JP3671819B2 - 溶接鋼管の超音波探傷装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶接鋼管の溶接部に存在するきずを超音波探傷する超音波探傷装置であり、特に厚肉溶接鋼管の溶接部に内在するきずを簡易に精度良く検出する超音波探傷装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
溶接鋼管などの溶接部には、溶接方法や条件により様々なきずが発生し、溶接部の品質低下の原因となる。このため、X線や超音波を用いた非破壊検査が行われている。X線は、ピンホールやスラグ巻き込みなどの点状きずを容易に検出することができ、検査実績も多いが、能率が低い、設備コストが高い、安全性などの問題がある。このため、UOE鋼管やスパイラル鋼管などの大径溶接鋼管におけるサブマージド溶接(SAW)鋼管では、超音波探傷を行った後、超音波により、きず有りと判定された部位および両管端部のみをX線検査している。
【0003】
一方、超音波探傷は、割れきずや融合不良などの面状きずを検出するのに適した方法であり、検査能率・設備コスト・安全性の面からもX線検査より優れるため、両管端部の数10mmを除いて、溶接部全面の検査を担っている。
【0004】
一例として、SAW鋼管の製造工程におけるオンライン自動探傷方法の概略を以下に述べる。探傷方法に関しては、「溶接鋼管の超音波探傷法(鉄鋼協会品質管理部会(NDI部門)編)」(1999年 2月22日発行)の4.4.1 〜4.4.3 (pp.60〜62) に記載されているように、溶接部の縦方向きずと横方向きずのそれぞれについて鋼管内面きず用と鋼管外面きず用の複数の斜角探触子(送受信探触子)を配置し、溶接部に発生する様々なきずを見逃すことなく検出できるように工夫されている(図4(a) 参照) 。
【0005】
オンライン探傷に関しては、特公昭51−39555号公報に記載されているように、鋼管の溶接部を常時監視し、該鋼管溶接部の真上からのずれを検出して、上記探触子群を常に溶接部から所定の位置に配置できるようにしながら、鋼管を直線搬送しつつ探傷する方法が採られている。ここで、溶接位置の検出は、接触式の検出針を溶接部の両側に接触させ、両者の変位量の差により、ずれ量を検出している。しかし、この方法では、鋼管が真円でなければ、正確な検出ができないという問題があり、最近では、渦流式もしくは光学式の溶接部検出器が用いられている。
【0006】
このようなオンライン探傷の場合、きずの見逃しを避けるためには、鋼管長手方向の各位置で上記探触子群が送受信する超音波ビームが溶接部全断面をカバーしている必要がある。斜角探触子で送受信される超音波ビームは、探傷周波数・振動子径などによって規定される指向角で拡がりながら材料中を伝搬する。一般的なKフォーム配置における縦方向きず用の斜角探触子の場合を例示すると、図4(b) のようになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述のような従来の探傷法では、次に示すような問題がある。まず第一に、鋼管溶接部の外面と内面に発生する縦割れと横割れを検出するためには、図4(a) に示すように、8個の探触子が必要となり、設備コストが高くなる。さらに、探触子毎に、溶接部と探触子間の距離、探傷感度等のセッティングが必要であるため、探傷できるようにするまで多大の時間を必要とする。
【0008】
第二に、鋼管溶接部の外面きずと内面きず狙いの2探触子では、図4(b) に示すように、溶接部中央部の超音波ビーム強度が弱くなり、きず検出能が低下する。この傾向は厚肉材ほど顕著になる。それゆえ、前述の「溶接鋼管の超音波探傷法」では、表4.11の鋼管探傷における探触子設定例(p.65)に記載されているように、厚肉材では溶接部から1.0スキップ以上の距離に2個の探触子を設置するよう推奨している。これは、図4(c) に示すように、伝搬距離が長くなるに伴い超音波ビームが拡散することを利用しているものであるが、伝搬距離が大となるのに比例して単位面積当りの超音波ビーム強度は低下するため、きずからの反射エコー強度も低下し、最悪の場合、きずエコーがノイズ信号に埋没する危険がある。
【0009】
第三に、図5(前述の「溶接鋼管の超音波探傷法」の図4.31(p.62))に示すように、縦方向きず検出用の2個の探触子が溶接部長手方向の同一位置に対向配置されている。これは、片方の探触子で送信した超音波をそれとは別の対向位置にある探触子でその超音波強度を受信し、感度および各々の探触子位置の確認を行うことを理由としている。しかし、図5(e) に示すように、その時の超音波の経路は、必ず溶接部の上端部もしくは下端部で反射した超音波を受信するため、その溶接部形状による超音波強度変化が著しく、感度および探触子位置の確認として実際使用する上では非常に困難であるため、無意味な配置である。一方、このような探触子配置で同時に超音波を送信すると干渉するため、同時発信ができない。つまり、1個当りの超音波の送信繰り返し速度を上げることができず、高速で溶接鋼管を搬送させると、探傷できない部分が発生し、品質管理保証上、大きな問題となってしまう。
【0010】
本発明は、前述のような課題を解決すべくなされたもので、その目的は、溶接鋼管の溶接部に内在するきずを従来よりも少ない数の超音波探触子で溶接部全断面にわたって精度良く確実に検出することができる溶接鋼管の超音波探傷装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る溶接鋼管の超音波探傷装置は、溶接鋼管の溶接部を超音波により探傷する装置において、図1に示すように、前記溶接部の側方に配置されて溶接部長手方向の直角方向に超音波を送受信する超音波振動子を前記直角方向に複数個配列して選択動作させる配列型の超音波探触子と、前記溶接部の真上に配置されて溶接部長手方向に超音波を送受信する超音波振動子を有する超音波探触子とにより、溶接部全断面に発生する縦方向きずおよび横方向きずを検出し、前記配列型の超音波探触子は、複数個の超音波振動子が扇形くさびの円弧上面に配列され、この超音波振動子群のうち、ある一定数の振動子群を同時に励起し、その振動子群で超音波ビームを送受信した後、この振動子群を所定の間隔で順次切り替えて走査することで、超音波ビームの入射角度を変えるように構成され、前記扇形くさびの下面の超音波通過部を溶接鋼管の外面上に配置して探傷を行うことを特徴とする。前者の配列型超音波探触子は、送受信タイプの一種の斜角探触子であり、溶接部の縦方向きずを検出する。後者の超音波探触子は、通常型で送受信タイプの斜角探触子を用いることができ、溶接部の横方向きずを検出する。
【0013】
本発明の請求項2に係る超音波探傷装置は、請求項1に記載の超音波探傷装置において、配列型の超音波探触子は、図1(a) に示すように、溶接鋼管の溶接部を挟んで2個以上配置されていることを特徴とする。また、横方向きず検出用の超音波探触子も溶接部長手方向に少なくとも2個配設する。
【0014】
本発明の請求項3に係る超音波探傷装置は、請求項2に記載の超音波探傷装置において、配列型の超音波探触子は、図2に示すように、溶接鋼管溶接部の長手方向にずらして配置されていることを特徴とする。
【0015】
本発明の請求項4に係る超音波探傷装置は、請求項3に記載の超音波探傷装置において、配列型の超音波探触子の溶接鋼管溶接部の長手方向のずらし量は、少なくとも該超音波探触子の振動子寸法以上であることを特徴とする。
【0016】
以上のような構成において、配列型超音波探触子は、例えば図1(b) に示すように、設定した所定数の選択超音波振動子を順次切り替えることで、超音波ビームの屈折角度θを変えることができるため、被検査材溶接部の内面・外面・中央位置の縦方向きずを一つの超音波探触子で確実に検出することが可能となる。通常型の超音波探触子は、図1(c) に示すように、溶接部の真上から超音波ビームを溶接部長手方向に送受信することにより、被検査材溶接部の内面・外面・中央位置の横方向きずを一つの超音波探触子で確実に検出することが可能となる。従来は溶接部の両側に縦方向きず検出用と横方向きず検出用の超音波探触子を鋼管外面きず用と鋼管内面きず用に計8個必要となるのに対して、本発明では縦方向きず検出用と横方向きず検出用の計4個の超音波探触子でよく、超音波探触子の数を少なくすることができ、設備コストを低減し、セッティング時間を短縮することができる。
【0017】
配列型超音波探触子に、扇形くさびの凸曲面上に配列した超音波振動子群のうちのある一定数の振動子群を順次選択的に動作させる超音波探触子を用いることにより、任意の屈折角度の超音波ビームを容易に得ることができ、溶接部全断面の縦方向きずを精度良く確実に検出することができる。また、扇形くさびを用いることで、超音波通過部の面積を小さくすることができ、探傷面の曲面形状による感度低下を小さくすることができ、また局部水浸ホルダ寸法を小さくすることができる。
【0018】
配列型超音波探触子を溶接部を挟んで2個以上配置すれば、溶接部全断面の縦方向きずをより確実に検出することができる。また、横方向きず検出用の超音波探触子も2個以上配置することで、溶接部全断面の横方向きずをより確実に検出することができる。
【0019】
溶接部を挟んで左右一対の配列型超音波探触子を溶接部長手方向にずらして配設し、好ましくは該配列型超音波探触子の寸法以上ずらして配設することにより、同時に超音波を送信しても干渉することがなく、1個当りの超音波の送信繰り返し速度を上げることができ、高速で搬送される溶接鋼管でも、溶接部全断面の縦方向きずを確実に検出することが可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示する一実施形態に基づいて詳細に説明する。この実施形態は、UOE鋼管などのストレートシーム大径溶接鋼管の溶接部の超音波探傷に本発明を適用した例である。図1は、本発明の超音波探傷装置とその超音波探触子を示したものである。図2は、本発明の超音波探傷装置の具体的な超音波探触子の配置と装置構成の1例を示したものである。
【0021】
図1(a) に示すように、本発明の超音波探傷装置は、主として、溶接鋼管1の溶接部2の側方における鋼管外面上に設置され、溶接部2の長手方向Lの直角方向Cに超音波を送受信して溶接部2の縦方向きずを検出する配列型の超音波探触子(送受信タイプの斜角探触子)3と、溶接部2の直上に設置され、溶接部2の長手方向Lに超音波を送受信して溶接部2の横方向きずを検出する通常型の超音波探触子(送受信タイプの斜角探触子)4から構成されている。
【0022】
溶接鋼管1は、内面溶接・外面溶接等が終了すると、ローラ等により直線搬送される。このような搬送ライン上に門型架台5,6を搬送方向に所定の間隔をおいて設置し、門型架台5の上部梁に配列型超音波探触子3を溶接部2を挟んで対向するように取付け、門型架台6の上部梁に通常型超音波探触子4を溶接部2の長手方向に間隔をおいて対向するように取付ける。
【0023】
縦方向きず(縦割れ)検出用の配列型超音波探触子3は、図1(b) に示すように、側面視で半円状等の扇形くさび10と、この扇形くさび10の円弧上面に配列された多数の超音波振動子12からなる超音波振動子群11とから構成され、各超音波振動子12から超音波が発信され、扇形くさび10を介して被検査材に超音波が入射され、反射波が受信される。超音波振動子12は、溶接部長手方向に長い棒状の振動子であり、ニオブ酸鉛系磁器・チタン酸鉛系磁器・ニオブ酸リチウム系磁器等の圧電振動子が用いられる。扇形くさび10は溶接部長手方向に長い1/4円断面の円筒であり、アクリル樹脂・ポリスチロール樹脂等が用いられる。
【0024】
このような配列型超音波探触子3において、n個の超音波振動子群11のうち、例えばある一定数(k個)の超音波振動子群を同時に励振し、その振動子群で超音波を送受信した後、この振動子群を所定の間隔で順次切り替えて走査することで、指向性超音波ビームの屈折角度(入射角度)θを任意に変えることができる。これにより、被検査材の溶接部2の内面・外面・中央位置に発生する縦方向きず8を一つの探触子で検出することが可能となる。また、扇形くさび10を用いることにより超音波通過部13の面積を小さくすることができ、探傷面の曲面形状による感度低下が小さくなり、また局部水浸ホルダ寸法を小さくすることができる。
【0025】
この配列型超音波探触子3は、図1(a) に示すように、従来と同様に、溶接部2を挟んで左右一対で配設することにより、より確実な探傷を行えるようにしている。この場合、左右一対の配列型超音波探触子3,3は、図2に示すように、溶接部2の長手方向に超音波振動子12の寸法以上ずらして配置し、同時に超音波を送信しても干渉しないようにしている。
【0026】
横方向きず(横割れ)検出用の通常型超音波探触子4は、図1(c) に示すように、略直方体形状のくさび20と円形の超音波振動子21からなる一般に使用されている探触子であり、超音波振動子21から発信された超音波がくさび20を介して被検査材に入射され、反射波が受信される。この通常型超音波探触子4も、配列型と同様に、超音波振動子21には、ニオブ酸鉛系磁器・チタン酸鉛系磁器・ニオブ酸リチウム系磁器等の圧電振動子が用いられ、くさび20には、アクリル樹脂・ポリスチロール樹脂等が用いられる。
【0027】
このような通常型超音波探触子4を用いて溶接部2の直上から超音波を入射することにより、被検査材の溶接部2の内面・外面・中央位置に発生する横方向きず9を一つの探触子で検出することが可能となる。なお、この場合も、溶接部2の長手方向に2個対向設置し、より確実な探傷を行えるようにしている。
【0028】
図2に示すように、縦方向きず検出用の配列型超音波探触子3の各超音波振動子12には、パルサーレシーバー群30の各パルサーレシーバ31がぞれぞれ接続され、このパルサーレシーバー群30に加算器32・増幅器33・きず評価器34が順に接続されている。
【0029】
図示しない屈折角度制御器により予め設定された所定数(k個)の超音波振動子12を1つのグループとする超音波振動子群を選択し、これらに対応するパルサーレシーバー31により送信電圧を印加することで、扇形くさび10を介して被検査材に超音波ビームが送信される。
【0030】
一方、きずエコー等の受信は次のような手順で行われる。それぞれの超音波振動子12に受信された信号は、パルサーレシーバ群30に入力された後、加算器32で加算される。次に、増幅器33で所定の増幅後、きず評価器34において予め決めておいたしきい値と比較することで、きずの有無を評価する。
【0031】
超音波ビーム形成に寄与する選択超音波振動子群(k個)を所定間隔で順次切り替え走査することで、超音波ビームを偏向させ、溶接部2の全断面が探傷可能となる。図1(b) に示す例では、鋼管内面側を0.5スキップで探傷している様子と、鋼管外面側(探触子設置側)を1.0スキップで探傷している様子を示しているが、必要に応じて鋼管肉厚方向に多段にビーム照射位置(屈折角度θ)を変えて溶接部全断面を探傷することも可能である。例えば、内外面狙いに肉厚中央部(0.75スキップ狙い)を追加する。
【0032】
横方向きず検出用の通常型超音波探触子4は、図2に示すように、パルサーレシーバ40により超音波を送受信し、加算器41で所定の増幅後、きず評価器42において予め決めておいたしきい値と比較することで、きずの有無を評価する。
【0033】
【実施例】
次に示すような配列型超音波探触子3を用い、図3(a) に示す人工きず試験片に対して縦方向きずの検出を行った。また、次に示す通常型超音波探触子4を用いて横方向きずの検出も行った。
図3(a) において、従来技術では、通常の探触子をジグザグ走査させ、中央横穴(中央スリット)に対して0.75スキップ、外面スリットに対して1.0スキップ、内面スリットに対して0.5スキップとなるように探触子を配置して探傷を行った。本発明の配列型超音波探触子3は固定配置し、超音波ビームの超音波探傷群の選択動作により超音波ビームの照射位置を0.5スキップ、0.75スキップ、1.0スキップに順次切り替えて探傷を行った。
【0034】
図3(b) に示すように、縦方向きずについては、従来技術とほぼ同等の性能が得られることがわかった。また、図3(c) に示すように、横方向きずについては、従来以上の性能が得られることがわかった。また、従来技術では、図4(a) に示すように、合計8個の超音波探触子が必要であったが、本発明では、図1(a) に示すように、合計4個の超音波探触子で溶接部全断面の縦方向きずと横方向きずを精度良く確実に検出することができ、設備コストを1/2に削減することができた。
【0035】
なお、以上はストレートシーム大径溶接鋼管について説明したが、これに限らず、その他の溶接鋼管の溶接部の探傷にも本発明を適用できることはいうまでもない。
【0036】
【発明の効果】
本発明は、以上のような構成からなるので、次のような効果を奏することができる。
【0037】
(1) 溶接部長手方向の直角方向に送信される超音波ビームの屈折角度を変えることができる配列型超音波探触子により縦方向きずを検出するため、溶接部の内面・外面・中央位置の縦方向きずを一つの超音波探触子で確実に検出することができ、また、溶接部の真上に配置した超音波探触子により超音波ビームを溶接部長手方向に送信して横方向きずを検出するため、溶接部の内面・外面・中央位置の横方向きずを一つの超音波探触子で確実に検出することができ、超音波探触子の数を従来よりも少なくすることができる。これにより、設備コストを削減することができ、またセッティング時間を短縮することができるため、探傷作業を迅速に行うことができる。
【0038】
(2) 扇形くさびの凸曲面上に配列した超音波振動子群のうちのある一定数の振動子群を順次選択的に動作させる配列型超音波探触子を用いることにより、任意の屈折角度の超音波ビームを容易に得ることができ、溶接部全断面の縦方向きずを精度良く確実に検出することができる。
【0039】
(3) 配列型超音波探触子に扇形くさびを用いることで、超音波通過部の面積を小さくすることができ、探傷面の曲面形状による感度低下を小さくすることができ、また局部水浸ホルダ寸法を小さくすることができる。
【0040】
(4) 縦方向きず検出用の配列型超音波探触子および横方向きず検出用の超音波探触子を2個以上配置することにより、溶接部全断面のきずをより確実に検出することができる。
【0041】
(5) 溶接部を挟んで左右一対の配列型超音波探触子を溶接部長手方向にずらして配設し、好ましくは該配列型超音波探触子の寸法以上ずらして配設することにより、同時に超音波を送信しても干渉することがなく、1個当りの超音波の送信繰り返し速度を上げることができ、高速で搬送される溶接鋼管でも、溶接部全断面の縦方向きずを確実に検出することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の溶接鋼管の超音波探傷装置の一実施形態であり、(a) は装置全体の斜視図、(b) は縦方向きず検出用の超音波探触子の斜視図、(c) は横方向きず検出用の超音波探触子の平面図および側面図である。
【図2】本発明の超音波探傷装置の超音波探触子の配置と装置構成の1例を示す平面図である。
【図3】 (a) は人工きず試験片と探触子配置を示す断面図および平面図、(b) は縦方向きずの検出性能を本発明と従来技術で比較したグラフ、(c) は横方向きずの検出性能を示す本発明と従来技術で比較した図である。
【図4】従来の探傷方法を示したものであり、(a) は探触子配置を示す平面図、(b) は縦方向きず検出用の探触子の配置とその超音波ビームの伝搬挙動を示す断面図、(c) はスキップを変えた縦方向きず検出用の探触子の配置とその超音波ビームの伝搬挙動を示す断面図である。
【図5】従来の探傷装置を示したものであり、(a) は探傷装置の正面図、(b) は探傷装置の平面図、(c),(d),(e) は超音波の伝搬経路を示す横断面図である。
【符号の説明】
1…溶接鋼管
2…溶接部
3…配列型の超音波探触子
4…通常型の超音波探触子
5,6…門型架台
10…扇形くさび
11…超音波振動子群
12…超音波振動子
20…くさび
21…超音波振動子
30…パルサーレシーバ群
31…パルサーレシーバ
32…加算器
33…増幅器
34…きず評価器
40…パルサーレシーバ
41…増幅器
42…きず評価器
Claims (4)
- 溶接鋼管の溶接部を超音波により探傷する装置において、前記溶接部の側方に配置されて溶接部長手方向の直角方向に超音波を送受信する超音波振動子を前記直角方向に複数個配列して選択動作させる配列型の超音波探触子と、前記溶接部の真上に配置されて溶接部長手方向に超音波を送受信する超音波振動子を有する超音波探触子とにより、溶接部全断面に発生する縦方向きずおよび横方向きずを検出し、前記配列型の超音波探触子は、複数個の超音波振動子が扇形くさびの円弧上面に配列され、この超音波振動子群のうち、ある一定数の振動子群を同時に励起し、その振動子群で超音波ビームを送受信した後、この振動子群を所定の間隔で順次切り替えて走査することで、超音波ビームの入射角度を変えるように構成され、前記扇形くさびの下面の超音波通過部を溶接鋼管の外面上に配置して探傷を行うことを特徴とする溶接鋼管の超音波探傷装置。
- 請求項1に記載の超音波探傷装置において、配列型の超音波探触子は、溶接鋼管の溶接部を挟んで2個以上配置されていることを特徴とする溶接鋼管の超音波探傷装置。
- 請求項2に記載の超音波探傷装置において、配列型の超音波探触子は、溶接鋼管溶接部の長手方向にずらして配置されていることを特徴とする溶接鋼管の超音波探傷装置。
- 請求項3に記載の超音波探傷装置において、配列型の超音波探触子の溶接鋼管溶接部の長手方向のずらし量は、少なくとも該超音波探触子の振動子寸法以上であることを特徴とする溶接鋼管の超音波探傷装置。
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