JP2006043560A - 形状形成方法及び形状形成装置 - Google Patents

形状形成方法及び形状形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】衝撃や耐光性が弱いことや変色してしまうことなく、高分解能で三次元形状の形状を行う方法の提案。
【解決手段】光触媒材と金属イオンを含む層1に、光源手段からの光束を光学手段を介して該層内に光進行方向に沿って光強度分布が形成されるように入射させ、該層と、該層内の光との相対的位置を変化させて、該層内における該金属イオンを光触媒反応により金属とし、該金属が該光触媒材の表面に固定するようにして、該金属により形状を形成すること。
【選択図】図1

Description

本発明は、三次元形状や二次元形状等の所望の形状を形成する形状形成方法及びに形状形成装置に関する。
従来より所望の三次元形状を形成する方法の1つとしては光造形加工法がある(特許文献1)。
特許文献1では、液状の紫外線硬化樹脂(紫外線に反応し、硬化する液体)に光造形装置から放射される紫外線(レーザ)を照射して硬化させる。そして硬化させた硬化層に、更に同様の方法で硬化層を積層することで三次元のデータと寸分違わぬ精密な立体物を、短時間で作成する技術を開示している。
現状技術は、造形データに基づいて、約0.1mm程度の立体の積層方向に一定ピッチのスライス断面形状を求め、形状に沿って液体状の紫外線硬化樹脂にレーザを当て、硬化させ積層しながら造形を行い、三次元のデータからその場で、表面だけでなく裏表完全な立体物として成形が可能である。また、一層毎ではなく、一点ずつ樹脂の硬化を行い、積層を行わずに三次元形状の成形を行う加工法も提案されている。
この光造形は、厚さを持った製品の検証や、量産前の形状のチェックとして、RP(ラピットプロトタイピング)と呼ぶ、量産前の製品開発時において試作品(Prototype)である複製品を製作するためのマスターモデルを高速に(Rapid)製造する技術である。
一方、三次元形状ではないが、半導体回路パターンを形成する手法として、リソグラフィー手法が使用されている。
このリソグラフィーの現行技術においては、ウエハ基板上に所定の回路形状(回路パターン)を形成するように、スキャナーと呼ばれている走査式縮小露光装置において、レチクルと呼んでいる半導体回路を描画している基板の形状を、波長193nmの紫外線を照射して、縮小投影光学系を通してウエハ上に形状転写を行うものである。ウエハ面上には光(紫外光)に反応するレジストを塗布しておき、露光、現像することで、レジスト形状が形成され、このレジスト形状をマスクにしてエッチチングが行われ、所望の半導体回路形状を形成することができる。
また、リソグラフィー手法に光触媒を使用した光触媒リソグラフィー法が知られている(特許文献2)。
特許文献2では、光触媒材質に紫外線または可視光を照射し、光触媒材質の光触媒反応により形状形成を行う方法を開示している。
光触媒は、その特性を有する材質(例えば酸化チタン,酸化鉄等)に光を照射した場合に、その光エネルギーによって励起され、酸化・還元が行われ親水性の性質となる。
この特性変化を、抗菌、脱臭、防汚、曇り止め等に使用することにより、既にいくつか製品化されている。
特開平11−170377号公報 特願2003−236390号公報
前述の様に、光造形技術(光造形加工法)は、あらゆる複雑な形状モデルにも高速、高精度で対応でき、開発から生産に要するリードタイムの短縮が可能となるため、広い工業製品の範囲において利用されている。
しかしながら光造形加工法は、樹脂の種類にもよるが、出来上がった光造形品は、強い衝撃などに弱く耐光性が弱いことや、光に長時間当て時間が経過すると、変色してしまう等の問題点がある。
一方リソグラフィー技術は半導体製造に使用されている通り、光造形の問題点である、経時変化等の問題点は存在しないが、最新の半導体露光装置は、大型でかつ複雑な構成より成っており、価格が数十億円と言われている様に、莫大な設備投資を必要とする問題点が存在している。また,加工は二次元的であり,三次元の自由な成形物を得ることは困難である。
又、光触媒を使用した光触媒リソグラフィー法は、光触媒材質(光触媒層)とパターンニングする対象物(被処理物)とを3mm以下に対峙させてパターンニングしており、その解像力に限界があり、また光造形の様な三次元形状の形状を行うことができない。
本発明は、衝撃,耐光性に強く三次元形状や二次元形状等、任意の形状を高分解能で容易に形成することができる光触媒反応を利用した形状形成方法及び形状形成装置の提供を目的とする。
請求項1の発明の形状形成方法は、光触媒材と金属イオンを含む層に、光源手段からの光束を光学手段を介して該層内に光進行方向に沿って光強度分布(後述する特定点)が形成されるように入射させ、該層と、該層内の光との相対的位置を変化させて、該層内における該金属イオンを光触媒反応により金属とし、該金属が該光触媒材の表面に固定するようにして、該金属により形状を形成することを特徴としている。
請求項2の発明は請求項1の発明において、前記光源手段からの光束を前記光学手段によって、前記層内に集光することにより、前記光強度分布を形成することを特徴としている。
請求項3の発明は請求項1又は2の発明において、前記光束で前記層内を三次元の光強度分布が形成されるように走査し、該層内に三次元形状を形成することを特徴としている。
請求項4の発明は請求項1,2又は3の発明において、前記光束の前記層内における三次元走査は、2枚のカルバノミラーによる偏向走査と、前記光源手段と該層との相対的位置の変位によって行っていることを特徴としている。
請求項5の発明は請求項1,2又は3の発明において、前記光束の前記層内における三次元走査は、2枚のカルバノミラーによる偏向走査と、該光束の該層内における集光位置を光学手段によって変位させて行なっていることを特徴としている。
請求項6の発明の形状形成方法は、支持体上に、光触媒材と金属イオンを含む層を形成し、光源手段からの光束を光学手段を用いて、該光束の集光点が層内に形成され、かつ該光束の集光点と該層との相対的位置を変化させて照射し、該層内において、該光触媒材の光触媒反応により、該金属イオンを金属とし、該金属が該光触媒材の表面に固定するようにして、該金属により属内に所定形状を形成することを特徴としている。
請求項7の発明は請求項6の発明において、前記光源手段からの光束を前記層内において二次元走査する光学走査手段と、該光束の属内の集光点と、該層との厚さ方向の相対的位置を変える変位手段とを有していることを特徴としている。
請求項8の発明は請求項6又は7の発明において、前記光源手段からの光束は、前記光学手段で前記層内の光束の集光点での光強度が光媒触材の光触媒反応の励起に必要なエネルギーとなるように集光されていることを特徴としている。
請求項9の発明は請求項1から8のいずれか1項の発明において、前記光束は、波長380nm以下の紫外線であることを特徴としている。
請求項10の発明は請求項1から9のいずれか1項の発明において、前記光触媒材は酸化チタン系光触媒材であり、その大きさが直径5nm以上の粒子形状であることを特徴としている。
請求項11の発明は請求項1から10のいずれか1項の発明において、前記金属イオンは銀イオン、あるいは銅イオン、あるいは金イオンのうちの1以上であることを特徴としている。
請求項12の発明は請求項1から11のいずれか1項の発明において、前記光源手段にフェムト秒レーザーを使用していることを特徴としている。
請求項13の発明の形状形成装置は、請求項1から12のいずれか1項の形状形成方法を利用して、層内に形状を形成することを特徴としている。
本発明によれば、衝撃,耐光性に強く三次元形状や二次元形状等、任意の形状を高分解能で容易に形成することができる光触媒反応を利用した形状形成方法及び形状形成装置を達成することができる。
次に本発明の光触媒反応を利用した形状形成方法及びそれを用いた形状形成装置の実施例を説明する。
図1は、本発明の形状形成装置の実施例1の一部分の要部概略図である。図2は本発明の形状形成装置の実施例1の光学手段の要部概略図である。図3は図1の変形例の説明図である。図4は本発明の形状形成装置で形成した形状を測定する実施例の概略図である。
図1ではウエハ(支持体)3の上に酸化チタンより成る光触媒材とAgNO3(金属イオン)を混ぜた水溶液(以下「層」ともいう。)1をコートした状態を示している。
水溶液1は後述する光源手段101からの光(レーザ光)に対して透明となっている。ここで水溶液1の中の光触媒材は大きさが直径5nm以上の形状である。以下、光触媒ナノ粒子とも呼ぶとする。
尚、本実施例においては光触媒ナノ粒子の大きさは直径5nm以上が好ましいが、その大きさが大きくなると形成する物の分解能を劣化することになるため、必要精度との関係で大きさの上限の値が決定される。例えばサブミクロン以下の分解能が必要なら100nm以下の直径が本実施例においては適している。
この他、目的に応じて直径5nm以上200nm以下の光触媒ナノ粒子が適用できる。
支持体3として図1ではウエハ3を用い、このウエハ3の一方の面全面にスピンコート法で、材質が酸化チタンである光触媒ナノ粒子を水とアルコール等で混ぜ、更に金属イオンとしてAgNO3がイオン化したものを混在させた水溶液1を厚さt(t=10μm〜1mm)でコートし、焼結したもの(層)を用いている。
紫外線を放射する高圧水銀灯やレーザ等の光源手段101からの光(紫外線)2が光走査手段を含む光学手段102を介して水溶液1中で集光するようにしている。このとき光の進行方向で強度分布を持ち、水溶液1中の任意の位置(特定点)4で光強度が最大となるように光束を集光している。
これによって特定点4に位置している銀イオン(Ag+)が光触媒反応で銀(Ag)となり、光触媒に付着して褐色の形状が形成されるようにしている。
尚、図3の様に、水溶液1をウエハ3上に流れ出さない様に配置して、焼結せずに使用しても良い。
図3では、円筒ホルダー13を支持体であるウエハ3の上に接触して置き、水溶液1を円筒ホルダー13内に注ぎ、図1の場合と同じく、紫外線2が特定点4で集光する様、照射することで、特定点4の銀イオンが光触媒反応で、銀となるのは同様である。この時、水溶液1は、円筒ホルダー13内の留まっており、ウエハ3の円筒ホルダー13の外のウエハ3の部分23に出ないようにしている。
図3の実施例では、はじめにウエハ3側又は円筒ホルダー13の壁面側から順次,固定された3次元物体又は2次元物体を形成するようにしている。
本実施例において形状を形成する方法は、図1と図3では同様であるので以下、図1のみを使用して層1内に三次元形状を形成する方法について説明を行う。
光触媒反応は,酸化チタンの表面でおこるため、反応効率を向上するには表面積を増やせば良いので、光触媒を粒子形状にすることが効果的である。
この水溶液1に波長380nm以下の紫外線2を水溶液1中の光進行方向に強度分布を持つようにして集光して照射する。
波長が380nm以下の紫外線としたのは現在、光触媒反応が効率良く行われる材質の励起される波長帯域であるためであるが、現在400nmの青色の光触媒材質が開発されており、これらが使用できる為である。
紫外線2を照射することで、光触媒ナノ粒子が励起されると、水溶液1中にイオン化して存在する銀イオンAgにe-を供給し、銀イオンAgが還元され、銀析出が生じる。
照射する紫外線2の光強度を水溶液1中で三次元的に変えることで、光強度が強い所のみに銀の形状を形成することが可能となる。これによって任意の三次元形状を形成している。
水溶液1の厚さtの中の特定点4のみに光エネルギーが強くなるように紫外線2を集光照射し、この特定点4が水溶液1中で三次元的に変位するように光束を走査することで、光エネルギーが強い分布を三次元的に形成でき、この部分で光触媒反応が行われ銀の析出が行われ、銀より成る三次元形状を形成している。
水溶液1の厚みtの中の特定点4のみに光エネルギーを強く照射するためには、照射する紫外光2を水溶液1内で集光する様、光学装置を構成し、その集光点である特定点4のみで光触媒効果を発生させている。
特定点4において光触媒反応の励起に十分なエネルギーとなる様、特定点4で集光する様、光学的に構成し、かつ紫外光2をパルス的に照射すれば、三次元的な走査と照射の制御をデジタル的に行うことが可能となる。
照射する紫外光2を集光するのは所望の特定点4のみに光エネルギーを光触媒反応の励起に足る量とし、それ以外の場所では励起反応を発生させないようにしている。
特定点4で形成する銀の大きさは、集光する紫外線のスポットサイズと照射するエネルギーにより制御が可能である。
それは光触媒の励起過程が
光子の吸収 → 一つの電子を一つの銀イオンに渡す → 銀が析出
であり、光子数は照射エネルギーに比例する。
光子の吸収が光触媒の励起反応に対応するため、照射エネルギー、および集光スポットサイズを組み合わせて使用することで 形成したい銀の大きさをコントロールすることが可能となる。
次に紫外線2によって水溶液1中に特定点4を三次元的に形成する方法を図2を用いて説明する。
本実施例では水溶液1中を三次元的に紫外光2で走査するのは、三次元をXYZとすれば、XY方向(面内方向)には二個のガルバノミラー(走査光学手段)を偏向させ、Z方向(厚さt方向)には、水溶液1をコートしたウエハ3の位置を駆動手段でZ方向に変化させている。
尚、光束の集光点(特定点4)と層1とのZ方向の相対的位置の変位を光学手段によって光束の集光状態を変えて行なっても良い。例えば光学手段を構成する一部の光学部材を光軸方向に変位させて行っても良い。
図2において、レーザ5から射出した平行光の紫外線は、ビームエキスパンダーの構成の光学系6,7により光束径が拡大した平行光となり、XZ面内で振動するガルバノミラー8に入射し、XZ平面に偏向され、光学系9,10によりXY面内で振動する第二のガルバノミラー11に入射する。このガルバノミラー11は、反射光をYZ平面に偏向する様に構成する。
この時、光学系9,10は同じ焦点距離の光学系とし、その二つの光学系の主点間隔を焦点距離の二倍となる様に、更にガルバノミラー8、11の反射点の位置がそれぞれ、光学系9,10の焦点位置とすることで、ガルバノミラー8、11を等倍率の結像関係に置いている。
更にガルバノミラー11を反射した平行光は、対物レンズ12に入射し、ウエハ3の上に塗布した水溶液1の中に集光状態の紫外光2として照射し、光触媒反応を発生させ、集光点である特定点4に銀の形状を形成する。
この時、対物レンズ12の光入射側と光出射側の焦点位置がガルバノミラー11と水溶液1の中となるように設定することで、水溶液1に紫外光の主光線が垂直に入射する Telecentricな関係の偏向光学系を構成している。
尚実施例において、水溶液1中に形状を2次元的に形成するようにしても良い。このときは2つのガルバノミラー8,11で光走査し、ウエハ3はZ方向に固定とすれば良い。又、二次元走査光学手段として2つのガルバノミラーを用いる代わりに1つのミラーを用いて二次元的に走査しても良い。
次に本実施例において、水溶液1をコートしたウエハ3を支持する機構や駆動する機構、更に水溶液1の表面を計測する方法を、図4を用いて説明する。
図4に示す様に、対物レンズ12を通して紫外線(図4には不図示)を水溶液1をコートしたウエハ3上の水溶液1に照射する。ウエハ3はチャック20で吸着され、Z駆動系21でZ方向に、XYステージ22でXY方向に駆動する様、構成している。
図1,3で示した通り、水溶液1の厚さtがコントロールしたとしても、支持するウエハ3の厚さがばらつくことが考えられる。このウエハ3の厚さばらつきに影響されずに、三次元形状を、水溶液1の中で正しい位置に形成するためには、水溶液1の表面を計測する必要がある。
この表面を計測する方法は、例えば、特開平6−260391号公報等、数々提案されており、図4はその一例である。この計測原理は斜入射、像ずれ検出方法と呼ばれる方法であり、図4に示す様に、LED等の照明光14をスリット15に照明し、投影光学系16により、スリット15の光学分布(開口部15aと遮光部15bに相当する光強度分布)を水溶液1の表面に照明する。水溶液1の表面で反射した光は検出光学系17、拡大光学系18によりCCDセンサー19に開口部15aの像15cとして結像される。図5にCCDセンサー19上に形成される光学像15cを光電変換した信号を示す。
もし水溶液1の表面がウエハ3の厚さばらつきで、Z方向にチャック20に吸着時に変化すると、CCDセンサー19上の光学像15cはズレるので、光電変換した信号の位置をCCDセンサー19上で各種信号処理で求めれば、水溶液1の表面の位置が判るので、その値に対応してZ駆動系を駆動することで、ウエハ3の厚さばらつきに対応することができる。
こうすることでウエハ3の厚さのばらつきに影響されずに、三次元形状を、水溶液1の中で正しい位置に形成することが可能となる。
ここまで説明してきた様に、本発明によれば、光造形における、衝撃、耐光性に弱いことや変色してしまう問題点を解消し、リソグラフィーの様な莫大な設備投資を必要せずに、光造形のメリットと同じ三次元形状の形成を高分解で達成することができる。
実施例2は、実施例1に比べて水溶液を照射する光源手段にフェムト秒レーザーを使用することが大きく異なっており、その他の基本構成は同じである。
フェムト秒レーザーを使用することで更に多光子吸収の反応を利用することもできる。これにより,水溶液中に形成される銀の大きさをさらに高分解能に制御することが可能であり,例えば100nm程度の分解能で三次元形状を形成することができる。
それは光源波長帯を吸収波長域から長波長側にずらすことで、フェムト秒レーザーを使用した多光子吸収により、局部的に光励起を生じさせるものである。
この光触媒の励起過程は、例えば
二光子の吸収 → 一つの電子を一つの銀イオンに渡す → 銀が析出
となる。
二光子を吸収できる確率は、照射パワーの二乗に比例するので、光子の吸収が光触媒の励起反応に対応するため,照射集光スポットよりもさらに小さな領域のみの銀析出が可能となる。
フェムト秒レーザ等のパルス光を使用しなくて、CW(連続発振)な光を使用することでも本発明の目的は達成される。
それは水溶液中の一点において、照射する連続光の強度を、光触媒の励起に必要な強度より少なめに照射する様に設定すればよい。この強度はある点に対して照射光のスポットの中心となった時のことであり、隣接している点の走査した時にも照射スポットの大きさによって、隣接する点にも照射されるため、ある点において、全ての照射光の積分したエネルギーが、光触媒の励起に必要な強度となる様に、形状化する形状に応じて、照射強度、走査速度、光触媒の反応感度等を決定すれば良い。
以上の各実施例において用いる光触媒と金属イオンの水溶液を支持する支持体の特性は特に制限するものでなく、リソグラフィではシリコンウエハであり、光造形の場合は、ガラス板、石英板、プラスチックシート等がある。
本発明では、これら全ての支持体を使用することができる。プラスチックシートとしてはポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリスチレン、ポリエステル、非晶性ポリアミド等がある。を示すことができる。照射光の紫外線による熱による影響を懸念するのなら石英が好ましい。
光触媒としては、酸化チタン系光触媒材とすることで、380nm以下の紫外線の照射により、金属イオンの還元反応が可能となるその大きさが直径5nm以上の粒子形状として使用する。
紫外線を照射する光源手段は特に限定するものではなく、ハロゲンランプ、キセノンランプ、超高圧水銀灯、紫外線レーザ等があるが、レーザの使用が効率的である。
また図2の実施例では、Z方向には水溶液1をコートしたウエハ3を変化させることで三次元走査を可能としているが、本発明はそれに限定するものではない。
水溶液に対して、集光光を相対的に三次元走査する方法であれば、どのような方法でも良い。
例えばXY走査系の光学系の集光状態を厚さt方向で可変とすることで水溶液1をZ方向に移動することなく走査光をXYZ方向に走査すればよい。
以上のように本実施例によれば、
支持体上に光触媒材と金属イオンを含む液体である水溶液(層)をウエハ等の基板上にコートし、
このとき該光触媒材が酸化チタン系光触媒材であり、その大きさが直径5nm以上の粒子形状とし、
該金属イオンは銀と窒化酸化物からイオン化されたものとし、
該水溶液中に照射を行う照射光を、
波長380nm以下の紫外線を該水溶液中で集光する様にし、
該集光光を三次元に走査している。
そして二次元にはガルバノミラー等の光学的偏向機能をもつ部材を使用し、
もう一次元には、該水溶液を支持する基板をその方向に移動し、
又は光束の集光点を光学的に変位させて光強度分布を三次元的に形成している。
又、光源手段の発光条件としては、連続光で一筆書きとしても良く、パルス光としても良く、またパルス光としては、フェムト秒レーザーを使用しても良く、
これによって光触媒反応により金属形状を形成している。
これによれば、光造形における、衝撃、耐光性に弱いことや変色してしまう問題点を解消し、リソグラフィーの様な莫大な設備投資を必要せずに、光造形の優位点を持った三次元形状を、高分解能で形成することができる。
本発明の実施例1の要部概略図 本発明に係る光学装置における二次元に光を偏向させるTelecentricな光学系の構成を示す図 本発明の実施例1の別の例を示す図であり、光触媒ナノ粒子と銀等の金属イオンを水溶液に溶かして液体のまま円筒ホルダーに注いで、三次元形状形成の処理を行う方法を示す。 水溶液1をコートしたウエハ3を支持する機構や駆動する機構、更に水溶液1の表面を計測する方法を示す説明図 水溶液の表面を計測する信号を示した説明図
符号の説明
1 光触媒と金属イオンを含む水溶液
2 照射する紫外線
3 ウエハ
4 水溶液中に照射した光が集光して銀に変化する特定点
5 レーザー
6,7 ビームエキスパンダーの光学系
8 11 ガルバノミラー
9,10 光学系
12 対物レンズ
13 円筒ホルダー
23 円筒ホルダーの外のウエハ部
14 照明光 15 スリット 16 投影光学系
17 検出光学系 18 拡大光学系 19 CCDセンサー
20 チャック 21 Z駆動系 22 XYステージ

Claims (13)

  1. 光触媒材と金属イオンを含む層に、光源手段からの光束を光学手段を介して該層内に光進行方向に沿って光強度分布が形成されるように入射させ、該層と、該層内の光との相対的位置を変化させて、該層内における該金属イオンを光触媒反応により金属とし、該金属が該光触媒材の表面に固定するようにして、該金属により形状を形成することを特徴とする形状形成方法。
  2. 前記光源手段からの光束を前記光学手段によって、前記層内に集光することにより、前記光強度分布を形成することを特徴とする請求項1記載の形状形成方法。
  3. 前記光束で前記層内を三次元の光強度分布が形成されるように走査し、該層内に三次元形状を形成することを特徴とする請求項1又は2の形状形成方法。
  4. 前記光束の前記層内における三次元走査は、2枚のカルバノミラーによる偏向走査と、前記光源手段と該層との相対的位置の変位によって行っていることを特徴とする請求項1,2又は3の形状形成方法。
  5. 前記光束の前記層内における三次元走査は、2枚のカルバノミラーによる偏向走査と、該光束の該層内における集光位置を光学手段によって変位させて行なっていることを特徴とする請求項1,2又は3の形状形成方法。
  6. 支持体上に、光触媒材と金属イオンを含む層を形成し、光源手段からの光束を光学手段を用いて、該光束の集光点が層内に形成され、かつ該光束の集光点と該層との相対的位置を変化させて照射し、該層内において、該光触媒材の光触媒反応により、該金属イオンを金属とし、該金属が該光触媒材の表面に固定するようにして、該金属により属内に所定形状を形成することを特徴とする形状形成方法。
  7. 前記光源手段からの光束を前記層内において二次元走査する光学走査手段と、該光束の属内の集光点と、該層との厚さ方向の相対的位置を変える変位手段とを有していることを特徴とする請求項6の形状形成方法。
  8. 前記光源手段からの光束は、前記光学手段で前記層内の光束の集光点での光強度が光媒触材の光触媒反応の励起に必要なエネルギーとなるように集光されていることを特徴とする請求項6又は7の形状形成方法。
  9. 前記光束は、波長380nm以下の紫外線であることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項の形状形成方法。
  10. 前記光触媒材は酸化チタン系光触媒材であり、その大きさが直径5nm以上の粒子形状であることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項の形状形成方法。
  11. 前記金属イオンは銀イオン、あるいは銅イオン、あるいは金イオンのうちの1以上であることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項の形状形成方法。
  12. 前記光源手段にフェムト秒レーザーを使用していることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項の形状形成方法。
  13. 請求項1から12のいずれか1項の形状形成方法を利用して、層内に形状を形成することを特徴とする形状形成装置。
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