JP2006043687A - メタン発酵装置 - Google Patents
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Abstract
メタン発酵において、有機性廃棄物を受入し原料の加温、酸生成は好気性発酵となり、悪臭発生源となるためその防止を行う。またメタン発酵、脱硫、及びガス貯溜の各機能を一体化してローコスト化をはかる。
【解決手段】
同一軸心上に三重円筒を配置したメタン発酵装置であって、三重円筒の中心より、原料加温部、酸生成部、メタン発酵部とし、脱硫機能及びガス貯溜機能を一体化した構成とし、上部に脱硫部を設けて、原料加温部及び酸生成部にて生成される好気性バイオガスの悪臭成分と、メタン発酵部にて生成される嫌気性バイオガスに含まれる硫化水素(H2S)を除去し、また残留分についても、メタン発酵装置の系外に排出しないものとして悪臭発生を防止するメタン発酵装置を提供する。
【選択図】 図3
Description
請求項1に係るメタン発酵装置は、同心軸上の三重円筒において、中心部より第1の円筒体を有機性廃棄物である原料の原料加温部とし、第1の円筒体と第2の円筒体との間で形成される円環部を酸生成部、第2の円筒体と第3の円筒体との間で形成される円環部をメタン発酵部とし、原料は原料加温部の下部より供給して酸生成及びメタン発酵に適する温度(38〜55℃)に加温する手段と、原料加温部下部より空気を供給してエアリフトを形成することにより原料加温部内のスラッジ滞積を防止する手段と、加温され上昇した原料が原料加温部を溢流して酸生成部に流入する手段と、酸生成部にて発酵期間n日の(0.2〜0.3)×n日滞留させた原料を酸生成部底部よりメタン発酵部へ流出させる手段と、酸生成部の底部は円錐状の傾斜面を利用して原料中スラッジ滞積を防止する手段と、原料の酸生成部よりメタン発酵部への流入部にメタン発酵を促進するためメタン菌保持体を配置し、原料がメタン発酵部を上昇する過程において嫌気発酵しメタンガスを発生させる手段と、発生したメタンガス、原料加温部に供給した空気及び酸生成部で発生したバイオガスを酸生成部及びメタン発酵部の上部に位置する脱硫部へ導入し硫化水素(H2S)除去を行う手段とを有し、脱硫部から流出したメタンを含むバイオガスを脱硫部の上部にあるガス貯溜部に貯溜するためフロートタンクを設置し、フロートタンクはフロートタンクカバー内に収納し、フロートタンク頂部にはフロートタンクガイド部を付したガス貯溜手段を具備して、バイオガス中に含まれる悪臭成分をメタン発酵装置の系外へ排出させることなく、受入加温、酸生成、メタン発酵、脱硫、ガス貯溜の機能を一体化したことを特徴とする。
図1は前述の通り、メタン発酵装置の従来例である。
本発明のメタン発酵装置は同一軸心にある円筒体3組において、中心部の第1の円筒体11は、温水ジャケット11aを有していて、受入する原料は原料供給部12より原料加温部10に供給し、酸生成及びメタン発酵に適する温度(中温発酵においては38℃、高温発酵においては55℃が好適である)に加温する。加温された原料は、原料加温部10の上部より第1の円筒体11を溢流して第1の円筒体11と第2の円筒体21により形成される円環状の酸生成部20に流入する。
脱硫液の循環方法は以下の通りである。まず、メタン発酵部30の上部よりメタン発酵後の残渣液である消化液を抽出して、消化液補給弁44を経て脱硫液培養タンク45に供給する。脱硫液培養タンク45内に移動した消化液は、採光窓45aからの採光により硫黄酸化菌及び光合成菌の培養が促進され、脱硫液となる。さらに、脱硫液は脱硫液循環ポンプ46により脱硫液散布部42に供給されて脱硫気液接触部41に散布され、ここでバイオガスと気液接触することによりバイオガスを脱硫する。バイオガス脱硫後の脱硫液は脱硫部50下部に降下し、脱硫液排出管43を通って脱硫液培養タンク45へ再び戻る。脱硫液はメタン発酵部30より消化液補給弁44を経て補給され、脱硫液培養タンク45の規定液面上昇分は脱硫液U字型排出管47により排液される。
脱硫気液接触部41で気液接触して生物脱硫したメタンガスは、フロートタンク51内のガス貯溜部50に貯溜される。
図7は本発明の第2実施形態に係るメタン発酵装置の概略縦断面図であり、図8(a)は図7に示すメタン発酵装置に軸流攪拌機を使用した場合のA−A’断面図、図8(b)は同メタン発酵装置に循環ポンプを使用した場合のA−A’断面図である。
図7に示す円筒体3組において、中心部の第1の円筒体11は原料加温部10を形成し、原料加温部10の下部に位置する原料供給部12より原料供給されて温水ジャケット11aにより加温されて原料加温部10の上部より溢流し、第2の円筒体21である酸生成部20に供給される。
酸生成部20に供給された原料は酸生成部20を降下する。酸生成部20の底部は傾斜面を形成しているため、酸生成部内の原料はそのまま第3の円筒体31が形成するメタン発酵部30の底部に流下する。メタン発酵部30の底部はV字形の円環状ダクト31aを形成しており、そのダクト内には図8(a)で示す軸流プロペラ型の攪拌機32が設置されており、該攪拌機32によりメタン発酵部30内の発酵液は円環状の流れを形成する。
以上の攪拌機32、または循環ポンプ32aにより形成される円環状ダクト31a内の循環流により、原料中の固形分やスラッジは滞溜することはないが、円環状ダクト31aの一部にスラッジピット34を設置してあり、スラッジはスラッジピット34内に沈降して滞溜する。滞溜したスラッジはスラッジ排出ポンプ35により定期的に排出し、発酵槽内における固形分残渣の滞積を防止し、また原料は発酵槽への供給前に固液分離することなく、固形分残渣は発酵槽にてガス生成に有効利用する。
本発明では、有機性廃棄物を加温し酸生成する場合、悪臭発生源となるため、原料加温部、酸生成部をメタン発酵装置内に収納し、さらに脱硫部、ガス貯溜部を当該装置内に収納及び一体化することにより、設置スペースの縮小化、外気との接触面積の縮小による機器放熱量の低減及びローコスト化を図ることができる。また原料加温部及び酸生成部をメタン発酵部内へ収納することによる悪臭発生の防止は、環境改善に効果的である。
11 第1の円筒体
11a 温水ジャケット
12 原料供給部
13 空気供給部
20 酸生成部
21 第2の円筒体
21a 温水ジャケット
22 酸生成部流出口
23 円錐状傾斜部
30 メタン発酵部
30a メタン菌保持体
31 第3の円筒体
31a 円環状ダクト
32 攪拌機
32a 循環ポンプ
32b 循環吐出口
33 消化液U字型排出管
34 スラッジピット
35 スラッジ排出ポンプ
40 脱硫部
40a ガス流入口
40b ガス流入口
41 脱硫気液接触部
42 脱硫液散布部
43 脱硫液排出管
44 消化液補給弁
45 脱硫液培養タンク
45a 採光窓
46 脱硫液循環ポンプ
47 脱硫液U字型排出管
50 ガス貯溜部
51 フロートタンク
52 フロートタンクカバー
52a フロートタンクガイド
52b シール部
Claims (4)
- 同心軸上の三重円筒において、中心部より第1の円筒体を有機性廃棄物である原料の原料加温部とし、第1の円筒体と第2の円筒体との間で形成される円環部を酸生成部、第2の円筒体と第3の円筒体との間で形成される円環部をメタン発酵部とし、
原料は原料加温部の下部より供給して酸生成及びメタン発酵に適する温度(38〜55℃)に加温する手段と、原料加温部下部より空気を供給してエアリフトを形成することにより原料加温部内のスラッジ滞積を防止する手段と、加温され上昇した原料が原料加温部を溢流して酸生成部に流入する手段と、酸生成部にて発酵期間n日の(0.2〜0.3)×n日滞留させた原料を酸生成部底部よりメタン発酵部へ流出させる手段と、酸生成部底部は円錐状の傾斜面を利用して原料中スラッジ滞積を防止する手段と、酸生成部よりメタン発酵部への流入部にメタン発酵を促進するためメタン菌保持体を配置し、原料がメタン発酵部を上昇する過程において嫌気発酵しメタンガスを発生させる手段と、発生したメタンガス、原料加温部に供給した空気及び酸生成部で発生したバイオガスを酸生成部及びメタン発酵部の上部に位置する脱硫部へ導入し硫化水素(H2S)除去(以下、脱硫という)を行う手段とを有し、
脱硫部から流出したメタンを含むバイオガスを脱硫部の上部にあるガス貯溜部に貯溜するためフロートタンクを設置し、フロートタンクはフロートタンクカバー内に収納し、フロートタンク頂部にはフロートタンクガイド部を付したガス貯溜手段を具備して、バイオガス中に含まれる悪臭成分をメタン発酵装置の系外へ排出させることなく、受入加温、酸生成、メタン発酵、脱硫、ガス貯溜の機能を一体化したことを特徴とするメタン発酵装置。 - 前記脱硫の手段として、原料加温部よりメタン発酵ガス量の15%(vol)以下の空気を供給し、その空気を原料加温部及び酸生成部より発生する悪臭を有するバイオガスと、メタン発酵部で生成したメタンガスとを脱硫部のガス流入口で直交流させることにより両者の混合性の向上を図り、脱硫部において硫化水素(H2S)及びバイオガス中の悪臭成分を除去することを特徴とする請求項1記載のメタン発酵装置。
- 前記脱硫の手段として、メタン発酵部の上部よりメタン発酵後の残渣液である消化液を抽出し、該消化液を脱硫液培養タンクに貯溜し、該タンク上部の採光窓より採光して消化液中の硫黄酸化菌及び光合成菌の培養を促進させて脱硫液とし、該脱硫液は脱硫液循環ポンプにより脱硫部へ散布され、該脱硫部にてバイオガスと気液接触することによりバイオガスを脱硫し、バイオガス脱硫後の脱硫液を脱硫液排出管43に通し脱硫液培養タンク45へ再び戻すことにより脱硫液を循環させることを特徴とする請求項1記載のメタン発酵装置。
- 前記メタン発酵部の底部にメタン発酵槽と同心軸上に円環状ダクトを設け、円環状ダクト内に発酵液の循環流を軸流攪拌機または発酵槽外の循環用ポンプにより形成する手段と、
円環状ダクトの一部にピット部を設け発酵液中の固形分残渣を沈降滞溜させて、その固形分残渣を間欠的に自動排出させる手段によりメタン発酵槽内に固形分残渣の滞積を防止することにより、バイオ原料として生ゴミなどの有機性固形分をメタン発酵に有効利用し、メタン発酵槽内の底部に滞溜する固形分残渣を自動排出することを特徴とする請求項1ないし3いずれか一に記載のメタン発酵装置。
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KR101188310B1 (ko) * | 2010-06-28 | 2012-10-09 | 주식회사 립코 | 협잡물이 다량 함유된 고농도 유기 폐수 처리 장치 |
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