JP2006041995A - Σδ型a/d変換回路を内蔵した半導体集積回路および通信用半導体集積回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】 マルチビットのローカルA/D変換回路とローカルD/A変換回路とを備えたΣΔ型A/D変換回路を半導体チップに内蔵させる場合に基準電圧を生成する基準電圧生成回路の出力端子に接続する安定化容量の数を減らし、もってチップサイズの増大、外部端子数の増加を回避することが可能なΣΔ型A/D変換回路を内蔵した半導体集積回路を提供する。
【解決手段】 マルチビットのローカルA/D変換回路(15)とローカルD/A変換回路(17,18)とを備えたΣΔ型A/D変換回路を内蔵した半導体集積回路において、少なくとも初段側のローカルD/A変換回路で使用される基準電圧として外部から供給される安定な電源電圧および接地電位を使用するとともに、電源電圧に応じた基準電圧を生成する基準電圧生成回路(21a,21b,21c)を設けて、生成された基準電圧をローカルA/D変換回路に供給させるようにした。
【選択図】 図1
【解決手段】 マルチビットのローカルA/D変換回路(15)とローカルD/A変換回路(17,18)とを備えたΣΔ型A/D変換回路を内蔵した半導体集積回路において、少なくとも初段側のローカルD/A変換回路で使用される基準電圧として外部から供給される安定な電源電圧および接地電位を使用するとともに、電源電圧に応じた基準電圧を生成する基準電圧生成回路(21a,21b,21c)を設けて、生成された基準電圧をローカルA/D変換回路に供給させるようにした。
【選択図】 図1
Description
本発明は、アナログ信号をディジタル信号に変換するためのアナログ−ディジタル(A/D)変換回路さらにはローカルA/D変換回路とローカルD/A変換回路とを備えたオンチップのA/D変換回路においてA/D変換に用いられる基準電圧の安定化技術に関し、特にローカルA/D変換回路がマルチビット構成であるΣΔ(シグマ・デルタ)型A/D変換回路およびそれを内蔵した通信用半導体集積回路に利用して有効な技術に関するものである。
現在、携帯電話器のような無線通信システムは、一般に、送信信号の変調機能および受信信号の復調機能を有する半導体集積回路(RF−IC)や送信データを基本波に対し同相成分のI信号および直交成分のQ信号に変換したり受信信号から復調されたI,Q信号を処理してデータを復元したりするベースバンド回路などの半導体集積回路と、送信信号を電力増幅してアンテナより出力させるパワーアンプを含むパワーモジュールなどにより構成されている。従来、上記RF−ICとベースバンドLSIとの間で伝達されるI,Q信号はアナログ信号であることが多かった。
一方、ベースバンドLSIは、内部処理のほとんどがディジタル処理で行なわれるため、ベースバンドLSI側に、入力された受信アナログI,Q信号をディジタル信号に変換するAD変換回路や送信ディジタルI,Q信号をアナログ信号に変換するDA変換回路が設けられていた。この場合、ベースバンドLSIは、大部分がディジタル回路であるにもかかわらずアナログ回路であるAD変換回路やDA変換回路を内蔵するため、LSIの製造プロセスにアナログ回路を構成する素子を形成するための工程を含むことになり、それによりチップコストが高くなるという不具合がある。
そこで、本発明者等は、上記RF−IC側にAD変換回路とDA変換回路を設けて、RF−ICとベースバンドLSIとの間で、I,Q信号をディジタル信号で伝達することを検討した。RF−IC側にAD変換回路とDA変換回路を設けることにより、ベースバンドLSI側にはAD変換回路やDA変換回路が不要になり、プロセスにアナログ回路素子を形成するための工程が不要になって、チップコストを低減することができるとともに、RF−ICの受信系回路においては復調回路の後段に設けられる高利得増幅回路やフィルタを簡略化してチップサイズの低減が可能になるためである。
また、I,Q信号をディジタル化することにより、SN比(Signal to Noise Ratio)を向上させることができる。なお、RF−IC側にAD変換回路とDA変換回路を設けたとしても、RF−ICはもともとアナログ回路を含むためチップサイズは増大するもののプロセスが複雑にならないため、コストアップはベースバンドLSI側にAD変換回路とDA変換回路を設ける場合よりも小さくて済む。
従来より、A/D変換器には、逐次比較型やオーバーサンプル型など種々の形式のものが開発されている。一般に、A/D変換器でアナログ入力信号をディジタル信号に変換する場合、サンプリング周波数を高くすれば、信号周波数近傍のSN特性を向上させることができる。オーバーサンプル型A/D変換器は、オーバーサンプル比(信号帯域の周波数に対するナイキスト(サンプリング周波数の1/2)周波数の比を高くすることによりSN特性を向上させた方式である。
オーバーサンプル型A/D変換器は、Δ(デルタ)変調方式、ΣΔ変調方式、それらの混合方式に大別できる。このうち、ΣΔ変調方式は、出力信号と入力信号との差を積分器で積分し、この積分器の出力が最小となるようにフィードバック制御するものである。このΣΔ変調方式においては、アナログ積分の次数すなわち積分器の数を増やすことにより、SN特性をさらに改善することができる。つまり、アナログ積分の次数を1次増やす毎に、ほぼオーバーサンプリング比の2乗に逆比例したノイズシェーピング特性(雑音整形)が期待できる。
本発明者等は、上記RF−ICに内蔵されて、復調回路で復調されたI,Q信号をディジタル信号に変換するA/D変換器としては、変調精度および変換速度の点からオーバーサンプリング型A/D変換器、その中でも特にΣΔ変調方式のA/D変換器(以下、ΣΔ型A/D変換器と称する)が適していると考えた。なお、RF−IC側にΣΔ型A/D変換器を設けて、復調回路で復調されたI,Q信号をディジタル信号に変換してベースバンド回路へ伝達するようにした発明としては例えば特許文献1に記載の発明がある。
また、本発明に関連のある先願発明として特許文献2に記載の発明がある。この先願発明の公報には、ローカルAD変換回路とローカルDA変換回路を有するΣΔ型A/D変換器において、帰還ディジタル信号によってスイッチを切り替えて電源電位またはグランド電位をキャパシタに印加するようにしたものが開示されているが、この先願発明のΣΔ型A/D変換器はローカルA/D変換回路が1ビット構成である点および電源電位とグランド電位以外の中間電位(いわゆるアナロググランド電位)を参照電位として使用していない点で本願発明とは異なる。
特開2002−368621号公報
特開平8−125541号公報
一般に、AD変換回路やDA変換回路には基準電圧が必要であり、高精度のAD変換結果やDA変換結果を得るには基準電圧の精度が高くなくてはならない。ところが、DA変換回路には基準電圧の切り替えのためスイッチ素子が設けられる。また、スイッチド・キャパシタ型AD変換回路にも電荷の転送のためスイッチ素子と容量素子が設けられる。そして、かかるスイッチ素子のオン・オフ動作によって基準電圧が変動するおそれがある。この基準電圧の変動を抑制するため、従来は一般に、基準電圧を生成する基準電圧生成回路の出力端子に安定化容量(バイパスコンデンサ)を接続してインピーダンスを低くすることが行なわれている。
AD変換回路では、10ビット以上の高精度のAD変換結果を得たい場合には、上記安定化容量として数μF程度の大容量が必要であり、これを半導体チップに内蔵させることは困難である。また、ΣΔ型A/D変換回路では、少なくとも2種類、スイッチド・キャパシタ型では3種類の基準電圧が必要でありこれに応じて安定化容量も3個必要であるため、安定化容量を接続する外部端子数が多くなって、チップサイズの増大、部品点数の増加を招くという課題があることが分かった。
本発明の目的は、マルチビットのローカルA/D変換回路とローカルD/A変換回路とを備えたΣΔ型A/D変換回路を半導体チップに内蔵させる場合に、基準電圧を生成する基準電圧生成回路の出力端子に接続する安定化容量の数を減らし、もってチップサイズの増大、外部端子数の増加を回避することが可能なΣΔ型A/D変換回路を内蔵した半導体集積回路を提供することにある。
本発明の他の目的は、チップサイズの増大を抑制しつつ高精度のA/D変換が可能なΣΔ型A/D変換回路を内蔵した半導体集積回路を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、ΣΔ型A/D変換回路を内蔵した半導体集積回路を用いたシステムの小型化を達成することにある。
本発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴は本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
本発明のさらに他の目的は、ΣΔ型A/D変換回路を内蔵した半導体集積回路を用いたシステムの小型化を達成することにある。
本発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴は本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば下記の通りである。
すなわち、マルチビットのローカルA/D変換回路とローカルD/A変換回路とを備えたΣΔ型A/D変換回路を内蔵した半導体集積回路において、少なくとも初段側のローカルD/A変換回路で使用される基準電圧として外部から供給される安定な電源電圧および接地電位を使用するとともに、電源電圧に応じた基準電圧を生成する基準電圧生成回路を設けて、生成された基準電圧をローカルA/D変換回路に供給させるようにしたものである。
すなわち、マルチビットのローカルA/D変換回路とローカルD/A変換回路とを備えたΣΔ型A/D変換回路を内蔵した半導体集積回路において、少なくとも初段側のローカルD/A変換回路で使用される基準電圧として外部から供給される安定な電源電圧および接地電位を使用するとともに、電源電圧に応じた基準電圧を生成する基準電圧生成回路を設けて、生成された基準電圧をローカルA/D変換回路に供給させるようにしたものである。
一般に、半導体集積回路を使用したシステムにおいては、電圧レギュレータで降圧もしくは昇圧した電圧を半導体集積回路に電源電圧として供給することが行なわれており、かかる電圧レギュレータの出力端子には生成された基準電圧を安定化させる容量素子が接続されており、半導体集積回路に印加される電源電圧は非常に安定したものであることが多い。上記した手段によれば、初段側のローカルD/A変換回路で使用される基準電圧として外部から供給される安定な電源電圧および接地電位を使用するため、ローカルD/A変換回路で使用される基準電圧を生成する基準電圧生成回路および基準電圧生成回路の出力端子に接続する安定化容量の数を減らすことができ、安定化容量を接続するための外部端子も少なくなってチップサイズの低減が可能になる。
また、ローカルA/D変換回路で使用する基準電圧はローカルD/A変換回路で使用される基準電圧に比べるとそれほど高い精度を必要としないため、該基準電圧を生成する基準電圧生成回路の出力端子に接続する安定化容量の容量値を小さくして半導体チップ上に形成することが可能になる。これによって、ΣΔ型A/D変換回路を内蔵した半導体集積回路を用いたシステムの小型化を図ることができる。
ここで、望ましくは、ローカルA/D変換回路で使用する基準電圧を生成する基準電圧生成回路は、生成する基準電圧を変更可能な構成とするとともに、生成する基準電圧のレベルを設定するためのレジスタもしくは電源電圧レベル検出回路を設けて、使用する電源電圧のレベルに応じて基準電圧生成回路により生成される基準電圧のレベルを変更するように構成する。
上記した手段によれば、ΣΔ型A/D変換回路を内蔵した半導体集積回路が適用されるユーザーシステムによって使用する電源電圧のレベルが異なったとしても、電源電圧のレベルに応じた基準電圧を生成してローカルA/D変換回路に与えて動作させることができるため、精度の高いA/D変換出力を得ることができる。
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば下記のとおりである。
すなわち、本発明に従うと、ΣΔ型A/D変換回路を半導体チップに内蔵させる場合に、基準電圧を生成する基準電圧生成回路の出力端子に接続する安定化容量の数を減らし、もって外部端子数の増加、チップサイズの増大を回避することが可能な半導体集積回路を実現することができる。
すなわち、本発明に従うと、ΣΔ型A/D変換回路を半導体チップに内蔵させる場合に、基準電圧を生成する基準電圧生成回路の出力端子に接続する安定化容量の数を減らし、もって外部端子数の増加、チップサイズの増大を回避することが可能な半導体集積回路を実現することができる。
また、本発明に従うと、チップサイズの増大を抑制しつつ高精度のA/D変換が可能なΣΔ型A/D変換回路を内蔵した半導体集積回路を得ることができるとともに、ΣΔ型A/D変換回路を内蔵した半導体集積回路を用いたシステムの小型化を達成することができるという効果がある。
以下、図面を用いて本発明の実施形態を説明する。
図1には、本発明に係るΣΔ変調方式のA/D変換回路の第1の実施例が示されている。
図1に示されているA/D変換回路は、2次のΣΔ変調方式とされ、公知の半導体集積回路製造技術により単結晶シリコンチップのような一つの半導体基板に形成される。
図1には、本発明に係るΣΔ変調方式のA/D変換回路の第1の実施例が示されている。
図1に示されているA/D変換回路は、2次のΣΔ変調方式とされ、公知の半導体集積回路製造技術により単結晶シリコンチップのような一つの半導体基板に形成される。
図1の実施例のΣΔ型A/D変換回路は、アナログ入力信号Vinと帰還信号Vf1との差分をとる第1加算回路11と、該第1加算回路11の出力の積分を行なう第1積分回路12と、該第1積分回路12の出力と帰還信号Vf2との差分をとる第2加算回路13と、該第2加算回路13の出力の積分を行なう第2積分回路14と、該第2積分回路14の出力をNビットのディジタル信号に変換して出力するローカルA/D変換回路15と、該A/D変換回路15の出力をそれぞれD/A変換して前記第1加算回路11と第2加算回路12へ供給する第1のローカルD/A変換回路(DAC1)17と第2のローカルD/A変換回路(DAC2)18とにより構成されている。
ローカルA/D変換回路15は、第2積分回路14の出力を基準電圧と比較して量子化する量子化回路51と、該量子化回路51の出力をエンコードするエンコーダ52とから構成することができる。エンコーダ52の出力がNビット(Nは2以上の整数)の場合、量子化回路51の出力信号は2のN乗個である。量子化回路51は第2積分回路14の出力電圧を2のN乗個の基準電圧と比較する電圧比較回路により構成される。そして、これらの電圧比較回路の出力信号が、エンコーダ16によりNビットの信号にエンコードされて本実施例のΣΔ型A/D変換回路の出力信号として後段回路に伝達される。
これとともに、上記電圧比較回路からなる量子化回路51の出力信号はローカルD/A変換回路17,18へも伝達され、ローカルD/A変換回路17,18でアナログ信号に変換された信号が、帰還信号Vf1,Vf2として上記第1加算回路11と第2加算回路12に供給されるようにされている。なお、ある値aからbを減算する減算回路は、aに−bを加算する加算回路とみることができるので、この明細書では減算回路を加算回路と記すこととした。
この実施例では、ローカルA/D変換回路15で必要とされる基準電圧Vref(+),Vcm,Vref(-)を生成する基準電圧生成回路21a,21b,21cが設けられており、このうち基準電圧VcmはローカルD/A変換回路17,18へアナロググランド電位として供給されている。一方、ローカルD/A変換回路17,18は、基準電圧Vref(+),Vref(-)の代わりにチップの電源電圧Vccと接地電位GNDが基準電圧として供給されている。ここで、基準電圧生成回路21bで生成された基準電圧VcmがローカルD/A変換回路17,18に供給されているのは、ローカルD/A変換回路17,18においては、基準電圧としての電源電圧Vccと接地電位GNDに比べるとVcmは若干精度が低くても良いためである。
上記各基準電圧生成回路21a,21b,21cの出力端子には、生成された電圧を安定化させるため、数10pF程度の比較的小さな安定化容量Ca1,Cb1,Cc1がそれぞれ接続されている。なお、VcmはVref(+)とVref(-)の中間の電位であり、例えばVref(+)が1.9Vで、Vref(-)が0.9Vの場合、Vcmは1.4Vのような電位とされる。基準電圧生成回路21a,21b,21cの出力インピーダンスが充分に低ければ、基準電圧生成回路21a,21b,21cに接続する安定化容量Ca1,Cb1,Cc1は省略することも可能である。
図2には上記基準電圧生成回路21a,21b,21cの具体的な回路例が、図3には上記ローカルA/D変換回路15の具体的な回路例が、また図4には上記ローカルD/A変換回路17,18の具体的な回路例が、さらに図5には上記積分回路12,14の具体的な回路例が示されている。特に制限されるものでないが、本実施例では、スイッチド・キャパシタ型の回路が用いられている。
基準電圧生成回路21a,21b,21cは、図2に示されているように、定電流源CSおよび該定電流源CSからの電流Icを電圧に変換する抵抗Rcからなる定電圧回路CVGと、生成された定電圧をインピーダンス変換するボルテージフォロワVF1とから構成されている。定電流源CSは、電源電圧依存性および温度依存性のない基準電圧を生成するバンドギャップリファランス回路と、生成された基準電圧をベースもしくはゲートに受けるバイポーラ・トランジスタもしくはMOSトランジスタとにより構成することができる。
ローカルA/D変換回路15は、図3に示されているように、差動アンプからなる8個の比較器CMP1〜CMP8と、同一容量値の8対の入力容量C11,C12;……C81,C82と、8組のスイッチSW11〜SW14;……SW81〜SW84とからなるマルチビット構成とされている。各比較器CMP1〜CMP8には、基準電圧Vref(+),Vcm,Vref(-)をラダー抵抗R1〜R7からなる分圧回路で分割して生成した参照電圧Vr1(+),Vr1(-);……Vr4(+),Vr4(-)がスイッチSW11,SW14;……SW81,SW84を介して入力容量C11,C12;……C81,C82に印加可能にされているとともに、積分回路14からの差動出力が差動入力Vin(+),Vin(-)としてスイッチSW12,SW13;……SW82,SW83を介して入力容量C11,C12;……C81,C82に印加可能にされている。
図3のローカルA/D変換回路15は、第1フェーズ(基準クロックφ0の1周期の前半)でスイッチSW11,SW14;……SW81,SW84がオン状態にされて入力容量C11,C12;……C81,C82に参照電圧Vr1(+),Vr1(-);……Vr4(+),Vr4(-)に応じた電荷が蓄積された後、第2フェーズ(基準クロックφ0の1周期の後半)でスイッチSW11,SW14;……SW81,SW84がオフされ、代わってSW12,SW13……SW82,SW83がオン状態にされて入力容量C11,C12;……C81,C82に入力Vin,Vin(-)が供給されVin(-),Vin(-)と参照電圧Vr1(+),Vr1(-);……Vr4(+),Vr4(-)との差電圧に応じた電荷がC11,C12;……C81,C82に残ることで、比較器CMP1〜CMP8がそれぞれいずれの入力電圧が高いかを判定し、8個の比較結果J1〜J8を出力するように動作する。
具体的には、Vin>Vr1(+)のときはJ1〜J8がオール"1"、Vr1(+)>Vin>Vr2(+)のときはJ1〜J7="1",J8="0"に、Vr2(+)>Vin>Vr3(+)のときはJ1〜J6="1",J7,J8="0"に、Vr2(+)>Vin>Vr3(+)のときはJ1〜J5="1",J6〜J8="0"に、……Vr3(-)>Vin>Vr4(-)のときはJ1="1",J2〜J8="0"に、Vr4(-)>VinのときはJ1〜J8="0"になる。
なお、図3のローカルA/D変換回路15は、回路動作的には中間電圧Vcmは不要であるが、ラダー抵抗の中点に電圧Vcmを与えることで、分圧電圧の精度を高めるとともにカップリング容量などを介して飛び込んでくるノイズに対して分圧電圧を安定化させることができる。
ローカルD/A変換回路17,18は、図4に示されているように、一方の端子同士が共通結合された同一容量値の8個の容量C91〜C98と、これらの容量C91〜C98の他方の端子にそれぞれ接続され3個を一組とする8組のスイッチS11,S12,S13;……S81,S82,S83と、容量C91〜C98の共通結合ノードと出力端子OUTとの間に接続されたスイッチSWOと、容量C91〜C98の共通結合ノードと基準電圧Vcmが印加されたアナロググランド端子との間に接続されたスイッチSWGとから構成されている。
上記8組のスイッチS11〜S13;……S81〜S83のうち最初のスイッチS11,S21,S31……S81は中間の基準電圧Vcmを容量C91〜C98に伝え、次のスイッチS12,S22,S32……S82は正の基準電圧Vref(+)を容量C91〜C98に伝え、残りのスイッチS13,S23,S33……S83は負の基準電圧Vref(-)を容量C91〜C98に伝えるためのものである。正の基準電圧Vref(+)を容量C91〜C98に伝えるスイッチS12,S22,S32……S82と、負の基準電圧Vref(-)を容量C91〜C98に伝えるスイッチS13,S23,S33……S83は、前記ローカルA/D変換回路15の8個の比較器CMP1〜CMP8の出力J1〜J8に応じて、いずれか一方がオン状態にされ他方がオフ状態にされる。
本実施例においては、後段側のローカルD/A変換回路18はローカルA/D変換回路15と同一の基準電圧Vref(+)とVref(-)を使用しているため、上記のように容量C91〜C98の容量値が設定される一方、初段側のローカルD/A変換回路17は、基準電圧として電源電圧Vccと接地電位GNDを使用しているため、その容量C91〜C98の容量値が後段側のローカルD/A変換回路18の容量C91〜C98の容量値の{Vref(+) −Vref(-)}/Vcc倍に設定される。これにより、積分回路12への電荷の戻り量を、初段側のローカルD/A変換回路17の基準電圧としてローカルA/D変換回路15と同一の基準電圧Vref(+)とVref(-)を使用した場合と、同一にすることができる。
図4のローカルD/A変換回路は、第1フェーズでは、図4(A)のように、スイッチS11,S21,S31……S81と出力スイッチSWOがオフ状態に、またスイッチSWGがオン状態にされて、スイッチS12,S22,S32……S82とS13,S23,S33……S83がローカルA/D変換回路15の出力J1〜J8に応じてオンまたはオフ状態にされて、オン状態のスイッチの入力(Vref(+)またはVref(-))とVcmとの差電位に応じた電荷が容量C91,C92……C98に蓄積される。
その後、第2フェーズでは、図4(B)のように、スイッチS11,S21,S31……S81と出力スイッチSWOがオン状態に、またスイッチSWGとスイッチS12,S22,S32……S82およびS13,S23,S33……S83がオフ状態にされて、容量C91,C92……C98に蓄積されていた電荷を合算した電圧がスイッチSWOを介して出力端子OUTに伝達され出力されるように動作する。
積分回路12,14は、図5に示されているように、差動アンプAMPと、該差動アンプAMPの差動出力端子と差動入力端子との間に接続された一対の積分容量CM1,CM2と、差動アンプAMPの差動入力端子と入力ノードN1,N2との間に接続されたスイッチSI1,SI2と、上記入力ノードN1,N2と基準電圧Vcmが印加されたアナロググランド端子との間に接続された一対のスイッチSG1,SG2と、上記入力ノードN1,N2に一方の端子が結合された一対の入力容量CI1,CI2と、これらの容量CI1,CI2の他方の端子にそれぞれ接続された2組のスイッチSI11,SI12およびSI21,SI22から構成されている。
上記2組のスイッチスイッチSI11,SI12およびSI21,SI22のうちスイッチSI11,SI21は中間の基準電圧Vcmを入力容量CI1,CI2に伝え、他方のスイッチSI12,SI22は前段の回路からの入力信号Vin,Vin(-)を入力容量CI1,CI2に伝えるためのものである。また、本実施例の積分回路は上記入力ノードN1,N2に、ローカルD/A変換回路17a,17bの出力端子が接続されている。これにより、図5の積分回路は、図1の加算回路11と積分回路12(または加算回路13と積分回路14)とを含んだような回路として構成されている。
なお、ローカルD/A変換回路17aと17bは、それぞれアナロググランド端子に印加された基準電圧Vcmを中心電位(0V)として絶対値が同一である正電圧と負電圧を出力する回路であり、積分回路12,14が図5に示されているように、差動型の回路である場合には、図4のローカルD/A変換回路(17a)とは別に、図4と同一の構成を有し逆相の動作を行なうローカルD/A変換回路(17b)が設けられる。
また、積分回路12,14の容量CI1,CI2は、ローカルD/A変換回路の容量C91〜C98との比が最適になるように設定され、その容量比はΣΔA/D変換回路の持つ伝達関数により決定される。容量の絶対値は、雑音レベルや、容量を半導体チップに形成する際の加工精度に応じて決定される。また、ΣΔA/D変換回路の伝達関数は、要求されるSN比やΣΔA/D変換回路の安定性を考慮して、シミュレーションにより決定される。
図6には、図5の積分回路内のスイッチをオン、オフさせる互いに位相が異なる動作クロックφ1とφ2のタイミングが示されている。動作クロックφ1とφ2は、貫通電流が流れるのを防止するため、基準クロックφ0に基づいてそれぞれハイレベルの期間が重ならないように形成される。
図5の積分回路は、第1フェーズで動作クロックφ1によりスイッチSG1,SG2とSI11,SI21がオン状態にされて入力容量CI1,CI2に入力信号Vin,Vin(-)に応じた電荷が蓄積された後、第2フェーズでスイッチSG1,SG2とSI11,SI21がオフされ、代わって動作クロックφ2によりSI1,SI2とSI12,SI22がオン状態にされて入力Vin,Vin(-)と基準電圧Vcmとの差電圧に応じた電荷がCI1,CI2に残る。さらに、これと同時にローカルD/A変換回路17aと17bからの出力電圧がノードN1,N2に印加されて加算された電圧が、スイッチSI1,SI2を介して差動アンプAMPの差動入力端子に供給されて、入力容量CI1,CI2と積分容量CM1,CM2との間の電荷再配分によって、入力電圧を積分した電圧を出力するように動作する。
以上第1の実施例のΣΔ型A/D変換回路について説明したが、第1の実施例では電源電圧Vccが安定であっても、システムによって使用する電圧レギュレータが異なるため、設計値から若干ずれた電源電圧が供給される場合がある。電源電圧Vccがずれると積分回路に対するフィードバック係数が変化して変換精度が低下するという不具合がある。そこで、以下に、電源電圧Vccがずれたとしても変換精度が低下しないように対策をした実施例について説明する。
図7には、本発明に係るA/D変換回路の第2の実施例が示されている。本実施例のA/D変換回路も図1と同様な2次のΣΔ変調方式のA/D変換回路である。
この実施例では、ローカルA/D変換回路15で必要とされる基準電圧Vref(+),Vcm,Vref(-)を生成する基準電圧生成回路21a,21b,21cで生成された基準電圧Vref(+),Vcm,Vref(-)が、ローカルD/A変換回路17,18のうち後段側のローカルD/A変換回路18に供給されるように構成され、後段側のローカルD/A変換回路18で必要とされる基準電圧Vref(+),Vcm,Vref(-)を生成する基準電圧生成回路が、ローカルA/D変換回路15用の基準電圧生成回路21a,21b,21cと共用されている。
この実施例では、ローカルA/D変換回路15で必要とされる基準電圧Vref(+),Vcm,Vref(-)を生成する基準電圧生成回路21a,21b,21cで生成された基準電圧Vref(+),Vcm,Vref(-)が、ローカルD/A変換回路17,18のうち後段側のローカルD/A変換回路18に供給されるように構成され、後段側のローカルD/A変換回路18で必要とされる基準電圧Vref(+),Vcm,Vref(-)を生成する基準電圧生成回路が、ローカルA/D変換回路15用の基準電圧生成回路21a,21b,21cと共用されている。
この実施例においても、各基準電圧生成回路21a,21b,21cの出力端子にはそれぞれ比較的小さな安定化容量Ca1,Cb1,Cc1が接続されている。第1の実施例と同様に、基準電圧生成回路21bで生成された基準電圧Vcmが初段側のローカルD/A変換回路17に供給され、初段側のローカルD/A変換回路17には基準電圧Vref(+),Vref(-)の代わりにチップの電源電圧Vccと接地電位GNDが基準電圧として供給されている。
さらに、この実施例においては、各基準電圧生成回路21a,21b,21cが生成する基準電圧Vref(+),Vcm,Vref(-)をそれぞれ調整することができるように構成されるとともに、電源電圧Vccのレベルを検出する電源電圧レベル検出回路31とその検出結果を保持するレジスタ32とからなる基準電圧制御回路30が設けられており、使用する電源電圧Vccのレベルに応じて基準電圧生成回路21a,21b,21cにより生成される基準電圧Vref(+),Vcm,Vref(-)のレベルを変更するように構成されている。
図8には、生成電圧が調整可能な基準電圧生成回路21a(21b,21c)と電源電圧レベル検出回路31の具体例が示されている。
基準電圧生成回路21aは、定電流源CS1と該定電流源CS1からの電流を電圧に変換する直列形態の抵抗Rc1,Rc2,Rc3とボルテージフォロワVF1とから構成され、抵抗Rc1,Rc2,Rc3の各接続ノードN11,N12,N13とボルテージフォロワVF1の非反転入力端子との間に接続されたスイッチSS1,SS2,SS3によっていずれかのノードの電圧が選択的に供給されることにより、生成される電圧Vref(+)が変更可能にされている。スイッチSS1,SS2,SS3は、レジスタ32の設定値に応じていずれか1つがオン状態にされる。他の基準電圧生成回路21b,21cも同様である。
基準電圧生成回路21aは、定電流源CS1と該定電流源CS1からの電流を電圧に変換する直列形態の抵抗Rc1,Rc2,Rc3とボルテージフォロワVF1とから構成され、抵抗Rc1,Rc2,Rc3の各接続ノードN11,N12,N13とボルテージフォロワVF1の非反転入力端子との間に接続されたスイッチSS1,SS2,SS3によっていずれかのノードの電圧が選択的に供給されることにより、生成される電圧Vref(+)が変更可能にされている。スイッチSS1,SS2,SS3は、レジスタ32の設定値に応じていずれか1つがオン状態にされる。他の基準電圧生成回路21b,21cも同様である。
電源電圧レベル検出回路31は、電源電圧端子Vccと接地点との間に直列に接続された抵抗R11,R12と、定電流源CS2と該定電流源CS2からの電流を電圧に変換する直列形態の抵抗R21,R22,R23と、差動アンプからなる電圧比較回路CMP11,CMP12とから構成され、抵抗R11とR12の接続ノードN20の電位が電圧比較回路CMP11,CMP12の非反転入力端子に共通に入力されている。また、抵抗R21とR22の接続ノードN21の電位が電圧比較回路CMP11の反転入力端子に共通に入力され、抵抗R22とR23の接続ノードN22の電位が電圧比較回路CMP12の反転入力端子に入力されている。そして、電圧比較回路CMP11,CMP12の出力がレジスタ32に保持され、その値に応じてスイッチSS1,SS2,SS3のいずれか1つがオン状態にされる。
なお、本実施例では、電源電圧レベル検出回路31をチップ内部に設けているが、電源電圧レベル検出回路31を省略して電源電圧のレベルに応じた値をチップ外部からレジスタ32の設定できるように構成することも可能である。
次に、上記実施例のΣΔ型A/D変換回路を、RF−ICに内蔵されて復調回路で復調されたI,Q信号をディジタル信号に変換するA/D変換器として使用したRF−ICおよび無線通信システムの構成例を、図9を用いて説明する。
図9に示されているように、この実施例の無線通信システムは信号電波の送受信用アンテナ100、送受信切り替え用のスイッチ110、受信信号から不要波を除去するSAWフィルタなどからなる高周波フィルタ120a〜120d、送信信号を増幅する高周波電力増幅回路(パワーモジュール)130、受信信号を復調したり送信信号を変調したりする高周波IC200、送信データをI,Q信号に変換したり高周波IC200を制御したりするベースバンド回路300、高周波IC200で必要とされる電源電圧Vccを生成するDC−DCコンバータなどからなる電圧レギュレータ400などで構成される。電圧レギュレータ400には生成された電圧を平滑する容量値の大きなディスクリートの容量素子410が接続されている。高周波IC200とベースバンド回路300は、各々別個の半導体チップ上に半導体集積回路として構成される。
特に制限されるものでないが、この実施例の高周波IC200は、GSM850とGSM900、DCS1800、PCS1900の通信方式による4つの周波数帯の信号の変復調が可能に構成されている。また、これに応じて、高周波フィルタは、GSM850の周波数帯の受信信号を通過させるフィルタ120aと、GSM900の周波数帯の受信信号を通過させるフィルタ120bと、DCS1800の周波数帯の受信信号を通過させるフィルタ120cと、PCS1900の周波数帯の受信信号を通過させるフィルタ120dとが設けられている。
本実施例の高周波IC200は、大きく分けると、受信系回路RXCと、送信系回路TXCと、それ以外の制御回路やクロック生成回路など送受信系に共通の回路からなる制御系回路CTCとで構成される。
受信系回路RXCは、GSM850、GSM900、DCS1800、PCS1900の各周波数帯の受信信号をそれぞれ増幅するロウノイズアンプ210a,210b,210c,210dと、局部発振信号φRFを生成する高周波発振回路(RFVCO)251と、分周回路や位相比較回路、チャージポンプ、ループフィルタなどからなり前記高周波発振回路(RFVCO)251と共にRF−PLL回路を構成するRFシンセサイザ252と、前記RF−PLL回路で生成された局部発振信号φRFを分周し互いに90°位相がずれた直交信号を生成する分周移相回路211a,211bと、ロウノイズアンプ210a,210bで増幅されたGSM系の受信信号に分周移相回路211で生成された直交信号をミキシングすることにより復調およびダウンコンバートを行なうミキサ回路212aと、ロウノイズアンプ210c,210dで増幅されたDCSとPCS系の受信信号に分周移相回路211bで生成された直交信号をミキシングすることにより復調およびダウンコンバートを行なうミキサ回路212bを備える。
受信系回路RXCは、さらに、前記ミキサ回路212a,212bにより復調されたI,Q信号をそれぞれ増幅してベースバンド回路300へ出力する各周波数帯に共通の高利得増幅部220A,220Bと、高利得増幅部220A,220B内のアンプの入力DCオフセットをキャンセルするためのオフセットキャンセル回路213と、高利得増幅部220A,220Bで増幅されたI,Q信号をそれぞれ例えば3ビットのディジタル信号に変換する前記実施例のような構成を有するA/D変換回路231A,231Bと、変換された3ビットの時間軸方向に高い解像度を有する信号を14ビットの電圧方向に高い解像度を有する信号に変換するデシメーションフィルタ回路232A,232Bなどを備える。3ビットの信号を14ビットの低周波数の信号に変換することにより、高周波IC200からベースバンド回路300へのデータの転送速度を落とすことができる。
高利得増幅部220Aは、複数のロウパスフィルタLPF11,LPF12,LPF13,LPF14と利得制御アンプPGA11,PGA12,PGA13とが交互に直列形態に接続され、最終段にアンプAMP1が接続された構成を有しており、復調されたI信号を不要波を除去しつつ所定の振幅レベルまで増幅する。高利得増幅部220Bも同様に、複数のロウパスフィルタLPF21,LPF22,LPF23,LPF24と利得制御アンプPGA21,PGA22,PGA23とが交互に直列形態に接続され、最終段にアンプAMP2が接続された構成を有しており、復調されたQ信号を所定の振幅レベルまで増幅する。
オフセットキャンセル回路213は、各利得制御アンプPGA11〜PGA23に対応して設けられ入力端子間を短絡した状態におけるそれらの出力電位差をディジタル信号に変換するA/D変換回路(ADC)と、これらのA/D変換回路による変換結果に基づき、対応する利得制御アンプPGA11〜PGA23の出力のDCオフセットを「0」とするような入力オフセット電圧を生成し差動入力に対して与えるD/A変換回路(DAC)と、これらのA/D変換回路(ADC)とD/A変換回路(DAC)を制御してオフセットキャンセル動作を行なわせる制御回路などから構成される。デシメーションフィルタ回路232A,232Bにより変換された14ビットのディジタルI,Q信号は、ディジタルインタフェース回路240を介してベースバンドLSI300へ出力される。
送信系回路TXCは、図示しないが、ベースバンド回路300から供給されるI信号とQ信号により変調をかける変調回路と、変調された信号を送信周波数の信号にアップコンバートする周波数変換回路とが設けられている。アップコンバートされた送信信号はパワーモジュール130により電力増幅され、フィルタ141,142により不要波を除去された後、切替えスイッチ110を経てアンテナ100に供給される。特に制限されるものでないが、パワーモジュール130には、GSM系の送信信号を増幅するパワーアンプ131と、DCSとPCS系の送信信号を増幅するパワーアンプ132とが設けられている。GSM方式では、送信と受信は時間的に別々に行なわれるので、RF−VCO251を受信系回路RXCと送信系回路TXCの共通の発振回路として使用するように構成することも可能である。
また、この実施例の高周波IC200のチップ上には、チップ全体を制御する制御回路260と、基準発振信号φrefを生成する基準発振回路(VCXO)261と、該基準発振信号φrefに基づいて前記A/D変換回路231A,231Bの動作タイミングを与えるクロック信号φ1,φ2や制御回路260により生成されるチップ内部の制御信号の基準となるクロック信号を生成するタイミング発生回路262とが設けられている。
なお、基準発振信号φrefは周波数精度の高いことが要求されるため、基準発振回路261には外付けの水晶振動子が接続される。基準発振信号φrefとしては、26MHz(あるいは13MHz)のような周波数が選択される。かかる周波数の水晶振動子は、汎用部品であり容易に手に入れることができるためである。本実施例のRF−ICにおいては、A/D変換回路231A,231Bの動作タイミングを与えるクロック信号φ1,φ2も26MHzとされている。一方、A/D変換回路231A,231Bへ入力される被変換信号は数100kHzのような周波数とされる。これにより、オーバーサンプリングによるA/D変換が可能とされる。
制御回路260には、ベースバンドLSI300から同期用のクロック信号CLKと、データ信号SDATAと、制御信号としてのロードイネーブル信号LENとが供給されており、制御回路260は、ロードイネーブル信号LENが有効レベルにアサートされると、ベースバンド回路300から伝送されてくるデータ信号SDATAをクロック信号CLKに同期して順次取り込んで、チップ内部の制御信号を生成する。特に制限されるものでないが、データ信号SDATAはシリアルで伝送される。ベースバンドLSI300はマイクロプロセッサなどから構成される。
本実施例の高周波IC200においては、受信系回路の最終段にA/D変換回路231A,231Bを設けてI,Q信号をディジタル化するようにしているため、ベースバンド回路300への伝送ロスがなく、S/Nを向上させることができる。また、ディジタルI,Q信号を受けるベースバンド回路300側においてディジタルフィルタ処理などを行なうように構成することで、高利得増幅部220A,220Bではそれほど高いゲインで受信信号を増幅してノイズを除去しなくても精度の高い受信データを得ることができるようになるので、高利得増幅部220A,220Bの多段接続されている利得制御アンプとフィルタを簡略化することができ、これによりチップサイズの低減が可能になる。
以上本発明者によってなされた発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。例えば、前記実施例においては、基準電圧Vref(+)とVref(-)に対して別個に基準電圧生成回路21a,21cを設けているが、反転出力端子と非反転出力端子を有し反転出力端子と非反転入力端子との間および非反転出力端子と反転入力端子との間にそれぞれ抵抗が接続された1個の差動出力型のアンプから基準電圧Vref(+)とVref(-)を出力させるように構成しても良い。
さらに、実施例においては、本発明を2次のΣΔ型A/D変換回路に適用した場合について説明したが、本発明は、1次のΣΔ型A/D変換回路や3次以上のΣΔ型A/D変換回路にも適用することができる。また、実施例においては、ローカルA/D変換回路やローカルD/A変換回路がスイッチド・キャパシタ型の回路で構成されている場合を説明したが、スイッチド・キャパシタ型でないローカルA/D変換回路やローカルD/A変換回路を使用する場合にも適用することが可能である。
以上の説明では主として本発明者によってなされた発明をその背景となった利用分野である携帯電話機のような無線通信システムに用いられる高周波ICに適用した場合について説明したが、本発明はそれに限定されるものでなく、ΣΔ型A/D変換器を内蔵した通信用以外の半導体集積回路に対しても本発明を適用することができる。
11,13 加算回路
12,14 積分回路
15 ローカルA/D変換回路
17,18 ローカルD/A変換回路
21,22 基準電圧生成回路
51 量子化回路
52 エンコーダ
100 アンテナ
130 パワーモジュール
200 高周波IC(RF−IC)
210 ロウノイズアンプ
212 ミキサ
220 高利得増幅部
231 3ビットA/D変換回路
251 高周波発振回路
261 基準発振回路
12,14 積分回路
15 ローカルA/D変換回路
17,18 ローカルD/A変換回路
21,22 基準電圧生成回路
51 量子化回路
52 エンコーダ
100 アンテナ
130 パワーモジュール
200 高周波IC(RF−IC)
210 ロウノイズアンプ
212 ミキサ
220 高利得増幅部
231 3ビットA/D変換回路
251 高周波発振回路
261 基準発振回路
Claims (10)
- ローカルD/A変換回路と、入力と前記ローカルD/A変換回路の出力との差分を積分する積分回路と、前記積分回路の出力を量子化するマルチビットのローカルA/D変換回路とを備え、前記ローカルD/A変換回路は前記ローカルA/D変換回路の量子化出力をアナログ信号に変換して前記積分回路へ供給するΣΔ型A/D変換回路を内蔵した半導体集積回路であって、前記ローカルD/A変換回路には基準電圧として電源電圧と接地電位が供給され、前記ローカルA/D変換回路には基準電圧生成回路で生成された基準電圧が供給されることを特徴とする半導体集積回路。
- 前記基準電圧生成回路は、生成する基準電圧が変更可能であり、前記電源電圧のレベルに応じた基準電圧を生成することを特徴とする請求項1に記載の半導体集積回路。
- 前記電源電圧のレベルに応じた値を設定可能なレジスタを備え、前記基準電圧生成回路は前記レジスタの設定値に応じたレベルの基準電圧を生成することを特徴とする請求項2に記載の半導体集積回路。
- 前記電源電圧のレベルを検出する検出回路を備え、前記基準電圧生成回路は前記検出回路の検出値に応じたレベルの基準電圧を生成することを特徴とする請求項2に記載の半導体集積回路。
- 前記基準電圧生成回路の出力端子には、生成された基準電圧を安定化させる容量素子が接続されていることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体集積回路。
- 前記基準電圧生成回路の出力端子に接続された安定化容量素子は前記ΣΔ型A/D変換回路を構成する素子が形成されている半導体チップと同一の半導体チップに形成されている素子であることを特徴とする請求項5に記載の半導体集積回路。
- 前記ΣΔ型A/D変換回路は、2個の積分回路と2個のローカルD/A変換回路を備えた2次のΣΔ型A/D変換回路であり、初段側のローカルD/A変換回路には基準電圧として電源電圧と接地電位が供給され、後段側のローカルD/A変換回路には前記基準電圧生成回路により生成された基準電圧が供給されることを特徴とする請求項1に記載の半導体集積回路。
- 前記基準電圧生成回路は、前記ローカルA/D変換回路に必要とされる第1の基準電圧を生成する第1基準電圧生成回路と、前記第1の基準電圧よりも低い第2の基準電圧を生成する第2基準電圧生成回路と、前記第1の基準電圧と前記第2の基準電圧の中間の第3の基準電圧を生成する第3基準電圧生成回路とからなり、前記第3基準電圧生成回路により生成された第3基準電圧が前記ローカルD/A変換回路に供給されることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の半導体集積回路。
- 受信信号と所定の周波数の発振信号とを合成して該発振信号の周波数と前記受信信号の周波数との差に相当する周波数成分を含む復調信号を生成する復調回路を有する通信用半導体集積回路であって、
前記復調回路により生成されたアナログ復調信号をディジタル信号に変換する回路として請求項1〜8のいずれかに記載のΣΔ型A/D変換回路を備えることを特徴とする通信用半導体集積回路。 - 前記受信信号と合成される前記所定の周波数の発振信号を生成する電圧制御発振回路を含むPLL回路と、基準となる発振信号を生成する基準発振回路とを備え、該PLL回路は前記電圧制御発振回路の発振出力と前記基準発振回路により生成された基準発振信号とを比較して前記電圧制御発振回路の発振周波数を制御し、前記基準発振信号に基づいて前記A/D変換回路の動作クロック信号が生成されることを特徴とする請求項9に記載の通信用半導体集積回路。
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