JP2006045529A - ポリアミド樹脂粉末の製造方法 - Google Patents

ポリアミド樹脂粉末の製造方法 Download PDF

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Makoto Uchida
誠 内田
Yasumasa Akatsuka
泰昌 赤塚
Shigeru Mogi
繁 茂木
Kazunori Ishikawa
和紀 石川
Takaharu Uehara
隆治 植原
Masataka Nakanishi
政隆 中西
Hideteru Kametani
英照 亀谷
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Abstract

【課題】
洗浄および乾燥時の効率がよく、使用時の溶媒への溶解速度の優れた高品質なポリアミド樹脂粉末を簡便に製造する方法の開発が求められている。
【解決手段】
ポリアミド樹脂が溶媒に溶解したポリアミド樹脂溶液からポリアミド樹脂の粉末を製造する方法において、該ポリアミド樹脂溶液を、乾燥時の平均粒子径が10μm以上500μm以下になるように貧溶媒表面に霧状に噴霧することを特徴とするポリアミド樹脂粉末の製造方法。ポリアミド樹脂を特定の粒径に粉末化とすることで、洗浄および乾燥の効率が向上する。更に加工時の溶媒への溶解速度が向上する。

Description

本発明はポリアミド樹脂粉末の製造方法に関し、詳しくは、ポリアミド樹脂が溶解した溶液を貧溶媒上に噴霧し、ポリアミド樹脂の粉末を製造する方法に関する。
溶液重合により得られたポリアミド樹脂溶液からポリアミド樹脂を取り出す時や、ワニス調製等で得られたポリアミド樹脂溶液から、必要に応じて、ポリアミド樹脂を取り出す時には、一般にそれらのポリアミド樹脂を含む溶液を攪拌し、ポリアミド樹脂が析出するまで貧溶媒を添加する方法(特許文献1)、貧溶媒中にポリアミド樹脂を含む溶液を添加する方法(特許文献2)や、両者を併用した方法(特許文献3)が行われるが、これらの方法においては、ポリアミド樹脂が塊状となりやすく、攪拌翼、容器や釜壁等の装置に付着固化しやすいため、粉末として取り出すことは困難であり、収率の低下等総じて生産性に劣る。
特開平8−12765号公報 特開平10−292052号公報 特開2002−97282号公報
洗浄および乾燥時の効率がよく、使用時の溶媒への溶解速度の優れた高品質なポリアミド樹脂粉末を簡便に製造する方法の開発が求められている。
本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意研究の結果、ポリアミド樹脂の溶液に特定の操作を施すことにより、洗浄および乾燥の効率がよく、溶媒への溶解性が良好な、高品質なポリアミド樹脂粉末を製造出来ることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、
(1)ポリアミド樹脂が溶媒に溶解されたポリアミド樹脂溶液を用いてポリアミド樹脂の粉末を製造する方法において、該ポリアミド樹脂溶液を、貧溶媒表面に霧状に噴霧することを特徴とするポリアミド樹脂粉末の製造方法、
(2)得られるポリアミド樹脂粉末の平均粒子径が10μm以上500μm以下になるように貧溶媒表面に霧状に噴霧する上記(1)に記載のポリアミド樹脂粉末の製造方法、
(3)ポリアミド樹脂溶液が10〜50重量%のポリアミド樹脂を含有する上記(1)又は(2)に記載の製造方法、
(4)ポリアミド樹脂のN,N−ジメチルアセトアミド溶媒中、30℃における対数粘度が、0.02〜2.0g/dlである上記(1)〜(3)のいずれか一に記載の製造方法、
(5)ポリアミド樹脂が分子中にフェノール性水酸基を有するポリアミド樹脂である上記(1)〜(4)のいずれか一に記載の製造方法、
(6)ポリアミド樹脂がジカルボン酸化合物とジアミン化合物を重縮合して得られたポリアミド樹脂である上記(1)〜(5)のいずれか一に記載の製造方法、
(7)ポリアミド樹脂溶液が、ポリアミド樹脂製造の為の溶液重合を行った後の反応液である上記(1)〜(6)のいずれか一に記載の製造方法、
(8)ポリアミド樹脂溶液を加圧下に噴霧する1流体ノズル、又はポリアミド樹脂溶液を加圧下の気体と共に噴霧する2流体ノズルを用い、貧溶媒表面に霧状に噴霧することを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれか一に記載の製造方法
に関する。
本発明のポリアミド樹脂粉末の製造方法は、粉末製造後の洗浄や乾燥が容易で、さらに溶媒への溶解速度の速いポリアミド樹脂の粉末を与える。このポリアミド樹脂粉末はポリアミド樹脂の持つ高耐熱や高強度といったポリアミド樹脂本来の特性を損なうことがなく、コーティング剤、インキ、塗料、接着剤、レジスト、封止剤、製版材、絶縁材などの原材料として極めて有用である。
本発明において、ポリアミド樹脂溶液は、ジカルボン酸化合物とジアミン化合物、および/または構造中にカルボキシル基とアミノ基を有する化合物を原料とし、必要により、触媒の存在下の重縮合反応により生成するポリアミド樹脂を、ポリアミド樹脂が可溶な溶媒に溶解させたものである。ポリアミド樹脂の構造に関して特に制限はないが、好ましくはジカルボン酸化合物とジアミン化合物、特に好ましくは芳香族又は脂肪族ジカルボン酸と芳香族又は脂肪族ジアミンとの重縮合反応により生成するポリアミド樹脂が好ましい。
前記芳香族ジカルボン酸の具体例としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ベンゼン二酢酸、ベンゼンジプロピオン酸、ビフェニルジカルボン酸、オキシジ安息香酸、チオジ安息香酸、ジチオジ安息香酸、ジチオビス(ニトロ安息香酸)、カルボニルジ安息香酸、スルホニルジ安息香酸、ナフタレンジカルボン酸、メチレンジ安息香酸、イソプロピリデンジ安息香酸、ヘキサフルオロイソプロピリデンジ安息香酸、ピリジンジカルボン酸、ヒドロキシイソフタル酸、ヒドロキシテレフタル酸、ジヒドロキシイソフタル酸や、ジヒドロキシテレフタル酸などが挙げられ、これらの中でイソフタル酸、ヒドロキシイソフタル酸が好ましい。
また、脂肪族ジカルボン酸の具体例としては、シュウ酸、マロン酸、メチルマロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、りんご酸、酒石酸、(メタ)アクリロイルオキシコハク酸、ジ(メタ)アクリロイルオキシコハク酸、(メタ)アクリロイルオキシりんご酸、(メタ)アクリルアミドコハク酸、(メタ)アクリルアミドりんご酸などが挙げられる。
更に、芳香族ジアミンの具体例としては、ジアミノベンゼン、ジアミノトルエン、ジアミノジメチルベンゼン、ジアミノメシチレン、ジアミノクロロベンゼン、ジアミノニトロベンゼン、ジアミノアゾベンゼン、ジアミノナフタレン、ジアミノビフェニル、ジアミノジメトキシビフェニル、ジアミノジフェニルエーテル、ジアミノジメチルジフェニルエーテル、メチレンジアニリン、メチレンビス(メチルアニリン)、メチレンビス(ジメチルアニリン)、メチレンビス(メトキシアニリン)、メチレンビス(ジメトキシアニリン)、メチレンビス(エチルアニリン)、メチレンビス(ジエチルアニリン)、メチレンビス(エトキシアニリン)、メチレンビス(ジエトキシアニリン)、メチレンビス(ジブロモアニリン)、イソプロピリデンジアニリン、ヘキサフルオロイソプロピリデンジアニリン、、ジアミノベンゾフェノン、ジアミノジメチルベンゾフェノン、ジアミノアントラキノン、ジアミノジフェニルチオエーテル、ジアミノジメチルジフェニルチオエーテル、ジアミノジフェニルスルホン、ジアミノジフェニルスルホキシドや、ジアミノフルオレンなどが挙げられ、これらの中でジアミノジフェニルエーテル、メチレンビス(ジエチルアニリン)が好ましい。
更に、脂肪族ジアミンの具体例としては、エチレンジアミン、プロパンジアミン、ヒドロキシプロパンジアミン、ブタンジアミン、ヘプタンジアミン、ヘキサンジアミン、ジアミノジエチルアミン、ジアミノジプロピルアミン、シクロペンタンジアミン、シクロヘキサンジアミン、アザペンタンジアミンや、トリアザウンデカンジアミンなどが挙げられ、これらの中でシクロヘキサンジアミンが好ましい。又、分子中にフェノール性水酸基を有するポリアミド樹脂はヒドロキシイソフタル酸、ヒドロキシテレフタル酸、ジヒドロキシイソフタル酸、ジヒドロキシテレフタル酸等のフェノール性水酸基を有するジカルボン酸を用いることにより得られる。
本発明において、ポリアミド樹脂としては、上記重縮合反応により得られたポリアミド樹脂にゴム変性、(メタ)アクリル変性や、エポキシ変性等を施したものであっても良い。例えば、ゴム変性は、ポリアミド樹脂中のポリアミド結合の末端にアミノ基とカルボキシル基を有するエラストマーを反応させるか、同じくポリアミド結合の末端カルボキシル基と末端にアミノ基を有するエラストマーとを重縮合する等により行うことが出来る。このような目的で用いられるエラストマーの具体例としては、ポリブタジエン、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリウレタンや、シリコーンゴムが挙げられ、これらは市場から、ハイカーCTBN(末端カルボキシ基エラストマー 宇部興産(株)製)、ハイカーATBN(末端アミノ基エラストマー 宇部興産(株)製)等として入手が可能である。ゴム変性としては、ポリアミド樹脂の末端アミノ基とカルボキシル基を有するブタジエン−アクリロニトリル共重合体を反応させることにより変性したものが好ましい。
(メタ)アクリル変性は、末端にアミノ基若しくはカルボキシル基を有するポリアミド又は水酸基を有するポリアミドと、アミノ基、カルボキシル基、水酸基等と反応し得る官能基と(メタ)アクリル基とを有する化合物とを反応させ、末端のアミノ基、カルボキシル基あるいは水酸基を修飾することにより行われる。末端のアミノ基、カルボキシル基或いは水酸基と反応し得る官能基と(メタ)アクリル基とを有する化合物の具体例としては、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシイソシアネート等が挙げられる。
エポキシ変性は、末端にアミノ基又はカルボキシル基を有するポリアミドと、それらの末端アミノ基又は末端カルボキシル基と反応し得る官能基とエポキシ基とを有する多官能化合物を反応させるか、あるいは水酸基を有するポリアミドの水酸基をエピクロロヒドリン等で修飾することにより行われる。
ポリアミド樹脂を得るに当たり、使用されうる縮合剤の具体例としては、亜リン酸トリフェニル、亜リン酸ジフェニル、亜リン酸トリ−o−トリル、亜リン酸ジ−o−トリル、亜リン酸トリ−m−トリル、亜リン酸ジ−m−トリル、亜リン酸トリ−p−トリル、亜リン酸ジ−p−トリルや、亜リン酸トリ−p−クロロフェニルなどが挙げられる。これらの縮合剤がポリアミド樹脂中に含有されていても本発明を実施する上で差し支えない。
また、副生物は使用した縮合剤の分解物、分解物の酸化物又はそれらの変性物や、オリゴマー等のアミド化合物等の副生物、ピリジン等の三級アミン類、塩化リチウム等の無機塩類の触媒がポリアミド樹脂に含有されていても差し支えない。
ポリアミド樹脂を溶解すべき溶媒としては、ポリアミド樹脂と溶媒和を起こす溶媒であれば特に制限はないが、用いうる溶媒の具体例としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、これらの混合溶媒あるいはこれらを含有する溶媒が挙げられる。ポリアミド樹脂溶液中のポリアミド樹脂の濃度は、通常5〜80重量%、好ましくは10〜50重量%、生産効率と操作性の良い溶液粘度とを考慮すると、15〜30重量%が特に好ましい。本発明で用いるポリアミド樹脂の対数粘度は、N,N−ジメチルアセトアミド溶媒中、30℃の時の測定値で、通常0.01〜3.0g/dl、好ましくは0.02〜2.0g/dl、更には、0.10〜1.0g/dlが特に好ましい。対数粘度は、例えば、オストワルド粘度計で測定される。
ポリアミド樹脂を前記溶媒に溶解するには、例えば、前記溶媒に撹拌下で所定量のポリアミド樹脂を加え、必要により、加熱して溶解状態が目視で確認されるまで撹拌する。通常1〜5時間で溶解が完了する。
本発明においては、ポリアミド樹脂を調製するに当たり使用した溶媒を本発明のポリアミド樹脂溶液を得るための溶媒として使用するのが好ましい。更に具体的には前記重縮合反応を終了し、得られたポリアミド樹脂を含有するポリアミド樹脂反応液をそのまま用いることが出来る。
なお、ポリアミド樹脂溶液中には、ポリアミド樹脂製造時の原料、縮合剤、副生物、触媒、添加剤等が含有されていてもよい。
ポリアミド樹脂溶液を噴霧し、ポリアミド樹脂粉末を析出させるための貧溶媒としては、ポリアミド樹脂が溶媒和せず、ポリアミド樹脂が析出する溶媒であれば特に制限はない。使用しうる貧溶媒の具体例としては、水、メタノール、エタノール、これらの混合溶媒、あるいはこれらを含有する溶媒が挙げられる。これら貧溶媒の使用量は、噴霧すべきポリアミド樹脂溶液の総量(体積)に対して2分の1(体積)量以上が好ましく、析出したポリアミド粉末同士の融着や濾過時の廃液量を考慮すると、同量〜3倍量が特に好ましい。また、これらの貧溶媒をあらかじめ容器、釜等に用意しておき、激しく攪拌しながら、この貧溶媒にポリアミド樹脂溶液を噴霧すると良い。
噴霧に用いられるノズルとしては、加圧1流体ノズルまたは気体と共に噴霧する2流体ノズルを用いることが出来る。加圧1流体ノズルではポリアミド樹脂溶液に圧力をかけ噴霧し、2流体ノズルでは空気又は不活性ガスに圧力をかけ吐出させながら、ポリアミド樹脂溶液をポンプ等で送液し、ノズル中で混合し噴霧する。ポリアミド樹脂粉末の粒子径を制御する上には、2流体ノズルを用いるのが好ましい。2流体ノズルとしては、BIMV075、BIMV8002(何れも(株)いけうち製)等が市販されている。
2流体ノズルにおいて、空気または不活性ガスに加える圧力は、ノズルの性能および、ポリアミド樹脂溶液の粘度と送液量に依存し、例えば溶液粘度がおよそ1000mPa・sのポリアミド樹脂溶液を約500ml/hrで送液するとき、コンプレッサーで0.2〜0.8MPaの圧力をかけることにより、得られるポリアミド樹脂の平均粒径は通常10〜500μm、好ましい態様では20〜200μmの範囲で制御できる。平均粒径の測定は光学顕微鏡による測定等によって行われる。また、ポリアミド樹脂の平均粒径が小さいほど溶媒への溶解速度が速く、上記粒径範囲においては良好な溶解性が得られる。
貧溶媒への噴霧により、得られたポリアミド樹脂粉末の分散液は、直ちに濾過しても良いが、1時間程度そのまま攪拌することは、濾過時の微粉末同士の融着を抑える上で有効である。また、必要により、濾過前に、16メッシュ程度の網にポリアミド樹脂粉末の分散液を通しても良い。
上記で得られたポリアミド樹脂の粉末は表面積が大きいため、洗滌効果が大きく十分な純度を有するが、溶媒の除去等より高純度のポリアミド樹脂の粉末とするために、別途洗浄の工程を施すのが好ましい。洗浄方法は通常、貧溶媒中での攪拌、再溶解再噴霧の繰り返しや、水やメタノール等の貧溶媒にポリアミド粉末を分散せしめ還流する方法等で洗浄できるが、水中で攪拌洗浄した後濾過した後、再度ポリアミド樹脂粉末の分散液を調製した後に還流下に洗浄するのが好ましい。乾燥は、常圧下でも減圧下でも良いが、温度は100℃以下が良い。
本発明の製造方法で得られたポリアミド樹脂の粉末は、ポリアミド樹脂が本来有する耐熱性に加え、溶剤への溶解速度が速く、エポキシ類やアクリル類モノマー、オリゴマーや、種々のポリマーへの溶解性や相溶性に優れるため、最終製品を調製するに当たっての作業性が良好である。
耐熱性等のポリアミド樹脂本来の特性を損なわない範囲で必要に応じて不活性な有機又は無機顔料、染料、カブリ防止剤、退色防止剤、ハレーション防止剤、蛍光増白剤、界面活性剤、可塑剤、難燃剤、酸化防止剤、充填剤、静電防止剤、消泡剤、流動調整剤、促進剤、遅延剤、光安定剤、防かび剤、抗菌剤、磁性体等を混合することにより目的とする用途に適した各種組成物が調製される。
本発明の製造方法で得られたポリアミド樹脂の粉末は、高純度、高品質であるため、電気材料等に特に有用であり、具体的用途としては、フォトレジスト、液状レジスト、電子写真、ダイレクト刷版材料、ホログラム材料、接着剤、粘着剤、粘接着剤、封止剤、塗料、コーティング剤や、ガラス繊維含浸剤等が挙げられる。
以下に実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明がこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
温度計、環流冷却器、滴下ロート、窒素導入装置、攪拌装置の装着された1000mlの反応器に、イソフタル酸20.335g(0.1224モル)、5−ヒドロキシイソフタル酸22.294g(0.1224モル)、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル50.00g(0.2498モル)と、塩化リチウム2.668gを仕込み、N−メチル−2−ピロリドン283.5gと、ピリジン56.72gを加え、乾燥窒素を流しながら攪拌し、反応器内が95℃になるまで徐々に加熱して、固形分を溶解させた。その後、反応器内を攪拌し95℃に保ち、亜リン酸トリフェニル123.00gを2時間で滴下し、さらに4時間反応させた。その後反応器内を50℃以下に冷却し、ポリアミド樹脂溶液を得た。25℃での溶液粘度は970mPa・sであった(回転粘度計 TV−20 東機産業(株)製で測定)。この時のポリアミド樹脂の濃度は15重量%であった。
5000mlの容器にイオン交換水3000mlを仕込み、室温で激しく攪拌しながら、2流体ノズル(株式会社いけうち製、BIMV8002)に、0.6MPaの圧縮空気を送り、上記ポリアミド樹脂溶液300gを定量送液ポンプ(轟産業株式会社、CP−13)を用い、500ml/hrで送液し該イオン交換水の水面上3cmにノズル先端を設置し、噴霧した。噴霧終了後室温で4時間攪拌し、ポリアミド粉末の分散液を得た。その後、ポリアミド粉末分散液をアドバンテック社製定量濾紙5Cで濾過し、1000ml容器にイオン交換水500mlを仕込み、攪拌しながら、前記濾過して得られたポリアミド樹脂の粉末を徐々に加え、再分散させ、室温で1時間攪拌(洗浄)した後、濾過し、水洗されたポリアミド樹脂の粉末を得た。
温度計、分留装置、水蒸気導入口、攪拌装置のついた1000mlの容器に、前記で得られた水洗後のポリアミド樹脂の粉末と、イオン交換水500mlを加え、攪拌しながら容器内が100℃になるまで徐々に加熱した。内容物を攪拌しながら100℃に保ち、還流による洗浄を行った。分留装置より還流分を徐々に除き、除いた留出分に相当する液量のイオン交換水を容器内に新たに加え、2000ml留出するまで還流洗浄を行った後、容器内を50℃以下に冷却し、前記濾紙を用いて濾別した。
こうして得られたポリアミド樹脂を、75℃で24時間熱風乾燥し、目的とするポリアミド樹脂の粉末を得た(収率96%)。このポリアミド樹脂粉末の平均粒径は80μmであった(NIKON HFM ニコン(株)製で測定)。このようにして溶媒への溶解性に優れ、汚染の小さい本発明のポリアミド樹脂粉末が得られた。
このポリアミド樹脂粉末0.100gをN,N−ジメチルアセトアミド20.0mlに溶解し、30℃で測定した対数粘度は、0.45dl/gであった(オストワルド粘度計 No.1により測定)。
(実施例2)
温度計、環流冷却器、滴下ロート、窒素導入装置、攪拌装置の装着された1000mlの反応器に、イソフタル酸10.200g(0.0614モル)、5−ヒドロキシイソフタル酸1.867g(0.0103モル)、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル16.205g(0.0809モル)と、塩化リチウム1.53gを仕込み、乾燥窒素を流しながら、N−メチル−2−ピロリドン259.5gと、ピリジン18.00gを加え、攪拌しながら反応器内が95℃になるまで徐々に加熱し、固形分を溶解させた。その後、反応器内を攪拌し95℃に保ち、亜リン酸トリフェニル39.07gを2時間で滴下し、さらに2時間反応させた。次に、反応器内を95℃に保ち、末端にカルボキシル基を有するブタジエンアクリロニトリル共重合体(宇部興産株式会社製、ハイカーCTBN1300×8)25.505g(0.0071モル)をN−メチル−2−ピロリドン25.505gに溶解させた溶液全量を1時間で滴下し、さらに4時間反応させた。その後反応器内を50℃以下に冷却し、ポリアミド樹脂溶液を得た。このものの25℃での溶液粘度は850mPa・sであった(回転粘度計 TVー20 東機産業(株)製で測定)。この変性ポリアミド樹脂の濃度は12.8重量%であった。
5000mlの容器にイオン交換水3000mlを仕込み、室温で激しく攪拌しながら、2流体ノズル(株式会社いけうち、BIMV8002)に、0.6MPaの圧縮空気を送り、上記ポリアミド樹脂溶液300gを定量送液ポンプ(轟産業株式会社、CP−13)を用い、500ml/hrで送液し、実施例1におけるのと同様に噴霧した。噴霧終了後更に室温で4時間攪拌し、ポリアミド樹脂粉末の分散液を得た。その後、このポリアミド樹脂粉末の分散液を濾別した。次いで、1000ml容器にイオン交換水500mlを仕込み、攪拌しながら、前記で得られたポリアミド樹脂粉末を徐々に加え、再分散させ、室温で1時間攪拌洗浄した後、濾過することにより、溶媒への溶解性に優れ、汚染の小さい本発明のポリアミド樹脂粉末が得られた。得られたポリアミド樹脂粉末を、75℃で24時間熱風乾燥し、目的とするポリアミド樹脂粉末を得た(収率98%)。このポリアミド粉末平均粒径は60μmであった(NIKON HFM ニコン(株)製で測定)。また、このポリアミド微粉末0.100gをN,N−ジメチルアセトアミド20.0mlに溶解させ、30℃で測定した対数粘度は、0.53dl/gであった(オストワルド粘度計 No.1により測定)。

Claims (8)

  1. ポリアミド樹脂が溶媒に溶解されたポリアミド樹脂溶液を用いてポリアミド樹脂の粉末を製造する方法において、該ポリアミド樹脂溶液を、貧溶媒表面に霧状に噴霧することを特徴とするポリアミド樹脂粉末の製造方法。
  2. 得られるポリアミド樹脂粉末の平均粒子径が10μm以上500μm以下になるように貧溶媒表面に霧状に噴霧する請求項1に記載のポリアミド樹脂粉末の製造方法。
  3. ポリアミド樹脂溶液が10〜50重量%のポリアミド樹脂を含有する請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. ポリアミド樹脂のN,N−ジメチルアセトアミド溶媒中、30℃における対数粘度が、0.02〜2.0g/dlである請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の製造方法。
  5. ポリアミド樹脂が分子中にフェノール性水酸基を有するポリアミド樹脂である請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の製造方法。
  6. ポリアミド樹脂がジカルボン酸化合物とジアミン化合物を重縮合して得られたポリアミド樹脂である請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の製造方法。
  7. ポリアミド樹脂溶液が、ポリアミド樹脂製造の為の溶液重合を行った後の反応液である請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の製造方法。
  8. ポリアミド樹脂溶液を加圧下に噴霧する1流体ノズル、又はポリアミド樹脂溶液を加圧下の気体と共に噴霧する2流体ノズルを用い、貧溶媒表面に霧状に噴霧することを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の製造方法。
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