、ユーザUSに固有の顧客ID、注文日付、注文された商品及び/又はサービスに固有の商品・サービス番号、その単価金額、並びに、注文数等の情報が、注文毎に対応付けられて構成される。受注機能部72は、このような注文データベース82に格納された注文データを、宅配サービス業者DLSVが所有するサーバ装置30や納入業者GDDLが所有する情報処理装置40に対して送信することにより、当該宅配サービス業者DLSVや当該納入業者GDDLに対して発注を行う。
キャンセル機能部73は、携帯電話端末機10から送信されたキャンセルデータに基づいて、注文データベース82に格納されている注文データを検証し、その注文のキャンセルを行うことが可能なタイミングであるか否かを判断する。そして、キャンセル機能部73は、未だその注文データが宅配サービス業者DLSVが所有するサーバ装置30や納入業者GDDLが所有する情報処理装置40に対して送信されておらず、その注文のキャンセルを行うことが可能なタイミングであるものと判断した場合には、注文の取り消しを行う。
注文履歴送信機能部74は、携帯電話端末機10から送信された注文履歴問い合わせデータに基づいて、最新の注文から例えば5件程度の所定数の注文履歴を注文データベース82から読み出す。そして、注文履歴送信機能部74は、読み出した注文履歴を携帯電話端末機10に対して送信する。
ファイル送信機能部75は、携帯電話端末機10からの要求に応じて、商品データベース83に格納されているメニューファイルや、音声データベース84に格納されている音声ファイルを検索する。ここで、商品データベース83は、例えば図24に示すように、商品及び/又はサービスに固有の商品・サービス番号、当該商品及び/又はサービスが属する商品・サービス分類番号、商品及び/又はサービスの名称を示す商品・サービス名、当該商品及び/又はサービスの説明、並びに、その単価金額等の情報が、商品及び/又はサービス毎に対応付けられて構成される。また、商品データベース83には、例えば図25に示すような商品分類データベースも格納される。この商品分類データベースは、商品・サービス分類番号、その商品・サービス分類の上位に位置する親商品・サービス分類番号、並びに、商品・サービス分類名等の情報が、商品及び/又はサービス分類毎に対応付けられて構成される。サーバ装置20は、このような情報に基づいて、メニューファイルを作成し、商品データベース83に格納する。一方、音声データベース84には、商品・サービス名や当該商品及び/又はサービスの説明等について、商品・サービス番号と対応付けられた音声ファイルが格納される。また、音声データベース84には、ガイダンス用の音声ファイル等も格納される。ファイル送信機能部75は、このような商品データベース83や音声データベース84に格納されたメニューファイルや音声ファイルを検証した上で、携帯電話端末機10に対して送信する。
このような商品・サービス受発注システムにおいて、最も特徴的であると考えられる音声ファイルは、図26に示すように、"項目名"、"数値"、"単位"、及び"その他"に分類される。
"項目名"は、商品及び/又はサービスの分類やその説明等が該当する。また、商品及び/又はサービスの単価金額や重量、さらには、上述した設定メニュー等の各種メニュー項目も、この"項目名"に含まれる。さらに、この"項目名"は、図27に示すように、大分類商品・サービスカテゴリに属するメニュー項目名としての"大分類"、中分類商品・サービスカテゴリに属する項目名としての"中分類"、小分類商品・サービスカテゴリに属する項目名としての"小分類"、商品及び/又はサービスの詳細情報等を含む"詳細"、及び、各種アプリケーションプログラムの設定用の音声データを含む"アプリケーション設定"に分類される。具体的には、この"項目名"には、"肉"、"野菜"、"牛肉"、"豚肉"等の見出しとなる項目や、"牛肉モモすき焼き用"等の商品及び/又はサービス名や、"国産和牛、冷凍、300g、2mmスライス"等の商品及び/又はサービスの説明や、"768円"等の単価金額や、"商品・サービスを選択してください"といったガイダンスメッセージ等が含まれる。
"数値"は、購入物の数量や購入金額の合計金額が該当する。なお、商品及び/又はサービスそのものの単価金額や重量は"項目名"に含まれることから、この"数値"には該当しない。また、"単位"は、"円"や"kg"等、数量の後に付く単位である。すなわち、商品及び/又はサービスに付随する単価金額等は、上述したように、"項目名"の"詳細"に含まれるが、注文内容を確認する場合等に読み上げられる商品及び/又はサービスの個数や金額は、桁単位で作成される。したがって、携帯電話端末機10は、例えば注文内容を確認する場合等に"1234円"と読み上げる場合には、携帯用アプリケーションプログラムによって"数値"及び"単位"に分類される音声ファイルを検索し、"せん"、"にひゃく"、"さんじゅう"、"よん"、"えん"といったように、これら音声ファイルを合成して読み上げることになる。
"その他"は、"です"、"ます"等の接尾語や、"注文は"等の決められた文節や、"ご注文を受け付けました"等の決められた文章が該当する。したがって、携帯電話端末機10は、例えば注文内容を確認する場合等には、この"その他"に分類される音声ファイルと、"項目名"、"数値"、"単位"に分類される音声ファイルとを携帯用アプリケーションプログラムによって組み合わせて読み上げることになる。
携帯電話端末機10は、このような音声ファイルを携帯用アプリケーションプログラムによってサーバ装置20から取得し、参照可能な状態でメモリ等に格納する。また、携帯電話端末機10は、メニューファイルの更新等により、メモリ等に格納されていない音声ファイルがある場合には、サーバ装置20からその音声ファイルを受信し、新たにメモリ等に格納することもできる。なお、携帯電話端末機10は、携帯用アプリケーションプログラムを起動した際にサーバ装置20に対して音声ファイルの更新があるか否かを問い合わせ、音声ファイルを取得してもよいが、また、他のアプリケーションプログラムによっても参照可能なフォルダに音声ファイルを格納することにより、当該他のアプリケーションプログラムによってバックグラウンドでサーバ装置20と通信を行い、音声ファイルを取得してもよい。そして、携帯電話端末機10は、メニューファイルに基づいて、必要な音声ファイルを検索して読み上げる。
ここで、携帯電話端末機10は、携帯用アプリケーションプログラムのインストール時に基本的な音声ファイルやメニューファイルを当該携帯用アプリケーションプログラムによって参照可能な状態であわせてメモリ等に格納し、さらに、必要に応じて、更新があった差分データを携帯用アプリケーションプログラムによってサーバ装置20から取得してメモリ等に格納する。そして、携帯電話端末機10は、このメニューファイルに基づいて、各メニュー項目と各音声ファイルとをマッチングすることにより、適切な音声ファイルの読み上げを行う。なお、携帯電話端末機10は、携帯用アプリケーションプログラムを起動した際にサーバ装置20に対してメニューファイルの更新があるか否かを問い合わせ、更新があった場合にその差分データを取得してもよいが、音声ファイルの場合と同様に、他のアプリケーションプログラムによっても参照可能なフォルダにメニューファイルを格納することにより、当該他のアプリケーションプログラムによってバックグラウンドでサーバ装置20と通信を行い、メニューファイルを取得してもよい。また、携帯電話端末機10は、メニューファイルの更新等に応じて、取り扱う全ての商品及び/又はサービスについてのメニューファイルをサーバ装置20から取得してメモリ等に格納してもよいが、必要なときに必要なメニューファイルのみを取得するようにしてもよい。このようなメニューファイルは、上述したトップメニューやゾーン毎のメニューといった1つのメニュー毎に作成され、例えば図28に示すように、携帯電話端末機10の表示画面毎の表示文字列や音声ファイル名等の情報が各メニュー項目毎に記述されて構成される。具体的には、メニューファイルは、例えば図29に示すように、当該メニュー内の通し番号、当該メニュー内のメニュー項目数を示す全メニュー数、上述した大分類商品・サービスカテゴリ等の当該メニュー項目の属性を示すカテゴリ番号、当該メニューのメニュー番号、当該メニュー項目が読み上げられた後に遷移すべき次のメニューのメニュー番号、当該メニュー項目に対応付けられたパス情報を含む音声ファイル名、当該メニュー項目に固有の項目ID、当該メニュー項目と次の項目とを読み上げる際に再生間隔を入れるか否かを示す再生間隔有無、当該メニュー項目によって特定される商品及び/又はサービスの金額、当該商品及び/又はサービスを数える際の単位を羅列して構成される。これらの内容は、基本的にはサーバ装置20によって作成される。また、メニューファイルには、携帯電話端末機10によって拡張的に付加される内容も含まれる。具体的には、メニューファイルは、上述した定番商品・サービス注文メニューから読み出すことが可能なようにブックマークとして登録した商品及び/又はサービスであるか否かを示す定番商品・サービス区分や、商品及び/又はサービスの買い物籠への投入時に利用する個数についても、上述した内容に続けて羅列して構成される。なお、携帯電話端末機10は、上述したように、各ゾーンの移動中に上位のカテゴリのメニュー選択に戻る機能を実装することから、現在のカテゴリの内容を示すメニューから1つだけ前後のメニューに移動すればよく、例えば図30に示すように、メニューファイルのスタック領域として3つのメモリ領域を確保すればよい。
携帯電話端末機10は、このようにスタックされたメニューファイルを用いて各メニュー項目と各音声ファイルとを対応付ける。そして、携帯電話端末機10は、上述したように、ユーザUSの操作に応じてメニュー遷移させてゾーンを移動し、商品及び/又はサービスが選択されるのに応じて、買い物内容を示す情報を買い物籠記憶部63に展開し、注文確定時にその情報をファイル化する。このとき、携帯電話端末機10は、例えば図31に示すように、買い物内容を示す情報をメニューファイルと同一フォーマットのファイル形式でファイル化するとともに、各メニューを読み上げるのと同一の音声ファイル及びアーキテクチャを用いて注文確認を行う。そして、携帯電話端末機10は、少なくとも、メニューファイルの項目ID、注文数、金額、注文日付、及び顧客IDを注文データとしてサーバ装置20に対して送信する。なお、携帯電話端末機10は、サーバ装置20と通信を行うことなく後で買い物内容を示す情報を確認可能とするために、必要に応じて、当該買い物内容を示す情報をファイル化したデータをメモリ容量の制限範囲内で保存するようにしてもよい。また、携帯電話端末機10は、例えば図32に示すように、注文の過程で、所望の商品及び/又はサービスをブックマークとして登録する操作が行われた場合には、当該商品及び/又はサービスの詳細情報をメニューファイルと同一フォーマットのファイル形式でファイル化してブックマーク記憶部64に登録し、メニューファイルの定番商品・サービス区分を書き替える。そして、携帯電話端末機10は、ブックマークとして登録された商品及び/又はサービスの注文が要求された場合には、当該商品及び/又はサービスの詳細情報からなる説明を内容とする音声ファイルを音声ファイル群記憶部65から読み出して読み上げることにより、再注文を行うことが可能となる。
このように、商品・サービス受発注システムにおいては、メニューファイルと音声ファイルとをサーバ装置20から携帯電話端末機10に対して配信し、当該携帯電話端末機10により、メニューファイルに基づいて、各メニュー項目と各音声ファイルとをマッチングすることにより、携帯用アプリケーションプログラムを一切変更することなく、取り扱う商品及び/又はサービスの変更に応じてメニューを変更することができ、適切な音声ファイルの読み上げを行うことができる。
また、携帯電話端末機10は、上述したように、音声ファイルを読み上げる際の音量、読み上げ速度、及び音質等を任意に変更可能とされる。具体的には、携帯電話端末機10は、図33に示すように、読み上げ対象の音声ファイルの出力レベルを変更することにより、音量を変更することができる。この場合、携帯電話端末機10は、サーバ装置20との間で通信を行う必要はない。また、携帯電話端末機10は、読み上げ内容が同一であり且つ読み上げ速度が異なる音声ファイルを、音声ファイル群記憶部65を構成する互いに異なるフォルダに同一ファイル名で格納し、設定に応じて、読み出す音声ファイルを変更することにより、読み上げ速度を変更することができる。さらに、携帯電話端末機10は、例えば、男声又は女声、大人の声又は子供の声、標準語又は方言、任意のアニメーション漫画に登場するキャラクタの声といったように、音質を変更することもできる。この場合、携帯電話端末機10は、読み上げ内容が同一であり且つ音質が異なる音声ファイルを、音声ファイル群記憶部65を構成する互いに異なるフォルダに同一ファイル名で格納し、設定に応じて、読み出す音声ファイルを変更することにより、音質を変更することができる。さらにまた、携帯電話端末機10は、音の高低を変更することもできる。この場合、携帯電話端末機10は、音声ファイルの再生周波数を変更することにより、サーバ装置20との間で通信を行うことなく、音の高低を変更することができる。
携帯電話端末機10は、上述した設定メニューを介してチューニングの要求があった場合には、その内容を端末設定記憶部61に設定し、以降の読み上げの際に、端末設定記憶部61に設定された設定内容に基づいて、音量、読み上げ速度、及び音質等を変更して音声ファイルを読み上げる。具体的には、商品・サービス受発注システムにおいては、図34に示すような一連の手順にしたがって、チューニングをともなった音声ファイルの読み上げを行う。
すなわち、携帯電話端末機10は、同図に示すように、ステップS1において、上述した設定メニューを介してチューニング操作の要求を受け付け、その内容を端末設定記憶部61に設定した後に、音声ファイルを読み上げる機会があった場合には、ステップS2において、音声ファイル群記憶部65の中から必要な音声ファイルを検索する。このとき、携帯電話端末機10は、端末設定記憶部61に設定された設定内容に応じた音声ファイルを検索する。
ここで、携帯電話端末機10は、ステップS3において、必要な音声ファイルを検索することができた場合には、ステップS8において、その音声ファイルを読み上げる一方で、当該音声ファイルを検索することができなかった場合、すなわち、設定された読み上げ速度や音質の音声ファイルを検索することができなかった場合には、ステップS4において、サーバ装置20に対して当該音声ファイルのダウンロード要求を行う。
これに応じて、サーバ装置20は、ステップS5において、当該音声ファイルのダウンロード要求を受け付け、正当な要求であるものと判断すると、ステップS6において、当該音声ファイルを音声データベース84から読み出し、携帯電話端末機10に対して送信する。そして、携帯電話端末機10は、当該音声ファイルを受信すると、ステップS7において、当該音声ファイルを音声ファイル群記憶部65に格納するとともに、ステップS8において、当該音声ファイルを読み上げ、一連の処理を終了する。なお、携帯電話端末機10は、音声ファイル群記憶部65が形成されるメモリの容量が制限に近くなった場合には、現在の端末設定記憶部61の設定内容に合致せず且つ使用履歴が古い音声ファイルを自動的に削除する。
このように、商品・サービス受発注システムにおいては、携帯電話端末機10に必要な音声ファイルが格納されていない場合であっても、容易に当該音声ファイルを取得し、ユーザUSの嗜好に応じてチューニングされた音声ファイルの読み上げを行うことができる。
さらに、商品・サービス受発注システムにおいては、上述したように、携帯電話端末機10の表示画面に表示する文字の大きさ等も任意に変更可能とされる。例えば、携帯電話端末機10は、図35に示すような一連の手順にしたがって、文字の大きさを所定の倍率に拡大することができる。
まず、携帯電話端末機10は、同図に示すように、ステップS11において、表示画面に表示する文字列を合成すると、ステップS12において、表示画面の表示幅と、文字の幅×端末設定記憶部61に設定された表示倍率と、文字数とに基づいて、拡大した文字列の表示に必要な行数を算出するとともに、文字の高さに基づいて、当該拡大した文字列の表示に必要な高さを算出することにより、当該拡大した文字列を表示する画像データの高さ及び幅を算出する。そして、携帯電話端末機10は、ステップS13において、同図(a)に示すように、算出した高さ及び幅からなる空白の画像データを作成する。
続いて、携帯電話端末機10は、ステップS14において、同図(b)に示すように、画像データに文字列を書き込んだ後、ステップS15において、端末設定記憶部61に設定された表示倍率に画像データを拡大し、ステップS16において、同図(c)に示すように、拡大した画像データを表示画面に表示する。そして、携帯電話端末機10は、ステップS17において、ユーザUSのスクロール操作に応じて、同図(d)に示すように、画像データを高さ方向にスクロール表示し、一連の処理を終了する。
このように、商品・サービス受発注システムにおいては、端末設定記憶部61に設定された内容に基づいて、文字の大きさをはじめとする表示形態を任意に変更することができる。
以上説明したように、本発明の実施の形態として示す商品・サービス受発注システムにおいては、サーバ装置20により、取り扱う商品及び/又はサービスに関する情報を携帯電話端末機10によって音声読み上げ可能な音声ファイルに変換して音声カタログとして当該携帯電話端末機10に対して配信する。そして、携帯電話端末機10は、メニューファイルに基づいて、携帯用アプリケーションプログラムによって音声カタログを読み上げ、読み上げられた音声に基づいてユーザUSによって選択操作された所望の商品及び/又はサービスの注文を行う。これにより、この商品・サービス受発注システムは、携帯電話端末機10を用いた極めて簡便な操作のみで、視覚障害者が通信販売を手軽に行うことを支援することができる。また、この商品・サービス受発注システムは、視覚障害者のみならず高齢者といった携帯電話端末機10の操作に不慣れなユーザUSであっても容易に通信販売を利用することを可能とし、健常者にとっても使い勝手がよいサービスを提供することができる。また、この商品・サービス受発注システムは、宅配サービス業者DLSVや納入業者GDDL等、競争が激化する業者にとっても、他者との差別化を図る上で極めて有効である。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではない。例えば、上述した実施の形態では、音声ファイルの読み上げに応じて操作子操作を行うものとして説明したが、本発明は、視覚障害者の使用を鑑みて、任意の操作子の操作によって確実に商品及び/又はサービスの注文を行うことができる仕組みを採用してもよい。
具体的には、商品・サービス受発注システムにおいては、例えば図9に示した各ゾーンの音声カタログから任意の商品及び/又はサービスカテゴリ名等を選択する際には、以下の2つの方法を採用することができる。
まず、第1の方法としては、ユーザUSが携帯電話端末機10における任意の操作子を押下し続けることで大分類商品・サービスカテゴリの音声カタログに登録されている商品及び/又はサービスカテゴリ名を順次読み上げ、所望の商品及び/又はサービスカテゴリ名が読み上げられた後に、押下している操作子を離すことにより、下位の中分類商品・サービスカテゴリの選択操作に移行することが考えられる。
具体的には、携帯電話端末機10は、図36に示すように、ステップS21において、メニュー選択のための音声ガイダンスを読み上げた上で、ステップS22において、任意の操作子を押下したままの状態でメニュー項目の選択を開始し、ステップS23において、メニュー画像を表示画面に表示するとともに、ステップS24において、メニュー項目を読み上げる。そして、携帯電話端末機10は、1つのメニュー項目を読み上げると、ステップS25において、所定の短時間だけ無音状態とする。このとき、ユーザUSは、押下している操作子をそのまま押下し続けるか離すかのいずれかの操作を行う。
ここで、携帯電話端末機10は、ステップS26において、ユーザUSが操作子を押下し続けている場合には、ステップS23からの処理を繰り返し、次のメニュー項目の読み上げに移行する一方で、ユーザUSが操作子を離した場合には、ステップS27において、メニュー項目の読み上げを停止し、ステップS28において、操作子を離した時点でのメニュー項目が選択されたものとして、一連の処理を終了する。
商品・サービス受発注システムにおいては、このような操作を全てのメニュー(ゾーン)についての選択操作に適用することにより、容易且つ確実に所望の商品及び/又はサービスの注文を行うことが可能となる。
また、第2の方法としては、携帯電話端末機10が大分類商品・サービスカテゴリの音声カタログに登録されている商品及び/又はサービスカテゴリ名を順次読み上げる際に、所望の商品及び/又はサービスカテゴリ名が読み上げられた後に、任意の操作子を押下することにより、下位の中分類商品・サービスカテゴリの選択操作に移行することが考えられる。
具体的には、携帯電話端末機10は、図37に示すように、ステップS31において、メニュー選択のための音声ガイダンスを読み上げた上で、ステップS32において、任意の操作子が押下されるのに応じてメニュー項目の選択を開始し、ステップS33において、メニュー画像を表示画面に表示するとともに、ステップS34において、メニュー項目を読み上げる。そして、携帯電話端末機10は、1つのメニュー項目を読み上げると、ステップS35において、所定の短時間だけ無音状態とする。このとき、ユーザUSは、任意の操作子を押下するか否かのいずれかの操作を行う。
ここで、携帯電話端末機10は、ステップS36において、ユーザUSが操作子を押下していない場合には、ステップS33からの処理を繰り返し、次のメニュー項目の読み上げに移行する一方で、ユーザUSが操作子を押下した場合には、ステップS37において、メニュー項目の読み上げを停止し、ステップS38において、操作子を押下した時点でのメニュー項目が選択されたものとして、一連の処理を終了する。
商品・サービス受発注システムにおいては、このような操作を全てのメニュー(ゾーン)についての選択操作に適用することによっても、容易且つ確実に所望の商品及び/又はサービスの注文を行うことが可能となる。なお、携帯電話端末機10は、操作子を1回だけ押下するのに応じて、下位のカテゴリのメニュー項目の選択操作に移行するのではなく、メニュー項目とともに読み上げる番号と同じ回数だけ、任意の操作子を押下することにより、下位のカテゴリのメニュー項目の選択操作に移行するようにしてもよい。
このように、本発明は、任意の操作子の操作によって確実に商品及び/又はサービスの注文を行うことができ、視覚障害者にとって極めてフレンドリーなインターフェースを提供することができる。
また、本発明は、携帯電話端末機10を操作する際に、任意の操作子の操作ではなく、指定された操作子の操作を要求するようにしてもよい。しかしながら、携帯電話端末機10を操作する際に、読み上げられた商品及び/又はサービスに対応する指定された操作子の操作を要するのは、視覚障害者にとっては利便がよくないおそれがある。そこで、商品・サービス受発注システムにおいては、このような操作を要求する場合には、サービスを利用する際に、携帯電話端末機10に着脱自在とされるカバーであって当該携帯電話端末機10の操作子が並設された領域を被覆することによって操作を補助する構造とされる所定の専用カバーをユーザUSに提供するのが望ましい。これにより、商品・サービス受発注システムにおいては、携帯電話端末機10の操作子が並設された領域をカバーで被覆し、携帯用アプリケーションプログラムによって読み上げられる音声ガイダンスにしたがって容易に操作することが可能となる。
さらに、上述した実施の形態では、携帯電話端末機10とサーバ装置20との間で最初に通信路を確立する際に認証を行うものとして説明したが、本発明は、認証にもゾーンの概念を用いることができる。すなわち、商品・サービス受発注システムにおいては、ゾーン毎にIDやパスワード、暗証番号といった数桁の情報を、最初の認証の際に行われる方法と同様にして入力し、この情報に基づいて認証を行うようにしてもよい。また、商品・サービス受発注システムにおいては、全てのゾーンについて認証を行うのではなく、エントリー部分やラスト部分等、ケースによって認証を行う場面を変化させるようにしてもよい。
さらにまた、本発明は、商品及び/又はサービス等の選択のために、携帯電話端末機10における各種操作子のうち、数字を入力する操作子以外に、例えば、かな文字やアルファベット、記号、ハングル文字といったように、携帯電話端末機10を使用する国や地域に応じて、数字以外の任意の文字を入力する操作子を用いるようにしてもよい。
また、上述した実施の形態では、視覚障害者を主たるターゲットとしていたため、必ず音声読み上げを行うものとして説明したが、本発明は、例えば健常者等のように、音声情報に頼らずとも注文操作を行うことができるユーザUSの場合には画面表示のみとする、といったように、音声出力や画面表示の有無を任意に切り替えるような仕組みを設けてもよい。
さらに、上述した実施の形態では、携帯電話端末機10が音声ファイル及びメニューファイルを格納し、これに基づいて当該携帯電話端末機10が処理を行うことにより、音声ファイルの読み上げを行うものとして説明したが、本発明は、サーバ装置20が音声ファイル及びメニューファイルを格納し、ガイダンスの際に携帯電話端末機10とサーバ装置20との間で逐次通信を行うのに応じて、当該サーバ装置20がメニューファイルに基づいて適切な音声ファイルを検索し、これを当該携帯電話端末機10に対して逐次配信して読み上げさせる仕組みであってもよい。
さらにまた、上述した実施の形態では、商品・サービス受発注システムであるものとして説明したが、本発明は、例えば、施設の予約を受け付ける予約システムやアンケートに対する回答を行うアンケート回答システムといったように、所定の商品及び/又はサービスを提供する業種であればいかなるものであっても適用することができる。本発明にかかる商品・サービス受発注システムは、かかる他のシステムも含む概念である。
また、上述した実施の形態では、ユーザ端末機として携帯電話端末機10を用いるものとして説明したが、本発明は、例えば、いわゆる簡易型携帯電話システム(Personal Handyphone System;PHS)や携帯情報端末機(Personal Digital Assistants;PDA)といった携帯型の情報処理端末機の他、デスクトップ型又はノートブック型のパーソナルコンピュータをはじめとする情報処理端末機であっても適用することができる。
さらに、上述した実施の形態では、携帯用アプリケーションプログラムとしてJAVA(登録商標)アプリケーションプログラムによって構成したものを用いるものとして説明したが、本発明は、JAVA(登録商標)アプリケーションプログラムに限るものではなく、同様の機能を実現することができるアプリケーションプログラムであれば、例えばBREW(Binary Runtime Environment for Wireless)(登録商標)環境に基づくアプリケーションプログラム等、任意のアプリケーションプログラムを適用することができる。
同様に、上述した実施の形態では、携帯電話端末機10にSOAPやXMLパーサが実装されるものとして説明したが、本発明は、サーバ装置とユーザ端末機との間で行うメッセージ交換の形式としては、かかるSOAP/XML形式以外のものを適用してもよい。
このように、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能であることはいうまでもない。