JP3744444B2 - 超音波探傷方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、被検査材の溶接部を探傷する超音波探傷方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
溶接鋼管等の溶接部には溶接方法及び条件により様々な疵が発生し、溶接部の品質低下の原因となっている。このため、X線及び超音波を用いた非破壊検査が行われている。X線はピンホール及びスラグ巻き込み等の点状疵を容易に検出することができ、検査実績も多いが、能率が低い、設備コストが高い等の問題点がある。
【0003】
このため、サブマージドアーク溶接(SAW)鋼管においては、超音波探傷を行い、疵有りと判定された部位及び両管端部のみにX線検査を実施している。
超音波探傷は、割れ疵及び融合不良等面状疵を検出するのに適した方法であり、検査能率、設備コストの面からX線検査より優れているので、両管端数10mmの部分を除き、溶接部全面の検査を担っている。
【0004】
一例として、SAW鋼管の製造工程におけるオンライン自動探傷方法の概略が文献1(「溶接鋼管の超音波探傷法」鉄鋼協会品質管理部会(NDI部門)編、1999年2月22日発行)の4.4.1〜4.4.3(pp60〜62)に記載されている。同技術は、縦方向疵、横方向疵それぞれについて内面疵、外面疵検出用の複数の探触子を配置し、溶接部に発生する様々な疵を見逃すことなく検出できるようにしたものである。
この場合、疵を見逃さないために、管の長手方向の各位置において前記探触子群で送受信する超音波ビームが溶接部全断面をカバーしている必要性がある。
【0005】
超音波探触子で送受信される超音波ビームは、探傷周波数及び振動子径等によって規定される指向角で拡散しながら材料中を伝搬する。
図5は、管軸方向疵検査用探触子のKフォーム配置及び超音波伝搬挙動を示す模式図であり、図中1は鋼管である。
鋼管1は溶接部2を有しており、鋼管1の外表面には、内面疵用探触子23が溶接部2から0.5スキップの位置に、外面疵用探触子24が1.0スキップの位置に配置されている。
この内面疵用探触子23及び外面疵用探触子24を用いた場合、溶接部2の中央部の超音波ビーム強度が弱くなり、疵検出能が低下する。すなわち、図5に示したように、溶接部2の中央部に探傷感度不足域Aが発生する。この傾向は厚肉材ほど顕著になる。
【0006】
従って、前記文献1記載の技術では鋼管探傷における探触子設定例(文献1:表4.11、p65)に記載されているように、厚肉材では溶接部2から1.0スキップ以上の距離に2個の探触子を設置するよう推奨している。
図6は、前記推奨位置に配置された管軸方向疵検査用探触子の配置及び超音波伝搬挙動を示す模式図であり、図中1は鋼管である。
鋼管1の外表面には、内面疵用探触子23が溶接部2から1.5スキップの位置に、外面疵用探触子24が1.0スキップの位置に配置されている。図6においては、探傷感度不足域が発生していない。
これは、伝搬距離が長くなるのに従い、超音波ビームが拡散することを利用したものであるが、伝搬距離が長くなるのに比例して単位面積当たりの超音波ビーム強度が低下するので、疵からの反射エコー強度も低下し、疵エコーがノイズ信号に埋没する虞がある。
【0007】
前記課題を解決するためには、溶接部2までの超音波伝搬距離が短い位置に数多くの探触子(例えば外面疵、内面疵用の探触子に中央部疵用の探触子を付加した3個)を配置するのが望ましい。
しかし、探触子の数を増やすことは探傷器の数を増加させるばかりではなく、シーム検出器及びシーム追従機構等も増設する必要性が生じ、設備コストが莫大なものとなる問題がある。
【0008】
本願発明者等は、特願2000−256416号にて、探触子の数を低減し、溶接部の全断面にわたって精度良く内在疵を検出することができる超音波探傷方法を提案した。これは、複数の超音波振動子を含むアレイ探触子を円弧曲面状のくさびを介して被検査材に配置し、複数の超音波振動子を1つのグループとする振動子群を順次切り替えることで超音波ビームの屈折角度を変えて、被検査材を走査する方法である。
【0009】
また、本願発明者等は、特開2002−22714号公報にて、溶接部を挟んで2以上のアレイ探触子を配置し、特に、溶接線方向に少なくともアレイ探触子の寸法以上ずらして配置することにより、同時に超音波を送信しても干渉することがなく、高速で搬送される鋼管においても溶接部全断面の縦方向疵を確実に検出することができる超音波探傷装置を開示した。
【0010】
一般に、製造現場における品質の管理及び保証のための自動超音波探傷においては、設備の簡略化及びコスト抑制を図るために、時分割探傷が実施されている。
図7は、UOE鋼管探傷における探触子の配置を示す平面図である。
このUOE鋼管探傷においては、A1−A2、B1−B2、C1−C2及びD1−D2の4対の探触子とこれらに接続された4台の超音波探傷器とを用いる。探触子B1−B2及びD1−D2は夫々外面の縦方向疵、横方向疵を、A1−A2及びC1−C2は内面疵を検出する。
【0011】
この探傷においては、例えば、
1)A1探触子垂直振動子によりカップリングチェックを行い、感度補正をする、
2)A1探触子斜角振動子により溶接部2の探傷を行う、
3)A2探触子垂直振動子によりカップリングチェックを行い、感度補正をする、
4)A2探触子斜角振動子により溶接部2の探傷を行う、
5)A1探触子斜角振動子からA2探触子斜角振動子へと透過伝搬する超音波を基に感度チェック及び疵監視ゲートチェックを行う
という5手順の連続操作を繰り返す。
従って、超音波探傷器の基本繰り返し周波数が10KHzの場合、各手順毎の繰り返し周波数は2KHzとなる。
【0012】
前記アレイ探触子が3種の屈折角度変角(例えば、屈折角度50度、60度、70度)を繰り返すと仮定すると、カップリングチェック機能に必要となる垂直探傷を加えて4手順/探触子となる。
一直線上に一対の探触子を対向配置させた場合、対向する探触子で送受信する超音波が干渉しないために交互に送受信する必要があり、
(4手順/探触子)×2探触子+{V透過(1手順)}=8〜9手順
となる。
【0013】
上述した特開2002−22714号公報の超音波探傷装置の場合においては、一対のアレイ探触子を溶接部を挟んで対向配置したとき、探傷繰り返し周波数は通常の探触子と比較して半分程度となる。各アレイ探触子において屈折角度変角の数、すなわち手順数が増加すると、各手順毎の探傷繰り返し周波数は低下する。
各手順毎の繰り返し周波数が低下すると、微小疵及び鋼管を高速に搬送する際の疵を見逃す虞がある。
【0014】
従って、前記超音波探傷装置においては、溶接部を挟んで配置するアレイ探触子を溶接線方向にずらし、探傷繰り返し周波数/手順を向上させている。溶接線方向にずらして配置することで、同時に超音波を送信しても干渉することがなく、1個当りの超音波の送信繰り返し速度を上げることができる。
探触子及び探触子の配置を変えた場合の探傷繰り返し周波数/手順を求めた結果を次の表1に示す。
【0015】
【表1】
【0016】
表1より、溶接部を挟んで配置するアレイ探触子を溶接線方向にずらした場合、探傷繰り返し周波数/手順が通常の探触子程度に増加することが判る。
【0017】
上述した超音波探傷装置を用いる超音波探傷方法は、以下の課題を有する。
まず、上述した複数の超音波振動子を備えるアレイ探触子において、溶接部全断面の検査をいくつの手順(屈折角度)で探傷するかをどのようにして設定するかという問題がある。
【0018】
図8乃至図10は、UOE鋼管内における超音波伝搬挙動を示す図である。図8、並びに図9及び図10は夫々、外径800mm、肉厚7.5mm、及び外径1000mm、肉厚38mmのUOE鋼管をアレイ探触子で探傷した場合の超音波の伝搬挙動を示し、アレイ探触子からの屈折角度を2度刻みで変角した場合の伝搬挙動を示す。
超音波ビーム伝搬を示す実線のうち、中央の線はビーム中心を示し、他の2本は超音波ビームの指向性(指向角4度)による拡散を示す。
【0019】
図8乃至図10から明かであるように、溶接部全断面を漏れなく探傷するのに必要である屈折角度変角の数は被検査材の肉厚及び超音波ビームの拡散の程度に依存して変化する。
【0020】
数値解析等の手法を用いて概略の手順数(屈折角度変角数)を算出することは可能である。
しかし、この手法は、被検査材の製造条件の差異による超音波伝搬速度のばらつき、音速異方性の存在、被検査材が鋼管である場合におけるその真円度等に対応させて手順数を最終決定するには不十分である。
また、手順数が増加すると、上述したように、探傷繰り返し周波数/手順が低下して、微小疵を見逃す虞がある。
従って、一対のアレイ探触子を溶接部を挟み溶接線方向にずらして配置する場合においても、被検査材の肉厚、真円度及び超音波ビーム拡散の程度等に対応させて、極力最小数の手順を導出する方法が必要である。
【0021】
また、一対のアレイ探触子を溶接部を挟み溶接線方向にずらして配置する場合、対比試験片等に加工された人工疵を用いる校正作業において以下の課題を有する。
1)校正作業が煩雑である。
一対のアレイ探触子を溶接線と交叉する直線上に配置する場合においては、対向する探触子の前面に人工疵を合わせることにより、一対のアレイ探触子共に校正作業(溶接部と探触子との離隔距離調整、感度調整及び疵監視ゲートの位置や幅の調整)を行うことができた。
しかし、一対のアレイ探触子を溶接線方向にずらして配置する場合においては、一方の探触子前面に所定の人工疵を合わせて校正作業を行った後、人工疵を他方の探触子前面にずらして他方の探触子の校正作業を行う必要があった。
【0022】
長さ1m程度に切り出したかまぼこ状対比試験片を用いる校正作業の場合、探触子位置に人工疵を合わせる作業は対比試験片が比較的軽量であるので、容易に実施することができる。
しかし、長さ10mに及ぶ鋼管を対比試験片として用いる校正作業の場合、10トンもの重量を有する鋼管をミリメートル単位で移動させて、探触子位置に人工疵を合わせる必要があり、作業の煩雑さ及び効率化を図るために、疵位置合わせの回数を可能な限り少なくすることが望まれる。
【0023】
2)透過伝搬する超音波を基に行う感度チェック、疵監視ゲート位置チェックができない。
図7に示したように探触子を配置する方法においては、対向する探触子を用いて、被検査材中を透過伝搬する超音波の強度、出現位置情報を基に感度チェック、疵監視ゲート位置チェックを行っている。
一対のアレイ探触子を溶接線方向にずらす構成においては、この透過伝搬超音波による感度チェック、疵監視ゲート位置チェックができなくなるという問題があった。
【0024】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、溶接部と探触子との間の距離を一定に保持し、被検査材と材質及び形状が同一又は極めて近似する試験材の溶接部に所定数の人工疵を設け、複数の屈折角度で人工疵を探傷して検出したエコー強度に基づき探傷屈折角度を選択することにより、被検査材の肉厚、真円度、材質及び超音波ビーム拡散の程度等に対応させて、少数の探傷屈折角度を容易に選定することができる超音波探傷方法を提供することを目的とする。
【0025】
また、本発明は、溶接部と探触子との間の距離を、試験材に設けた人工疵を所定の屈折角度で探傷した結果に基づいて定め、前記複数の屈折角度に前記所定の屈折角度を含めることにより、疵のエコー強度がピークとなる位置を溶接部と探触子との間の距離に定めた場合、肉厚、真円度、材質及び超音波ビーム拡散の程度等に応じて超音波ビームを正しく疵に照射させることができるので、より感度に探傷することができる超音波探傷方法を提供することを目的とする。
【0026】
そして、本発明は、各人工疵のエコー強度が予め設定したしきい値以上となる場合の屈折角度を選定する過程を含むことにより、選定した屈折角度を探傷屈折角度とした場合、探傷屈折角度数を低減させて、検出すべき疵を探傷することができる超音波探傷方法を提供することを目的とする。
【0027】
さらに、本発明は、選定した屈折角度のうち、各人工疵に対して最大のエコー強度が検出される屈折角度の組合せを探傷屈折角度として選択する過程を含むことにより、探傷屈折角度数がさらに低減するので、探傷繰り返し周波数/手順が向上し、微小疵も検出することができ、被検査材を高速に搬送する場合においても確実に疵を検出することができる超音波探傷方法を提供することを目的とする。
【0028】
また、本発明は、選定した屈折角度のうち、予め選択した人工疵に対して高いエコー強度が検出される屈折角度を優先して選択する過程を含むことにより、探傷屈折角度数がさらに低減するので、探傷繰り返し周波数/手順がさらに向上し、微小疵も検出することができ、被検査材を高速に搬送する場合においても検出すべき疵を確実に探傷することができる超音波探傷方法を提供することを目的とする。
【0029】
そして、本発明は、一対の探触子を前記溶接部の溶接線と交叉する直線上に配置し、人工疵を探傷して校正する過程と、一対の探触子を前記溶接線と平行である方向に、少なくとも探触子の寸法以上ずらして配置し、前記溶接部を探傷する過程とを含むことにより、校正時に、校正作業が容易になるとともに、感度チェック及び疵監視ゲート位置チェックを実施することができ、被検査材の探傷時には、探傷繰り返し周波数/手順が向上し、微小疵も検出することができ、被検査材を高速に搬送する場合においても確実に疵を検出することができる超音波探傷方法を提供することを目的とする。
【0030】
また、本発明は、探触子として複数の超音波振動子を備えるアレイ探触子を用いることにより、屈折角度を容易にかつ高速に変角することができる超音波探傷方法を提供することを目的とする。
【0031】
【課題を解決するための手段】
第1発明の超音波探傷方法は、複数の異なる屈折角度で探傷し得る探触子から超音波ビームを被検査材の溶接部へ送信し、前記探触子が受信したエコー信号に基づいて前記溶接部を探傷する超音波探傷方法において、溶接部と探触子との間の距離を一定に保持した状態で、複数の屈折角度で所定数の人工疵を探傷した場合のエコー強度を夫々検出する第1過程と、検出したエコー強度に基づき探傷屈折角度を選択する第2過程と、選択した探傷屈折角度に基づき被検査材の溶接部を探傷する第3過程とを含むことを特徴とする。
【0032】
第1発明においては、ISO及びAPI等の規格、被検査材の肉厚、外径及び真円度並びに探触子の接近限界距離等に基づいて予め設けた人工疵を溶接部と探触子との間の距離を一定に保持した状態で、複数の屈折角度で探傷した結果に基づき探傷屈折角度を選択することで、被検査材の肉厚、真円度、材質及び超音波ビーム拡散の程度等に対応させて少数の探傷屈折角度を容易に選択することができ、探傷繰り返し周波数/手順が向上する。なお、人工疵は、被検査材と材質及び形状が同一若しくは極めて近似する試験材、又は被検査材に設ける。
【0033】
第2発明の超音波探傷方法は、第1発明において、前記溶接部と探触子との間の距離は、予め設けた人工疵を所定の屈折角度で探傷した結果に基づいて定め、前記複数の屈折角度は、前記所定の屈折角度を含むことを特徴とする。
第2発明においては、疵のエコー強度がピークとなる位置を溶接部と探触子との間の距離に定めることで、肉厚、真円度、材質及び超音波ビーム拡散の程度等に応じて超音波ビームを正しく疵に照射させることができ、より高感度に探傷することができる。
【0034】
第3発明の超音波探傷方法は、第1又は第2発明において、各人工疵のエコー強度が予め設定したしきい値以上となる場合の屈折角度を選定する過程を含むことを特徴とする。
【0035】
第3発明においては、被検査材に適用されるISO及びAPI等の規格並びに検出すべき疵のタイプ及び程度等に対応させて予め設定したしきい値以上となる屈折角度を選定する過程を含むことで、選定した屈折角度を探傷屈折角度とした場合、探傷に用いる屈折角度の数を低減させ、検出すべき疵を探傷することができる。
【0036】
第4発明の超音波探傷方法は、第3発明において、選定した屈折角度のうち、各人工疵に対して最大のエコー強度が検出される屈折角度の組合せを探傷屈折角度として選択する過程を含むことを特徴とする。
第4発明においては、探傷屈折角度数がさらに低減するので、探傷繰り返し周波数/手順が向上し、微小疵も検出することができ、被検査材を高速に搬送する場合においても確実に疵を検出することができる。
【0037】
第5発明の超音波探傷方法は、第3発明において、選定した屈折角度のうち、予め選択した人工疵に対して高いエコー強度が検出される屈折角度を優先して選択する過程を含むことを特徴とする。
第5発明においては、探傷屈折角度数がさらに低減するので、探傷繰り返し周波数/手順がさらに向上し、微小疵も検出することができ、被検査材を高速に搬送する場合においても確実に検出すべき疵を探傷することができる。
【0038】
第6発明の超音波探傷方法は、第1乃至第5発明のいずれかにおいて、前記第1過程は、一対の探触子を前記溶接部の溶接線と交叉する直線上に配置して実施し、前記第3過程は、一対の探触子を前記溶接線と平行である方向に、少なくとも探触子の寸法以上ずらして配置して実施することを特徴とする。
【0039】
第6発明においては、静的又は準静的に行われる校正時に、一対の探触子を溶接部の溶接線と交叉する直線上に配置するので、校正作業が容易になるとともに、被検査材を透過伝搬する超音波の強度及び出現位置情報に基づき、感度チェック及び疵監視ゲート位置チェックを実施することができる。なお、一対の探触子を対向配置することにより探傷繰り返し周波数/手順が低下しても、溶接部と探触子との離隔距離調整、感度調整及び疵監視ゲートの位置や幅の調整等の校正作業には支障がない。
そして、被検査材の探傷及び動的な校正作業時には、一対の探触子を溶接線と平行である方向にずらして配置するので、探傷繰り返し周波数/手順が向上し、微小疵も検出することができ、被検査材を高速に搬送する場合においても確実に疵を検出することができる。
【0040】
第7発明は、第1乃至第6発明のいずれかにおいて、前記探触子は、複数の超音波振動子を備えるアレイ探触子であることを特徴とする。
第7発明においては、屈折角度を容易にかつ高速に変角することができる。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に適用する超音波探傷装置を示す模式図であり、図中1は鋼管である。
鋼管1は溶接部2を有しており、鋼管1の外表面には、アクリル、ポリスチロール樹脂等の樹脂製で扇形状のくさび3(曲率50mm×幅15mm円筒の1/4)が配置されており、くさび3の外周面上には複数個の超音波振動子4a(長さ1mm×幅10mm)からなるアレイ探触子4が配設されている。
超音波振動子4aとしては、ニオブ酸鉛系磁器、チタン酸鉛系磁器、及びニオブ酸リチウム系磁器等の圧電振動子、又は前記磁器系圧電振動子とエポキシ樹脂等の樹脂とを複合させたコンポジット圧電振動子を用いる。
この実施の形態においては、アレイ探触子4は64CHからなり、頂点側が第1CH、90°側が第64CHである。
【0042】
配設された各超音波振動子4aには、それぞれパルサ5及び送信用遅延素子6、並びにレシーバ7及び受信用遅延素子8が接続されている。この実施の形態においては、受信用遅延素子8としてアナログ遅延線が使用されている。
超音波振動子4aは、対応するパルサ5により駆動され、各パルサ5の動作タイミングは、送信用遅延素子6により決定されるようになしてある。
【0043】
各送信用遅延素子6は屈折角度制御器9に接続されている。屈折角度制御器9は、予め設定された数の超音波振動子4aを1つのグループとする振動子群を選択する回路と、前記グループを切り替える回路と、グループの各超音波振動子4aを駆動するタイミングを各パルサ5に与える回路と、送信用遅延素子6及び受信用遅延素子8に遅延時間を与える回路とを備えている。
屈折角度制御器9により、超音波振動子群が選択され、選択された各超音波振動子4aに対し、対応する送信用遅延素子6によって、各超音波振動子4aを駆動するタイミングに、屈折角度制御器9により制御された遅延時間を加算したタイミングが各パルサ5に与えられる。前記タイミングでパルサ5により送信電圧を印加することにより、振動子4aから鋼管1中に超音波ビームが送信される。
【0044】
疵エコー等の受信は以下のようにして実施される。
選択された超音波振動子群の各超音波振動子4aに受信された信号は、レシーバ7に入力される。レシーバ7に入力された信号は、受信用遅延素子8が屈折角度制御器9により制御された遅延時間を与えられて、加算器10へ出力される。
受信信号は、加算器10により合成され、増幅器11により評価に必要な信号レベルまで増幅される。増幅された信号値は、疵評価器12により予め決められたしきい値と比較されて、疵の有無が評価される。
本実施の形態に係る超音波探傷装置においては、超音波ビーム形成に寄与する、例えば16個の選択超音波振動子群を所定間隔で順次切り替えて走査することにより、鋼管1に入射する角度を変えて、溶接部2の全断面を探傷することができる。
【0045】
図1においては、内面側を0.5スキップで探傷し、外面側(アレイ探触子4設置側)を1.0スキップで探傷しているビームの状態を示しているが、鋼管1の肉厚方向に多段的にビーム照射位置を変え、溶接部2の全断面を探傷するようにするのが好ましい。
【0046】
本実施の形態においては、下記の遅延を与えた。なお、遅延時間の単位はいずれもnsである。
CH1 :170、 CH2 :130、
CH3 : 90、 CH4 : 60、
CH5 : 35、 CH6 : 20、
CH7 : 5、 CH8 : 0、
CH9 : 0、 CH10: 5、
CH11: 20、 CH12: 35、
CH13: 60、 CH14: 90、
CH15:130、 CH16:170
選択超音波振動子群を順次切り替えるときも、これらの送受信遅延時間は同一パターンで与える。すなわち、両端の超音波振動子4aには常に中央部の超音波振動子4aに対して170ns程度の遅延を与える。
【0047】
本実施の形態においては、溶接部2の片側から1つの探触子(溶接部2の両側から2個)を用いて、溶接部2から探触子4までの距離を一定に保ちながら、溶接線方向に直線走査するだけで、溶接部2の全断面を高精度に探傷することができる。そして、比較的小さな送受信遅延を与えるだけで肉厚方向の各深さで超音波ビームを集束することができ、溶接部2の全断面で微小疵の検出が可能となる。
【0048】
また、各超音波振動子4aにおいて超音波を送受信するタイミングを送信遅延時間制御、受信遅延時間制御によって制御する場合、超音波振動子4aのグループを選択して切り替え走査することなく、屈折角度を変更することができる。
屈折角度偏向を超音波振動子4aのグループの切り替え走査で行うか、遅延時間制御で行うかはアレイ探触子4の形状及び屈折角度偏光の範囲等を考慮して決定する。
【0049】
被検査材の検査仕様は、一般にISO及びAPI等の規格等によって、被検査材毎に決められている。
そして、感度調整に用いる疵としては、溶接部2の中央部に加工する内外面のノッチ及びドリルホール、並びに厚み方向の中央部に加工する横穴等がある。
また、ゲート位置及び幅調整には、上述の疵並びに溶接止端部に加工するノッチ及びドリルホール等の疵が用いられる。
【0050】
溶接部2の片側に配置したアレイ探触子4によって、上述の疵を検出する場合、屈折角度を変角させる。
試験片が平板である場合、内面を70度の屈折角度で探傷すれば、外面は略55度の屈折角度で探傷することができる。溶接部2の全断面を漏れなく検査するのに必要である屈折角度数(屈折角度55〜70度の間を分割する数)は、超音波ビームの拡散程度及び検出すべき疵の大きさ等によって異なり、UOE鋼管においては、その曲率、肉厚、外径及び真円度等によって異なる。
【0051】
以下に、探傷屈折角度数を決定する方法について具体的に説明する。
図2は、本実施の形態において用いる対比試験片に人工疵を設けた状態を示す平面図である。
図中、a〜dは縦孔、eは横穴、f〜gは外面ノッチ、h〜iは内面ノッチである。人工疵は、ISO及びAPI等の規格、鋼管1の肉厚、外径及び真円度並びにアレイ探触子4の接近限界距離等に基づいて設定する。
【0052】
本実施の形態に係る超音波探傷装置を用いて、図2の人工疵を探傷する手順は以下の通りである。
外径800mm×肉厚7.5mmの対比試験片(1)に設けた内面ノッチ疵iを屈折角度66度で1.5スキップで探傷し(図8(a)に示す超音波伝搬挙動)、疵のエコー強度がピークとなる位置を探触子−溶接部間距離に設定する。また、外径1000mm×肉厚38mmの各対比試験片(2)に設けた内面ノッチ疵iを屈折角度66度で0.5スキップで探傷し(図9(a)に示す超音波伝搬挙動)、疵のエコー強度がピークとなる位置を探触子−溶接部間距離に設定する。
ここで、対比試験片(1)においては、アレイ探触子の接近限界距離が略50mmであるので、0.5スキップで内面ノッチ疵iを探傷する距離までアレイ探触子を近づけることができないので、1.5スキップでの探傷とした。
【0053】
設定した探触子−溶接部間距離を保持した状態で、図2のaからhまでの疵を探傷した。その結果を表2及び表3に示す。表2は対比試験片(1)を探傷した結果、表3は対比試験片(2)を探傷した結果である。表中、○は疵エコー強度が所定のしきい値を超えたこと、◎はエコー強度が最大であることを示す。そして、表中の屈折角度「1」は70度に相当し、表中の番号増加に従い、略2度刻みで屈折角度が低下する。
なお、しきい値は、鋼管1に適用される規格並びに検出すべき疵のタイプ及び程度等によって決定する。例えば直径3.2mmの縦穴に超音波ビームを送信した場合のエコー強度を100%とする感度において、50%のエコー強度をしきい値とする。
【0054】
【表2】
【0055】
【表3】
【0056】
表2及び3より、所定のしきい値を超えた、○で示す屈折角度で探傷することとする場合、対比試験片(1)では6種類の屈折角度(6手順)で探傷することになり、対比試験片(2)では7種類の屈折角度(7手順)で探傷することになる。
これらを探傷屈折角度とした場合、鋼管1に適用されるISO及びAPI等の規格並びに検出すべき疵のタイプ及び程度等に対応させて予め設定したしきい値以上となる屈折角度であるので、探傷屈折角度数を低減させるとともに、検出すべき疵を探傷することができる。
【0057】
そして、超音波ビームの拡散の程度、検出すべき疵の寸法及び被検査材の搬送速度等を考慮して、以下のルールに従って、探傷屈折角度数をさらに絞り込むこともできる。
1)各疵に対し、最大の疵エコー強度が検出される屈折角度の組合せを選択する。
表3においては、探傷屈折角度「3」、「4」、「5」、「8」及び「9」の5種類の屈折角度が選択され、上述の7手順から5手順に減少させることができる。
この場合、探傷屈折角度数がさらに低減し、探傷繰り返し周波数/手順が向上して、微小疵も検出することができ、鋼管1を高速に搬送する場合も疵を見逃すことがない。
【0058】
2)所定のしきい値以上となる疵エコー強度が検出された屈折角度群に対して、探傷に用いる屈折角度数が最小となるように再選択する。
表3の事例においては、「3」、「5」及び「9」の3つの屈折角度を選択した場合、全ての疵エコーをしきい値以上の強度で検出することが可能になる。
表2の事例においては、「3」及び「5」の2つの屈折角度を選択した場合、全ての疵エコーをしきい値以上の強度で検出することが可能になる。
この場合、探傷屈折角度数が最小となり、探傷繰り返し周波数/手順がさらに向上して、微小疵も検出することができ、鋼管1を高速に搬送する場合も疵を見逃すことがない。
【0059】
この探傷屈折角度数を最小とするためのフローを以下に示す。
a)所定疵(本実施の形態においては直径1.6mm縦穴aを最優先する)において、疵エコー強度が最大となる屈折角度を選択する。
b)a)の屈折角度でしきい値以上とならない疵がある場合、優先順位に従って選択した疵(本実施例の場合、表2及び3において上側にある人工疵が優先順位が高い)について、しきい値以上となっている屈折角度を選択する。
c)全ての疵についてエコー強度がしきい値以上となった場合、屈折角度の選択を終了する。
d)複数の選択枝が存在する場合、より優先順位が高い疵についてエコー強度が高い屈折角度を選択する。
【0060】
なお、全ての疵エコーをしきい値以上の強度で検出することが可能である屈折角度を少数選択できるのあれば、上述のフローに限定されるものではない。
但し、屈折角度数を少なくした場合、探傷繰り返し周波数/手順が向上するというメリットがある反面、実際の溶接部2の疵が人工疵と異なり、鋼管1の厚み方向に傾いて存在するとき、及びシーム倣い等の種々の要因で想定以上の誤差を含むとき、疵検出の再現性が低下するというデメリットがある。従って、超音波ビームの拡散程度、検出すべき疵寸法、鋼管1の搬送速度、シーム倣い制御の定常的な精度等も考慮して探傷屈折角度数を決定する必要がある。
【0061】
実施の形態2.
図3は、実施の形態2に係る超音波探傷装置を用いて鋼管1を探傷する前に校正する状態を示す平面図であり、図中、図1と同一部分は同一符号を付してある。
疵検出部15は、上述したパルサ5、送信用遅延素子6、レシーバ7、受信用遅延素子8、屈折角度制御器9、加算器10、増幅器11及び疵評価器12を含む。
一対のアレイ探触子4は、溶接部2の溶接線に直交する直線上に、支持部14に支持された状態で配置されている。
人工疵を探傷して校正する場合は、一対のアレイ探触子4から交互に超音波を送受信して、実施の形態1に示した屈折角度の選定等を行う。
鋼管1中を透過伝搬する超音波のエコー強度及び出現位置を確認する場合、一方のアレイ探触子4から超音波を送信し、他方のアレイ探触子4で受信し、その結果に基づき校正する。このとき、2つのアレイ探触子4で設定する屈折角度は同一にする。
【0062】
本実施の形態においては、溶接線に直交する直線上に一対のアレイ探触子4を対向配置し、アレイ探触子4の前面に人工疵を位置させることにより、正確に校正を行うことができる。
そして、校正作業が容易になるとともに、感度チェック及び疵監視ゲート位置チェックを実施することができる。
【0063】
図4は、本実施の形態に係る超音波探傷装置を用いて鋼管1を探傷する状態を示す平面図であり、図中、図3と同一部分は同一符号を付してある。
一対のアレイ探触子4は、溶接部2の溶接線と平行である方向に、アレイ探触子4の寸法(超音波振動子4aの長さ)以上にずらした状態で、支持部14により支持されて配置されている。
このように配置することにより、探傷繰り返し周波数/手順が向上する。
従って、微小疵も検出することができ、鋼管1を高速に搬送する場合においても確実に疵を検出することができる。
【0064】
なお、本実施の形態においては、校正時と探傷時との探触子4の配置の変更は手動により行っているが、モータ駆動等により自動で配置を変更してもよい。
【0065】
また、実施の形態1及び2においては、被検査材として鋼管1を用いた場合につき説明しているがこれに限定されるものではなく、本発明は、鋼板の突き合わせ溶接部等の超音波探傷に適用することも可能である。
【0066】
そして、実施の形態1においては、くさび3の形状を扇形にした場合につき説明しているがこれに限定されるものではない。
【0067】
さらに、実施の形態1及び2においては、異なる屈折角度で探傷し得る探触子として、複数の超音波振動子を備えるアレイ探触子4を用いた場合につき説明しているがこれに限定されるものではなく、例えばモータ等により機械的に屈折角度を変更できる探触子を用いることにしてもよい。
【0068】
【発明の効果】
以上、詳述したように、第1発明による場合は、溶接部と探触子との間の距離を一定に保持し、複数の屈折角度で人工疵を探傷して検出したエコー強度に基づき探傷屈折角度を選択するので、被検査材の肉厚、真円度及び超音波ビーム拡散の程度等に対応させて、少数の探傷屈折角度を容易に選定することができ、探傷繰り返し周波数/手順を向上させることができる。
【0069】
第2発明による場合は、溶接部と探触子との間の距離を、人工疵を所定の屈折角度で探傷した結果に基づいて定めるので、疵のエコー強度がピークとなる位置を前記距離に定めることで、肉厚、真円度、材質及び超音波ビーム拡散の程度等に応じて超音波ビームを正しく疵に照射させることができ、より高感度に探傷することができる。
【0070】
第3発明による場合は、各人工疵のエコー強度が予め設定したしきい値以上となる場合の屈折角度を選定する過程を含むので、選定した屈折角度を探傷屈折角度とした場合、探傷屈折角度数を低減させて、検出すべき疵を探傷することができる。
【0071】
第4発明による場合は、選定した屈折角度のうち、各人工疵に対して最大のエコー強度が検出される屈折角度の組合せを探傷屈折角度として選択する過程を含むので、探傷屈折角度数がさらに低減し、探傷繰り返し周波数/手順が向上して、微小疵も検出することができ、被検査材を高速に搬送する場合においても確実に疵を検出することができる。
【0072】
第5発明による場合は、選定した屈折角度のうち、予め選択した人工疵に対して高いエコー強度が検出される屈折角度を優先して選択する過程を含むので、探傷屈折角度数がさらに低減し、探傷繰り返し周波数/手順がさらに向上して、微小疵も検出することができ、被検査材を高速に搬送する場合においても確実に検出すべき疵を検出することができる。
【0073】
第6発明による場合は、一対の探触子を前記溶接部の溶接線と交叉する直線上に配置し、人工疵を探傷して校正する過程と、一対の探触子を前記溶接線と平行である方向に、少なくとも探触子の寸法以上ずらして配置し、前記溶接部を探傷する過程とを含むことにより、校正時に、校正作業が容易になるとともに、感度チェック及び疵監視ゲート位置チェックを実施することができる。
そして、被検査材の探傷時には、探傷繰り返し周波数/手順が向上し、微小疵も検出することができ、被検査材を高速に搬送する場合においても確実に疵を検出することができる。
【0074】
第7発明による場合は、探触子として複数の超音波振動子を備えるアレイ探触子を用いるので、屈折角度を容易にかつ高速に変角することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に適用する超音波探傷装置を示す模式図である。
【図2】本発明の実施の形態1において用いる対比試験片に人工疵を設けた状態を示す平面図である。
【図3】本発明の実施の形態2に係る超音波探傷装置を用いて鋼管を探傷する前に校正する状態を示す平面図である。
【図4】本発明の実施の形態2に係る超音波探傷装置を用いて鋼管を探傷する状態を示す平面図である。
【図5】従来の管軸方向疵検査用探触子の配置及び超音波伝搬挙動を示す模式図である。
【図6】従来の管軸方向疵検査用探触子の配置及び超音波伝搬挙動を示す模式図である。
【図7】UOE鋼管探傷における探触子の配置を示す平面図である。
【図8】UOE鋼管内における超音波伝搬挙動を示す図である。
【図9】UOE鋼管内における超音波伝搬挙動を示す図である。
【図10】UOE鋼管内における超音波伝搬挙動を示す図である。
【符号の説明】
1 鋼管
2 溶接部
3 くさび
4 アレイ探触子
4a 超音波振動子
5 パルサ
6 送信用遅延素子
7 レシーバ
8 受信用遅延素子
9 屈折角度制御器
12 疵評価器
Claims (7)
- 複数の異なる屈折角度で探傷し得る探触子から超音波ビームを被検査材の溶接部へ送信し、前記探触子が受信したエコー信号に基づいて前記溶接部を探傷する超音波探傷方法において、
溶接部と探触子との間の距離を一定に保持した状態で、複数の屈折角度で所定数の人工疵を探傷した場合のエコー強度を夫々検出する第1過程と、
検出したエコー強度に基づき探傷屈折角度を選択する第2過程と、
選択した探傷屈折角度に基づき被検査材の溶接部を探傷する第3過程と
を含むことを特徴とする超音波探傷方法。 - 前記溶接部と探触子との間の距離は、予め設けた人工疵を所定の屈折角度で探傷した結果に基づいて定め、
前記複数の屈折角度は、前記所定の屈折角度を含むことを特徴とする請求項1記載の超音波探傷方法。 - 各人工疵のエコー強度が予め設定したしきい値以上となる場合の屈折角度を選定する過程を含むことを特徴とする請求項1又は2記載の超音波探傷方法。
- 選定した屈折角度のうち、各人工疵に対して最大のエコー強度が検出される屈折角度の組合せを探傷屈折角度として選択する過程を含むことを特徴とする請求項3記載の超音波探傷方法。
- 選定した屈折角度のうち、予め選択した人工疵に対して高いエコー強度が検出される屈折角度を優先して選択する過程を含むことを特徴とする請求項3記載の超音波探傷方法。
- 前記第1過程は、一対の探触子を前記溶接部の溶接線と交叉する直線上に配置して実施し、
前記第3過程は、一対の探触子を前記溶接線と平行である方向に、少なくとも探触子の寸法以上ずらして配置して実施することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の超音波探傷方法。 - 前記探触子は、複数の超音波振動子を備えるアレイ探触子であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の超音波探傷方法。
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