JP2006042771A - 釣用リール - Google Patents
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Abstract
【課題】 簡単な構成でありながら、放熱性ないし冷却性に優れた釣用リールを提供する。
【解決手段】 リール10は、本体13を備えたロータ12,スプール軸24,スプール30,ドラグノブ80により構成される。スプール30の糸巻き部32の内側には、軸方向に通気孔50が設けられ、スカート部60の側面には吸気口62が設けられる。また、スカート部60の内側には、隙間78を形成するように内側スカート70が設けられる。該内側スカート70と本体13によって形成される空間77は、シーリング29により下方からの空気の出入りが抑制される。スプール30の回転時は、前記吸気口62から隙間78に取り込んだ空気を通気孔50を介してスプール30の上方に放出して放熱する。一方、スプール30の昇降時には、前記空間77の体積の増減を利用して、スプール30の上方から空気を出し入れして放熱する。
【選択図】図1
【解決手段】 リール10は、本体13を備えたロータ12,スプール軸24,スプール30,ドラグノブ80により構成される。スプール30の糸巻き部32の内側には、軸方向に通気孔50が設けられ、スカート部60の側面には吸気口62が設けられる。また、スカート部60の内側には、隙間78を形成するように内側スカート70が設けられる。該内側スカート70と本体13によって形成される空間77は、シーリング29により下方からの空気の出入りが抑制される。スプール30の回転時は、前記吸気口62から隙間78に取り込んだ空気を通気孔50を介してスプール30の上方に放出して放熱する。一方、スプール30の昇降時には、前記空間77の体積の増減を利用して、スプール30の上方から空気を出し入れして放熱する。
【選択図】図1
Description
本発明は、ドラグ機構を備えた釣用リールに関し、更に具体的には、リールの放熱性ないし冷却性の改善に関するものである。
従来、魚釣用に用いられるスピニングリールは、ベールを起こした状態で釣糸を放出した後、前記ベールを閉じてハンドルを回すことによりロータが回転し、該ロータに装着されたスプールの外周面に放出した釣糸が巻き取られる。このとき、スプール自体は回転せず、スプールの周りを回転するラインローラに案内されて釣糸が巻き取られる。また、このような釣糸の巻き取り可能状態のときに大物がかかっても釣糸が切れないように、所定の引張力以上の力が釣糸に加えられたときに前記スプールが自動的に滑って釣糸を送り出すドラグ機能も備えている。従って、所定の引張力以上の力が加わってドラグ機能により釣糸が繰り出される際には、固定されたロータに対してスプールが滑り(回転し)、ハンドルを回して釣糸を巻き取る際には、ロータのみが回転してスプールに釣糸を巻き取る構成となっている。
このような構成の釣用リールでは、いわゆるドラグノブ(ドラグつまみ)の回動操作により、前記スプールの内側に設けられた制動部材(座金など)を圧接して、ドラグ機構の締付け力を調整している。このため、予め設定したドラグ力(引張力)よりも大きな力が作用して長時間にわたって釣糸が繰り出される場合では、ドラグ機構に大きな摩擦熱が発生し、釣糸の強度が低下したり、制動部材に焼き付きを生じたりするなどの問題がある。
上述したドラグ機構の発熱に対しては、例えば、以下の特許文献1に示すように、糸巻胴部の前端にフランジ部を、後端に糸巻胴部より大径の円筒部を一体に設けてなる魚釣り用リールのスプールにおいて、前記フランジ部の前面または円筒部の外周面の少なくともいずれか一方に凹溝と条壁部を設け、ドラグ機構の摩擦熱による高熱化を防止する技術が記載されている。また、特許文献2には、摩擦板相互の接触によってドラグ力が発生するドラグ機構を備えた釣用リールにおいて、摩擦板相互の摩擦により発生する摩擦熱によって加熱されたドラグ機構を冷却水の気化熱により冷却することによって、接触面相互の変質を抑制することが開示されている。
特開2002−238409公報 特開2000−350539公報
しかしながら、以上のような背景技術は、次のような不都合がある。まず、前記特許文献1に記載の技術では、スプールの外側に凹溝部と条壁部を多数設けることで表面積を増し、表面からの放熱作用を増大させることとしているが、実際に摩擦熱が発生するのはスプールの内側であるから、外側の表面積を増やしたのみでは、十分な放熱効果が得られない場合がある。また、特許文献2に記載の技術では、冷却水用のタンクをリール内またはリール外に設ける必要があり、構成が複雑になってしまうという不都合がある。一方、リールは釣糸を巻き取る際に、スプール軸に沿ってスプールが昇降する機構となっているため、該昇降運動を利用して放熱を行うことができれば都合がよいが、上述した背景技術では、いずれもこの点については述べられていない。
本発明は、以上の点に着目したもので、その目的は、簡単な構成でありながら、放熱性ないし冷却性に優れた釣用リールを提供することである。
前記目的を達成するため、本発明は、略円柱状の本体を有しており、ハンドル手段の操作により、前記本体の長手方向を軸として回転可能な回転体,前記ハンドル手段の操作により、前記回転体の本体の略中央部を軸方向に昇降する昇降軸,外周面に釣糸が巻回される糸巻き部と、該糸巻き部の一端側に設けられており、該糸巻き部よりも外径が大きい略円筒状のスカート部と、前記糸巻き部の他端側に設けられたフランジ部とを有するとともに、前記昇降軸に取り付けられ、前記本体に対して昇降可能な糸巻き手段,前記スカート部と略同一形状であって、該スカート部の内面との間に前記糸巻き部の内側へ通じる隙間を形成するように設けられており、下端側が前記スカート部の下端側と接合される内側スカート,前記糸巻き手段のフランジ部側に設けられており、前記釣糸に所定の引張力が与えられたときに、固定された前記本体に対して前記糸巻き手段が回転するように、前記釣糸の繰り出しを制御するドラグ機構,前記糸巻き部の内側に軸方向に形成されており、一端が前記フランジ部側で外部と通じ、他端が前記スカート部と内側スカート間の隙間に通じる少なくとも一つ以上の通気孔,前記スカート部の側面に設けられており、前記糸巻き手段の回転により前記隙間内へ外気を取り込む少なくとも一つ以上の吸気口,を備えたことを特徴とする。
他の発明は、略円筒状の本体を有しており、ハンドル手段の操作により、前記本体の長手方向を軸として回転可能な回転体,前記ハンドル手段の操作により、前記回転体の本体の略中央部を軸方向に昇降する昇降軸,外周面に釣糸が巻回される糸巻き部と、該糸巻き部の一端側に設けられており、該糸巻き部よりも外径が大きい略円筒状のスカート部と、前記糸巻き部の他端側に設けられたフランジ部とを有するとともに、前記昇降軸に取り付けられ、前記本体に対して昇降可能な糸巻き手段,前記糸巻き手段のフランジ部側に設けられており、前記釣糸に所定の引張力が与えられたときに、固定された前記本体に対して前記糸巻き手段が回転するように、前記釣糸の繰り出しを制御するドラグ機構,前記糸巻き部の内側に軸方向に形成されており、一端が前記フランジ部側で外部と通じ、他端が前記スカート部の内側の空間に通じる少なくとも一つ以上の通気孔,前記本体の外周面の上端側に設けられており、前記スカート部の内面とほぼ接することによって、前記スカート部と本体間の空気の下端側からの漏れを抑制する気密手段,を備えたことを特徴とする。
更に他の発明は、略円筒状の本体を有しており、ハンドル手段の操作により、前記本体の長手方向を軸として回転可能な回転体,前記ハンドル手段の操作により、前記回転体の本体の略中央部を軸方向に昇降する昇降軸,外周面に釣糸が巻回される糸巻き部と、該糸巻き部の一端側に設けられており、該糸巻き部よりも外径が大きい略円筒状のスカート部と、前記糸巻き部の他端側に設けられたフランジ部とを有するとともに、前記昇降軸に取り付けられ、前記本体に対して昇降可能な糸巻き手段,前記スカート部と略同一形状であって、該スカート部の内面との間に前記糸巻き部の内側へ通じる隙間を形成するように設けられており、下端側が前記スカート部の下端側と接合されるとともに、上面に少なくとも一つ以上の第1の通気孔が形成された内側スカート,前記糸巻き手段のフランジ部側に設けられており、前記釣糸に所定の引張力が与えられたときに、固定された前記本体に対して前記糸巻き手段が回転するように、前記釣糸の繰り出しを制御するドラグ機構,前記糸巻き部の内側に軸方向に形成されており、一端が前記フランジ部側で外部と通じ、他端が前記スカート部と内側スカート間の隙間に通じる少なくとも一つ以上の第2の通気孔,前記本体の外周面の上端側に設けられており、前記内側スカートの内面とほぼ接することによって、前記内側スカートと本体間の空気の下端側からの漏れを抑制する気密手段,前記スカート部の側面に設けられており、前記糸巻き手段の回転により前記隙間内へ外気を取り込む少なくとも一つ以上の吸気口,を備えたことを特徴とする。
更に他の発明は、略円筒状の本体を有しており、ハンドル手段の操作により、前記本体の長手方向を軸として回転可能な回転体,前記ハンドル手段の操作により、前記回転体の本体の略中央部を軸方向に昇降する昇降軸,外周面に釣糸が巻回される糸巻き部と、該糸巻き部の一端側に設けられており、該糸巻き部よりも外径が大きい略円筒状のスカート部と、前記糸巻き部の他端側に設けられたフランジ部とを有するとともに、前記昇降軸に取り付けられ、前記本体に対して昇降可能な糸巻き手段,前記糸巻き手段のフランジ部側に設けられており、前記釣糸に所定の引張力が与えられたときに、固定された前記本体に対して前記糸巻き手段が回転するように、前記釣糸の繰り出しを制御するドラグ機構,前記本体の外周面の上端側に設けられており、前記スカート部の内面とほぼ接することによって、前記スカート部と本体間の空気の下端側からの漏れを抑制する気密手段,を備えるとともに、前記糸巻き手段が、前記スカート部,本体,気密手段によって形成される空間と外部とをつなぐための通気孔を、少なくとも一つ以上有することを特徴とする。
主要な形態の一つは、前記内側スカートの外周面に、前記スカート部の吸気口から前記隙間に取り入れた空気を上方に案内するための案内手段を設けたことを特徴とする。他の形態は、前記糸巻き部の内側であって、前記昇降軸が貫通する軸受け部の外側に、放熱用のフィンを少なくとも一つ以上設けたことを特徴とする。本発明の前記及び他の目的,特徴,利点は、以下の詳細な説明及び添付図面から明瞭になろう。
本発明は、釣糸を繰り出すドラグ機能を備えたリールにおいて、(1)回転体(ロータ)に装着される糸巻き手段(スプール)のスカート部を2重構造とし、該スカート部の側面から2重構造の隙間に空気を取り入れ、糸巻き手段の上端から外部に放出する,(2)回転体の本体とスカート部の間に形成される空間の体積が、糸巻き手段の昇降によって増減することを利用し、前記糸巻き手段の上端または他のいずれかの位置から空気の出し入れを行う,あるいは、(3)スカート部の側面からの空気の取り入れと、糸巻き手段の昇降を利用した空気の出し入れを組み合わせることとした。このため、釣糸の繰り出しによって生じる熱を、繰り出し時,繰り出し後,または、繰り出し時及び繰り出し後に効率よく放熱し、釣糸や部品の劣化を防止して耐久性の向上を図ることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、実施例に基づいて詳細に説明する。
最初に、図1及び図2を参照しながら、本発明の実施例1を説明する。図1(A)は、本実施例の外観を示す斜視図,図1(B)は前記(A)を#A−#A線に沿って切断し矢印方向に見た断面図である。図2(A)は、本実施例の構造を示す分解斜視図であり、図2(B)は、前記(A)のスプールの内側中心部を矢印FB方向から見た斜視図である。本考案の魚釣用リール(以下「リール」)10は、略円筒状の本体13を備えたロータ12と、前記本体13の略中央部を軸方向に昇降可能なスプール軸24,該スプール軸24が貫通可能であって、前記ロータ12に装着されるスプール30,該スプール30の内部に設けられたドラグ機構を調節するためのドラグノブ80により構成されている。また、前記リール10は、図示しない釣竿に装着するための足20のほか、前記ロータ12を回転させるためのハンドル22を備えている。なお、図示しない回転伝達機構により、前記ハンドル22の回動操作を伝達し、前記ロータ12を回転させることが可能となっている。以下、上述した各部について順に説明する。なお、以下の説明中の「上端」「下端」「上方」「下方」などは、理解を容易にするため、図の上下方向に基づいた表現となっているが、実際の使用時の向きとは異なる場合がある。例えば、リール10の上部と表現されているドラグノブ80は、実際の使用時には前方となり、リール10の下方と表現されているロータ12側は、使用時には後方となるという具合である。
まず、前記ロータ12は、前記略円柱状の本体13のほか、一対の支持アーム14,該支持アームの先端に回動部材15を介して設けられたベール16,前記回動部材15のいずれか一方に設けられたラインローラ18を備えている。前記ベール16は、釣糸の放出可能状態と巻取可能状態を切り替るものであって、通常は、前記ベール16を起こした状態で釣糸を放出し、閉じた(倒した)状態で釣糸を巻き取ることとなっている。また、ラインローラ18は、前記釣糸の巻き取りをガイドするものであって、前記ベール16を閉じた状態でハンドル22を回すと、昇降するスプール30の周りを回転し、後述する糸巻き部32全体に均等な厚みとなるように、釣糸を巻き取る構成となっている。また、前記本体13の外周面の上端側には、スプール30の内側スカート70の内面と接するシーリング29が全周にわたって設けられている。該シーリング29は、例えば、ゴムやシリコンなどによって形成され、公知の各種の手法により本体13の外周面に取り付けられる。なお、シーリング29の機能については後述する。
前記本体13の略中央部には、該本体13に対して昇降可能なスプール軸24が設けられている。該スプール軸24は、前記本体13を貫通し、その下端側は、前記ハンドル22の回転を伝達するための図示しない回転伝達機構に接続される。一方、前記本体13の上方に露出した部分には、後述するスプール30の内側の支持部40を受ける受け部26が設けられている。該受け部26は、歯車とワッシャを含んでおり(図2(A)参照)、前記スプール30側に設けられた図示しない爪とともに、ドラグ機構作動時および調節時の音出し用のラチェット機構を構成する。また、前記受け部26よりも上方の部分は、後述するドラグノブ80の軸受け部88の図示しない長穴と係合する断面略長円形の係合部27となっており、更にその上端部にはネジ部28が形成されている。このようなスプール軸24は、前記ハンドル22の操作により、本体13に対して昇降のみ可能となっており、ロータ12が回転しても、該ロータ12とともに回転することはない。以上のようなドラグ機構,スプール軸24の昇降機構,ロータ12の回転機構は公知技術であり、ここでの詳細な説明は省略する。
次に、スプール30について説明する。スプール30は、外周面に釣糸が巻回される糸巻き部32と、該糸巻き部32の一端側に設けられたフランジ部52と、前記糸巻き部32の他端側に設けられており、該糸巻き部32よりも外径が大きい略円筒状のスカート部60と、該スカート部60の内側に設けられた内側スカート70により構成されている。前記糸巻き部32の内側の略中央部には、上述したドラグ機構を構成するワッシャ群46を収納する収納部34と、前記スプール軸24の上端側を回転可能に貫通させる支持部40が軸方向に連続して設けられている。前記収納部34は、上端が開放した略円筒状であって、その内側に前記ワッシャ群46が収納される。また、該収納部34の内面の上端近傍には、溝部36が形成されており、該溝部36にバネ38を嵌めることによって、収納したワッシャ群46の抜け落ちを防止している。これらワッシャ群46には、スプール軸24の係合部27と係合する略長方形の貫通孔48がそれぞれ形成されている。一方、前記支持部40の略中心には、前記スプール軸24の係合部27を回転可能に貫通させるための断面略円形の貫通孔42が軸方向に形成されている。また、前記支持部40の外周面には、図2(B)に示すように径方向に突出するフィン44が複数設けられている。更に、前記収納部34及び支持部40の外側には、前記糸巻き部32の軸方向に沿って複数の通気孔50が所定間隔で形成されている。
前記フランジ部52は、前記糸巻き部32よりも外径が大きくなっており、該フランジ部52と前記スカート部60を糸巻き部32の軸方向両端に設けることによって、前記糸巻き部32に釣糸を巻回可能となっている。このようなフランジ部52の中央には、後述するドラグノブ80を受けるための段差ないし受け部54が形成されている。なお、受け部54は、上述した糸巻き部32の通気孔50の上端側が外部と通じることができるように底面の大部分が切欠されている。そして、例えば、図2(A)に示すように、前記底面から中心に向けて設けられた突出部56を前記通気孔50間に配置し、該突出部56をボルトなどによって前記糸巻き部32の上面に固定することによって、取り付けられる。
次に、スカート部60は、前記糸巻き部32よりも外径が大きい側面60Bと、該側面60Bと糸巻き部32の外周面を接続する略リング状の上面60Aにより構成されており、前記側面60Bには、適宜間隔で複数の吸気口62が形成されている。該吸気口62の周方向両端は、斜面64となっている。これは、ドラグ機構の作用によってスプール30が滑る(回転する)時に、外気を内側に取り込みやすくするためであって、前記スプール30の回転方向に合わせて前記斜面64の向きが設定されている。
前記スカート部60の内側には、該スカート部60と略同一形状,かつ、若干寸法が小さい内側スカート70が、前記スカート部60の内面と所定の隙間78を形成するように設けられている。内側スカート70は、略円筒状の側面70Bと、略リング状の上面70Aを有しており、該上面70Aの中央部には、前記スプール軸24に設けられた受け部26を貫通可能な開口部72と、その周囲に上方に向けて突出した凸部74が形成されている。前記凸部74には、所定の間隔で複数の通気孔76が形成されており、該通気孔76によって、内側スカート70と前記本体13によって形成される空間77と、前記通気孔50(ないし隙間78)とが通じる構成となっている。また、前記上面70A及び側面70Bに亘って、複数の凸状ライン79が設けられており、これら凸状ライン79間の部分が、図1(B)に示すように前記スカート部60の内面と所定の間隔の隙間78を形成するようになっている。このような隙間78は、前記スカート部60の吸気口62から取り入れた空気を上方へ案内するためのものであって、前記吸気口62と対応する位置および形状に形成される。本実施例では、前記隙間78は、螺旋状となっており、前記吸気口62から取り入れた空気をスムーズに上方に導くことができるようになっている。なお、隙間78の螺旋の向きは、スプール30の回転によって空気を送りやすい方向となるように予め設定されている。
更に、内側スカート70の下端側は、前記吸気口62から取り込んだ空気が、下端側から抜けずに上方へ行くように、前記スカート部60の下端側と接合されている。なお、このような内側スカート70の内面は、上述した本体13の外周面上端に設けられたシーリング29とほぼ接触するような径に予め設定されている。このため、気密性が向上し、本体13と内側スカート70によって形成される空間77の体積が、スプール30の昇降によって増減する際に、該空間77の大部分の空気が、上面70Aの通気孔76から、糸巻き部32の通気孔50を介して外部と通じるようになる。
次に、ドラグノブ80について説明する。ドラグノブ80は、つまみ84が設けられた回動板82と、該回動板82の裏面に設けられた軸受け部88により構成されている。前記回動板82は、前記フランジ部52の受け部54に嵌めたときに、前記通気孔50の上端からの空気の出入を妨げることがないように、前記通気孔50を塞ぐ面積が極力小さくなるような形状・寸法に形成されている。本実施例では、回動板82は、前記スプール30の収納部34の上端の開口よりも若干径が大きい円盤状に形成されている。また、前記つまみ84の略中心には、前記スプール軸24の上端のネジ部28と螺合する雌ネジ部が内側に形成された軸部86が設けられている。一方、前記軸受け部88は、下端側が、前記糸巻き部32の収納部34の上端の開口内に納まる形状に形成されるとともに、軸方向に沿って、前記スプール軸24の係合部27と係合する長穴が形成されている(図示せず)。以上のような回動板82と軸受け部88は、互いに回転可能となっているため、前記軸受け部88にスプール軸24を係合させた状態でつまみ84を回すと、該つまみ84と回動板82のみが回転するとともに、軸部86とネジ部28の螺合により、ドラグノブ80全体が、スプール軸24に沿って昇降可能となる。
次に、本実施例の作用を説明する。釣りに利用する前に、予め釣糸を巻回したスプール30を、ロータ12(スプール軸24)に装着し、前記スプール30から突出したスプール軸24の上端に、ドラグノブ80を取り付ける。そして、ドラグノブ80の調整によりワッシャ群46を圧接し、釣糸の強度などに応じて所定の引張力がかかったときにスプール30が滑り出すように、公知の手法によってドラグ設定を行う。そして、ベール16を起こした状態で釣糸を放出する。この状態では、ロータ12及びスプール30のいずれも回転せず、釣糸のみが放出される。釣糸を十分放出したら、ベール16を閉じ(倒し)、魚がかかったときに釣糸を巻き取れる状態で待機する。ここで、例えば、魚がかかり、該魚が釣糸を引っ張る力が、あらかじめ設定したドラグ力よりも大きい場合には、ドラグ機構の作用により、スプール30が自動的に滑り出し回転する。このとき、スプール30の回転に伴い、スカート部60の側面60Bに設けられた吸気口62から取り込まれた空気(外気)は、内側スカート70の隙間78によって上方に案内され、更に糸巻き部32の通気孔50を通過して、その上端から外部に放出される。これにより、スプール30が回転する際に、自動的にドラグ機構の周囲に空気を流し、該空気によってドラグ機構から発生する熱を効率よく放熱することができる。また、スプール30の内側にフィン44を設けて放熱面積の増大を図るとともに、該フィン44が前記スプール30の回転に伴って回転するため、より一層放熱効果を促進することが可能である。
一方、釣糸を巻き取る際には、前記ハンドル22を回す。ハンドル22を回すと、スプール30がロータ12に対して昇降するとともに、ロータ12のみが回転する。そのため、支持アーム14の回動部材15に取り付けられたラインローラ18が、昇降するスプール30の周りを回転し、糸巻き部32全体に均等な厚みとなるように釣糸が巻き取られる。ところで、このような巻き取りの最中は、常にスプール30が昇降している状態である。すなわち、本体13とスプール30の内側スカート70によって形成される空間77の体積が、常に増減を繰り返している状態である。ここで、本体13に設けられたシーリング29によって、内側スカート70の下端側からの空気の抜け出しを抑制しているため、前記空間77の大部分の空気は、内側スカート70の上面70Aの通気孔76と、糸巻き部32の通気孔50を介して、軸方向に出入を繰り返すことになる。従って、釣糸の巻き取り時にも、スプール30の内側に空気の流れを作り出し、釣糸の繰り出しによって生じた熱を、効率的に放熱(ないし冷却)を行うことができる。
このように、実施例1によれば、ドラグ機能を備えたリール10において、スプール30のスカート部60を2重構造とし、スプール30が滑る(回転する)時には、前記スカート部60の側面から内側スカート70との隙間78に空気を取り入れ、スプール30の上端から外部に放出する。また、釣糸を巻き取る際には、前記スプール30の昇降によってロータ12の本体13と内側スカート70の間に形成される空間77の体積の増減を利用し、前記スプール30の上端から空気の出し入れを行うこととした。このため、釣糸の繰り出しによって生じる熱を、効率よく放熱し、釣糸や部品の劣化を防止して耐久性の向上を図ることができる。また、スプール軸24を支持する支持部40の外側に複数のフィン44を設けることとしたので、スプール30の回転時の放熱を、より一層促進することができる。更に、上述した背景技術では、冷却用のコールドスプレーを利用しても、外側のみが冷却されるのに対して、本実施例では、スカート部60の外側からコールドスプレーを吹き付けると、吸気口62を介して内側からも冷却を行うことができるため、より効率良く内部の放熱を行うことができる。
なお、本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることができる。例えば、以下のものも含まれる。
(1)本発明を構成する材質としては、各種の公知のものが知られており、そのいずれを用いてもよい。例えば、アルミニウムなどの金属や、合金、樹脂などを用いてよい。また、リール10全体としては軽量の方が都合がよいため、リール10の一部を樹脂製とするなども可能である。例えば、内側スカート70のみを樹脂とし、他の部分をアルミニウムなどで形成することにより、強度を保ちながら軽量化を図るようにしてもよい。
(2)前記実施例で示した各部の形状や大きさは一例であり、同様の作用を奏するように適宜変更可能である。
(3)前記実施例で示した通気孔50,76,吸気口62の数は一例であり、必要に応じて適宜増減してよい。
(4)前記実施例では、スプール30の回転時(釣糸の繰り出し時)と、ロータ12の回転時(釣糸の巻き取り時)の双方で、スプール30の内部に空気の流れを作り出して放熱を行う構成としたが、必要に応じていずれか一方の時のみ放熱できる構成としてもよい。
(5)スプール30の内側に設けたフィン44も、必要に応じて設けるようにすればよく、その数や形状も必要に応じて適宜変更してよい。例えば、上述した実施例では、図2(B)に示すように、フィン44の縁が通気孔76の内側に位置するように形成することとしたが、これも一例であり、通気孔76の外側に縁が位置するように大きめに形成するようにしてもよい。
(6)前記実施例では、スカート部60を2重構造とすることとしたが、スプール30の昇降時にのみ放熱を行う場合には、スカート部60を一重構造とし、該スカート部60と本体13間に形成される空間の伸縮を利用するようにしてもよい。また、その場合、上述した実施例1の通気孔50を介して、前記空間と外部との接続を行うようにしてもよいし、スプール30のいずれか任意の位置に設けた通気孔によって行うようにしてもよい。
(1)本発明を構成する材質としては、各種の公知のものが知られており、そのいずれを用いてもよい。例えば、アルミニウムなどの金属や、合金、樹脂などを用いてよい。また、リール10全体としては軽量の方が都合がよいため、リール10の一部を樹脂製とするなども可能である。例えば、内側スカート70のみを樹脂とし、他の部分をアルミニウムなどで形成することにより、強度を保ちながら軽量化を図るようにしてもよい。
(2)前記実施例で示した各部の形状や大きさは一例であり、同様の作用を奏するように適宜変更可能である。
(3)前記実施例で示した通気孔50,76,吸気口62の数は一例であり、必要に応じて適宜増減してよい。
(4)前記実施例では、スプール30の回転時(釣糸の繰り出し時)と、ロータ12の回転時(釣糸の巻き取り時)の双方で、スプール30の内部に空気の流れを作り出して放熱を行う構成としたが、必要に応じていずれか一方の時のみ放熱できる構成としてもよい。
(5)スプール30の内側に設けたフィン44も、必要に応じて設けるようにすればよく、その数や形状も必要に応じて適宜変更してよい。例えば、上述した実施例では、図2(B)に示すように、フィン44の縁が通気孔76の内側に位置するように形成することとしたが、これも一例であり、通気孔76の外側に縁が位置するように大きめに形成するようにしてもよい。
(6)前記実施例では、スカート部60を2重構造とすることとしたが、スプール30の昇降時にのみ放熱を行う場合には、スカート部60を一重構造とし、該スカート部60と本体13間に形成される空間の伸縮を利用するようにしてもよい。また、その場合、上述した実施例1の通気孔50を介して、前記空間と外部との接続を行うようにしてもよいし、スプール30のいずれか任意の位置に設けた通気孔によって行うようにしてもよい。
本発明によれば、(1)回転体(ロータ)に装着される糸巻き手段(スプール)のスカート部を2重構造とし、該スカート部の側面から2重構造の隙間に空気を取り入れ、糸巻き手段の上端から放出する,(2)スカート部と回転体の本体の間に形成される空間の体積が前記糸巻き手段の昇降によって増減することを利用し、前記糸巻き手段の上端または他のいずれかの位置から空気の出し入れを行う,あるいは、前記(1)及び(2)を組み合わせることとした。このため、釣糸の繰り出しによって生じる熱を効率よく発散できるため、釣糸を繰り出すドラグ機能を備えた釣用リールの用途に適用できる。
10:リール
12:ロータ
13:本体
14:支持アーム
15:回動部材
16:ベール
18:ラインローラ
20:足
22:ハンドル
24:スプール軸
26:受け部
27:係合部
28:ネジ部
29:シーリング
30:スプール
32:糸巻き部
34:収納部
36:溝部
38:バネ
40:支持部
42:貫通孔
44:フィン
46:ワッシャ群
48:貫通孔
50:通気孔
52:フランジ部
54:受け部(段差)
56:突出部
60:スカート部
60A:上面
60B:側面
62:吸気口
64:斜面
70:内側スカート
70A:上面
70B:側面
72:開口部
74:凸部
76:通気孔
77:空間
78:隙間
79:凸状ライン
80:ドラグノブ
82:回動板
84:つまみ
86:軸部
88:軸受け部
12:ロータ
13:本体
14:支持アーム
15:回動部材
16:ベール
18:ラインローラ
20:足
22:ハンドル
24:スプール軸
26:受け部
27:係合部
28:ネジ部
29:シーリング
30:スプール
32:糸巻き部
34:収納部
36:溝部
38:バネ
40:支持部
42:貫通孔
44:フィン
46:ワッシャ群
48:貫通孔
50:通気孔
52:フランジ部
54:受け部(段差)
56:突出部
60:スカート部
60A:上面
60B:側面
62:吸気口
64:斜面
70:内側スカート
70A:上面
70B:側面
72:開口部
74:凸部
76:通気孔
77:空間
78:隙間
79:凸状ライン
80:ドラグノブ
82:回動板
84:つまみ
86:軸部
88:軸受け部
Claims (6)
- 略円柱状の本体を有しており、ハンドル手段の操作により、前記本体の長手方向を軸として回転可能な回転体,
前記ハンドル手段の操作により、前記回転体の本体の略中央部を軸方向に昇降する昇降軸,
外周面に釣糸が巻回される糸巻き部と、該糸巻き部の一端側に設けられており、該糸巻き部よりも外径が大きい略円筒状のスカート部と、前記糸巻き部の他端側に設けられたフランジ部とを有するとともに、前記昇降軸に取り付けられ、前記本体に対して昇降可能な糸巻き手段,
前記スカート部と略同一形状であって、該スカート部の内面との間に前記糸巻き部の内側へ通じる隙間を形成するように設けられており、下端側が前記スカート部の下端側と接合される内側スカート,
前記糸巻き手段のフランジ部側に設けられており、前記釣糸に所定の引張力が与えられたときに、固定された前記本体に対して前記糸巻き手段が回転するように、前記釣糸の繰り出しを制御するドラグ機構,
前記糸巻き部の内側に軸方向に形成されており、一端が前記フランジ部側で外部と通じ、他端が前記スカート部と内側スカート間の隙間に通じる少なくとも一つ以上の通気孔,
前記スカート部の側面に設けられており、前記糸巻き手段の回転により前記隙間内へ外気を取り込む少なくとも一つ以上の吸気口,
を備えたことを特徴とする釣用リール。 - 略円筒状の本体を有しており、ハンドル手段の操作により、前記本体の長手方向を軸として回転可能な回転体,
前記ハンドル手段の操作により、前記回転体の本体の略中央部を軸方向に昇降する昇降軸,
外周面に釣糸が巻回される糸巻き部と、該糸巻き部の一端側に設けられており、該糸巻き部よりも外径が大きい略円筒状のスカート部と、前記糸巻き部の他端側に設けられたフランジ部とを有するとともに、前記昇降軸に取り付けられ、前記本体に対して昇降可能な糸巻き手段,
前記糸巻き手段のフランジ部側に設けられており、前記釣糸に所定の引張力が与えられたときに、固定された前記本体に対して前記糸巻き手段が回転するように、前記釣糸の繰り出しを制御するドラグ機構,
前記糸巻き部の内側に軸方向に形成されており、一端が前記フランジ部側で外部と通じ、他端が前記スカート部の内側の空間に通じる少なくとも一つ以上の通気孔,
前記本体の外周面の上端側に設けられており、前記スカート部の内面とほぼ接することによって、前記スカート部と本体間の空気の下端側からの漏れを抑制する気密手段,
を備えたことを特徴とする釣用リール。 - 略円筒状の本体を有しており、ハンドル手段の操作により、前記本体の長手方向を軸として回転可能な回転体,
前記ハンドル手段の操作により、前記回転体の本体の略中央部を軸方向に昇降する昇降軸,
外周面に釣糸が巻回される糸巻き部と、該糸巻き部の一端側に設けられており、該糸巻き部よりも外径が大きい略円筒状のスカート部と、前記糸巻き部の他端側に設けられたフランジ部とを有するとともに、前記昇降軸に取り付けられ、前記本体に対して昇降可能な糸巻き手段,
前記スカート部と略同一形状であって、該スカート部の内面との間に前記糸巻き部の内側へ通じる隙間を形成するように設けられており、下端側が前記スカート部の下端側と接合されるとともに、上面に少なくとも一つ以上の第1の通気孔が形成された内側スカート,
前記糸巻き手段のフランジ部側に設けられており、前記釣糸に所定の引張力が与えられたときに、固定された前記本体に対して前記糸巻き手段が回転するように、前記釣糸の繰り出しを制御するドラグ機構,
前記糸巻き部の内側に軸方向に形成されており、一端が前記フランジ部側で外部と通じ、他端が前記スカート部と内側スカート間の隙間に通じる少なくとも一つ以上の第2の通気孔,
前記本体の外周面の上端側に設けられており、前記内側スカートの内面とほぼ接することによって、前記内側スカートと本体間の空気の下端側からの漏れを抑制する気密手段,
前記スカート部の側面に設けられており、前記糸巻き手段の回転により前記隙間内へ外気を取り込む少なくとも一つ以上の吸気口,
を備えたことを特徴とする釣用リール。 - 略円筒状の本体を有しており、ハンドル手段の操作により、前記本体の長手方向を軸として回転可能な回転体,
前記ハンドル手段の操作により、前記回転体の本体の略中央部を軸方向に昇降する昇降軸,
外周面に釣糸が巻回される糸巻き部と、該糸巻き部の一端側に設けられており、該糸巻き部よりも外径が大きい略円筒状のスカート部と、前記糸巻き部の他端側に設けられたフランジ部とを有するとともに、前記昇降軸に取り付けられ、前記本体に対して昇降可能な糸巻き手段,
前記糸巻き手段のフランジ部側に設けられており、前記釣糸に所定の引張力が与えられたときに、固定された前記本体に対して前記糸巻き手段が回転するように、前記釣糸の繰り出しを制御するドラグ機構,
前記本体の外周面の上端側に設けられており、前記スカート部の内面とほぼ接することによって、前記スカート部と本体間の空気の下端側からの漏れを抑制する気密手段,
を備えるとともに、
前記糸巻き手段が、前記スカート部,本体,気密手段によって形成される空間と外部とをつなぐための通気孔を、少なくとも一つ以上有することを特徴とする釣用リール。 - 前記内側スカートの外周面に、前記スカート部の吸気口から前記隙間に取り入れた空気を上方に案内するための案内手段を設けたことを特徴とする請求項1又は3のいずれかに記載の釣用リール。
- 前記糸巻き部の内側であって、前記昇降軸が貫通する軸受け部の外側に、放熱用のフィンを少なくとも一つ以上設けたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の釣用リール。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004249350A JP2006042771A (ja) | 2004-08-01 | 2004-08-01 | 釣用リール |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004249350A JP2006042771A (ja) | 2004-08-01 | 2004-08-01 | 釣用リール |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006042771A true JP2006042771A (ja) | 2006-02-16 |
Family
ID=36022013
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004249350A Pending JP2006042771A (ja) | 2004-08-01 | 2004-08-01 | 釣用リール |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006042771A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP3175708A1 (en) | 2015-12-04 | 2017-06-07 | Shimano Inc. | Spinning reel spool and spinning reel |
-
2004
- 2004-08-01 JP JP2004249350A patent/JP2006042771A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP3175708A1 (en) | 2015-12-04 | 2017-06-07 | Shimano Inc. | Spinning reel spool and spinning reel |
KR20170066200A (ko) | 2015-12-04 | 2017-06-14 | 가부시키가이샤 시마노 | 스피닝 릴의 스풀, 및 스피닝 릴 |
US10143190B2 (en) | 2015-12-04 | 2018-12-04 | Shimano Inc. | Spinning reel spool and spinning reel |
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