JP2006044750A - 運搬用容器 - Google Patents

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JP2006044750A
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賢司 江崎
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Abstract

【課題】ネスティング状態で上下に積載された容器内に、物品が残っているか否かが、外部から容易に識別することができる運搬用容器を提供すること。
【解決手段】
下段の容器本体10aに対して上段の容器本体10aを180°反転して他方の向きで重ね合わせた時に上位の容器本体10aの支脚部が下位の容器本体のポケット部32,34,38,40内に没入するようにした運搬用容器であって、
前記容器本体の一対の長側壁14,16および一対の短側壁12,18に、多数の開口50をこれら側壁の略全域に配設し、
下段の前記容器本体10aに対して上段の容器本体10aを、上下方向の背が低くなる態様で重ね合わせた場合に、上段の容器本体10aの下半部と下段の容器本体10aの上半部との重ね合わせ領域に、内部の様子を視認することのできる開口50が互いに合致して形成されていることを特徴としている。
【選択図】図2

Description

本発明は、複数の容器を上下方向に積み重ねる場合に、全体の背の高さを高くしたり、全体の背の高さを低くしたりして積み重ねることができる運搬用容器に関し、さらに詳しくは、生鮮品の収容・運搬に好適な運搬用容器に関する。
食品を始めとし、商品の保管あるいは運搬用容器として広く利用されている合成樹脂製容器の中には、例えば、内部に物品を収容して積載する場合のように、背を高くした状態で積み重ねたり(以下、スタッキングという)、内部に物品を収容していない空の状態で積載する場合のように、背を低くした状態で積み重ねたりする(以下、ネスティングという)、いわゆるSNコンテナと称される容器が知られている(例えば、特許文献1参照)。
このようなSNコンテナ(運搬用容器)では、方向性の確認を容易にするために2色で色分けしたものが知られている。
また、SNコンテナの中には、
1)同色・同形状でスタッキングする場合と、
2)異色・異形状でスタッキングする場合と、の2種類のタイプがある。
同色・同形状タイプのSNコンテナは、2色で色分けされた2つのSNコンテナを、同色・同形状すなわち同じ姿勢で上下に重ね合わせた場合に背が高くなるタイプのもので、180°異なる姿勢(異色・異形状)で上下に重ね合わせた場合に、背を低くしてネスティングすることができる。
一方、異色・異形状タイプのSNコンテナは、上記とは反対に、2つのSNコンテナを、180°異なる姿勢(異色・異形状)で上下に重ね合わせた場合に背を高くすることができ、同じ姿勢(同色・同形状)で上下に重ね合わせた場合に、背を低くしてネスティングすることができる。
特開2002−332043号公報
ところで、このようなSNコンテナの中には、スーパーなどで陳列される精肉、鮮魚、惣菜などを加工センターでパック詰めにして、加工センターから各店舗へ配送するために使用する場合がある。
このような使用勝手の場合、配送後の空の運搬用容器は、加工センターに再び返却されてから洗浄などを行ったのち、繰り返し使用されている。このようなSNコンテナ2では、加工センターから各店舗に冷蔵車で商品を配送する場合に、例えば、パック詰めの商品の近傍に冷気を取り入れる必要があり、また回収した空容器の洗浄性も要求されている。
そこで、例えば、図4に示したように、生鮮品を運搬するSNコンテナ2の場合は、一対の長側壁4a、4bおよび一対の短側壁6a,6bならびに底側壁8に多数の開口10が形成されている。このような開口10は、通常矩形に形成されている。
一方、精肉、鮮魚、惣菜などの生鮮品は、例えば、発泡スチロール製のトレイなどに収容されラップで包まれた状態で配送されるため、これらパック詰めの商品は、品質の低下
を防止するために、SNコンテナ一段に対し、商品一段の割合で運搬される場合が多い。
SNコンテナ一段に対し、商品を一段に平積みする場合、図5に示したように、SNコンテナ2,2を、背の低いネスティング状態で物品を搬送したり管理したりすることが可能となる。
しかしながら、ネスティング状態の容器内に商品が収容される場合、図5に示したように、上下の容器の重なりあった部分に物品が収容されるため、この位置の物品を、外方から確認しようとしても、外側(下段)の壁体が邪魔になって、内部を確認することが困難である。いくら、上段および下段の容器本体に、それぞれ開口10が多数形成されていても、これまでの容器本体では、これらの開口10が側壁の両端部に偏在されており、中央付近には形成されていないものが多かった。
しかも、上下に重ね合わせた場合に、外側と内側とで重なりあう部分でも、開口10’のように完全には一致することはないため、内部の様子を確認することが困難であるという問題があった。
なお、仮にスタッキング状態のコンテナ2,2内に物品が収容された場合には、下段の容器に重なりあうことなくその上に上段の容器が載置される。したがって、周囲の四側壁に多数の開口10さえ形成されていれば、どの位置からでも内部の様子を確認することができ、物品の確認に問題になることはない。
本発明は、このような実情に鑑み、ネスティング状態で上下に積載された容器内に、物品が残っているか否かが、外部から容易に識別することができる運搬用容器を提供することを目的としている。
上記目的を達成するための本発明に係る運搬用容器は、
一対の長側壁および一対の短側壁を備えた容器本体の外面下部に支脚部を、内面上部にポケット部をそれぞれ有し、
下段の容器本体に対して上段の容器本体を一方の向きで重ね合わせた時に上位の容器本体の支脚部が下位の容器本体のフランジ部上に位置し、
下段の容器本体に対して上段の容器本体を180°反転して他方の向きで重ね合わせた時に上位の容器本体の支脚部が下位の容器本体のポケット部内に没入するようにした運搬用容器であって、
前記容器本体の一対の長側壁および一対の短側壁に、多数の開口をこれら側壁の略全域に配設し、
下段の前記容器本体に対して上段の容器本体を、上下方向の背が低くなる態様で重ね合わせた場合に、上段の容器本体と下半部と下段の容器本体の上半部との重ね合わせ領域に、内部の様子を視認することのできる開口が互いに合致して形成されることを特徴としている。
係る構成による本発明に係る運搬用容器は、複数個の容器本体を上下にネスティングした場合に、物品が収容されている内部の様子を外方から確実に識別することのできる。したがって、ネスティング状態で物品を収容し搬送する場合であっても、物品の有無などを確実に判断することができる。
さらに、本発明では、前記開口は、前記一対の長側壁における点対称位置、および前記一対の短側壁における点対称位置に、それぞれ形成されていることが好ましい。
このような構成であれば、上下に重ね合わせた場合に、上位の容器本体の開口と下位の
容器本体の開口とが、確実に重なりあうので、外部から内部の様子を視認することができる。
また、一対の短側壁および一対の長側壁における点対称位置に形成されていれば、どの位置からでも内部の様子を確認することができる。
また、外部から容易に識別することができ、且つ強度を有している運搬用容器を提供できる。
さらに、本発明では、開口は、各側壁に上下2段に渡って形成されていることが好ましい。
このような構成であれば、ネスティングした場合に、上段の容器本体の下半部と、下段の容器本体の上半部とが、確実に重なりあうので、内部の様子を確認することができる。
ここで、前記重ね合わせ部における内部の様子を外方から視認することのできる開口の総面積は、重ね合わせ部全体の面積の51%以上〜75%以下の範囲に形成されていることが好ましい。
このような範囲に開口が形成されていれば、内部の視認性が良好であるとともに、強度的にも十分である。
本発明に係る運搬用容器によれば、背を低くしたいわゆるネスティングの姿勢により物品を運搬する場合であっても、上下に重なりあった部分に十分な面積の開口が重なりあうので、内部に物品が残っているかいないかなど、内部の様子を良好に確認することができる。
また、一対の長側壁および一対の短側壁における点対称位置に開口が形成されていれば、どの側壁でも開口同士が重なりあうので、どの位置から眺めても内部を良好に確認することができる。
さらに、開口が側壁の上下2段に渡って形成されていれば、開口同士を無理なくラップさせることができる。
さらに、重ね合わせ部における開口の総面積を、全体の51%以上〜75%以下の範囲とすれば、容器本体の強度を十分に維持することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施例について説明する。
図1は、本発明の一実施例に係る運搬用容器を示したものである。
この運搬用容器10(SNコンテナ10)は、いわゆる同色・同形状SNコンテナと称されるもので、2つの容器本体10a,10aを用意した場合に、同じ姿勢、同じ向きで上下に重ね合わせた場合に、背を高くしてスタッキングすることができ、逆の向き、すなわち、上位の容器本体10aを180°回転させて、下位の容器本体10aに重ね合わせた場合に、背を低くしてネスティングすることができる。
すなわち、この運搬用容器10の容器本体10aは、底壁12と一対の長側壁14,16と、一対の短側壁18,20とを有し、四側壁14,16,18,20は、やや外方に
向けて外側に傾斜して一体成形されている。また、四側壁14,16,18,20の開口
部上縁には、フランジ部22が形成されている。
これらの四側壁14,16,18,20には、洗浄用・通風性、さらには、内部の様子
を視認する覗き窓として機能する多数の開口50が形成されている。また底壁12には、小開口52が全面に形成されている。特に、四側壁に形成された開口50は、上下2段に、矩形の開口50が全面的に形成されている。また、一対の長側壁14,16間および一対の短側壁18,20間では、点Oを中心に点対称となる位置にそれぞれの開口50が形成されている。
このような開口50の形成面積は、重ね合わせた部全体の51%以上〜75%以下であることが望ましい。このような割合で開口50が形成されていれば、内部の様子を視認する上で良好であるとともに、容器としての十分な強度を維持することができる。
さらに、長側壁14には、スタッキング時の位置決めとして機能する支脚部24,26が外面両端部に形成され、これに対向する他方の長側壁16の外面両端部にも、同じく支脚部24,26(図示せず)がそれぞれ形成されている。
なお、長側壁14,16に形成された、これらの支脚部24,26は、容器本体の長手方向の中心線に対して線対称の位置に配置されている。
一方、短側壁20の外面下部には、スタッキング時の位置決めとして機能する幅細の支脚部28と、同じくスタッキング時に機能する突起状の支脚部30がそれぞれ形成されている。また、反対側の短側壁18の外面下部にも、同様の支脚部28,30がそれぞれ形成されているが、これらは点Oを中心に点対称となる位置に形成されている。すなわち、側壁18を図1の左側から見たとき、側壁18の右側の下部に突起状の支脚部30が、左側の端部に細い線状の支脚部28がそれぞれ形成されている。
また、容器本体10aの長側壁16には、長側壁14に形成された支脚部24の下半部の形状を収容することのできるポケット部32が、点Oを支点として点対称の位置に形成されている。さらに長側壁16には、長側壁14に形成された支脚部26の下半部の形状を収容するこのできるポケット部34が、点Oを支点として点対称の位置に形成されている。
同じく、長側壁14には、支脚部26の下半部の形状を収容することのできるポケット部38と、支脚部24の下半部の形状を収容することのできるポケット部40が形成されている。
なお、長側壁14に形成されたポケット部38,40は、長側壁16に形成されたポケット部34,32にそれぞれ対応している。
さらに、容器本体10aの短側壁18には、短側壁20に形成された支脚部28の下半部を収容することのできる幅細のポケット部34’が、点対称位置に形成されている。さらに、短側壁18には、短側壁20に形成された支脚部30を内方に収容することのできる切欠き状のポケット部36が点対称位置に形成されている。
同じく、短側壁20には、支脚部28の下半部の形状を収容することのできる幅細のポケット部42が形成され、さらに、支脚部30の形状を内方に収容することのできる切り欠き状のポケット部44が形成されている。なお、短側壁18に形成されたポケット部36は、短側壁20に形成されたポケット部44と同じ形状であり、短側壁18に形成されたポケット部34’は、短側壁20に形成されたポケット部42と同じ形状である。すなわち、ポケット部36とポケット部44は、点対称の関係にあり、ポケット部34’とポケット部42も点対称の関係にある。
さらに、本実施例の運搬用容器10では、互いに隣接する二側壁に跨って平面視で見るとL字状をなす第3水平フランジA,B,C,Dが形成されている。
これらの第3水平フランジA,B,C,Dの高さTは、全て同一であるが、容器本体10aの全体の高さをXとしたとき、高さTは、高さXの半分ほどの高さを有している。この高さTにより、ネスティングした場合の上下に重なり合う深さが決定される。
このような構成の同形状・同色SNコンテナ10では、2つのコンテナ本体10a,10aを用意し、図2に示したように、同じ姿勢(同色・同形状)で上下に重ね合わせた場合に、長側壁14の支脚部24がフランジ部22上に、長側壁14の支脚部26がフランジ部22上に配置され、同様に長側壁16の支脚部24と、長側壁16の支脚部26がフランジ部22に配置され、短側壁20の支脚部28と支脚部30が、ポケット部42、44内の浅い段部にそれぞれ配置され、同様に短側壁18の支脚部28と支脚部30が、ポケット部34’,36内の浅い段部62,64にそれぞれ配置される。このようにして、四側壁14,16,18、20の外面に具備された各支脚部が直上に配置されて、上下2段のSNコンテナ10、10が背を高くして重ねられる。
一方、下位の容器本体10aに対し、上位の容器本体10aを180°回転させて上下2段に配置すれば、図3に示したように、上位の容器本体10aの長側壁16に形成された支脚部C,Dが下位の容器本体10aのフランジ部22上に配置され、安定した姿勢でネスティングされる。このとき、上段の容器本体10aの下半部は、下段の容器本体10aの上半部(Wの高さ)内に収容される。これにより、図3に示したネスティング状態では、図2に示したスタッキング状態に比べて背が低くされる。
本実施例による同形状・同色SNコンテナ10は、上記のようにしてスタッキングあるいはネスティングのいずれかの嵌合姿勢をとることができる。
また、本実施例のSNコンテナ10は、例えば、生鮮品を運搬するのに好適に使用することができ、その場合には、スタッキング姿勢ではなく、図3に示したネスティング姿勢で、パック詰めの商品などを運搬することができり。その場合、容器本体10aの1段に対し、パック詰め商品が1段で平らに収容され、この姿勢で運搬される。
このとき、下段のコンテナ本体10a内に収容された商品は、最下部に形成された多数の開口50を介して確認することができる。また、上段のコンテナ本体10a内に収容された商品は、下段のコンテナ本体10aと重なりあったWの範囲に収容されているが、この重ね合わせ領域Wでは、上下のコンテナ本体10a,10aに形成された開口50が互いにラップして配置されるので、このラップした二重の開口50から内部の様子を視認することができる。また、短側壁18,20においても同様で、点対称位置に形成された開口50,50同士が互いにラップし合うので、どの位置からでも内部の様子を確実に視認することができる。
よって、このようなネスティング状態の上下のコンテナ10a,10a内に物品が収容されていても、または収容されていなくても、その様子を外部から確認することができる。
さらに、容器本体の四側壁の他、底壁にも小開口52が多数形成されていることから、通風性も良好である。したがって、運搬中に空気あるいは冷気の流通が良好であることは勿論のこと、水洗いする場合などにも、これらの開口50,52から水切りを行うことができる。
本実施例において、一つ一つの開口50の大きさは、特に限定されるものではなく、適宜大きさを選択することができる。
以上、本発明の一実施例について説明したが、本発明は、上記実施例に何ら限定されない。
例えば、上記実施例では、いわゆる同色・同形状スタッキングタイプのSNコンテナを例にして説明したが、本発明は、勿論、異形状・異色スタッキングタイプのSNコンテナにも適用可能である。また、勿論、スタッキング状態で物品の運搬を行うこともできる。
さらに、開口50の形状は、矩形に限定されない。また、二色に色分けすることは特に限定されない。
図1は、本発明の一実施例による運搬用容器の斜視図である。 図2は、図1に示した運搬用容器をスタッキング状態に積み重ねたときの側面図である。 図3は、図1に示した運搬用容器をネスティング状態に積み重ねたときの側面図である。 図4は従来の運搬用容器の斜視図である。 図5は図4に示した従来の運搬用容器をネスティング状態に積み重ねた時の側面図である。
符号の説明
10 運搬用容器(SNコンテナ)
50 開口
10a 容器本体(コンテナ本体)
12 底壁
14,16 長側壁
18,20 短側壁
22 フランジ部
24,26,28,30 支脚部
34,32 ポケット部
34’,36 ポケット部
38,40 ポケット部
42,44 ポケット部
A,B,C,D 第3水平フランジ

Claims (4)

  1. 一対の長側壁および一対の短側壁を備えた容器本体の外面下部に支脚部を、内面上部にポケット部をそれぞれ有し、
    下段の容器本体に対して上段の容器本体を一方の向きで重ね合わせた時に上位の容器本体の支脚部が下位の容器本体のフランジ部上に位置し、
    下段の容器本体に対して上段の容器本体を180°反転して他方の向きで重ね合わせた時に上位の容器本体の支脚部が下位の容器本体のポケット部内に没入するようにした運搬用容器であって、
    前記容器本体の一対の長側壁および一対の短側壁に、多数の開口をこれら側壁の略全域に配設し、
    下段の前記容器本体に対して上段の容器本体を、上下方向の背が低くなる態様で重ね合わせた場合に、上段の容器本体と下半部と下段の容器本体の上半部との重ね合わせ領域に、内部の様子を視認することのできる開口が互いに合致して形成されることを特徴とする運搬用容器。
  2. 前記開口は、前記一対の長側壁における点対称位置、および前記一対の短側壁における点対称位置に、それぞれ形成されていることを特徴とする請求項1に記載の運搬用容器。
  3. 前記開口は、各側壁に上下2段に渡って形成されていることを特徴とする請求項1に記載の運搬用容器。
  4. 前記重ね合わせ部における内部の様子を外方から視認することのできる開口の総面積は、重ね合わせ部全体の面積の51%以上〜75%以下の範囲に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の運搬用容器。
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