JP2006045380A - 粘性改良剤 - Google Patents
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Abstract
VOC規制に抵触せず、かつ安定性に優れた粘性改良剤を提供すること。
【解決手段】
式(1)で表されるウレタン化合物(A)、式(2)で表され、曇点が30〜60℃であるポリオキシアルキレン化合物(B)及び水からなり、A、B及び水の合計重量に基づいて、Aの含有量が12〜35重量%、Bの含有量が1〜20重量%、水の含有量が45〜87であることを特徴とする粘性改良剤を用いる。
【化1】
Xは炭化水素基、Yは有機残基、OAはオキシアルキレン、a及びdは1〜100、bは40〜500、cは1〜5、b×cは150〜500、オキシアルキレンの少なくとも80重量%がオキシエチレン。
【化2】
Qは非還元性の二又は三糖類の反応残基、OAはオキシアルキレン、Rは炭化水素基又は水素原子、nは0〜100、mは2〜4、n×mは20〜100。
【選択図】 なし
Description
また、本発明の粘性改良剤は、安定性(分離安定性及び粘度変化)に極めて優れている。したがって、本発明の粘性改良剤は経日的にほとんど分離しない。
さらに、本発明の粘性改良剤は、取り扱い性を低下させることなく(低粘度を維持しつつ)、粘性改良剤自身の濃度を飛躍的に高くすることができる。
炭素数8〜24の炭化水素基(X)としては、アルキル及びアルケニル等が使用でき、n−オクチル、2−エチルヘキシル、カプリル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル、n−トリデシル、イソ−トリデシル、n−ミリスチル、n−ペンタデシル、n−セチル、n−ヘプタデシル、n−オクタデシル、イソステアリル、オレイル、n−ノナデシル、n−エイコシル、n−ヘンエイコシル及びn−ドコシル等が挙げられる。
ジイソシアネ−トとしては、脂肪族ジイソシアネ−ト、芳香族ジイソシアネ−ト及び脂環式ジイソシアネ−ト等が含まれる。
これらのジイソシアネートのうち、脂肪族ジイソシアネ−ト及び脂環式ジイソシアネ−トが好ましく、さらに好ましくは脂肪族ジイソシアネ−ト、特に好ましくはヘキサメチレンジイソシアネ−トである。
オキシアルキレン基には、オキシエチレン基が必ず含まれており、その含有割合(重量%)は、オキシアルキレン基の合計重量に基づいて、少なくとも80が好ましく、さらに好ましくは85以上、特に好ましくは90以上である。この範囲であると、粘性改良性がさらに良好となる。
bは、40〜500の整数であり、好ましくは45〜400、さらに好ましくは50〜300である。この範囲であると、粘性改良性がさらに良好となる。
cは、1〜5の整数であり、好ましくは1〜4、さらに好ましくは1〜3である。この範囲であると、粘性改良性がさらに良好となる。
(b×c)は150〜500であり、好ましくは160〜470、さらに好ましくは170〜450である。この範囲であると、粘性改良性がさらに良好となる。
一般式(1)で表されるウレタン化合物(A)は、通常、(OA)a、(OA)b、(AO)d及び[OC(O)−NH−Y−NH−C(O)−(OA)b]c等には分布が生じるため、ウレタン化合物の混合物となる。
なお、重量平均分子量(Mw)は、分子量既知のポリスチレンを標準物質としてゲルパ−ミエ−ションクロマトグラフィ(GPC)を用いて測定することができる。例えば、東ソ−(株)製(型式HLC−8120GPC)GPC装置;東ソ−製型式SuperH−4000×2本及び同型式SuperH−3000×1本をそれぞれ直列に接続したカラム、示差屈折検出器、東ソー(株)製データ処理機(形式SC−8020)を用い、カラム温度を40℃、溶離液をTHF(試薬1級、片山化学工業製)、流速を0.5ml/min.、試料濃度を1重量%、試料溶液注入量を10μlとして測定される。
なお、必要に応じて、公知の溶剤や反応触媒を使用することが出来る。
非還元性の二又は三糖類のm個の1級水酸基から水素原子を除いた反応残基(Q)を構成することができる二又は三糖類としては、蔗糖(サッカロース)、トレハロース、イソトレハロース、イソサッカロース、ゲンチアノース、ラフィノース、メレチトース及びプランテオース等が含まれる。これらのうち、安定性の観点等から、蔗糖、トレハロース、ゲンチアノース、ラフィノース及びプランテオースが好ましく、さらに好ましくはトレハロース及び蔗糖であり、供給性及びコスト等の観点から特に好ましくは蔗糖である。これらは単独で、または混合して用いてもよい。
mは非還元性の二又は三糖類の1級水酸基の数を表し、2〜4の整数が好ましく、さらに好ましくは3である。この範囲であると、安定性がさらに良好となる。
また、n個のOAは、同じでも異なっていてもよく、m個の(OA)nは同じでも異なってもよい。
また、nは、0〜100の整数が好ましく、さらに好ましくは3〜98の整数、特に好ましくは7〜95の整数、最も好ましくは10〜90の整数である。この範囲であると、安定性がさらに良好となる。またm個のnは、同じ値でもよく、また異なった値でもよい。
また、炭素数2若しくは3のアルケニル基としては、ビニル、1−プロペニル及び2−プロペニルが含まれる。m個のRは同じでも異なっていてもい。
Rとしては、メチル、エチル、イソプロピル、2−プロペニル及び水素原子が好ましく、さらに好ましくはメチル、エチル、2−プロペニル及び水素原子、特に好ましくはメチル、エチル及び水素原子である。
なお、Rとして水素原子を含む場合、ポリオキシアルキレン化合物(B)に含まれる水素原子(R)の数は、1〜4が好ましく、さらに好ましくは1〜3、特に好ましくは1〜2である。
尚、本発明において、曇点とは界面活性剤の親水性/疎水性の尺度となる物性値を意味し、曇点が高いほど親水性が大きいことを表し、ISO1065−1975(E)、「エチレンオキシド系非イオン界面活性剤−曇り点測定法」の中の「測定法B」に準じて測定されるものである。すなわち、ブチルジグリコール(3,6−オキサデシルアルコール:ブタノールのエチレンオキシド2モル付加物)25重量%水溶液に、試料を10重量%の濃度になるように投入し、均一溶解させる(通常は25℃で溶解するが、溶解しない場合は透明液体になるまで冷却する)。次いでこの試料溶液約5ccを、外径18mm、全長165mm、肉厚約1mmの試験管に採り、さらに直径約6mm、長さ約250mm、2分の1度目盛り付きの温度計を試料溶液に入れて攪拌しながら、1.5±0.5℃/minにて昇温させて試料溶液を白濁させる。この後攪拌しながら、1.0±0.2 ℃/minにて冷却して試料溶液が完全に透明となる温度を読みとり、これを曇点とする。
また複数種類のアルキレンオキシドを用いる場合、反応させる順序(ブロック状、ランダム状及びこれらの組合せ)及び使用割合には制限ないが、ブロック状又はブロック状とランダム状の組合せを含むことが好ましい。また、この場合、EOを含有することが好ましく、EOの使用割合(重量%)は、アルキレンオキシドの全重量に基づいて、2〜30が好ましく、さらに好ましくは3〜27、特に好ましくは4〜23、最も好ましくは5〜20である。
EOと、PO又は/及びBOとを含む場合、EOの反応後にPO及び/又はBOを反応させることが好ましい。
モノハロゲン化アルケニルとしては、1−クロロエチレン、1−クロロプロペン、1−ブロモプロペン、2−ブロモプロペン及び2−クロロプロペン等が挙げられる。
これらのうち、モノクロロメタン、モノブロモメタン、モノクロロエタン、モノブロモエタン、2−ブロモプロパン、2−クロロプロパン、1−クロロプロペン及び1−ブロモプロペンが好ましく、さらに好ましくはモノクロロメタン、モノブロモメタン、モノクロロエタン、モノブロモエタン、1−クロロプロペン及び1−ブロモプロペン、特に好ましくはモノクロロメタン、モノブロモメタン、モノクロロエタン及びモノブロモエタンである。
これらは単独で、または混合して使用してもよい。
反応触媒を使用する場合、反応触媒は反応生成物から除去することが好ましく、その方法としては、合成アルミノシリケートなどのアルカリ吸着剤{例えば、商品名:キョーワード700、協和化学工業(株)製}を用いる方法(特開昭53−123499号公報等)、キシレン又はトルエンなどの溶媒に溶かして水洗する方法(特公昭49−14359号公報等)、イオン交換樹脂を用いる方法(特開昭51−23211号公報等)及びアルカリ性触媒を炭酸ガスで中和して生じる炭酸塩を濾過する方法(特公昭52−33000号公報)等が挙げられる。
反応触媒の除去の終点としては、JIS K1557−1970に記載のCPR(Controlled Polymerization Rate)値が20以下であることが好ましく、さらに好ましくは10以下、特に好ましくは5以下、最も好ましくは2以下である。
反応終点の確認は、次の方法等により行うことができる。すなわち、反応温度を15分間一定に保ったとき、反応圧力(ゲージ圧)の低下が0.001MPa以下となれば反応終点とする。所要反応時間は通常4〜12時間である。
反応溶媒を用いる場合、この使用量(重量%)は、非還元性の二又は三糖類(b1)及びアルキレンオキシド(b2)の合計重量、又は反応生成物(b13)及び(b2)の合計重量に基づいて、20〜200が好ましく、さらに好ましくは40〜180、特に好ましくは60〜150である。
反応溶媒の残存量(重量%)は、ポリオキシアルキレン化合物(B)の重量に基づいて、0.1以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.05以下、特に好ましくは0.01以下である。なお、反応溶媒の残存量は、内部標準物質を用いるガスクロマトグラフィー法にて求めることができる。
反応溶媒の除去方法としては、減圧留去及び吸着除去等が適用でき、減圧留去した後さらに吸着除去することが好ましい。
減圧留去する条件としては、200〜5mmHgの減圧下にて100〜150℃にて蒸留する条件等が適用できる。
さらにキョーワード700等を用いて吸着除去する場合、その添加量(重量%)は、ポリオキシアルキレン化合物の重量に基づいて0.1〜10程度、処理温度は60〜120℃程度、処理時間は0.5〜5時間程度である。続いてろ紙又はろ布等を用いてろ別してアルカリ吸着剤を取り除くことにより、反応溶媒の残存量をさらに減少させることができる。
反応終了後、生成した中和塩及び残存する塩基性物質を除去することが好ましく、その方法としては、(1)有機溶剤による抽出法、(2)食塩等による塩析法及びこれらの併用等が挙げられる。
なお、(1)抽出法とは、反応混合物に水と、ヘキサン、トルエン又はキシレン等の水に対して溶解性の低い有機溶剤とを加えて振とう混合することにより、反応性生物を有機溶剤層に抽出することにより分離精製する方法である。反応生成物:水:有機溶剤の体積比がほぼ1:1:1が適当である。
また、(2)塩析法とは、反応混合物とほぼ同体積量の水と適量(3〜10重量%)の食塩等を加えて振とうすることで反応性生物を水層から析出させて分離精製する方法である。
いずれの場合も最終的には合成アルミノシリケート等のアルカリ吸着剤(例えばキョーワード700)を用いて水酸化ナトリウム等の塩基性物質を完全に除去することが好ましい。塩基性物質の除去の終点としては、JIS K1557−1970に記載のCPR(Controlled Polymerization Rate)値が20以下であることが好ましく、さらに好ましくは10以下、特に好ましくは5以下、最も好ましくは2以下である。
さらに水分をも除去することが好ましい。この場合、減圧(100〜1mmHg)下100〜130℃にて1〜2時間脱水する。生成物中の水分は0.5%以下、さらには0.1%以下とすることが好ましい。
反応終点の確認は、次の方法等により行うことができる。すなわち、反応温度を15分間一定に保ったとき、反応圧力(ゲージ圧)の低下が0.001MPa以下となれば反応終点とする。所要反応時間は通常2〜8時間である。
なお、ポリオキシアルキレン化合物(B)を用いない場合、ウレタン化合物(A)の含有量(重量%)は、(A)及び水の重量に基づいて8〜12程度にしかならない。すなわち、作業性の観点等から、粘性改良剤自身の粘度(25℃)を5Pa・s以下に調製しようとすると、(A)の濃度は最大10重量%程度にしかならない。なお、粘度は、JIS K5101−6−2:2004(顔料試験方法−第6部:流動性−第2節:回転粘度計法)に準拠して測定される値である。
ポリオキシアルキレン化合物(B)の含有量(重量%)は、ウレタン化合物(A)、ポリオキシアルキレン化合物(B)及び水の合計重量に基づいて、1〜20が好ましく、さらに好ましくは3〜18、特に好ましくは5〜15である。この範囲であると、安定性がさらに良好となる。
水の含有量(重量%)は、ウレタン化合物(A)、ポリオキシアルキレン化合物(B)及び水の合計重量に基づいて、45〜87が好ましく、さらに好ましくは47〜82、特に好ましくは50〜75である。この範囲であると、作業性及び安定性がさらに良好となる。
ノニオン型界面活性剤としては、アルキルフェノールのアルキレンオキシド付加体、アルコールのアルキレンオキシド付加体、多価アルコール脂肪酸エステル、アルキルアミンのアルキレンオキシド付加体、脂肪酸アミドのアルキレンオキシド付加体等が挙げられる。好ましいノニオン型界面活性剤としては、市場より入手できる商品名として、SNウェット992(サンノプコ株式会社);ライオノールTDL−30、50及び70等(ライオン株式会社);イオネットT−80C、S−80及びDO−600等(三洋化成工業株式会社);ソフタノール30、30S及びMES−5等(株式会社日本触媒)等が挙げられる。
サンデットAL、サンデットALH、サンデットEN、サンデットEND、サンデットENM及びサンデットLNM(三洋化成工業株式会社)等が挙げられる。
これらの界面活性剤をポリオキシアルキレン化合物(B)と併用することにより、本発明の粘性改良剤の長期に亘る製品安定性(分離安定性及び粘度変化)をさらに改良できる(界面活性剤のうち、SNウェット992、ライオノールTDL−30、50、SNウェット970及びノプコウェットSN−241等が好ましい)。他の界面活性剤を含有させる場合、この含有量(重量%)は、ウレタン化合物(A)、ポリオキシアルキレン化合物(B)及び水の合計重量に基づいて、1〜10が好ましく、さらに好ましくは2〜9、特に好ましくは3〜8である。
均一混合温度(℃)に制限はないが、製造しやすさの観点等から、50〜95が好ましく、さらに好ましくは60〜90、特に好ましくは65〜85、最も好ましくは70〜80である。
本発明の添加剤を含有できるエマルションとしては、アクリル樹脂エマルション、酢酸ビニル樹脂エマルション、塩化ビニル樹脂エマルション、アクリルスチレン樹脂エマルション、シリコーン樹脂エマルション、ウレタン樹脂エマルション、エポキシ樹脂エマルション、フッ素樹脂エマルション、SBラテックス、SBRラテックス、ABSラテックス、NBRラテックス及びCRラテックス等が挙げられる。
本発明の粘性改良剤をエマルションに含有させる場合、粘性改良剤の含有量(重量%)は、エマルションの重量に基づいて、0.01〜10が好ましく、さらに好ましくは0.05〜7.5、特に好ましくは0.1〜5である。この範囲であると、エマルションの粘度がさらに良好となる。
顔料としては、公知の顔料、たとえば、無機顔料(炭酸カルシウム、酸化チタン、サチンホワイト、硫酸バリウム、タルク、酸化亜鉛、石膏、シリカ及びフェライト等)及び有機顔料(ポリスチレンピグメント等のプラスチックピグメント等)が使用できる。
他の添加剤としては、分散剤(SNディスパーサント5040、SNディスパーサント5027等、サンノプコ(株)製)、消泡剤(SNデフォーマー1070、SNデフォーマー380等、サンノプコ(株)製)、防腐剤(ノプコサイドSN−215等、サンノプコ(株)製)、造膜助剤(テキサノール等、イーストマンケミカルカンパニー製)などが挙げられる。
PEG−6000S[三洋化成工業(株)製、ポリエチレングリコ−ル、水酸基価(OH−V):13.5、数平均分子量8300(OH−V換算の数平均分子量、以下同様)]1079部(0.13モル部)、及びn−ペンタデシルアルコ−ル/EO20モル付加物(OH−V:50.6、数平均分子量1108)221.6部(0.2モル部)を混合して、減圧下(−0.095〜−0.098MPa)にて90〜100℃で3時間脱水し、混合物の水分含量を0.005%とした(カールフィッシャー法、以下同様)。次いで、この混合物を70℃に冷却し、ヘキサメチレンジイソシアネ−ト[三井武田ケミカル(株)製、タケネート700]38.6部(0.23モル部)及びジブチル錫ジラウレート[三共有機合成(株)製、STANN BL]0.1部を加え、窒素気流下、80〜100℃にて5時間反応させ、白色粘稠液状のウレタン化合物(A1)を得た。なお、ジ−n−ブチルアミンのジオキサン溶液を用いるイソシアナト基含有量測定法にてイソシアナト基の消失を確認した(以下、同じ)。また、ポリスチレン標準によるGPC測定による重量平均分子量(Mw)は3.2万であった。
1245部(0.15モル部)のPEG−6000S、及び103.6部(0.2モル部)のエイコシルアルコ−ル/EO5モル付加物(OH−V:108.3、数平均分子量518)を混合して、減圧下(−0.095〜−0.098MPa)にて90〜100℃で3時間脱水し、混合物の水分含量を0.004%とした。次いで、この混合物を70℃に冷却し、ヘキサメチレンジイソシアネ−ト42部(0.25モル部)及びジブチル錫ジラウレートの0.08部を加え、窒素気流下、80〜100℃にて5時間反応させ、白色粘稠液状のウレタン化合物(A2)を得た。なお、Mwは4.2万であった。
1660部(0.2モル部)のPEG−6000S、及び377.8部(0.2モル部)のn−オクタデシルアルコ−ル/EO40モル付加物(OH−V:29.7、数平均分子量1889)を混合して、減圧下(−0.095〜−0.098MPa)にて90〜100℃で3時間脱水し、混合物の水分含量を0.006%とした。次いで、この混合物を70℃に冷却し、キシリレンジイソシアネ−ト[三井武田ケミカル(株)製、タケネート500]56.4部(0.3モル部)及びジブチル錫ジラウレートの0.15部を加え、窒素気流下、80〜100℃にて5時間反応させ、白色粘稠液状のウレタン化合物(A3)を得た。なお、Mwは6.2万であった。
PEG−13000[三洋化成工業(株)製、ポリエチレングリコ−ル、OH−V:8.6、数平均分子量13050]1305部(0.1モル部)、n−セチルアルコ−ル/EO20モル付加物(OH−V:50.0、数平均分子量1122)224.4部(0.2モル部)を混合して、減圧下(−0.095〜−0.098MPa)にて90〜100℃で3時間脱水し、混合物の水分含量を0.003%とした。次いで、この混合物を70℃に冷却し、イソホロンジイソシアネ−ト[住友バイエルウレタン(株)製、IPDI]44.4部(0.2モル部)及びジブチル錫ジラウレートの0.13部を加え、窒素気流下、80〜100℃にて5時間攪拌反応させ、白色粘稠液状のウレタン化合物(A4)を得た。なお、Mwは4.4万であった。
PEG−4000S[三洋化成工業(株)製、ポリエチレングリコ−ル、OH−V:34.0、数平均分子量3300]990.0部(0.3モル部)、イソステアリルアルコール/PO10モル/EO10モル付加物(OH−V:45.0、数平均分子量1247)249.4部(0.2モル部)を混合して、減圧下(−0.095〜−0.098MPa)にて90〜100℃で3時間脱水し、混合物の水分含量を0.003%とした。次いで、この混合物を70℃に冷却し、ヘキサメチレンジイソシアネ−ト67.2部(0.4モル部)及びジブチル錫ジラウレートの0.10部を加え、窒素気流下、80〜100℃にて5時間反応させ、白色粘稠液状のウレタン化合物(A5)を得た。なお、Mwは3.3万であった。
830部(0.1モル部)のPEG−6000S、及び912.2部(0.2モル部)のオレイルアルコール/PO10モル/EO85モル付加物(OH−V:12.3、数平均分子量4561)を混合して、減圧下(−0.095〜−0.098MPa)にて90〜100℃で3時間脱水し、混合物の水分含量を0.003%とした。次いで、この混合物を70℃に冷却し、ヘキサメチレンジイソシアネ−ト33.6部(0.2モル部)及びジブチル錫ジラウレートの0.15部を加え、窒素気流下、80〜100℃にて5時間反応させ、白色粘稠液状のウレタン化合物(A6)を得た。なお、Mwは6.0万であった。
温度調節、攪拌、窒素置換、滴下可能な耐圧反応容器に精製グラニュー糖{蔗糖、台糖(株)製}の342部(1モル部)、及びDMF{三菱ガス化学(株)製、水分含有量0.005%、以下同じ}2000部を投入した後、窒素ガスを用いて、ゲージ圧で0.4MPaになるまで加圧し、次いで0.02MPaになるまで排出する操作(加圧窒素置換)を3回繰り返した。その後、攪拌しつつ100℃まで昇温し、同温度にてPO4350部(75モル部)を12時間かけて滴下し、さらに同温度にて4時間攪拌を続けて残存するPOを反応させた。次いで120℃で−0.085〜−0.095MPaの減圧下にてDMFを除去した後、90℃にてイオン交換水85部を加え、さらにキョーワード700{協和化学工業(株)製}170部を加え、同温度にて1時間攪拌した。次いで同温度にてNo.2濾紙{東洋濾紙(株)製}を用いて濾過してキョーワード700を取り除き、さらに20〜10mmHgの減圧下120℃にて1時間脱水して、ポリオキシアルキレン化合物(蔗糖/PO75モル:B1)を得た。内部標準物質を用いるガスクロマトグラフィー法によるDMF含有量(以下同じ)は(B1)の重量に基づいて0.02%であり、曇点は34.5℃であった。
製造例7と同様な反応容器に精製グラニュー糖の342部(1モル部)、DMF1500部を投入した後、製造例7と同様の方法で窒素置換をした。その後攪拌しつつ100℃まで昇温し、同温度にてPO1740部(30モル部)を7時間かけて滴下し、さらに同温度にて3時間攪拌を続けて残存するPOを反応させた。次いで製造例7と同様にDMFの除去、キョーワード700による処理、脱水してポリオキシアルキレン化合物(蔗糖/PO30モル:B2)を得た。(B2)のDMF含有量は0.03%であり、曇点は56.0℃であった。
製造例8で得た(蔗糖/PO30モル:B2)の2082部に水酸化ナトリウム{試薬特級、シグマアルドリッチジャパン社(株)製、以後シグマ社と略記}の44部(1.1モル部)を加えた。減圧下攪拌しつつ昇温し80℃とした後に減圧を止めて、攪拌下同温度にてメチルクロライド{試薬特級、シグマ社(株)製}の50.5部(1.0モル部)を4時間かけて導入した。さらに2時間同温度にて攪拌を続けた後に40℃まで冷却した。得られた反応混合物のうち500部を分液ロートに採り、イオン交換水500部とn−ヘキサン{試薬特級、シグマ社(株)製}500部を加えて振とうした後静置して分離させ、n−ヘキサン層を得た。このn−ヘキサン層は、100℃、−0.085〜−0.095MPaの減圧下にてn−ヘキサンを留去した後、さらに製造例7と同様にして50部のキョーワード700にて処理してポリオキシアルキレン化合物(蔗糖/PO30モル/メチルクロライド1モル:B3)を得た。内部標準物質を用いるガスクロマトグラフィー法によるN−メチルピロリドン含有量(以下同じ)は(B3)の重量に基づいて0.011%であり、曇点は48.5℃であった。
製造例7と同様な反応容器にメレチトース{試薬特級、東京化成工業(株)製}504部(1モル部)、DMF2000部を投入した後、製造例7と同様の方法で窒素置換した。その後攪拌しつつ100℃まで昇温し、同温度にてPO3480部(60モル部)を13時間かけて滴下し、さらに同温度にて4時間攪拌を続けて残存するPOを反応させた。次いで製造例7と同様にDMFの除去、キョーワード700による処理、脱水してポリオキシアルキレン化合物(メレチトース/PO60モル:B4)を得た。(B4)のDMF含有量は0.03%であり、曇点は51.0℃であった。
製造例7と同様な反応容器にトレハロース{試薬特級、和光純薬工業(株)製}342部(1モル部)、DMF1500部を投入した後、製造例7と同様の方法で窒素置換した。その後攪拌しつつ100℃まで昇温し、同温度にてEO132部(3モル部)を滴下した後、PO4060部(70モル部)を滴下(合計滴下時間:約12時間)し、さらに同温度にて3時間攪拌を続けて残存するPOを反応させた。次いで製造例7と同様にDMFの除去、キョーワード700による処理、脱水してポリオキシアルキレン化合物(トレハロース/EO3モル/PO70モル:B5)を得た。(B5)のDMF含有量は0.01%であり、曇点は40.0℃であった。
830部(0.1モル部)のPEG−6000S、及び755.6部(0.4モル部)のn−オクタデシルアルコ−ル/EO40モル付加物(OH−V:29.7、数平均分子量1889)を混合して、減圧下(−0.095〜−0.098MPa)にて90〜100℃で3時間脱水し、混合物の水分含量を0.006%とした。次いで、この混合物を70℃に冷却し、ヘキサメチレンジイソシアネ−ト50.4部(0.3モル部)及びジブチル錫ジラウレートの0.06部を加え、窒素気流下、80〜100℃にて5時間攪拌反応させ、白色粘稠液状のウレタン化合物(C1)を得た。なお、Mwは0.86万であった。
660部(0.2モル部)のPEG−4000S、399部(0.1モル部)のサンニックスジオールPP−4000[三洋化成工業(株)製、ポリプロピレングリコ−ル、OH−V:28.1、数平均分子量3990]、及び249.4部(0.2モル部)のステアリルアルコール/PO10モル/EO10モル付加物(OH−V:45.0、数平均分子量1247)を混合して、減圧下(−0.095〜−0.098MPa)にて90〜100℃で3時間脱水し、混合物の水分含量を0.003%とした。次いで、この混合物を70℃に冷却し、ヘキサメチレンジイソシアネ−ト67.2部(0.4モル部)及びジブチル錫ジラウレートの0.16部を加え、窒素気流下、80〜100℃にて5時間反応させ、白色粘稠液状のウレタン化合物(C2)を得た。なお、Mwは3.2万であった。
製造例7と同様な反応容器にペンタエリスリトール{試薬特級、和光純薬工業(株)製}136部(1モル部)、水酸化カリウム{試薬特級、シグマ社製}4.0部を加え80℃、−0.095〜−0.098MPaの減圧下0.5時間脱水した後、同減圧下でEO440部(10モル)を120〜130℃にて約1時間で滴下した。さらに約0.5時間同温度に保ち残存するEOを反応させた。さらにPO1160部(20モル部)を100〜120℃にて約10時間で滴下した。さらに約4時間同温度に保ち残存するPOを反応させた。次いで製造例7と同様に25部の水/60部のキョーワード700にて処理の後脱水してポリオキシアルキレン化合物(ペンタエリスリトール/EO10モル/PO20モル:D1)を得た。(D1)の曇点は、39.5℃であった。
製造例7と同様な反応容器にプロピレングリコール{試薬特級、和光純薬工業(株)製}176部(1モル部)、水酸化カリウム2.0部を加え80℃、−0.095〜−0.098MPaの減圧下0.5時間脱水した後、同減圧下でPO870部(15モル部)を100〜120℃にて約6時間で滴下し、さらに約4時間同温度に保ち残存するPOを反応させた。次いでEO220部(5モル)を120〜130℃にて約1時間で滴下した。さらに約0.5時間同温度に保ち残存するEOを反応させた。その後製造例7と同様に35部の水/80部のキョーワード700にて処理の後脱水してポリオキシアルキレン化合物(プロピレングリコール/PO15モル/EO5モル:D2)を得た。(D2)の曇点は、45.0℃であった。
製造例7と同様な反応容器に精製グラニュー糖の342部(1モル部)、DMF2500部を投入した後、製造例7と同様の方法で窒素置換をした。その後攪拌しつつ100℃まで昇温し、同温度にてBO2160部(30モル部)を7時間かけて滴下し、さらに同温度にて3時間攪拌を続けて残存するBOを反応させた。次いで製造例7と同様にDMFの除去、キョーワード700による処理、脱水してポリオキシアルキレン化合物(蔗糖/BO30モル:D3)を得た。(D3)のDMF含有量は0.03%であり、曇点は23.0℃であった。
ウレタン化合物(A1)/ポリオキシアルキレン化合物(B1)/水(脱イオン水、以下同じ)=15/5/80の重量比にて、混合容器に一括投入した後、60℃にて均一攪拌して、均一透明な粘性改良剤(S1)を得た。(S1)の25℃に於ける粘度{JIS K5101−6−2:2004に準拠して、(株)東京計器製、BM型回転粘時計、スピンドルNo.M3、回転数30rpmで測定した、以下同じ}は2.4Pa・sであった。
(A2)/(B2)/水=15/5/80の重量比にて、実施例1と同様にして、均一透明な粘性改良剤(S2)を得た。(S2)の粘度は3.0Pa・sであった。
(A3)/(B3)/水=15/5/80の重量比にて、実施例1と同様にして、均一透明な粘性改良剤(S3)を得た。(S3)の粘度は2.4Pa・sであった。
(A4)/(B4)/水=15/5/80の重量比にて、実施例1と同様にして、均一透明な粘性改良剤(S4)を得た。(S4)の粘度は3.7Pa・sであった。
(A5)/(B5)/水=15/5/80の重量比にて、実施例1と同様にして、均一透明な粘性改良剤(S5)を得た。(S5)の粘度は2.0Pa・sであった。
(A6)/(B6)/水=15/5/80の重量比にて、実施例1と同様にして、均一透明な粘性改良剤(S6)を得た。(S6)の粘度は2.8Pa・sであった。
(A1)/(B2)/水/SNウェット992=15/5/75/5の重量比にて、実施例1と同様にして、均一透明な粘性改良剤(S7)を得た。(S7)の粘度は2.5Pa・sであった。
(A2)/(B3)/水/ライオノールTDL−50=15/5/75/5の重量比にて、実施例1と同様にして均一透明な粘性改良剤(S8)を得た。(S8)の粘度は2.5Pa・sであった。
(A3)/(B4)/水/SNウェット970(50%水溶液)=15/5/70/10の重量比にて、実施例1と同様にして、均一透明な粘性改良剤(S9)を得た。(S9)の粘度は2.4Pa・sであった。
(A4)/(B5)/水/SNウェット970(50%水溶液)=20/5/65/10の重量比にて、実施例1と同様にして、均一透明な粘性改良剤(S10)を得た。(S10)の粘度は3.9Pa・sであった。
ウレタン化合物(C1)/ポリオキシアルキレン化合物(D1)/水=15/5/80の重量比にて、実施例1と同様にして、均一透明な粘性改良剤(F1)を得た。(F1)の粘度は3.5Pa・sであった。
(C2)/(D2)/水=15/5/80の重量比にて、実施例1と同様にして、不透明な粘性改良剤(F2)を得た。(F2)の粘度は7.2Pa・sであった。
(A1)/(D3)/水=15/5/80の重量比にて、実施例1と同様にして、不透明な粘性改良剤(F3)を得た。(F3)の粘度は6.0Pa・sであった。
(A6)/(D1)/水=15/5/80の重量比にて、実施例1と同様にして、不透明な粘性改良剤(F4)を得た。(F4)の粘度は6.3Pa・sであった。
(A3)/(D2)/水=15/5/80の重量比にて、実施例1と同様にして、不透明な粘性改良剤(F5)を得た。(F5)の粘度は7.0Pa・sであった。
(A4)/(D3)/水/SNウェット992=15/5/75/5の重量比にて、実施例1と同様にして、不透明なの粘性改良剤(F6)を得た。(F6)の粘度は6.6Pa・sであった。
<安定性評価>
(1)分離安定性
粘性改良剤120gを150ccのガラス瓶に入れ密閉した後、40℃で2ヶ月間放置した。2ヶ月後の外観を目視観察し、以下の基準で評価した。
<外観の判定>
○ 透明液状で分離なし
× 2層に分離
(1)の評価において、2ヶ月前後の粘性改良剤の粘度を測定し、次式から粘度変化率を求めた。なお、粘度はJIS K5101−6−2:2004に準拠して、M3ロータ、30rpm、25℃、(株)東京計器製BM型粘度計で測定した。また、(1)の評価で×2層に分離した場合、粘度変化率は評価しなかった。
SN:40℃に放置前の粘性改良剤の粘度
AN:40℃で2ヶ月間放置後の粘性改良剤の粘度
(粘度変化率、%)={(AN)−(SN)}×100/(SN)
次の組成の評価用エマルション塗料をインペラー型羽根を装着したエクセルオートホモジナイザー(日本精器会社製、モデルED)を用いて調製した。なお、評価用粘性改良剤サンプルを配合しないものをブランクとした。
また、JIS K5600−2−5:1999(ISO 1524:1983に対応する)に準拠して、評価用エマルション塗料の分散度を測定し、5ミクロン以上の粒の無いことを確認した。
二酸化チタン〔石原産業(株)製、R−630〕 250部
分散剤〔サンノプコ(株)製、SNディスパ−サント5040〕10部
消泡剤〔ヘンケルKGaA製、デヒドラン1620〕 2部
防腐剤〔サンノプコ(株)製、ノプコサイドSN−215〕 1部
水 140部
グロス塗料用エマルション(アクリル系) 560部
エチレングリコ−ル 10部
造膜助剤〔イ−ストマンケミカルカンパニ−製、テキサノ−ル〕20部
ヒドロキシエチルセルロ−ス〔ダイセル化学工業(株)製、SP−800〕
5部
粘性改良剤サンプル 15部
次式から粘性改良性を求めた。この数値が大きい程、粘性改良性が良好であることを意味する。
(粘性改良性)=EN/BN
EN:粘性改良剤サンプルを配合した評価用エマルション塗料の粘度
BN:粘性改良剤サンプルを配合していないブランクの粘度
Claims (5)
- 一般式(1)で表されるウレタン化合物(A)、一般式(2)で表され、ISO1065−1975(E)の測定法B、試料10重量%による曇点が30〜60℃であるポリオキシアルキレン化合物(B)及び水からなり、
(A)、(B)及び水の合計重量に基づいて、(A)の含有量が12〜35重量%、(B)の含有量が1〜20重量%、水の含有量が45〜87であることを特徴とする粘性改良剤。
- 非還元性の二又は三糖類の反応残基(Q)が蔗糖の反応残基である請求項1に記載の粘性改良剤。
- 請求項1又は2に記載の粘性改良剤をエマルションの重量に基づいて0.01〜10重量%の添加量でエマルションに配合する工程を含むエマルション組成物の製造方法。
- 請求項1又は2に記載の粘性改良剤をエマルションの重量に基づいて0.01〜20重量%の添加量でエマルションに配合する工程を含むエマルション塗料の製造方法。
- 請求項4に記載の製造方法で製造されたエマルション塗料を塗被してなる塗被体。
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