JPH11226599A - 汚泥処理装置による汚泥の処理システム - Google Patents

汚泥処理装置による汚泥の処理システム

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JPH11226599A
JPH11226599A JP10054535A JP5453598A JPH11226599A JP H11226599 A JPH11226599 A JP H11226599A JP 10054535 A JP10054535 A JP 10054535A JP 5453598 A JP5453598 A JP 5453598A JP H11226599 A JPH11226599 A JP H11226599A
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JP
Japan
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sludge treatment
sludge
septic tank
bacteria
air
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JP10054535A
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English (en)
Inventor
Kenro Motoda
謙郎 元田
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Motoda Electronics Co Ltd
Original Assignee
Motoda Electronics Co Ltd
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W10/00Technologies for wastewater treatment
    • Y02W10/10Biological treatment of water, waste water, or sewage

Abstract

(57)【要約】 【課題】 汚泥の浄化効率の向上を図ると共に、一連の
処理を連続かつ迅速に行なうことのできる細菌の作用に
より発酵させ、また地域の住民に対して、臭気による悪
影響を与えることなく汚泥処理を行なうことが可能な浄
化槽の汚泥処理システムを提供する。 【解決手段】 天井壁に複数の挿入孔を形成してなる汚
泥を溜めておく密閉可能な浄化槽と、浄化槽の各挿入孔
に装着された複数の汚泥処理装置であって、汚泥中の異
物の浸入を防止する網目状の外ケースと、汚泥の発酵処
理をする細菌が収納された菌体槽と、細菌の発酵に必要
な空気を吹き込むための空気導入機構と、吹き込まれた
気泡を細分化するための気泡細分化装置とを含み構成さ
れた汚泥処理装置と、浄化槽に関連して設置され、汚泥
処理装置のそれぞれに配管を介して空気を供給する制御
装置と、浄化槽の天井壁に設置され、浄化槽内の蒸気を
排出する排気塔と、を含み構成されてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、汚泥(本明細書中
において、し尿・生ゴミ・工場から排出される肉片等の
一般廃棄物及び汚泥・畜糞等の産業廃棄物を総称して
「汚泥」と呼ぶ)を菌の作用により発酵させ、浄化処理
する浄化槽の汚泥処理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より汚泥を処理することが行われて
いる。この処理は、汚泥を微生物の分解力を用いて浄化
する「浄化処理」と、海洋に投棄する「海洋投棄」とに
大別される。このうち浄化処理としては、自然中の微生
物を利用する処理と、意図的に加えた微生物を利用する
処理が提案されている。自然中の微生物を利用する処理
としては、汚泥を地中に埋めて微生物による自然発酵・
分解にて浄化するものが挙げられる。
【0003】意図的に加えた微生物を利用する処理とし
ては、第一に、好熱菌を利用した方法が提案されてい
る。「好熱菌」は通常の常温性微生物が増殖する温度範
囲よりも高い温度で増殖するものであり、単に有機物を
分解するだけでなく、汚泥中の病原菌や有害な寄生虫卵
を高温に曝すことによって不活化することができるもの
である。具体的な処理過程としては、汚泥中に生息する
様々な微生物のうち比較的低温で増殖するバクテリア、
真菌及び放線菌等の細菌によって発酵が開始され、これ
らは堆肥化過程進行に伴い急激に増殖し、これと同時に
有機物の分解熱によって温度が30〜60℃まで上昇す
る。このとき温度に弱い酵母、カビ及び硝酸菌等は死滅
する。温度が上昇すると意図的に加えた好熱菌が増殖し
はじめ、さらに発酵熱が高まり、病原細菌、病虫卵、有
害昆虫卵、ウイルス、雑草種子等の大部分が不活化さ
れ、人畜無害なものになる。
【0004】第二に、上記微生物として光栄養細菌を利
用した方法も提案されている。具体的には、細菌として
光栄養細菌を担体に固定させたものを対象物に添加した
り(例えば、特開平5−111694号公報参照)、当
該細菌を担体に固定させたものをパイプ状の処理管装置
の内部に混入させて、対象物を処理する装置(例えば、
特開平8−224592号公報参照)等が挙げられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記汚泥処理
のうち、自然中の微生物を利用する処理にあっては浄化
されるまでに長期間を要し、発酵臭も強い。また現代の
都市型住宅では土に乏しいという実情もあり、さらに生
ごみ以外のし尿や畜糞の浄化処理効率についても未だ十
分でない。一方、意図的に発生させた微生物を利用する
処理にあっては、上述したようにその基本的な原理は確
立されているものの、該処理を効率良く連続的かつ迅速
に行なうための方法は未だ提案されておらず、実用化に
は至っていない。また、海洋投棄による処理において
は、該海洋投棄が近々全面禁止になることが決定してお
り、該処理に代わる処理方法の確立が強く要望されてい
る。特に近年、水の循環サイクルが長い湖沼、内湾、内
海等の閉鎖性水域や都市の中小河川の水域汚染が問題と
なっており、これを効率よく改善することも切に要望さ
れてきているのが現状である。
【0006】本発明はこのような実状に鑑みてなされ、
汚泥の浄化効率の向上を図ると共に、一連の処理を連続
かつ迅速に行なうことのできる細菌の作用により発酵さ
せ、また地域の住民に対して、臭気による悪影響を与え
ることなく汚泥処理を行なうことが可能な汚泥処理装置
による汚泥の処理システムを提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1に記載の本発明は、天井壁に複数の挿入孔を
形成してなる汚泥を溜めておく密閉可能な浄化槽と、浄
化槽の各挿入孔に装着された複数の汚泥処理装置であっ
て、それぞれ、汚泥中の異物の浸入を防止する網目状の
外ケースと、外ケースの内部に配置され汚泥の発酵処理
をする細菌が収納された菌体槽と、菌体槽の下方から細
菌の発酵に必要な空気を吹き込むための空気導入機構
と、空気導入機構から吹き込まれた気泡を細分化するた
めの気泡細分化装置とを含み構成された汚泥処理装置
と、浄化槽に関連して設置され、汚泥処理装置のそれぞ
れに配管を介して空気を供給する制御装置と、そして、
浄化槽の天井壁に設置され、浄化槽内の蒸気を排出する
排気塔と、を含み構成されてなる。
【0008】上記目的を達成するために請求項2に記載
の本発明は、請求項1に記載の汚泥処理装置による汚泥
の処理システムにおいて、細菌が光栄養細菌であり、従
って、汚泥処理装置は、光栄養細菌の発酵に必要な光を
菌体槽と気泡細分化装置との間に形成される雲状の気泡
付近に照射する光導入機構をさらに備えていることを特
徴とする。
【0009】上記目的を達成するために請求項3に記載
の本発明は、請求項2に記載の汚泥処理装置による汚泥
の処理システムにおいて、光導入機構は、制御装置内に
設置された照明器具と、この照明器具の光を汚泥処理装
置内の所定位置まで導く配管を通して配線された多数の
光ファイバとを含んで構成されてなることを特徴とす
る。
【0010】上記目的を達成するために請求項4に記載
の本発明は、請求項2に記載の汚泥処理装置による汚泥
の処理システムにおいて、光導入機構は、制御装置から
配管を通して配線された電線と、この電線の端部に設置
された照明器具とを含んで構成されてなることを特徴と
する。
【0011】上記目的を達成するために請求項5に記載
の本発明は、請求項1−4のいずれか1項に記載の汚泥
処理装置による汚泥の処理システムにおいて、排気塔
は、先に浄化槽から回収した蒸気を凝縮して得た水を溜
める貯水領域を備えており、浄化槽からの蒸気は凝縮水
の中を通して消臭した後外部に排出することを特徴とす
る。
【0012】上記目的を達成するために請求項6に記載
の本発明は、請求項5に記載の汚泥処理装置による汚泥
の処理システムにおいて、排気塔の貯水領域から溢れ出
た凝縮水を汚染の激しい河川、湖沼に搬送して廃棄し洗
浄することを特徴とする。
【0013】上記目的を達成するために請求項7に記載
の本発明は、複数の挿入孔を形成してなる基台にフロー
トを取り付け、挿入孔の各々に汚泥処理装置を挿入して
汚染の激しい河川、湖沼の水面上に設置し、汚泥処理装
置のそれぞれに配管を介して空気を供給する制御装置に
より空気を吹き込むことによって汚染の激しい河川、湖
沼を浄化することを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る汚泥処理装置
による汚泥の処理システムの好ましい一実施形態につい
て、図面に基づいて説明する。図1は本発明に係る汚泥
処理装置による汚泥の処理システムの一実施形態の全体
図、図2(a)は図1の汚泥処理システムを実施する汚
泥処理装置の一実施形態を示す断面図、図2(b)は図
2(a)における気泡細分化装置の部分拡大斜視図、図
3は図2の汚泥処理装置の一実施形態を示す斜視図、図
4は図本発明に係る汚泥処理装置による汚泥の処理シス
テムによる汚泥処理のフローチャート、図5は河川、湖
沼の浄化処理を説明するための一実施例の説明図であ
る。
【0015】初めに、本発明に係る汚泥処理装置による
汚泥の処理システムの構成について説明する。まず、汚
泥を投入して溜めておくための浄化槽10は投入された
汚泥が漏れて地中にしみ込んで地下水を汚染することの
ないよう鉄筋コンクリートやFRP等により製造し堅牢
である必要がある。また、通常は地中に埋設されるが、
ビルの地下や地上等に設置してもよい。
【0016】該浄化槽10の天井壁には、汚泥処理装置
11を複数配置することができるように挿入孔41が設
けられている。この挿入孔41は汚泥処理装置11が配
置されたときは浄化槽10内の臭気が外部に漏れ出さな
いよう密閉状態となる。なお、挿入孔41の数は、処理
しようとする汚泥の量を勘案した浄化槽10の大きさに
より決定することが好ましい。
【0017】また、該浄化槽10の天井部には、複数の
汚泥処理装置11の内部に空気を送るための制御装置1
5が配置される。該制御装置15は、細菌による汚泥の
発酵処理を促進するための空気の量を図示しないコンプ
レッサで調整しながら供給するものである。該制御装置
15から複数の前記汚泥処理装置11のそれぞれに配管
17が設けられ、この配管17を介して空気が供給され
る。
【0018】さらに、該浄化槽10の天井部には、該浄
化槽内10で発生した蒸気を外部に排気するための排気
塔18が配置される。浄化槽10内で発生した蒸気は、
排気塔内18を通り、一度排気塔内に溜められている図
示しない貯水領域の中に吹き込まれ、脱臭された後に外
部へ排出されるようになっている。貯水領域にある水は
発酵処理時に発生する蒸気を凝縮して得られるものであ
るから発酵がすすむとどんどん溜まるので順次凝集水排
水管18aにより排水する必要がある。
【0019】該浄化槽10の天井部には、汚泥が発酵処
理された後の沈殿物を吸引ホース等で排出するための排
出孔14が設けられている。そして、浄化槽10内の沈
殿物を排出するために該排出孔14の真下が一番深くな
るように底部は斜めになっている。
【0020】該浄化槽10は密閉状態での汚泥処理を可
能とするので、本発明に係る汚泥処理システムが設置さ
れた地域の住民に対して、臭気による悪影響を与えるこ
とを防止することができる。なお、浄化槽10の天井部
には、該天井部を覆うように閉蓋を設けてもよい。挿入
孔41に汚泥処理装置11を設置後、該閉蓋を閉じるこ
とにより、より一層の密閉状態で汚泥の発酵処理を行う
ことが可能となる。
【0021】浄化槽10の上部側面には、汚水を浄化す
ることにより得られた水を排出するための浄化水排出管
19が設けられている。処理の済んだ水は、前記排気塔
18から回収した蒸気を凝縮して得た水とともに、近
年、問題となっている水の循環サイクルが長い湖沼、内
湾、内海等の閉鎖性水域や都市の中小河川の水域汚染に
対してこれを効率よく浄化するためにも有用である。
【0022】次に、本発明に係る汚泥処理システムに使
用するための汚泥処理装置11の一実施形態の構成につ
いて説明する。該汚泥処理装置11は、概略的には図2
に示すように、汚泥中に没入され、該汚泥中の異物を除
去するための網目状の外ケース13が設けられている。
該汚泥処理装置11は、本実施例においては、略方形状
をなし、その中央付近に回転駆動機構30が突設される
よう形成されており、その材質は、酸やアルカリに強い
材料、例えば、セラミックやFRP、SUS等により構
成されている。なお、該汚泥処理装置11の形状は、前
記した略方形状に限られず、略円形状、略多角形状等で
あってもよい。
【0023】前記網目状外ケース13の網材は、処理す
る汚泥の状態に応じて、適宜メッシュ径を変更すること
ができる。このように最外側に網材を有することによ
り、該汚泥中の異物と汚水とを区分けできるので、異物
の付着により生じる不都合、すなわち汚泥処理装置11
内に設けられた気泡細分化装置23の作動が停止するお
それがなくなり、汚水の連続的処理が可能となる。
【0024】汚泥処理装置11は、また、主として該汚
水の発酵を促進するための細菌が収納された菌体槽21
と、該菌体槽21の下方から細菌の発酵に必要な空気を
吹き込むための空気導入機構22と、該空気導入機構2
2から吹き込まれた空気からなる気泡を細分化するため
の気泡細分化装置23とを有している。
【0025】菌体層21は、汚水の発酵を促進するため
の細菌が収納されており、適宜、該細菌が散布されるよ
うになっている。細菌は処理が進むにつれ消費されるの
で、所定期間経過後には、適当量の細菌を補充する必要
がある。かかる細菌としては、前記した好熱菌又は光栄
養細菌の何れか単独又は混合したものが好適に使用され
る。
【0026】好熱菌としては、通常の好熱菌のみなら
ず、バイオコロニー、バイオヒート(共にバイオスペシ
ャル社製)といった特に高温性好熱菌をも使用すること
ができ、かかる高温性好熱菌と使用することにより、1
20℃前後の高温まで上昇させて発酵させ、高温での処
理が可能となるので、自然発酵に比べ処理時間を著しく
短縮することができ、しかも汚泥の浄化・安定化をより
一層高めることができるので、好ましい。
【0027】光栄養細菌としては、一般に光合成細菌
(Photosynthetic bacteria)と呼ばれている細菌、す
なわち「Bergey's Manual of Determinative Bacteriol
ogy 8th edition (1974)」で確立された分類にしたが
って光栄養細菌(Phototrophicbacteria)として開示さ
れるものを広く使用することができる。具体的にはロド
スピリラム属、ロドシュードモナス属、及びロドミクロ
ビウム属を含むロドスピリ・ラーシエ科;クロマチウム
属等を含むクロマティ・アーシエ科;クロロビウム属等
を含むクロロビ・アーシエ科の中から単独で又は2種以
上混合して用いられる。なお、光栄養細菌を用いる場
合、それ単独で用いたのでは捕食菌により捕食されてし
まうので、所定の処理効率を維持するためには逐次光栄
養細菌の補充が必要となる。そこで上記光栄養細菌をそ
の内部に固定するための担体を該光栄養細菌に対し所定
割合で添加して用いることが好ましい。担体としては、
光栄養細菌の固定率が高いといった観点より、例えば、
パーライト、バーミキュライト、珪藻土、活性炭、多孔
質セラミックス等の多孔質粒子が挙げられ、上記多孔質
粒子の他、内部に固定化光栄養細菌を含む担体を充填し
たポリビニル製のチューブや、アルギン酸ナトリウム及
び/又はアルギン酸カルシウム等の含水ゲル状担体も好
ましい担体として用いることができる。
【0028】空気導入機構22は、前記菌体槽21の下
方から細菌の発酵に必要な空気を吹き込むためのもので
あり、汚泥処理装置11の上面部から突設され、その排
出口は前記菌体槽21の下方に位置している。材質は、
特に限定されないが、PET・アクリル樹脂等により形
成することができる。
【0029】図2に示すように、空気導入機構22から
吹き込まれた空気は、気泡となって汚水中を上昇しよう
とする。何らの手段も施さなければ、当該気泡はそのま
まの大きさ、すなわち汚水との接触面積、接触時間等の
接触効率の一層の向上は望めず、ひいては汚泥の処理効
率向上を図ることはできない。そこで前記空気導入機構
22から導入された空気からなる気泡の汚水との接触効
率の向上を図るべく、気泡細分化装置23が設けられて
いる。
【0030】気泡細分化装置23は、支軸24と、該支
軸の先端付近に位置する回転板25とを備え、該回転板
25はほぼ全面に貫通孔25aを有すると共に、該貫通
孔25aの上面側に整流板26が設けられ、汚泥中に没
入させて配設し、前記汚泥処理装置の中央付近に取り付
けられた回転駆動機構30を制御部60から電力供給す
ることにより高速回転させ、前記回転板25の下面側か
ら前記貫通孔25aを通って前記回転板25の上面側に
抜ける気泡を分断させ、前記汚泥と気泡との接触面積及
び接触時間を上げるようにして構成されている。
【0031】支軸24は、後述する回転板25を支持す
る軸であり、前記回転駆動機構30に連結されている。
【0032】回転板25は、前記汚泥処理装置10の内
径より僅かに小さい程度の外形を有すると共に、回転板
25の外周にはスカート部25bが形成され、回転板2
5ほぼ全面に多数の貫通孔25aが貫設されている。か
かる回転板25は、汚水中に水没状態となり、空気導入
機構22から当該汚水中に導入される空気が気泡となっ
て上部へ上昇する。そのとき汚水と空気の接触面積を大
きくすると共に、接触時間を長くするため、貫通孔25
aの上面側に整流板26が斜めに設けられている。前記
貫通孔25aの下面側から通過して回転板25の上面側
に出る気泡は、整流板26の作用で細長く、かつ薄く引
き伸ばされて変形して破裂し、微細に分断される。この
結果、回転板25への進入時よりも、回転板25からの
排出時の方が、気泡の表面積が増大され、このことは好
気性細菌に対する酸素供給量が増大されることとなるの
で、汚水処理効率の一層の向上が図られることとなるも
のである。なお、図2では支軸24の先端部に攪拌翼2
7が設けられているが、このような構成に限定されるも
のではなく、攪拌翼27を図示しない別の軸、モータに
よってこの位置で回転させ、回転板25の下面に汚水の
上昇対流を生じさせるような構成としてもよい。
【0033】さらに、前記菌体槽21における細菌に、
光栄養細菌を使用する場合にあっては、前記構成に加え
て、該光栄養細菌の発酵に必要な光を導入するための光
導入機構28をも備えるようにする。すなわち、光導入
機構28は、前記菌体槽21の下方から光を導入するた
めのものであればよく、光源ランプ等の電気により発光
させるもののほか、PET・アクリル樹脂等の高透明性
樹脂や光ファイバ等により光を引き込んでもよい。この
場合、図2に示すように空気導入機構22と光導入機構
28とを同一の管によって共用した構成であっても構わ
ない。また、前記制御装置15内に照明器具を設置し
て、そこから光ファイバを空気導入機構22の配管を通
して汚泥処理装置内に引き込んでもよいし、前記制御装
置15から前記空気導入機構22の配管内を通して配線
された電線の端部に照明器具を取り付けて直接照明して
もよい。
【0034】一方、上述のように、汚泥を浄化槽10に
溜めて処理する場合の以外に、汚染の激しい河川、湖沼
の浄化を行なうためには以下のような構成とする。ま
ず、汚泥処理装置11を挿入するための複数の挿入孔を
形成した基台70を設ける。前記基台70には該基台7
0を河川、湖沼の水面上に浮かべるためのフロート75
を取り付ける。基台70を水面上に浮かべるのは、基台
70を河川、湖沼の底に立てた支柱に固定すると河川、
湖沼の水面の高さが水量の増減や潮汐によって変化し、
前記汚泥処理装置11が水面上に出てしまい浄化処理が
進まなくなってしまうからである。しかし、水面の上下
の変化が少ないところでは、直接河川、湖沼の底から支
持棒等を立てて、該支持棒を基台に取り付けて基台70
が流されないように固定してもよい。
【0035】次に、汚泥を浄化する手順について説明す
る。まず、浄化槽10に汚泥を投入する(ステップ
1)。そして、汚泥が投入された浄化槽10の天井壁に
ある挿入孔41から汚泥処理装置11を汚泥中に没入す
る(ステップ2)。なお、閉蓋があれば閉蓋を閉じる。
このとき網目状の外ケース13により、汚泥中の異物と
汚水が区分けされ、異物の付着により汚泥処理装置の作
動が停止することなく、汚水が連続的に発酵処理される
(ステップ3)。
【0036】次に、細菌による発酵処理を促進するため
空気導入機構22から空気を導入する。導入された当該
空気は汚水中で気泡となり、上昇しようとする。そし
て、上昇した該気泡が回転中の回転板25下部に到達し
て貫通孔25aを下面から通過すると、回転板25の上
面側に出る気泡は、整流板26の作用で細長く、かつ薄
く引き伸ばされて変形して破裂し、微細に分断され、し
たがってその表面積が増加する。この結果、気泡の汚水
に対する接触時間が増加し、菌体槽21により散布され
た細菌およびその付近の汚水とより均一に混合されて、
該汚水の浄化処理の発酵の促進が図られる(ステップ
4)。
【0037】ここで、回転板25はその周囲にスカート
部25bを備えているので、空気導入機構22から汚水
内に導入される空気は、回転板25の下面に気体溜まり
として一旦溜まり、そこから各貫通孔25aを通って回
転板25の上面側へと移動していく。また回転板25の
下方であって、支軸24の先端付近に攪拌翼27が設け
られているので、導入された空気からなる気泡は回転板
25の貫通孔25aを通過する前に、汚水中で前記攪拌
翼27の攪拌によって生じる上昇対流(図2参照)に乗
って汚水中を上昇していき、この挙動によっても汚水処
理効率が向上することとなる。
【0038】なお、前記した構成の2枚以上の回転板2
5、又は2組以上の回転板25と攪拌翼27を処理機構
内に設けることとしてもよい。これにより上記気泡と汚
水との接触効率をさらに高めることが可能となるからで
ある。また回転板25の回転数は好ましくは200〜5
00rpm程度、より好ましくは300rpm程度とす
ることが好適である。200rpm以上とすることによ
り、気泡の薄層化の効果が得られはじめ、500rpm
以下とすることにより、気泡が薄層化する前に貫通孔2
5aから剥離してしまうという不都合を回避できるから
である。
【0039】光栄養細菌を使用する場合にあっては、該
光栄養細菌の発酵に必要な光を導入するための光導入機
構28により内部に光を導入し、光栄養細菌の発酵を促
進させる。
【0040】使用する細菌は、発酵処理が進行するに伴
って消費されるので、汚泥処理装置に設けられた図示し
ない細菌投入口から菌体槽21内に適宜補充する。本実
施例ににおいては約2カ月ごとに補充することが好まし
い。また、細菌を賦形剤とともに固化したものを菌体槽
21内に収納しておき、汚泥中の水分により分解拡散さ
れることによって該細菌を補充してもよいし、定期的に
汚泥処理装置を交換して点検する際に細菌を補充するこ
ともできる。菌体は、また液体に含ませて支軸24を通
して下端から放出するように構成することもできる(ス
テップ5)。なお、浄化処理が終了した汚泥には前記細
菌が含まれているため、これを戻し材として加えること
もできる。
【0041】細菌の発酵により浄化槽10内で蒸気が発
生するため、該蒸気を排気塔内を通し、一度排気塔内に
溜められている貯水領域の中に吹き込み、脱臭した後に
外部へ排出するようになっている。貯水領域にある水は
発酵処理時に発生する蒸気を凝縮して得られるものであ
るから発酵が進むとどんどん溜まるので順次排水する。
【0042】一方、汚染の激しい河川、湖沼の浄化を行
なうためには以下のようにする。まず、汚染の激しい河
川、湖沼その他内湾等に基台70を設置し、水面上に浮
かべ、該基台70が流されないように支持部材により護
岸や桟橋等に固定するかあるいは、アンカー等で固定す
る。そして、該基台70に設けられた複数の挿入孔の各
々に汚泥処理装置11を挿入する。
【0043】そして、前記汚泥処理装置11は網目状の
外ケース13が水没するように前記基台に設けられた前
記挿入孔に挿入し固定した後、空気導入機構22から空
気を導入する。導入された当該空気は水中で気泡とな
り、すでに述べた浄化槽での処理の場合と同様に微細に
分断され該汚水の浄化処理の発酵の促進が図られる。な
お、光栄養細菌を使用する場合にあっては、該光栄養細
菌の発酵に必要な光を導入するための光導入機構28に
より内部に光を導入し、光栄養細菌の発酵を促進させ
る。
【0044】
【発明の効果】以上のように、請求項1に記載の本発明
によれば、汚泥を溜めておく密閉可能な浄化槽と、浄化
槽の各挿入孔に装着された複数の汚泥処理装置であっ
て、汚泥中の異物の浸入を防止する網目状の外ケース
と、汚泥の発酵処理をする細菌が収納された菌体槽と、
細菌の発酵に必要な空気を吹き込むための空気導入機構
と、吹き込まれた気泡を細分化するための気泡細分化装
置とを含み構成された汚泥処理装置と、空気を供給する
制御装置と、浄化槽内の蒸気を排出する排気塔と、を含
み構成されているため、汚泥処理を効率良く連続的かつ
迅速に行なうことが可能となる。
【0045】また、請求項2から4に記載の本発明によ
れば、さらに光導入機構を備えているため、密閉状態に
ある浄化槽の中であっても光栄養細菌による汚泥の発酵
処理が可能となる。
【0046】請求項5に記載の本発明によれば、排気塔
に浄化槽から回収した蒸気を凝縮して得た水を貯める貯
水領域を備え、浄化槽からの蒸気は凝縮水の中を通して
消臭した後外部に排出されるため、地域の住民に対し
て、臭気による悪影響を与えることなく汚泥処理を行な
うことが可能となる。
【0047】請求項6に記載の本発明によれば、排気塔
の貯水領域から溢れ出た凝縮水は脱臭、浄化されている
ため、汚染の激しい河川、湖沼に搬送して廃棄すればこ
れらの汚染を浄化することが可能となる。
【0048】請求項7に記載の本発明によれば、汚染の
激しい河川、湖沼を直接浄化することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明に係る細菌による汚泥処理方法
を実施する汚泥処理装置の一実施形態を示す断面図であ
り、(b)は(a)における気泡細分化装置の部分拡大
斜視図である。
【図2】図1における汚泥処理装置の一実施形態を示す
斜視図である。
【図3】図1の汚泥処理装置を使用する際の一例を示し
た斜視図である。
【図4】図1の汚泥処理装置を使用した汚泥処理のフロ
ーチャートである。
【図5】河川、湖沼の浄化処理を説明するための一実施
例の説明図である。
【符号の説明】
10 浄化槽 11 汚泥処理装置 13 外ケース 15 制御装置 16 配管 18 排気塔 21 菌体槽 22 空気導入機構 23 気泡細分化装置 28 光導入機構 30 回転駆動機構 41 挿入孔 50 処理タンク 60 制御部 70 基台 75 フロート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C02F 3/34 ZAB

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 天井壁に複数の挿入孔を形成してなる汚
    泥を溜めておく密閉可能な浄化槽と、 前記浄化槽の各挿入孔に装着された複数の汚泥処理装置
    であって、それぞれ、汚泥中の異物の浸入を防止する網
    目状の外ケースと、前記外ケースの内部に配置され汚泥
    の発酵処理をする細菌が収納された菌体槽と、前記菌体
    槽の下方から前記細菌の発酵に必要な空気を吹き込むた
    めの空気導入機構と、前記空気導入機構から吹き込まれ
    た気泡を細分化するための気泡細分化装置とを含み構成
    された汚泥処理装置と、 前記浄化槽に関連して設置され、前記汚泥処理装置のそ
    れぞれに配管を介して空気を供給する制御装置と、そし
    て、 前記浄化槽の天井壁に設置され、該浄化槽内の蒸気を排
    出する排気塔と、を含み構成されてなる汚泥処理装置に
    よる汚泥の処理システム。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の汚泥処理装置による汚
    泥の処理システムにおいて、 前記細菌が光栄養細菌であり、従って、前記汚泥処理装
    置は、光栄養細菌の発酵に必要な光を前記菌体槽と気泡
    細分化装置との間に形成される雲状の気泡付近に照射す
    る光導入機構をさらに備えていることを特徴とする汚泥
    処理装置による汚泥の処理システム。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の汚泥処理装置による汚
    泥の処理システムにおいて、 前記光導入機構は、前記制御装置内に設置された照明器
    具と、この照明器具の光を前記汚泥処理装置内の所定位
    置まで導く前記配管を通して配線された多数の光ファイ
    バとを含んで構成されてなることを特徴とする汚泥処理
    装置による汚泥の処理システム。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載の汚泥処理装置による汚
    泥の処理システムにおいて、 前記光導入機構は、前記制御装置から前記配管を通して
    配線された電線と、この電線の端部に設置された照明器
    具とを含んで構成されてなることを特徴とする汚泥処理
    装置による汚泥の処理システム。
  5. 【請求項5】 請求項1−4のいずれか1項に記載の汚
    泥処理装置による汚泥の処理システムにおいて、 前記排気塔は、先に前記浄化槽から回収した蒸気を凝縮
    して得た水を溜める貯水領域を備えており、該浄化槽か
    らの蒸気は凝縮水の中を通して消臭した後外部に排出す
    ることを特徴とする汚泥処理装置による汚泥の処理シス
    テム。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の汚泥処理装置による汚
    泥の処理システムにおいて、 前記排気塔の貯水領域から溢れ出た凝縮水を汚染の激し
    い河川、湖沼に搬送して廃棄し洗浄することを特徴とす
    る汚泥処理装置による汚泥の処理システム。
  7. 【請求項7】 複数の挿入孔を形成してなる基台にフロ
    ートを取り付け、前記挿入孔の各々に前記汚泥処理装置
    を挿入して汚染の激しい河川、湖沼の水面上に設置し、
    前記汚泥処理装置のそれぞれに配管を介して空気を供給
    する制御装置により空気を吹き込むことによって汚染の
    激しい河川、湖沼を浄化することを特徴とする汚泥処理
    装置による汚泥の処理システム。
JP10054535A 1998-02-19 1998-02-19 汚泥処理装置による汚泥の処理システム Pending JPH11226599A (ja)

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Cited By (4)

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