JP2006047318A - リンカー化合物およびリガンド並びにオリゴ糖鎖の固定化方法および蛋白質分析用の支持体 - Google Patents

リンカー化合物およびリガンド並びにオリゴ糖鎖の固定化方法および蛋白質分析用の支持体 Download PDF

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Abstract

【課題】 オリゴ糖を用いて一段階で蛋白質分析用の支持体に簡便に固定化することができ、また分析する蛋白質との疎水性相互作用に基づく非特異的な影響が低減され、蛋白質との結合相互作用を連続的かつ定量的に評価できる支持体を得ることができるリンカー化合物を提供する。
【解決手段】 リンカー化合物は、
一般式(101)
Figure 2006047318

で表される構造を有する。上記リンカー化合物は、ビオチン−ストレプトアビジン結合によりリガンド中のオリゴ糖鎖を蛋白質分析用の支持体表面に一段階で固定できる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、オリゴ糖鎖を、表面プラズモン共鳴等のセンサチップやアフィニティークロマトグラフィーの担体等の蛋白質分析用の支持体に一段階で導入し、固定することが可能なリンカー化合物および該リンカー化合物を用いたリガンド並びに該リガンドを用いたオリゴ糖鎖の固定化方法および該リガンドを表面に固定化させてなる蛋白質分析用の支持体に関するものである。
下記一般式(6)
Figure 2006047318
で表される硫酸化多糖ヘパリンは、構造や分子量が非常に不均一なものであり、多くの生物活性を有することが知られている。そのなかでも、抗血液凝固活性は有名であり、医薬として広く用いられている。
しかしながら、不均一な硫酸化多糖ヘパリンは、血小板やフォンビルブラント因子(vWF)とも結合する。このため、従来、硫酸化多糖ヘパリンを医薬として用いた場合における血液中の血小板との結合に起因する副作用が指摘されている。
これらの結合相互作用には、硫酸化多糖ヘパリン中の、下記一般式(7)
Figure 2006047318
で表される特定の部分二糖構造(GlcNS6S−IdoA2S)と、それに基づくクラスタリング効果が重要である。
本願発明者等は、以前に、この特定の部分二糖構造(GlcNS6S−IdoA2S)が血小板細胞や血液凝固に関わるフォンビルブラント因子(vWF)という蛋白質との結合に大きく関与することを見出した。
しかしながら、これらの生化学的結合実験のためには特殊な設備や多量のオリゴ糖が必要になるという問題がある。生物活性測定法としては、従来、放射標識法(RI法)とSPR法とが知られているが、RI法は、特殊な実験設備や多量のオリゴ糖を必要とする。
そこで、本願発明者等は、蛋白質分析用の支持体として非放射標識法である表面プラズモン共鳴(SPR)のセンサチップを使用し、図11に示すように、該センサチップの表面上に、疎水性相互作用を介して上記した部分二糖構造(GlcNS6S−IdoA2S)を固定化し、SPRを用いて硫酸化多糖ヘパリン中の部分二糖構造(GlcNS6S−IdoA2S)と硫酸化多糖ヘパリン結合性の蛋白質との結合挙動を解析した。SPR法は、少量のオリゴ糖で測定が可能であり、分子間の相互作用をリアルタイムで観測することが可能である。なお、図11中、NS6Sは上記した部分二糖構造(GlcNS6S−IdoA2S)のうちGlcNS6Sを示し、I2SはIdoA2Sを示し、Gはグルコース単位を示す。
具体的には、センサチップとしての疎水性チップ上に上記部分二糖構造(GlcNS6S−IdoA2S)を固定化し、この疎水性チップ上に、硫酸化多糖ヘパリン結合性ドメインを有する合成vWFペプチド(vWF中のヘパリン結合サイト;YIGLKDRKRPSELRRIASQVKYA−NH)をアナライトとして添加した。
この結果、図12の線aに示すように、vWFペプチドの濃度変化に応じて結合量の変化、すなわち、ΔRU(オリゴ糖の結合量)/ΔRU(vWFペプチドの結合量)が観測された。
この線aのカーブから求められる解離定数KD は、以前にSobel等が生化学的手法を用いて測定した値(K=370±100nM、非特許文献1参照)にオーダーとして近いものであった。
一方、従来、SPR測定装置等に用いるセンサチップの表面にオリゴ糖鎖を結合(固定化)する試みとしては、例えば、チップ表面に長鎖アルキル鎖の短分子膜を作り、疎水性相互作用を利用してオリゴ糖鎖をチップに固定化する試みがなされている(非特許文献2参照)。
M.Sobel et al., J. Biol. Chem., vol.267, p8857, (1992) G.M.Kuziemko et al., Biochemistry, Vol. 35, p6375, (1996)
しかしながら、この場合、図12の線bに示すように末端にグルコース残基を有するリガンドを用いても、合成vWFペプチドとの結合相互作用が観察されたことから、上記した値には、疎水性親和力に起因すると思われる非特異的な相互作用、つまり、上記センサチップの疎水性場と合成vWFペプチドとの非特異的な相互作用が含まれていることが判った。
このため、このように蛋白質分析用の支持体を用いて分析する蛋白質との疎水性相互作用に基づく非特異的な相互作用をほぼ無視できるリンカー化合物およびリガンド並びに該リガンドをチップに固定化する方法、さらには、該リガンドを固定化した、例えばSPR用のセンサチップ等の蛋白質分析用の支持体を提供することは、上記した部分二糖構造(GlcNS6S−IdoA2S)と蛋白質との生化学的結合による結合相互作用、つまり、構造が明確な硫酸化オリゴ糖と種々の蛋白質との結合相互作用を連続的かつ定量的に評価する上で非常に重要である。
また、近年、オリゴ糖鎖が生体内で重要な働きを担っていることが明らかになっている。しかしながら、オリゴ糖鎖の分子レベルでの研究を行うには、上記したように構造が完全に判っているオリゴ糖鎖を用いなければならず、このようなオリゴ糖鎖を多量に天然から得ることは困難であり、また、合成も容易ではないという問題がある。
また、オリゴ糖鎖は、それ一分子では活性はそれほど高くないことが多く、蛋白質との相互作用を解析するにはオリゴ糖鎖を集合化させる必要がある。つまり、一般的に、天然のオリゴ糖とそれが相互作用する蛋白質との親和性は低いので、オリゴ糖の生物活性を評価するためには、オリゴ糖鎖を効率よく集合化することが重要である。
従来、SPR測定装置等に用いるセンサチップの表面にオリゴ糖鎖を結合(固定化)する試みとしては、例えば、チップ表面に長鎖アルキル鎖の短分子膜を作り、疎水性相互作用を利用してオリゴ糖鎖をチップに固定化する試み(非特許文献2参照)がなされている。
しかしながら、上記非特許文献2に記載の方法は、チップ表面に固定化することができるオリゴ糖鎖の種類が限定され、ガングリオシド等の、疎水性基を有するオリゴ糖鎖はチップに固定化することはできるものの、様々なオリゴ糖鎖をチップ表面に簡便に固定化することはできない。また、上記従来の方法によりオリゴ糖鎖が固定化されたチップは、チップ表面の疎水性が高すぎ、チップを用いて分析する蛋白質との非特異的な相互作用が大きく観測されてしまい、実用性に乏しいという問題点を有している。
また、上記従来の方法でオリゴ糖鎖をチップ表面に固定化するためには、合成化学を駆使し、オリゴ糖鎖の水酸基に種々の保護基をまず導入し、それを化学的に縮合した上で、さらにチップに固定化する必要がある。このため、従来は、自然界から単離、精製して得られるオリゴ糖をそのまま用いてそのオリゴ糖鎖をチップ表面に固定化することは事実上、不可能であった。
さらに、オリゴ糖鎖と特異的に相互作用する蛋白質を分離精製するためには、構造既知のオリゴ糖鎖をアフィニティークロマトグラフィーのリガンドとして用いる必要がある。
このため、オリゴ糖鎖を集合化させ、上記したSPR用のセンサチップまたはアフィニティークロマトグラフィーの担体等の蛋白質分析用の支持体上に固定化させることができると共に、多種のオリゴ糖を一段階で導入することが可能なリンカー化合物および該リンカー化合物を用いたリガンド並びに該リガンドをチップに固定化する方法、さらには、該リガンドを固定化した蛋白質分析用の支持体が求められている。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、自然界から単離、精製して得られる種々のオリゴ糖をそのまま用いて一段階で蛋白質分析用の支持体表面にオリゴ糖鎖を簡便に固定化することができると共に、蛋白質分析用の支持体を用いて分析する蛋白質との疎水性相互作用に基づく非特異的な相互作用による影響が低減され、種々の蛋白質との結合相互作用を連続的かつ定量的に評価できる蛋白質分析用の支持体を得ることができるリンカー化合物およびリガンド並びにオリゴ糖鎖の固定化方法および蛋白質分析用の支持体を提供することにある。
本願発明者等は、上記の目的を達成すべく鋭意検討した結果、分子内にS−S結合もしくはビオチンを持たせた部位をリンカー化合物に導入することで、オリゴ糖鎖を分子内に簡便に導入できる部分をリンカー化合物に組み込むと共に、オリゴ糖鎖の導入に際し、親水性部分がリンカー化合物との間に形成されるように、蛋白質分析用の支持体表面に例えばコートした金もしくは予め蛋白質分析用の支持体表面に固定化したストレプトアビジン(またはアビジン)と結合させ易く、強固に結合できるようにすることができ、自然界から単離、精製して得られる種々のオリゴ糖をそのまま用いて蛋白質分析用の支持体表面にオリゴ糖鎖を一段階で簡便に固定化することができると共に、蛋白質分析用の支持体を用いて分析する蛋白質との疎水性相互作用に基づく非特異的な相互作用による影響が低減され、種々の蛋白質との結合相互作用を連続的かつ定量的に評価できる蛋白質分析用の支持体を得ることができることを見出して本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明にかかるリンカー化合物は、上記の課題を解決するために、
一般式(1)
Figure 2006047318
で表されることを特徴としている。
また、本発明にかかるリンカー化合物は、上記の課題を解決するために、
一般式(101)
Figure 2006047318
で表されることを特徴としている。
本発明にかかるリガンドは、上記の課題を解決するために、一般式(3)
Figure 2006047318
で表されることを特徴としている。
本発明にかかるリガンドは、上記の課題を解決するために、一般式(4)
Figure 2006047318
で表されることを特徴としている。
本発明にかかるリガンドは、上記の課題を解決するために、一般式(102)
Figure 2006047318
で表されることを特徴としている。
本発明にかかるオリゴ糖鎖の固定化方法は、上記の課題を解決するために、オリゴ糖鎖を蛋白質分析用の支持体の表面に固定化するオリゴ糖鎖の固定化方法であって、上記一般式(3)または(4)で表されるリガンドを含む溶液と、表面に金を有する支持体とを接触させることを特徴としている。
本発明にかかるオリゴ糖鎖の固定化方法は、上記の課題を解決するために、オリゴ糖鎖を蛋白質分析用の支持体の表面に固定化するオリゴ糖鎖の固定化方法であって、上記一般式(102)で表されるリガンドを含む溶液と、表面にストレプトアビジン(またはアビジン)を固定化した支持体とを接触させることを特徴としている。
本発明にかかる蛋白質分析用の支持体は、上記の課題を解決するために、上記一般式(3)または(4)で表されるリガンドを、S−Au結合を介して表面に固定化させてなることを特徴としている。
本発明にかかる蛋白質分析用の支持体は、上記の課題を解決するために、上記一般式(102)で表されるリガンドを、ビオチン−ストレプトアビジン(またはアビジン)結合を介して表面に固定化させてなることを特徴としている。
以上のように、本発明によれば、分子内にS−S結合もしくはビオチンを持たせた部位をリンカー化合物に導入することで、自然界から単離、精製して得られる種々のオリゴ糖を一段階で、蛋白質分析用の支持体表面に固定化することができると共に、このような支持体を用いて分析する蛋白質との疎水性相互作用に基づく非特異的な相互作用による影響が低減された蛋白質分析用の支持体を得ることができるリンカー化合物およびリガンド並びにオリゴ糖鎖の固定化方法および蛋白質分析用の支持体を提供することができるという効果を奏する。
〔実施の形態1〕
以下、本発明について詳細に説明する。
本願発明者等は、自然界から単離、精製して得られる種々のオリゴ糖をそのまま用いて一段階で蛋白質分析用の支持体表面にオリゴ糖鎖を簡便に固定化することができると共に、蛋白質分析用の支持体を用いて分析する蛋白質との疎水性相互作用に基づく非特異的な相互作用による影響が低減され、種々の蛋白質との結合相互作用を連続的かつ定量的に評価できる蛋白質分析用の支持体を得るべく、表面プラズモン共鳴(SPR)法を用いて、構造が明確な硫酸化オリゴ糖を上記SPRのセンサチップに効率よく固定化し、種々の蛋白質との結合相互作用を連続的かつ定量的に評価できるシステムの開発を行った。
以下の説明では、蛋白質分析用の支持体としてSPRのセンサチップを使用して該センサチップに、構造が明確な硫酸化オリゴ糖である硫酸化多糖ヘパリン中の下記一般式(7)
Figure 2006047318
で表される特定の部分二糖構造(GlcNS6S−IdoA2S)を二次元的に固定し、上記部分二糖構造(GlcNS6S−IdoA2S)と種々の蛋白質との結合相互作用を評価するシステムについて主に説明するが、本発明は、これに限定されるものではない。
本発明では、オリゴ糖鎖を簡便に導入できる部位をリンカー化合物に組み込み、オリゴ糖鎖をリンカー化合物に導入した際に親水性部分がリンカー化合物との間に形成されるリガンド、すなわち、蛋白質と特異的に結合する物質を得た。これにより、本発明においては、リガンドを直接、蛋白質分析用の支持体に共有結合させ、これによりオリゴ糖を蛋白質分析用の支持体表面に固定化している。
本発明にかかるリンカー化合物は、分子内にジスルフィド結合を有する化合物であり、一般式(1)
Figure 2006047318
で表される構造を有している。
上記一般式(1)で表されるリンカー化合物は、例えば以下の反応式
Figure 2006047318
で示される反応により容易に得ることができる。
先ず、芳香族ジアミンである下記一般式(8)
Figure 2006047318
で表されるm−フェニレンジアミンを、上記反応式に示すように、CH3 OH(式中、MeOHと記す)および(C253 N(式中、Et3Nと記す)の存在下、((CH3)3 COCO)2 O(式中、(Boc)2Oと記す)と反応させることにより、上記一般式(8)で表されるm−フェニレンジアミンの一方のアミノ基を、t−ブトキシカルボニル基(−COCO(CH3)3 基; 式中、Boc基と記す)で保護(Boc化)することにより、下記一般式(9)
Figure 2006047318
で表される化合物が得られる。
次に、上記一般式(9)で表される化合物を、上記反応式に示すように、CH2 Cl2 中、水溶性カルボジイミド(式中、EDC・HClと記す)、並びに、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(式中、HOBtと記す)の存在下で、ジスルフィド結合を有する下記一般式(10)
Figure 2006047318
で表されるチオクト酸と縮合反応させることにより、下記一般式(11)
Figure 2006047318
で表される化合物が得られる。
次いで、上記一般式(11)で表される化合物を、上記反応式に示すように、ジオキサンの存在下、例えば0℃にてトリフルオロ酢酸(式中、TFAと記す)によりBoc基を除去することにより、分子内にジスルフィド結合を有する前記一般式(1)で表されるリンカー化合物が得られる。
本実施の形態では、前記一般式(8)で表されるm−フェニレンジアミンの一方のアミノ基をBoc化して前記一般式(9)で表される化合物を78%の収率で得た後、該一般式(9)で表される化合物をEDC・HClおよびHOBtの存在下で前記一般式(10)で表されるチオクト酸と縮合反応させることにより、前記一般式(11)で表される化合物を収率86%で調製した。その後、前記一般式(11)で表される化合物をジオキサンの存在下、0℃にてTFAでBoc基を除去することにより、前記一般式(1)で表される目的のリンカー化合物を収率85%で得た。
続いて、このリンカー化合物の反応性を確認するために該リンカー化合物をグルコースと反応させたところ、下記一般式(3)
Figure 2006047318
で表される親水性のリガンドを合成することができた。
すなわち、本発明にかかる上記一般式(3)で表されるリガンドは、グルコースをリンカー化合物に導入することにより、前記一般式(1)で表されるリンカー化合物に由来する構造単位、特に、ジスルフィド結合をその分子内に有すると共に、グルコースの導入、ひいてはオリゴ糖鎖の導入に際し、親水性部分がリンカー化合物との間に形成される親水性のリガンドであり、下記反応式
Figure 2006047318
で示されるように、前記一般式(1)で示されるリンカー化合物を、NaBH3 CN、CH3 COOH(式中、AcOHと記す)およびH2 Oの存在下、pH3、反応温度37℃にて下記一般式(12)
Figure 2006047318
で表されるD−グルコースと還元アミノ化反応させることにより容易に調製することができる。
本実施の形態では、前記一般式(1)で表されるリンカー化合物を上記条件下で一般式(12)で表されるD−グルコースと還元アミノ化反応させることにより、還元末端を効率良く利用して、前記一般式(3)で表される、親水性のリガンドを92%という高収率で得た。
このように分子内にジスルフィド結合(S−S結合)を持たせた部位をリンカー化合物に導入することで、該リンカー化合物を例えばSPRのセンサーチップ等をはじめとする蛋白質分析用の支持体表面にコートした金とイオウ−金結合(S−Au結合)させ易く、かつ、これら蛋白質分析用の支持体に、上記リンカー化合物に結合させたオリゴ糖鎖、つまり、上記したリンカー化合物を用いたリガンド中に含まれるオリゴ糖鎖を強固に結合させることができる。
すなわち、本発明によれば、リンカー分子内にジスルフィド結合を組み込んだ上記のリガンドを用いることで、該リガンドを例えばS−Au結合を介して蛋白質分析用の支持体に共有結合により直接結合させることができる。このため、上記のリガンド、すなわち、前記一般式(1)で表されるリンカー化合物に由来する構造単位を含むリガンドを用いれば、オリゴ糖鎖を蛋白質分析用の支持体表面に簡便に固定化することができると共に、蛋白質分析用の支持体を用いて分析する蛋白質との疎水性相互作用に基づく非特異的な相互作用をほぼ無視することができるシステムを構築することができる。
次に、上記したリンカー化合物並びにリガンドに由来する構造単位を有する本発明にかかるリガンドとして、前記一般式(7)で表される特定の部分二糖構造
(GlcNS6S−IdoA2S)を有するリガンドについて以下に説明する。
本発明にかかる上記リガンドは、前記一般式(1)で表されるリンカー化合物を前記一般式(7)で表される部分二糖構造(GlcNS6S−IdoA2S)を含む化合物と反応させることにより上記部分二糖構造(GlcNS6S−IdoA2S)を前記した本発明にかかるリンカー化合物に導入してなるリガンドであり、下記一般式(4)
Figure 2006047318
で表される構造を有している。
このため、上記一般式(4)で表されるリガンドもまた、前記一般式(1)で表されるリンカー化合物に由来する構造単位、特に、ジスルフィド結合をその分子内に有している。
上記一般式(4)で表される構造を有するリガンド(GlcNS6S−IdoA2S−Ligand)は、下記反応式
Figure 2006047318
で示されるように、ヘパリンの部分構造である二糖、すなわち、前記一般式(7)で表される部分二糖構造(以下、GlcNS6S−IdoA2Sと記す)の還元末端にグルコース単位を挿入した、下記一般式(13)
Figure 2006047318
で表される構造を有する三糖を公知の方法で別途合成しておき、この三糖と前記一般式(1)で表されるリンカー化合物とを、CH3 COOH(式中、AcOHと記す)/H2 O/CH3OH(式中、MeOHと記す)の混合溶媒中にて、NaBH3 CNの存在下、最適化した還元アミノ化反応させることによって調製することができる。上記三糖は、例えば「S.Koshida et al., Tetrahedron lett. Vol. 42, p1289, 2001年」に記載の方法により合成することができる。表1に、前記一般式(1)で表されるリンカー化合物と三糖との反応条件を示す。なお、NaBH3 CNは、10当量(eq)ずつ複数回に分けて添加した。
Figure 2006047318
なお、表1中、a)は6mM、b)は13mM、c)は37mMを示す。
前記一般式(1)で表されるリンカー化合物は、酢酸・水・メタノール溶媒系に溶解する。表1から判るように、前記一般式(1)で表されるリンカー化合物は、酢酸・水・メタノール溶媒系にてNaBH3 CNの存在下で三糖と反応し、例えば反応例5に示す条件下で前記一般式(1)で表されるリンカー化合物と三糖とを反応させることにより、本発明にかかる目的のリガンド(GlcNS6S−IdoA2S−Ligand;ESI−MS(negative) m/z=1072.15[ M−3Na+2H] - ) を得ることができる。
このようにして得られた本発明にかかるリガンドは、分子内にS−S結合を有し、これらリガンドを含む溶液と、表面に金を有する蛋白質分析用の支持体、例えば金をコートした前記SPRのセンサーチップ等のチップとを接触させることにより、これらリガンドに含まれるオリゴ糖鎖、つまり、前記一般式(1)で表されるリンカー化合物に組み込んだオリゴ糖のオリゴ糖鎖を、例えば図1に示すようにAu−S結合を介して、一段階で上記蛋白質分析用の支持体表面に固定化させることができる。これにより、図1に示すように、分子内にジスルフィド基を有するリンカー化合物を還元アミノ化反応によって一段階で糖鎖に縮合させ、これをAu−S結合を介してチップ上に固定化して部分二糖構造(GlcNS6S−IdoA2S)の二次元クラスターを形成させてなるセンサーチップが得られる。なお、図1中、NS6Sは上記した部分二糖構造(GlcNS6S−IdoA2S)のうちGlcNS6Sを示し、I2SはIdoA2Sを示し、Gはグルコース単位を示す。
本発明にかかる上記した各リガンドを用いて蛋白質分析用の支持体表面に一段階でオリゴ糖鎖を固定化する際に用いられる上記リガンドを含む溶液としては、特に限定されるものではないが、具体的には、例えば、これらリガンドのメタノール溶液等が挙げられる。
本実施の形態においては、前記一般式(3)または(4)で表されるリガンドのメタノール溶液(0.1mM)に、表面を金でコーティングしたガラス製のチップを2時間浸漬し、前記一般式(3)または(4)で表されるリガンド中のS−S結合をチップ表面の金とのAu−S結合に変換させることによって、オリゴ糖をチップ表面に固定化させた。このようにして調製した2種類のチップの非特異的相互作用を、ウシ血清アルブミン(以下、BSAと記す)を試料として使用し、表面プラズモン共鳴装置(日本レーザー電子社製、SPR670)を用いて測定することにより検討した。
なお、上記測定においては、比較のために、「G.M.Kuziemko et al, Biochemistry, Vol. 35, p6375, 1996年」に報告されているような疎水性相互作用を介してチップ表面にオリゴ糖鎖を固定化した場合におけるチップの非特異的相互作用を、0.1mg/mlのBSAを試料として使用し、表面プラズモン共鳴装置(日本レーザー電子社製、SPR670)を用いて測定した。
図2は、下記一般式(14)
Figure 2006047318
で表される従来のリガンドを用いて疎水性相互作用を介してオリゴ糖類(マルトース)をチップに結合させた場合(図2中、線Aにて示す)における非特異的相互作用によるレスポンス(RU:Resonance Unit)と前記一般式(3)で表される本発明のリガンドを用いてAu−S結合を介してグルコースをチップに結合させた場合(図2中、線Bにて示す)における非特異的相互作用によるレスポンス(RU)との比較を示している。なお、バッファにはpH7.4のリン酸緩衝食塩水(PBS)を使用した。また、バッファの流量は5μl/minとした。
BSAはマルトースやグルコースには相互作用しないことが判っているが、前記一般式(14)で表される従来のリガンドによる疎水性相互作用を利用した測定系では、疎水性チップ上にこのようなグルコース構造をもったリガンドを固定化し、その上に疎水性蛋白質であるBSAを加えたところ、線Aに示すように大きなレスポンス(RU)が観測され、1240もの共鳴角度変化(ΔRU)が観測され、非特異的な結合が起こっていることが判る。
これは、BSAとチップ上の疎水性場との非特異的な相互作用によるものであり、このように大きな非特異的相互作用があると、特異的相互作用を観測するのは非常に困難になる。
一方、同じ濃度のBSAを、Au−S結合を介してグルコース単位を固定化したチップ、すなわち、ジスルフィド結合を有する本発明にかかる親水性リガンドを固定化したチップ上に加えたところ、線Bに示すように、レスポンス(RU)はほぼ直線となり、非特異的な結合は殆ど観測されなかった。このことから、前記一般式(3)で表される本発明のリガンドを用いてAu−S結合を介してグルコースをチップに結合させた場合、疎水性相互作用に基づく非特異的相互作用は無視できることが判った。
また、同様に、前記一般式(4)で示されるリガンドを用いて上述した方法によりヘパリンの部分二糖構造(GlcNS6S−IdoA2S)を固定化したチップを用いて、BSA、並びに、ヒト由来フォンビルプラント因子蛋白質中のヘパリン結合ドメインである合成vWFペプチド(vWF中のヘパリン結合サイト:YIGLKDRKRPSELRRIASQVKYA−NH)との相互作用によるレスポンス(RU)を、表面プラズモン共鳴装置(日本レーザー電子社製、SPR670)を用いて測定した。
図3中、線Cは試料として0.1mg/mlのBSAを使用した場合のレスポンス(RU)を示し、線Dは試料として2μMの合成vWFペプチドを使用した場合のレスポンス(RU)を示す。なお、バッファにはpH7.4のPBSを使用した。また、バッファの流量は5μl/minとした。
BSAはヘパリンと非特異的に僅かに相互作用することが知られているが、上記測定の結果、線Cに示すように、僅かに相互作用はみられるが、その強さはほぼ無視できる程度であることが判明した。
一方、ヘパリンと結合相互作用することが確認されている、ヒト由来フォンビルプラント因子蛋白質中のヘパリン結合ドメインである、2μMの合成vWFペプチドをBSAの代わりに用いてSPRを測定したところ、線Dに示すように明らかな結合曲線が観測され、非常に高い相互作用があることが判った。このことから、上記したチップを用いた場合には疎水性相互作用による非特異的な相互作用の影響を無視できると考え、合成vWFペプチドの解離定数KD を求めた。
図4は、合成vWFペプチドの濃度を0.05μMから2.0μMまで連続的に変化させて前記一般式(4)で表されるリガンドを固定化したチップ上に加えた場合の結合曲線を示す。なお、図4中、↑は合成vWFペプチドの注入を示し、↓はバッファに切り替わったことを示す。また、合成vWFペプチドのチップへの固定化量は、vWFペプチド注入前のベースライン(図中、点線にて示す)から、バッファに切り替わった後、合成vWFペプチドが解離して平行に達したたところまでの差をそれぞれとっている。なお、上記測定においても、バッファにはpH7.4のPBSを使用し、バッファの流量は5μl/minとした。また、表面プラズモン共鳴装置には、日本レーザー電子社製の表面プラズモン共鳴装置「SPR670」を用いた。
図5の線Eは、このときの固定量の変化、すなわち、前記一般式(4)で表されるリガンドを固定化したチップを用いた場合における合成vWFペプチドのチップへの固定化量の変化(レスポンス(RU))を合成vWFペプチドの濃度に対してプロットした図である。
図5に示すように上記合成vWFペプチドの濃度を変化させて該合成vWFペプチドのそれぞれの濃度に対するレスポンス(RU)から結合度を測定し、該結合度から解離定数KD を算出したところ、線Eで示すように、前記一般式(4)で表されるリガンド(GlcNS6S−IdoA2S−ligand)を用いた場合には、 Sobel等が放射標識法によって求めた値(M.Sobel et al. J. Biol. Chem. (1992), vol.267, p8857 、KD=370 ±100 nM)と非常に近い値(KD =210nM)が導かれた。
一方、前記一般式(3)で表されるリガンド(親水性リガンド)を固定化したチップ上に合成vWFペプチドを上記と同様に注入したが、この場合は、図5の線Fに示すように、合成vWFペプチドと該チップとの結合相互作用は殆ど観測されず、非特異的な相互作用はないことが確認された。
以上のように前記一般式(3)で表されるリガンドを固定化したチップを用いてvWF中のヘパリン結合ドメインを含む合成ペプチドとの結合挙動をSPRで測定した結果、特異的な相互作用のみが観測され、さらに天然ヘパリンとこの合成ペプチド(合成vWFペプチド)との解離定数KD にほぼ等しい値がSPR解析から得られたことから、このチップの有用性が明らかとなった。
また、以上のことから、本発明にかかる上記各リガンド並びにこれらリガンドに用いられる前記一般式(1)で表されるリンカー化合物は、オリゴ糖鎖を、例えばAu−S結合を介して、蛋白質分析用の支持体表面に固定化するために非常に優れた性質を有する化合物であることが明らかになった。
以上のように、本発明によれば、還元アミノ化反応によって、硫酸化二糖、すなわち、ヘパリンの部分二糖構造(GlcNS6S−IdoA2S)に、分子内にジスルフィド結合を有するリンカーを導入することができた。そして、このようにして合成したリガンドを用いて、硫酸化二糖をAu−S結合を介してチップへ固定化することにより、チップとの非特異的な相互作用を無視できる実験系を確立することができた。さらに、このチップを用いると、硫酸化二糖と合成vWFペプチドとの特異的な相互作用を観測することができることが判った。
なお、本発明においては、ヘパリン結合性蛋白質として上記した合成vWFペプチドを使用したが、本発明はこれに限定されるものではなく、上記したチップを用いることで、他のヘパリン結合性蛋白質との結合挙動も解析することが可能である。
以上のように、本発明によれば、上記のリンカー化合物を用いれば、還元末端を有しているオリゴ糖鎖をチップ表面に簡便に固定化できるようになったばかりでなく、チップを用いて分析する蛋白質との疎水性相互作用に基づく非特異的な相互作用をほぼ無視することができるシステムを構築することができた。
さらに、本願発明者等は、オリゴ糖の生物活性を評価するために、オリゴ糖を効率良く集合化し、多糖のオリゴ糖を一段階で蛋白質分析用の支持体表面に導入すべく鋭意検討した。この結果、本願発明者等は、図6に示すように多価の芳香族アミン部分とビオチン部分とを有するリンカー化合物(ビオチンリンカー)を用いてオリゴ糖鎖を集合化させ、該オリゴ糖鎖を、ビオチン−ストレプトアビジン(またはアビジン)の結合を利用してSPRのセンサチップ等のチップやアフィニティークロマトグラフィーの担体等の蛋白質分析用の支持体表面に固定化することで、多糖のオリゴ糖を一段階で蛋白質分析用の支持体表面に導入し、オリゴ糖の集合化と固定化との両方を実現することができることを見い出した。なお、図6並びに以下に示す図において、Stはストレプトアビジン(またはアビジン)を示し、Biはビオチンを示す。
以下、本発明にかかる他のリンカー化合物として、分子内にS−S結合を持たせた部位の代わりにビオチンをリンカー化合物に導入してなるビオチンリンカーについて説明すると共に、該ビオチンリンカーを用いたリガンド並びに該リガンドを用いたオリゴ糖鎖の固定化方法および該リガンドを固定化させた、蛋白質分析用の支持体について説明する。
本発明にかかる他のリンカー化合物は、ビオチンと複数個のオリゴ糖を結合させ得る反応点を併せ持った多岐用途型リンカーであり、
一般式(101)
Figure 2006047318
で表される構造を有している。
上記一般式(101)で表されるリンカー化合物は、例えば以下の式
Figure 2006047318
で示される反応により容易に得ることができる。
先ず、上記の反応式にしたがって下記一般式(15)
Figure 2006047318
で表されるp−アミノ安息香酸を、MeOHおよびトリエチルアミン(TEA)の存在下、(Boc)2 Oと室温にて反応させて上記一般式(15)で表されるp−アミノ安息香酸のアミノ基をBoc基で保護(Boc化)することにより、下記一般式(16)
Figure 2006047318
で表される化合物が得られる。
次に、反応温度を0℃から室温に昇温させて、上記一般式(16)で表される化合物を、CH2 Cl2 中、HOBt、EDC.HClの存在下で、下記一般式(17)
Figure 2006047318
で表されるジエチレントリアミン(0.5当量)と反応させて縮合させることにより、下記一般式(18)
Figure 2006047318
で表される化合物が得られる。
次に、上記一般式(18)で表される化合物をN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)に溶解し、TEA(2当量)の存在下で、下記一般式(19)
Figure 2006047318
で表される、ビオチンの活性エステル化合物と反応させることにより、下記一般式(20)
Figure 2006047318
で表される化合物が得られる。
次いで、反応温度を0℃から室温に昇温させてトリフルオロ酢酸(TFA)で上記一般式(20)で表される化合物のBoc基、すなわち、アミノ基の保護基を外す(脱保護する)ことにより、本発明にかかるリンカー化合物として、前記一般式(101)で表される、糖鎖を二単位集合化させるためのビオチンリンカーが得られる。
本実施の形態では、上記一般式(15)で表されるp−アミノ安息香酸のアミノ基をBoc基で保護(Boc化)することにより、一般式(16)で表される化合物を収率75%で得た後、該一般式(16)で表される化合物を上記した条件下で一般式(17)で表されるジエチレントリアミン(0.5当量)と反応させることにより、収率93%で一般式(18)で表される化合物を調製した。その後、上記一般式(18)で表される化合物を、上記した条件下で一般式(19)で表されるビオチンの活性エステル化合物と反応させることにより、一般式(20)で表される化合物(ESI−MS(positive)m/z=524.4 [M+H] + ) を得た。上記ビオチンの活性エステル化合物並びに反応式中、conditionsの表記にて示す反応条件(溶媒および反応温度)を変更した場合における上記一般式(20)で表される化合物の各収率を表2に示す。
Figure 2006047318
表2に示すように、ビオチン活性化エステルとして、ペンタフルオロフェニル基(Pfp)を用いた系により、目的とする上記一般式(18)で表される化合物を最も収率良く得ることができた。
続いて、TFAで上記一般式(18)で表される化合物のBoc基を脱保護することにより、上記ビオチンリンカー、すなわち、前記一般式(101)で表されるリンカー化合物を収率91%で得た。
続いて、このリンカー化合物を用いてオリゴ糖鎖を集合化させた。集合化させる糖鎖には、血液凝固に関わるフォンビルブラント因子ペプチド(vWFペプチド)と相互作用する、ヘパリン中の硫酸化部分二糖、すなわち、前記一般式(7)で表される部分二糖構造(GlcNS6S−IdoA2S)を使用した。
すなわち、上記ビオチンリンカーを用いた本発明にかかるリガンドは、下記一般式(102)
Figure 2006047318
で表される構造を有し、前記一般式(101)で表されるリンカー化合物にヘパリン中の硫酸化部分二糖(GlcNS6S−IdoA2S)が導入された構造を有している。
これにより、上記一般式(102)で表されるリガンドは、前記一般式(101)で表されるリンカー化合物に由来する構造単位を有し、ビオチンとストレプトアビジン(またはアビジン)との高い親和性を利用してオリゴ糖鎖として上記硫酸化部分二糖(GlcNS6S−IdoA2S)をビオチン−ストレプトアビジン(またはアビジン)結合により蛋白質分析用の支持体に固定化させることができる。
上記一般式(102)で表されるリガンドは、下記反応式
Figure 2006047318
で示されるように、最適化した還元アミノ化反応を用いて、上記硫酸化部分二糖を含む三糖体、すなわち、ヘパリン中の部分構造二糖(GlcNS6S−IdoA2S)の還元末端にグルコース単位を導入した前記一般式(13)で表される三糖を、H2 O/AcOH/MeOHの混合溶媒に溶解し、NaBH3 CNの存在下で前記一般式(101)で表される、多岐用途型のリンカー化合物であるビオチンリンカーに導入することにより調製した。
表3に、前記一般式(101)で表されるリンカー化合物と三糖との反応条件を示す。
Figure 2006047318
表3から判るように、前記一般式(101)で表されるリンカー化合物は、酢酸・水・メタノール溶媒系にてNaBH3 CNの存在下で三糖と反応し、例えば反応例3に示す条件下で前記一般式(101)で表されるリンカー化合物と三糖とを反応させることにより、糖鎖が2単位集合化した本発明にかかる目的のリガンド、すなわち、ヘパリン部分二糖構造を2単位含む、上記一般式(102)で表される多岐用途型のリガンド(オリゴ糖鎖リガンド;ESI−MS(negative) m/z=523.8[ M−7Na+3H]4- ) を得ることができた。
次に、上記オリゴ糖鎖リガンドを使用し、SPRにより、該オリゴ糖鎖リガンドと合成vWFペプチドとの相互作用を確認した。まず、上記一般式(102)で表される化合物をストレプトアビジンを固定化したSPRのセンサチップ表面上にビオチン−ストレプトアビジンの高い親和性を利用して配列させ、ヘパリン結合性のモデルペプチドとの相互作用を調べ、その有用性を検討した。
ここで、オリゴ糖鎖リガンドをSPRのセンサチップ上に固定化する操作について、図7(a)〜(d)を参照して以下に説明する。
本発明にかかる上記オリゴ糖鎖リガンドは、該オリゴ糖鎖リガンドを含む溶液と、予めストレプトアビジンを固定化したSPRのセンサチップ(ストレプトアビジン固定化チップ)とを接触させることにより、該オリゴ糖鎖リガンドに含まれるオリゴ糖鎖、つまり、上記ビオチンリンカーに組み込んだオリゴ糖のオリゴ糖鎖を一段階でSPRのセンサチップ表面に固定化させることができる。
ストレプトアビジン固定化チップは、図7(a)に示すようにガラス基盤表面に金をコーティングしたSPRのセンサチップに、図7(b)に示すようにAu−S結合を利用して下記一般式(21)
Figure 2006047318
で表される4,4−ジチオジ酪酸を固定化させ、図7(c)に示すように固定化させた4,4−ジチオジ酪酸を水可溶性のカルボジイミドの存在下でN−ヒドロキシコハク酸イミドと反応させて活性化した後、図7(d)に示すようにストレプトアビジンの末端アミノ基を縮合させることにより作成、つまり、ストレプトアビジンを固定化することができる。
図8はSPRのセンサチップ上にストレプトアビジンを固定化した時のSPRのセンサグラムの結果の一例であり、横軸はランニングバッファのフロー時間を示し、縦軸は共鳴角度変化(RU:Resonance Unit)を示す。
また、図8中、矢印Xはストレプトアビジン溶液の注入を示し、矢印Yはランニングバッファに自動的に切り替わったことを示す。なお、ランニングバッファにはpH7.4のPBSを使用し、その流量は5μl/minとした。また、表面プラズモン共鳴装置には、日本レーザー電子社製の表面プラズモン共鳴装置「SPR670」を用いた。そして、結合に関与しなかったストレプトアビジンをランニングバッファで洗い流し、チップ上に残存する活性エステルを1Mアミノエタノールによりキャッピングした。最終的なストレプトアビジンの固定化量はストレプトアビジン注入前のベースラインと、アミノエタノールによるキャッピングの後の共鳴角度変化の差とした。このセンサグラムでのストレプトアビジンの固定化量は2930RUであった。
本発明にかかるオリゴ糖鎖リガンドは、このようにして作成したストレプトアビジン固定化チップに、ビオチン−ストレプトアビジンの高い親和性を利用して固定化させることが可能であり、上記オリゴ糖鎖リガンドを用いれば、前記したように該オリゴ糖鎖リガンドを含む溶液と、予めストレプトアビジンを固定化したSPRのセンサチップとを接触させることにより、該センサチップ表面に集合化されたオリゴ糖鎖を一段階で固定することができる。
このときに用いられる上記オリゴ糖鎖リガンドを含む溶液としては、具体的には、例えば、上記オリゴ糖鎖リガンドのPBS溶液等が挙げられる。
本実施の形態によれば、上記オリゴ糖鎖リガンドを含む溶液、例えば上記オリゴ糖鎖リガンドのPBS溶液に、ストレプトアビジンを固定化した上記センサチップを浸漬するかもしくは後述するようにストレプトアビジンを固定化したセンサチップにオリゴ糖鎖リガンドを含む溶液を注入して既知のビオチン−アビジン特異的結合相互作用を用いたビオチン−ストレプトアビジン結合によって上記オリゴ糖鎖リガンドを上記センサチップに固定化させることにより、表面にヘパリン部分二糖構造を有するセンサチップを作成することができた。
次に、このセンサチップを用いてvWFペプチドとの結合定数KD を測定した。
図9(a)は、ストレプトアビジンを固定化したSPRのセンサチップを示す。上記vWFペプチドとの結合定数の測定に際しては、図9(a)に示すセンサチップに、濃度を変えてオリゴ糖鎖リガンドを含むPBS溶液を注入して図9(b)に示すように該オリゴ糖鎖リガンド固定化させ、次いで、図9(c)に示すようにさらに濃度を変えてvWFペプチドを注入した。このようにして得られたセンサグラムの一例を図10に示す。
図10はセンサチップ上にオリゴ糖鎖リガンドを固定化させ、濃度を変えてvWFペプチドを注入したときのSPRのセンサグラムの結果の一例であり、横軸はランニングバッファのフロー時間を示し、縦軸は共鳴角度変化(RU)を示す。
また、図10中、↑はオリゴ糖鎖リガンドの注入を示し、↓は結合に関与しなかったオリゴ糖鎖リガンドの洗浄のためのランニングバッファの注入を示す。オリゴ糖鎖リガンドは、その濃度を1.39μMから2.22μMまで連続的に変化させて上記センサチップに加えた。なお、ランニングバッファにはpH7.4のPBSを使用し、その流量は10μl/minとした。また、表面プラズモン共鳴装置には、日本レーザー電子社製の表面プラズモン共鳴装置「SPR670」を用いた。オリゴ糖鎖リガンドの固定化量は、オリゴ糖鎖リガンドの注入前のベースラインと、余分なオリゴ糖鎖リガンドが洗い流され、共鳴角度変化(RU)が一定になった時の差が固定化量に相当する。上記のセンサグラムではオリゴ糖鎖リガンドの固定化量は140RUであった。
続いて、オリゴ糖鎖リガンドを固定化させたセンサーチップに、vWFペプチドを注入し、結合させた後、ランニングバッファにより解離させ、その時の共鳴角度変化(RU)を観測した。vWFペプチドは、その濃度を0.5μMから1.0μMまで連続的に変化させて上記センサチップに加えた。結合定数KD の算出には、オリゴ糖鎖リガンドとvWFペプチドとの結合による正の共鳴角度変化から求めた結合速度と、解離による負の共鳴角度変化から求めた解離速度とを用いた。
上記の測定から算出された結合定数KDは、Sobel 等が放射標識法によって求めた値(M.Sobel et al. J. Biol. Chem. (1992), vol.267, p8857 、KD=370 ±100 nM)とほぼ同じ値(KD =280nM)であった。
以上のように、本実施の形態においては、糖鎖を集合化させるための新規なビオチンリンカーを提供した。そして、このビオチンリンカーを用いることにより、糖鎖を集合化させることができた。そして、この集合化させた糖鎖と蛋白質との相互作用をSPRで確認することにより、ビオチンリンカーのSPRへの応用が可能であることが判った。
このように、上記ビオチンリンカーは、その分子内にビオチンが導入されていることで、既知の方法で前もってストレプトアビジンを固定化したチップやアフィニティークロマトグラフィーの担体に、ビオチン−アビジンの強い特異的相互作用を利用したビオチン−ストレプトアビジン結合によりオリゴ糖鎖を固定化することができる。
この結果、上記ビオチンリンカーを用いることで、還元末端を有しているオリゴ糖鎖を蛋白質分析用の支持体表面に簡便に固定化できるようになった。また、従来、不可能であった、自然界から単利精製して得られるオリゴ糖をそのまま用いて蛋白質分析用の支持体表面に固定することが可能となった。
一般式(4)で表される本発明のリガンドを用いて硫酸化多糖ヘパリン中の部分二糖構造を固定化してなる蛋白質分析用の支持体を示す模式図である。 従来のリガンドを用いてマルトースをセンサチップに結合させた場合における非特異的相互作用によるレスポンスと一般式(3)で表される本発明のリガンドを用いてグルコースを蛋白質分析用の支持体に結合させた場合における非特異的相互作用によるレスポンスとを比較するグラフである。 図1に示す蛋白質分析用の支持体を用いてBSA並びに合成vWFペプチドとの非特異的相互作用によるレスポンスを測定した結果を示すグラフである。 合成vWFペプチドの濃度を連続的に変化させて図1に示す蛋白質分析用の支持体に加えた場合の結合曲線を示すグラフである。 合成vWFペプチドの濃度を連続的に変化させて図1に示す蛋白質分析用の支持体に加えた場合における合成vWFペプチドの上記蛋白質分析用の支持体への固定化量の変化を示すグラフである。 一般式(102)で表される本発明のリガンドを用いてオリゴ糖鎖を集合可能なうえ固定化してなる蛋白質分析用の支持体を示す模式図である。 (a)〜(d)は、一般式(102)で表される本発明のリガンドを上記蛋白質分析用の支持体上に固定化する操作を示す説明図である。 SPRに用いる蛋白質分析用の支持体上にストレプトアビジンを固定化した時のSPRのセンサグラムである。 (a)は、ストレプトアビジンを固定化したSPR用の蛋白質分析用の支持体を示す模式図であり、(b)は、(a)に示す蛋白質分析用の支持体に一般式(102)で表される本発明のリガンドを固定化させた状態を示す模式図であり、(c)は、(b)に示す蛋白質分析用の支持体にさらに濃度を変えてvWFペプチドを注入したときの上記蛋白質分析用の支持体とvWFペプチドとの相互作用を示す模式図である。 SPRに用いる蛋白質分析用の支持体上に一般式(102)で表されるリガンドを固定化させ、濃度を変えてvWFペプチドを注入したときのSPRのセンサグラムである。 従来のリガンドを用いて疎水性相互作用により硫酸化多糖ヘパリン中の部分二糖構造を固定化してなる従来のセンサチップを示す模式図である。 図11に示すセンサチップを用いて硫酸化多糖ヘパリン中の部分二糖構造と硫酸化多糖ヘパリン結合性の蛋白質との結合挙動を解析した結果を示すグラフである。

Claims (4)

  1. 一般式(101)
    Figure 2006047318
    で表されるリンカー化合物。
  2. 一般式(102)
    Figure 2006047318
    で表されるリガンド。
  3. オリゴ糖鎖を蛋白質分析用の支持体の表面に固定化するオリゴ糖鎖の固定化方法であって、
    請求項2記載のリガンドを含む溶液を、表面にストレプトアビジンを固定化した支持体とを接触させることを特徴とするオリゴ糖鎖の固定化方法。
  4. 請求項2記載のリガンドを、ビオチン−ストレプトアビジン結合を介して表面に固定化させてなることを特徴とする蛋白質分析用の支持体。
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