JP2006047165A - 肌改善のための食品の鑑別方法及び鑑別のための指標 - Google Patents
肌改善のための食品の鑑別方法及び鑑別のための指標 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】 調査する日迄に日常的に摂取した食品における、必須脂肪酸の構成比を、肌状態の改善のための指標とする。前記必須脂肪酸の構成比としては、必須脂肪酸をn−3系脂肪酸と、n−6系脂肪酸に分類し、n−6系脂肪酸の摂取量をn−3系脂肪酸の摂取量で除した数値を用いることが好ましい。この指標を用い、食事が肌状態の改善のために、適切か、否かの鑑別する。具体的には、n−6系必須脂肪酸の摂取量の割合が、n−3系必須脂肪酸の摂取量を基準にした場合、相対的に低いほど好ましいと鑑別する。かかる鑑別結果を、化粧料に添付する。
【選択図】 なし
Description
(1)調査する日迄に日常的に摂取した食品における、必須脂肪酸の構成比からなる、肌状態の改善のための指標。
(2)前記必須脂肪酸の構成比が、必須脂肪酸をn−3系脂肪酸と、n−6系脂肪酸に分類し、n−6系脂肪酸の摂取量をn−3系脂肪酸の摂取量で除した数値であることを特徴とする、(1)に記載の指標。
(3)n−3系脂肪酸の摂取量として、α−リノレン酸、ドコサヘキサエン酸及びエイコサペンタエン酸の摂取量を用いることを特徴とする、(1)又は(2)に記載の指標。
(4)n−6系の脂肪酸の摂取量として、リノール酸、γリノレン酸及びアラキドン酸の摂取量を用いることを特徴する、(1)〜(3)何れか1項に記載の指標。
(5)(1)〜(4)何れか1項に記載の指標を用いた、食事が肌状態の改善のために、適切か、否かの鑑別方法であって、n−6系必須脂肪酸の摂取量の割合が、n−3系必須脂肪酸の摂取量を基準にした場合、相対的に低いほど好ましいと鑑別することを特徴とする、鑑別方法。
(6)日常的に摂取した食品における、n−6系脂肪酸の摂取量をn−3系脂肪酸の摂取量で除した数値が5以上である場合に、肌状態に好ましくない食生活と鑑別し、5未満の場合には肌状態に好ましい食事と鑑別することを特徴とする、(5)に記載の鑑別方法。
(7)化粧料の購入時に行われるべきものであることを特徴とする、(5)又は(6)に記載の鑑別方法。
(8)(5)〜(7)何れか1項に記載の鑑別方法による鑑別の結果を添付してなる、肌状態改善のための化粧料。
本発明の肌状態の改善のための指標は、日常的に摂取した食品における、必須脂肪酸の構成比からなることを特徴とする。かかる構成比は、その調査を行う日において日常化している数値を用いることが好ましく、具体的には、その調査の日の直前の2週間〜5日のものを使用することが好ましく、少なくとも直近5日間のデータを使用することが好ましい。これは食事によるバラツキを抑制し、食生活の平均的な姿を見るためである。かかる必須脂肪酸の構成比は、当該期間に於ける、具体的に摂取した食品を正確に記録し、この記録を元に食品成分表などを元に、摂取した食品中に含まれる必須脂肪酸を種類毎に算出し、積算することにより求めることが出来る。この必須脂肪酸の構成としては、必須脂肪酸をその不飽和結合の存在位置によって、n−3系の脂肪酸と、n−6系の脂肪酸に分類し、n−3系脂肪酸の総量と、n−6系脂肪酸の総量の比を用いて表すことが好ましい。n−6系脂肪酸は体内でリノール酸からγリノレン酸、アラキドン酸へと変換され、アラキドン酸はプロスタグランディンE2等の起炎症性プロモーターの産生を促進すると言われており、n−3はそれに対して拮抗的に作用すると言われている。近年の食生活の西欧化は、n−6系脂肪酸の摂取量を増大させているが、n−3系の脂肪酸の摂取量は変化していないか、低下気味であると言われている。この様な状況は、近年に於いて、アトピー性皮膚炎患者、アレルギー体質の人等、皮膚状態にトラブルを抱える人の数が急増していることと呼応しており、状況をよく説明している。ここで、n−3系脂肪酸としては、α−リノレン酸、ドコサヘキサエン酸或いはエイコサペンタエン酸が代表的なものとして挙げられ、これらの3種が殆どであり、この3種の脂肪酸の摂取量の総和をn−3系脂肪酸の総和と読み替えることが出来る。n−6系脂肪酸代表的なものにはリノール酸、γリノレン酸或いはアラキドン酸が代表的なものとして挙げられ、これらの3種が殆どであり、この3種の脂肪酸の摂取量の総和をn−6系脂肪酸の総和と読み替えることが出来る。具体的には、必須脂肪酸をn−3系脂肪酸と、n−6系脂肪酸に分類し、n−6系脂肪酸の摂取量をn−3系脂肪酸の摂取量で除した数値を必須脂肪酸の構成比として用いることが特に好ましい。
本発明の食事の鑑別法は、食事が肌状態の改善のために、適切か、否かの鑑別方法であって、前記本発明の指標を使用し、n−6系必須脂肪酸の摂取量の割合が、n−3系必須脂肪酸の摂取量を基準にした場合、相対的に低いほど好ましいと鑑別することを特徴とする。この鑑別のための閾値としては、後記実施例に示す如く、必須脂肪酸をn−3系脂肪酸と、n−6系脂肪酸に分類し、n−6系脂肪酸の摂取量をn−3系脂肪酸の摂取量で除した数値において、5を用いることが好ましい。即ち、日常的に摂取した食品における、n−6系脂肪酸の摂取量をn−3系脂肪酸の摂取量で除した数値が5以上である場合に、肌状態に好ましくない食生活と鑑別し、5未満の場合には肌状態に好ましい食事と鑑別するものである。この様な、食生活の影響は、皮膚の炎症において、化粧料など皮膚外用剤による処理と同等、乃至は、それ以上に大きい。従って、皮膚状態の改善を図る化粧料を販売する場合に於いては、その購入者の食生活を前記の如く分析し、n−6系脂肪酸の摂取量をn−3系脂肪酸の摂取量で除した数値を求め、この数値が、5以上である場合には、化粧料とともに、食生活の改善を勧めることが好ましい。この様な食生活改善の勧めは、鑑別の結果を示しつつ、化粧品の販売とともに行うと、その化粧料の効果を如実に出来る意味で好ましい。
皮膚状態の改善のための化粧料であって、この様な、食生活の鑑別結果、食生活改善の勧めを、皮膚状態改善用の化粧料に付したものが、本発明の化粧料である。この様な皮膚状態改善用の化粧料としては、ヒアルロン酸及び/又はその塩、ポリメタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチルコポリマー、メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ステアリルコポリマー、ポリグルコシルエチルメタクリレート、ポリメタクリロイルリジン等の保湿性高分子を0.001〜0.1質量%含有するものが特に好適に例示できる。
被験者46名に対して5日間の食事記録(食品や食材の概量、写真撮影)を実施して摂取した食品・食材を調査し、五訂日本食品標準成分表の栄養データを基準としたパソコンソフト(エクセル栄養君Ver.3.0、建帛社)を用いて個人が摂取した栄養素100種を算出した。同時にTEWLを測定し、個人の栄養摂取状況と肌状態との関連性を統計解析した。解析はエクセル統計・多変量解析ソフトを用いた。
TEWLの測定はTewameter(インテグラル社製)を使用し、右頬の水分蒸散量を1分間測定し、値が安定した部分を算出した。
1)必須脂肪酸の摂取比率(n-6/n-3)と頬の経皮水分蒸散量(TEWL)に正の相関が見られた。ロジスティック回帰分析 相関係数:0.31 p値:0.041
2)n−6/n−3比を4未満と4以上5未満、5以上の3群に分けて解析した結果、頬の経皮水分蒸散量(TEWL)において5以上との間に有意差が見られた。
T検定 p<0.05
これらの結果について、1)の結果は図1に、2)の結果は図3に示す。これより、本発明の指標が、皮膚状態改善のための食生活の指標となっていることが判る。
ポリメタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン 0.1質量%
ヒアルロン酸ナトリウム1%水溶液 0.1質量%
フェノキシエタノール 0.5質量%
1,2−ペンタンジオール 5 質量%
グリセリン 5 質量%
マメ科クジンの抽出物 0.1質量%
ウコギ科ニンジンの抽出物 0.1質量%
グァーガム 0.1質量%
水 89 質量%
Claims (8)
- 調査する日迄に日常的に摂取した食品における、必須脂肪酸の構成比からなる、肌状態の改善のための指標。
- 前記必須脂肪酸の構成比が、必須脂肪酸をn−3系脂肪酸と、n−6系脂肪酸に分類し、n−6系脂肪酸の摂取量をn−3系脂肪酸の摂取量で除した数値であることを特徴とする、請求項1に記載の指標。
- n−3系脂肪酸の摂取量として、α−リノレン酸、ドコサヘキサエン酸及びエイコサペンタエン酸の摂取量を用いることを特徴とする、請求項1又は2に記載の指標。
- n−6系の脂肪酸の摂取量として、リノール酸、γリノレン酸及びアラキドン酸の摂取量を用いることを特徴する、請求項1〜3何れか1項に記載の指標。
- 請求項1〜4何れか1項に記載の指標を用いた、食事が肌状態の改善のために、適切か、否かの鑑別方法であって、n−6系必須脂肪酸の摂取量の割合が、n−3系必須脂肪酸の摂取量を基準にした場合、相対的に低いほど好ましいと鑑別することを特徴とする、鑑別方法。
- 日常的に摂取した食品における、n−6系脂肪酸の摂取量をn−3系脂肪酸の摂取量で除した数値が5以上である場合に、肌状態に好ましくない食生活と鑑別し、5未満の場合には肌状態に好ましい食事と鑑別することを特徴とする、請求項5に記載の鑑別方法。
- 化粧料の購入時に行われるべきものであることを特徴とする、請求項5又は6に記載の鑑別方法。
- 請求項5〜7何れか1項に記載の鑑別方法による鑑別の結果を添付してなる、肌状態改善のための化粧料。
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