JP2006047080A - 磁気センサ - Google Patents
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Abstract
【課題】 基板と垂直ではない方向の磁場の強度を検出できる磁気センサ、および磁気の方向の変化を検出できる磁気センサを提供する。
【解決手段】 少なくとも1つの磁気検知層104を備える磁気センサ(ホールセンサ)であって、基板101と、基板101上に基板101側から順に配置された第1および第2の層(半導体層123および124)を含む積層部102と、少なくとも第1および第2の層が折り曲げられることによって形成された少なくとも1つの起立部103aおよび104bと、起立部に形成された第1の磁気検知層104とを備え、第1の層の格子定数と第2の層の格子定数とが異なる。
【選択図】 図1
【解決手段】 少なくとも1つの磁気検知層104を備える磁気センサ(ホールセンサ)であって、基板101と、基板101上に基板101側から順に配置された第1および第2の層(半導体層123および124)を含む積層部102と、少なくとも第1および第2の層が折り曲げられることによって形成された少なくとも1つの起立部103aおよび104bと、起立部に形成された第1の磁気検知層104とを備え、第1の層の格子定数と第2の層の格子定数とが異なる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、磁気センサに関する。
従来から、磁気を検出するための様々なセンサが提案されている。たとえば、ホールセンサはホール効果を利用して磁気を検出する。ホールセンサは、通常、基板上に、半導体からなる十字型の半導体層(磁気検知層)を形成し、その半導体層に4つの電極を接続することによって形成される(たとえば特許文献1および2)。
特開平8−279633号公報
特開2002−43651号公報
しかしながら、従来のホールセンサでは基板上に磁気検知層を形成するため、基板に垂直な方向の磁場の強度については高い感度で検出できるが、それ以外の方向については検出できなかった。また、従来のホールセンサでは、磁気の方向の変化を検出することはできなかった。
このような状況に鑑み、本発明は、基板と垂直ではない方向の磁場の強度を高感度に検出できる磁気センサ、および磁気の方向の変化を検出できる磁気センサを提供することを目的の1つとする。
上記目的を達成するため、本発明の磁気センサは、少なくとも1つの磁気検知部を備える磁気センサであって、基板と、前記基板上に前記基板側から順に配置された第1および第2の層を含む積層部と、少なくとも前記第1および第2の層が折り曲げられることによって形成された少なくとも1つの起立部と、前記起立部に形成された第1の磁気検知部とを備え、前記第1の層の格子定数と前記第2の層の格子定数とが異なる。
本発明の磁気センサによれば、基板と垂直ではない方向の磁場の強度を高感度に検出できる。また、本発明の磁気センサは、2つ以上の磁気検知部を備えることによって、磁気の方向の変化を多次元的に検出できる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下で説明する磁気センサは本発明の一例であり、本発明は以下の説明に限定されない。
本発明の磁気センサは、少なくとも1つの磁気検知部を備える磁気センサであって、基板と、基板上に基板側から順に配置された第1および第2の層を含む積層部と、少なくとも第1および第2の層が折り曲げられることによって形成された少なくとも1つの起立部と、起立部に形成された第1の磁気検知部とを備え、第1の層の格子定数と第2の層の格子定数とが異なる。この構成によれば、基板の表面と垂直な方向以外の磁気(磁界)の変化も感度よく検出できる。
磁気検知部は、磁気を検知できるものであればよい。磁気検知部は、たとえば、ホール効果を発現する層(磁気検知層)であってもよい。ホール効果を発現する磁気検知層としては、たとえば、十字型の半導体層を用いることができる。また、磁気検知部は、磁気抵抗効果を発現する磁気抵抗効果膜であってもよい。磁気抵抗効果膜としては、たとえば、Fe/Cr交互積層膜や、Co/Cu交互積層膜を適用できる。また、磁気検知部は、コイルなどの環状配線であってもよい。環状配線を用いる場合、磁気によって環状配線に生じる電流や起電力をモニタすることによって磁気を検出できる。
本発明の磁気センサでは、第1の層の格子定数は第2の層の格子定数よりも大きく、積層部と起立部との境界において、第1の層の格子定数と第2の層の格子定数との差によって生じる力によって第1および第2の層が第2の層側に折り曲げられていることが好ましい。第1の層を構成する材料の格子定数が第2の層を構成する材料の格子定数よりも大きい場合、両者の間で歪みが生じ、歪みによって生じる力によって第1および第2の層が第2の層側に折り曲がる。この現象を利用して起立部が形成される。
本発明の磁気センサでは、第1および第2の層が半導体からなるものであってもよい。また、本発明の磁気センサは、第1および第2の層ならびに磁気検知部がIII−V族化合物半導体からなり、磁気検知部がホール効果を発現するものであってもよい。III−V族化合物半導体は、組成によって格子定数を変化させることが容易であるため、起立部を形成することが容易である。また、第1および第2の層がIII−V族化合物半導体からなる場合、III−V族化合物半導体からなる磁気検知層を容易に形成できる。また、磁気検知部として、ホール効果を発現するIII−V族化合物半導体層(たとえばGaAs)を用いることによって、高感度のホールセンサが得られる。
本発明の磁気センサは、積層部上に形成された第2の磁気検知部をさらに備え、第1の磁気検知部と第2の磁気検知部とがなす角度が、45°〜135°の範囲(好ましくは85°〜95°の範囲)にあってもよい。この構成によれば、磁場の強度を2次元的に検出できる。ここで、2つの磁気検知部がなす角度とは、面状に形成される2つの磁気検知部がなす角度であり、磁気検知部が形成される部分(起立部および積層部)の表面が互いになす角度に等しい。
本発明の磁気センサは、第1および第2の起立部を備え、第1の起立部に形成された第1の磁気検知部と、第2の磁気検知部と、第2の起立部に形成された第3の磁気検知部とが互いになす角度が、45°〜135°の範囲(好ましくは85°〜95°の範囲)にあってもよい。この構成によれば、磁場の強度を3次元的に検出できる。
従来の磁気センサにおいても、2つまたは3つのセンサを用いることによって、磁場の強度の2次元的または3次元的な検出は可能である。しかしながら、従来の磁気センサでは、個別に製造された複数のセンサを組み合わせる必要があるため、各センサが磁気を検出する位置のずれが大きい。これに対して、本発明の磁気センサでは、半導体プロセスを用いて同一基板上に複数の磁気検知部を形成できるため、各磁気検知部が測定する位置をほぼ同じとすることができる。本発明によれば、複数の磁気検知部を、500μm角の範囲内(たとえば10μm角の範囲内)に形成することが可能である。
本発明の磁気センサでは、磁気検知部から出力される信号を処理するための回路が基板の表面に形成されていてもよい。また、本発明の磁気センサでは、磁気検知部に電流を流すための回路が基板の表面に形成されていてもよい。これらの構成によれば、小型のホール効果装置が得られる。
以下、本発明の実施形態の一例として、ホール効果を利用したホールセンサについて図面を参照しながら説明する。以下の説明では、同様の部分に同一の符号を付して重複する説明を省略する場合がある。また、以下の説明ではIII−V族化合物半導体の組成比を示していない場合があるが、III族元素の組成比とV族元素の組成比とはほぼ等しい。
本発明の磁気センサの一例として、ホールセンサ100の斜視図を図1(a)に示し、断面図を図1(b)に示す。図1(b)の断面図は、積層部102および起立部103a上に形成された磁気検知層104が存在する部分の断面図である。なお、図1(a)および(b)では、磁気検知層104に接続される配線の図示は省略している。
図1を参照して、ホールセンサ100は、基板101と、基板101上に形成された積層部102と、2つの起立部103aおよび103bとを備える。
基板101は、その上に半導体層を成長させることができるように、積層される半導体層に応じて選択される。基板101としては、たとえば、GaAs基板や、InP基板、Al2O3基板、SiC基板、Si基板を用いることができる。
積層部102は、基板101上に基板101側から順に積層されたバッファ層121、層122、半導体層123および124、多層膜130で構成される。なお、積層部102、起立部103aおよび起立部103bは、必要に応じて他の層を含んでもよい。また、上述した層の一部は省略されてもよい。
半導体層123および124は、内部応力によって半導体層を所定の位置で折り曲げるための層である。そのため、半導体層123および124を構成する半導体は、半導体層123(第1の層)の格子定数が半導体層124(第2の層)の格子定数よりも大きくなるように選択される。
起立部103aおよび103bは、半導体層123および124を、半導体層124側に折り曲げることによって形成されている。これらの起立部は、基板101の表面に対してほぼ垂直となるように曲げられている。また、起立部103aおよび103bは、それぞれの表面が互いになす角度がほぼ90°となるように形成されている。
起立部103a上、積層部102上、および起立部103b上には、それぞれ、第1、第2および第3の磁気検知層104が形成されている。磁気検知層104は、十字型の形状である。3つの磁気検知層104が互いになす角度、具体的には、3つの磁気検知層104の表面が互いになす角度は、約90°である。互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸を図1(a)に示すように仮定すると、起立部103bに形成された磁気検知層104はX軸に対してほぼ垂直であり、起立部103aに形成された磁気検知層104はY軸に対してほぼ垂直であり、積層部102上に形成された磁気検知層104はZ軸に対してほぼ垂直である。
磁気検知層104は、単層膜または多層膜であり、ホール効果が現れる材料からなる十字型の層を含む。十字型の磁気検知層104の4つの端部には、4つの配線(図示せず)が接続されている。磁場の強度のモニタは、磁気検知層104を用いて公知の方法で行われる。たとえば、図2に模式的に示すように、磁気検知層104の対向する端部104aと端部104bとの間に電流を流し、端部104cと端部104dとの間に発生する電圧をモニタすればよい。ホールセンサ100は互いに直交する3つの磁気検知層104を備えるため、磁気の方向の変化を3次元的に検出できる。
以下に、ホールセンサ100の具体的な構成の一例およびその製造方法の一例について、図面を参照しながら説明する。なお、図3(a)〜図7(a)は上面図であり、図3(b)〜図7(b)は図4(a)の点線部分の位置における断面図である。
まず、図3(a)および(b)に示すように、基板101上に、バッファ層121、層122、半導体層123、半導体層124、多層膜130aを形成する。バッファ層121は、結晶性が良好な半導体層を基板101上に形成するための層である。層122は、エッチングによって選択的に除去しやすい材料で形成される。
なお、図3に示す積層構造は一例であり、本発明はこれに限定されない。本発明のホールセンサが2次元電子ガスホールセンサである場合の積層膜の一例を表1に示す。
表1の積層膜では、バッファ層121からキャップ層までが表1の順序で積層されている。表1の構成では、GaAs層(厚さ1μm)内のバリア層との界面近傍に形成される2次元電子ガスによって磁気を検知する。また、本発明のホールセンサが量子井戸型のホールセンサである場合の積層膜の一例を表2に示す。
表2の多層膜では、バッファ層121からキャップ層までが表2の順序で積層されている。表2の構成では、主に量子井戸層(GaAs:Si層)によって磁気を検知する。以下では、表1または表2の積層膜を用いた場合について説明する。
半導体層123および124を構成する半導体は、半導体層123の格子定数が半導体層124の格子定数よりも大きくなるように選択される。これらの半導体層は、化合物半導体(たとえばIII−V族化合物半導体)で形成できる。III−V族化合物半導体などの化合物半導体の格子定数は、組成によって変化させることができる。半導体層124/半導体層123の具体的な組み合わせとしては、たとえば、GaAs/InGaAs、Si/SiGe、GaN/AlGaN、GaN/InGaNなどが挙げられる。これらの半導体層の組成比、厚さおよび折れ曲がり部の長さを変化させることによって、半導体層124が折れ曲がる角度を調節することができる。
基板101上の各層は公知の方法で形成でき、たとえば、分子線エピタキシャル成長法(MBE法)、有機金属化学的気相成長法(MOCVD法)、化学的気相成長法(CVD法)などで形成できる。
次に、図4(a)および(b)に示すように、フォトリソグラフィおよびエッチングによって、多層膜130aの一部を除去して十字型の磁気検知層104を形成する。磁気検知層104以外の部分が、多層膜130となる。多層膜130aのエッチングは、たとえば、GaAs層(厚さ1μm)の層内に到達するまで行う。エッチングは、たとえば、H3PO4:H2O2:H2O=3:1:50の重量比で混合したエッチング液で行うことができる。なお、表1の構成の場合、バリア層(Al0.3Ga0.7As層)に到達した時点でエッチングを停止してもよい。また、表2の構成の場合、量子井戸層の下のバリア層(Al0.3Ga0.7As層)に到達した時点でエッチングを停止してもよい。
次に、図5(a)および(b)に示すように、フォトリソグラフィおよびエッチングによって、多層膜130の一部を除去して溝41を形成する。溝41は、半導体層123および124を折り曲げる部分に形成される。エッチングは、公知の方法で行うことができ、ウエットエッチングであってもドライエッチングであってもよい。ただし、溝41は、半導体層124がエッチングされにくい条件で形成することが好ましい。たとえば、第1段階目のエッチングとしてエッチングストップ層(Al0.3Ga0.7As層)の途中までエッチングしたのち、第2段階目のエッチングとしてエッチングストップ層を選択的にエッチングする。第1段階目のエッチングは、たとえば、H3PO4:H2O2:H2O=3:1:50の重量比で混合したエッチング液で行うことができる。第2の段階目のエッチングは、半導体層124(GaAs層)のエッチングレートよりもエッチングストップ層(Al0.3Ga0.7As層)のエッチングレートが大きいエッチング液で行うことができる。たとえば、HF:H2O=1:10の重量比で混合したエッチング液を用いることができる。
次に、図6(a)および(b)に示すように、配線131および端子132を形成する。配線131および端子132は、金属膜を形成したのち、不要な部分を除去することによって形成できる。なお、溝41の部分における半導体層の変形を妨げないように、溝41部分に形成する配線131の厚さは、20nm程度にすることが好ましい。たとえば、溝41部分の配線は、Ti層(厚さ5nm)とAu層(厚さ20nm)との積層膜で形成してもよい。溝41以外の部分における配線131は、溝41部分の配線131と同じ構造でもよいが、異なる構造でもよい。配線131を2つの構造で形成する場合には、各構造を個別に形成すればよい。
溝41以外の部分における配線131は、磁気検知層104とオーミックに接続され且つ抵抗が低いことが好ましい。溝41以外の部分における配線131は、たとえば、Au0.88Ge0.12層(100nm)/Ni層(30nm)/Au層(200nm)の積層膜で形成できる。なお、オーミックコンタクトを達成するための積層膜(たとえば上記Au0.88Ge0.12層/Ni層/Au層)を形成したのち、それに接続された低抵抗の配線を形成してもよい。この場合の低抵抗の配線としては、たとえば、Ti層(5nm)/Au層(200nm)の積層膜を用いることができる。
次に、図7(a)および(b)に示すように、起立部103aおよび103bを形成したときに基板101から分離する部分に溝51を形成する。溝51は、層122に到達するように形成される。溝51は、公知のエッチング法で形成でき、たとえば、H3PO4:H2O2:H2O=3:1:50の重量比で混合したエッチング液で行うことができる。
次に、層122の一部をウエットエッチング法によって選択的に除去する。層122は、溝51を介して除去される。この工程によって、溝41と溝51とで囲まれた部分およびその周辺に存在する層122が除去される。ウエットエッチングは、層122のエッチングレートと層122以外の層のエッチングレートとが異なる条件で行う必要がある。ウエットエッチングは、たとえば、HF:H2O=1:10の重量比で混合したエッチング液を用いて行うことができる。
層122の一部が除去されると、半導体層123の格子定数は半導体層124の格子定数よりも大きいため、半導体層124は、半導体層123および半導体層124のみが存在する部分、すなわち溝41(積層部と起立部との境界部分)の部分で半導体層124側に折れ曲がる。一方、溝41以外の部分にはエッチングストップ層などが存在するため、その部分では半導体層124が折れ曲がることが抑制される。その結果、図1に示すように、基板101から立ち上がった起立部103aおよび103bが形成される。このようにして、ホールセンサ100を形成できる。
半導体層124の折れ曲がり部の曲率半径Rは、通常、以下の式で近似される。
R=(a/Δa)・{(t1+t2)/2}
ここで、aは半導体層124(GaAs層)の格子定数であり、約5.6533オングストロームである。また、Δaは、半導体層123(In0.2Ga0.8As層)の格子定数(約5.7343オングストローム)と半導体層124(GaAs層)の格子定数との差である。また、t1は半導体層123の厚さ(単位:オングストローム)であり、t2は半導体層124の厚さ(単位:オングストローム)である。折れ曲がり部の長さを適切な長さとすることによって、半導体層123および124は約90°の角度に折り曲げられる。
ここで、aは半導体層124(GaAs層)の格子定数であり、約5.6533オングストロームである。また、Δaは、半導体層123(In0.2Ga0.8As層)の格子定数(約5.7343オングストローム)と半導体層124(GaAs層)の格子定数との差である。また、t1は半導体層123の厚さ(単位:オングストローム)であり、t2は半導体層124の厚さ(単位:オングストローム)である。折れ曲がり部の長さを適切な長さとすることによって、半導体層123および124は約90°の角度に折り曲げられる。
上述したように、InGaAsからなる半導体層123の格子定数は、GaAsからなる半導体層124の格子定数よりも大きい。InGaAs層におけるInの組成比を多くするほどGaAs層との格子定数の差を大きくでき、両者の格子定数の差を7%程度とすることも可能である。
以上のように、ホールセンサ100が形成される。ホールセンサ100における駆動方法の例を図8(a)および(b)に模式的に示す。なお、図8(a)および(b)に示される磁気検知層104の配置は、図6(a)に示される磁気検知層104の配置と同じである。なお、図8(b)には、配線および端子の構成の他の例を示す。
図8(a)の例では、I+およびI-と記された端子間に電流を流し、その他の端子間の電圧を計測する。図8(b)の例では、V+およびV-と記された端子間に電圧を印加して電流を流し、その他の端子間の電圧を計測する。
ホールセンサ100では、基板に対して垂直に立ち上がった起立部に磁気検知層が形成されている。このため、基板と垂直な方向の磁場の強度を高感度に検出できる。また、ホールセンサ100は、互いに直交する面上に形成された3つの磁気検知層を備えるため、磁気の方向の変化を3次元的に検出できる。特に、ホールセンサ100では、3つの磁気検知層を近接した位置(たとえば10μm以内)に形成できるため、微少な特定箇所の磁気の方向の変化を多次元的に検出できる。また、本発明のホールセンサは、公知の半導体プロセスを組み合わせて形成することが可能であるため、多数のセンサを精度よく一度に製造できる。
なお、同一基板上に本発明の磁気センサを複数個形成してもよい。図9(配線の図示は省略する)に、本発明のホールセンサ100を基板上に一次元アレイ状に形成した例を示す。図9の例では、複数のホールセンサ100が一列に配置されている。また、図10(配線の図示は省略する)に、本発明のホールセンサ100を基板上に二次元アレイ状に形成した例を示す。図10の例では、複数のホールセンサ100がマトリックス状に配置されている。
また、以上の説明では、3つの磁気検知部(磁気検知層)を備える場合について示したが、本発明はこれに限定されない。たとえば、磁気検知部の数は、1つ、2つ、または4つ以上であってもよい。1つの磁気検知部を用いる場合、それは起立部に形成される。2つの磁気検知部を用いる場合、それらは、互いに直交する方向に形成された2つの起立部103aおよび103bに形成されてもよいし、積層部と起立部とに形成されてもよい。2つの磁気検知部を用いることによって、磁気の方向の変化を2次元的に検出できる。また、上述したように、この構成によれば、微少な特定箇所の磁気の方向の変化を多次元的に検出できる。
また、以上の説明では、センサとしてホールセンサの場合を示したが、本発明はこれに限定されない。たとえば、磁気抵抗効果膜を用いた磁気センサや、コイルを用いた磁気・磁界センサなど各種の磁気・磁界センサであってもよい。これらのセンサは、磁気検知層104の代わりに磁気抵抗効果膜または環状配線を形成することによって得られる。
以上、本発明の実施形態について例を挙げて説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の技術的思想に基づいて他の実施形態に適用できる。
本発明の磁気センサは、磁気の検出や、磁気による物体の位置や回転の検出などが必要とされる様々な分野に利用できる。
41 溝
100 ホールセンサ
101 基板
102 積層部
103a、103b 起立部
104 磁気検知層
104a〜104d 端部
121 バッファ層
122 層
123 半導体層(第1の層)
124 半導体層(第2の層)
130、130a 多層膜
131 配線
132 端子
100 ホールセンサ
101 基板
102 積層部
103a、103b 起立部
104 磁気検知層
104a〜104d 端部
121 バッファ層
122 層
123 半導体層(第1の層)
124 半導体層(第2の層)
130、130a 多層膜
131 配線
132 端子
Claims (6)
- 少なくとも1つの磁気検知部を備える磁気センサであって、
基板と、前記基板上に前記基板側から順に配置された第1および第2の層を含む積層部と、少なくとも前記第1および第2の層が折り曲げられることによって形成された少なくとも1つの起立部と、前記起立部に形成された第1の磁気検知部とを備え、
前記第1の層の格子定数と前記第2の層の格子定数とが異なる磁気センサ。 - 前記第1の層の格子定数は前記第2の層の格子定数よりも大きく、
前記積層部と前記起立部との境界において、前記第1の層の格子定数と前記第2の層の格子定数との差によって生じる力によって前記第1および第2の層が前記第2の層側に折り曲げられている請求項1に記載の磁気センサ。 - 前記第1および第2の層ならびに前記磁気検知部がIII−V族化合物半導体からなり、
前記磁気検知部がホール効果を発現する請求項1または2に記載の磁気センサ。 - 前記積層部上に形成された第2の磁気検知部をさらに備え、
前記第1の磁気検知部と前記第2の磁気検知部とがなす角度が、45°〜135°の範囲にある請求項1〜3のいずれか1項に記載の磁気センサ。 - 第1および第2の起立部を備え、
前記第1の起立部に形成された前記第1の磁気検知部と、前記第2の磁気検知部と、前記第2の起立部に形成された第3の磁気検知部とが互いになす角度が、45°〜135°の範囲にある請求項4に記載の磁気センサ。 - 前記磁気検知部から出力される信号を処理するための回路が前記基板の表面に形成されている請求項1〜5のいずれか1項に記載の磁気センサ。
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