JP4495325B2 - エンジンブロックの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車用や自動二輪車又は産業機械等のエンジン(内燃機関)におけるエンジンブロックの製造方法に関し、詳しくはアルミニウム合金を用いたダイカスト鋳造により成形されるエンジンブロックの製造方法に関するものであり、更に詳しくは、アルミニウム基ベース材で形成されたライナーをアルミニウム合金を用いたダイカスト鋳造により鋳ぐるんで鋳造されるアルミニウム合金製エンジンブロックの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の、アルミニウム合金を用いて鋳造された通常のエンジンブロックでは、素材の特性上耐摩耗性や耐熱性に劣るため、特にピストン摺動部(ボア部)に、鋳鉄材を用いて別形成したライナーを設置することによりその耐久性を確保する必要があった。
しかし最近になって、ライナーを使用することなくピストン摺動部(ボア部)における耐摩耗性や耐熱性が鋳鉄なみに機能強化されたアルミニウム合金製エンジンブロックが製造されたり、或いは耐摩耗性や耐熱性が鋳鉄なみに機能強化されたアルミニウム基ベース材からなるライナーをアルミニウム合金を用いたダイカスト鋳造により鋳ぐるんで鋳造することにより、軽量で高い放熱性を有しピストン摺動部における耐摩耗性や耐熱性に優れたアルミニウム合金製エンジンブロックが製造されるようになった。
【0003】
しかし乍ら、実際問題として、ライナーを全く使用せずにピストン摺動部における耐摩耗性や耐熱性に優れたアルミニウム合金製エンジンブロックを製造する場合、この種の鋳造用アルミニウム合金は元より鋳造性が悪く且つその品質管理が難しいので生産性に劣る不具合があり、また、アルミニウム合金やアルミニウム基複合材料等のアルミニウム基ベース材で形成されたライナーをエンジンブロックの鋳造時に鋳ぐるんで鋳造する場合には、ライナーの表面に生成される酸化皮膜(Al2O3)等の存在により当該ライナーを、アルミニウム合金からなるシリンダジャケット部分に密着性良く一体化させることが非常に難しく、その為に期待どおりの高い放熱性を有するアルミニウム合金製エンジンブロックが得られない問題があった。
【0004】
そこで、アルミニウム基ベース材からなるライナーの外周面に粒子をショットして外周面を特殊な粗面に形成することにより、アルミニウム合金からなるシリンダジャケット部分との密着性を図る技術が提案された(特開平10−94867号公報参照)。しかし乍ら、この提案は、鋳造技術の面で特殊な管理を必要とし、コスト高となる等の問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような現状にあって、本願発明者等は、アルミニウム基ベース材からなるライナーをアルミニウム合金からなるエンジンブロックのシリンダジャケット部分に密着性良く一体化させる方策について鋭意研究した結果、アルミニウム合金からなる母材とライナーとの間にアルミニウム基ベース材よりも低融点の金属皮膜(例えば亜鉛合金皮膜)を介在させることにより、アルミニウム基ベース材からなるライナーをアルミニウム合金からなるエンジンブロックのシリンダジャケット部分に密着性良く一体化させることが可能であること、並びにアルミニウム基ベース材からなるライナーの外周面にアルミニウム基ベース材よりも低融点の金属皮膜を形成させる方策として、ライナーをアルミニウム基ベース材より低融点の金属溶湯中に浸漬せしめた状態で当該ライナーの外周面を擦ることにより、ライナーの外周面に存在するAl2O3などからなる酸化皮膜等が除去されると同時に該酸化膜が除去されたライナー外周面に前記低融点金属からなる皮膜が形成され、その結果、当該酸化皮膜等が除去されたライナー表面と低融点金属からなる皮膜との間に大気が介入することがなくなり、ライナーの外周面に前記低融点金属からなる皮膜が強固に且つ均一に付着形成されることを見出した。
【0006】
本発明はこのような知見に基づいてなされたものであるが、ライナーの外周面に形成される低融点金属からなる皮膜の厚みが余り厚すぎると、ライナーがダイカスト鋳造時に鋳ぐるまれる際に、その低融点金属皮膜がアルミニウム合金溶湯に溶けて製品中に混合され、製品の強度を損なう元になることも、本発明者等は見出している。
【0007】
本発明の目的は、アルミニウム基ベース材からなるライナーの外周面に該ライナーよりも低融点の金属からなる皮膜を簡単且つ確実に形成せしめ、そのライナーをアルミニウム合金からなるエンジンブロックのシリンダジャケット部分に密着性良く一体化させることが可能なアルミニウム合金製エンジンブロックの製造方法を提供することにある。
【0008】
本発明のエンジンブロックの製造方法は、ライナーをアルミニウム基ベース材で形成すると共に、該ライナーの外周面に当該ライナーを形成しているアルミニウム基ベース材より低融点金属からなる皮膜を形成せしめ、該ライナーを金型キャビティの所定個所に設置してアルミニウム合金を用いたダイカスト鋳造により鋳ぐるんで鋳造するようにし、前記ライナーを所定の温度に加熱せしめ、所定の温度に保持した状態で該ライナーの外周面を前記低融点金属の溶湯が付着した擦り手段で擦ることにより当該ライナーの外周面に存在する酸化皮膜等を除去すると同時に前記低融点金属を付着させた後、当該ライナーを前記低融点金属の溶湯中に浸漬することにより、その外周面に前記低融点金属からなる皮膜を形成せしめるようにしたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明のエンジンブロックの製造方法は、ライナーをアルミニウム基ベース材で形成すると共に、該ライナーの外周面に当該ライナーを形成しているアルミニウム基ベース材より低融点金属からなる皮膜を形成せしめ、該ライナーを金型キャビティの所定個所に設置してアルミニウム合金を用いたダイカスト鋳造により鋳ぐるんで鋳造するようにし、アルミニウム基ベース材からなるスプレイフォーミングビレット又は焼結ビレットを、内面に前記低融点の金属からなる皮膜を形成せしめた純アルミニウム管内に入れて押出し成形又は引抜き成形してライナーを形成することにより、当該ライナーの外周面に前記低融点金属からなる皮膜を形成せしめるようにしたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明のエンジンブロックの製造方法は、ライナーをアルミニウム基ベース材で形成すると共に、該ライナーの外周面に当該ライナーを形成しているアルミニウム基ベース材より低融点金属からなる皮膜を形成せしめ、該ライナーを金型キャビティの所定個所に設置してアルミニウム合金を用いたダイカスト鋳造により鋳ぐるんで鋳造するようにし、金型キャビティにおけるライナー外周面成形部に前記低融点金属の粉末に粘結剤を添加してなる皮膜形成材を塗布せしめてライナーを鋳造することにより、当該ライナーの外周面に前記低融点金属からなる皮膜を形成せしめるようにしたことを特徴とする。
【0011】
ライナーを形成するアルミニウム基ベース材としては、アルミニウム合金の他にアルミニウム基複合材料、または過共晶Al‐Si合金、或いはAl‐Al3O3‐C粒子等の焼結材料などを挙げることができる。そして、前記ライナーの外周面に皮膜を形成するのに用いられるライナー(アルミニウム基ベース材)より低融点の金属としては、ダイカスト製品の耐食性や強度等に悪影響を及ぼすものでなければ何ら限定されるものではなく、具体的には亜鉛又は亜鉛合金等を挙げることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の具体的な実施例を図面に基づいて詳細に説明するが、本発明は図示した実施例に限定されるものではない。
図1は、ライナー1の外周面に低融点金属(亜鉛合金)からなる皮膜を形成せしめる工程を説明するための一実施例を示す模式図であり、図2はアルミニウム合金製エンジンブロック2の一例を示す模式断面図である。
尚、以下の説明では、「ライナーより低融点の金属」を、単に「低融点金属」と称する。
【0013】
ライナー1は、耐摩耗性や耐熱性に優れたアルミニウム合金やアルミニウム基複合材料、または過共晶Al‐Si合金、或いはAl‐Al3O3‐C粒子等の焼結材料などを用いて、ここでは具体的に説明しない方法により、所要の長さと内径を有する円筒形状に形成され、金型キャビティの所定位置に設置して、アルミニウム合金を用いたダイカスト鋳造により成形されるエンジンブロック2の鋳造時にシリンダジャケット2aの内周面に鋳ぐるまれて一体化され、シリンダジャケット2aと一緒に仕上加工される。
尚、図中2bはシリンダジャケット2aを冷却するためのウオータジャケットを示す。
【0014】
ライナー1には、当該ライナー1をアルミニウム合金からなるエンジンブロック2のシリンダジャケット2a内周面に密着性良く一体化させるために、シリンダジャケット2aの内周面と接する外周面(外側全周面や天地の端面等)に、当該ライナー1を形成しているアルミニウム基ベース材よりも低融点の金属からなる皮膜を予め付着形成せしめておく。
【0015】
ライナー1の外周面に低融点金属からなる皮膜を形成せしめる方法としては、ライナーを低融点金属の溶湯中に浸漬させる等いろいろ考えられるが、ライナー1を低融点金属の溶湯中に浸漬せしめた状態で当該ライナーの外周面を擦ることにより、当該ライナーの外周面に存在するAl2O3などからなる酸化皮膜等を除去すると同時に外周面に低融点金属からなる皮膜を形成せしめて、当該ライナー表面と低融点金属からなる皮膜との間に大気が介入しないようにすることが好ましい。具体的には、図1に示すごとく、ライナー1を取付け治具3にセットして、ライナー1よりも低融点の金属からなる溶湯(例えば亜鉛合金溶湯)4中に浸漬すると共に、該ライナー1の外周面にワイヤーブラシやステンレスウール等の適当な擦り手段5を押し付けるようにして当接触させ、その状態でもってライナー1を周方向に回転させるか或いは上記擦り手段5をライナー1の外周で遊星回転させることにより、ライナー1の外周面を擦り手段5で擦るものである。そうして、擦り手段5をライナー1の外周面から離した後、ライナー1を低融点金属の溶湯4中から引き上げると、ライナー1の外周面に低融点金属がむらなく付着して低融点金属(亜鉛合金)からなる皮膜が形成される。
【0016】
本発明の実施形態では、ライナーを100℃〜520℃程度の所定の温度に加熱せしめ、所定の温度に保持した状態でもって、該ライナーの外周面を低融点金属の溶湯が付着したワイヤーブラシやステンレスウール等の適当な擦り手段で擦ることにより当該ライナーの外周面に存在する酸化皮膜等を除去すると同時に低融点金属を付着させた後、当該ライナーを前記低融点金属の溶湯中に浸漬したり、またはアルミニウム基ベース材からなるスプレイフォーミングビレット又は焼結ビレットを、内面に低融点金属からなる皮膜を形成せしめた純アルミニウム管内に入れて押出し成形又は引抜き成形してライナーを形成し、上記薄くなった純アルミニウム管を後加工で削り落としてライナーの外周面に低融点金属からなる皮膜を形成せしめたり、或いは金型キャビティにおけるライナー外周面成形部に、低融点金属の粉末に水ガラス等の粘結剤を添加してなる皮膜形成材を塗布せしめてライナーを鋳造することにより、ライナーの外周面に低融点金属からなる皮膜を形成せしめる。
【0017】
参考例として、ライナーの外周面に低融点金属からなる皮膜を形成せしめる別の方法として、ライナー外周面に、低融点の金属で形成してなるショットビーズ又はワイヤブラストをショットブラストすることが考えられる。この場合、ライナーの外周面にショットビーズ又はワイヤブラスト(以下、ショット材と略称する。)をショットブラストする際に、当該ライナーを予め所定の温度に加熱しておくことが好ましい。すなわち、低融点金属で形成されたショット材がライナーの外周面に衝突した瞬間に溶解して薄膜化しやすいように、ライナーを予め所定の温度に加熱せしめ、その表面に低融点金属で形成されたショット材をショットブラストするものである。
【0018】
実際の加熱温度は、使用するライナーにおける融点等の物性により異なるが、ライナーにフクレが生じない程度の高温、具体的には、100℃〜450℃の範囲に設定することが好ましい。100℃以下では、低融点金属で形成されたショット材がライナーの外周面に衝突しても瞬間に溶解して薄膜化することが困難となり、450℃以上ではライナーにフクレが生じたりライナーが変形する恐れも生じる。
【0019】
また、低融点金属で形成されたショット材の大きさや、ライナーの外周面にショットブラストする際の圧力は、ライナー及び低融点金属の材質や温度等の条件によって適宜最適に選択される。
そうして、低融点金属からなるショット材をライナーの外周面にショットブラストする際には、ライナー表面の酸化をできるだけ抑制するべく、窒素ガス又は炭酸ガス又は不活性ガス雰囲気中でショットブラストすることが好ましい。
【0020】
参考例として、ライナーの外周面に低融点金属からなる皮膜を形成せしめる別の方法として、ライナーの外周面に、低融点金属で形成してなる固形状皮膜形成材を擦り付けることが考えられる。この場合も、ライナーを予め所定の温度に加熱せしめ、所定の温度に保持した状態で固形状皮膜形成材を擦り付けることが好ましい。すなわち、低融点金属で形成された固形状皮膜形成材でライナーの外周面を擦った時に固形状皮膜形成材が瞬間的に溶解して薄膜化しやすいように、ライナーを予め所定の温度に加熱せしめ、所定の温度に保持した状態でもって低融点金属で形成された固形状皮膜形成材をライナーの外周面に擦り付けるものである。具体的な温度としては、150℃〜430℃の範囲に設定することが好ましい。150℃以下でも高速且つ高圧で擦りつけることにより不可能ではないが設備コストが高くなってしまい、基本的に150℃以下では、低融点金属で形成された固形状皮膜形成材を擦り付けても適正な金属皮膜が形成できず、430℃以上ではライナーにフクレ及び変形が生じやすくなると同時に、固形状皮膜形成材が溶け出してしまい、適正な金属皮膜が形成できなくなる。この時、低融点金属で形成された固形状皮膜形成材も、室温より高い所定の温度に加熱しておいたほうが良い。
【0021】
また、エンジンブロックを成形するアルミニウム合金(母材)との密着性をより高めるために、ライナー1の作成時にその外周面に多数の線状の窪みを形成しておき、そのライナーの外周面に低融点金属からなる皮膜を形成するようにしたり、或いは図3に示すごとく、予めその外周面に低融点金属からなる皮膜が形成されたライナー1の外周面に加熱したワイヤブラシ6を押し当てることによって、当該ライナー1の外周面に無数の微細な凹凸を形成するようにすると良い。
この場合、特に前者の場合、ライナー1の外周面に形成する多数の線状の窪みを、当該ライナーを金型のキャビティ内に設置した際に溶湯の流れる方向に沿って形成することが好ましい。具体的には、多くの場合ライナー1は金型のキャビティ内にその軸方向が溶湯の流れる方向に沿うように設置されるので、多数の線状の窪みをライナー1の軸方向に沿って形成することが好ましい。また後者の場合は、ライナーの外周面に形成せしめた低融点金属からなる皮膜が容易に軟化しやすいように、ワイヤブラシ6をガスバーナー7等でもって100℃〜520℃程度に加熱しながらライナー1の外周面に押し当てた状態で、ライナー1ないしはワイヤブラシ6を互いに逆方向に回転させるようにすることが好ましい。
この様に、ライナー1の外周面に多数の線状の窪みを形成したり無数の微細な凹凸を形成せしめることにより、金型のキャビティ内に溶湯を充填した時にライナー1の外周面における空気(ガス)の逃げが良くなり、よって溶湯(アルミニウム合金母材)がライナー外周面に完全な状態、すなわち溶湯(アルミニウム合金母材)とライナー外周面との間に空気(ガス)が存在しない状態に接触し、その結果、ライナー1(の外周面)とアルミニウム合金(母材)との密着性が良くなるものと考えられる。
【0022】
而して、エンジンブロック2をダイカスト鋳造する場合には、従来の鋳鉄製ライナーを鋳込む場合と同様の鋳造条件で鋳造することが可能であり、予め外周面に低融点金属からなる皮膜を付着形成せしめたライナー1を金型キャビティの所定位置に設置して、アルミニウム合金を用いてダイカスト鋳造する。すると、シリンダジャケット2aの内周面にライナー1が鋳ぐるまれた状態に一体化されたエンジンブロック2が鋳造される。
【0023】
次に、具体例について説明する。以下の例2が本発明の実施例である。
<例1>ライナー1を、過共晶Al−Si合金(Si23wt%、Cu4wt%、Mg1.2wt%、Fe0.2wt%、残部Al)を用いて、長さが120mm、内径が86mm、外径が94mmの円筒形状に形成した。このライナー1を取付治具3にセットして、500℃に保持した亜鉛合金溶湯4中に浸漬すると共に、外周面にワイヤブラシからなる擦り手段5を当接触させた状態でライナー1を180rpmの速度で回転させて、ライナー1の外周面を10秒間擦った。然る後、上記擦り手段5をライナー1の外周面から離して、ライナー1を亜鉛合金溶湯4中から引き上げた。すると、ライナー1の外周面に厚さ約0.5mmの亜鉛合金皮膜が付着形成された。このライナー1を金型キャビティの所定位置に設置して、従来の鋳鉄製ライナーを鋳込む場合と同様の鋳造条件で、ADC12のアルミニウム合金を用いてエンジンブロック2をダイカスト鋳造した。
【0024】
図4(a)〜(c)に、ライナー1とエンジンブロック2のシリンダジャケット2a部分との密着性を観察した結果を示す。(a)はエンジンブロックのデッキ側(図2のaで示す面)の近傍部位におけるライナー1とシリンダジャケット2a部分との境界部分を示し、(b)はボア中央部位におけるライナー1とシリンダジャケット2a部分との境界部分を示し、そして、(c)はエンジンブロックのジャーナル側(図2のbで示す面)の近傍部位におけるライナー1とシリンダジャケット2a部分との境界部分を示す。
これらの観察結果から、デッキ側の近傍部位から遠くなるにしたがってエンジンブロックのシリンダジャケット2a部分を形成しているアルミニウム合金とアルミニウム基ベース材からなるライナー1との境界が分からなくなるだけでなく、ライナー1の外周面に形成された亜鉛合金皮膜の痕跡も見当たらない。これは、エンジンブロックを形成しているアルミニウム合金の溶湯がライナーの外周面に接触することにより、ライナーの外周面に付着形成された亜鉛合金皮膜がアルミニウムと合金化したためと考えられる。
【0025】
<例2>例1と同様のライナーを用い、電気炉で約500℃に予熱したライナーの外周面に亜鉛合金溶湯を付着させたワイヤブラシを加熱しながら押し当て、その状態でライナーとワイヤブラシを互いに逆方向に30秒間回転させた。然る後に、このライナーを亜鉛合金溶湯中に30秒間浸漬して引き上げた。その結果、上記ライナーの外周面に厚さ約150〜200μmの亜鉛合金皮膜が形成された。図5に、亜鉛合金皮膜が形成された上記ライナー表面における金属組織断面のミクロ写真を示す。
【0026】
<例3>アルミニウム合金(ADC12)を用いてダイカスト鋳造したテストピースをライナーとみなし、低融点金属として亜鉛合金(Zn99wt%、Pb,Fe,Cu1wt%)を用いて粒径が約0.6mm〜0.8mmに揃ったものをショット材として使用し、上記ライナーを約430℃に加熱し、その状態で上記ライナーの外周面に上記ショット材をショットブラストした。その結果、環境を汚す粉塵の発生もなく、上記ライナーの外周面が凸凹に粗されると共に、外周面に厚さ約100〜150μmの亜鉛合金皮膜が形成された。これは、ショットブラストを行なう際にライナー(テストピース)を予熱したため、ショット材が粉塵になる前に瞬時に溶けて皮膜を形成するようになり、且つ予熱されたライナーの表面が軟化してショット材の衝突により容易に凸凹が形成されたものと考えられる。図6に、上記ライナーの外周面に形成された亜鉛合金皮膜表面の写真を示す。
【0027】
<例4>例3と同様に、アルミニウム合金(ADC12)を用いてダイカスト鋳造したものをライナーとみなし、亜鉛合金(ZD2)を用いて略棒形状に形成した固形状皮膜形成材を使用した。上記ライナーを約380℃に加熱し、その状態で上記固形状皮膜形成材を上記ライナーの外周面に擦り付けた。その結果、上記ライナーの外周面に厚さ約150〜200μmの亜鉛合金皮膜が形成された。図7に、亜鉛合金皮膜が形成された上記ライナー表面における金属組織断面のミクロ写真を示す。
【0028】
図7の金属組織を観ると、ライナーとその表面に形成された亜鉛合金皮膜との境界が分からなくなっていることが観察される。これは、亜鉛合金皮膜の形成時にライナーの表面に存在していた酸化皮膜(Al2O3)等が破壊されて、ライナーと亜鉛合金皮膜とが合金化したためと考えられる。
【0029】
<例5>例1と同様の方法により作成したライナーの外周面に、深さ1mm、幅1mmの線状窪みをライナーの長手方向に沿ってピッチ3mmで形成し、その後、例1と同様の方法により該ライナーの外周面に厚さ約0.5mmの亜鉛合金皮膜を付着形成せしめた。このライナーを金型キャビティの所定位置に設置して、従来の鋳鉄製ライナーを鋳込む場合と同様の鋳造条件で、ADC12のアルミニウム合金を用いてエンジンブロックをダイカスト鋳造した。ダイカスト鋳造したエンジンブロックとライナーとの境界部分における金属組織断面のミクロ写真を、図8に示す。この写真から、エンジンブロックとライナーとが密着性良く一体化されていることが分かる。
【0030】
<例6>例1と同様の方法により、ライナーの外周面に厚さ約0.5mmの亜鉛合金皮膜を形成せしめ、このライナーを約500℃に予熱した後、ライナー外周面にワイヤブラシをガスバーナーで約400℃に加熱しながら押し当て、その状態でライナーとワイヤブラシを互いに逆方向にユックリと回転させた。その結果、上記ライナーの外周面に表面粗さRa=13μm、Rz=60μm、Rmax=117μmの凹凸が形成された。図9に、表面粗さを測定したグラフを示す。
【0031】
【発明の効果】
本発明に係るエンジンブロックの製造方法によれば、ライナーをアルミニウム基ベース材で形成すると共に、該ライナーの外周面に当該ライナーを形成しているアルミニウム基ベース材より低融点の金属からなる皮膜を形成せしめ、該ライナーを金型キャビティの所定個所に設置してアルミニウム合金を用いたダイカスト鋳造により鋳ぐるんで鋳造するようにしたので、アルミニウム合金からなるエンジンブロックにアルミニウム基ベース材からなるライナーが鋳ぐるまれる際に、エンジンブロックを形成するアルミニウム合金の溶湯がライナーの外周面に接触するとライナーの外周面に付着形成された低融点金属皮膜がアルミニウムと合金化して、その上からアルミニウム合金の溶湯がライナーの外周面を覆うことになる。従って、アルミニウム基ベース材からなるライナーの外周面とアルミニウム合金からなるエンジンブロックとの間に酸化皮膜等が存在しなくなり、その結果、アルミニウム合金製エンジンブロックにアルミニウム基ベース材からなるライナーを密着性良く一体化させることが可能となる。
【0032】
しかも、ライナーの外周面に低融点金属からなる皮膜を形成せしめるのに、ライナーを低融点金属の溶湯中に浸漬せしめた状態で当該ライナーの外周面を擦るだけであるので、比較的簡便且つ安価な方法で低融点金属皮膜をライナーの外周面に薄く且つ均一に形成することが可能となる。
【0033】
また、本発明のエンジンブロックの製造方法によれば、ライナーの一部が低融点金属の溶湯中に溶け出す割合が少なくなり、その結果、低融点金属溶湯の成分を長期にわたって一定に保持することが容易となる。
【0034】
低融点金属皮膜が形成される際に、ライナーの外周面と低融点金属皮膜が合金化して一体化される。従って、ライナーの外周面に形成された低融点金属皮膜を仲立ちとしてアルミニウム合金を母材としたエンジンブロックと接合する場合に、互いに密着性良く一体化させることが可能となる。ライナーの外周面に低融点金属皮膜を形成する際に、低融点金属皮膜の元になる材料(ショット材や固形状皮膜形成材)を溶解する必要がない(溶解する工程がない)ので、安全で且つ環境にやさしく省エネルギーになると共に、工程が少なく設備が簡素で済み、連続作業が可能となる。ライナーの外周面に低融点金属皮膜を形成する際に、ライナーにフクレや変形等の悪影響を及ぼす惧れが全くない。万一、ライナーの皮膜形成面に鋳巣等の欠陥があった場合でも、低融点金属皮膜により改良することが可能となる。
【0035】
金型のキャビティ内に溶湯を充填した時にライナー外周面における空気(ガス)の逃げが良くなって、溶湯(アルミニウム合金母材)がライナー外周面に完全な状態、すなわち溶湯(アルミニウム合金母材)とライナー外周面との間に空気(ガス)が存在しない状態に接触し、その結果、ライナーの外周面とアルミニウム合金(母材)とが密着性良く一体化させることが出来る。
【0036】
ライナーの外周面に無数の微細な凹凸を簡単に且つ比較的粗く形成することができる。従って、上記請求項13の場合と同様の理由により、アルミニウム合金製エンジンブロックにアルミニウム基ベース材からなるライナーを一層のこと密着性良く一体化させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ライナーの外周面に低融点金属皮膜を形成する工程を説明するための模式図。
【図2】 エンジンブロックの一例を示す断面図。
【図3】 本発明の参考例を示す模式図。
【図4】 ダイカスト鋳造したエンジンブロックとライナーとの境界部分における金属組織断面のミクロ写真を示し、(a)はエンジンブロックのデッキ側の近傍部位、(b)はボア中央部位、(c)はエンジンブロックのジャーナル側の近傍部位である。
【図5】 本発明に係る方法(例2)によりライナーの外周面に形成された低融点金属皮膜(亜鉛合金皮膜)の表面を示す写真。
【図6】 ライナーの外周面に形成された低融点金属皮膜(亜鉛合金皮膜)の表面を示す写真。
【図7】 ライナーの外周面に形成された低融点金属皮膜(亜鉛合金皮膜)の金属組織断面を示すミクロ写真。
【図8】 ダイカスト鋳造したエンジンブロックとライナーとの境界部分における金属組織断面のミクロ写真を示す。
【図9】 ライナーの外周面に形成された微細な凹凸の表面粗さを測定したグラフ。
Claims (6)
- ライナーをアルミニウム基ベース材で形成すると共に、該ライナーの外周面に当該ライナーを形成しているアルミニウム基ベース材より低融点金属からなる皮膜を形成せしめ、該ライナーを金型キャビティの所定個所に設置してアルミニウム合金を用いたダイカスト鋳造により鋳ぐるんで鋳造するようにし、
前記ライナーを所定の温度に加熱せしめ、所定の温度に保持した状態で該ライナーの外周面を前記低融点金属の溶湯が付着した擦り手段で擦ることにより当該ライナーの外周面に存在する酸化皮膜等を除去すると同時に前記低融点金属を付着させた後、当該ライナーを前記低融点金属の溶湯中に浸漬することにより、その外周面に前記低融点金属からなる皮膜を形成せしめるようにしたことを特徴とするエンジンブロックの製造方法。 - 前記ライナーを予め100℃〜520℃の温度に加熱せしめるようにした請求項1記載のエンジンブロックの製造方法。
- ライナーをアルミニウム基ベース材で形成すると共に、該ライナーの外周面に当該ライナーを形成しているアルミニウム基ベース材より低融点金属からなる皮膜を形成せしめ、該ライナーを金型キャビティの所定個所に設置してアルミニウム合金を用いたダイカスト鋳造により鋳ぐるんで鋳造するようにし、
アルミニウム基ベース材からなるスプレイフォーミングビレット又は焼結ビレットを、内面に前記低融点金属からなる皮膜を形成せしめた純アルミニウム管内に入れて押出し成形又は引抜き成形してライナーを形成することにより、当該ライナーの外周面に前記低融点金属からなる皮膜を形成せしめるようにしたことを特徴とするエンジンブロックの製造方法。 - ライナーをアルミニウム基ベース材で形成すると共に、該ライナーの外周面に当該ライナーを形成しているアルミニウム基ベース材より低融点金属からなる皮膜を形成せしめ、該ライナーを金型キャビティの所定個所に設置してアルミニウム合金を用いたダイカスト鋳造により鋳ぐるんで鋳造するようにし、
金型キャビティにおけるライナー外周面成形部に前記低融点金属の粉末に粘結剤を添加してなる皮膜形成材を塗布せしめてライナーを鋳造することにより、当該ライナーの外周面に前記低融点金属からなる皮膜を形成せしめるようにしたことを特徴とするエンジンブロックの製造方法。 - 前記ライナーを形成しているアルミニウム基ベース材が、アルミニウム合金またはアルミニウム基複合材料または過共晶Al‐Si合金またはAl‐Al3O3‐C粒子の焼結材料である請求項1記載のエンジンブロックの製造方法。
- 前記低融点金属が、亜鉛又は亜鉛合金である請求項1記載のエンジンブロックの製造方法。
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