JP2006040667A - プラズマ表面処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 低電圧でプラズマを発生させることのできる電極構造を有し、試料表面に高速かつ低ダメージな処理を行なうプラズマ表面処理装置を提供する。
【解決手段】 誘電体11を挟んだ少なくとも一組の金属電極5、6を試料Jに対向して設置し、電極金属電極5、6の一方を接地し他方に電源Gによって高周波電圧を加えると共に、反応ガス供給口2から反応ガスを誘電体11の試料対向面11Aに供給することによってプラズマPを発生させ試料Jの表面を処理する装置において、電極金属電極5、6間の誘電体11が試料対向面11Aに窪み10を有することにより、低電圧でプラズマPを発生させて、試料Jの表面処理を行なう。
【選択図】 図2
【解決手段】 誘電体11を挟んだ少なくとも一組の金属電極5、6を試料Jに対向して設置し、電極金属電極5、6の一方を接地し他方に電源Gによって高周波電圧を加えると共に、反応ガス供給口2から反応ガスを誘電体11の試料対向面11Aに供給することによってプラズマPを発生させ試料Jの表面を処理する装置において、電極金属電極5、6間の誘電体11が試料対向面11Aに窪み10を有することにより、低電圧でプラズマPを発生させて、試料Jの表面処理を行なう。
【選択図】 図2
Description
本発明は、プラズマを用いた表面処理装置に関し、特に、高周波電源から電力を供給してプラズマを発生させるための電極構造に関する。
低圧力条件下でのプラズマによる成膜や表面改質、エッチングといった表面処理方法は従来から半導体やフラットパネルディスプレイの製造工程に用いられている。低圧力条件下でのプラズマを用いた方法においては、プラズマを発生させる圧力が低いために表面処理を行なうための活性種の密度が小さく処理速度が小さい課題や、あるいは、真空チャンバーや真空排気装置等が必要であるため表面処理装置は高価なものとなる課題を抱えている。
これらの課題を解決する目的で、上記プラズマを発生させる圧力を大気圧程度の高圧力にする方法および装置が、たとえば特許文献1および特許文献2に開示されている。これらの方法は、平行平板型電極に電圧を印加することでプラズマを発生させ、このプラズマ放電空間中に試料を配置させて処理を行なうものであり、処理速度が速い一方で試料にプラズマダメージを与えることになりやすい。
プラズマ放電空間中に試料を配置しない構成としては、たとえば特許文献3があり、電極間で発生させたプラズマを放電部外に配置された試料に向けて噴出するものであるが、この方法では試料から遠い位置で放電が起こるため処理速度が得にくい。
そこで、処理速度が速くかつプラズマダメージを受けない表面処理を実現する方法および装置が特許文献4に開示されている。図11は上記公報に開示される装置の概略図である。これによれば内側電極5と外側電極6が誘電体11を挟んで設けられ、その試料対向面は高精度平坦化耐蝕・高硬度絶縁体18で覆われている。これを試料Jと対向して設置することにより、高精度平坦化耐蝕・高硬度絶縁体18と試料Jとの間にガス流路が形成され、このガス流路に高圧反応ガス供給装置Rから反応ガスを供給すると共に、内側電極5と外側電極6との間に電圧を印加することで、ガス流路にプラズマPを発生させ、このプラズマPによって試料Jの表面処理を行なうというものである。
この方法によれば内側電極5と外側電極6との間にプラズマPが発生し、プラズマPを生成するための電界が試料面に垂直には印加されないため、試料Jへのダメージが少なく、また高精度平坦化耐蝕・高硬度絶縁体18と試料Jとの間にガス流路が形成されその空間で放電が起こるため、プラズマ噴出型と比べて処理が高速となる。
しかしながら、上述の表面処理装置の構成では、最も強い電界が形成される金属電極の対向面間ではなく、ガス流路に漏れ出る電界を利用して放電を行なうので、放電に必要な電界を作るために電極間に大きな電位差を生じさせなければ、プラズマが発生しないという課題がある。
印加電圧が高くなると安定なグロー放電からアーク放電に移行しやすく、均一で安定なプラズマを発生させることが難しくなる。さらに金属電極と基板との間で放電が起きる場合や、電極構造の内部で放電が起きる場合もある。また、より低い電圧で放電を実現するには、プラズマを維持するための不活性ガスと表面処理を目的とする処理ガスの混合ガスからなる反応ガスにおいて、不活性ガスの割合を増やせば良いが、相対的に処理ガスの割合が減るため処理速度が落ちる。
特開平3−229886号公報
特開平6−2149号公報
特開平3−219082号公報
特開2000−306848号公報
この発明が解決しようとする課題は、特許文献4に開示される構成のプラズマ表面処理装置においては、ガス流路に漏れ出る電界を利用して放電を行なうため、放電に必要な電界を作るために電極間に大きな電位差を生じさせなければならない点にある。
したがって、この発明の目的は、低電圧でプラズマを発生させることのできる電極構造を有し、試料表面に高速かつ低ダメージな処理を行なうプラズマ表面処理装置を提供することにある。
この発明に基づいたプラズマ表面処理装置においては、誘電体を挟んだ少なくとも一組の金属電極を試料に対向して設置し、上記金属電極の一方を接地し他方に高周波電圧を加えると共に、反応ガスを上記誘電体の試料対向面に供給することによってプラズマを発生させて試料の表面を処理するプラズマ表面処理装置であって、上記金属電極間に位置する上記誘電体の上記試料対向面に、上記試料から遠ざかる方向に向かう窪みを有することを特徴とする。
また、この発明に基づいた他のプラズマ表面処理装置においては、誘電体を挟んだ少なくとも一組の金属電極を試料に対向して設置し、上記金属電極の一方を接地し他方に高周波電圧を加えると共に、反応ガスを上記誘電体の試料対向面に供給することによってプラズマを発生させて試料の表面を処理する装置であって、上記金属電極同士が対向する近傍領域において、上記金属電極が対向する試料面に向かう突起を有することを特徴とする。
本発明に基づいたプラズマ表面処理装置によれば、誘電体に窪みを設けることによって、この窪み空間に、ガス流路より強い電界が形成される領域を創成することになる。また、本発明に基づいた他のプラズマ表面処理装置によれば、金属電極同士が対向する近傍領域において、金属電極が対向する試料面に向かう突起を設けることで、この突起に挟まれた空間において、ガス流路より強い電界が形成される領域を創成することになる。
これにより、この窪み区間および突起に挟まれた空間において低い印加電圧でプラズマの予備放電を、新たな電極や電源の追加を行なわずに起こさせることができる。この予備放電によってまず反応ガスを電離または活性化させるため、ガス流路における処理空間でのプラズマが発生しやすくなり、従来構成に比べ、低い印加電圧で安定した均一なプラズマを広い面積に発生させることができる。その結果、プラズマを維持するための不活性ガスと表面処理を目的とする処理ガスの混合からなる反応ガスにおいて、処理ガスの割合を増やしても安定なプラズマを維持でき、これにより試料表面に対し高速かつ低ダメージな処理を低印加電圧で行なうことが可能となる。
以下、本発明に基づいた各実施の形態におけるプラズマ表面処理装置の構成について、図面を参照しながら具体的に説明する。
(実施の形態1)
図1は本実施の形態におけるプラズマ表面処理装置の電極付近の構成を示す模式的断面図であり、図2は、図1に示す装置においてプラズマPが発生した状態を示す模式的断面図である。両図を参照して、本実施の形態におけるプラズマ表面処理装置は、反応ガス供給装置Rにより高圧反応ガス供給経路1から反応ガスを導入する。反応ガスは大気圧グロー放電の維持を目的としたヘリウム等の不活性ガスと、表面処理を目的とした処理ガスとの混合により成り立つ。処理ガスとしては、行ないたい表面処理内容によって異なるが、たとえば空気、窒素、酸素、四フッ化炭素ガス、六フッ化珪素ガス、メタン、アンモニア等の単独ガス又はこれらの混合ガスが挙げられる。
図1は本実施の形態におけるプラズマ表面処理装置の電極付近の構成を示す模式的断面図であり、図2は、図1に示す装置においてプラズマPが発生した状態を示す模式的断面図である。両図を参照して、本実施の形態におけるプラズマ表面処理装置は、反応ガス供給装置Rにより高圧反応ガス供給経路1から反応ガスを導入する。反応ガスは大気圧グロー放電の維持を目的としたヘリウム等の不活性ガスと、表面処理を目的とした処理ガスとの混合により成り立つ。処理ガスとしては、行ないたい表面処理内容によって異なるが、たとえば空気、窒素、酸素、四フッ化炭素ガス、六フッ化珪素ガス、メタン、アンモニア等の単独ガス又はこれらの混合ガスが挙げられる。
反応ガスは、試料台T上の試料固定部Fに支持固定された試料Jに沿ってガス流路を通り、反応生成物排気経路3から排気装置Eへと排気される。また電源Gにより高周波電力、たとえば13.56MHzの電力を発生させる。この電力は電力伝送路Iを通って内側電極5と外側電極6との間に電界を生じさせる。内側電極5と外側電極6との間および試料対向面11Aには誘電体11が存在し、また誘電体11の試料対向面11Aには縦断面において矩形形状(紙面垂直方向に伸びる)の窪み10が設けられている。誘電体11の厚さは電極間で2mm〜6mm、試料対向面側で0.5mm〜2mmが好ましく、窪み10の深さは誘電体11の試料対向面側の厚さtに対し0.7t以上、また断面積は4mm2以上が好ましい。
誘電体11の材料としては、たとえば酸化アルミニウムや窒化珪素や窒化アルミニウム等が挙げられる。内側電極5と外側電極6との間に電界が生じると、誘電体11における窪み10は窪みの外側11Bに比べて電極間経路の短い部分に存在しているため強い電界となる。徐々に印加電圧を上げると、まず、最初に窪み10によって規定される空間内にプラズマPが生じる。さらに電圧を上げると放電は拡大し、図2に示すように、窪み10によって規定される空間内に収まりきらず、窪み10の外側11Bに達する。
この時、窪み10での放電によって電離或いは活性化された反応ガスがさらなる放電を誘発するため、窪み10が無い構造と比べて低い印加電圧でも試料対向面11AでプラズマPを生じさせることができる。窪みの外側11Bまで拡大したプラズマPは窪み10のみで発生していた時よりも大きくまた試料Jにも近いため、試料Jの表面処理に適している。さらに放電中何らかの影響によって電界強度にゆらぎのような変化が生じた場合にも、窪み10での放電は維持しやすいので、安定したプラズマPを発生させることができる。
このように低い電圧で安定した大きなプラズマPが得られるため、反応ガスにおける不活性ガスの割合を減らしても放電を維持でき、相対的に処理ガスの割合を増やせるので処理効率を上げることができる。また、電圧が低いためアーク放電に移行しにくく、プラズマPで消費される電力も少ないので、均一性に優れたプラズマPを得ることができる。
図1に示すプラズマ表面処理装置においては、窪み10の断面形状として、縦断面において矩形形状の場合を示しているが、図3〜図6に示すような形状を採用することも可能である。なお、図3および図5は、プラズマPが発生する前の状態を示し、図4および図6は、プラズマPが発生した状態を示している。図3および図4に示す誘電体11の窪み10は、縦断面において所定角度を持つ2平面により形成された略三角形形状の空間が規定され、また、図5および図6に示す誘電体11の窪み10は、縦断面において隣り合う1組以上の平面同士が滑らかにつながるように形成され、三角形形状の斜辺が曲面を有する空間が規定されている。
窪み10によって規定される空間が、図3および図5に示すような形状の場合、奥へ(深さ方向に)行くほど窪み10の幅(電極間距離)が徐々に狭くなる。所定の2電極間に、所定の誘電率を持つ誘電体が存在する場合において、電極間距離が同じでその間に存在する誘電体の割合が増え空間の幅が狭くなれば、この空間には電界がより集中するので、誘電体の窪み10の幅が狭いほどプラズマPが発生しやすくなる。よって、窪み10によって規定される空間が、図3および図5に示すような形状であることは予備放電を行なう上で好ましい。また滑らかにつなぐことで、放電がエッジ部に集中することを防ぐことができる。
また、金属電極5,6の形状として、図7に示すように、金属電極5,6同士が対向する近傍領域において、金属電極5,6に対向する試料面に向かう突起5p、6pを設けるようにすることもできる。この場合、試料対向面11Aの誘電体11が窪みを持つ時と比べてプラズマPが拡大しやすく、また窪みがない分、プラズマPの体積が減るため消費電力を少なくすることができる。
(実施例)
次に、図1に示す構造を備えるプラズマ表面処理装置の具体的な一実施例について説明する。まず、図1に示す断面形状を有する電極構造5,6を用いて放電実験を行った。金属電極5,6の角は全て半径2mmの曲面に丸められている。誘電体11の素材は酸化アルミニウムであり、その幅は電極間で6mm、試料対向面側で2mmである。また窪み10の幅は3mmであり、窪み10の深さ(d)は0.4mm、1.4mm、2.4mm、3.4mm、4.4mmの5条件に変化させた。反応ガスはヘリウムであり、電源周波数は13.56MHzである。また、供給される反応ガスの圧力は大気圧近傍である。なお、大気圧近傍とは10kPa〜1000kPaの範囲を指す。この条件での放電時の電圧および電力は、図8に示すとおりである。
次に、図1に示す構造を備えるプラズマ表面処理装置の具体的な一実施例について説明する。まず、図1に示す断面形状を有する電極構造5,6を用いて放電実験を行った。金属電極5,6の角は全て半径2mmの曲面に丸められている。誘電体11の素材は酸化アルミニウムであり、その幅は電極間で6mm、試料対向面側で2mmである。また窪み10の幅は3mmであり、窪み10の深さ(d)は0.4mm、1.4mm、2.4mm、3.4mm、4.4mmの5条件に変化させた。反応ガスはヘリウムであり、電源周波数は13.56MHzである。また、供給される反応ガスの圧力は大気圧近傍である。なお、大気圧近傍とは10kPa〜1000kPaの範囲を指す。この条件での放電時の電圧および電力は、図8に示すとおりである。
図8に示すように、窪み10の深さ(d)が深ければ深いほど、窪み10でのプラズマ発生電圧、および、窪み10の外側でのプラズマ発生電圧は低くなっていることが判る。特に窪みの深さが1.4mmを超えたとき、プラズマ発生電圧は、窪み10および窪み10の外側のいずれにおいても大きく低下している。これは窪み10が浅いときに誘電体11中を通っていた電気力線が、窪み10を深くすることで空間を通るようになるだけでなく、より比誘電率の低い空間を優先的に通ったためである。よって窪み10は深い方が、窪み10でのプラズマ発生電圧の低減という観点からは好ましい。
一方、窪み10の外側でプラズマPが発生した時のプラズマ発生電力は、窪み10が深いほど大きくなっている。ここで窪み10の断面積と暫定プラズマ発生電流の関係に注目してみると、比例関係にあることが分かる。これは窪み10が深くなればなるほど断面積は大きくなり、窪み10に発生するプラズマPの体積が増え、多くの電流が流れるからであると考えられる。窪み10で放電しているプラズマPは実際の表面処理への寄与は少なく、またある程度の窪み10があればプラズマ発生に必要な電圧もそれ以上はあまり小さくならないので、窪み10が大きすぎると効率が悪くなる。
ここで窪み10の深さ(d)についてもう少し詳しく検討する。図9はプラズマ発生領域付近における垂直方向の電界強度の分布を、それぞれの窪みの深さ(d)の構造について計算しグラフにしたものである。縦軸に窪み内部で電界強度(V/m)を示し、横軸に試料対向面11A(アルミナ下面)からの距離(m)を示す。窪み10の深さ(d)が1.4mmを超えたあたりから窪み10の内部で電界の強さが強調され始め、また3.4mmを超えたあたりで窪み10内部の電界強度が飽和している。これは窪み10の深さが誘電体11の厚み2mmと金属電極5,6の角を丸めた半径である2mmを足した辺り、つまり金属電極5,6同士の対向する面が平行となっている領域まで達すると電界強度が飽和しているということを意味する。また、図10は深さ(d)1.4mmの窪み10を設けるかわりに、誘電体11の試料対向面側の厚みを0.6mmとしたときの電界強度分布を示している。このように窪み10が無ければ誘電体11の厚みを薄くしても電界の強い部分は現れず、ある程度の厚みに対してある程度の深さの窪みが必要であることがわかる。以上より誘電体11の窪み10の深さ(d)は誘電体11の試料対向面側の厚みtに対して0.7t以上(本実施例においては、0.7×2mm=1.4mm)で効果が得られるということが分かった。
(実施例2)
上記と同じ放電条件で放電を行い、その安定性を検討した。窪み10の深さが1.4mm以上の場合は、2箇所のプラズマ発生領域全体に均一で安定したプラズマを発生させることができたが、窪み10が無い場合および窪み10の深さが0.4mmの場合は、2箇所のプラズマ発生領域全体に安定したプラズマを発生させることはできず、一部でプラズマが消えるなどした。この原因として、放電領域が2箇所あるため一方で起きた電界強度の変化が他方にもその影響を与え、両方の放電領域に均等な電圧が印加されず、一方の放電領域において一時的に印加電圧が低くなることが考えられるが、窪み10が無い場合や窪み10の深さが十分でない場合は、発生するプラズマの体積が小さすぎるために電界強度の変化の影響を大きく受けてしまい、放電を維持できずに一部でプラズマが消えるなどしたと思われる。このことより窪みの断面積は4mm2以上であれば、プラズマPの安定性に効果が得られることが分かった。
上記と同じ放電条件で放電を行い、その安定性を検討した。窪み10の深さが1.4mm以上の場合は、2箇所のプラズマ発生領域全体に均一で安定したプラズマを発生させることができたが、窪み10が無い場合および窪み10の深さが0.4mmの場合は、2箇所のプラズマ発生領域全体に安定したプラズマを発生させることはできず、一部でプラズマが消えるなどした。この原因として、放電領域が2箇所あるため一方で起きた電界強度の変化が他方にもその影響を与え、両方の放電領域に均等な電圧が印加されず、一方の放電領域において一時的に印加電圧が低くなることが考えられるが、窪み10が無い場合や窪み10の深さが十分でない場合は、発生するプラズマの体積が小さすぎるために電界強度の変化の影響を大きく受けてしまい、放電を維持できずに一部でプラズマが消えるなどしたと思われる。このことより窪みの断面積は4mm2以上であれば、プラズマPの安定性に効果が得られることが分かった。
なお、今回開示した上記実施の形態および実施例はすべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施の形態のみによって解釈されるのではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
1 反応ガス供給経路、2 反応ガス供給口、3 反応生成物排気経路、4 反応ガス排気口、5 内側電極、6 外側電極、8 コネクタ、10 窪み、11 誘電体、11A 試料対向面、11B 窪みの外側、E 排気装置、F 試料固定部、G 電源、I 電力伝達線路、J 試料、P プラズマ、R 反応ガス供給装置、T 試料台。
Claims (8)
- 誘電体を挟んだ少なくとも一組の金属電極を試料に対向して設置し、前記金属電極の一方を接地し他方に高周波電圧を加えると共に、反応ガスを前記誘電体の試料対向面に供給することによってプラズマを発生させて試料の表面を処理するプラズマ表面処理装置であって、
前記金属電極間に位置する前記誘電体の前記試料対向面に、前記試料から遠ざかる方向に向かう窪みを有することを特徴とするプラズマ表面処理装置。 - 前記誘電体の窪みが、縦断面において矩形形状であることを特徴とする、請求項1に記載のプラズマ表面処理装置。
- 前記誘電体の窪みが、縦断面において所定角度を持つ2平面により形成された略三角形形状であることを特徴とする、請求項1に記載のプラズマ表面処理装置。
- 前記誘電体の窪みが、縦断面において隣り合う1組以上の平面同士が滑らかにつながるように形成された形状であることを特徴とする、請求項1に記載のプラズマ表面処理装置。
- 前記誘電体の持つ窪みの深さが、前記誘電体の試料対向面側の厚さtに対し0.7t以上であることを特徴とする、請求項2から4のいずれかに記載のプラズマ表面処理装置。
- 前記誘電体の持つ窪みの縦断面における断面積が、4mm2以上であることを特徴とする、請求項2から5のいずれかに記載のプラズマ表面処理装置。
- 誘電体を挟んだ少なくとも一組の金属電極を試料に対向して設置し、前記金属電極の一方を接地し他方に高周波電圧を加えると共に、反応ガスを前記誘電体の試料対向面に供給することによってプラズマを発生させて試料の表面を処理する装置であって、
前記金属電極同士が対向する近傍領域において、前記金属電極が対向する試料面に向かう突起を有することを特徴とする、プラズマ表面処理装置。 - 供給される前記反応ガスの圧力が大気圧近傍である、請求項1から7のいずれかに記載のプラズマ表面処理装置。
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JP2004217221A JP2006040667A (ja) | 2004-07-26 | 2004-07-26 | プラズマ表面処理装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR20160136551A (ko) * | 2015-05-20 | 2016-11-30 | 주식회사 플라즈맵 | 표면 처리용 선형 유전체 장벽 방전 플라즈마 발생장치 |
JPWO2019229873A1 (ja) * | 2018-05-30 | 2021-02-12 | 東芝三菱電機産業システム株式会社 | 活性ガス生成装置 |
-
2004
- 2004-07-26 JP JP2004217221A patent/JP2006040667A/ja not_active Withdrawn
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KR20160136551A (ko) * | 2015-05-20 | 2016-11-30 | 주식회사 플라즈맵 | 표면 처리용 선형 유전체 장벽 방전 플라즈마 발생장치 |
KR101682903B1 (ko) | 2015-05-20 | 2016-12-20 | 주식회사 플라즈맵 | 표면 처리용 선형 유전체 장벽 방전 플라즈마 발생장치 |
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