JP2006048063A - 色ずれ検出のための記録方法及び色ずれ検出装置 - Google Patents

色ずれ検出のための記録方法及び色ずれ検出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】目視により色ずれの有無さらにはその量を簡単かつ高精度に検出できるようにする。
【解決手段】複数色の画像を記録するカラー画像記録装置における各色の画像間の相対的位置ずれを検出するための記録方法であって、黒色からなる第1のパターン101と、マゼンタ等の有彩色からなる第2のパターン102との重ね合わせパターン103が両パターン101,102の相対的位置ずれがない時は無彩色(グレー)のみからなるパターンとなり、相対的位置ずれがある時は有彩色を含むパターンとなるように重ね合わせて記録する。
【選択図】図1

Description

この発明は、カラー画像記録装置における各色の画像間の相対的位置ずれである色ずれの有無や色ずれの量を検出するためのパターンの記録方法と、その方法で記録されたパターンを用いて色ずれを検出する色ずれ検出装置に関する。
各色毎に個別の記録ステージを有するカラープリンタでは、各色の記録ステージでの記録位置の相対的位置ずれや、紙送り機構による記録紙のずれがあると、各色の画像間に相対的位置ずれが生じる。このような相対的位置ずれは、一般に色ずれと呼ばれ、記録されるカラー画像の画質を大きく劣化させる。
そこで、この色ずれの有無を検出して記録ステージの位置や紙送り機構を調整したり、あるいは色ずれ量を検出してそれに相当する量だけ記録画像データの座標点を移動することにより色ずれを補正する技術が提案されている。色ずれ補正のポイントは、いかに色ずれ量を正確かつ簡便に検出できるかにある。
色ずれ量を検出する方法として、従来から印刷の分野で用いられているように「トンボマーク」と呼ばれる色ずれ検出用マークを各色で記録し、それを顕微鏡で観察する方法があるが、一般ユーザにとって顕微鏡でトンボマークを観察することは非常に煩雑である。
一方、低価格の検出器を用いて色ずれを検出するシステムが開示されている(例えば特許文献1)。このシステムでは各色のプリンタで色の異なる山形の色ずれ検出用マークを記録し、各色のマークが検出器の位置を通過する時刻を検出器の出力信号の立上がりタイミングを判定することで色ずれ量を検出する。このシステムでは、検出器がトナーや紙粉で汚れていたり、色ずれ検出用マークの濃度が変化した場合には、検出精度が大きく低下する。さらに、検出器はプリンタ内部に置かれているため、プリンタの内部温度の上昇に伴い、検出器の出力信号の立ち上がり特性が変動し、やはり検出誤差を生じさせる。
特開平6−118735号公報
上述したように、色ずれを顕微鏡による観察で検出する方法は極めて煩雑であり、また検出用マークを検出器で検出して色ずれを検出する方法は、検出器の汚れやマークの濃度変化あるいは周囲温度の変動等により検出誤差が生じ、信頼性の面でおおいに問題があった。
本発明は、目視あるいは検出器により色ずれの有無さらにはその量を簡単かつ高精度に検出できる色ずれ検出のための記録方法及び色ずれ検出装置を提供することを目的とする。
この発明の色ずれ検出のための記録方法は、複数色の画像を記録するカラー画像記録装置における各色の画像間の相対的位置ずれを検出するための記録方法であって、第1の色と第2の色と同一のパターンを重ね合わせて記録し、前記両者の相対位置がほぼ一致する近傍では重なる画素数が大きく変化、すなわち自己相関が鋭いピークを持ち、さらに前記両者の相対位置がずれた時に1周期当たりの色が重ならない画素が多い周期パターンで形成されたことを特徴とする。
また、この発明の色ずれ検出装置は、相対的位置ずれに応じて重ね合わせパターンの色差が変化するように、各色の画像間の相対位置がほぼ一致する近傍では重なる画素数が大きく変化、すなわち自己相関が鋭いピークを持ち、さらに前記両者の相対位置がずれた時に1周期当たりの色が重ならない画素が多い周期パターンで形成された黒パターンと、マゼンタまたはイエローまたはシアンの色パターンとを重ね合わせて記録する記録手段と、この手段により記録された重ね合わせパターンの前記色差を光学的に検出することにより、前記黒色パターンと前記マゼンタまたはイエローまたはシアンの色パターンの相対的位置ずれを検出する色ずれ検出手段とから構成されている。
本発明の記録方法は、目視あるいは検出器により色ずれの有無さらにはその量を簡単かつ高精度に検出することができる。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態における色ずれ検出のための記録方法を説明するための図である。同図に示すように、本実施形態では色の異なる第1のパターン101と第2のパターン102を重ね合わせて記録することにより、重ね合わせパターン103を得る。第1のパターン101は基準となる黒のパターンであり、第2のパターン102は第1のパターン101に対する相対的位置ずれを検出する対象となる有彩色、例えばマゼンタのパターンである。
カラープリンタを用いて例えば第1のパターン101をまず記録し、その上に重ねて第2のパターン102を記録する。図では、分りやすくするため第1のパターン101と第2のパターン102を左右方向に延びたパターンとし、上下方向にずらせて示しているが、実際には重ね合わせパターン103で示されるように上下方向では同一位置に重ね合わせて記録される。ここで、カラープリンタでは左右方向は主走査方向(図の矢印X方向)に相当し、上下方向は副走査方向 (図の矢印Y方向)に相当する。
第1のパターン101と第2のパターン102は同一パターンであり、繰り返しの周期パターンである。本実施形態では、この周期パターンは周期7のM系列パターンを用いている。このパターンは記録画素を1、非記録画素を0としたとき0001101の繰り返しパターンからなる。
図1(a)では、第1のパターン101と第2のパターン102は主走査方向に相対的位置ずれなく重ねて記録されている。第1のパターン101の色は黒、第2のパターン102の色はマゼンタとすると、両パターン101,102が完全に重なっている場合には、重ね合わせパターン103は全て無彩色(グレー)となる。
次に、図1(b)のように第1のパターン101が第2のパターン102に対して1画素分だけ右側にずれたとすると、第2のパターン102は1周期当たり2画素が第1のパターン101の黒の画素と異なる位置に記録されるため、重ね合わせパターン103では1周期当たり2画素だけマゼンタが現れる。
また、図1(c)は第1のパターン101が第2のパターン102に対して2画素分だけ右側にずれた場合であり、やはり1周期当たり2画素が第1のパターン101の黒の画素と異なる位置に記録されるため、重ね合わせパターン103では1周期当たり2画素だけマゼンタが現れる。
以下同様に、図1(d)(e)のように第1のパターン101が第2のパターン102に対して2画素分、3画素分ずつ右側にずれた場合も、1周期当たり2画素が第1のパターン101の黒の画素と異なる位置に記録されることにより、重ね合わせパターン103では1周期当たり2画素だけマゼンタが現れる。
図2は、横軸に第1および第2のパターン101,102間の相対的位置ずれ(色ずれ量)を画素数でとり、縦軸に重ね合わせパターン103における1周期当たりのマゼンタ単独の画素(黒画素と重ならないマゼンタの画素)の画素数の比率をとった図である。
このように重ね合わせパターン103には、第1のパターン101と第2のパターン102とが一致した点と1周期ずれて一致した点を除き、一定量(この例では2画素)の有彩色であるマゼンタの画素が現れる。従って、本実施形態によると、重ね合わせパターン103が無彩色のみに見えるか、有彩色を含んで見えるかによって、第1のパターン101と第2のパターン102との相対的位置ずれ、すなわち色ずれの有無を顕微鏡を用いることなく目視で容易に認識することができる。
(第2の実施形態)
本実施形態においては、図3(a)に示すようにまず第1のパターン311として、主走査方向に延びた複数の直線をそれぞれ含み、副走査方向に−3画素〜+3画素の範囲で1画素分ずつ位相(相対位置)をずらせた複数の単位パターン301〜307を主走査方向に並べて第1の色(例えば無彩色である黒)で記録する。
次に、図3(b)に示すように第2のパターン312として、副走査方向に位相ずれのない同一の複数の単位パターン308を主走査方向に並べて第2の色 (例えば有彩色であるマゼンタ)で第1のパターン311と重ね合わせて記録する。
さらに、第1のパターン311を構成する単位パターン301〜307の近傍に、それらの各単位パターン301〜307が中央の単位パターン304の位置を基準(0)として副走査方向に何画素分ずれているかを−3〜+3の数字で表わす色ずれ量表示309を印字しておく。
なお、図3は模式的に描かれているため、粗いパターンに見えるが、例えば解像度が600dpiのカラープリンタでは1画素の大きさが約42μmであるので、第1および第2のパターン311,312を7画素周期のパターンとした場合、パターンの1周期分の大きさは0.294mm程度となる。従って、第1および第2のパターン311,312の全面積を例えば3mm□程度とすれば、通常、目視ではグレーパターンに見える。この場合、仮に第1および第2のパターン311,312の重ね合わせパターンにおいて、色ずれ量表示309が「0」の位置のパターンが無彩色で、他のパターンがマゼンタに見えれば、色ずれ量が0、つまり色ずれが無いと認識できる。また、重ね合わせパターンにおいて、色ずれ量表示309が「−3」の位置のパターンが無彩色に見えれば、色ずれ量が−3画素分であることを一目瞭然に認識できる。
このように本実施形態によれば、色ずれの有無のみでなく、色ずれ量を目視で容易に認識することができる。
(第3の実施形態)
図4および図5を用いて本発明の第4の実施形態を説明する。図4は、4ドラム1パス方式の電子写真式カラープリンタにおける記録系を模式的に示したものである。搬送/転写ベルト401が駆動用ローラ402,403により矢印の方向に駆動されることによって、記録紙404が図の右側から供給され、イエロー(Y)記録系405、マゼンタ(M)記録系406、シアン(C)記録系407および黒(K)記録系408の順で記録紙404上に記録が行われる。
このような構成で、まずイエロー記録系405、マゼンタ記録系406、シアン記録系407を用いて、図5(a)に示すように第1のパターン511としてイエロー、マゼンタ、シアンの色ずれ検出用パターン501,502,503を記録する。これらイエロー、マゼンタ、シアンの色ずれ検出用パターン501,502,503の各々は、図3中に示す第1のパターン311と同様に、それぞれ−3画素〜+3画素の範囲で主走査方向に位相をずらせた複数の単位パターンで構成され、これらが図3の第1のパターン311と直角方向、つまり副走査方向に並べられている。また、各単位パターン内の複数の直線は副走査方向に延びているものとする。
さらにイエロー、マゼンタ、シアンの色ずれ検出用パターン501,502,503を構成する各々の単位パターンの近傍に、それらの各単位パターンが中央の単位パターンの位置を基準(0)として副走査方向に何画素分ずれているかを−3〜+3の数字で表わす色ずれ量表示507を印字しておく。
次に、黒記録系408を用いて図5(b)に示すように第2のパターン512として、図3中に示す第2のパターン312と同様に副走査方向に位相ずれのない同一の黒のパターン505を第1のパターン511と重ね合わせて記録する。さらに、本実施形態では第1のパターン511と第2のパターン512との重ね合わせパターンにおいて最も無彩色になったパターンを識別するために、第2のパターン512を記録する際、図5(a)のイエロー、マゼンタ、シアンの色ずれ検出用パターン501,502,503の相互間の領域504に対応する位置にも、黒の同一の周期パターンからなる参照パターン506を記録する。このような参照パターン506を記録することで、最も無彩色に近いパターンを容易に見つけることが可能となる。
すなわち、参照パターン506を参照して、イエローの色ずれ検出用パターン501のうちで無彩色に最も近い単位パターンを見い出し、その単位パターンに対応する位置の色ずれ量表示507の数字から、黒のパターン505に対するイエローの色ずれ検出用パターン501の相対的位置ずれ量、つまりイエローの色ずれ量を認識することができる。同様に、マゼンタの色ずれ検出用パターン502およびシアンの色ずれ検出用パターン503についても、参照パターン506を参照してマゼンタの色ずれ検出用パターン502およびシアンの色ずれ検出用パターン503のうちでそれぞれ無彩色に最も近い単位パターンを見い出し、その単位パターンに対応する色ずれ量表示507の数字から、黒のパターン505に対するマゼンタの色ずれ検出用パターン502およびシアンの色ずれ検出用パターン503の相対的位置ずれ量、つまりマゼンタおよびシアンの色ずれ量を認識することができる。
このようにして、本実施形態によれば第1のパターン311であるイエロー、マゼンタ、シアンの色ずれ検出用パターン501,502,503と、第2のパターン512を構成する黒のパターン505との相対的位置ずれ量、つまりイエロー、マゼンタ、シアンの色ずれ量を個別に目視によって容易に検出することができる。
(第4の実施形態)
これまでの実施形態では、副走査方向における色ずれのみを検出する場合の例について説明したが、主走査方向の色ずれを検出することも可能であり、また主走査方向および副走査方向の二方向の色ずれを検出することも可能である。
例えば、図4に示した4ドラム1パス方式の電子写真式カラープリンタでは、一般に紙送り方向つまり副走査方向の色ずれが大きいが、これと直角の方向(主走査方向)にも色ずれが生じる。特に、イエロー記録系405、マゼンタ記録系406、シアン記録系407および黒記録系408に個別のレーザビーム書込系を用いている場合には、色毎に主走査幅が異なることで主走査方向に色ずれが生じ、また各記録系の感光ドラムが平行でない場合にも、主走査方向に色ずれが生じることがある。これらの場合には、記録画像が斜めに歪んだ画像、つまりスキューが生じた画像となる。
本実施形態によると、色ずれ検出用パターンの単位パターンの方向を変えることで、主走査方向の色ずれを検出することが可能であり、また主走査および副走査両方向の色ずれを検出することも可能である。
図6は、このような主走査方向と副走査方向の色ずれを検出可能とした色ずれ検出用パターンを示している。本実施形態では、まず図6(a)に示すように第1のパターン611として、各々2組ずつのイエロー、マゼンタおよびシアンの色ずれ検出用パターンを記録する。
イエローの色ずれ検出用パターン601は、図3(a)に対して垂直方向のパターン、つまり副走査方向に延びた複数の直線をそれぞれ含み、主走査方向に位相を例えば1画素分ずつずらせた7個の単位パターンからなる周期パターンであり、主走査方向の色ずれ検出のために使用される。もう一つのイエローの色ずれ検出用パターン602は、図3(a)と同様の副走査方向の色ずれ検出のために使用されるパターンである。同様に、マゼンタパターン603およびシアンの色ずれ検出用パターン605は主走査方向の色ずれ検出に使用されるパターンであり、もう一つのマゼンタの色ずれ検出用パターン604およびシアンの色ずれ検出用ターン606は副走査方向の色ずれ検出に使用されるパターンである。
さらに、色ずれ検出用パターン601〜606を構成する各々の単位パターンの近傍に、それらの各単位パターンが中央の単位パターンの位置を基準(0)として主走査方向または副走査方向に何画素分ずれているかを−3〜+3の数字で表わす色ずれ量表示610を印字しておく。
次に、図6(b)に示すように第2のパターン612として、主走査方向にも副走査方向にも位相ずれのない同一の黒パターン608を第1のパターン611と重ね合わせて記録する。また、本実施形態では最も無彩色になったパターンを識別するために、第2のパターン612を記録する際、図6(a)の色ずれ検出用パターン601〜606の近傍の破線で示す領域607に対応する位置にも、黒の同一の周期パターンからなる参照パターン609を記録する。この参照パターン609を記録することで、最も無彩色に近いパターンを容易に見つけることができる。
すなわち、参照パターン609を参照して色ずれ検出用パターン601〜606の各々について無彩色に最も近い単位パターンを見い出し、その単位パターンに対応する位置の色ずれ量表示610の数字からパターン601〜606毎に、つまりイエロー、マゼンタおよびシアン毎に、黒パターン608に対する主走査方向および副走査方向の相対的位置ずれ量、つまりイエロー、マゼンタおよびシアン画像の主走査方向および副走査方向の色ずれ量を認識することができる。
このようにして、本実施形態によれば主走査方向および副走査方向の両方向について各色毎の色ずれ量を目視によって容易に検出することができる。
(第5の実施形態)
本実施形態は、記録紙の種々の位置での色ずれ量を検出できるようにしたものである。すなわち、図7に示すように例えばA4版その他の定型サイズの記録紙601の種々の位置に、図5に示した第1および第2のパターン511,512の重ね合わせパターンあるいは図6に示した第1および第2のパターン611,612の重ね合わせパターンからなる色ずれ検出用パターン702を色ずれ量表示(図示せず)と共に記録する。
色ずれ量は記録紙710上の位置によって異なるが、本実施形態のようにすると、記録紙701の複数個所に色ずれ検出用パターン702を記録することによって、それぞれの位置での各色パターンの色ずれ量を目視により検出することが可能となる。また、特に色ずれ検出用パターン702として図6の第1および第2のパターン611,612の重ね合わせパターンを記録すると、各位置での主走査方向および副走査方向の色ずれ量が検出可能であるため、2次元的に歪んだ形状の色ずれも検出することが可能となる。
(第6の実施形態)
ここでは、これまでの実施例で色ずれ検出用パターンとして使用した周期パターンについて説明する。色ずれ検出用の周期パターンは、自己相関が鋭いピークを持つパターンであることが望ましい。このようなパターンとしては、先に示してM系列(Maximum Iength sequence)パターンのみでなく、平方余剰系列(Quadratic residue sequence)(ルジャンドル系列(Legendre sequence)とも呼ばれる)や、双素数系列(Twin-prime sequence)、ホール系列(Hall sequence)、バーカ系列(Barker sequence)などが挙げられる。
これらのうち、M系列、バーカ系列、平均余剰系列について具体的なパターンを表1に示す。
Figure 2006048063
ここで、nは1周期当たりの画素数、C/Tは1周期当たりの色が重ならない画素の数(C)の比率である。
実用に際しては、この周期パターンには、(1) 色ずれ量の検出可能範囲が広いこと、具体的には周期の長い系列であること、(2) 色ずれによって大きく色の変化が生じること、すなわち1周期当たりのずれた時に色が重ならない画素の多いこと(Cが大きいこと)、(3) 目視で色ずれを検出することを考慮して、周期パターンにおいて色の付き具合が一様になること、すなわち0や1が多く連続しないこと、などが望まれる。
この3点から検討すると、M系列ではn=7,15,31程度が適切である。バーカ系列ではn=4,7,11が適切であり、他は不適当である。なお、バーカ系列のn=7はM系列、平均余剰系列と同一であり、またn=11は平均余剰系列と同一である。平均余剰系列ではn=7,11,19が適切である。
これらのパターンを実際に記録して確認した結果、適切と判断されたパターンの特徴として、色ずれを起こしたときの1周期(T)当たりの色が重ならない画素の数(C)の比率(C/T)が0.25以上であることが判明した。この値が小さいと色の付き方が少なくなり、目視での識別に不都合が生じる。また、ここで調査したパターンの周期は4画素以上、31画素以内である。実用上、31画素より大きい色ずれは、例えば600dpiの高精細記録でも1mm以上のずれとなるため、このようなパターンを使用しなくても目視で十分に色ずれを確認することが可能である。
(第7の実施形態)
カラープリンタでの色ずれ量を検出して、色ずれ補正のための補正値を得る目的からすれば、色ずれ検出用の周期パターンとしては第6の実施形態で述べた以上の長周期パターンは不要と考えられる。しかし、より大きな色ずれ量を正確に検出するには、色ずれ検出用パターンとしてさらに長周期のパターンを使用する必要がある。しかし、その場合にはパターンに0や1が多く連続する可能性がある。0や1の連続数が多い部分では、色ずれ量が小さいときにはほとんど色の変化が見えなくなってしまう。例えば、63画素周期程度の長周期パターンとなると、色の付き方が部分部分によって異なり、全体の色の付き方を判断することが困難となる。
そこで、本実施形態ではパターンが同一で位相をずらせた複数の色ずれ検出用パターンを用意して、これらを近接した位置に記録することで、全体の色の付き具合を判断するようにする。例えば、図3の単位パターン304に対応するパターンとして図8に示すパターン800を用意する。このパターン800は同一パターンで位相の異なる、つまり主走査方向にずれた4つの色ずれ検出用パターン801,802,803,804からなる。
例えば、図3で説明した第2の実施形態において、第1のパターン311における基準(0)となる中央の単位パターン304として、図8のパターン800を記録すると、図3の第1および第2のパターン311,312の重ね合わせパターンにおいて色ずれがない場合には4つのパターン801,802,803,804の全ての位置で無彩色、つまり色が付かないことになり、それによって色ずれの有無を検出できる。
このようなパターン800を色ずれ検出に用いることによって、極めて長周期の周期パターンを使用することが可能となり、より大きな色ずれを検出することができる。なお、パターン801,802,803,804の各々は、1周期以内の短いパターンであってもよい。1周期分までの色ずれ量を検出しようとする場合には、パターン800全体で1周期分を有していれば良い。
(第8の実施形態)
図9は、色ずれ検出用パターンとして、バーカ系列または平均余剰系列の周期11のパターンを用いたときの色ずれ量を横軸にとり、色ずれのないときのパターンの色(無彩色)からの色ずれが生じたときの色差をCIEのL*a*b*座標系での距離(色差距離という)rを縦軸にとって示す図であり、実線901は実測値である。一般に、色差距離rが5以上では色の違いは容易に識別可能であり、rが10以上になると別系統の色と判別されるほどの色の差があるとされている。図9の実線901では、どのような色ずれ量でも色差距離rは20以上あり、十分に色ずれの有無を識別することが可能である。
記録画点の滲みがなく理想的な場合には、色差距離rは色ずれ量に対して図9の破線902のように変化する。これに対して、実際には記録画点が滲むことによって滲みがない場合より30〜40%程度膨らむため、図9の実線901で示したように、色ずれ量によって色差距離rに変動が生じる。記録画像が高精細になるに従い、最小の記録画点が滲んで大きくなる傾向があるため、色ずれ量による色差距離rの変動がより大きくなるという問題がある。さらに、例えば解像度600dpi程度の一般のカラープリンタでは、白と黒の線幅を同一にするのが困難であり、しかも文字画像を力強く記録されることが要求されるため、黒の線幅の方を太く設計することが多い。
そこで、このような色ずれ量による色差距離rの変動を小さくするために、本実施形態では記録画点の1画点単位でなく複数画点、例えば2画点単位に1画素の0または1を割り当て、2倍の画素サイズで記録を行う。このようにすると、記録画点の滲みの影響は2つの記録画点の滲みが部分的に重なり合うことによって、1画点単位で記録を行った場合より極めて小さくなるため、色ずれ量に対する色差距離の変動が小さくなる。図9の一点鎖線903は、画素サイズを2倍にして記録した場合の色ずれ量に対する色差距離rの実測値を示したものであり、色差距離の変動が効果的に抑圧されていることが分かる。
なお、画素サイズを大きくすると色ずれ検出の感度が低下する。すなわち、2画素分の色ずれが生じたときにほぼ最終値に近い値まで変化する。従って、逆に色ずれ検出の感度が高すぎて一致したときの点の区別がしずらいときには、このように複数の画点を1画素の単位とすると良い。なお、2画素分までの色ずれ量と色差距離とはほぼ比例関係にあるので、色差距離から色ずれ量を推定することが可能となる。
このように本実施形態によると、記録画点の複数画点単位に1画素の0または1を割り当て、本来の複数倍の画素サイズで記録を行うことにより、色ずれ量による色差距離の変動を抑圧して、色ずれの有無をより確実に検出でき、また色ずれ量を2画素分までについては色差距離から推定することができる。
(第9の実施形態)
第8の実施形態で説明したような重ね合わせパターンにおける色差の程度から色ずれ量を検出する方法は、パターンの1周期内で複雑に色差変動が生じる場合には適していない。図10に示されるように、1周期内で0と1との変化点が1個所のみしか存在しない色ずれ検出用パターンを用いた場合には、色ずれ量に対する色差距離の関係は図11に示すような単峰の波形となる。このような場合には、例えば図8に示したような位相のずれた複数のパターン801,802,803,804を含むパターン800を用意し、これを例えば図3中の第1のパターン311中の基準となる単位パターン304として用いて第1および第2のパターン311,312が一致した点を検出しなくとも、第1および第2のパターンとの重ね合わせパターンの色差距離を測定することで、色ずれ量を検出することが可能となる。
図11の実線1101は、図10のパターン1001とパターン1002を先の実施形態と同様に重ね合わせて記録し、その重ね合わせパターンにおける色ずれのないときの色(無彩色)からの色差を各色ずれ量に対して記録し、実測した結果を示したものである。この図から分かるように、4画素分程度までの色ずれ量は、色差から推定することが可能である。しかしながら、色ずれの方向については区別することが付かない。
そこで、色ずれ検出用パターンとして図12に示されるように黒のみからなる参照パターン1200と、2つの重ね合わせパターン1201,1202を用意する。一方の重ね合わせパターン1201は、図11の実線1101のグラフに対応し、他方の重ね合わせパターン1202は、実線1101のグラフに対して2画素分だけ位置をずらせた破線1102のグラフに対応している。すなわち、重ね合わせパターン1201,1202は位相が例えば副走査方向、あるいは副走査方向および主走査方向にずれているものとする。これらの二つの重ね合わせパターン1201,1202にそれぞれ対応した色差距離の組合せによって、色ずれの方向がプラス方向かマイナス方向かの区別が可能となる。
(第10の実施形態)
第8および第9の本実施形態は色差距離で色ずれ量を検出するため、目視での色ずれ量の検出には適しておらず、検出器を用いて自動的に色ずれ量を検出する色ずれ検出装置を実現するのに適している。
図13および図14を用いて、本実施形態に係る色ずれ検出装置を説明する。図13に示すように、カラープリンタの紙排出位置に色差検出用のカラーセンサ1301を配置する。図4で説明した4ドラム1パス方式の電子写真式カラープリンタによって現像が行われた記録紙404が定着器1302を通って定着がなされた後、この色差検出用カラーセンサ1301の前面を通過する。
色差検出用カラーセンサ1301は、図14に示されるように、2つの照明用のLED1401,1402と1つの光検出器1403からなっている。LED1401は赤色を中心とした発光分布を有しており、LED1402は緑色を中心とした発光分布を有している。以下、LED1401を赤色LED、LED1402を緑色LEDという。これらの赤色および緑色LED1401,1042はLED駆動回路1404により駆動されて点灯し、記録紙404を照明する。光検出器1403は、LED1401,1042により照明された記録紙404からの反射光を検出して電気信号として出力するものであり、その出力信号は演算回路1405に入力される。演算回路1405は、光検出器1403の出力信号から演算によって色ずれ量を求めるものである。
一方、記録紙404には色ずれ検出用パターンとして、図15に示すようにシアン、マゼンタ、イエローの各々の色ずれ検出用パターン1501,1502,1503が例えば副走査方向に所定間隔で予め記録されている。シアン色ずれ検出用パターン1501は黒のみからなる参照パターン1510と、シアンの周期パターンと黒の周期パターンとの2つの重ね合わせパターン1511,1512からなり、マゼンタ色ずれ検出用パターン1502は黒のみからなる参照パターン1520と、マゼンタの周期パターンと黒の周期パターンとの2つの重ね合わせパターン1521,1522からなり、イエロー色ずれ検出用パターン1503は黒のみからなる参照パターン1530と、イエローの周期パターンと黒の周期パターンとの2つの重ね合わせパターン1531,1532からなる。黒、シアン、マゼンタおよびイエローの周期パターンは、同一パターンである。また、シアン、マゼンタおよびイエローの各々の2つの重ね合わせパターン1511,1512、1521,1522、1531,1532は、図12の2つの重ね合わせパターン1201,1202と同様に位相が例えば副走査方向、あるいは副走査方向および主走査方向にずれており、各々の色差距離の組み合わせによって色ずれの方向が分かるものとする。
本実施形態によると、以下のように記録紙404上のシアン、マゼンタおよびイエローのそれぞれについて色ずれ検出を自動的に行うことができる。
まず、シアンの色ずれ検出について説明する。LED駆動回路1404によって赤色LED1401と緑色LED1402を点灯し、最初に黒のみからなる参照パターン1510からの反射光を光検出器1403で検出し、この検出出力を次の重ね合わせパターン1511,1512からの反射光の検出出力の規格化に使用する。
次に、LED駆動回路1404により同様に赤色LED1401と緑色LED1402を順次点灯し、今度は重ね合わせパターン1511,1512からの反射光を光検出器1403で検出する。さらに、LED駆動回路1404により同様に赤色LED1401と緑色LED1402を順次点灯し、重ね合わせパターン1511,1512からの反射光を光検出器1403で検出する。ここで、色ずれがない場合には、重ね合わせパターン1511,1512は同一となる。
シアンに色ずれが生じた場合には、重ね合わせパターン1511,1512中にシアンが現れる。ここで、重ね合わせパターン1511,1512中のシアンは赤色LED1401による照明に対しては黒と同じであるため、色ずれ量に相応した分だけ重ね合わせパターン1511,1512の光反射率が低下するが、緑色LED1402による照明に対しては重ね合わせパターン1511,1512中のシアンは白と同じであるから、色ずれが生じても重ね合わせパターン1511,1512の光反射率は低下しない。従って、赤色LED1401による照明下での光検出器1403の出力と、緑色LED1402による照明下での光検出器1403の出力との差(色差出力)を演算回路1405で求めることによって、シアンの色ずれ量を検出することができる。
さらに、赤色LED1401および緑色LED1402が重ね合わせパターン1511を照明したときと重ね合わせパターン1512を照明したときとでは、色差出力の極性が異なり、しかもこの極性の組み合わせは色ずれの方向によっても異なるため、色差出力の極性の組み合わせから色ずれの方向を検出することができる。
次に、マゼンタの色ずれ検出について説明する。LED駆動回路1404によって赤色LED1401と緑色LED1402を点灯し、最初に黒のみからなる参照パターン1520からの反射光を光検出器1403で検出し、この検出出力を次の重ね合わせパターン1521,1522からの反射光の検出出力の規格化に使用する。
次に、LED駆動回路1404により同様に赤色LED1401と緑色LED1402を順次点灯し、今度は重ね合わせパターン1521,1522からの反射光を光検出器1403で検出する。さらに、LED駆動回路1404により同様に赤色LED1401と緑色LED1402を順次点灯し、重ね合わせパターン1521,1522からの反射光を光検出器1403で検出する。ここで、色ずれがない場合には、重ね合わせパターン1521,1522は同一となる。
マゼンタに色ずれが生じた場合には、重ね合わせパターン1521,1522中のマゼンタは赤色LED1401による照明に対しては白と同じであるから、色ずれが生じても重ね合わせパターン1521,1522の光反射率は低下しないが、緑色LED1402による照明に対しては重ね合わせパターン1521,1522中のマゼンタは黒と同じであるため、色ずれ量に相応した分だけ重ね合わせパターン1521,1522の光反射率が低下する。従って、この場合も赤色LED1401による照明下での光検出器1403の出力と、緑色LED1402による照明下での光検出器1403の出力との差(色差出力)を演算回路1405で求めることにより、マゼンタの色ずれ量を検出することができる。
さらに、赤色LED1401および緑色LED1402が重ね合わせパターン1521を照明したときと重ね合わせパターン1522を照明したときとでは、色差出力の極性が異なり、しかもこの極性の組み合わせは色ずれの方向によっても異なるため、色差出力の極性の組み合わせから色ずれの方向を検出することができる。
次に、イエローの色ずれ検出について説明する。LED駆動回路1404によって赤色LED1401と緑色LED1402を点灯し、最初に黒のみからなる参照パターン1530からの反射光を光検出器1403で検出し、この検出出力を次の重ね合わせパターン1531,1532からの反射光の検出出力の規格化に使用する。
次に、LED駆動回路1404により同様に赤色LED1401と緑色LED1402を順次点灯し、今度は重ね合わせパターン1531,1532からの反射光を光検出器1403で検出する。さらに、LED駆動回路1404により同様に赤色LED1401と緑色LED1402を順次点灯し、重ね合わせパターン1531,1532からの反射光を光検出器1403で検出する。ここで、色ずれがない場合には、重ね合わせパターン1531,1532は同一となる。
イエローに色ずれが生じた場合には、赤色LED1401による照明に対しても、緑色LED1402による照明に対しても、重ね合わせパターン1531,1532中のイエローは白と同様であるから、色ずれが生じても重ね合わせパターン1531,1532の光反射率はあまり低下しない。
そこで、重ね合わせパターン1531,1532としてはマゼンタを一様に記録した上にイエローの周期パターンを重ねて記録し、その上に黒の周期パターンを重ねて記録したものとして、マゼンタとイエローが重なった部分を赤とする。このようにすると色ずれが生じた場合、重ね合わせパターン1531,1532に赤が現れるので、色ずれ量に色ずれ量に相応した分だけ重ね合わせパターン1531,1532の光反射率が低下する。従って、この場合も赤色LED1401による照明下での光検出器1403の出力と、緑色LED1402による照明下での光検出器1403の出力との差(色差出力)を演算回路1405で求めることにより、イエローの色ずれ量をある程度の精度で検出することができる。イエローは、他のマゼンタやシアンに比較して明度が高い関係で、白との差が小さく感じられるため、多少色ずれの検出精度が悪くても許容される。
さらに、赤色LED1401および緑色LED1402が重ね合わせパターン1531を照明したときと重ね合わせパターン1532を照明したときとでは、色差出力の極性が異なり、しかもこの極性の組み合わせは色ずれの方向によっても異なるため、色差出力の極性の組み合わせから色ずれの方向を検出することができる。
このように本実施例によれば、少なくとも赤色および緑色の2色のLEDと光検出器からなるカラーセンサを用いて色差を求めることで、シアン、マゼンタおよびイエローの色ずれ量をその方向と共に検出することが可能となる。
なお、本実施形態では色ずれ検出のための光源に2色のLEDを用いたが、多少コストアップにはなっても青色LEDを併用してもよいことは上述の説明から明らかであり、またカラーセンサを用いてもよいことはもちろんである。
さらに、本実施形態では記録紙404の上に記録した色ずれ検出用パターンから色ずれ量を検出したが、搬送/転写ベルト401に色ずれ検出用パターンを記録しておいてもよい。この場合、色ずれ検出およびそれに基づく色ずれ補正の終了後、搬送/転写ベルト401上の色ずれ検出用パターンをクリーニングにより除去すればよい。
(第11の実施形態)
第10の実施形態では、色ずれ検出のために専用のカラーセンサを用いたが、本実施形態では一般的なカラーセンサ(カラースキャナ)が接続されたカラープリンタもしくはカラー複写機のように、予めカラースキャナが接続されているカラー画像記録システムでの色ずれ検出について説明する。
図16は、本実施形態に係るカラー画像記録システムの構成を示すブロック図である。カラープリンタ部1601から出力されたカラーチャート画像をカラースキャナ部1602に入力し、カラースキャナ部1602で色ずれ検出用の重ね合わせパターンを読み取って得られたデータを計算部(CPU)1603に入力して色ずれ量を検出し、その色ずれ検出値をカラープリンタ部1601にフィードバックすることで、カラープリンタ部1601内に備えられた色ずれ補正回路により色ずれ補正を行うシステムである。
このようなシステムでは、色ずれ量を安定かつ高精度に検出することが要求されるため、第1〜第7の実施形態と同様な手法によって色ずれ検出を行う。すなわち、重ね合わせパターンが有彩色か無彩色かにより色ずれの有無を検出する方式を採用し、重ね合わせパターンとしても第1〜第7の実施形態と同様のパターンを使用する。
ところで、色ずれによって重ね合わせパターンに色付きが生じる部分は、白黒の変化点から始まるので、M系列などの周期パターンでは必ずしも一様にパターンに色付きが始まるわけではない。一方、図16のようなシステムでは、例えば600dpiといった高解像度のカラースキャナ部1602で重ね合わせパターンを読み取ることになるので、読み取った信号そのものでは色付きの有無を検出することが困難となる。
しかし、色ずれ検出のための重ね合わせパターンは周期パターンであり、その周期は既知であるから、この周期パターンの周期で、カラースキャナ部1602が読み取った信号を平均化して色ずれ検出を行えば、図9に示された色差距離rを容易に計算することが可能となる。また、色差距離rの計算精度を確保するために、黒のみからなる参照パターン、例えば図6中の参照パターン609を基準に色差距離rを計算すれば、安定かつ正確に色差を求めることが可能となる。
なお、以上の説明では黒の周期パターンと他の有彩色の周期パターンとの重ね合わせパターンを用いて色ずれを検出している。この場合、黒画素と色画素が重なった部分では黒となり、その他の部分ではそれぞれの画素の色、つまり色画素と白が重なった部分では色画素の色、黒画素と白が重なった部分では黒となる。従って、重ね合わせパターンにおいて色ずれがない場合には黒、色ずれがある場合にはその画素に色付きが生じることで、極めて容易に位置ずれを検出することが可能である。
しかし、このように黒の周期パターンを用いずに、例えばイエローとマゼンタの色ずれ量を測定することはあまり容易ではない。イエローとマゼンタとの色ずれ量を検出する場合には、イエローとマゼンタとの重なりの色と、併置に配色された色との差となる。一般に透明度の高い色では、この差が比較的小さく、目視では極めて注意深く観察しなければ、その差を認識できない。従って、イエローとマゼンタとの色ずれを直接検出することは適切ではない。
イエローとマゼンタとの色ずれを検出するのに最も容易な方法は、黒との色ずれをそれぞれの色で検出した後、計算で求める方法であるが、黒インクを有しないカラープリンタでは、黒との色ずれを直接検出できない。そこで、イエロー、マゼンタ、シアンのインクを重ね合わせて擬似的に黒インク相当のパターンを発生させ、この黒インク相当のパターンとイエロー、マゼンタとの色ずれ量を検出すればよい。
(第12の実施形態)
第1〜第11の実施形態では、色ずれ検出用のパターンとして周期パターンを使用したが、非周期パターンを用いても色ずれ検出を行うことが可能である。非周期パターンとしては、例えば誤差拡散パターンが適当である。
図17は、400dpiの一般的な2値誤差拡散法により発生した非周期パターンからなる黒および有彩色のパターンの重ね合わせパターンを用いた場合の色ずれ量と色差距離rの関係を示したものである。同図に示されるように、周期パターンを用いた場合と異なり、色ずれ量が0となる位置は黒のパターンと有彩色のパターンとが一致する一点のみとなる。
また、誤差拡散パターンは2次元的なパターンであるため、主走査方向および副走査方向の両方の色ずれが同時に検出される。そこで、この場合には図18に示されるように主副両走査方向の±2画素の範囲の色ずれの組み合わせに対応した5×5の色ずれ検出用パターンを使用すればよい。
(第13の実施形態)
第1〜第12の実施形態では、色ずれ検出用の重ね合わせパターン構成する黒のパターンと有彩色のパターンを同一パターンとしたが、両パターンを異ならせてもよい。
今、ちょうど1/2画素分の色ずれが生じた場合について考えると、図9の実線901で見られるように、色差距離rは15弱程度となり、目視で色ずれを識別するには十分であるが、1画素分の色ずれにおける色差距離と比較すると顕著な差はない。そこで、本実施形態では図19に示すように有彩色のパターン1901の線幅を黒のパターン1902の線幅(画素幅)の略1/2とする。このようにすると、±1/2画素分の色ずれが生じた場合には、重ね合わせパターンに色付きが生ぜず無彩色のままとなり、色差距離rは0となるので、1画素分以上の色ずれとの差が明確に現れる。
このように本実施形態では±1/2画素分までの色ずれに対しては色差が生じないような不感領域を設けることで、色ずれの有無の識別をより容易に行うことができる。
以上説明したように、本発明によれば色の異なる第1のパターンと第2のパターン、例えば無彩色からなるパターンと有彩色からなるパターンを両パターンの相対的位置ずれがない時とある時とで重ね合わせパターンの色の現れ方、具体的には無彩色のみからなるパターンとなるか有彩色を含むパターンとなるか、あるいは色差が相対的位置ずれに応じて変化するように重ね合わせて記録することによって、色ずれの有無を容易に目視で検出可能とすることができる。
また、第1のパターンおよび第2のパターンの一方を同一パターンかつ同一位相の複数の単位パターンで構成し、他方を同一パターンかつ位相が順次ずれた複数の単位パターンで構成することによって、色ずれ量に応じて色彩の現れ方の異なる単位パターンの位相、すなわち無彩色のみの単位パターンあるいは色差のない単位パターンが変化することで色ずれの有無のみでなく、色ずれ量をも容易に目視で検出可能とすることができる。
さらに、色ずれの有無や色ずれ量に応じて重ね合わせパターンの色差が変化するような無彩色および有彩色からなる第1および第2のパターンを重ね合わせて記録し、その色差を光学的に検出するか、この重ね合わせパターンをカラー読み取り手段によって読み取った出力を周期パターンの周期で平均化することによって、色ずれの有無や色ずれ量を検出器の立ち上がり特性に依存することなく、しかももノイズの影響を受けることなく安定で高精度に自動的に検出することができる。
第1の実施形態に係る色ずれ検出用の第1および第2のパターンとその重ね合わせパターンを示す図。 同実施形態における1周期当たりの色ずれ量に対する参照パターンと重ならない有彩色の画素数の比率との関係を示す図。 第2の実施形態に係る色ずれ検出用の第1および第2のパターンを示す図。 第3の実施形態を説明するための4ドラム1パス方式の電子写真式カラープリンタの記録系を模式的に示す図。 同実施形態に係る色ずれ検出用の第1および第2のパターンを示す図。 第4の実施形態に係る色ずれ検出用の第1および第2のパターンを示す図。 第5の実施形態に係る記録紙面上の位置ずれ検出用パターンの配置を示す図。 第7の実施形態に係る長周期の色ずれ検出用パターンを構成する移相のことなるパターンの配置を示す図。 第8の実施形態における色ずれ検出用パターンに周期11の周期パターンを使用したときの色ずれ量に対する色差距離の計算値と実測値および画点の滲みの影響を軽減した場合の値を示す図。 第9の実施形態に係る色差の量から色ずれ量を検出するための色ずれ検出用のパターンを示す図。 同実施形態における色ずれと色差距離との関係を示す図。 同実施形態における色ずれの方向を識別する方法を説明するための図。 第10の実施形態に係る色ずれ検出装置の構成を説明するための図。 同実施形態におけるカラーセンサの構成を示す図。 同実施形態に係る色ずれ検出用パターンを示す図。 第11の実施形態に係るカラー画像記録システムの構成を示す図。 第12の実施形態に係る誤差拡散法により発生した非周期パターンを色ずれ検出用パターンとして用いたときの色ずれ量と色差距離の関係を示す図。 同実施形態における色ずれ検出用パターンの2次元配置を示す図。 第13の実施形態に係る不感領域を有する色ずれ検出用の第1および第2のパターンを示す図。
符号の説明
101…第1のパターン、102…第2のパターン、103…重ね合わせパターン、301〜307…第1のパターンの単位パターン、308…第2のパターンの単位パターン、309…色ずれ量表示、311…第1のパターン、312…第2のパターン、401…搬送/転写ベルト、402,403…駆動用ローラ、404…記録紙、405〜408…記録系、501…イエローの色ずれ検出用パターン、502…マゼンタの色ずれ検出用パターン、503…シアンの色ずれ検出用パターン、505…黒のパターン、506…黒の参照パターン、507…色ずれ量表示、511…第1のパターン、512…第2のパターン、601…イエローの主走査方向色ずれ検出用パターン、602…イエローの副走査方向色ずれ検出用パターン、603…マゼンタの主走査方向色ずれ検出用パターン、604…マゼンタの副走査方向色ずれ検出用パターン、605…シアンの主走査方向色ずれ検出用パターン、606…シアンの副走査方向色ずれ検出用パターン、608…黒のパターン、609…黒の参照パターン、610…色ずれ量表示、611…第1のパターン、612…第2のパターン、701…記録紙、702…色ずれ検出用パターン、1200…参照パターン、1201…重ね合わせパターン、1202…重ね合わせパターン、1301…カラーセンサ、1302…定着器、1401…赤色LED、1402…緑色LED、1403…光検出器、1501…シアンの色ずれ検出用パターン、1502…マゼンタの色ずれ検出用パターン、1503…イエローの色ずれ検出用パターン、1510,1520,1530…参照パターン、1511,1512,1521,1522,1531,1532…重ね合わせパターン、1901…有彩色パターン、1902…黒のパターン。

Claims (4)

  1. 複数色の画像を記録するカラー画像記録装置における各色の画像間の相対的位置ずれを検出するための記録方法であって、
    第1の色と第2の色と同一のパターンを重ね合わせて記録し、前記両者の相対位置がほぼ一致する近傍では重なる画素数が大きく変化、すなわち自己相関が鋭いピークを持ち、さらに前記両者の相対位置がずれた時に1周期当たりの色が重ならない画素が多い周期パターンで形成されたことを特徴とする色ずれ検出のための記録方法。
  2. 前記周期パターンは、M系列(Maximum Length sequence)パターン、平方余剰系列(Quadratic residue sequence:ルジャンドル系列(Legendre sequence)とも呼ばれる)パターン、双素数系列(Twin-prime sequence)パターン、ホール系列(Hall sequence)パターン、バーカ系列(Barker sequence)パターンであることを特徴とする請求項1に記載の色ずれ検出のための記録方法。
  3. 複数色の画像を記録するカラー画像記録装置における各色の画像間の相対的位置ずれを検出するための記録方法であって、
    第1の色と第2の色と同一のパターンを重ね合わせて記録し、各色の画像間の相対位置がほぼ一致する近傍では重なる画素数が大きく変化、すなわち自己相関が鋭いピークを持ち、さらに前記両者の相対位置がずれた時に1周期当たりの色が重ならない画素が多い周期パターンで形成された黒パターンと、マゼンタまたはイエローまたはシアンの色パターンとを重ね合わせて記録し、両パターンの相対的位置ずれがない時はグレーのみからなる重ね合わせパターンとなり、相対的位置ずれがある時はマゼンタまたはイエローまたはシアンの色を含む重ね合わせパターンとなることを特徴とする色ずれ検出のための記録方法。
  4. 相対的位置ずれに応じて重ね合わせパターンの色差が変化するように、各色の画像間の相対位置がほぼ一致する近傍では重なる画素数が大きく変化、すなわち自己相関が鋭いピークを持ち、さらに前記両者の相対位置がずれた時に1周期当たりの色が重ならない画素が多い周期パターンで形成された黒パターンと、マゼンタまたはイエローまたはシアンの色パターンとを重ね合わせて記録する記録手段と、
    この手段により記録された重ね合わせパターンの前記色差を光学的に検出することにより、前記黒色パターンと前記マゼンタまたはイエローまたはシアンの色パターンの相対的位置ずれを検出する色ずれ検出手段と、
    を有することを特徴とする色ずれ検出装置。
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