JP2006045120A - 脂肪分解促進剤、並びに化粧料及び飲食物 - Google Patents

脂肪分解促進剤、並びに化粧料及び飲食物 Download PDF

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Abstract

【課題】 生体内の脂肪の合成と蓄積を担っている脂肪細胞中に蓄積する脂肪の分解を促進して、肥満の予防及び抑制に寄与し得る脂肪分解促進剤、並びに該脂肪分解促進剤を含有する化粧料及び該脂肪分解促進剤を含有する飲食物の提供。
【解決手段】 カバノキ科シラカバの抽出物及びイネ科クマザサの抽出物の少なくともいずれかを含有する脂肪分解促進剤である。該脂肪分解促進剤を含有する化粧料である。該脂肪分解促進剤を含有する飲食物である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、生体内の脂肪の合成と蓄積を担っている脂肪細胞中に蓄積する脂肪の分解を促進して、肥満の予防及び抑制に寄与し得る脂肪分解促進剤、並びに化粧料及び飲食物に関する。
体内の脂肪は消費エネルギーに対し摂取エネルギーが過剰である場合その過剰分が、白色脂肪細胞の中性脂肪として蓄積して生じるものである。この体脂肪の蓄積によって生じる肥満は美容上好ましくないばかりでなく、動脈硬化、糖尿病等の様々な疾病を引き起こす。また、昨今は飽食の時代であり、過食、運動不足、ストレスなどによる肥満が増加し、美容の観点からも男女を問わず大きな問題となっている。このように体脂肪等の蓄積は、健康上も好ましくなく、体脂肪等の減少、及び体脂肪等の蓄積防止が重要な問題となってきている。
前記課題を解決するため、従来より、脂肪分解促進作用を有する生薬について種々報告されている(特許文献1、特許文献2、及び特許文献3参照)。また、本願出願人は、既に、プロシアニジンの抽出物(特許文献4参照)、ベルゲニンの抽出物(特許文献5参照)、及びヒマラヤユキノシタ抽出物(特許文献6参照)が、優れた血中脂質改善効果、抗肥満作用を有することを開示している。
しかしながら、生体内の脂肪の合成と蓄積を担っている脂肪細胞中に蓄積する脂肪の分解を促進して、肥満の予防及び抑制に寄与し得、安価であり、かつ安全性の高い天然物系の脂肪分解促進剤についての需要者の要望は極めて高く、更なる新しい脂肪分解促進剤の提供が強く求められているのが現状である。
特開2000−63227号公報 特開2002−275078号公報 特開平10−158181号公報 特開平9−291039号公報 特開平11−180869号公報 特開平11−209299号公報
本発明は、前記従来における問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、生体内の脂肪の合成と蓄積を担っている脂肪細胞中に蓄積する脂肪の分解を促進して、肥満の予防及び抑制に寄与し得る脂肪分解促進剤、並びに該脂肪分解促進剤を含有する化粧料及び該脂肪分解促進剤を含有する飲食物を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため本発明者が鋭意検討を重ねた結果、カバノキ科シラカバの抽出物及びイネ科クマザサの抽出物の少なくともいずれかが、全身あるいは局所の脂肪組織における脂肪の分解の促進を通じて肥満体質の改善、及び脂肪組織の増大を防止することにより肥満の抑制・防止が効果的に図れることを知見した。
本発明は、本発明者による前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> カバノキ科シラカバの抽出物及びイネ科クマザサの抽出物の少なくともいずれかを含有することを特徴とする脂肪分解促進剤である。
<2> 前記<1>に記載の脂肪分解促進剤を含有することを特徴とする化粧料である。
<3> 前記<1>に記載の脂肪分解促進剤を含有することを特徴とする飲食物である。
前記カバノキ科シラカバの抽出物及びイネ科クマザサの抽出物の少なくともいずれかが、全身あるいは局所の脂肪組織における脂肪の分解の促進を通じて肥満体質の改善、及び脂肪組織の増大を防止することによる肥満の抑制・防止が図れることについては、現在までのところ全く知られておらず、これらのことは、本発明者による新知見である。
本発明によると、従来における諸問題を解決でき、脂肪分解促進作用を通じて、全身あるいは局所の脂肪組織を減少させ、肥満の抑制又は肥満体質の改善を効果的に行うことができる。また、本発明の脂肪分解促進剤は、皮膚に適用した場合の使用感と安全性に優れているのでの痩身用化粧料に配合するのに好適なものである。また、本発明の脂肪分解促進剤は、経口摂取によっても優れた脂肪分解促進効果を有し、安全性に優れ、各種飲食物に好適に配合される。
(脂肪分解促進剤)
本発明の脂肪分解促進剤は、カバノキ科シラカバの抽出物及びイネ科クマザサの抽出物の少なくともいずれかを含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
なお、本発明において、前記「抽出物」には、抽出処理によって抽出原料から得られる抽出液、該抽出液の希釈液もしくは濃縮液、該抽出液を乾燥して得られる乾燥物、又はこれらの粗精製物もしくは精製物のいずれもが含まれる。
前記シラカバは、カバノキ科(Betulaceae)の植物であり、学名はBetula alba L.である。このシラカバの抽出部位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、例えば、葉、花、枝、樹皮、又はこれらの混合物が好適であり、これらの中でも、樹皮が特に好ましい。
前記クマザサとは、イネ科(Gramineae)の植物で、学名はSasa veitchii RERDである。このクマザサの抽出部位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができ、例えば、葉、茎、又はこれらの混合物が好適であり、これらの中でも、葉が特に好ましい。
前記抽出原料であるシラカバ又はクマザサは、乾燥した後、そのまま又は粗砕機を用い粉砕して溶媒抽出に供することにより得ることができる。乾燥は天日で行ってもよいし、通常使用される乾燥機を用いて行ってもよい。なお、前記シラカバ又はクマザサは、ヘキサン、ベンゼン等の非極性溶媒によって脱脂等の前処理を施してから抽出原料として使用してもよい。なお、脱脂等の前処理を行うことにより、極性溶媒による抽出処理を効率よく行うことができる。
前記シラカバの抽出物及びクマザサの抽出物の少なくともいずれかに含有される脂肪分解促進物質の詳細は不明であるが、植物の抽出に一般に用いられている抽出方法によって、脂肪分解促進物質を容易に抽出することができる。
前記抽出に用いる溶媒としては、水若しくは親水性有機溶媒又はこれらの混合液を室温又は溶媒の沸点以下の温度で用いることが好ましい。
前記抽出溶媒として使用し得る水としては、例えば、純水、水道水、井戸水、鉱泉水、鉱水、温泉水、湧水、淡水等の他、これらに各種処理を施したものが含まれる。水に施す処理としては、例えば、精製、加熱、殺菌、ろ過、イオン交換、浸透圧の調整、緩衝化等が含まれる。従って、前記抽出溶媒として使用し得る水には、精製水、熱水、イオン交換水、生理食塩水、リン酸緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水等も含まれる。
前記親水性有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の炭素数1〜5の低級アルコール;アセトン、メチルエチルケトン等の低級脂肪族ケトン;1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の炭素数2〜5の多価アルコールなどが挙げられ、該親水性有機溶媒と水との混合溶媒などを用いることができる。
なお、前記水と親水性有機溶媒との混合溶媒を使用する場合には、低級アルコールの場合は水10質量部に対して1〜90質量部、低級脂肪族ケトンの場合は水10質量部に対して1〜40質量部添加することが好ましい。多価アルコールの場合は水10質量部に対して1〜90質量部添加することが好ましい。
本発明において、抽出原料であるシラカバ又はクマザサから脂肪分解促進物質を抽出するにあたって特殊な抽出方法を採用する必要はなく、室温又は還流加熱下で、任意の装置を用いて抽出することができる。
具体的には、抽出溶媒を満たした処理槽に抽出原料としてのシラカバ又はクマザサを投入し、更に必要に応じて時々攪拌しながら、30分〜2時間静置して可溶性成分を溶出した後、ろ過して固形物を除去し、得られた抽出液から抽出溶媒を留去し、乾燥することにより抽出物が得られる。抽出溶媒量は通常、抽出原料の5〜15倍量(質量比)である。抽出条件は、抽出溶媒として水を用いた場合には、通常50〜95℃にて1〜4時間程度である。また、抽出溶媒として水とエタノールとの混合溶媒を用いた場合には、通常40〜80℃にて30分〜4時間程度である。なお、溶媒で抽出することにより得られる抽出液は、抽出溶媒が安全性の高いものであればそのまま配合して本発明の脂肪分解促進剤の有効成分として用いることができるが、濃縮液又はその乾燥物としたものの方が利用しやすい。
得られたシラカバ抽出物又はクマザサの抽出液は、該抽出液の希釈液若しくは濃縮液、該抽出液の乾燥物、又はこれらの粗精製物若しくは精製物を得るために、常法に従って希釈、濃縮、乾燥、精製等の処理を施してもよい。
なお、得られたシラカバ抽出物又はクマザサの抽出液はそのままでも脂肪分解促進剤として使用することができるが、濃縮液又はその乾燥物としたものの方が利用しやすい。抽出液の乾燥物を得るにあたっては、吸湿性を改善するためにデキストリン、シクロデキストリン等のキャリアーを添加してもよい。また、前記シラカバ抽出物又はクマザサは特有の匂いを有しているため、その生理活性の低下を招かない範囲で脱色、脱臭等を目的とする精製を行うことも可能であるが、化粧料や飲食物などに添加する場合には大量に使用するものではないから、未精製のままでも実用上支障はない。なお、精製は具体的には、活性炭処理、吸着樹脂処理、イオン交換樹脂処理等によって行うことができる。
本発明の脂肪分解促進剤は、極めて高い脂肪分解促進作用を有しており、全身あるいは局所の脂肪組織における脂肪の分解の促進を通じて肥満の抑制・防止、肥満体質の改善に寄与すると共に、高い安全性をも有し、また、消化管で消化されるようなものではないことが確認されているので、以下の本発明の化粧料及び飲食物に好適に使用することができる。
(化粧料)
本発明の化粧料は、本発明の前記脂肪分解促進剤を含有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の成分を含有してなる。
ここで、前記化粧料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、軟膏、クリーム、乳液、ローション、パック、ゼリー、リップクリーム、口紅、入浴剤、などが挙げられる。
前記脂肪分解促進剤の前記化粧料全体に対する配合量は、化粧料の種類や抽出物の生理活性等によって適宜調整することができるが、前記シラカバ抽出物又はクマザサ抽出物に換算して0.005〜10質量%が好ましい。
前記脂肪分解促進剤を配合する化粧料は、更に必要に応じて本発明の効果を損なわない範囲で、化粧料の製造に通常使用される各種主剤及び助剤、その他成分を使用することができる。本発明の化粧料は、肥満の抑制及び防止、肥満体質の改善に関し、本発明の脂肪分解促進剤のみが主剤となるものに限られるわけではない。
−その他の成分−
前記その他の成分としては、脂肪分解作用の妨げにならない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択した成分が挙げられ、例えば、美白剤、収斂剤、殺菌・抗菌剤、紫外線吸収剤、保湿剤、細胞賦活剤、消炎・抗アレルギー剤、抗酸化・活性酸素除去剤、油脂類、ロウ類、炭化水素類、脂肪酸類、アルコール類、エステル類、界面活性剤、香料、などが挙げられる。これらの成分は、前記シラカバ抽出物及びクマザサ抽出物の少なくともいずれかと共に併用した場合、相乗的に作用して、通常期待される以上の優れた使用効果をもたらすことがある。
(飲食物)
本発明の飲食物は、本発明の前記脂肪分解促進剤を含有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の成分を含有してなる。
ここで、前記飲食物とは、人の健康に危害を加えるおそれが少なく、通常の社会生活において、経口又は消化管投与により摂取されるものをいい、行政区分上の食品、医薬品、医薬部外品、などの区分に制限されるものではなく、例えば、経口的に摂取される一般食品、健康食品、保健機能食品、医薬部外品、医薬品などを幅広く含むものを意味する。
前記飲食物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、例えば、清涼飲料、炭酸飲料、栄養飲料、果実飲料、乳酸飲料等の飲料;アイスクリーム、アイスシャーベット、かき氷等の冷菓;そば、うどん、はるさめ、ぎょうざの皮、しゅうまいの皮、中華麺、即席麺等の麺類;飴、キャンディー、ガム、チョコレート、錠菓、スナック菓子、ビスケット、ゼリー、ジャム、クリーム、焼き菓子、パン等の菓子類;カニ、サケ、アサリ、マグロ、イワシ、エビ、カツオ、サバ、クジラ、カキ、サンマ、イカ、アカガイ、ホタテ、アワビ、ウニ、イクラ、トコブシ等の水産物;かまぼこ、ハム、ソーセージ等の水産・畜産加工食品;加工乳、発酵乳等の乳製品;サラダ油、てんぷら油、マーガリン、マヨネーズ、ショートニング、ホイップクリーム、ドレッシング等の油脂及び油脂加工食品;ソース、たれ等の調味料;カレー、シチュー、親子丼、お粥、雑炊、中華丼、かつ丼、天丼、うな丼、ハヤシライス、おでん、マーボドーフ、牛丼、ミートソース、玉子スープ、オムライス、餃子、シューマイ、ハンバーグ、ミートボール等のレトルトパウチ食品;種々の形態の健康・栄養補助食品;錠剤、カプセル剤、ドリンク剤、トローチ等の医薬品、医薬部外品などが挙げられる。なお、前記飲食物は上記例示に限定されるものではない。
前記その他の成分としては、前記飲食物を製造するに当たって通常用いられる補助的原料又は添加物、などが挙げられる。
前記原料又は添加物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、例えば、ブドウ糖、果糖、ショ糖、マルトース、ソルビトール、ステビオサイド、ルブソサイド、コーンシロップ、乳糖、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、L−アスコルビン酸、dl−α−トコフェロール、エリソルビン酸ナトリウム、グリセリン、プロピレングリコール、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、アラビアガム、カラギーナン、カゼイン、ゼラチン、ペクチン、寒天、ビタミンB類、ニコチン酸アミド、パントテン酸カルシウム、アミノ酸類、カルシウム塩類、色素、香料、保存剤、などが挙げられる。
前記飲食物における本発明の前記脂肪分解促進剤の添加量は、対象となる飲食物の種類に応じて異なり一概には規定することができないが、飲食物本来の味を損なわない範囲で添加すれば良く、各種対象飲食物に対し、通常0.001〜50質量%が好ましく、0.01〜20質量%がより好ましい。また、顆粒、錠剤又はカプセル形態の飲食物の場合には、通常0.01〜100質量%が好ましく、5〜100質量%がより好ましい。なお、シラカバ抽出物及びクマザサ抽出物の少なくともいずれかの摂取量は、成人1日当たり約1〜1000mgになるようにするのが適当である。
本発明の飲食物は、日常的に経口摂取することが可能であり、有効成分であるシラカバ抽出物及びクマザサ抽出物の少なくともいずれかの働きによって、脂肪分解促進作用を極めて効果的に達成することができる。
なお、本発明の脂肪分解促進剤、化粧料、及び飲食物は、ヒトに対して好適に適用されるものであるが、それぞれの作用効果が奏される限り、ヒト以外の動物に対して適用することもできる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(製造例1)
−シラカバ抽出物の製造−
シラカバの樹皮の乾燥物を細切りしたもの100gに対し50質量%エタノール(水とエタノールとの質量比1:1)1000mLを加え、還流抽出器で80℃にて2時間加熱抽出し、熱時濾過した。残渣について更に同様の抽出処理を行った。得られた抽出液を合わせて減圧下に濃縮し、乾燥してシラカバの抽出物4gを得た。
(製造例2)
−クマザサ抽出物の製造−
クマザサの葉の乾燥物を細切りしたもの100gに対し50質量%エタノール(水とエタノールとの質量比1:1)1000mLを加え、還流抽出器で80℃にて2時間加熱抽出し、熱時濾過した。残渣について更に同様の抽出処理を行った。得られた抽出液を合わせて減圧下に濃縮し、乾燥してクマザサの抽出物5gを得た。
(実施例1)
−脂肪分解促進作用試験−
製造例1のシラカバ抽出物及び製造例2のクマザサ抽出物について、下記のロッドベルの方法により脂肪分解促進作用を試験した。
ロッドベルの方法〔Rodbell M.,J.Biol.Chem.,239,375(1964)〕により、ウィスター系雄性ラット(体重150〜200g)の副睾丸脂肪組織からコラゲナーゼ溶液を用いて遊離脂肪細胞を調製した。遊離脂肪細胞の懸濁液90μLに、製造例1のシラカバ抽出物又は製造例2のクマザサ抽出物の最終濃度が400μg/mL及び100μg/mLとなるよう調製した牛血清アルブミンを含むハンクス緩衝液10μLを加え、37℃にて90分間反応させた。反応後、得られた反応液5μL中に遊離した脂肪酸量をNEFA C−テストワコー(和光純薬工業株式会社製)を用いて測定した。得られた測定値から下記数式1により脂肪分解促進率を求めた。結果を表1に示す。
<数式1>
脂肪分解促進率(%)=(A/B)×100
ただし、前記数式1中、Aは被験試料添加時の遊離脂肪酸量を表す。Bは被験試料無添加(対照)時の遊離脂肪酸量を表す。
Figure 2006045120
表1の結果から、シラカバ抽出物及びクマザサ抽出物は脂肪細胞中の脂肪の分解を促進することが確認され、特にシラカバ抽出物が高い脂肪分解促進効果を有することが認められた。
(実施例2)
下記組成の製造例1のシラカバ抽出物を配合した化粧水(以下、「本発明の化粧水」という)を常法に従って調製した。
<本発明の化粧水の組成>
製造例1のシラカバ抽出物 1.0g
エタノール 5.0g
プロピレングリコール 5.0g
親水性界面活性剤(ポリオキシエチレンセチルエーテル) 0.5g
ヒアルロン酸ナトリウム 0.05g
香料 適量
防腐剤(ヒノキチオール、パラオキシ安息香酸エチル) 0.1g
精製水 残部
合計 100g
また、本発明の化粧水について、製造例1のシラカバ抽出物を含まない以外は、本発明の化粧水と同じ組成の比較化粧水を常法により調製した。
得られた本発明の化粧水及び比較化粧水について、以下のようにして、下記の評価試験を行った。
肥満度を示すBMI[Body Mass index=体重(kg)/{身長(m)×身長(m)}]が30±3である10名(男女各5名)に対し、3週間毎日入浴後に腹部(前、横)、大腿部内側に塗布しマッサージを行った後、(1)皮下脂肪の厚みの増減効果、(2)皮膚の柔軟性の増減効果、(3)肌のきめ細かさの増減効果、及び(4)汗が脂ぎっている程度について、効果があるかどうかを1〜5段階(数字が大きいほど効果があることを示す)で官能評価した。結果を表2に示す。
Figure 2006045120
表2の結果から、本発明の化粧水は、比較化粧水に比べて、(1)皮下脂肪の厚みの増加効果、(2)皮膚の柔軟性の増加効果、(3)肌のきめ細かさを向上する効果、及び(4)汗が脂ぎっているのを防止する効果があることが認められる。
(配合実施例1) −乳液−
下記の組成の乳液を常法により製造した。
製造例1のシラカバ抽出物 1g
ホホバオイル 4g
オリーブオイル 2g
スクワラン 2g
セタノール 2g
モノステアリン酸グリセリル 2g
ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O) 2.5g
オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O) 2g
黄杞エキス 0.1g
イチョウ葉エキス 0.1g
コンキオリン 0.1g
オウバクエキス 0.1g
カミツレエキス 0.1g
1,3−ブチレングリコール 3g
パラオキシ安息香酸メチル 0.15g
香料 0.05g
精製水 残部
合計 100g
(配合実施例2) −化粧水−
下記組成の化粧水を常法により製造した。
製造例1のシラカバ抽出物 2g
グリセリン 3g
1,3−ブチレングリコール 3g
オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O) 0.5g
パラオキシ安息香酸メチル 0.15g
クエン酸 0.1g
クエン酸ソーダ 0.1g
油溶性甘草エキス 0.1g
海藻エキス 0.1g
キシロビオースミクスチャー 0.5g
クジンエキス 0.1g
香料 0.05g
精製水 残部
合計 100g
(配合実施例3) −クリーム−
下記組成のクリームを常法により製造した。
製造例2のクマザサ抽出物 1g
流動パラフィン 5g
サラシミツロウ 4g
セタノール 3g
スクワラン 10g
ラノリン 2g
ステアリン酸 1g
オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O) 1.5g
モノステアリン酸グリセリル 3g
1,3−ブチレングリコール 6g
酵母抽出液 0.1g
シソ抽出液 0.1g
シナノキ抽出液 0.1g
ジユ抽出液 0.1g
パラオキシ安息香酸メチル 1.5g
香料 0.1g
精製水 残部
合計 100g
(配合実施例4) −パック−
下記組成のパックを常法により製造した。
製造例1のシラカバ抽出物 5g
ポリビニルアルコール 15g
ポリエチレングリコール 3g
プロピレングリコール 7g
エタノール 10g
セージ抽出液 0.1g
トウキ抽出液 0.1g
ニンジン抽出液 0.1g
パラオキシ安息香酸エチル 0.05g
香料 0.05g
精製水 残部
合計 100g
(配合実施例5) −パック−
下記組成のパックを常法により製造した。
製造例1のシラカバ抽出物 3g
製造例2のクマザサ抽出物 3g
ポリビニルアルコール 15g
ポリエチレングリコール 3g
プロピレングリコール 7g
エタノール 10g
セージ抽出液 0.1g
トウキ抽出液 0.1g
ニンジン抽出液 0.1g
パラオキシ安息香酸エチル 0.05g
香料 0.05g
精製水 残部
合計 100g
(配合実施例6) −錠剤状栄養補助食品−
下記の混合物を打錠して錠剤状栄養補助食品を製造した。
製造例2のクマザサ抽出物・・・50g
粉糖(ショ糖)・・・178g
ソルビット・・・10g
グリセリン脂肪酸エステル・・・12g
(配合実施例7) −錠剤状栄養補助食品−
下記の混合物を打錠して錠剤状栄養補助食品を製造した。
製造例1のシラカバ抽出物・・・30g
製造例2のクマザサ抽出物・・・20g
粉糖(ショ糖)・・・178g
ソルビット・・・10g
グリセリン脂肪酸エステル・・・12g
(配合実施例8) −顆粒状栄養補助食品−
下記の混合物を顆粒状に形成して顆粒状栄養補助食品を製造した。
製造例1のシラカバ抽出物・・・34g
ビートオリゴ糖・・・1000g
ビタミンC・・・167g
ステビア抽出物・・・10g
本発明の脂肪分解促進剤は、生体内の脂肪の合成と蓄積を担っている脂肪細胞中に蓄積する脂肪の分解の促進を通じて、肥満体質の改善及び脂肪組織の増大を防止することにより、肥満の予防及び抑制に寄与し得、化粧料及び飲食物に好適に用いられる。
本発明の化粧料は、優れた脂肪分解促進効果を有し、安全性にも優れているので、例えば、軟膏、クリーム、乳液、ローション、パック、ゼリー、入浴剤等に幅広く用いられる。
本発明の飲食物は、経口摂取によっても優れた脂肪分解促進効果を有し、安全性にも優れているので、例えば、健康・栄養補助食品などの各種飲食物に幅広く用いられる。

Claims (3)

  1. カバノキ科シラカバの抽出物及びイネ科クマザサの抽出物の少なくともいずれかを含有することを特徴とする脂肪分解促進剤。
  2. 請求項1に記載の脂肪分解促進剤を含有することを特徴とする化粧料。
  3. 請求項1に記載の脂肪分解促進剤を含有することを特徴とする飲食物。
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