JP2006041170A - ヒートシンク用焼結体およびその製造方法ならびに半導体キャリヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】 粉末冶金法特有の現象である焼結体の表面層の付近からのCu抜けを起因とするメッキ剥がれが生じないヒートシンク用焼結体を提供する。
【解決手段】 本発明のヒートシンク用焼結体は、表面に存在するW(あるいはMo)12にNiが固溶されて、その粒径が内部に存在するW(あるいはMo)の粒径よりも大きく成長した増大粒層が形成されている。このように焼結体の表面部はW(あるいはMo)にNiが固溶されて、これらのW(あるいはMo)の粒径の大きさが内部に存在するW(あるいはMo)の粒径よりも大きく成長した増大粒層が形成されていると、Cu11の抜けを起因とする焼結体の表面に形成された細かな気孔13を消滅させることが可能となる。これにより、後に防錆用のメッキが施されても、このメッキ膜15,16が剥がれることを防止できるようになる。
【選択図】 図1
【解決手段】 本発明のヒートシンク用焼結体は、表面に存在するW(あるいはMo)12にNiが固溶されて、その粒径が内部に存在するW(あるいはMo)の粒径よりも大きく成長した増大粒層が形成されている。このように焼結体の表面部はW(あるいはMo)にNiが固溶されて、これらのW(あるいはMo)の粒径の大きさが内部に存在するW(あるいはMo)の粒径よりも大きく成長した増大粒層が形成されていると、Cu11の抜けを起因とする焼結体の表面に形成された細かな気孔13を消滅させることが可能となる。これにより、後に防錆用のメッキが施されても、このメッキ膜15,16が剥がれることを防止できるようになる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、低熱膨張率で高放熱性のタングステン(W)と銅(Cu)または銀(Ag)、あるいはモリブデン(Mo)と銅(Cu)または銀(Ag)からなる焼結体の表面に防錆用のメッキが施されたヒートシンク用焼結体およびその製造方法、ならびにこのヒートシンク用焼結体を用いた半導体キャリヤに関する。
従来より、半導体キャリヤや光通信モジュールなどの半導体装置には、ヒートシンクと呼ばれる放熱部材を設けて、半導体キャリヤや光通信モジュール内で発生した熱を効率的に系外に放散させる(排熱する)ようにしている。このようなヒートシンクにおいては、熱伝導率が高くて熱の伝導性が良好であること、およびセラミック基板やガラス基板と接合されるために、熱膨張率がセラミックやガラスの熱膨張率(4〜10ppm/K)に近似することが要求されている。このような熱伝導率と熱膨張率の相反する両特性を有する材料としては、現在のところ、タングステン(W)と銅(Cu)からなる焼結体が用いられている。
このようなWとCuからなる焼結体としては、Wで構成された仮焼結体の空孔部にCuを溶浸(含浸)させた溶浸焼結体が使用される。このような溶浸焼結体からなるヒートシンク30は、例えば、図7に示されるような手順で製造される。即ち、W粉末に有機バインダーを予備配合して原料混合体とし、この原料混合体を金型プレスでプレスするとともに加熱処理(例えば、1200〜1300℃)して板状の成形体とする。
この成形体を脱脂・焼結して、図7(a)に示されるように多孔質の仮焼結体(スケルトン)31とした後、この仮焼結体31の上に図7(b)に示されるようにCu板33を載せ、還元性の雰囲気でCuの融点以上の温度(例えば、1100〜1200℃)に加熱する。これにより、図7(c)に示されるように、仮焼結体31の空孔部32にCu33を溶浸(含浸)させて溶浸焼結体34とする。その後に、溶浸焼結体34を所定の形状に切削加工して、図7(d)に示されるように、最終的にヒートシンク30とする製法が一般的に採用されている。
ところが、このような溶浸焼結体34は難加工性材料であるため、切削加工をするのは容易ではなく、切削加工のコストが高価になるとともに、生産性も悪いという問題を生じた。また、W粉末の仮焼結体31はスポンジ状の構造体であるため、この構造体を構成する空孔32の大きさや空孔密度が不均一である。このため、空孔32内に溶浸されるCu33の充填密度は不均一になって、熱膨張率や熱伝導率が部位により異なることとなる。この結果、このような溶浸焼結体34から成るヒートシンク30にあっては、熱特性が安定せず、信頼性に欠けるという問題を生じた。また、Cuが溶浸された焼結体は、Cuが存在する部分に沿って熱伝導がなされるが、Cuの充填密度が不均一であると、熱の伝導方向はランダムな方向となる。このため、発生した熱を系外に素早く放熱することが困難になって、放熱効率が低下するという問題も生じた。
また、仮焼結体の焼結密度を上げるために、Wと固溶するニッケル(Ni)等の焼結助剤を添加することがある。しかしながら、Ni等の焼結助剤を添加すると、焼結密度が向上する反面、Wの結晶粒が成長して、熱伝導の経路が絶たれて熱伝導率が低下するという問題を生じた。また、焼結体の空孔内にCuが溶浸(含浸)されない部分が存在する場合には、焼結体の表面にピンホールが発生し易く、このピンホールの上にめっき層を形成した場合には、めっき膨れが発生し易く、めっき性が良好で高品質のヒートシンクが得にくいという問題も生じた。さらに、Cuが溶浸(含浸)した後に、余剰の溶浸材(Cu)が焼結体表面に多量に付着するため、研削加工などによって表面に固着した余剰の溶浸材を取り除いたり、この後に、表面研磨加工を実施する必要があり、ヒートシンクの仕上げ加工工数が増加して製造コストがさらに上昇するという問題も生じた。
そこで、特許文献1にて射出成形法(粉末冶金法)が提案されるようになった。この射出成形法においては、例えば、図8(a)に示されるように、W粉末(またはMo粉末)41とCu粉末42とを混合して混合粉末40aとする。ついで、この混合粉末40aに有機物よりなるバインダを混練した後、射出成形法により、図8(b)に示されるように、所定の形状の成形体40bを得る。この後、この成形体40bを加熱して、バインダを揮散させる脱バインダ処理を行った後、焼結して、図8(c)に示されるように、焼結体40とするものである。この射出成形法(粉末冶金法)にあっては、金型により成形を行うため複雑な三次元形状にも対応でき、高い寸法精度が可能であるという利点がある。
特開平4−349650号公報
上述した特許文献1にて提案された射出成形法(粉末冶金法)においては、例えば図9(a)に示されるように、粒径がサブミクロン(1μm以下)〜数μm程度のW粉末(またはMo粉末)51とCu粉末52とを用い、焼結温度をCuの融点(1083℃)よりも高い温度で焼結して、各粉末の充填密度を上げるようにしている。ところが、このように焼結温度がCuの融点(1083℃)よりも高くなると、焼結体50の表面層の付近からCuの抜けが生じて、表面に細かな気孔53,53,53・・・が形成されるという現象が生じた。
ところで、上述のようにして作製された焼結体50においては、通常、防錆用に、図9(b)に示されるように、その表面にNiメッキ54を施し、さらにその上にAuメッキ55を施すようになされている。しかしながら、上述したように、焼結体50の表面に細かな気孔53,53,53・・・が形成されていると、メッキの前処理液がこれらの気孔53,53,53・・・に浸透するようになる。このため、メッキ後にメッキ膜54,55と焼結体50との密着不良が発生して、最悪の場合はメッキ膜54,55が焼結体50から剥がれるという問題を生じた。
そこで、本発明は上記の如き問題点を解消するためになされたものであり、粉末冶金法特有の現象である焼結体の表面層の付近からのCu抜けを起因とするメッキ剥がれが生じないヒートシンク用焼結体を提供することを目的とする。また、このようなメッキ剥がれが生じないヒートシンク用焼結体の製造方法を提供するとともに、さらに、このようなヒートシンク用焼結体を用いた半導体キャリヤを提供することを目的とする。
本発明は、WとCu(またはAg)、あるいはMoとCu(またはAg)からなる焼結体の表面に防錆用のメッキが施されたヒートシンク用焼結体であって、上記目的を達成するため、この焼結体の表面部にはWあるいはMoにNiが固溶されてその粒径が内部に存在するWあるいはMoの粒径よりも大きく成長したWあるいはMoの増大粒が存在する増大粒層が形成されていることを特徴とする。
このように焼結体の表面部はWあるいはMoにNiが固溶されて、これらのWあるいはMoの粒径の大きさが内部に存在するWあるいはMoの粒径よりも大きく成長した増大粒層が形成されていると、Cu抜けを起因とする焼結体の表面に形成された細かな気孔を消滅させることが可能となる。これにより、後に防錆用のメッキが施されても、このメッキ膜が剥がれることを防止できるようになり、この種のヒートシンク用焼結体の信頼性を向上させることができるようになる。
この場合、WあるいはMoの増大粒層がこのヒートシンク用焼結体の内部まで形成されていると、内部まで形成された増大粒層により熱伝導の経路が絶たれて熱伝導率が低下するようになる。このため、増大粒層は表面から100μm以内、好ましくは表面から50μm以内の範囲に形成されているのが望ましい。また、増大粒の粒径が内部に存在する粒径の10倍以上に成長すると表面に形成された気孔が消滅することが明らかになった。
このため、内部に存在するWあるいはMoの粒径が0.1〜5μmである場合は、焼結体の表面部に形成された増大粒からなるWあるいはMoの粒径は1〜50μmであるのが望ましい。さらに、WとCu(またはAg)あるいはMoとCu(またはAg)からなる焼結体において、Cu(またはAg)の含有量が増大すると熱伝導率が増大する反面、熱膨張率が大きくなるため、Cu(またはAg)の含有量は5〜50質量%程度にするのが望ましいということができる。
上述したヒートシンク用焼結体を製造するには、WとCu(またはAg)、あるいはMoとCu(またはAg)からなる複合金属粉末または混合金属粉末を圧粉または射出成形した後、焼結して焼結体とする焼結工程と、この焼結体の表面にニッケルメッキを施すニッケルメッキ工程と、ニッケルメッキが施された焼結体を熱処理する熱処理工程と、熱処理された焼結体の表面にニッケルメッキと金メッキからなる防錆用のメッキ処理を施す防錆処理工程とを備えるようにすればよい。このように、ニッケルメッキ後に熱処理すると、焼結体の表面に存在するWあるいはMoにNiが固溶されて、これらのWあるいはMoの粒径の大きさが内部に存在するWあるいはMoの粒径よりも大きく成長する。これにより、Cu抜けを起因とする焼結体の表面に形成された細かな気孔を消滅させることが可能となる。
この場合、ニッケルメッキ層が10μmよりも厚くなると、熱伝導性が著しく低下することが明らかになり、また、ニッケルメッキ層の厚みが1μm未満であると、WあるいはMoの粒の成長が起こらないことが明らかになった。このため、ニッケルメッキ工程においては、ニッケルメッキ層の厚みが1〜10μmになるようにニッケルメッキを施すようにするのが望ましい。また、ニッケルメッキ処理後の熱処理において、1400℃を超えるような高温で熱処理するとCuの染み出しが発生することが明らかになり、1200℃未満では、WあるいはMoの粒の成長が十分に起こらないことが明らかになった。このため、熱処理工程においては、還元性雰囲気中で1200℃以上で1400℃以下の温度で加熱するのが望ましいということができる。
さらに、本発明の半導体キャリヤは、半導体素子を搭載するマウント部を有するキャリヤベースを備えていて、このマウント部を有するキャリヤベースはWとCuまたはAgあるいはMoとCuまたはAgからなる焼結体の表面に防錆用のメッキが施されたヒートシンク用焼結体からなり、この焼結体の表面部はWあるいはMoにNiが固溶されて当該WあるいはMoの粒界(粒径)の大きさが内部に存在するWあるいはMoの粒界(粒径)よりも大きく成長した増大粒層が形成されていることを特徴とする。
このように焼結体の表面部はWあるいはMoにNiが固溶されて、これらのWあるいはMoの粒界(粒径)の大きさが内部に存在するWあるいはMoの粒界(粒径)よりも大きく成長した増大粒層が形成されていると、Cu抜けを起因とする焼結体の表面に形成された細かな気孔が消滅させることが可能となる。これにより、後に防錆用のメッキが施されてもメッキ剥がれが生じることはない。
この場合、表面部の増大粒層は表面から50〜100μmの範囲に形成されているのが望ましい。また、焼結体の表面部に形成された増大粒からなるWあるいはMoの粒径は1〜50μmで、内部に存在するWあるいはMoの粒界(粒径)は0.1〜5μmであるのが望ましい。さらに、WとCuまたはAgあるいはMoとCuまたはAgからなる粗焼結体はそれぞれCuまたはAgをそれぞれ5〜50質量%含有するのが望ましい。
ついで、本発明のヒートシンク用焼結体およびこのヒートシンク用焼結体を用いた半導体キャリヤの実施の形態を図1〜図6に基づいて説明するが、本発明はこの実施の形態に何ら限定されるものでなく、本発明の目的を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。なお、図1は、本発明の製造方法により本発明のヒートシンク用焼結体が作製される過程を模式的に示す断面図である。
この場合、図1(a)は焼結後の焼結体を示す図であり、図1(b)は図1(a)の焼結体にニッケルメッキを施した状態を示す図であり、図1(c)はニッケルメッキ後に熱処理を行った状態を示す図であり、図1(d)は熱処理後に防錆用のメッキを施した状態を示す図である。また、図2は金属粉末の射出成形体の脱バインダー処理及び焼結処理における昇温パターンを示す図である。図3はニッケルメッキ層の膜厚と熱伝導率の関係を示す図である。図4は増大粒層の厚みと熱伝導率の関係を示す図である。図5はニッケルメッキ後の熱処理における熱処理温度の違いによる粒成長の違いを示す電子顕微鏡写真である。図6は半導体キャリヤを模式的に示す断面図である。
まず、平均粒径が0.1〜1.0μmのCu粉末(またはAg粉末)11を5〜50質量%含有し、残りは平均粒径が0.1〜1.0μmのW粉末(またはMo粉末)12を含有するW−Cu(またはMo−Cu)あるいはW−Ag(またはMo−Ag)複合金属粉末(または混合金属粉末)を原料粉末として用意する。ここで、Cu粉末(またはAg粉末)の形状としては、射出成形により成形する場合は球形のアトマイズ粉が望ましく、圧粉成形により成形する場合は針状の電解銅粉が望ましい。ついで、上述のように用意した原料粉末をヘンシェルミキサー等の粉末混合機に投入して、十分に混合した。その際、原料粉末が変形しないように注意する必要があるため、原料粉末に塑性変形を与えてメカニカルアロイを発生させる恐れがあるボールミルやアトライター等の粉末混合機の使用を避けるのが望ましい。
ついで、射出成形法により成形する場合、十分に混合して得られたW−Cu(またはMo−Cu)あるいはW−Ag(またはMo−Ag)複合金属粉末(または混合金属粉末)に、熱可塑性樹脂とワックス等の数種類の有機バインダーを加えてフィードストック(懸濁液)とし、その後、ペレタイザーによりペレット化した。この場合、熱可塑性樹脂としてはポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、アクリル、POM系樹脂などを用いるのが望ましい。また、ワックスとしては、パラフィンワックス、密蝋などを用いるのが望ましい。そして、これらの有機バインダーの添加割合は全粉末の容積に対して40〜50体積%となるように添加した。
ついで、得られたペレットを射出成形機のホッパ内に投入した後、所定の形状に形成された金型を用いて射出成形した。この後、金型を冷却して射出物を固化させて、外形寸法が10mm(直径)×2.0mm(厚み)となる円板状の成形体を得た。この後、この円板状の成形体を非酸化性雰囲気(真空またはN2ガスあるいはArガスの雰囲気)中で、図2に示すような脱バインダー処理の昇温パターン(この場合は、1℃/分の昇温速度とし、最高温度500℃を2時間保持するようにした)で脱バインダー処理を行った。
また、図2に示すような焼結処理の昇温パターンで、即ち、還元ガス雰囲気で、5℃/分の昇温速度とし、900℃の温度を1時間保持した後、5℃/分の昇温速度とし、最高温度がCu(またはAg)の融点以上の1100〜1420℃で2時間保持して焼結した後、10℃/分の降温速度で室温まで冷却して、図1(a)に模式的に示すような焼結体10aを作製した。なお、焼結最高温度はCu(またはAg)の含有割合およびW(またはMo)の粒径により最適化する必要があり、例えば、下記の表1あるいは表2に示すような焼結最高温度に設定するのが望ましい。この場合、得られた焼結体10aの表面には、図1(a)に模式的に示すように、Cu(またはAg)抜けに起因する細かな気孔13,13,13・・・が形成されていた。
なお、乾式圧粉成形法により成形する場合、上述した原料粉末(複合金属粉末)に、メチルアルコールにパラフィンワックスを溶解(原料粉末に対して1質量%)した溶液を添加してスラリーを得る。得られたスラリーをスプレードライヤー(スラリーより直ちに顆粒や粉末を得る装置)により球状の粉末に造粒する。この後、乾式粉末プレス機により外形寸法が10mm(直径)×2.0mm(厚み)となる円板状の成形体を得る。ついで、この成形体を上述した射出成型法と同様に、少量のバインダー成分(この場合は、パラフィンワックス)を加熱除去した後、還元雰囲気中でCu(またはAg)の融点温度以上まで加熱して焼結体10aを得るようにすればよい。
ついで、上述のように作製された焼結体(ここでは、W(平均粒径1.0μm)−15Cu(平均粒径1.0μm)の組成で、最高温度が1325℃で焼結されたもの、あるいはW(平均粒径1.0μm)−15Ag(平均粒径1.0μm)の組成で、最高温度が1255℃で焼結されたもの)10aを用いて、その表面に所定の厚みのNiメッキを施して、図1(b)に模式的に示すようなNiメッキ層14が形成された焼結体10bとした。この場合、Niメッキ層14の膜厚がそれぞれ、0(Niメッキせず)、0.5μm、1.0μm、2.0μm、3.0μm、4.0μm、5.0μm、10.0μm、15.0μm、20.0μmになるようにした。
ついで、このNiメッキ層14が形成された焼結体10bをそれぞれ、1200℃、1300℃、1400℃の温度で加熱処理を行い、図1(c)に模式的に示すような加熱処理済みの焼結体10c(A1〜A10,B1〜B10,C1〜C10,D1〜D10,E1〜E10,F1〜F10)をそれぞれ作製した。この場合、加熱処理済みの焼結体10c(A1〜A10,B1〜B10,C1〜C10,D1〜D10,E1〜E10,F1〜F10)において、Niメッキ層14の膜厚と熱処理温度との組み合わせは下記の表3および表4に示すようにした。
この場合、W−15Cuの組成からなる焼結体を用い、1200℃で熱処理したものをA1〜A10とし、1300℃で熱処理したものをB1〜B10とし、1400℃で熱処理したものをC1〜C10とした。また、W−15Agの組成からなる焼結体を用い、1200℃で熱処理したものをD1〜D10とし、1300℃で熱処理したものをE1〜E10とし、1400℃で熱処理したものをF1〜F10とした。
この場合、W−15Cuの組成からなる焼結体を用い、1200℃で熱処理したものをA1〜A10とし、1300℃で熱処理したものをB1〜B10とし、1400℃で熱処理したものをC1〜C10とした。また、W−15Agの組成からなる焼結体を用い、1200℃で熱処理したものをD1〜D10とし、1300℃で熱処理したものをE1〜E10とし、1400℃で熱処理したものをF1〜F10とした。
ついで、得られた加熱処理済み焼結体10c(A1〜A10,B1〜B10,C1〜C10,D1〜D10,E1〜E10,F1〜F10)を用いて、これらの焼結体の熱伝導率(W/mK)を測定すると、下記の表3および表4に示すような結果が得られた。なお、熱伝導率はレーザーフラッシュ法による熱定数測定装置(例えば、アルバック理工株式会社製 TC−7000)を用いて求めた値である。また、下記の表3および表4においてNiメッキ層14の膜厚は蛍光X線装置により測定した値である。ここで、焼結体10c(A1〜A10,B1〜B10,C1〜C10)において、Niメッキ層14の膜厚(μm)をX軸とし熱伝導率(W/mK)をY軸として、Niメッキ層14の膜厚に対する熱伝導率の関係を求めると図3に示すような結果が得られた。
また、加熱処理後の焼結体10c(A1〜A10,B1〜B10,C1〜C10,D1〜D10,E1〜E10,F1〜F10)において、表面に存在するW(またはMo)の粒径の大きさおよび増大粒層の厚みを測定するとともに、加熱処理前に表面に存在していた気孔が加熱処理後に消滅したか否かを電子顕微鏡(SEM)により観察すると下記の表3および表4に示すような結果が得られた。ここで、焼結体10c(A1〜A10,B1〜B10,C1〜C10)において、増大粒層の厚み(μm)をX軸とし熱伝導率(W/mK)をY軸として、増大粒層の厚み対する熱伝導率の関係を求めると図4に示すような結果が得られた。
なお、増大粒層の厚みを測定するに際しては、加熱処理後の焼結体10c(A1〜A10,B1〜B10,C1〜C10,D1〜D10,E1〜E10,F1〜F10)を縦方向に切断し、切断面を研磨してSEMにより断面を観察するようにすればよい。あるいは、FIB(Focused Ion Beam)装置により焼結体10c(A1〜A10,B1〜B10,C1〜C10,D1〜D10,E1〜E10,F1〜F10)の表層を削って増大粒層の厚みを測定するようにしてもよい。
上記表3および表4ならびに図3および図4の結果から明らかなように、Niメッキ層14の膜厚が10μmを超えるようになると熱伝導率(W/mK)が著しく低下することが分かる。また、増大粒層の厚みが100μmを超えるようになると熱伝導率(W/mK)が著しく低下することが分かる。これは、Niメッキ層14の膜厚が10μmを超えるように厚くなると、W粒内へのNiの拡散が進行し過ぎて熱伝導率(W/mK)が著しく低下するためと考えられる。また、増大粒層の厚みが100μmを超えるように厚くなると、表層の熱伝導が低下するためと考えられる。また、熱処理温度により熱伝導率(W/mK)が多少変動するが、1200℃〜1400℃の温度範囲においてはそれ程顕著ではないことも分かる。
これらのことから、これらの焼結体A1〜A10,B1〜B10,C1〜C10,D1〜D10,E1〜E10,F1〜F10の表面へのメッキ処理におけるNiメッキ層14の膜厚は、熱伝導率(W/mK)を考慮すると10μm以下であるのが望ましいということができる。また、これらの焼結体A1〜A10,B1〜B10,C1〜C10,D1〜D10,E1〜E10,F1〜F10の増大粒層の厚みは100μm以下、好ましくは50μm以下が望ましいということができる。
また、加熱処理後の焼結体10c(A1〜A10,B1〜B10,C1〜C10,D1〜D10,E1〜E10,F1〜F10)の表面に存在する気孔13を消失させるための熱処理温度は、Niメッキ層14の膜厚により最適化する必要があることが分かる。また、表面のW粒の粒径が、その内部に存在するW粒の粒径の10倍以上に成長すると、表層の気孔が消滅することが分かる。さらに、上記結果には示されていないが、熱処理温度が1400℃を超えると焼結体10cからCuの染み出しが発生することが明らかになった。また、熱処理温度が1200℃未満であるとW粒の粒成長が起こらず、気孔13が消失しないことが明らかになった。
これらのことを考慮すると、Niメッキ後の熱処理温度は、Niメッキ層14の膜厚にもよるが、1200〜1400℃であるのが望ましいということができる。また、表3および表4ならびに図3および図4の結果から、Niメッキ層14の膜厚が10μmを超えると熱伝導率が著しく低下するが、一方、Niメッキ層14の膜厚が1.0μmよりも薄いと、熱処理によるW(またはMo)粒の粒成長が起こらず、気孔13が消失しないことが明らかになった。これらのことから、Niメッキ層14の膜厚は1.0μm以上で、10μm以下であるのが望ましいということができる。
また、メッキ層14の膜厚が1μm未満であると増大粒層が形成されにくく、メッキ層14の膜厚が10μmを超えると増大粒層が厚くなりすぎて熱伝導率が著しく低下するようになる。このことからも、Niメッキ層14の膜厚は1.0μm以上で、10μm以下であるのが望ましいということができる。さらに、増大粒層の厚みは100μm以下、好ましくは50μm以下が望ましいということができる。
なお、平均粒径が1.0μmのW−15Cu(またはW−15Ag)複合金属粉末の焼結体に、膜厚が2.0μmになるようにNiメッキされた焼結体A4(メッキ後、1200℃で熱処理されたもの)、B4(メッキ後、1300℃で熱処理されたもの)、C4(メッキ後、1400℃で熱処理されたもの)およびX(メッキ後、1000℃で熱処理されたもの)を用いて、これらの焼結体の切断研磨断面を電子顕微鏡で撮影すると図5に示すような結果が得られた。この図5の結果から明らかなように、Niメッキされた焼結体の熱処理温度が1000℃→1200℃→1300℃→1400℃と上昇するに伴って、表面のW粒の粒径が増大し、表面の気孔度が10%(図5−a)→4%(図5−b)→2%(図5−c)→0.5%(図5−d)と低下していることが分かる。
なお、上述のように加熱処理された焼結体10cをメッキ浴に浸漬して、電気メッキあるいは無電解メッキにより、図1(d)に示すように、ニッケルメッキとこの上に金メッキを施して、ニッケルメッキ層15と金メッキ層16とからなる化粧メッキが形成されたヒートシンク用焼結体10を作製した。このようにして作製されたヒートシンク用焼結体10においては、W(またはMo)粒の粒径が増大して表面に形成された気孔13が消滅していることから、化粧メッキとなるニッケルメッキ層15および金メッキ層16が焼結体から剥がれることはなかった。
この場合、上述の表3および表4には、平均粒径がそれぞれ1.0μmのW−15Cu(またはW−15Ag)の結果のみを示しているが、平均粒径がそれぞれ1.0μmのMo−15Cu(またはMo−15Ag)であってもほぼ同様な結果が得られている。また、平均粒径は1.0μmに限らず0.1μm〜5.0μmであればほぼ同様な結果が得られる。また、Cu(またはAg)の添加量は15質量%に限らず、5〜50質量%であればほぼ同様な結果が得られる。
ついで、上述のような焼結体を用いて半導体キャリヤを作製する一例を、図6に基づいて、以下に詳細に説明する。なお、図6(a)は複合金属粉末の射出成形により成形された成形体を焼結した半導体キャリヤを示す斜視図であり、図6(b)は、図6(a)の半導体キャリヤにリード端子とシールリングをハーメチックシールした状態を示す斜視図であり、図6(c)は、図6(b)の半導体キャリヤに化粧メッキ(防錆用メッキ)を施した後、半導体素子を搭載して、これらを覆うカバーを装着してステムタイプのLDモジュールとした状態を示す斜視図である。
まず、W(またはMo)の含有割合が85質量%で、Cuの含有割合が15質量%になるように調整した平均粒径が1.0μmのW−15Cu(またはMo−15Cu)複合金属粉末を用意した。この後、このW−15Cu(またはMo−15Cu)複合金属粉末をヘンシェルミキサーに投入した。このとき、ヘンシェルミキサーの回転数を2000rpmにした状態でヘンシェルミキサーを20分間回転させて、W−15Cu(またはMo−15Cu)複合金属粉末が互いに凝集しないようにして、W−15Cu(またはMo−15Cu)複合金属粉末を均一化した。
ついで、このようにして得られた平均粒径が1.0μmのW−15Cu(またはMo−15Cu)複合金属粉末が55〜60体積%に対して、バインダー(ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、アクリル、POM系樹脂などの有機系樹脂に、パラフィンワックス、密蝋などのワックスを添加したもの)を45〜40体積%添加し、混合、混練して成形用組成物とした。ついで、得られた成形用組成物をペレタイザーによりペレット化した後、得られたペレットを型締圧が20tの射出成型機のホッパ内に投入し、射出温度が160℃で、金型温度が25℃の金型内に射出成形した。
この後、金型を水冷して射出物を固化させて所定形状の半導体キャリヤ20a(図6参照)となるグリーン体(成形体)を得た。ついで、このグリーン体を図示しない脱バインダ装置内に配置した。この後、脱バインダ装置内に1リットル/分の流量の窒素ガスを流入させて、窒素雰囲気にした。そして、昇温速度が0.1℃/分で加熱し、550℃の温度を2時間保持して、グリーン体を脱バインダ処理した。この脱バインダ処理により、上述したバインダは揮散して(除去されて)、W(またはMo)とCuからなるブラウン体とした。この後、室温まで冷却してブラウン体を脱バインダ装置から取り出した。
ついで、得られたブラウン体を図示しない脱酸素装置内に配置した。この後、脱酸素装置内に1〜10リットル/分の流量の水素ガスを流入させて、銅の融点温度以下の500℃〜1000℃の温度雰囲気で、ブラウン体を水素ガスの気流に充分に曝して、ブラウン体を脱酸素処理した。この脱酸素処理により、ブラウン体を構成するW粒子(またはMo粒子)表面の酸化層は水素により充分に還元されることとなる。これにより、W粒子(またはMo粒子)はCuとの濡れ性が向上するようになる。
ついで、脱酸素処理されたブラウン体を焼結炉に入れ、水素気流中で、5℃/分の昇温速度で加熱し、900℃の温度を1時間保持した。この後、5℃/分の昇温速度で加熱し、1325℃になった時点でこの最高温度を2時間保持して焼結した。ついで、10℃/分の降温速度で室温まで冷却して焼結体とした。これにより、W−15Cu(またはMo−15Cu)の焼結体からなる半導体キャリヤ20aを作製した。図6は、このようにして得られた半導体キャリヤ20aを示しており、円板状のキャリヤベース21と、このキャリヤベース21から垂直に突出するマウント部22とを備えており、これらが一体的に形成されている。
なお、円板状のキャリヤベース21にはリード端子挿入用の貫通孔23,23が形成されている。また、マウント部22は、キャリヤベース21の上部に位置して、略多角柱状に形成されている。ついで、得られた半導体キャリヤ20aおよびリード端子25,25をオーブン中に載置した後、350℃で30分間加熱して、半導体キャリヤ20aおよびリード端子25,25の表面を酸化処理した。なお、この酸化処理を施すことにより、後に行われるハーメチックシール用ガラスとの濡れ性が向上するようになる。
ついで、酸化処理後の半導体キャリヤ20aを電気メッキまたは無電解メッキにより、Niメッキ層の膜厚が1.0〜10.0μmになるようにNiメッキを施した。この場合のNiメッキは、スルファミン酸浴やワット浴等の電気メッキまたはNi/B,Ni/P等の無電解メッキのどちらでも良い。Niメッキ後、焼結炉に入れ、水素気流中で、50℃/分の昇温速度とし、最高温度が1200〜1400℃になるようにして加熱処理を行った。ついで、30℃/分の降温速度で室温まで冷却した。これにより、この焼結体の表面に存在するW(またはMo)粒の粒径が増大し、表面に形成された気孔が消滅することとなる。
ついで、円板状のキャリヤベース21に形成されたリード端子挿入用の貫通孔23,23内に円筒形状のハーメチック用ガラスフリット24,24を配置するとともに、この貫通孔23,23内にリード端子25,25を配置した。この後、これらを図示しないカーボン製治具にセットした。このカーボン製治具を窒素雰囲気の熱処理炉に投入した後、昇温速度が50℃/分で、最高温度が1000℃になるまで加熱して、ハーメチック用ガラスフリット24,24を溶融させた。この後、降温速度が30℃/分で室温まで冷却した。これによりリード端子25,25がキャリヤベース21のリード端子挿入用の貫通孔23,23内にハーメチックシールされることとなる。
ついで、キャリヤベース21の所定の位置にロウ材(AgCu)を介してFeNi合金製あるいはKOVAR製のシールリング26を配置した。また、図示しないアース端子挿入穴にロウ材(AgCu)を介してFeNi合金製のアース端子27を配置した後、これらを図示しないカーボン製治具にセットした。このカーボン製治具を水素雰囲気の熱処理炉に投入した後、昇温速度が50℃/分で、最高温度が900℃になるまで加熱して、ロウ材(AgCu)を溶融させた。この後、降温速度が30℃/分で室温まで冷却した。
これにより、シールリング26がキャリヤベース21の所定の位置に溶着・固定されるとともに、アース端子27がキャリヤベース21の所定の位置に溶着・固定された半導体キャリア20bが形成されることとなる。ついで、得られた半導体キャリア20bをメッキ浴に浸漬して、電気メッキあるいは無電解メッキにより、ニッケルメッキと、この上に金メッキを施してニッケルメッキ層と金メッキ層とからなる化粧メッキを形成した。なお、このような化粧メッキを施すことにより、マウント部22の側壁にAu/Sn半田を使用してレーザーダイオード(LD)を接合しても、これらの間の接合が強固になるとともに、外部環境からの腐食に対する耐性も向上するようになるので、この種の半導体キャリアの信頼性が向上することとなる。
ついで、上述のように作製された半導体キャリア20bを用いた光半導体モジュール20の作製例について、以下に簡単に説明する。まず、この半導体キャリヤ20bのマウント部22の一側面にレーザが上向きに出射するように半導体レーザ(LD:図示せず)を載置して固定する。また、この半導体レーザ(LD)の下部に、レーザの出力を監視、制御するための受光素子(PD:図示せず)を載置して固定する。この後、半導体レーザと一方のリード端子25とをボンディングワイヤーで接続するとともに、受光素子と他方のリード端子25とをボンディングワイヤーで接続した。
一方、半導体レーザ(LD)や受光素子を気密に保持するためのFeNi合金製あるいはKOVAR製のキャップ28を用意する。そして、このキャップ28をキャリヤベース21の上に接合されたシールリング26上に載置した後、窒素雰囲気中でキャップ28の下端部をシールリング26に抵抗溶接により接合して封止した。これにより、キャップ28内に窒素ガスが封入された光半導体モジュール(ステム形LDモジュール)20が作製されることとなる。なお、このキャップ29の先端部には光ファイバに効率よくレーザ光が入射するように、レンズ29が装着されている。このように構成された光半導体モジュール20においては、半導体レーザ(LD)から出射されたレーザ光は、レンズ29によって光ファイバに効率よく結合されるようになされる必要がある。
10…ヒートシンク用焼結体、10…半導体キャリヤ、10a…焼結体、10b…焼結体、10c…焼結体、11…粉末、12…、13…気孔、14…ニッケルメッキ層、15…金メッキ層、20…光半導体モジュール、20…ステム形LDモジュール、20a…半導体キャリア、20b…半導体キャリア、21…キャリヤベース、22…マウント部、23…リード端子挿入用の貫通孔、24…ハーメチック用ガラスフリット、25…リード端子、26…シールリング、27…アース端子、28…キャップ、29…レンズ
Claims (14)
- タングステン(W)と銅(Cu)または銀(Ag)、あるいはモリブデン(Mo)と銅(Cu)または銀(Ag)からなる焼結体の表面に防錆用のメッキが施されたヒートシンク用焼結体であって、
前記焼結体の表面部には前記タングステン(W)あるいはモリブデン(Mo)にニッケル(Ni)が固溶されてその粒径が内部に存在するタングステン(W)あるいはモリブデン(Mo)の粒径よりも大きく成長したタングステン(W)あるいはモリブデン(Mo)の増大粒が存在する増大粒層が形成されていることを特徴とするヒートシンク用焼結体。 - 前記増大粒層は前記焼結体の表面から100μmまでの範囲に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のヒートシンク用焼結体。
- 前記増大粒層は前記焼結体の表面から50μmまでの範囲に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のヒートシンク用焼結体。
- 前記焼結体の内部に存在するタングステン(W)あるいはモリブデン(Mo)の粒径は0.1〜5μmで、
前記増大粒の粒径は内部に存在するタングステン(W)あるいはモリブデン(Mo)の粒径の5〜10倍であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のヒートシンク用焼結体。 - 前記焼結体は銅(Cu)または銀(Ag)を5〜50質量%含有することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のヒートシンク用焼結体。
- タングステン(W)と銅(Cu)または銀(Ag)、あるいはモリブデン(Mo)と銅(Cu)または銀(Ag)からなる焼結体の表面に防錆用のメッキを施して形成するヒートシンク用焼結体の製造方法であって、
タングステン(W)と銅(Cu)または銀(Ag)、あるいはモリブデン(Mo)と銅(Cu)または銀(Ag)からなる複合金属粉末または混合金属粉末を圧粉または射出成形した後、焼結して焼結体とする焼結工程と、
前記焼結体の表面にニッケルメッキを施すニッケルメッキ工程と、
前記表面にニッケルメッキが施された焼結体を熱処理する熱処理工程と、
前記熱処理された焼結体の表面に防錆用のメッキ処理を施す防錆処理工程とを備えたことを特徴とするヒートシンク用焼結体の製造方法。 - 前記ニッケルメッキ工程において、ニッケルメッキ層の厚みが1〜10μmになるように前記焼結体の表面にニッケルメッキを施すようにしたことを特徴とする請求項6に記載のヒートシンク用焼結体の製造方法。
- 前記熱処理工程において、還元性雰囲気中で1200℃以上で1400℃以下の温度で加熱するようにしたことを特徴とする請求項6または請求項7に記載のヒートシンク用焼結体の製造方法。
- 前記防錆用のメッキはニッケルメッキと、その上に形成された金メッキであることを特徴とする請求項6から請求項8のいずれか記載のヒートシンク用焼結体の製造方法。
- 半導体素子を搭載するマウント部を有するキャリヤベースを備えた半導体キャリヤであって、
前記マウント部を有するキャリヤベースはタングステン(W)と銅(Cu)または銀(Ag)、あるいはモリブデン(Mo)と銅(Cu)または銀(Ag)からなる焼結体表面に防錆用のメッキが施された焼結体からなり、
前記焼結体の表面部には前記タングステン(W)あるいはモリブデン(Mo)にニッケル(Ni)が固溶されてその粒径が内部に存在するタングステン(W)あるいはモリブデン(Mo)の粒径よりも大きく成長したタングステン(W)あるいはモリブデン(Mo)の増大粒が存在する増大粒層が形成されていることを特徴とする半導体キャリヤ。 - 前記増大粒層は前記焼結体の表面から100μmまでの範囲に形成されていることを特徴とする請求項10に記載の半導体キャリヤ。
- 前記増大粒層は前記焼結体の表面から50μmまでの範囲に形成されていることを特徴とする請求項10に記載の半導体キャリヤ。
- 前記焼結体の内部に存在するタングステン(W)あるいはモリブデン(Mo)の粒径は0.1〜5μmで、
前記増大粒の粒径は内部に存在するタングステン(W)あるいはモリブデン(Mo)の粒径の5〜10倍であることを特徴とする請求項10から請求項12のいずれかに記載の半導体キャリヤ。 - 前記焼結体は銅(Cu)または銀(Ag)を5〜50質量%含有することを特徴とする請求項10から請求項13のいずれかに記載の半導体キャリヤ。
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