JP2006043751A - 高エネルギー密度利用機器用耐熱部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】 更なる熱伝導性の向上による冷却能の負荷軽減を目指し、接合体をさらに改善し、WとCuやNiのように熱膨張係数の差が大きい異種材料において密着性に優れた、且つ熱伝導性を向上させた接合体等の高エネルギー密度利用機器用耐熱部材とその製造方法とを提供すること。
【解決手段】 高エネルギー密度利用機器用耐熱部材は、タングステン部材10とタングステンよりも熱膨張係数の大きい基材20間の中間層の形成に関し、前記基材20の軟化点以上の温度でタングステン部材10を基材20に圧入接合し、タングステン部材10と中間層および中間層と基材の間に金属的結合を有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、高エネルギー密度利用X線源や発電機器などの高温高負荷で使用される電極等の耐熱部材に関する。
近年、大パワー固定X線陽極、MHD(Magneto−Hydro−Dynamics;電磁流体力学)発電、核融合炉等の高エネルギー密度のビーム利用機器の電極等の部材に、その過酷な放電負荷や熱負荷に耐える材料が要求されている。これに対し、高融点で耐熱性が高く、放電消耗の少ないタングステン(W)およびW合金の使用が望まれているが、その難加工性、高比重や機械的脆さ、あるいは組立て時の部材間の接合の難しさが問題となる。そのため、そのような高エネルギー密度利用機器用耐熱部材として、他材質基材、特にその加工性や熱伝導性に優れた銅(Cu)およびCu合金製基材との接合体の開発が進められている。さらに、CuおよびCu合金よりも高温で使用できるNi合金やステンレス製基材との接合体の開発が望まれている。
例えば、工業用非破壊検査に使用されるX線透過装置は、検査対象の高精細化観察の要求からX線源である固定X線陽極は、高出力化あるいは高電流密度化が要求されている。それに伴い、入力電子線の高入力化ならびに電子線の小径化が進み、陽極の熱負荷あるいは熱負荷密度が大きくなっている。そのため、従来のろう接接合では、界面温度がろう材融点を超え、ろう材の溶融によるボイドの発生、またそのボイドによる熱伝導の低下から、さらなる温度の上昇によるろう材の溶融範囲拡大となり、最終的に使用不可能となる恐れが強まっている。
また、MHD発電機は、石炭などの化石燃料の導電性ガスを高磁界中に流し、熱エネルギーを電力に直接変換する発電機である。このMHD発電機においては発電機内壁の電極部材には大きな熱負荷とともに、電気的負荷も発生する。すなわち電気的負荷とは電極に電流が流れる際、雰囲気が導電性ガスであるため、電流の流出入時アークが発生し電極を損傷させることである。
また、核融合炉のプラズマ対向材料においても、大きな熱負荷を受けるとともに、高エネルギーの荷電粒子ビームによるエロージョン、すなわち大量の粒子負荷を受けることにより生じるスパッタリング損耗が核融合反応の継続的発生に大きな影響を与えることが問題視されている。
上記の大きな熱負荷やアーク放電損耗およびエロージョンに対し、高融点で耐アーク性、耐エロージョン性に優れ、損耗の少ないWと熱伝導率が高く水冷効果の大きいCuおよびCu合金を接合体として用いることにより、W単体の電極部に比べ熱負荷を軽減でき長寿命化が期待できる。
これらの接合体では、接合部にボイド等の空間が存在すると熱伝導性が低下するのみならず、熱の集中(ヒートスポット)が生じ局部溶融等による剥離の恐れがある。そのため、熱伝導が低下しない密着性の良好な接合体が必要となる。また、高熱負荷下において変形・脱落が起きない十分な接合強度が必要である。
WとCuは相互に固溶・拡散が起こらないため、ただ単に接触させ加熱しただけでは接合の難しい異種材料接合の代表である。
通常、異種材料の接合に使用される接合方法としては、アーク、TIG、レーザー、電子ビーム等を用いた融接接合(溶接)、ろう接接合、摩擦圧接法、鋳ぐるみ法などがある。
融接は一般に「溶接」と称され、溶接しようとする部位同士を加熱し、溶加材とを融合させて溶融金属を作り、これを凝固させ接合する方法であり、鉄系金属を中心に広く構造物等の接合に使用されている。
しかし、融接法では母材を溶融する必要があるため、母材の融点以上の温度に加熱することが必須である。また、母材の溶融、凝固を伴うため組織変化、すなわち再結晶およびその粗大化が避けえないため残留応力変形および組織変化により融接継手部近傍の脆化、強度低下等の特性変化が生じる。そのため、溶融、凝固にともなう結晶粒粗大化による材料の脆化が顕著なことから、耐熱材料であるWに対して適用が困難である。
ろう接は、ろう付けとも称され、母材を溶融することなく、溶加材と呼ばれる母材よりも低い融点をもつ金属を溶融し、その毛細管現象および母材金属との反応を利用し接合面の隙間に行き渡らせて接合を行う方法である。そのため、母材の溶融、凝固にともなう結晶粒粗大化や脆化が生じないほか、施工温度が低いため熱応力を抑えることができるとともに、母材の組織変化が無い等の利点がある。さらに、ろう接は難溶融性金属のように、母材溶融に対して高エネルギーが必要な場合、あるいは凝固時に割れが生しやすい材料や異種材料の接合にも適している。
しかしながら、ろう接は接合強度が融接法に比し低いだけでなく、ばらつきが大きいため信頼性が低いことが問題である。また、ボイド等のヒートスポットが生じやすく熱伝導性が低下する可能性が高い欠点がある。しかも、使用ろう材の融点により使用温度が制限される。
その他に、直接WとCuの板同士を接合する方法として、特許文献1においてHIP接合が提案されている。HIP(Hot Isostatic Press;熱間等静圧圧縮成形)による接合の場合、装置が大掛かりでコスト的に不利である。かつ圧力の均一伝達のため、接合材全体を覆うカプセル内に真空密封する必要があり、形状的な制約が大きい。また、3次元方向からの圧力がかかるためこの点からも形状的な制約が大きい。しかしながら、電極体等ではW電極がCu冷却部より突き出た形状の要求も多く、HIP接合では対応不能である。さらにカプセルは一般に加工性、変形性の必要から軟鋼製とするが、高温になるとW中に鉄分の拡散を生じW部が脆化する恐れがある。
WとCuの接合法として、摩擦圧接接合法も提案されている。例えば、特許文献2において、インサート材を用いたW基金属材とCu基金属材の摩擦圧接方法に開する接合法が提案されている。この方法においては、インサート材の使用によりWとCuの間に熱伝導係数がCuより低いニオブ(Nb)等の中間層の存在で熱伝導性が低下することが問題となる。一般に円形断面材の接合に用いられる方法であり、一部接合する一方の素材を角断面とした例もある。いずれにせよ丸棒状素材が必要である等の形状的制約もある。さらに、接合する部材同士の回転中心が一致している必要があり、ひとつの基材に多数本の電極を設置する電極体には適用できない。
鋳ぐるみ法は、しばしばWとCuの接合に用いられている。すなわち、鋳型内に高融点のW基材をセットし、低融点のCuを溶かした溶湯を流し込み凝固させW基材を固定する方法である。この場合、ガスの巻き込みや凝固の際の引け巣の制御が難しいため、ボイド等のヒートスポットが生じやすく熱伝導性が低下する可能性が高い欠点がある。また、Cu基材部は、鋳造体となるため、一般の塑性加工を施されたCu素材から加工された基材よりも機械的性質が劣る。
さらに、少なくともW基材接合面の周囲の一部にもCuが回り込む必要があり、一面同士の接合は不可能であり、適用できる接合体の形状が制限される。
他に積層法として、PVDおよびCVD成膜法がある。
しかしながら、電極体等ではW電極がCu冷却部より突き出た形状の要求も多い。また、平面形状の電極体においても寿命や冷却能力の負荷軽減から厚肉化の要求が高まっている。比較的厚膜成膜が可能な溶射法においても、1mm程度が限界で、その密着強度や信頼性の低さ、さらにポアの存在が避けられない、突出形状品の製作は不可能、等の欠点がある。
以上のように、WとCuの接合に対して熱伝導性を低下させない良好な密着性および実用十分な強度が得られ、かつ適用形状に制限を受けない接合法の開発が求められている。
それに対し、本発明者らはWとCuを直接固相接合するため、W部材の一部にテーパー部を形成させCu基材に圧入加工した複合体を開発した(特許文献3、参照)。その特許文献3に開示された接合体は、上記要求に応えるものであったが、WとCuは相互に固溶・相互拡散しない組合わせのため、Cuの流動、塑性変形の反力および熱膨張差から発生する締め付け力等の機械的接触により密着性を得ている。そのためWとCuの界面部にはミクロ組織レベルでの未接触部の存在は否定できず、熱伝導性の低下の問題点が考えられた。
一般に、WとCuの接合体の製作には、ろう接や鋳ぐるみ法が用いられるが、ボイド等の欠陥による熱伝導性の低下やヒートスポットの発生、および熱膨張係数の差が大きな問題となり、この問題をなくすことができれば、WとCuの組合せ以外の熱膨張係数の差が大きい異種材料接合体にも適用可能である。例えば、Cu以外でも、大きな熱膨張係数を持つニッケル(Ni)およびNi合金、ステンレス合金等がCuよりも高温に耐えられるヒートシンクやバッキングプレートとして使用できる。
ここで、熱膨張係数は、非特許文献1によれば、20〜500℃においてW:4.6、Cu18.3、Ni15.2、18−8ステンレス18.4(×10−6/K)である。
特許文献3に開示された接合体は、その要求に応じえるものであったが、前記のようにWとCuの界面部にはミクロレベルでの未接触部の存在は否定できず、この点を改善し熱的な抵抗を減少させることが必要とされる。
特開平11−190787号公報 特開平8−323485号公報 特開2001−293576号公報 金属データブック(日本金属学会編、改訂3版) 「ハイパーリフラクトリーメタルとしての傾斜機能材料の進歩」、金属‘97−2月号第117頁〜第124頁
本発明の技術的課題は、更なる熱伝導性の向上による冷却能の負荷軽減を目指し、従来の接合体をさらに改善し、WとCuやNiのように熱膨張係数の差が大きい異種材料において密着性に優れた、且つ熱伝導性を向上させた接合体等の高エネルギー密度利用機器用耐熱部材とその製造方法とを提供することにある。
本発明は、上述の事情を鑑みてなされたものであり、WとCuのように熱膨張係数の差が大きい異種材料の接合において熱伝導性の良好な接合体からなる耐高エネルギー密度利用機器用耐熱部材を得るために、特許文献3に開示された接合体における問題点、すなわちWとCuの界面部のミクロレベルでの未接触部の存在の解消を図ったものである。
本発明者らは、その具体的手段として、Wと基材、例えば、Cuの界面部に両者と反応する中間層を形成し、Wと中間層、中間層と基材のそれぞれに相互拡散を生じさせ金属組織結合層を生成させ界面部のミクロレベル密着性を向上させる方法を見出し本発明をなすに至ったものである。
本発明によれば、タングステン部材とタングステンよりも熱膨張係数の大きい基材との間に中間層を形成した部材であって、前記基材の軟化点以上の温度でタングステン部材を前記基材に圧入接合し、前記タングステン部材と前記中間層および前記中間層と前記基材の間に金属的結合を有することを特徴とする高エネルギー密度利用機器用耐熱部材が得られる。
また、本発明によれば、前記高エネルギー密度利用機器用耐熱部材において、前記タングステン部材の一部に当該タングステン部材ならびに前記基材との金属的結合を生成する前記中間層を形成したことを特徴とする高エネルギー密度利用機器用耐熱部材が得られる。
また、本発明によれば、前記高エネルギー密度利用機器用耐熱部材において、前記タングステン部材は、端部にテーパー部を備え、そのテーパー部周面に溝加工を施し、溝加工内にまで前記タングステン部材ならびに前記基材との金属的結合を生成する前記中間層を形成したことを特徴とする高エネルギー密度利用機器用耐熱部材が得られる。
また、本発明によれば、前記いずれか一つの高エネルギー密度利用機器用耐熱部材において、前記タングステン部材と前記基材との間に形成される前記中間層は、前記タングステン部材および前記基材の両方に金属的結合を生じさせるニッケルおよび銅の2層またはニッケル単独層からなることを特徴とする高エネルギー密度利用機器用耐熱部材が得られる。
本発明によれば、前記いずれか一つの高エネルギー密度利用機器用耐熱部材において、前記中間層は、ニッケルおよび銅の2層またはニッケル単独層からなり、熱処理および圧入接合時の加熱により金属的結合を形成したことを特徴とする高エネルギー密度利用機器用耐熱部材が得られる。
また、本発明によれば、前記高エネルギー密度利用機器用耐熱部材において、前記タングステン部材に形成させた前記中間層のニッケル被覆層は、それぞれ厚さ0.5μm以上3μm以下のNiめっきからなることを特徴とする高エネルギー密度利用機器用耐熱部材が得られる。
また、本発明によれば、前記いずれか一つの高エネルギー密度利用機器用耐熱部材において、1体の基材に前記タングステン部材が1本又は2本以上圧入接合されていることを特徴とする高エネルギー密度利用機器用耐熱部材が得られる。
また、本発明によれば、前記高エネルギー密度利用機器用耐熱部材において、入力熱エネルギー5MW/mにおいて加熱と冷却を各15秒サイクルで3000回、および入力熱エネルギー10MW/mにおいて加熱と冷却時間を各15秒で1000回の熱サイクル試験に耐え、接合部の熱伝達性能の劣化がないことを特徴とする高エネルギー密度利用機器用耐熱部材が得られる。
また、本発明によれば、タングステン部材とタングステンより熱膨張係数の大きい基材と、前記タングステン部材と前記基材との間に形成された中間層とを有する高エネルギー密度利用機器用耐熱部材を製造する方法であって、前記基材の軟化点以上の温度で、前記タングステン部材を前記基材に圧入接合し、前記タングステン部材と前記中間層および前記中間層と前記基材の間に金属的結合を形成することを特徴とする高エネルギー密度利用機器用耐熱部材の製造方法が得られる。
また、本発明によれば、前記高エネルギー密度利用機器用耐熱部材の製造方法において、前記タングステン部材の一部に当該タングステン部材ならびに前記基材と金属的結合を生成する前記中間層を形成することを特徴とする高エネルギー密度利用機器用耐熱部材の製造方法が得られる。
また、本発明によれば、前記高エネルギー密度利用機器用耐熱部材の製造方法において、前記タングステン部材の端部にテーパー部を備え、そのテーパー部周面に溝加工を施し、溝加工内にまで前記中間層を形成することを特徴とする高エネルギー密度利用機器用耐熱部材の製造方法が得られる。
また、本発明によれば、前記いずれか一つの高エネルギー密度利用機器用耐熱部材の製造方法において、前記中間層に前記タングステン部材および前記基材の両方に金属的結合を生じさせるニッケルおよび銅の2層またはニッケル単独層を用いることを特徴とする高エネルギー密度利用機器用耐熱部材の製造方法が得られる。
また、本発明によれば、前記いずれか一つの高エネルギー密度利用機器用耐熱部材の製造方法において、前記中間層として、ニッケルおよび銅の2層またはニッケル単独層を用い、熱処理および圧入接合時の加熱により前記金属的結合を形成することを特徴とする高エネルギー密度利用機器用耐熱部材の製造方法が得られる。
また、本発明によれば、前記高エネルギー密度利用機器用耐熱部材の製造方法において、前記中間層のニッケル被覆層は、厚さ0.5μm以上3μm以下のNiめっきからなることを特徴とする高エネルギー密度利用機器用耐熱部材の製造方法が得られる。
また、本発明によれば、前記いずれか一つの高エネルギー密度利用機器用耐熱部材の製造方法において、1体の基材に前記タングステン部材を1本または2本以上圧入接合することを特徴とする高エネルギー密度利用機器用耐熱部材の製造方法が得られる。
本発明をさらに、具体的に、基材にCuを使用する場合について説明すると、予め所定の径、深さの穴を開けたCu基材に対し、W部材の一部を圧入加工し接合体を得るが、W部材のCu基材に接する部分に中間層としてNiおよびCuを挿入し、WとNi中間層、Ni中間層とCu中間層、Cu中間層とCu基材間に相互拡散を生じさせ、Cu基材とW部材間の熱的抵抗の低減、すなわち接合体の熱伝導性を向上させることにより冷却性を向上させ耐熱性を持った接合体を得ることができる構成である。
さらには、本発明では、W部材のテーパー部に構加工を施し、その溝内部にまでCu基材を充填させることにより、熱伝導性を保ちつつ引き抜き強度を向上させた接合体を得ることができる構成である。すなわち引張強度は溝内に充填されたCu基材のせん断破壊に到る強度となる。
ここで、中間層はめっき、PVDあるいはCVDのような被覆法で形成することが望ましいが、形状や寸法によっては箔や箔を絞り加工等で成形したものでも形成可能であり、また箔を挾み込むだけでも形成可能な場合もある。
本発明によれば、WとCuやNiのように熱膨張係数の差が大きい異種材料において接合部で熱伝導性に有害な欠陥のない密着性に優れ、実用十分な接合強度を有する接合体等の高エネルギー密度利用機器用耐熱部材とその製造方法とを提供することができる。
以下、本発明について更に詳細に説明する。
本発明を更に具体的に説明すると、本発明では、WとCuやNiのように熱膨張係数の差が大きい異種材料において熱的密着性、すなわち熱伝導性を向上させ、より耐熱性に優れた高エネルギー密度利用機器用耐熱部材としての接合体を発明したものである。
すなわち、Cu基材20、25とW部材10の接合部にボイドなどの欠陥やヒートスポットの発生による熱伝導性の低下がなくかつ実用十分な引張強度を持つ接合体を得る方法である。なぜなら、高エネルギー密度のビーム利用機器の電極等の耐熱部材に使用する接合体では接合部にボイド等の空間が存在すると熱伝導性が低下するのみならず、熱の集中部(ヒートスポット)となり基材の局部溶融等による剥離や、さらに溶融の進行による全面破損の恐れがある。そのため、熱伝導性の低下の無い密着性の良好な接合体が必要となる。またいずれも外部からの機械的な力がかから無いため必要以上に大きな接合強度は要求されていないが、高温で使用される際に分離しない接合強度は必要であるからである。
具体的に、本発明の高エネルギー密度利用機器用耐熱部材をなす接合体のW部材とCu基材について説明する。
図1は本発明の第1の実施の形態による接合体を示す断面図である。図2は図1のW丸棒の接合部を主に示す断面図である。
図1を参照すると、第1の実施の形態による接合体101は、穴21を備えたCu基材20に、先端部2に周方向に設けられた溝4を備えた溝付きW丸棒10のこの先端部2を圧入した構成である。
図2を参照すると、W部材としての溝付きW丸棒10は、先端部2と、基部7とを備えている。先端部2は円錐台形状であり、先端の第1のテーパー部3と、基部側の第2のテーパー部5と、第1及び第2のテーパー部間3、5間に、周方向に設けられた断面半円形状の溝4とを備えている。第2のテーパー部5と基部7との間にはリング形状の端面6が設けられている。
また、先端部2の全面に渡って少なくとも1層からなる金属めっき層1が設けられている。
図3(a)及び(b)は本発明の第2の実施の形態による接合体を示す図で(a)は側面図、(b)は正面図である。図4は図3(a)及び(b)の接合体の断面図である。
図3(a)及び(b)、図4を参照すると、第2の実施の形態による接合体102は、一端に複数に整列した穴26を備えたCu基材25に、図2に示したものと同様の形状の周方向に設けられた溝11を備えた溝付きW丸棒10のこの先端部2を圧入した構成である。
図1及び図2を参照しながら、本発明を更に具体的に説明する。W部材であるW丸棒10の一端に溝加工による周方向の溝4を施した第1及び第2のテーパー部3、5を形成させ、かつCu基材20に接する部分にNi被覆およびCu被覆を設け、予め機械加工により円筒状の穴21を施したCu基材にCu基材の軟化点以上の温度で圧入し接合体101を得た。その結果、良好な熱伝導性をもつ接合体101が得られた。なお、Ni被覆およびCu被覆はめっき層1で形成することが最も簡単である。以下金属めっき層1を中間層として使用した場合について説明する。
なお、Wに直接Cuをめっきしない理由は、WとCuめっき間で拡散が生じないため密着性が悪く、実用的にはNiめっきを下地めっきとして施すことが望ましいからである。
Niめっきは、Wに対し拡散性、密着性が良く、直接はんだ付けが不可能なWに、はんだ濡れ性を付与するためしばしばW部材の表面改質処理に使用される。さらに、Niめっき上にCuめっきを施し、めっき焼付け処理により、Niめっき層とCuめっき層間にNi−Cuの全率固溶体層を生じ、さらにCu表面にまでNiか拡散したCuリッチ層が得られる。Cu基材と同材質であるCuめっきを施すことにより、圧入作業中の短時間の加熱・冷却時間の間においても圧着効果と相まってCu基材と同材質であるCuめっき間に良好な密着性が得られるとともにCuめっき表面まで拡散してきたNiにより、Ni−Cuの反応層を生じより密着性が高まる。
予備実験にて、Niめっきを1.5μmの厚さでめっきした後、Cuめっきをそれぞれ3、5、7、10μmを施した試験片を作製し、800℃のアニール処理およびその後の圧入温度である900℃での熱処理を実施した後、中央断面にて切断し観察試験片とした。観察試験片の圧入接合界面の拡散状況をX線マイクロアナライザーの線分析にて確認した結果、いずれもNiと相互拡散層が確認されるとともに、Cuめっき表面にまでNiが拡散していた。その結果、Cuめっき厚さは10μmと厚めっきでも効果があることが確認できた。しかしながらメッキ厚の増加は費用増大につながるため、本発明では5μmで評価した。
さらに、Niめっき層の厚さを、0.1、0.5、1.0、3.0および5μmに変化させ、その上にCuめっき5μmを施した試験片を作製し、800℃のアニール処理および900℃での圧入を実施した後、中央断面にて切断し観察試験片とした。その後X線マイクロアナライザーの線分析にて、界面の拡散状況を確認した結果を、それぞれ図5から図9に示す。
いずれにおいても、WとNi、NiとCuの間にそれぞれ相互拡散層が確認された。しかしながら、図5のNiめっきが0.1μmの場合、Niめっき厚が薄いためWとNiの界面部にCuが到達しW/Cuの界面が生じている。WとCuは密着性が悪いためWとCuが直接接することは望ましくない。よって、Niめっき厚は0.5μm以上あることが必要である。また図9に示すようにNiめっき厚が5μmの場合、W層とCu層の間にNi単独層が認められた。NiはWおよびCuよりも熱伝導率か低いため、Ni単独層の存在は好ましくないと考えられるため、Niめっき層は3μm以下が好ましい。すなわち図6から図8に示すように、WとNi、NiとCuの間にそれぞれ相互拡散が生じており、かつW/Cu界面やNi単独層か存在しない界面を得ることが好ましい。
なお、WとCuめっき間で拡散が生じないため密着性が悪く、実用的には、Niめっきを下地めっきとして施すことが望ましいと記載したが、近年の薄膜成膜技術の進歩で、例えば、スパッタリングでWにCuを直接成膜することも可能となっている。その場合、充分な密着強度が得られれば、本用途に適用できることは、容易に想像できることである。
しかしながら、実用上は、第1及び第2のテーパー部付き円錐台形状の先端部の側面(周面)および周面に施された溝の内部まで確実に成膜する必要性から、成膜基材を回転させる等の製造上の課題が生じコスト高や生産性の阻害の要因になることが考えられる。そのため必要に応じ中間層形成方法は、比較選択すればよく、めっきに限られることは無い。
また、本発明において、基材材質の一例としてCuについて述べたが、無酸素銅などの純Cuである必要はなく、より高温負荷下で使用されることが予想されるCu合金やNiおよびその合金あるいはステンレス鋼等の高合金鋼などWよりも熱膨張係数が大きく、かつある程度の剛性を有する金属および合金なども適応できる。その場合、基材材質に合わせ拡散反応を生じる中間層材質を選択すればよい。好ましくは基材と同一材質とすべきであるが、合金系の基材の場合その主元素であれば使用できる。前記にCuおよびCu合金の中間層としてNiおよびCuの例を示したが、例えばNiおよびNi合金基材やステンレス鋼基材の場合、中間層はNiのみでも同様な効果が得られる。
W部材10の先端部の長さである溝4を含む第1及び第2のテーパー部3、5の寸法、形状はW必要長さあるいは、Cu基材20の接合部面積や形状により決定すればよいが、Cu基材20、の接合用の穴21とW丸棒10中心のセンター合せを容易にするため、W太棒のテーパー先端径、即ち、第1のテーパー部3の先端径は、Cu基材20の穴21の径よりも若干細い径とする事が好ましい。また、Cu基材20の接合用の穴21の周辺に塑性変形を生じさせるため第2のテーパー部の付け根部の径はCu基材20の穴径よりも太径とする必要がある。
第2のテーパー部5の太径側と素材丸棒の外径が同径である必要はない。第2のテーパー部5の太径側の径は素材丸棒の外径より小径でもよい。なお、W部材10の形状は丸棒である必要はなく角棒状でもよい。
また、第1及び第2のテーパー部3、5側面に溝4を施しても良い。溝4形状は、例えば半円、U字溝あるいはV字溝等が使用できる。圧入時Cuが流動あるいは塑性変形により溝4に食い込み、あるいは圧入後の冷却時の熱収縮による締め付け等により接合強度を向上させる効果が期待できる。
図1はその接合体の模式的に示している。
溝4の寸法、数量は第1及び第2のテーパー部3、5の大きさにより任意に決定すればよい。
しかしながら、溝4の寸法および数量が大きすぎる場合、Cu基材20の塑性変形量や熱収縮量に比し溝4の体積が大きすぎることが生じ溝4内部へのCuの食い込み量が減少し溝4内を満たすことが出来ず、空間として残ることが考えられるため注意が必要である。
溝4加工を施す場合、溝4内部まで中間層を形成させる必要があるため、中間層は、めっき、PVDあるいはCVDのような被覆を施す方が容易であるが、形状や寸法によっては箔や箔を絞り加工等で成形したものでも形成可能であり、また箔を挟み込むだけでも形成可能な場合もある。
穴21の深さは基材20の周辺部及び穴底部に塑性変形を生じさせるためテーパー長さと同じもしくは短くする必要がある。
また、一体の基材20に多数本の電極を設置することも可能である。
図3及び図4は、多数本のW部材を1つの基材に圧入接合した場合の外観を摸式的に示している図である。
圧入温度は圧入荷重とトレードオフの関係にあり、可能であればより高温圧入の方が圧入荷重を小さくすることが出来、小さな荷重能力のホットプレス機で製作可能となる、あるいは同能力で多数個を同時に製作することが可能になるなどの点から有利となるが、高温にすることにより融点以下の温度でも真空圧力下での蒸気圧との関係で基材の蒸発等の損傷などが考えられる場合もあり、荷重との関係から任意に決定すればよい。もちろん基材25の融点以下に抑えることは当然である。また、低温過ぎる場合は大きな圧入荷重が必要となり、基材25あるいはW部材10そのものの損傷やCu部がW部材を抱え込み締めつける効果が低下するため、基材20の軟化点以上が望ましい。
以上、良好な熱的密着性ならびに引張強度を改善するための要件を纏めると、次の(イ)から(ハ)の通りである。
(イ)めっき層によりWとNi中間層、Ni中間層とCu中間層、Cu中間層とCu基材間に相互拡散を生じさせ、Cu基材20、25とW部材10間のミクロレベルでの未接触部の発生を防ぎ熱的密着性を向上させる。
(ロ)圧入後の冷却時の熱収縮が生じた際、熱膨張係数の差からCu基材20、25の穴21、26部の収縮が穴21、26内部に圧入されたWの収縮量より大きいため、第1及び第2のテーパー部3、5及び溝4を備えた先端部2全体においてCu部がW部を抱え込み締めつけ効果を発揮する。
(ハ)基材20、25の軟化点以上の温度で圧入することにより、Cu基材20、25がW部材表面に沿って先端部2のテーパー部間の溝4内部まで流動、塑性変形を生じる。
これらにより、接合部にボイドなどの欠陥による熱伝導性の低下やヒートスポットの発生がなくかつ実用十分な強度を持つ接合体を得ることが出来、過酷な放電負荷や熱負荷にさらされる高エネルギー密度のビーム利用機器の電極等の耐熱部材として使用することが出来る。
以下に本発明の具体例について説明する。
(例1)
全長15mm、直径6mmのW丸棒の一端に先端径φ3.5mm、テーパー呼び110、長さ5mmのテーパー加工を施し、さらにテーパー先端から2.5mmの位置に深さ0.3mm、幅0.3mmの半円溝加工を施し、第1及び第2のテーパー部3、5と、その間に溝11とを形成した。このテーパーおよび溝付きW丸棒テーパー部ならびにCu基材に接する端部6にNiめっきを1.5μm、Cuめっきを5μm施した。それぞれのめっき後に800℃でアニール処理を実施し、WとNiおよびNiとWの拡散層を生じさせ、めっき層の密着性を確保した。一方、30×30×30mm立方体形状の無酸素銅基材の一面に、深さ4mm、直径3.7mmの穴加工をX、Y方向とも側面より3mmの位置から、それそれ6mmピッチで5×5個所すなわち計25箇所施した。この基材25に前記のテーパー付きW丸棒を25本同時に圧入した。圧入温度は900℃、圧入荷重は12.5Ton(500Kg/1本)、真空雰囲気で行なった。その外観は、図3(a)の側面図、図3(b)の正面図、及び図4の断面模式図に示されている。また、図2はめっき加工後のテーパー付きW丸棒の外観図を示している。
この接合体102の高温での熱伝導状態を調べるため、無酸素銅基材25の側面中央部を貫く冷却用銅パイプを設置し、電子ビーム加熱による加熱試験を実施した。入力熱エネルギーは、例えばMHD発電器電極では、上記非特許文献2に記載されているように、0.5〜3MW/mの熱流束に耐える必要があるため、より過酷な5MW/m、および10MW/mの2条件にて評価した。この入力エネルギーで接合体の温度状態が定常状態になるまでの時間を測定したところ、いずれも約15秒であった。そのときのW部材10の平均表面温度は、5MW/mで1380℃、10MW/mで2200℃であった。
また比較例として、上記と同様溝加工を施したテーパー付きW丸棒をめっき無しでCu基材に圧入加工した試験体を作製し、上記と同条件で電子ビーム加熱による加熱試験を実施した。その際のW部の平均表面温度は、5MW/mで1450℃、10MW/mで約2700℃であった。
すなわちNiめっきおよびCuめっきを施すことにより5MW/mで70℃、10MW/mで約500°Cの冷却能が向上したことになる。
さらに、同様に製作しためっき付き試験体で熱サイクル試験を実施した。入力エネルギー5MW/m、10MW/mともに加熱時間および冷却時間はそれぞれ15秒とした。
この条件で5MW/mにおいて3000サイクル、10MW/mで1000サイクルの熱サイクル試験をそれぞれ行なったが、いずれの試験体においてもW部材の抜け、浮き等の接合強度低下や無酸素銅基材の溶けの欠陥は認められなかった。
また、いずれの熱サイクル試験中、W部材の表面温度に大きな変化は認められなかった。これは接合部の熱伝達性能の劣化が、無かったことを示す。また、得られた接合部のEPMAによる線分析結果から、WとNi中間層、Ni中間層とCu中間層、Cu中間層とCu基材間に相互拡散が生じていることが確認できた。このためCu基材25とW部材10間の熱伝導性がめっき無しの状態に較べ向上し冷却能が向上した理由と考えられる。
(例2)
密着強度を確認するため、全長40mm、直径6mmのW丸棒の一端に上記例1と同様先端径φ3.5mm、テーパー呼び110、長さ5mmのテーパー加工を施し、さらにテーパー先端から2.5mmの位置に深さ0.3mm、幅0.3mmの半円溝加工を施し、第1及び第2のテーパー部3、5と、その間に溝4とを形成した。このテーパーおよび溝付きW丸棒の第1及び第2のテーパー部及び溝4を備えた先端部2ならびにCu基材20に接する端面6にNiめっきを1.5μm、Cuめっきを5μmを施した。なお、それぞれのめっき後に、800℃でアニール処理を実施し、めっきの密着性を確保した。これは、圧入作業までの取り扱いを容易にする為である。その後、本W丸棒のテーパー部を深さ4mm、直径3.7mmの穴加工を施したφ20mm×長さ40mm無酸素銅基材に圧入温度900℃、圧入荷重500Kg、真空雰囲気の条件で圧入した。
図2はめっきを施した溝付きテーパー加工後のW丸棒の形状を示す。図1は得られた接合体断面模式図を示している。溝4内部にも無酸素銅部材の一部が食い込み良好な接合部を持つことが確認された。
さらに、得られた接合体で、引張試験を実施した。その結果を下表1に各条件10本の平均値で示す。試験温度はW部材とCu基材の界面近傍の温度は、実施例1の条件において、5MW/mで約300℃、10MW/mで500℃であったため、常温、300℃、および500℃の温度とした。なお、引張速度は、1mm/secで行った。
Figure 2006043751
なお、本発明のようなテーパー部で接合強度が評価される場合、接合斯面積をどの部分で評価するが、一般的な指標がないため、ここでは引抜き荷重で示した。いずれも第1及び第2のテーパー部3、5間に施した溝4内部に食い込んだCu部のせん断破壊により、破断に到っていた。
比較として下記表2に、特許文献3に開示された接合体の引張試験結果も示す。この場合、圧入温度が最高600℃で、テーパー部に溝および中間層も無いため、同じ500℃での高温引張試験結果では、57.2kgと本発明の134kgの約43%の接合強度しか得られていない。
Figure 2006043751
この結果より、本発明の接合体は、従来の特許文献3に開示の接合体よりも熱伝導性、接合強度とも優れていることが確認できた。なお、電極等として使用する場合、機械的な外力は一般に電極部にかかることはなく、上記表1に示す引き抜き荷重は充分実用に耐える接合強度である。
本発明に係る高エネルギー密度利用機器用耐熱部材としての接合体は、高エネルギー密度利用X線源や発電機器などの高温高負荷で使用される電極等の耐熱部材に適用される。
本発明の第1の実施の形態による接合体を示す断面図である。 図1のW丸棒の接合部を主に示す断面図である。 (a)及び(b)は本発明の第2の実施の形態による接合体を示す図、(a)は側面図、(b)は正面図である。 図3(a)及び(b)の接合体の断面図である。 本発明のNiめっき層の厚が0.1μmの試験片のX線マイクロアナライザーの線分析による界面の拡散状況の確認結果を示す図である。 本発明のNiめっき層の厚が0.5μmの試験片のX線マイクロアナライザーの線分析による界面の拡散状況の確認結果を示す図である。 本発明のNiめっき層の厚が1.0μmの試験片のX線マイクロアナライザーの線分析による界面の拡散状況の確認結果を示す図である。 本発明のNiめっき層の厚が3.0μmの試験片のX線マイクロアナライザーの線分析による界面の拡散状況の確認結果を示す図である。 本発明のNiめっき層の厚が5μmの試験片のX線マイクロアナライザーの線分析による界面の拡散状況の確認結果を示す図である。
符号の説明
1 金属めっき層
2 先端部
3 第1のテーパー部
4、11 溝
5 第2のテーパー部
6 端面
7 基部
10 W部材(溝付きW丸棒)
20、25 Cu基材
21、26 穴
101、102 接合体

Claims (15)

  1. タングステン部材とタングステンよりも熱膨張係数の大きい基材との間に中間層を形成した部材であって、前記基材の軟化点以上の温度でタングステン部材を前記基材に圧入接合し、前記タングステン部材と前記中間層および前記中間層と前記基材の間に金属的結合を有することを特徴とする高エネルギー密度利用機器用耐熱部材。
  2. 請求項1に記載の高エネルギー密度利用機器用耐熱部材において、前記タングステン部材の一部に当該タングステン部材ならびに前記基材との金属的結合を生成する前記中間層を形成したことを特徴とする高エネルギー密度利用機器用耐熱部材。
  3. 請求項1に記載の高エネルギー密度利用機器用耐熱部材において、前記タングステン部材は、端部にテーパー部を備え、そのテーパー部周面に溝加工を施し、溝加工内にまで前記タングステン部材ならびに前記基材との金属的結合を生成する前記中間層を形成したことを特徴とする高エネルギー密度利用機器用耐熱部材。
  4. 請求項1から3の内のいずれか一つに記載の高エネルギー密度利用機器用耐熱部材において、前記中間層は、前記タングステン部材および前記基材の両方に金属的結合を生じさせるニッケルおよび銅の2層またはニッケル単独層を含むことを特徴とする高エネルギー密度利用機器用耐熱部材。
  5. 請求項1から4記載の高エネルギー密度利用機器用耐熱部材において、前記中間層は、ニッケルおよび銅の2層またはニッケル単独層を含み、熱処理および圧入接合時の加熱により金属的結合を形成したことを特徴とする高エネルギー密度利用機器用耐熱部材。
  6. 請求項5に記載の高エネルギー密度利用機器用耐熱部材において、前記タングステン部材に形成した前記中間層のニッケル被覆層は、それぞれ厚さ0.5μm以上3μm以下のNiめっきからなることを特徴とする高エネルギー密度利用機器用耐熱部材。
  7. 請求項1から6の内のいずれか一つに記載の高エネルギー密度利用機器用耐熱部材において、1体の基材に前記タングステン部材が1本又は2本以上圧入接合されていることを特徴とする高エネルギー密度利用機器用耐熱部材。
  8. 請求項1から7の内のいずれか一つに記載の高エネルギー密度利用機器用耐熱部材において、入力熱エネルギー5MW/mにおいて加熱と冷却を各15秒サイクルで3000回、および入力熱エネルギー10MW/mにおいて加熱と冷却時間を各15秒で1000回の熱サイクル試験に耐え、前記タングステン部材と前記基材との間に接合部の熱伝達性能の劣化がないことを特徴とする高エネルギー密度利用機器用耐熱部材。
  9. タングステン部材とタングステンより熱膨張係数の大きい基材と、前記タングステン部材と前記基材との間に形成された中間層とを有する高エネルギー密度利用機器用耐熱部材を製造する方法であって、前記基材の軟化点以上の温度で、前記タングステン部材を前記基材に圧入接合し、前記タングステン部材と前記中間層および前記中間層と前記基材の間に金属的結合を夫々形成することを特徴とする高エネルギー密度利用機器用耐熱部材の製造方法。
  10. 請求項9に記載の高エネルギー密度利用機器用耐熱部材の製造方法において、前記タングステン部材の一部に当該タングステン部材ならびに前記基材と金属的結合を生成する前記中間層を形成することを特徴とする高エネルギー密度利用機器用耐熱部材の製造方法。
  11. 請求項9に記載の高エネルギー密度利用機器用耐熱部材の製造方法において、前記タングステン部材の端部にテーパー部を備え、そのテーパー部周面に溝加工を施し、溝加工内にまで前記タングステン部材ならびに前記基材と金属的結合を生成する前記中間層を形成することを特徴とする高エネルギー密度利用機器用耐熱部材の製造方法。
  12. 請求項9から11の内のいずれか一つに記載の高エネルギー密度利用機器用耐熱部材の製造方法において、前記中間層に前記タングステン部材および前記基材の両方に金属的結合を生じさせるニッケルおよび銅の2層またはニッケル単独層を用いることを特徴とする高エネルギー密度利用機器用耐熱部材の製造方法。
  13. 請求項9から12の内のいずれか一つに記載の高エネルギー密度利用機器用耐熱部材の製造方法において、前記中間層として、ニッケルおよび銅の2層またはニッケル単独層を用い、熱処理および圧入接合時の加熱により前記金属的結合を形成することを特徴とする高エネルギー密度利用機器用耐熱部材の製造方法。
  14. 請求項13に記載の高エネルギー密度利用機器用耐熱部材の製造方法において、前記タングステン部材に形成した前記中間層のニッケル被覆層は、厚さ0.5μm以上3μm以下のNiめっきからなることを特徴とする高エネルギー密度利用機器用耐熱部材の製造方法。
  15. 請求項9から14の内のいずれか一つに記載の高エネルギー密度利用機器用耐熱部材の製造方法において、1体の基材に前記タングステン部材を1本または2本以上圧入接合することを特徴とする高エネルギー密度利用機器用耐熱部材の製造方法。

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