JP2006047328A - 超音波探傷方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】1つの探触子で斜角探傷と垂直探傷とを実施することができ、探触子をより溶接部へ接近させて微小疵も検出することができる超音波探傷方法を提供する。
【解決手段】くさび3の頂点よりにある16個の超音波振動子4aからなる超音波送受信寄与振動子群により垂直探傷を実施する。得られた垂直探傷時の探傷ゲート内のエコー強度を予め設定した強度レベルに合致させ、増幅度を調整した上で、鋼管1の内面、肉厚中央及び外面につき斜角探傷を実施する。斜角探傷時に得られるエコー強度が疵評価器12により所定のしきい値と比較され、しきい値以上であれば疵があると判断される。
【選択図】図7

Description

本発明は、被検査材の溶接部を探傷する超音波探傷方法に関する。
溶接鋼管等の溶接部には溶接方法及び条件により様々な疵が発生し、溶接部の品質低下の原因となっている。このため、X線及び超音波を用いた非破壊検査が行われている。X線はピンホール及びスラグ巻き込み等の点状疵を容易に検出することができ、検査実績も多いが、能率が低い、設備コストが高い等の問題点がある。
このため、サブマージドアーク溶接(SAW)鋼管においては、超音波探傷を行い、疵有りと判定された部位及び両管端部のみにX線検査を実施している。超音波探傷は、割れ疵及び融合不良等面状疵を検出するのに適した方法であり、検査能率、設備コストの面からX線検査より優れているので、両管端数10mmの部分を除き、溶接部全面の検査を担っている。
一例として、SAW鋼管の製造工程におけるオンライン自動探傷方法の概略が非特許文献1(「溶接鋼管の超音波探傷法」鉄鋼協会品質管理部会(NDI部門)編、1999年2月22日発行)の4.4.1〜4.4.3(pp60〜62)に記載されている。同技術は、縦方向疵、横方向疵それぞれについて内面疵、外面疵検出用の複数の探触子を配置し、溶接部に発生する様々な疵を見逃すことなく検出できるようにしたものである。この場合、疵を見逃さないために、管の長手方向の各位置において前記探触子群で送受信する超音波ビームが溶接部全断面をカバーしている必要性がある。
超音波探触子で送受信される超音波ビームは、探傷周波数及び振動子径等によって規定される指向角で拡散しながら材料中を伝搬する。
図11は、管軸方向疵検査用探触子のKフォーム配置及び超音波伝搬挙動を示す模式図であり、図中1は鋼管である。鋼管1は溶接部2を有しており、鋼管1の外表面には、内面疵用探触子23が溶接部2から0.5スキップの位置に、外面疵用探触子24が1.0スキップの位置に配置されている。
この内面疵用探触子23及び外面疵用探触子24を用いた場合、溶接部2の中央部の超音波ビーム強度が弱くなり、疵検出能が低下する。すなわち、図11に示したように、溶接部2の中央部に探傷感度不足域Aが発生する。この傾向は厚肉材ほど顕著になる。
従って、前記非特許文献1記載の技術では鋼管探傷における探触子設定例(非特許文献1:表4.11、p65)に記載されているように、厚肉材では溶接部2から1.0スキップ以上の距離に2個の探触子を設置するよう推奨している。
図12は、前記推奨位置に配置された管軸方向疵検査用探触子の配置及び超音波伝搬挙動を示す模式図であり、図中1は鋼管である。鋼管1の外表面には、内面疵用探触子23が溶接部2から1.5スキップの位置に、外面疵用探触子24が1.0スキップの位置に配置されている。図12においては、探傷感度不足域が発生していない。これは、伝搬距離が長くなるのに従い、超音波ビームが拡散することを利用したものであるが、伝搬距離が長くなるのに比例して単位面積当たりの超音波ビーム強度が低下するので、疵からの反射エコー強度も低下し、疵エコーがノイズ信号に埋没する虞がある。
前記課題を解決するために、本願発明者等は、特許文献1(特開2002−71648号公報)にて、探触子の数を低減しつつ、溶接部の全断面にわたって精度良く内在疵を検出することができる超音波探傷方法を提案した。これは、複数の超音波振動子を含むアレイ探触子を円弧曲面状のくさびを介して被検査材に配置し、複数の超音波振動子を1つのグループとする振動子群を順次切り替えることで超音波ビームの探傷屈折角度を変えて、被検査材を走査する方法である。
ところで、オンライン超音波探傷方法としては、特許文献2(特公昭51−39555号公報)に記載されているように、鋼管の溶接部を常時監視し、溶接部の真上からのずれを検出して、探触子を常に溶接部から所定位置に配置できるようにしながら、鋼管を直線搬送しつつ探傷する方法が採用されている。ここで、溶接部位置の検出は、接触式の検出針を溶接部を挟む両側に接触させ、両者の変位量の差に基づくずれ量を検出することにより行っている。
しかし、この方法では、鋼管が真円でないと正確な検出ができないという問題があり、最近では渦電流が材質により変化する特性を利用して、溶接部材質変化を検出する渦電流式又は外削バイトによる光沢変化をCCDカメラで検知する光学式の溶接部検出器等が用いられている。このシーム検出及び倣いに関する詳細は前記非特許文献1の4.5(pp69〜76)に記載されている。
また、オンラインにおける自動超音波探傷装置においては、前記非特許文献1のpp76〜77に記載されているように、探傷結果の信頼性を確保するために、カップリングチェック機能を有している。
図13は、UOE鋼管の溶接部に適用する超音波探傷装置を示す断面図である。鋼管1は溶接部2を有しており、鋼管1の外表面にはくさび17が配置されている。くさび17は斜面と水平な上面とを有しており、斜面には斜角探触子14が、上面にはカップリングチェックのための垂直探触子15が配置されている。斜角探触子14の上方には斜角探触子14の動作チェックのための受信探触子16が配置されている。斜角探触子14及び垂直探触子15が受信したエコー信号は夫々、検出器21及び22に与えられる。この探傷装置においては、垂直振動子15が受信した鋼管1の裏面のエコー強度の変化に基づき自動的に斜角探触子14の探傷感度を補正すべくなしてある。
特開2002−71648号公報 特公昭51−39555号公報 「溶接鋼管の超音波探傷法」鉄鋼協会品質管理部会(NDI部門)編、1999年2月22日発行
上述した超音波探傷方法は、以下の課題を有する。
まず、溶接部中心位置の検出方法において、渦電流式の場合、溶接部の材質変化以外に溶接部との距離変動(溶接部の形状変化)等により影響を受けるので、渦電流の最大変化点が溶接部上にあるとは限らないという問題がある。また、光学式の場合も同様に、外削バイトの光沢変化以外に表面光沢変化の影響も受けるという問題がある。このように、溶接部中心位置の検出方法には夫々短所があり、検査員が手動介入してシーム倣いを補正する必要も生じる。
そして補正した場合でも、油圧及びサーボモータ等を使ったシーム倣い制御の反応遅れ等を考慮すると、シーム倣い精度は、±1〜5mm程度となる。シーム倣い精度がどの程度要求されるかは、検出すべき疵の寸法、探触子及び溶接部間距離、屈折角度等によって変化するが、良好な探傷再現性を確保するには、一般的には±2mm以下の倣い精度が必要とされている。現状のシーム検出及び倣い制御においては、オンラインで常時、この要求性能を満たすのは困難であるという問題がある。
一方、カップリングチェック機能に関しては、探傷用の斜角探触子14以外に感度補正用の垂直探触子15を併設する必要があり、装置全体の寸法が大きくなるという問題がある。装置の寸法が大きくなると、例えば斜角探触子14が溶接ビードと接触するために、内面疵を0.5スキップでは検査できず、1.5スキップで検査することになる。斜角探触子14が溶接部2から離れるに従い超音波ビームは拡散するので、肉厚方向に広い範囲をカバーすることができるが、微小疵については検出が困難になるという問題がある。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、予め探触子から超音波ビームを屈折角度略0度で送信し、探触子が受信したエコー信号の強度に基づいて探傷の感度補正を行う過程を含むことにより、斜角探傷用の探触子がカップリングチェック機能も有することになり、探触子が1つで済むので超音波探傷装置としての寸法が小さくなり、探触子を溶接部へより接近させて微小疵も探傷することができる超音波探傷方法を提供することを目的とする。
そして、本発明は、溶接部の内面近傍、厚さ方向中央部及び外面近傍を特定して探傷することにより、疵が発生し易い位置を効率的に探傷することができる超音波探傷方法を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、複数の探触子を用い、溶接部の厚さ方向の複数の異なる位置を各別に探傷することにより、疵の検出感度が良好であり、さらに探傷再現性が良好になる超音波探傷方法を提供することを目的とする。
第1発明の超音波探傷方法は、複数の異なる屈折角度で探傷し得る探触子を被検査材上に配置し、該探触子から超音波ビームを所定の屈折角度で被検査材の溶接部の厚さ方向の所定位置へ送信し、前記探触子が受信したエコー信号に基づいて探傷する超音波探傷方法において、予め前記探触子から超音波ビームを屈折角度略0度で送信し、前記探触子が受信したエコー信号の強度に基づいて探傷の感度補正を行う過程を含むことを特徴とする。
第1発明においては、1つの探触子で垂直探傷と斜角探傷とを行うことができ、垂直探傷時に得られた被検査材の裏面からのエコー強度に基づき斜角探傷を行う場合の感度補正を行うことができる。従って、斜角探傷用の探触子がカップリングチェック機能も有することになり、探触子が1つで済むので、超音波探傷装置としての寸法が小さくなり、探触子を溶接部へより接近させて微小疵も検出することができる。
第2発明の超音波探傷方法は、第1発明において、前記所定位置は、前記溶接部の内面近傍及び外面近傍であることを特徴とする。
第3発明の超音波探傷方法は、第1発明において、前記所定位置は、前記溶接部の内面近傍、厚さ方向中央部及び外面近傍であることを特徴とする。
第2及び第3発明においては、疵が発生し易い位置を特定することで効率的に探傷することができる。
第4発明の超音波探傷方法は、第1発明において、複数の探触子により、前記溶接部の厚さ方向の複数の異なる被探傷位置を各別に探傷することを特徴とする。
第4発明においては、疵の検出感度が良好であり、さらに探傷再現性が良好になる。また、各探触子が斜角探傷と垂直探傷とを実施することができる。
第5発明の超音波探傷方法は、第4発明において、前記複数の異なる位置は、前記溶接部の内面近傍及び外面近傍であることを特徴とする。
第6発明の超音波探傷方法は、第4発明において、前記複数の異なる位置は、前記溶接部の内面近傍、厚さ方向中央部及び外面近傍であることを特徴とする。
第5及び第6発明においては、疵が発生し易い位置を特定することで効率的に探傷することができる。
本発明によれば、1つの探触子で垂直探傷と斜角探傷とを行うことができ、垂直探傷時に得られた被検査材の裏面からのエコー強度に基づき斜角探傷を行う場合の感度補正を行うことができる。従って、斜角探傷用の探触子がカップリングチェック機能も有することになり、探触子が1つで済むので、超音波探傷装置としての寸法が小さくなり、探触子を溶接部へより接近させて微小疵も検出することができる。
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に適用する超音波探傷装置を示す模式図であり、図中1は鋼管である。鋼管1は溶接部2を有しており、鋼管1の溶接部2側方の外表面には、アクリル、ポリスチロール樹脂等の樹脂製で扇形状のくさび3(曲率50mm×幅15mm円筒の1/4)が配置されており、くさび3の外周面上には複数個の超音波振動子4a(長さ1mm×幅10mm)からなるアレイ探触子4が配設されている。超音波振動子4aとしては、ニオブ酸鉛系磁器、チタン酸鉛系磁器、及びニオブ酸リチウム系磁器等の圧電振動子、又は前記磁器系圧電振動子とエポキシ樹脂等の樹脂とを複合させたコンポジット圧電振動子を用いる。この実施の形態においては、アレイ探触子4は64CHからなり、頂点側が第1CH、90°側が第64CHである。
配設された各超音波振動子4aには、それぞれパルサ5及び送信用遅延素子6、並びにレシーバ7及び受信用遅延素子8が接続されている。この実施の形態においては、受信用遅延素子8としてアナログ遅延線が使用されている。超音波振動子4aは、対応するパルサ5により駆動され、各パルサ5の動作タイミングは、送信用遅延素子6により決定されるようになしてある。
各送信用遅延素子6は屈折角度制御器9に接続されている。屈折角度制御器9は、予め設定された数の超音波振動子4aを1つのグループとする超音波送受信寄与振動子群を選択する回路と、前記グループを切り替える回路と、グループの各超音波振動子4aを駆動するタイミングを各パルサ5に与える回路と、送信用遅延素子6及び受信用遅延素子8に遅延時間を与える回路とを備えている。
屈折角度制御器9により、超音波送受信寄与振動子群が選択され、選択された各超音波振動子4aに対し、対応する送信用遅延素子6によって、各超音波振動子4aを駆動するタイミングに、屈折角度制御器9により制御された遅延時間を加算したタイミングが各パルサ5に与えられる。前記タイミングでパルサ5により送信電圧を印加することにより、振動子4aから鋼管1中に超音波ビームが送信される。
疵エコー等の受信は以下のようにして実施される。
選択された超音波送受信寄与振動子群の各超音波振動子4aに受信された信号は、レシーバ7に入力される。レシーバ7に入力された信号は、受信用遅延素子8が屈折角度制御器9により制御された遅延時間を与えられて、加算器10へ出力される。
受信信号は、加算器10により合成され、増幅器11により評価に必要な信号レベルまで増幅される。増幅された信号値は、疵評価器12により予め決められたしきい値と比較されて、疵の有無が評価される。
本実施の形態に係る超音波探傷装置においては、超音波ビーム形成に寄与する、例えば16個の超音波送受信寄与振動子群を所定間隔で順次切り替えて走査することにより、鋼管1に入射する角度を変えて、溶接部2の内面、肉厚中央部及び外面を探傷することができる。
図1においては、内面側を0.5スキップで探傷し、外面側(アレイ探触子4設置側)を1.0スキップで探傷しているビームの状態を示しているが、鋼管1の肉厚方向の中央部も0.75スキップで探傷している。
本実施の形態においては、下記の遅延を与えた。なお、遅延時間の単位はいずれもnsである。
CH1 :170、 CH2 :130、
CH3 : 90、 CH4 : 60、
CH5 : 35、 CH6 : 20、
CH7 : 5、 CH8 : 0、
CH9 : 0、 CH10: 5、
CH11: 20、 CH12: 35、
CH13: 60、 CH14: 90、
CH15:130、 CH16:170
超音波送受信寄与振動子群を順次切り替えるときも、これらの送受信遅延時間は同一パターンで与える。すなわち、両端の超音波振動子4aには常に中央部の超音波振動子4aに対して170ns程度の遅延を与える。
本実施の形態においては、溶接部2の片側から1つの探触子(溶接部2の両側から2個)を用いて、溶接部2からアレイ探触子4までの距離を一定に保ちながら、溶接線方向に直線走査するだけで、溶接部2の全断面を高精度に探傷することができる。そして、比較的小さな送受信遅延を与えるだけで肉厚方向の各深さで超音波ビームを集束することができ、溶接部2の全断面で微小疵の検出が可能となる。
本実施の形態においては、内面、肉厚方向中央部及び外面と、3つの位置について探傷するが、各位置で探傷するための探傷屈折角度を±数度変角した屈折角度においても探傷を実施する。
この変角の範囲は、シーム倣い制御の誤差、鋼管1の外径及び肉厚等の情報に基づき屈折角度制御器9により算出され、この変角に必要とされる超音波送受信寄与振動子群の切り替え走査範囲が決定される。
本実施の形態においては、半径50mmの円弧状くさび3上に1mmピッチで超音波振動子4aが並設されているので、超音波振動子4aを並設方向に1つずらすと略1.2度、入射角度が変角する。
図2は、探傷屈折角度を変角した場合の超音波伝搬挙動を示す図である。屈折角度を60度±4度で変角するためには、入射角度を47度±2.5度変角すればよい。従って、屈折角度を60度にする場合の超音波送受信寄与振動子群が20CH〜35CHであるとすると、これから超音波振動子4aをその並設方向に±2振動子ずつずらし超音波送受信寄与振動子群、すなわち18CH〜33CH、及び22CH〜37CHの超音波送受信寄与振動子群も励振して探傷し、1つの探傷屈折角度につき計3回探傷する。なお、間に±1振動子ずつずらした探傷も加え、計5回探傷することにしてもよい。
他の探傷屈折角度についても、各探傷屈折角度に対応する超音波送受信寄与振動子群をその並設方向に±2振動子ずつずらした超音波送受信寄与振動子群も励振して探傷し、計3回探傷を実施する。
図3は、外径1016、肉厚1mmのUOE鋼管1の溶接部2に加工した外径1.6mmのドリルホールからのエコー強度がシーム倣い誤差によりどの程度変化するかを示したグラフである。
10回の繰り返しテストにおいて、故意に計4回シーム倣い精度を悪化させた。
図3より屈折角度を変角させることにより、シーム倣い精度が悪化しても疵エコー強度の低下を抑制できることが判る。
以上のように、本実施の形態においては、シーム倣い誤差が生じた場合でも、変角範囲のいずれかの屈折角度における探傷により検出すべき疵を捉えることができ、探傷再現性が向上する。
図4は、本実施の形態に適用する他の超音波探傷装置を示す模式図であり、図中、図1と同一部分は同一符号で示してある。
この超音波探傷装置においては、くさび3の形状は、曲率200mmRの円柱の一部を切り取った形状をなしており、溶接部2側の端面(超音波ビーム進行側)をこれと反対側の端面より大きくしてある。その結果、送受信遅延時間を与えなくても、鋼管1中のビーム路程で略45mmの位置に集束するようになっている。くさび3の溶接部2側の端面には、くさび3内部の乱反射を抑制するための吸音材13が張り付けられている。
この超音波探傷装置においても、探傷屈折角度を変角させることにより、シーム倣い精度が悪化しても疵エコー強度の低下を抑制できることが確認された。
従って、シーム倣い誤差が生じた場合でも、変角範囲のいずれかの屈折角度における探傷により検出すべき疵を捉えることができ、探傷再現性が向上する。
実施の形態2.
図5は、実施の形態2に適用する超音波探傷装置を示す模式図であり、図中、図1と同一部分は同一符号を付してある。この超音波探傷装置においては、くさび3は断面の形状が直角三角形状であり、溶接部2側の端面(超音波ビーム進行側)をこれと反対側の端面より大きくしてある。そして、くさび3の斜面上に、64CHからなるアレイ探触子4が配置されている。くさび3の溶接部2側の端面には、くさび3内部の乱反射を抑制するための吸音材13が張り付けられている。
実施の形態1においては、超音波送受信寄与振動子群を順次切り替えることにより探傷屈折角度を変角しているが、本実施の形態においては、選択した超音波送受信寄与振動子群の各超音波振動子に与える超音波ビームの送受信の遅延時間を制御して探傷することにより、複数の探傷屈折角度で探傷を実施する。従って、本実施の形態においては、超音波送受信寄与振動子群の切り替え走査をすることなく、鋼管1の内面、外面及び中央位置に発生する縦方向疵を1つのアレイ探触子4で検出することが可能である。
本実施の形態においては、選択した超音波送受信寄与振動子群に与える各遅延時間に所定量の時間を夫々加減して探傷することにより、探傷屈折角度を±数度の変角で探傷する。
図6は、基準入射角度を±1.2度及び2.5度変角させる場合夫々について、各超音波振動子4aのCH番号と該CH番号の超音波振動子4aに与える送受信遅延時間とを示すグラフである。各変角範囲につき、各超音波振動子4aに、図6に示す送受信遅延時間を基準屈折角度の送受信遅延時間に加算して与え、励振して超音波ビームを送受信する。
本実施の形態においても、シーム倣い誤差が生じた場合でも、変角範囲のいずれかの屈折角度における探傷により検出すべき疵を捉えることができ、探傷再現性が向上する。
実施の形態1の場合、屈折角度変角の範囲は、比較的広く設定することが可能であるが、屈折角度変角のピッチは、並設された超音波振動子4aのピッチとくさび3の曲面の形状とにより決定されるので、任意には設定できない。一方、本実施の形態の遅延時間制御による屈折角度変角においては、くさび3の形状を選ばず、任意の変角ピッチが設定可能であるが、広い屈折角度変角範囲を設定するのは、各屈折角度による感度ばらつき及びサイドローブ出現があるので困難である。
探傷屈折角度の変角を超音波送受信寄与振動子群の切り替え走査で行うか、遅延時間の制御で行うかは、くさび3及びアレイ探触子4の形状並びに屈折角度変角範囲等を考慮して判断する。
実施の形態3.
図7は、実施の形態3に適用する超音波探傷装置を示す模式図であり、図中、図1と同一部分は同一符号を付してある。
本実施の形態においては、まず、くさび3の最も頂点よりにある16個の超音波振動子4aからなる超音波送受信寄与振動子群により垂直探傷を実施する(図中、破線で示す)。この超音波送受信寄与振動子群を選択するのは、垂直探傷するための超音波ビームの強度を最大にするためである。本実施の形態においては、くさび3の形状が1/4円弧状であるので、選択した超音波送受信寄与振動子群には送受信遅延時間を与える必要がある。
図8は、外径1016、肉厚21mmのUOE鋼管1につき、上述の垂直探傷を実施した場合の裏面エコーの強度と時間との関係を示す波形図である。
図8より、本実施の形態の垂直探傷においては、非常に良好なSN比で裏面エコーを検出することができることが判る。得られた垂直探傷時の探傷ゲート内のエコー強度を予め設定した強度レベルに合致させ、内面、肉厚中央及び外面の斜角探傷の増幅度を調整する。AGC20により調整された増幅度で内面、肉厚中央及び外面を斜角探傷した際に得られるエコー強度は疵評価器12で所定のしきい値と比較され、しきい値以上であれば疵があると判断される。
以上のように、本実施の形態においては、1つの探触子4で垂直探傷と斜角探傷とを行うことができ、垂直探傷時に得られた被検査材の裏面からのエコー強度に基づき斜角探傷を行う場合の感度補正を行うことができる。
従って、斜角探傷用の探触子4がカップリングチェック機能も有することになり、探触子4が1つで済むので、超音波探傷装置としての寸法が小さくなり、アレイ探触子4を溶接部2へより接近させて微小疵も検出することができる。
本実施の形態においては、くさび3の形状が1/4円弧状であるので、選択した超音波送受信寄与振動子群には送受信遅延時間を与える必要があるが、垂直探傷時に、探触子4が円弧頂点部を挟んで対称に16個の超音波送受信寄与振動子群を選択できるように構成されている場合、及び頂点部近傍の数(1、2)個の超音波振動子を選択した場合には、送受信遅延時間を制御することなく、垂直探傷を行うことが可能である。
実施の形態4.
図9は、実施の形態4に適用する超音波探傷装置の探触子を鋼管1上に配置した状態を示す平面図、図10はその断面図である。
この超音波探傷装置においては、アレイ探触子41、42及び43が鋼管1の長手方向に順に配置されている。アレイ探触子41、42及び43は、夫々溶接部2の内面、肉厚中央部及び外面を探傷する。アレイ探触子41、42及び43は複数の超音波振動子からなり、夫々隣り合う複数の超音波振動子からなる超音波送受信寄与振動子群を選択し、選択した超音波送受信寄与振動子群の各超音波振動子を励振し、溶接部2の各位置へ超音波を送信して、受信したエコー強度に基づき各位置の疵を検出する。
そして、本実施の形態においても、各探触子における探傷屈折角度を超音波送受信寄与振動子群の一側を所定数除き、他側に隣り合う所定数の超音波振動子を加えた超音波送受信寄与振動子群の各超音波振動子を励振し、超音波ビームを送受信することで、探傷屈折角度を±数度変角する。
本実施の形態においては疵の検出感度が良好であり、さらにシーム誤差が生じた場合の探傷再現性が良好になる。また、本実施の形態においては、屈折角度の変角範囲が狭くてよいので、探触子を構成する超音波振動子の数は実施の形態1の探触子の超音波振動子数より少なくてよい。
なお、本実施の形態においては、探傷屈折角度の変角を超音波送受信寄与振動子群の切り替え走査により行う場合につき説明しているが、これに限定されるものではなく、送受信の遅延時間の制御により探傷屈折角度を変角することにしてもよい。
そして、各探触子につき屈折角度略0度で垂直探傷を行った場合のエコー強度に基づき、探傷の感度補正を行うことができる。各探触子は斜角探傷と同時に垂直探傷も行うことができ、各探触子は1つで済むので超音波探傷装置としての寸法が小さくなる。
また、くさび3の形状は、実施の形態1乃至3において説明した場合に限定されるものではなく、他の形状でもよい。
さらに、実施の形態1乃至4においては、異なる屈折角度で探傷し得る探触子として、複数の超音波振動子を備えるアレイ探触子4を用いた場合につき説明しているがこれに限定されるものではなく、例えばモータ等により機械的に屈折角度を変更できる探触子を用いることにしてもよい。
本発明の実施の形態1に適用する超音波探傷装置を示す模式図である。 探傷屈折角度を変角した場合の超音波伝搬挙動を示す図である。 UOE鋼管の溶接部に加工したドリルホールからのエコー強度がシーム倣い誤差によりどの程度変化するかを示したグラフである。 本発明の実施の形態1に適用する他の超音波探傷装置を示す模式図である。 本発明の実施の形態2に適用する超音波探傷装置を示す模式図である。 基準入射角度を±1.2度及び2.5度変角させる場合夫々について、各超音波振動子のCH番号と該CH番号の超音波振動子に与える送受信遅延時間とを示すグラフである。 本発明の実施の形態3に適用する超音波探傷装置を示す模式図である。 外径1016、肉厚21mmのUOE鋼管につき、垂直探傷を実施した場合の裏面エコーの強度と時間との関係を示す波形図である。 本発明の実施の形態4に適用する超音波探傷装置の探触子を鋼管上に配置した状態を示す平面図である。 本発明の実施の形態4に適用する超音波探傷装置の探触子を鋼管上に配置した状態を示す断面図である。 従来の管軸方向疵検査用探触子の配置及び超音波伝搬挙動を示す模式図である。 従来の管軸方向疵検査用探触子の配置及び超音波伝搬挙動を示す模式図である。 UOE鋼管の溶接部に適用する超音波探傷装置を示す断面図である。
符号の説明
1 鋼管
2 溶接部
3 くさび
4 アレイ探触子
4a 超音波振動子
5 パルサ
6 送信用遅延素子
7 レシーバ
8 受信用遅延素子
9 屈折角度制御器
12 疵評価器

Claims (6)

  1. 複数の異なる屈折角度で探傷し得る探触子を被検査材上に配置し、該探触子から超音波ビームを所定の屈折角度で被検査材の溶接部の厚さ方向の所定位置へ送信し、前記探触子が受信したエコー信号に基づいて探傷する超音波探傷方法において、
    予め前記探触子から超音波ビームを屈折角度略0度で送信し、前記探触子が受信したエコー信号の強度に基づいて探傷の感度補正を行う過程を含むことを特徴とする超音波探傷方法。
  2. 前記所定位置は、前記溶接部の内面近傍及び外面近傍である請求項1に記載の超音波探傷方法。
  3. 前記所定位置は、前記溶接部の内面近傍、厚さ方向中央部及び外面近傍である請求項1に記載の超音波探傷方法。
  4. 複数の探触子により、前記溶接部の厚さ方向の複数の異なる位置を各別に探傷する請求項1に記載の超音波探傷方法。
  5. 前記複数の異なる位置は、前記溶接部の内面近傍及び外面近傍である請求項4に記載の超音波探傷方法。
  6. 前記複数の異なる位置は、前記溶接部の内面近傍、厚さ方向中央部及び外面近傍である請求項4に記載の超音波探傷方法。
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