JP2006043708A - 複合部材の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 界面の密着及び結合強度が確保できる鉄系材料の部品をアルミニウム合金で鋳包む複合部材の製造方法を提供する。
【解決手段】 鉄系材料の部品となるシリンダライナ1の外周表面2に、Znを主とする金属で粒状のブラスト材5を投射してショットブラスト処理した後、アルミニウム合金で鋳包み、鉄系材料のシリンダライナ1とアルミニウム合金のシリンダブロック本体3からなる複合部材であるシリンダブロック4を製造する。ショットブラスト処理によりシリンダライナ1の外周表面2に微細な凹凸が形成されると共に外周表面2にブラスト材が比較的均一な厚さで付着し、付着したブラスト材がアルミニウム合金溶湯に溶け込みシリンダライナ1の外周表面2に隙間なくアルミニウム合金溶湯が浸入し、界面7が密着したシリンダブロック4が製造できる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、鉄系材料の部品をアルミニウム合金で鋳包む複合部材の製造方法に関する。
例えばエンジンのブロックを軽量化して燃費を向上させるという観点から、鋳鉄或いは鋼製の鉄系材料のシリンダライナをアルミニウム合金からなるシリンダブロック本体で鋳包んでシリンダブロックを製造することが実用化されている。
しかし、このように鉄系材料のシリンダライナをアルミニウム合金で鋳包んだシリンダブロックを用いたエンジンは、シリンダライナとシリンダブロック本体との界面に空隙、即ち隙間が生じることがある。
このようにシリンダライナとシリンダブロック本体との界面に隙間が生じると、シリンダライナとシリンダブロック本体との間の熱伝導効率が低下してエンジンの冷却性能に影響を及ぼすと共に、シリンダライナの周方向において熱伝導率のバラツキが発生する。シリンダライナの周方向に熱伝導率のバラツキがあると、シリンダライナの熱膨張率も周方向の位置によってバラツキが生じることになる。この結果、バラツキによりシリンダライナが真円に膨張しなくなり、シリンダライナによって構成されるシリンダボア面が歪んだ円筒形状となり、シリンダボア内を往復動するピストンとの摩擦係数が高くなる。この摩擦係数の増大に起因してオイルの消費が増加すると共にピストンリングの磨耗が激しくなりエンジンの燃費、性能、耐久性等が低下する要因となる。また、界面に形成された隙間に冷却水等が浸入すると、その冷却水等によってシリンダライナに発錆が誘発されると共に、その発錆がシリンダライナの変形の要因となることがある。
一方、アルミニウム合金のシリンダブロック本体と、それに鋳包まれた鉄系材料のシリンダライナとの界面に隙間があると、シリンダボア内面を機械加工する際に、シリンダライナが加工時の負荷により弾性変形、いわゆるスプリングバックが発生してシリンダライナの加工精度が低下する。更に、界面に隙間が存在するとシリンダライナに繰り返し変形が付与されて集中応力が作用してシリンダライナの経時変化の要因となる。
また、鉄系材料のシリンダライナを鋳包むアルミニウム合金溶湯の凝固及び収縮時に発生する残留応力や熱膨張差によって高い負荷が加わるが、界面に隙間が存在すると応力集中が起こりアルミニウム合金部、即ちシリンダブロック本体が破損することがある。
この対策として、鉄系材料からなるシリンダライナの外周表面を粒状の鋼によるショットブラストを施して表面活性化を行うと共に粗面化し、しかる後このシリンダライナをアルミニウム合金で鋳包むことによりシリンダライナとシリンダブロック本体との界面を密着させるシリンダブロックの製造方法が知られている。
また、鋳鉄からなるシリンダライナの外周表面に傾斜若しくは湾曲した長さを有する突起を多数一体に設け、このシリンダライナをアルミニウム合金で鋳包むことによりシリンダライナとシリンダブロック本体との界面を密着させるシリンダブロックの製造方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
更に、鋳鉄からなるシリンダライナの外周表面に高圧流体を噴射することによってこの外周表面を構成する鋳鉄の基礎組織の一部を脱落させて多数の微小突起を生じさせると共に洗浄し、しかる後このシリンダライナをアルミニウム合金で鋳包むことによりシリンダライナとシリンダブロック本体との界面を密着させるシリンダブロックの製造方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。
また、鉄系材料からなるシリンダライナの外周表面にアルミニウム合金溶湯との融着性の良好なCu系やZn系の金属をメッキした後、フラックス浴に浸漬してメッキ層に内蔵する水素ガス等のガス成分を除去し、しかる後このシリンダライナをアルミニウム合金で鋳包むことによりシリンダライナとシリンダブロック本体との界面を密着させるシリンダブロックの製造方法が知られている。
特開昭58−211550号公報 特開2003−260559号公報
上記鉄系材料のシリンダライナの外周表面にショットブラストを施して粗面化してアルミニウム合金で鋳包むシリンダブロックの製造は、比較的低コストで行え、アルミニウム合金溶湯の湯廻りが向上し、界面の密着を高める効果がある。しかし、界面の結合強度が低く、シリンダライナを鋳包むアルミニウム合金溶湯の凝固時に発生する残留応力や収縮等の影響を受けやすく、界面に連続した隙間のない安定した状態を得ることが困難である。
また、シリンダライナの外周表面に突起を多数一体に設け、アルミニウム合金で鋳包む特許文献1に記載のシリンダブロックの製造方法によると、界面の結合強度は機械的要因により向上するが、多数の突起によりシリンダライナを鋳包む際のアルミニウム合金溶湯の湯廻り性が損なわれてシリンダライナとシリンダブロック本体との界面に密着する部分と密着しない部分が発生することが懸念される。また、仕様によってはシリンダライナの外周表面に突起を形成することができない場合があり、必要な部分を確実に密着させることができないことがある。また、シリンダライナを鋳造する際に突起を同時に成形すると溶湯の湯廻りに影響して安定したシリンダライナが得難く、一方シリンダライナの外周表面に機械加工によって多数の突起を加工するには種々の制約があり製造コストが増大するおそれがある。
鋳鉄からなるシリンダライナの外周表面に高圧流体を噴射して外周表面に多数の微小突起を形成し、しかる後アルミニウム合金で鋳包む特許文献2に記載のシリンダブロックの製造方法によると、アルミニウム合金溶湯の湯廻りが向上し界面の密着を高める効果がある。しかし、界面の結合強度が低くシリンダライナを鋳包むアルミニウム合金溶湯の凝固時に発生する残留応力や収縮等の影響を受けやすく、界面に連続した隙間のない安定した状態を得ることが困難である。また、高圧流体をシリンダライナの外周表面に噴射して鋳鉄の基礎組織の一部を脱落させて微小突起を生じさせることから、シリンダライナの材質等が制約されると共に極めて高圧の流体をシリンダライナの外周表面に噴射するには設備及び製造コストの膨大が懸念される。
鉄系材料からなるシリンダライナの外周表面にCu系やZn系の金属をメッキした後、アルミニウム合金で鋳包むシリンダブロックの製造方法によると、メッキによるCu系やZn系材料のメッキ層、即ち被覆層の厚み及びシリンダライナと被覆層との密着状態にバラツキが発生しやすく、シリンダライナの表面形状に大きく影響する。被覆層の厚みやシリンダライナとの密着状態にバラツキがあるとアルミニウム合金溶湯と反応して界面に生成される金属間化合物の厚み等にもバラツキが発生して界面状態が不安定になり、隙間の発生や結合強度等が不安定になることが懸念される。
鉄系材料からなるシリンダライナをアルミニウム合金からなるシリンダブロック本体で鋳包みシリンダブロックを製造する場合について説明したが、シリンダブロックに限らず鉄系材料からなる部品をアルミニウム合金で鋳包む他の複合部材においても同様の不具合が懸念される。
従って、かかる点に鑑みなされた本発明の目的は、界面に隙間等の発生が抑制できると共に安定した密着及び結合強度が確保できる鉄系材料の部品をアルミニウム合金で鋳包む複合部材の製造方法を提供することにある。
上記目的を達成する請求項1に記載の複合部材の製造方法の発明は、鉄系材料の部品をアルミニウム合金で鋳包む複合部材の製造方法において、上記鉄系材料の部品の表面にZnを主とする金属で粒状のブラスト材を投射するショットブラスト処理を施した後、アルミニウム合金で鋳包むことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1の複合部材の製造方法において、上記鉄系材料の部品がシリンダライナであって、シリンダライナの外周表面にZnを主とする金属で粒状のブラスト材を投射するショットブラスト処理を施した後、アルミニウム合金からなるシリンダブロック本体で鋳包みして上記複合部材となるシリンダブロックを製造することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2の複合部材の製造方法において、上記ショットブラスト処理は、上記ブラスト材が、Znを80〜100質量パーセント含む金属で粒径が0.3〜3.0mmであって、該ブラスト材を5〜35m/sの投射速度で上記鉄系材料の部品の表面に投射してショットブラストすることを特徴とする。
請求項1の発明によると、ショットブラスト処理にあたり、Znを主としたブラスト材は鉄系材料の部品に比較して非常に軟らかく、ショットブラストされた鉄系材料の部品の表面が清浄化されると共に微細な凹凸が形成され、この微細な凹凸が形成された表面にZnを主としたブラスト材が比較的均一な厚さで付着する。このZnを主としたブラスト材が比較的均一に付着した鉄系材料の部品をアルミニウム合金で鋳包みすることによって、部品に付着したZnを主とした金属がアルミニウム合金溶湯に溶け込み凹凸のある鉄系材料の表面に隙間なくアルミニウム合金溶湯が浸入し、アルミニウム合金またはアルミニウム合金とZnを主とする金属によって生成された金属間化合物が隙間を埋めて界面に隙間等のなく安定した密着及び結合強度が確保できる鉄系材料の部品をアルミニウム合金で鋳包みした複合部材が製造できる。
請求項2の発明は、請求項1の発明の具体的例を示すもので、鉄系材料からなるシリンダライナの表面にZnを主としたブラスト材によるショットブラスト処理を施し、ショットブラスト処理されたシリンダライナをアルミニウム合金で鋳包みすることによって、シリンダライナとシリンダブロック本体の界面が密着したシリンダブロックが製造できる。
請求項3の発明は、ショットブラスト処理におけるブラスト材及び投射速度の具体的例を示すもので、上記ブラスト材が、Znを80〜100質量パーセント含み金属で粒径が0.3〜3.0mmのブラスト材を、5〜35m/sの投射速度で鉄系材料からなる部品の表面に投射することによって、鉄系材料の部品の表面に比較的均一な厚みでブラスト材を付着することができる。
以下、本発明による複合部材の製造方法の実施の形態を鉄系材料からなるシリンダライナをアルミニウム合金のシリンダブロック本体で鋳包み、エンジンのシリンダブロックを製造する場合を例に、図1乃至図5を参照して説明する。
本実施の形態における複合部材の製造方法は、鋳鉄或いは鋼からなる鉄系材料の部品となるシリンダライナ1の表面である外周表面2に、アルミニウム合金溶湯との融着性に優れたZnを主とした金属で粒状のブラスト材5をショットブラストするショットブラスト工程と、ショットブラスト処理されたシリンダライナ1をアルミニウム合金からなるシリンダブロック本体3で鋳包みしてシリンダブロック4を製造する鋳包み工程を有している。
ショットブラスト工程では、図1及び図1の要部拡大図を図2に示すように鋳鉄或いは鋼の鉄系材料からなる円筒状のシリンダライナ1をチャック11に固定し、チャック11は固定されたシリンダライナ1をその軸芯Lを回転中心として回転させる。
この回転するシリンダライナ1の外周表面2に対し、ショットブラスト装置のノズル12によってZnを約80〜100質量パーセント含む金属で、ビッカス硬度約Hv30〜60、粒径約0.3〜3.0mmのブラスト材5を投射してショットブラスト処理する。
ここで、鉄系材料のシリンダライナ1に比較してZnを主とした金属のブラスト材5は非常に軟らかく、ショットブラストされた鉄系材料からなるシリンダライナ1の外周表面2は、研磨されて清浄化され、表面活性化されると共に微細な凹凸が形成され、かつこの微細な凹凸が形成された外周表面2にZnを主としたショットブラスト材5が比較的均一な厚さで付着する。この付着したブラスト材5によって図3に示すようにシリンダライナ1の外周表面2にZnを主とした金属からなる0.1〜1μm程度の均一な厚さの被覆層6が形成される。この被覆層6は、Znを主とした金属で形成されることからその熱膨張率が鉄系材料とアルミニウム合金の中間に位置している。
次の鋳包み工程において、上記ショットブラスト処理されて外周表面2にZnを主とした金属の被覆層6が施されたシリンダライナ1を鋳型にセットして、アルミニウム合金溶湯で鋳包むことによって、図4に示すようにシリンダライナ1がアルミニウム合金からなるシリンダブロック本体3によって鋳包みされてシリンダライナ1とシリンダブロック本体3が一体化されたシリンダブロック4が得られる。
この鋳包み工程において、アルミニウム合金溶湯とZnを主とした金属の被覆層6が反応することによって、即ちアルミニウム合金溶湯に被覆層6が溶け込み凹凸のあるシリンダライナ1の外周表面2に隙間なくアルミニウム合金溶湯が浸入し、アルミニウム合金またはアルミニウム合金とZnを主とする金属の被覆層6によって生成された金属間化合物が隙間を埋めてシリンダライナ1とシリンダブロック本体3の界面7が密着する。
また、被覆層6が薄く比較的均一な厚さに形成されることから、アルミニウム合金溶湯の少ない熱容量で十分に反応させることが可能であり、生成される金属間化合物は鉄系材料より熱膨張が大きく、この生成された金属間化合物鉄系材料とアルミニウム合金との熱膨張差により発生するシリンダライナ1とシリンダブロック本体3との界面7に発生する応力が緩和されると共に緩和材としての機能を果たす。
これにより、シリンダライナ1とシリンダブロック本体3との界面7の状態が安定し、界面7に隙間の発生がなくシリンダライナ1とシリンダブロック本体3の結合強度に優れ安定した高品質のシリンダブロック4が得られる。
従って、このように形成されたシリンダブロック4は、鉄系材料からなるシリンダライナ1とアルミニウム合金からなるシリンダブロック本体3との界面7に空隙が発生することなく、シリンダライナ1の周方向全周におけるシリンダライナ1とシリンダブロック本体3への熱伝導率が均一になり、熱伝導効率が向上してエンジンの冷却性能が確保できると共に、シリンダライナ1の熱膨張率にバラツキがなくなる。その結果、シリンダライナ1が真円に膨張してシリンダライナ1によって構成されるシリンダボア内面1aが真円の円筒形状となり、シリンダボア内を往復動するピストンとの摩擦係数が抑制できる。その結果、オイルの消費が減少すると共にピストンリングの磨耗が回避されてエンジンの燃費、性能、耐久性等が向上する。
また、シリンダライナ1とシリンダブロック本体3との界面7に隙間がなく密着して結合強度が確保され、シリンダボア内面1aを機械加工する際にシリンダライナ1に加工時の負荷が作用してもシリンダライナ1の弾性変形が抑制されて加工精度が確保できる。更に、シリンダライナ1とシリンダブロック本体3との界面7に隙間がなくシリンダライナ1の変形が防止されてシリンダライナ1の経時変化が回避できる。
更に、鉄系材料のシリンダライナ1を鋳包むアルミニウム合金には、凝固及び収縮時に発生する残留応力や熱膨張差によって高い負荷が加わるが、界面7に隙間がなく密着して結合強度が確保でき、応力集中が緩和される。また、被覆層6が薄く比較的均一な厚さに形成されることから、アルミニウム合金溶湯の少ない熱容量で十分に反応させることが可能であり、生成される金属間化合物は鉄系材料より熱膨張が大きく、この生成された金属間化合物鉄系材料とアルミニウム合金との熱膨張差により発生するシリンダライナ1とシリンダブロック本体3との界面7に発生する応力が緩和され、シリンダブロック本体3の破損が回避されて生産性の向上が期待できる。
また、界面7の密着によりシリンダライナ1とシリンダブロック本体3との間に冷却水等が浸入することがなくなりシリンダライナ1の発錆が抑制でき、発錆によるシリンダライナ1の変形が回避できる。
更に、シリンダライナ1をアルミニウム合金によって鋳包む鋳包み工程の前処理としてシリンダライナ1にショットブラスト処理を施すことから、シリンダライナ1の外周表面2が清浄化され、表面活性化されて脱脂等の前処理が不要になり、処理の簡素化及び効率化が得られ、生産性の向上が期待できる。
鉄系材料であるFC250からなる外径90mmで軸芯方向、即ち高さが120mmのシリンダライナ1の外周表面2に、Znを約80〜100質量パーセント含む金属で粒径約0.5〜1.0mmのブラスト材5を投射速度5〜35m/s(初速)でショットブラスト処理を施した投射時間とシリンダライナ1の外周表面2に付着したブラスト材5の付着量の相関を図5に示す。
シリンダライナ1の外周表面2の形状によって若干異なるが、外周表面2に0.1〜1μm程度の厚さにブラスト材が付着し、一定時間、即ち約3分以上ショットブラスト処理を施しても付着量の増加はなく、シリンダライナ1の外周表面2に比較的均一な厚みのZnを主とする被膜層6が容易に確保することが確認された。
このZnを主とする被膜層6が形成されたシリンダライナ1を鋳型にセットして、アルミニウム合金溶湯で鋳包むことによってシリンダライナ1がアルミニウム合金からなるシリンダブロック本体3によって鋳包みされシリンダライナ1とシリンダブロック本体3が一体化されたシリンダブロック4を得た。
この結果、シリンダライナ1とシリンダブロック本体3と界面7には、1μm以上の連続した隙間は確認できなかった。換言するとシリンダライナ1とシリンダブロック本体3の界面7が密着状態にあることが確認できた。
また、シリンダライナ1のシリンダボア内面1aを機械加工した場合、真円度が3〜10μmの向上が得られ、加工精度の向上及びシリンダライナ1とシリンダブロック本体3の界面7の安定した密着及び結合強度が確認できた。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されることなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、ショットブラスト工程におけるブラスト材の投射角度、投射速度、ブラスト材の仕様、形状等及び処理を、シリンダライナ1の仕様により適宜変更することができる。また、上記実施の形態では、鉄系材料からなるシリンダライナ1をアルミニウム合金からなるシリンダブロック本体3で鋳包みシリンダブロック4を製造する場合について説明したが、シリンダブロックに限らず鉄系材料からなる部品をアルミニウム合金で鋳包む他の複合部材においても同様に行える。
本発明に係る複合部材の製造方法の実施の形態におけるショットブラスト工程の概要を示す図である。 図1の要部拡大図である。 ショットブラスト処理された状態を示す図である。 鋳包み工程を示す図である。 ブラスト材の投射時間とブラスト材の付着量の相関図である。
符号の説明
1 シリンダライナ(鉄系材料の部品)
2 外周表面(表面)
3 シリンダブロック本体
4 シリンダブロック
5 ブラスト材
6 被覆層
7 界面

Claims (3)

  1. 鉄系材料の部品をアルミニウム合金で鋳包む複合部材の製造方法において、
    上記鉄系材料の部品の表面にZnを主とする金属で粒状のブラスト材を投射するショットブラスト処理を施した後、アルミニウム合金で鋳包むことを特徴とする複合部材の製造方法。
  2. 上記鉄系材料の部品がシリンダライナであって、シリンダライナの外周表面にZnを主とする金属で粒状のブラスト材を投射するショットブラスト処理を施した後、アルミニウム合金からなるシリンダブロック本体で鋳包みして上記複合部材となるシリンダブロックを製造することを特徴とする請求項1に記載の複合部材の製造方法。
  3. 上記ショットブラスト処理は、上記ブラスト材が、Znを80〜100質量パーセント含む金属で粒径が0.3〜3.0mmであって、該ブラスト材を5〜35m/sの投射速度で上記鉄系材料の部品の表面に投射してショットブラストすることを特徴とする請求項1または2に記載の複合部材の製造方法。
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