JP2003136089A - 硫化水素発生抑制方法 - Google Patents
硫化水素発生抑制方法Info
- Publication number
- JP2003136089A JP2003136089A JP2001339753A JP2001339753A JP2003136089A JP 2003136089 A JP2003136089 A JP 2003136089A JP 2001339753 A JP2001339753 A JP 2001339753A JP 2001339753 A JP2001339753 A JP 2001339753A JP 2003136089 A JP2003136089 A JP 2003136089A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- biogas
- hydrogen sulfide
- oxygen
- methane fermentation
- methane
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E50/00—Technologies for the production of fuel of non-fossil origin
- Y02E50/30—Fuel from waste, e.g. synthetic alcohol or diesel
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02W—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
- Y02W10/00—Technologies for wastewater treatment
- Y02W10/20—Sludge processing
Landscapes
- Purification Treatments By Anaerobic Or Anaerobic And Aerobic Bacteria Or Animals (AREA)
- Treatment Of Sludge (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 有機系廃棄物や有機性廃水のメタン発酵にお
いて発生するバイオガス中の硫化水素濃度を効率的に低
減化し、バイオガスのエネルギー利用や、バイオガス電
池利用を可能とする硫化水素発生抑制方法を提供するこ
と。 【解決手段】 メタン発酵槽内で発生するバイオガス
量、バイオガス中のメタンガス含有量、硫化水素濃度を
測定し、これらの測定値に応じて、メタン発酵槽内に空
気又は酸素を供給し硫酸還元菌の活性を速やかに低下さ
せることにより、バイオガス中の硫化水素濃度を50p
pm以下に低減する。酸素又は酸素含有気体の供給を継
続して行なうことによりバイオガス発生量やメタン含量
が低下し始めた時点で酸素又は酸素含有気体の供給を停
止する。その後、酸素又は酸素含有の供給および停止の
操作を繰り返すことにより、メタン発酵で発生するバイ
オガスの発生量を低減させず、バイオガス中の硫化水素
濃度を低減する。
いて発生するバイオガス中の硫化水素濃度を効率的に低
減化し、バイオガスのエネルギー利用や、バイオガス電
池利用を可能とする硫化水素発生抑制方法を提供するこ
と。 【解決手段】 メタン発酵槽内で発生するバイオガス
量、バイオガス中のメタンガス含有量、硫化水素濃度を
測定し、これらの測定値に応じて、メタン発酵槽内に空
気又は酸素を供給し硫酸還元菌の活性を速やかに低下さ
せることにより、バイオガス中の硫化水素濃度を50p
pm以下に低減する。酸素又は酸素含有気体の供給を継
続して行なうことによりバイオガス発生量やメタン含量
が低下し始めた時点で酸素又は酸素含有気体の供給を停
止する。その後、酸素又は酸素含有の供給および停止の
操作を繰り返すことにより、メタン発酵で発生するバイ
オガスの発生量を低減させず、バイオガス中の硫化水素
濃度を低減する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機性廃水や有機
性廃棄物をメタン発酵により減容して廃棄処理する際、
発生するバイオガス中の硫化水素の発生の抑制を図り、
バイオガスの有効利用を可能とする硫化水素発生抑制方
法に関する。
性廃棄物をメタン発酵により減容して廃棄処理する際、
発生するバイオガス中の硫化水素の発生の抑制を図り、
バイオガスの有効利用を可能とする硫化水素発生抑制方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】食品製造工程からは、有機物を含んだ廃
水が大量に排出されている。多くの場合、活性汚泥法と
いわれる好気性処理により処理された後、河川等に放流
されるが、この場合余剰汚泥として有機物換算で年間約
12,000千トン(農林水産省データに基づく推計)
も排出されている。この余剰汚泥の処理は、産廃メーカ
ーに委託したり工場内で焼却処分することにより処理さ
れているが、その費用が高くつくことから、経営を圧迫
している場合もある。そこで、余剰汚泥の処理方法とし
て、余剰汚泥発生量を約1/5に減容できるといわれる
メタン発酵が検討されているが、余剰汚泥に硫酸イオン
などの硫黄分が含まれる場合、メタン発酵により発生す
るバイオガス中に含まれる硫化水素対策で費用がかかる
ため、活性汚泥法からメタン発酵法への処理法の変換が
十分に行われていないのが、現状である。更に、メタン
発酵により生成されるバイオガスを直接大気に放散する
と硫化水素に起因する酸性雨による二次汚染が問題とな
るばかりでなく、メタンや二酸化炭素による温暖化とい
う環境破壊の問題があった。
水が大量に排出されている。多くの場合、活性汚泥法と
いわれる好気性処理により処理された後、河川等に放流
されるが、この場合余剰汚泥として有機物換算で年間約
12,000千トン(農林水産省データに基づく推計)
も排出されている。この余剰汚泥の処理は、産廃メーカ
ーに委託したり工場内で焼却処分することにより処理さ
れているが、その費用が高くつくことから、経営を圧迫
している場合もある。そこで、余剰汚泥の処理方法とし
て、余剰汚泥発生量を約1/5に減容できるといわれる
メタン発酵が検討されているが、余剰汚泥に硫酸イオン
などの硫黄分が含まれる場合、メタン発酵により発生す
るバイオガス中に含まれる硫化水素対策で費用がかかる
ため、活性汚泥法からメタン発酵法への処理法の変換が
十分に行われていないのが、現状である。更に、メタン
発酵により生成されるバイオガスを直接大気に放散する
と硫化水素に起因する酸性雨による二次汚染が問題とな
るばかりでなく、メタンや二酸化炭素による温暖化とい
う環境破壊の問題があった。
【0003】また、有機物濃度の非常に高いウィスキー
蒸留廃液や焼酎蒸留廃液、ビール製造工程から排出され
るトルーブ廃水、大豆煮汁廃水なども、一部メタン発酵
を行ないバイオガスとしてエネルギーを回収している
が、この場合においても同様に、バイオガス中に含有す
る硫化水素の効率的除去が大きな開発課題となってい
る。
蒸留廃液や焼酎蒸留廃液、ビール製造工程から排出され
るトルーブ廃水、大豆煮汁廃水なども、一部メタン発酵
を行ないバイオガスとしてエネルギーを回収している
が、この場合においても同様に、バイオガス中に含有す
る硫化水素の効率的除去が大きな開発課題となってい
る。
【0004】一方、最近では地球温暖化防止の観点か
ら、化石燃料に代わる新エネルギーの開発が進められて
いる。その一つとして、生ゴミや活性汚泥槽から排出さ
れる余剰汚泥、さらには家畜糞尿も含めた有機系廃棄物
からのメタン発酵によるサーマルリサイクルが対象とさ
れている。このようなメタン発酵により生成されるバイ
オガスのエネルギー利用として、ボイラーで蒸気や温水
とされ、あるいはガスタービンにより電気に変換されて
いるが、ボイラーやガスタービンの硫化水素による腐食
や、消防法の排気ガス規制等の問題から、バイオガスの
硫化水素濃度を10ppm以下に下げることが必要とさ
れている。また、バイオガスのエネルギー利用として、
燃料電池の水素源として利用する開発がなされている
が、この場合バイオガス中の硫化水素は完全に除去され
ねばならない。そのため脱硫した後、改質器や変成器で
メタンや一酸化炭素を水素に変換する前に前処理装置に
より再度脱硫しなければならず、燃料電池のコストだけ
でなく、脱硫コストが高く、十分な利用が図られていな
いという問題点を抱えている。
ら、化石燃料に代わる新エネルギーの開発が進められて
いる。その一つとして、生ゴミや活性汚泥槽から排出さ
れる余剰汚泥、さらには家畜糞尿も含めた有機系廃棄物
からのメタン発酵によるサーマルリサイクルが対象とさ
れている。このようなメタン発酵により生成されるバイ
オガスのエネルギー利用として、ボイラーで蒸気や温水
とされ、あるいはガスタービンにより電気に変換されて
いるが、ボイラーやガスタービンの硫化水素による腐食
や、消防法の排気ガス規制等の問題から、バイオガスの
硫化水素濃度を10ppm以下に下げることが必要とさ
れている。また、バイオガスのエネルギー利用として、
燃料電池の水素源として利用する開発がなされている
が、この場合バイオガス中の硫化水素は完全に除去され
ねばならない。そのため脱硫した後、改質器や変成器で
メタンや一酸化炭素を水素に変換する前に前処理装置に
より再度脱硫しなければならず、燃料電池のコストだけ
でなく、脱硫コストが高く、十分な利用が図られていな
いという問題点を抱えている。
【0005】このようなバイオガスは、バイオガス中に
含有される硫化水素を乾式脱硫や湿式脱硫、生物脱硫に
より脱硫した後、エネルギーとして有効利用(蒸気や電
気など)される場合があるが、有効利用することなく脱
硫した後フレアスタック等により焼却され処分されてい
るケースが多い。乾式脱硫は、成型脱硫剤として酸化鉄
(Fe2O3)を充填した乾式脱硫塔でバイオガスの脱硫を
行なうものであるが、酸化鉄が破過したときは、引き抜
いた後、新しい酸化鉄を乾式脱硫塔に充填しなければな
らず、タカハックス法などの湿式脱硫では、バイオガス
からの硫化水素を含有する処理液は空気酸化により再生
されるが、処理液中の硫黄の処理が必要となる。硫黄酸
化細菌によりバイオガスの脱硫を行なう生物脱硫は、装
置の横に活性汚泥槽が必要であり、硫化水素が硫黄酸化
細菌により酸化された硫酸イオンや硫黄を含有する処理
液の処理が必要であった。
含有される硫化水素を乾式脱硫や湿式脱硫、生物脱硫に
より脱硫した後、エネルギーとして有効利用(蒸気や電
気など)される場合があるが、有効利用することなく脱
硫した後フレアスタック等により焼却され処分されてい
るケースが多い。乾式脱硫は、成型脱硫剤として酸化鉄
(Fe2O3)を充填した乾式脱硫塔でバイオガスの脱硫を
行なうものであるが、酸化鉄が破過したときは、引き抜
いた後、新しい酸化鉄を乾式脱硫塔に充填しなければな
らず、タカハックス法などの湿式脱硫では、バイオガス
からの硫化水素を含有する処理液は空気酸化により再生
されるが、処理液中の硫黄の処理が必要となる。硫黄酸
化細菌によりバイオガスの脱硫を行なう生物脱硫は、装
置の横に活性汚泥槽が必要であり、硫化水素が硫黄酸化
細菌により酸化された硫酸イオンや硫黄を含有する処理
液の処理が必要であった。
【0006】更に、メタン発酵により発生するバイオガ
ス中に含有される二硫化水素を除去する方法として、メ
タン発酵ガスを空気と遮断した状態で気液接触装置に送
入し活性汚泥と接触させることによりメタン発酵ガス中
の二硫化水素を経済的に高効率で除去するメタン発酵ガ
スの活性汚泥による脱硫方法とその脱硫装置(特開昭6
0−87835号公報)があった。この脱硫方法は、メ
タン発酵槽で発生した二硫化水素を含むメタンガスをパ
イプ、ブロワを介して空気を遮断した接触装置の下部に
導入し、曝気装置で充分曝気した活性汚泥又は硫化水素
酸化細菌を含む混液と向流接触させ、二硫化水素を分解
除去し、脱硫されたメタンガスはパイプからガスホルダ
ーに移送し、曝気装置にはパイプで空気を導入し、接触
装置の下部から排出した混液は曝気装置に戻して循環使
用するか、またはそのまま系外に排除するものである。
また、特開昭62−279893号公報には、リアクタ
ーから取り出した処理水は、ピット、処理水循環ポン
プ、処理水循環配管を介して、気液接触槽に送入し、気
液接触槽には空気、不活性ガスを送風機から送気管を経
て送気し、処理水と充分接触して、処理水中に含有、溶
解している二酸化炭素、二硫化水素等を気液接触槽排気
管から揮発させた後、処理水は、流出管から取り出し、
リアクターに返送し、必要に応じてこのサイクルを繰り
返し、処理水を循環させ、これにより攪拌効率を高め、
エネルギー必要量の減少を図ることができるメタン発酵
における酸生成リアクターのpH調整方法が開示されて
いる。しかしながら、これらの方法においては、メタン
発酵槽において二硫化水素の発生を抑制するものではな
く、メタン発酵槽で発生した二硫化水素を含むバイオガ
スを別途の装置に導入して脱硫するものであり、メタン
発酵槽以外に二硫化水素を除去するための装置を要し、
装置が大掛かりになる上、これらの装置に使用される配
管の腐食等の改善点があった。
ス中に含有される二硫化水素を除去する方法として、メ
タン発酵ガスを空気と遮断した状態で気液接触装置に送
入し活性汚泥と接触させることによりメタン発酵ガス中
の二硫化水素を経済的に高効率で除去するメタン発酵ガ
スの活性汚泥による脱硫方法とその脱硫装置(特開昭6
0−87835号公報)があった。この脱硫方法は、メ
タン発酵槽で発生した二硫化水素を含むメタンガスをパ
イプ、ブロワを介して空気を遮断した接触装置の下部に
導入し、曝気装置で充分曝気した活性汚泥又は硫化水素
酸化細菌を含む混液と向流接触させ、二硫化水素を分解
除去し、脱硫されたメタンガスはパイプからガスホルダ
ーに移送し、曝気装置にはパイプで空気を導入し、接触
装置の下部から排出した混液は曝気装置に戻して循環使
用するか、またはそのまま系外に排除するものである。
また、特開昭62−279893号公報には、リアクタ
ーから取り出した処理水は、ピット、処理水循環ポン
プ、処理水循環配管を介して、気液接触槽に送入し、気
液接触槽には空気、不活性ガスを送風機から送気管を経
て送気し、処理水と充分接触して、処理水中に含有、溶
解している二酸化炭素、二硫化水素等を気液接触槽排気
管から揮発させた後、処理水は、流出管から取り出し、
リアクターに返送し、必要に応じてこのサイクルを繰り
返し、処理水を循環させ、これにより攪拌効率を高め、
エネルギー必要量の減少を図ることができるメタン発酵
における酸生成リアクターのpH調整方法が開示されて
いる。しかしながら、これらの方法においては、メタン
発酵槽において二硫化水素の発生を抑制するものではな
く、メタン発酵槽で発生した二硫化水素を含むバイオガ
スを別途の装置に導入して脱硫するものであり、メタン
発酵槽以外に二硫化水素を除去するための装置を要し、
装置が大掛かりになる上、これらの装置に使用される配
管の腐食等の改善点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、メタ
ン発酵で発生するバイオガス中に発生した硫化水素を乾
式脱硫や湿式脱硫もしくは生物脱硫等により処理する従
来の方法とは異なり、メタン発酵槽内において硫化水素
の発生自体を抑制することにより、脱硫後の処理液の処
理等を不要とし、バイオガス中に含有される硫化水素の
濃度を短期間でかつ効率よく、しかも、安価に低減化で
き、環境汚染、環境破壊を防止してバイオガスのエネル
ギーの有効利用を図ることができる硫化水素発生抑制方
法を提供することにある。
ン発酵で発生するバイオガス中に発生した硫化水素を乾
式脱硫や湿式脱硫もしくは生物脱硫等により処理する従
来の方法とは異なり、メタン発酵槽内において硫化水素
の発生自体を抑制することにより、脱硫後の処理液の処
理等を不要とし、バイオガス中に含有される硫化水素の
濃度を短期間でかつ効率よく、しかも、安価に低減化で
き、環境汚染、環境破壊を防止してバイオガスのエネル
ギーの有効利用を図ることができる硫化水素発生抑制方
法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、メタン発
酵で発生するバイオガスをエネルギーとして有効利用を
図るために、メタン発酵により生成されるバイオガス中
に含有される硫化水素の発生を短期間でかつ効率よく低
減化する方法に関して鋭意研究した結果、バイオガス中
に含有される硫化水素は、有機物を分解してメタンを発
生するメタン生成細菌と共生している硫酸還元菌の作用
により、有機性廃棄物等に含まれる硫酸等を還元するこ
とによって生成されるものであり、これらのメタン生成
細菌と、硫酸還元菌は共に絶対嫌気性細菌であって、絶
対嫌気性細菌であるメタン生成細菌の活性を下げること
なく硫酸還元菌の活性を下げることを可能とすることが
重要であると確信した。一般にメタン生成に関与する微
生物はフロックを形成しているが、硫酸還元菌はフロッ
クを形成することなく一匹、一匹が槽内で浮遊している
ことの知見を得て、これらの知見と実用性の観点から、
メタン生成細菌の活性と、硫酸還元菌の不活性化を実現
すべく、メタン発酵により生成されるバイオガス容量に
応じてメタン発酵槽に酸素含有気体もしくは酸素を供給
して、メタン生成細菌の不活性化を防止して、硫酸還元
菌の不活性化を短時間で行なうことにより、メタン発酵
の際に発生する硫化水素の発生を抑制することができ、
発生した硫化水素をバイオガス中から除去する従来の方
法において必要なバイオガスからの脱硫を行なった処理
液等の処理を不要とし、バイオガス中の硫化水素濃度を
効率よく大幅に低減できることを見出し、本発明を完成
するに至った。
酵で発生するバイオガスをエネルギーとして有効利用を
図るために、メタン発酵により生成されるバイオガス中
に含有される硫化水素の発生を短期間でかつ効率よく低
減化する方法に関して鋭意研究した結果、バイオガス中
に含有される硫化水素は、有機物を分解してメタンを発
生するメタン生成細菌と共生している硫酸還元菌の作用
により、有機性廃棄物等に含まれる硫酸等を還元するこ
とによって生成されるものであり、これらのメタン生成
細菌と、硫酸還元菌は共に絶対嫌気性細菌であって、絶
対嫌気性細菌であるメタン生成細菌の活性を下げること
なく硫酸還元菌の活性を下げることを可能とすることが
重要であると確信した。一般にメタン生成に関与する微
生物はフロックを形成しているが、硫酸還元菌はフロッ
クを形成することなく一匹、一匹が槽内で浮遊している
ことの知見を得て、これらの知見と実用性の観点から、
メタン生成細菌の活性と、硫酸還元菌の不活性化を実現
すべく、メタン発酵により生成されるバイオガス容量に
応じてメタン発酵槽に酸素含有気体もしくは酸素を供給
して、メタン生成細菌の不活性化を防止して、硫酸還元
菌の不活性化を短時間で行なうことにより、メタン発酵
の際に発生する硫化水素の発生を抑制することができ、
発生した硫化水素をバイオガス中から除去する従来の方
法において必要なバイオガスからの脱硫を行なった処理
液等の処理を不要とし、バイオガス中の硫化水素濃度を
効率よく大幅に低減できることを見出し、本発明を完成
するに至った。
【0009】すなわち本発明は、メタン発酵槽内で発生
するバイオガス量を測定し、該測定値に応じて、前記メ
タン発酵槽内に酸素含有気体又は酸素を供給し、硫酸還
元菌を不活性化させることによりメタン発酵槽内の硫化
水素の発生を抑制することを特徴とする硫化水素発生抑
制方法(請求項1)に関し、バイオガス中のメタンガス
含有量及び/又は硫化水素含有量を測定し、該測定値に
応じて、酸素含有気体又は酸素の供給、停止を行なうこ
とを特徴とする請求項1記載の硫化水素発生の抑制方法
(請求項2)や、酸素含有気体又は酸素の供給によりバ
イオガス中のメタンガス含有量が低減したとき、酸素含
有気体又は酸素の供給を停止することを特徴とする請求
項1又は2記載の硫化水素発生抑制方法(請求項3)
や、酸素含有気体又は酸素の供給の停止後、バイオガス
中の硫化水素含有量が上昇したとき、空気又は酸素を供
給することを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の
硫化水素発生抑制方法(請求項4)や、酸素含有気体が
空気であって、空気の供給量がメタン発酵で発生するバ
イオガス容量の20%以下であることを特徴とする請求
項1又は2いずれか記載の硫化水素発生抑制方法(請求
項5)や、空気の供給量がメタン発酵で発生するバイオ
ガス容量の10%〜2%であることを特徴とする請求項
5記載の硫化水素発生抑制方法(請求項6)や、空気の
供給量がメタン発酵で発生するバイオガス容量の7.5
%〜5%であることを特徴とする請求項6記載の硫化水
素発生抑制方法(請求項7)や、自動的に行なうことを
特徴とする請求項1〜7のいずれか記載の硫化水素発生
抑制方法(請求項8)に関する。
するバイオガス量を測定し、該測定値に応じて、前記メ
タン発酵槽内に酸素含有気体又は酸素を供給し、硫酸還
元菌を不活性化させることによりメタン発酵槽内の硫化
水素の発生を抑制することを特徴とする硫化水素発生抑
制方法(請求項1)に関し、バイオガス中のメタンガス
含有量及び/又は硫化水素含有量を測定し、該測定値に
応じて、酸素含有気体又は酸素の供給、停止を行なうこ
とを特徴とする請求項1記載の硫化水素発生の抑制方法
(請求項2)や、酸素含有気体又は酸素の供給によりバ
イオガス中のメタンガス含有量が低減したとき、酸素含
有気体又は酸素の供給を停止することを特徴とする請求
項1又は2記載の硫化水素発生抑制方法(請求項3)
や、酸素含有気体又は酸素の供給の停止後、バイオガス
中の硫化水素含有量が上昇したとき、空気又は酸素を供
給することを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の
硫化水素発生抑制方法(請求項4)や、酸素含有気体が
空気であって、空気の供給量がメタン発酵で発生するバ
イオガス容量の20%以下であることを特徴とする請求
項1又は2いずれか記載の硫化水素発生抑制方法(請求
項5)や、空気の供給量がメタン発酵で発生するバイオ
ガス容量の10%〜2%であることを特徴とする請求項
5記載の硫化水素発生抑制方法(請求項6)や、空気の
供給量がメタン発酵で発生するバイオガス容量の7.5
%〜5%であることを特徴とする請求項6記載の硫化水
素発生抑制方法(請求項7)や、自動的に行なうことを
特徴とする請求項1〜7のいずれか記載の硫化水素発生
抑制方法(請求項8)に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の硫化水素発生抑制方法
は、メタン発酵槽内で発生するバイオガス量を測定し、
該測定値に応じて、メタン発酵槽内に酸素含有気体又は
酸素を供給し、硫酸還元菌を不活性化させることにより
メタン発酵槽内の硫化水素の発生を抑制するものであれ
ば、特に制限されるものではなく、好ましくは、バイオ
ガス中のメタンガス含有量及び/又は硫化水素含有量を
測定し、該測定値に応じて、酸素含有気体又は酸素の供
給、停止を行なうものであり、酸素含有気体又は酸素の
供給によりバイオガス中のメタンガス含有量が低減した
とき、酸素含有気体又は酸素の供給を停止し、酸素含有
気体又は酸素の供給の停止後、バイオガス中の硫化水素
濃度が上昇したとき、酸素含有気体又は酸素を供給する
ものである。また、好ましくは、酸素含有気体が空気で
あって、空気の供給量がメタン発酵で発生するバイオガ
ス容量の20%以下であり、この空気又は酸素の供給、
停止は自動的に行なわれのが好ましい。
は、メタン発酵槽内で発生するバイオガス量を測定し、
該測定値に応じて、メタン発酵槽内に酸素含有気体又は
酸素を供給し、硫酸還元菌を不活性化させることにより
メタン発酵槽内の硫化水素の発生を抑制するものであれ
ば、特に制限されるものではなく、好ましくは、バイオ
ガス中のメタンガス含有量及び/又は硫化水素含有量を
測定し、該測定値に応じて、酸素含有気体又は酸素の供
給、停止を行なうものであり、酸素含有気体又は酸素の
供給によりバイオガス中のメタンガス含有量が低減した
とき、酸素含有気体又は酸素の供給を停止し、酸素含有
気体又は酸素の供給の停止後、バイオガス中の硫化水素
濃度が上昇したとき、酸素含有気体又は酸素を供給する
ものである。また、好ましくは、酸素含有気体が空気で
あって、空気の供給量がメタン発酵で発生するバイオガ
ス容量の20%以下であり、この空気又は酸素の供給、
停止は自動的に行なわれのが好ましい。
【0011】本発明に使用されるメタン発酵槽は、メタ
ン発酵槽に送入された有機性廃棄物や、有機性廃水等に
含まれる有機物をメタン生成細菌等により分解してメタ
ンや、二酸化炭素等のバイオガスを発生するメタン発酵
を行なうものである。メタン発酵槽で行なわれるメタン
発酵は、中温メタン発酵、高温メタン発酵を問わずいず
れの方法によるものであってもよい。例えば、BOD
(生化学的酸素要求量)として数万ppmの液を酸化還
元電位で−300〜−400mVの嫌気状態にし、51
〜55℃に保つものであってもよい。このような嫌気状
態により、絶対嫌気性細菌であるメタン生成細菌の活性
化が図られ、有機物1kg当たり、300〜700Lの
バイオガスが生成される。バイオガスはメタンと二酸化
炭素がほぼ半々の組成を有するが、バイオガスには、有
機物に含まれる硫酸成分が、メタン生成細菌が活性化さ
れる嫌気状態で活性を有する硫酸還元菌により還元され
て発生される硫化水素等が含まれる。
ン発酵槽に送入された有機性廃棄物や、有機性廃水等に
含まれる有機物をメタン生成細菌等により分解してメタ
ンや、二酸化炭素等のバイオガスを発生するメタン発酵
を行なうものである。メタン発酵槽で行なわれるメタン
発酵は、中温メタン発酵、高温メタン発酵を問わずいず
れの方法によるものであってもよい。例えば、BOD
(生化学的酸素要求量)として数万ppmの液を酸化還
元電位で−300〜−400mVの嫌気状態にし、51
〜55℃に保つものであってもよい。このような嫌気状
態により、絶対嫌気性細菌であるメタン生成細菌の活性
化が図られ、有機物1kg当たり、300〜700Lの
バイオガスが生成される。バイオガスはメタンと二酸化
炭素がほぼ半々の組成を有するが、バイオガスには、有
機物に含まれる硫酸成分が、メタン生成細菌が活性化さ
れる嫌気状態で活性を有する硫酸還元菌により還元され
て発生される硫化水素等が含まれる。
【0012】尚、有機性廃水、有機性廃棄物とは、生ゴ
ミや家畜糞尿、種々の食品工場の食品から廃棄される有
機物を含んだ排水、大豆煮汁、有機性廃棄物や、ウィス
キーや焼酎の蒸留廃液、ビール製造工程から排出される
トルーブ廃水等有機性の廃水や、廃棄物、あるいは、こ
れらの工場から排出される有機物を活性汚泥法といわれ
る好気性処理により処理した余剰汚泥等いずれのものも
含まれる。使用するメタン発酵槽の形式としては、特に
限定されるものではなく、ガス攪拌型リアクターに限ら
ず機械攪拌型リアクターや卵形消化槽、さらにはUAS
B(upflow anaerobic sludge-blanket)リアクター、
固定床型リアクター、流動床型リアクター等、いずれの
ものであっても適用することができる。
ミや家畜糞尿、種々の食品工場の食品から廃棄される有
機物を含んだ排水、大豆煮汁、有機性廃棄物や、ウィス
キーや焼酎の蒸留廃液、ビール製造工程から排出される
トルーブ廃水等有機性の廃水や、廃棄物、あるいは、こ
れらの工場から排出される有機物を活性汚泥法といわれ
る好気性処理により処理した余剰汚泥等いずれのものも
含まれる。使用するメタン発酵槽の形式としては、特に
限定されるものではなく、ガス攪拌型リアクターに限ら
ず機械攪拌型リアクターや卵形消化槽、さらにはUAS
B(upflow anaerobic sludge-blanket)リアクター、
固定床型リアクター、流動床型リアクター等、いずれの
ものであっても適用することができる。
【0013】本発明は、このようなメタン発酵槽に酸素
含有気体又は酸素を供給する。酸素含有気体としては、
空気をそのまま、あるいは酸素含量を高めたり、低めた
りしたものであってもよく、安価なため好適に使用する
ことができる。酸素含有気体又は酸素の供給は、絶対嫌
気性であるメタン生成細菌の活性の低下が生じない程度
であって、硫酸還元菌の活性が抑制される範囲でなされ
る。このような酸素含有気体又は酸素の供給量は、バイ
オガスの発生量を測定し、測定値に従って定めてもよ
く、また、バイオガス中に含有されるメタンガスや、硫
化水素の含有量を測定して定めてもよい。例えば、メタ
ン発酵槽内から発生するバイオガス容量を測定し、バイ
オガス容量に対して20容量%以下の空気を供給するこ
とができる。この範囲で空気を供給すると、バイオガス
の発生量は一定量が維持されるが、硫化水素の発生量は
短時間で低下し、例えば、翌日にはバイオガス中の硫化
水素濃度が800ppmから150ppmに低下し、3
日後には20ppm以下に低下する。そして、酸素含有
気体又は酸素の供給が継続して、例えば2週間等、行な
われ、一定期間経過後、バイオガス発生量及びバイオガ
ス中のメタン含量の低下が生じる。バイオガス発生量及
びバイオガス中のメタン含量の低下に対応して、酸素含
有気体又は酸素の供給を停止することにより、バイオガ
ス発生量及びメタン含量が回復されるが、硫化水素の含
有量は低減された状態が維持される。その後、バイオガ
ス中の硫化水素の含有量が上昇した際、バイオガス発生
量に対して、上記の範囲で酸素含有気体又は酸素を供給
することにより、バイオガス中の硫化水素の含有量は低
減された状態が維持され、メタン発酵槽内において、メ
タンの発生量は高く維持され硫化水素の発生を抑制する
ことができる。尚、メタン発酵槽に酸素を供給する場合
の供給量は、上記空気の供給量の約1/5となる。
含有気体又は酸素を供給する。酸素含有気体としては、
空気をそのまま、あるいは酸素含量を高めたり、低めた
りしたものであってもよく、安価なため好適に使用する
ことができる。酸素含有気体又は酸素の供給は、絶対嫌
気性であるメタン生成細菌の活性の低下が生じない程度
であって、硫酸還元菌の活性が抑制される範囲でなされ
る。このような酸素含有気体又は酸素の供給量は、バイ
オガスの発生量を測定し、測定値に従って定めてもよ
く、また、バイオガス中に含有されるメタンガスや、硫
化水素の含有量を測定して定めてもよい。例えば、メタ
ン発酵槽内から発生するバイオガス容量を測定し、バイ
オガス容量に対して20容量%以下の空気を供給するこ
とができる。この範囲で空気を供給すると、バイオガス
の発生量は一定量が維持されるが、硫化水素の発生量は
短時間で低下し、例えば、翌日にはバイオガス中の硫化
水素濃度が800ppmから150ppmに低下し、3
日後には20ppm以下に低下する。そして、酸素含有
気体又は酸素の供給が継続して、例えば2週間等、行な
われ、一定期間経過後、バイオガス発生量及びバイオガ
ス中のメタン含量の低下が生じる。バイオガス発生量及
びバイオガス中のメタン含量の低下に対応して、酸素含
有気体又は酸素の供給を停止することにより、バイオガ
ス発生量及びメタン含量が回復されるが、硫化水素の含
有量は低減された状態が維持される。その後、バイオガ
ス中の硫化水素の含有量が上昇した際、バイオガス発生
量に対して、上記の範囲で酸素含有気体又は酸素を供給
することにより、バイオガス中の硫化水素の含有量は低
減された状態が維持され、メタン発酵槽内において、メ
タンの発生量は高く維持され硫化水素の発生を抑制する
ことができる。尚、メタン発酵槽に酸素を供給する場合
の供給量は、上記空気の供給量の約1/5となる。
【0014】このようなバイオガス量や、バイオガス中
のメタン、硫化水素の含有量の測定は、半導体センサ
ー、固体電解質センサー、絶縁体センサー、圧電体セン
サー、接触燃焼式センサー、光学式センサー、電気化学
式センサー等いずれのガスセンサーによって行なわれて
もよく、ガスの容量のみならず、濃度の測定によるもの
であってもよい。また、酸素含有気体又は酸素の供給は
メタン発酵槽の槽内液循環ラインやリアクター底部等に
適宜、供給するものであり、本発明の硫化水素発生抑制
方法の実施は、制御装置のCPUにより、バイオガス
量、バイオガス中のメタン及び硫化水素の含有量に応じ
た酸素含有気体又は酸素の供給量を予め記憶した値と、
これらのセンサーからの測定値とを比較して、空気等の
供給バルブを自動開閉してその供給量を自動的に制御し
て行なうものが好ましい。
のメタン、硫化水素の含有量の測定は、半導体センサ
ー、固体電解質センサー、絶縁体センサー、圧電体セン
サー、接触燃焼式センサー、光学式センサー、電気化学
式センサー等いずれのガスセンサーによって行なわれて
もよく、ガスの容量のみならず、濃度の測定によるもの
であってもよい。また、酸素含有気体又は酸素の供給は
メタン発酵槽の槽内液循環ラインやリアクター底部等に
適宜、供給するものであり、本発明の硫化水素発生抑制
方法の実施は、制御装置のCPUにより、バイオガス
量、バイオガス中のメタン及び硫化水素の含有量に応じ
た酸素含有気体又は酸素の供給量を予め記憶した値と、
これらのセンサーからの測定値とを比較して、空気等の
供給バルブを自動開閉してその供給量を自動的に制御し
て行なうものが好ましい。
【0015】本発明の硫化水素発生抑制方法によれば、
メタン発酵槽から発生するバイオガス量を測定し測定値
に応じて、メタン発酵槽内に酸素含有気体又は酸素を供
給することにより、硫酸還元菌の活性を短時間で不活性
化させることによりバイオガス中の硫化水素濃度の低減
を図り、酸素含有気体又は酸素の供給によるメタン生成
細菌の活性化が低減した時点で、酸素含有気体又は酸素
の供給を停止することにより、メタン生成細菌の活性を
回復させることができるのに対し、硫化水素は酸素含有
気体又は酸素の供給の停止下においても、ほとんど発生
されず、その後、硫化水素の発生に応じ、酸素含有気体
又は酸素の供給により、バイオガス中の硫化水素の発生
を抑制することができ、硫化水素濃度を低減化すること
ができる。このため、バイオガスのエネルギー利用や、
バイオガス電池等に利用することができ、余剰汚泥の減
容を安価にでき、環境保護を図ることができる。
メタン発酵槽から発生するバイオガス量を測定し測定値
に応じて、メタン発酵槽内に酸素含有気体又は酸素を供
給することにより、硫酸還元菌の活性を短時間で不活性
化させることによりバイオガス中の硫化水素濃度の低減
を図り、酸素含有気体又は酸素の供給によるメタン生成
細菌の活性化が低減した時点で、酸素含有気体又は酸素
の供給を停止することにより、メタン生成細菌の活性を
回復させることができるのに対し、硫化水素は酸素含有
気体又は酸素の供給の停止下においても、ほとんど発生
されず、その後、硫化水素の発生に応じ、酸素含有気体
又は酸素の供給により、バイオガス中の硫化水素の発生
を抑制することができ、硫化水素濃度を低減化すること
ができる。このため、バイオガスのエネルギー利用や、
バイオガス電池等に利用することができ、余剰汚泥の減
容を安価にでき、環境保護を図ることができる。
【0016】
【実施例】本発明の硫化水素発生抑制方法を適用した実
施例を図面を参照して説明する。尚、本発明の技術的範
囲はこれに限定されるものではない。 実施例1 図1に示すように、ガス攪拌型メタン発酵槽には、有機
物を含有する被処理水の供給及び引抜きのための被処理
水送入管1aが設けられた発酵槽1と、発酵槽1が収納
され、温水を循環させる循環路2aが設けられた恒温槽
2と、ポンプ3aを介して気液分離槽3から攪拌ガスを
発酵槽1に送入する攪拌ガス送入管3bと、発酵槽1の
上部に接続され、発酵槽1からの気体を気液分離槽3へ
排出する排出管4と、気液分離槽3に排出されたバイオ
ガス容量を測定するためにガスカウンター5と、ガスメ
ーター6とが設けられる。このようなガス攪拌型メタン
発酵槽の発酵槽1の下部には、酸素含有気体又は酸素を
供給する空気等供給管7が設けられる。尚、メタン及び
硫化水素の含有量は、それぞれガスクロマトグラフィー
及び硫化水素検知管により測定する。このようなガス攪
拌型メタン発酵槽を用いて、生ゴミの高温メタン発酵を
行なった。実用性5Lのメタン発酵槽1に下水処理場の
高温嫌気性汚泥5L加え、恒温槽2の温度を53℃に設
定した。その後、表1に示した調製生ゴミを2倍希釈し
てTS濃度約10%とした後、一般的にfill and draw
methodと呼ばれる生ゴミの間欠投入・槽内液の引抜によ
る連続式高温メタン発酵法により嫌気性処理試験を行っ
た。CODcr容積負荷を段階的に上げたときの被処理水
質や生ゴミの有機物の消化率、バイオガス発生量を測定
した。図2に示すように、CODcr容積負荷の増大とと
もにバイオガス中の硫化水素濃度は200ppmから10
00ppmまで増加した。またCODcr容積負荷16g/
L/dにおいて、被処理水の有機酸濃度が増加する傾向
を示したので、CODcr容積負荷を12、10g/L/
dに下げたところ、有機酸が急速に低下したので、再度
CODcr容積負荷を12g/L/dに上げ、定常運転を
行った。このときのバイオガス発生量は5300〜55
00mL/L/dであった。約3週間経過後、空気をバ
イオガス発生量の約10%メタン発酵槽に供給した。空
気を供給した後のバイオガス中のメタン含量と、硫化水
素濃度、及び被処理水の有機酸濃度を測定した。結果を
図3に示す。無通気下ではバイオガス中の硫化水素濃度
は平均で720ppmであったが、通気することにより
1日後に150ppm、3日後には20ppm以下に低
下した。そこで、通気量をバイオガス発生量の5%に低
下したところ、硫化水素濃度は400ppmまで増加し
た。再度通気量を10%に戻したところ、硫化水素濃度
は約20ppmまで低下した。その後、通気量を7.5
%に下げ定常運転を行った。硫化水素濃度は50ppm
で推移したが、通気を始めてから約2週間後にバイオガ
ス発生量は4100mL/L/dに低下するとともにメ
タン含量も低下し、逆に硫化水素濃度は150ppm
に、有機酸濃度は2000ppm以上に増加した。通気
がメタン生成細菌の活性にも影響が出たと判断し、通気
を停止したところメタン含量は速やかに増加した。一
方、通気を停止したにもかかわらずバイオガス中の硫化
水素はほとんど検出されなかった。しかし、約1週間程
で再度硫化水素濃度が増加したので、空気を供給すると
やはり硫化水素濃度は速やかに低下し、バイオガス中の
硫化水素濃度を50ppm以下に抑えることが可能とな
った。
施例を図面を参照して説明する。尚、本発明の技術的範
囲はこれに限定されるものではない。 実施例1 図1に示すように、ガス攪拌型メタン発酵槽には、有機
物を含有する被処理水の供給及び引抜きのための被処理
水送入管1aが設けられた発酵槽1と、発酵槽1が収納
され、温水を循環させる循環路2aが設けられた恒温槽
2と、ポンプ3aを介して気液分離槽3から攪拌ガスを
発酵槽1に送入する攪拌ガス送入管3bと、発酵槽1の
上部に接続され、発酵槽1からの気体を気液分離槽3へ
排出する排出管4と、気液分離槽3に排出されたバイオ
ガス容量を測定するためにガスカウンター5と、ガスメ
ーター6とが設けられる。このようなガス攪拌型メタン
発酵槽の発酵槽1の下部には、酸素含有気体又は酸素を
供給する空気等供給管7が設けられる。尚、メタン及び
硫化水素の含有量は、それぞれガスクロマトグラフィー
及び硫化水素検知管により測定する。このようなガス攪
拌型メタン発酵槽を用いて、生ゴミの高温メタン発酵を
行なった。実用性5Lのメタン発酵槽1に下水処理場の
高温嫌気性汚泥5L加え、恒温槽2の温度を53℃に設
定した。その後、表1に示した調製生ゴミを2倍希釈し
てTS濃度約10%とした後、一般的にfill and draw
methodと呼ばれる生ゴミの間欠投入・槽内液の引抜によ
る連続式高温メタン発酵法により嫌気性処理試験を行っ
た。CODcr容積負荷を段階的に上げたときの被処理水
質や生ゴミの有機物の消化率、バイオガス発生量を測定
した。図2に示すように、CODcr容積負荷の増大とと
もにバイオガス中の硫化水素濃度は200ppmから10
00ppmまで増加した。またCODcr容積負荷16g/
L/dにおいて、被処理水の有機酸濃度が増加する傾向
を示したので、CODcr容積負荷を12、10g/L/
dに下げたところ、有機酸が急速に低下したので、再度
CODcr容積負荷を12g/L/dに上げ、定常運転を
行った。このときのバイオガス発生量は5300〜55
00mL/L/dであった。約3週間経過後、空気をバ
イオガス発生量の約10%メタン発酵槽に供給した。空
気を供給した後のバイオガス中のメタン含量と、硫化水
素濃度、及び被処理水の有機酸濃度を測定した。結果を
図3に示す。無通気下ではバイオガス中の硫化水素濃度
は平均で720ppmであったが、通気することにより
1日後に150ppm、3日後には20ppm以下に低
下した。そこで、通気量をバイオガス発生量の5%に低
下したところ、硫化水素濃度は400ppmまで増加し
た。再度通気量を10%に戻したところ、硫化水素濃度
は約20ppmまで低下した。その後、通気量を7.5
%に下げ定常運転を行った。硫化水素濃度は50ppm
で推移したが、通気を始めてから約2週間後にバイオガ
ス発生量は4100mL/L/dに低下するとともにメ
タン含量も低下し、逆に硫化水素濃度は150ppm
に、有機酸濃度は2000ppm以上に増加した。通気
がメタン生成細菌の活性にも影響が出たと判断し、通気
を停止したところメタン含量は速やかに増加した。一
方、通気を停止したにもかかわらずバイオガス中の硫化
水素はほとんど検出されなかった。しかし、約1週間程
で再度硫化水素濃度が増加したので、空気を供給すると
やはり硫化水素濃度は速やかに低下し、バイオガス中の
硫化水素濃度を50ppm以下に抑えることが可能とな
った。
【0017】
【表1】
【0018】実施例2
図4に示すように、機械攪拌型メタン発酵槽には、有機
物を含有する被処理体の供給及び引抜きのための被処理
水送入管8aが設けられた消化槽8と、消化槽8中の被
処理体を攪拌するためのモーター9aの回転軸に接続さ
れた攪拌部9bと、消化槽8の上部に接続され、消化槽
8からの気体が導入されるガスホルダー10とが設けら
れ、更に、消化槽8の下部には酸素含有気体又は酸素を
供給する空気等供給管11が設けられる。また、図示は
しないが、図1に示すガス攪拌型メタン発酵槽と同様
に、発酵槽を一定温度に保持する恒温槽、ガスホルダー
10に排出されたバイオガス容量を測定するためのガス
カウンター、ガスメーター等が設けられる。尚、バイオ
ガス中のメタン及び硫化水素の含有量は、それぞれガス
クロマトグラフィー及び硫化水素検知管により測定す
る。このような機械攪拌型メタン発酵槽を用いて、下水
の余剰濃縮汚泥(TVS(全有機物濃度)がおおよそ3
0〜33g/Lである。)の高温メタン発酵を行なっ
た。実容積4Lの機械攪拌型メタン発酵槽の消化槽8に
下水処理場の高温嫌気性汚泥4Lを入れ、消化槽8の温
度を53℃に設定した。余剰濃縮汚泥を間欠投入・槽内
液の引抜による連続式高温メタン発酵法による嫌気性処
理試験を行った。有機物負荷を2、5、8、12g/L
/dと段階的に上げたところ、有機物負荷12g/L/
dで処理性能が悪化した。そこで、有機物負荷を8g/
L/dに下げ、定常運転を約3週間継続した。本条件で
のバイオガス中の硫化水素濃度が約3000ppmであ
ったので、空気をバイオガス発生量の約7%になるよう
に発酵槽に供給した。その結果、生ゴミのメタン発酵同
様短期間に硫化水素濃度が50ppm以下に低下し、こ
のときのバイオガスの発生量は約2100mL/L/d
であり、メタン含量は約75%であった。
物を含有する被処理体の供給及び引抜きのための被処理
水送入管8aが設けられた消化槽8と、消化槽8中の被
処理体を攪拌するためのモーター9aの回転軸に接続さ
れた攪拌部9bと、消化槽8の上部に接続され、消化槽
8からの気体が導入されるガスホルダー10とが設けら
れ、更に、消化槽8の下部には酸素含有気体又は酸素を
供給する空気等供給管11が設けられる。また、図示は
しないが、図1に示すガス攪拌型メタン発酵槽と同様
に、発酵槽を一定温度に保持する恒温槽、ガスホルダー
10に排出されたバイオガス容量を測定するためのガス
カウンター、ガスメーター等が設けられる。尚、バイオ
ガス中のメタン及び硫化水素の含有量は、それぞれガス
クロマトグラフィー及び硫化水素検知管により測定す
る。このような機械攪拌型メタン発酵槽を用いて、下水
の余剰濃縮汚泥(TVS(全有機物濃度)がおおよそ3
0〜33g/Lである。)の高温メタン発酵を行なっ
た。実容積4Lの機械攪拌型メタン発酵槽の消化槽8に
下水処理場の高温嫌気性汚泥4Lを入れ、消化槽8の温
度を53℃に設定した。余剰濃縮汚泥を間欠投入・槽内
液の引抜による連続式高温メタン発酵法による嫌気性処
理試験を行った。有機物負荷を2、5、8、12g/L
/dと段階的に上げたところ、有機物負荷12g/L/
dで処理性能が悪化した。そこで、有機物負荷を8g/
L/dに下げ、定常運転を約3週間継続した。本条件で
のバイオガス中の硫化水素濃度が約3000ppmであ
ったので、空気をバイオガス発生量の約7%になるよう
に発酵槽に供給した。その結果、生ゴミのメタン発酵同
様短期間に硫化水素濃度が50ppm以下に低下し、こ
のときのバイオガスの発生量は約2100mL/L/d
であり、メタン含量は約75%であった。
【0019】実施例3
上記機械攪拌型メタン発酵槽を用いて下水の混合汚泥の
中温メタン発酵を行なった。消化槽8に下水処理場の中
温嫌気性汚泥4Lを添加し、消化槽8の温度を37℃に
設定した。初沈汚泥と余剰汚泥からなる混合汚泥を間欠
投入・槽内液の引抜による連続式中温メタン発酵法によ
る嫌気性処理試験を行った。有機物負荷を1、2、3、
4g/L/dと段階的に上げたところ、有機物負荷4g
/L/dで処理性能が悪化した。そこで、有機物負荷を
3g/L/dに下げ、定常運転を約4週間継続した。こ
の条件でのバイオガス中の硫化水素濃度が約800pp
mであったので、空気をバイオガス発生量の約7%にな
るように消化槽8に供給した。その結果、生ゴミや余剰
汚泥のメタン発酵同様短期間に硫化水素濃度が20pp
m以下に低下し、このときのバイオガスの発生量は約1
600mL/L/dであった。
中温メタン発酵を行なった。消化槽8に下水処理場の中
温嫌気性汚泥4Lを添加し、消化槽8の温度を37℃に
設定した。初沈汚泥と余剰汚泥からなる混合汚泥を間欠
投入・槽内液の引抜による連続式中温メタン発酵法によ
る嫌気性処理試験を行った。有機物負荷を1、2、3、
4g/L/dと段階的に上げたところ、有機物負荷4g
/L/dで処理性能が悪化した。そこで、有機物負荷を
3g/L/dに下げ、定常運転を約4週間継続した。こ
の条件でのバイオガス中の硫化水素濃度が約800pp
mであったので、空気をバイオガス発生量の約7%にな
るように消化槽8に供給した。その結果、生ゴミや余剰
汚泥のメタン発酵同様短期間に硫化水素濃度が20pp
m以下に低下し、このときのバイオガスの発生量は約1
600mL/L/dであった。
【0020】実施例4
図5に示すように、固定床型リアクターによるメタン発
酵処理装置には、廃水貯留槽12aに冷蔵される有機物
を含有する被処理水がペリスタリックポンプ12bが設
けられた槽内液供給管12cを介して供給される固定床
型リアクター13と、固定床型リアクター13からロー
ラーポンプ12dを介して固定床型リアクター13から
被処理水が排出され、槽内液供給管12cと共に被処理
水を循環して固定床型リアクター13へ供給するように
循環路を形成する槽内液排出管12eと、固定床型リア
クター13が収納され温水を循環させる循環路14aが
設けられた恒温槽14と、固定床型リアクター13の上
部に接続され、固定床型リアクター13からの気体が導
入されるガスホルダー15と、固定床型リアクター13
の上部に接続され、固定床型リアクター13からの気体
が導入されガスホルダー15及び処理水収納部16aに
それぞれ接続される固液分離器16とが設けられる。更
に、槽内液供給管12c又は槽内液排出管12eには酸
素含有気体又は酸素を供給する空気等供給管17が設け
られる。また、目盛り付きガスホルダー15に排出され
たバイオガス量から1日のバイオガス発生量を算出し
た。バイオガス中のメタンや硫化水素の含有量は、実施
例1及び実施例2に示した方法により測定した。このよ
うな固定床型リアクターによるメタン発酵処理装置を用
いて、ウィスキー蒸留廃液の中温メタン発酵を行なっ
た。実容積0.75Lの固定床型リアクター13に下水
処理場の中温嫌気性汚泥0.75Lを添加し、固定床型
リアクター13を温度を37℃に設定した。その後固形
物を除去したウィスキー蒸留廃液(以後、ウィスキー蒸
留廃液と呼ぶ。)をTOC容積負荷で1g/L/dにな
るように加え、ローラーポンプ12dで一晩槽内液を循
環した。翌日からTOC容積負荷が2g/L/dになる
ようにタイマーとペリスタリックポンプ12bで間欠供
給した。その後、TOC容積負荷が5、9、12g/L
/dになるように段階的にウィスキー蒸留廃液の供給量
を上げていった。ガス発生量はTOC容積負荷の増加と
ともに直線的に増加し、12g/L/dにおいてガス発
生量は約14L/L/dであり、硫化水素の濃度は約1
500ppmであった。この条件で2週間運転した後、
空気をガス発生量の7%になるように空気等供給管17
に供給した。その結果、3日後には硫化水素濃度は50
ppm以下となり、このときのバイオガスの発生量は約
15000mL/L/dであった。また、固形物を除去
した焼酎蒸留廃液を、同様の条件で行なった中温および
高温メタン発酵においても同様の結果が得られた。
酵処理装置には、廃水貯留槽12aに冷蔵される有機物
を含有する被処理水がペリスタリックポンプ12bが設
けられた槽内液供給管12cを介して供給される固定床
型リアクター13と、固定床型リアクター13からロー
ラーポンプ12dを介して固定床型リアクター13から
被処理水が排出され、槽内液供給管12cと共に被処理
水を循環して固定床型リアクター13へ供給するように
循環路を形成する槽内液排出管12eと、固定床型リア
クター13が収納され温水を循環させる循環路14aが
設けられた恒温槽14と、固定床型リアクター13の上
部に接続され、固定床型リアクター13からの気体が導
入されるガスホルダー15と、固定床型リアクター13
の上部に接続され、固定床型リアクター13からの気体
が導入されガスホルダー15及び処理水収納部16aに
それぞれ接続される固液分離器16とが設けられる。更
に、槽内液供給管12c又は槽内液排出管12eには酸
素含有気体又は酸素を供給する空気等供給管17が設け
られる。また、目盛り付きガスホルダー15に排出され
たバイオガス量から1日のバイオガス発生量を算出し
た。バイオガス中のメタンや硫化水素の含有量は、実施
例1及び実施例2に示した方法により測定した。このよ
うな固定床型リアクターによるメタン発酵処理装置を用
いて、ウィスキー蒸留廃液の中温メタン発酵を行なっ
た。実容積0.75Lの固定床型リアクター13に下水
処理場の中温嫌気性汚泥0.75Lを添加し、固定床型
リアクター13を温度を37℃に設定した。その後固形
物を除去したウィスキー蒸留廃液(以後、ウィスキー蒸
留廃液と呼ぶ。)をTOC容積負荷で1g/L/dにな
るように加え、ローラーポンプ12dで一晩槽内液を循
環した。翌日からTOC容積負荷が2g/L/dになる
ようにタイマーとペリスタリックポンプ12bで間欠供
給した。その後、TOC容積負荷が5、9、12g/L
/dになるように段階的にウィスキー蒸留廃液の供給量
を上げていった。ガス発生量はTOC容積負荷の増加と
ともに直線的に増加し、12g/L/dにおいてガス発
生量は約14L/L/dであり、硫化水素の濃度は約1
500ppmであった。この条件で2週間運転した後、
空気をガス発生量の7%になるように空気等供給管17
に供給した。その結果、3日後には硫化水素濃度は50
ppm以下となり、このときのバイオガスの発生量は約
15000mL/L/dであった。また、固形物を除去
した焼酎蒸留廃液を、同様の条件で行なった中温および
高温メタン発酵においても同様の結果が得られた。
【0021】
【発明の効果】本発明の硫化水素発生抑制方法によれ
ば、発酵槽内に空気又は酸素を供給することにより、短
時間で硫化水素の発生を抑制し、バイオガス中の硫化水
素の濃度を低減化するだけでなく、酸素含有気体又は酸
素の供給を停止したりすることによりメタン生成細菌の
活性を維持し、バイオガス発生量及びメタン含量も高収
率を維持できる。このため、バイオガスを、エネルギー
として、また、バイオガス電池として有効利用すること
ができ、また、食品製造工場等の余剰汚泥の減容処理を
可能とし、環境保護を図ることができる。
ば、発酵槽内に空気又は酸素を供給することにより、短
時間で硫化水素の発生を抑制し、バイオガス中の硫化水
素の濃度を低減化するだけでなく、酸素含有気体又は酸
素の供給を停止したりすることによりメタン生成細菌の
活性を維持し、バイオガス発生量及びメタン含量も高収
率を維持できる。このため、バイオガスを、エネルギー
として、また、バイオガス電池として有効利用すること
ができ、また、食品製造工場等の余剰汚泥の減容処理を
可能とし、環境保護を図ることができる。
【図1】本発明の硫化水素発生抑制方法の一実施例を示
す構成図である。
す構成図である。
【図2】メタン発酵法により嫌気性処理したときの処理
水質やガス発生量などの経日変化を示す説明図である。
水質やガス発生量などの経日変化を示す説明図である。
【図3】本発明の硫化水素発生抑制方法の作用を示す説
明図である。
明図である。
【図4】本発明の硫化水素発生抑制方法の他の実施例を
示す構成図である。
示す構成図である。
【図5】本発明の硫化水素発生抑制方法の他の実施例を
示す構成図である。
示す構成図である。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 イクバル
熊本県熊本市黒髪7丁目763番地 熊本大
学国際交流会館A310号室
Fターム(参考) 4D040 AA01 AA61
4D059 AA01 AA05 AA07 BA15 EA09
EB11
Claims (8)
- 【請求項1】 メタン発酵槽内で発生するバイオガス
量を測定し、該測定値に応じて、前記メタン発酵槽内に
酸素含有気体又は酸素を供給し、硫酸還元菌を不活性化
させることによりメタン発酵槽内の硫化水素の発生を抑
制することを特徴とする硫化水素発生抑制方法。 - 【請求項2】 バイオガス中のメタンガス含有量及び
/又は硫化水素含有量を測定し、該測定値に応じて、酸
素含有気体又は酸素の供給、停止を行なうことを特徴と
する請求項1記載の硫化水素発生の抑制方法。 - 【請求項3】 酸素含有気体又は酸素の供給によりバ
イオガス中のメタンガス含有量が低減したとき、酸素含
有気体又は酸素の供給を停止することを特徴とする請求
項1又は2記載の硫化水素発生抑制方法。 - 【請求項4】 酸素含有気体又は酸素の供給の停止
後、バイオガス中の硫化水素含有量が上昇したとき、空
気又は酸素を供給することを特徴とする請求項1〜3の
いずれか記載の硫化水素発生抑制方法。 - 【請求項5】 酸素含有気体が空気であって、空気の
供給量がメタン発酵で発生するバイオガス容量の20%
以下であることを特徴とする請求項1又は2いずれか記
載の硫化水素発生抑制方法。 - 【請求項6】 空気の供給量がメタン発酵で発生する
バイオガス容量の10%〜2%であることを特徴とする
請求項5記載の硫化水素発生抑制方法。 - 【請求項7】 空気の供給量がメタン発酵で発生する
バイオガス容量の7.5%〜5%であることを特徴とす
る請求項6記載の硫化水素発生抑制方法。 - 【請求項8】 自動的に行なうことを特徴とする請求
項1〜7のいずれか記載の硫化水素発生抑制方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001339753A JP2003136089A (ja) | 2001-11-05 | 2001-11-05 | 硫化水素発生抑制方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001339753A JP2003136089A (ja) | 2001-11-05 | 2001-11-05 | 硫化水素発生抑制方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003136089A true JP2003136089A (ja) | 2003-05-13 |
Family
ID=19154057
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001339753A Pending JP2003136089A (ja) | 2001-11-05 | 2001-11-05 | 硫化水素発生抑制方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003136089A (ja) |
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003225636A (ja) * | 2002-02-04 | 2003-08-12 | Kenji Kida | 有機廃棄物の処理装置 |
JP2005154503A (ja) * | 2003-11-21 | 2005-06-16 | Kumamoto Technology & Industry Foundation | バイオガス中の硫化水素を除去する方法 |
JP2005296891A (ja) * | 2004-04-15 | 2005-10-27 | Sumitomo Heavy Ind Ltd | 排水処理方法 |
JP2008104452A (ja) * | 2006-09-29 | 2008-05-08 | Kumamoto Univ | アルコール生産システムおよびアルコール生産方法 |
JP2010162463A (ja) * | 2009-01-14 | 2010-07-29 | Kurita Water Ind Ltd | 嫌気処理方法及び装置 |
FR2956657A1 (fr) * | 2010-02-24 | 2011-08-26 | Degremont | Procede et dispositif de desulfuration du biogaz d'un digesteur, et digesteur equipe d'un tel dispositif |
KR101139416B1 (ko) * | 2011-11-09 | 2012-04-27 | 한밭대학교 산학협력단 | 미세 호기 발생기를 부착한 건식 혐기성 소화조 |
JP2014000550A (ja) * | 2012-06-20 | 2014-01-09 | Sumitomo Heavy Industries Environment Co Ltd | メタン発酵システム及びメタン発酵方法 |
CN107913648A (zh) * | 2017-10-27 | 2018-04-17 | 中国石油化工股份有限公司 | 一种用于油井硫化氢处理的高压管道气液反应器及其处理方法 |
JP2019150753A (ja) * | 2018-03-01 | 2019-09-12 | 住友重機械エンバイロメント株式会社 | 水処理装置及び水処理方法 |
-
2001
- 2001-11-05 JP JP2001339753A patent/JP2003136089A/ja active Pending
Cited By (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003225636A (ja) * | 2002-02-04 | 2003-08-12 | Kenji Kida | 有機廃棄物の処理装置 |
JP2005154503A (ja) * | 2003-11-21 | 2005-06-16 | Kumamoto Technology & Industry Foundation | バイオガス中の硫化水素を除去する方法 |
JP2005296891A (ja) * | 2004-04-15 | 2005-10-27 | Sumitomo Heavy Ind Ltd | 排水処理方法 |
JP2008104452A (ja) * | 2006-09-29 | 2008-05-08 | Kumamoto Univ | アルコール生産システムおよびアルコール生産方法 |
JP2010162463A (ja) * | 2009-01-14 | 2010-07-29 | Kurita Water Ind Ltd | 嫌気処理方法及び装置 |
FR2956657A1 (fr) * | 2010-02-24 | 2011-08-26 | Degremont | Procede et dispositif de desulfuration du biogaz d'un digesteur, et digesteur equipe d'un tel dispositif |
KR101139416B1 (ko) * | 2011-11-09 | 2012-04-27 | 한밭대학교 산학협력단 | 미세 호기 발생기를 부착한 건식 혐기성 소화조 |
JP2014000550A (ja) * | 2012-06-20 | 2014-01-09 | Sumitomo Heavy Industries Environment Co Ltd | メタン発酵システム及びメタン発酵方法 |
CN107913648A (zh) * | 2017-10-27 | 2018-04-17 | 中国石油化工股份有限公司 | 一种用于油井硫化氢处理的高压管道气液反应器及其处理方法 |
CN107913648B (zh) * | 2017-10-27 | 2023-09-01 | 中国石油化工股份有限公司 | 一种用于油井硫化氢处理的高压管道气液反应器及其处理方法 |
JP2019150753A (ja) * | 2018-03-01 | 2019-09-12 | 住友重機械エンバイロメント株式会社 | 水処理装置及び水処理方法 |
JP7060407B2 (ja) | 2018-03-01 | 2022-04-26 | 住友重機械エンバイロメント株式会社 | 水処理装置及び水処理方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Palakodeti et al. | A critical review of ammonia recovery from anaerobic digestate of organic wastes via stripping | |
Lyberatos et al. | Modelling of anaerobic digestion–a review | |
Jiang et al. | Improving biogas production from protein-rich distillery wastewater by decreasing ammonia inhibition | |
EP2558421B1 (en) | An anaerobic wastewater treatment system | |
KR101187004B1 (ko) | 바이오가스 고도정제를 위한 선택적 다단 흡수 장치 및 방법 | |
JP4834021B2 (ja) | メタン発酵処理方法 | |
KR101224624B1 (ko) | 선박용 폐기물 처리 시스템 | |
Serra-Toro et al. | Ammonia recovery from acidogenic fermentation effluents using a gas-permeable membrane contactor | |
JP2003136089A (ja) | 硫化水素発生抑制方法 | |
US8163179B2 (en) | Apparatus for removing dissolved hydrogen sulfide in anaerobic treatment | |
CN107098466B (zh) | 厌氧膜生物反应器的实时调控方法及采用其的反应器 | |
CN206014899U (zh) | 同时去除有机污染物和硫的废水处理系统 | |
JP2005154503A (ja) | バイオガス中の硫化水素を除去する方法 | |
JP2004290921A (ja) | メタン発酵処理方法及び装置 | |
JP4329359B2 (ja) | 脱窒方法 | |
JP4299168B2 (ja) | 嫌気性処理装置 | |
KR100312820B1 (ko) | 발효슬러지를이용하는고도하폐수처리방법 | |
CN110451738B (zh) | 一种高效的污水处理系统及其高效处理方法 | |
JP2005103375A (ja) | メタン発酵処理方法及び装置 | |
TWI564253B (zh) | 廢水處理系統 | |
JP2005329377A (ja) | 有機性廃水の嫌気性処理装置、及び嫌気性処理方法 | |
JP4521137B2 (ja) | 廃水処理装置 | |
Gróf et al. | Anaerobic Fermentation of Substrate with High Nitrogen Content | |
JP2005193122A (ja) | 嫌気性水素発酵処理システム | |
CN106186610B (zh) | 一种处理低浓度畜禽粪便的工艺方法 |