JP2006039272A - 表示装置およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】駆動能力の向上と、光リークの防止とを両立することが容易であり、画像品質を向上する。
【解決手段】表示部12の画素をスイッチング制御する画素トランジスタ16のチャネル領域を、多結晶の半導体により形成し、単結晶の半導体の場合よりも光感度を低くして、光リークを抑制する。そして、表示部12を駆動する駆動部13の駆動トランジスタ18のチャネル領域を単結晶の半導体により形成し、多結晶の半導体の場合よりキャリア移動度を高くして、駆動能力を向上する。
【選択図】図2

Description

本発明は、表示装置およびその製造方法に関し、特に、アクティブマトリクス方式の表示装置およびその製造方法に関するものである。
液晶表示装置などの表示装置は、CRT(Cathode Ray Tube)よりも、薄型、軽量、低消費電力などの利点を有し、パーソナルコンピュータ、デジタルスチルカメラ、携帯電話などのさまざまな電子機器に利用されている。このような表示装置の表示方式として、アクティブマトリクス方式が知られている。
アクティブマトリクス方式の表示装置においては、画素のスイッチング素子として、たとえば、薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)が形成されている。TFTは、多結晶シリコン、単結晶シリコンなどの半導体をチャネル領域に用いて形成されている。
多結晶シリコンをTFTに用いた場合は、表示部の画素のスイッチング素子としてのTFTと、その表示部を駆動する駆動素子としてのTFTとを、同一の基板上に一体的に形成することができる。よって、装置の小型化と製造効率の向上が容易になるため、多結晶シリコンを用いてTFTを形成することが多い。
一方で、高画質化のために表示部の画素の数が増加し、TFTの駆動能力の向上が要求されるに伴い、単結晶シリコンを用いてTFTを形成する技術が提案されている。ここでは、たとえば、石英の基板上に単結晶シリコンを貼り合せにより形成し、その貼りあわされた単結晶シリコンを用いてTFTが形成されている(たとえば、特許文献1参照)。
特表平10−508156号公報
単結晶シリコンをTFTに用いた場合には、多結晶シリコンを用いた場合よりもキャリア移動度が高いために駆動能力が向上する。しかし、表示部においては、単結晶シリコンが多結晶シリコンよりも光感度が高いために、画素のスイッチング素子としてのTFTのチャネル領域に光が入射した場合には、光リークが増大してフリッカなどの不具合が発生し、画像品質が低下する場合がある。特に、液晶パネルを投写型表示装置に適用し、液晶パネルの画像を拡大して表示するような場合においては、大きな強度の光が液晶パネルの表示部のTFTに入射することになるため、上記のような光リークによる不具合がより顕在化することになる。
このように、従来においては、駆動能力の向上と、光リークの防止とを両立することが難しく、画像品質を向上することが困難であった。
したがって、本発明の目的は、駆動能力の向上と、光リークの防止とを両立することが容易であり、画像品質を向上することが可能な表示装置およびその製造方法を提供することにある。
上記目的の達成のため、本発明の表示装置は、基板と、複数の画素により前記基板に形成された表示部と、前記基板に形成され、前記表示部を駆動する駆動部とを有し、前記表示部は、前記画素毎に設けられ、前記画素をスイッチング制御する第1トランジスタを含み、前記駆動部は、前記表示部を駆動する第2トランジスタを含み、前記第1トランジスタのチャネル領域が、多結晶の半導体により形成され、前記第2トランジスタのチャネル領域が、単結晶の半導体により形成されている。
本発明によれば、表示部の画素をスイッチング制御する第1トランジスタは、チャネル領域が多結晶の半導体により形成され、単結晶の半導体の場合よりも光感度が低く、光リークが抑制される。そして、表示部を駆動する駆動部の第2トランジスタは、チャネル領域が単結晶の半導体により形成され、多結晶の半導体の場合よりキャリア移動度が高く、駆動能力が向上する。
上記目的の達成のため、本発明の表示装置の製造方法は、基板と、複数の画素により前記基板に形成された表示部と、前記基板に形成され、前記表示部を駆動する駆動部とを有する表示装置の製造方法であって、前記表示部の前記画素をスイッチング制御する第1トランジスタを前記画素毎に形成する第1工程と、前記表示部を駆動する第2トランジスタを前記駆動部に形成する第2工程とを含み、前記第1工程では、前記第1トランジスタのチャネル領域を多結晶の半導体により形成し、前記第2工程では、前記第2トランジスタのチャネル領域を単結晶の半導体により形成する。
本発明によれば、表示部の画素をスイッチング制御する第1トランジスタを形成する第1工程では、多結晶の半導体により第1トランジスタのチャネル領域を形成する。そして、表示部を駆動する第2トランジスタを駆動部に形成する第2工程では、第2トランジスタのチャネル領域を単結晶の半導体により形成する。チャネル領域が多結晶半導体の第1トランジスタは、単結晶の半導体の場合よりも光感度が低く、光リークが抑制される。また、チャネル領域が単結晶の半導体の第2トランジスタは、多結晶の半導体の場合よりキャリア移動度が高く、駆動能力が向上する。
本発明によれば、駆動能力の向上と、光リークの防止とを両立することが容易であり、画像品質を向上することが可能な表示装置およびその製造方法を提供することができる。
以下より、本発明にかかる実施形態の一例について説明する。
<実施形態1>
図1と図2とは、実施形態1の表示装置の構成を示す図である。ここでは、図1が斜視図であり、図2は断面図である。
図1と図2とに示すように、本実施形態の表示装置は、第1基板11と第2基板21と液晶層31とを有する。
第1基板11は、光を透過する透明な絶縁体により形成された絶縁性基板であり、たとえば、石英を用いて構成されている。第1基板11は、画像を表示する表示部12と、その表示部12の周辺に形成され、表示部12を駆動して画像表示を制御する駆動部13とを有する。
第1基板11の表示部12には、図1に示すように、行方向に延在するように複数が間隔を隔てて形成された走査配線201と、列方向に延在するように複数が間隔を隔てて形成された信号配線202とによって区分された領域のそれぞれに、画素12aがマトリクス状に形成されている。表示部12の画素12aは、図1に示すように、画素電極15と、画素トランジスタ16とを備えると共に、その他に、図1では図示を省略したが図2に示すように、保持容量素子17を備える。
画素電極15は、第1基板11の表示部12の画素に対応するように、複数がマトリクス状に配列されて形成されている。画素電極15は、たとえば、ITO(Indium Tin Oxide)を用いて形成されている。図1に示すように、画素電極15は、それぞれに画素トランジスタ16に接続されている。また、図1では図示を省略しているが、画素電極15は、それぞれが図2に示すような保持容量素子17と接続している。画素電極15は、スイッチング素子である画素トランジスタ16を介して信号配線202からデータ信号が供給され、保持容量素子17によってデータ信号による電荷を保持する。このようにして供給されるデータ信号に基づいて、画素電極15は、液晶層31に電圧を印加して、液晶層31の光学特性を変え、画像の表示が実施される。
画素トランジスタ16は、マトリクス状に複数が配列されている画素電極15のそれぞれに対応するように、第1基板11に形成され、画素12aをスイッチング制御する。なお、図2においては、図示を省略しているが、画素トランジスタ16と第1基板11との間には、第1基板11の液晶層31側に対して反対になる側から画素トランジスタ16へ入射する光を遮光する機能を備える配線層(図示なし)が形成されている。この配線層は、たとえば、多結晶SiとWSiとの積層体によって形成される。そして、画素トランジスタ16は、この配線層に対応する領域に層間絶縁膜(図示なし)を介して形成されている。
図3は、画素トランジスタ16の構成を拡大して示す構成図である。
図3に示すように、画素トランジスタ16は、トップゲート型のLDD(Lightly Doped Drain)構造のTFTであり、第1半導体層110と第1ゲート絶縁膜121と第1ゲート電極131とを有する。
第1半導体層110は、多結晶の半導体により構成されており、たとえば、多結晶シリコンにより形成されている。第1半導体層110は、たとえば、p型の多結晶シリコンの第1チャネル領域111を挟むように、n型の一対の第1ソース・ドレイン領域112a,112bが設けられている。そして、さらに、第1半導体層110における第1チャネル領域111と一対の第1ソース・ドレイン領域112a,112bとのそれぞれの間には、第1ソース・ドレイン領域112a,112bよりも高い抵抗値の第1LDD領域113a,113bが一対で設けられている。第1LDD領域113a,113bは、n型の導電型であり、第1ソース・ドレイン領域112a,112bよりも不純物濃度が低い。
第1ゲート絶縁膜121は、第1半導体層110の第1チャネル領域111と第1ゲート電極131との間に対応するように形成されている。第1ゲート絶縁膜121は、たとえば、シリコン酸化物を用いて形成されている。
第1ゲート電極131は、第1ゲート絶縁膜121を介して第1半導体層110の第1チャネル領域111に対応するように形成されている。第1ゲート電極131は、たとえば、多結晶シリコンを用いた導電層で形成されており、第1基板11に設けられている走査配線201に接続されている。
そして、第1ソース・ドレイン領域112a,112bのそれぞれには、電極(図示なし)が接続されており、一方の電極は、第1基板11に設けられている信号配線202に接続されており、他方の電極は、画素電極15に接続されている。
また、保持容量素子17は、図2に示すように、下部電極171と、誘電体層172と、上部電極173とを有する。保持容量素子17は、下部電極171と上部電極173との間に誘電体層172が介在するように構成されている。保持容量素子17において、下部電極171と上部電極173とは、たとえば、多結晶シリコンにより形成されている。また、誘電体層172は、たとえば、シリコン窒化膜により形成されている。保持容量素子17は、上部電極173が第1配線層101を介してCS線(図示なし)と接続し、下部電極171が第2配線層102と第3配線層103とを介して画素電極15と接続し、画素電極15への印加電圧を保持する。
また、第1基板11の駆動部13には、図1に示すように、水平駆動回路13aと垂直駆動回路13bとが外部端子41に接続して設けられており、表示部12を駆動して画像を表示させる。水平駆動回路13aは、走査配線201に接続されており、垂直駆動回路13bは、信号配線202に接続されている。水平駆動回路13aと垂直駆動回路13bとは、図2に示すように、表示部12を駆動するように駆動トランジスタ18を含む。
図4は、駆動トランジスタ18の構成を拡大して示す構成図である。
図4に示すように、駆動トランジスタ18は、トップゲート型のLDD構造のTFTであり、第2半導体層210と第2ゲート絶縁膜221と第2ゲート電極231とを有する。
第2半導体層210は、前述の第1半導体層110と異なり、単結晶の半導体により構成されており、たとえば、単結晶シリコンを用いて形成されている。第2半導体層210は、たとえば、p型の単結晶シリコンの第2チャネル領域211を挟むように、n型の一対の第2ソース・ドレイン領域212a,212bが設けられている。そして、さらに、第2半導体層210における第2チャネル領域211と一対の第2ソース・ドレイン領域212a,212bとのそれぞれの間には、第2ソース・ドレイン領域212a,212bよりも高い抵抗値の第2LDD領域213a,213bが一対で設けられている。第2LDD領域213a,213bは、n型の導電型であり、第2ソース・ドレイン領域212a,212bよりも不純物濃度が低い。
第2ゲート絶縁膜221は、第2半導体層210の第2チャネル領域211と第2ゲート電極231との間に対応するように形成されている。第2ゲート絶縁膜221は、たとえば、シリコン酸化物を用いて形成されている。
第2ゲート電極231は、第2ゲート絶縁膜221を介して第2半導体層210の第2チャネル領域211に対応するように形成されている。第2ゲート電極231は、たとえば、多結晶シリコンを用いて形成されている。
また、第1基板11には、画素トランジスタ16と保持容量素子17と駆動トランジスタとを覆うように、シリコン酸化膜の第1層間絶縁膜51と第2層間絶縁膜52と第3層間絶縁膜53とが順次形成されている。ここで、第1層間絶縁膜51には、保持容量素子17の上部電極173と接続する第1配線層101と、下部電極171と接続する第2配線層102とが形成されている。また、第2層間絶縁膜52は、第1基板11の液晶層31側の表面を平坦化しており、第2配線層102と接続する第3配線層103が形成されている。そして、第3層間絶縁膜53の上には、画素電極15が形成されている。また、画素電極15を被覆するように、液晶層31を配向する第1配向膜19が形成されている。第1配向膜19は、たとえば、ポリイミドからなり、ラビング処理される。
第2基板21は、第1基板11と同様に、光を透過する透明な絶縁体により形成された絶縁性基板であり、たとえば、石英を用いて構成されている。第2基板21は、カラーフィルタ層22と、対向電極23とを有する。
カラーフィルタ層22は、液晶層31を透過した光を着色する。カラーフィルタ層22は、赤、青、緑の3原色で画素毎に構成されており、表示部12で画像をカラー表示させる。
対向電極23は、画素電極15に対向するようにITOによりベタ状に形成され、画素電極15に共通する共通電極として機能する。そして、対向電極23を覆うように、第2配向膜24が形成されている。第2配向膜24は、ポリイミドにより形成され、ラビング処理されて液晶層31の配向方向を規定する。
液晶層31は、たとえば、ツイストネマティック型であり、第1基板11と第2基板21との間に配置されている。液晶層31は、画素電極15と対向電極22とに印加される電圧に基づいて液晶層31の配向状態が変化し、画面の表示が行われる。
その他に、本実施形態の表示装置は、偏光板、バックライトなどの周辺機器が実装されている。
なお、上記の本実施形態において、第1基板11は、本発明の基板に相当する。また、本実施形態の表示部12は、本発明の表示部に相当する。また、本実施形態の画素12aは、本発明の画素に相当する。また、本実施形態の駆動部13は、本発明の駆動部に相当する。また、本実施形態の画素トランジスタ16は、本発明の第1トランジスタに相当する。また、本実施形態の駆動トランジスタ18は、本発明の第2トランジスタに相当する。
以下より、本実施形態の表示装置の製造方法について説明する。
図5は、本実施形態の表示装置の製造方法における各工程での断面図である。図5においては、画素トランジスタ16と保持容量素子17と駆動トランジスタ18とを第1基板11に製造する工程における断面図を、(a),(b),(c),(d)の順で示している。
まず、はじめに、図5(a)に示すように、石英によって形成された絶縁体の第1基板11に単結晶半導体層303を形成する。ここでは、画素トランジスタ16と保持容量素子17と駆動トランジスタ18とが形成される形成領域を含むように、単結晶半導体層303を第1基板11に形成する。本実施形態においては、第1基板11と異なる基板上に形成した単結晶シリコン層を第1基板11に貼り合せることにより、第1基板11に単結晶半導体層303を形成する。なお、図示を省略しているが、第1基板11には、走査配線201や信号配線202などの配線層が形成され、第1基板11の液晶層31側に対して反対になる側から入射する光が画素トランジスタ16と保持容量素子17とに入射することを防止するために、これらの配線層(図示なし)の一部が画素トランジスタ16と保持容量素子17とが形成される領域に対応するように、予め形成されている。また、さらに、その配線層を被覆するように層間絶縁膜が形成されている。
図6は、貼り合せによって第1基板11に単結晶半導体層303を形成する各工程を示す断面図である。図6においては、各工程における断面図を、(a),(b),(c),の順で順次、示している。
図6(a)に示すように、シリコンからなる半導体基板301の表面を陽極化成し、微細な孔を複数有する多孔質層302を形成する。
そして、図6(b)に示すように、多孔質層302の上に単結晶半導体層303を形成する。ここでは、単結晶シリコンを多孔質層302の上にエピタキシャル成長させることにより、単結晶シリコンからなる単結晶半導体層303を形成する。
そして、図6(c)に示すように、単結晶半導体層303が形成された半導体基板301の面を、第1基板11に対面し接触させる。そして、たとえば、300℃で2時間の熱処理を実施して、脱水縮合反応により互いを結合させて貼り合せる。その後、たとえば、ウォータージェットによる圧力作用を利用し、単結晶半導体層303と多孔質層302との間で半導体基板301を第1基板11から剥離する。そして、表面に残存している多孔質層302や単結晶半導体層303とをエッチング処理などによって除去し、図5(a)に示すように、単結晶半導体層303を、たとえば、30μmの厚さで第1基板11に形成する。
つぎに、図5(b)に示すように、画素トランジスタ16の第1半導体層110と、保持容量素子17の下部電極171と、駆動トランジスタ18の第2半導体層210とを形成する。
ここでは、駆動トランジスタ18の第2半導体層210の形成領域を含むようにレジストマスク(図示なし)を形成する。この時、画素トランジスタ16の第1半導体層110と、保持容量素子17の下部電極171との形成領域にある単結晶半導体層303の表面については、露出させる。
そして、画素トランジスタ16の第1半導体層110と、保持容量素子17の下部電極171との形成領域にある単結晶半導体層303に、たとえば、Siイオンを注入して、単結晶半導体層303を非晶質化する。たとえば、1.0×1014〜5.0×1015/cmのドーズ量のSiイオンを膜厚に応じて、10〜200eVの複数の注入エネルギで実施する。そして、レジストマスクを除去後、たとえば、600〜700℃での熱処理を実施し、非晶質化された部分を結晶成長させて、所望のグレインサイズに多結晶化する。
そして、単結晶半導体層303と、その単結晶半導体層303が多結晶化された部分とをエッチング処理によってパターン加工し、画素トランジスタ16の第1半導体層110と、保持容量素子17の下部電極171と、駆動トランジスタ18の第2半導体層210とを形成する。このようにして、単結晶半導体層303を非晶質化した後に多結晶化することにより、画素トランジスタ16の第1半導体層110と、保持容量素子17の下部電極171とを多結晶半導体で形成し、単結晶半導体層303を用いることにより、駆動トランジスタ18の第2半導体層210を単結晶半導体で形成する。
つぎに、図5(c)に示すように、画素トランジスタ16の第1ゲート絶縁膜121と、保持容量素子17の誘電体層172と、駆動トランジスタ18の第2ゲート絶縁膜221とを形成する。
ここでは、画素トランジスタ16の第1半導体層110と、保持容量素子17の下部電極171と、駆動トランジスタ18の第2半導体層210とを含むように、たとえば、CVD(Chemical Vapor Deposition)法により、80nm程度の厚さのシリコン酸化膜を第1基板11の全面に成膜する。これにより、画素トランジスタ16の第1ゲート絶縁膜121と、駆動トランジスタ18の第2ゲート絶縁膜221とが形成される。その後、画素トランジスタ16と駆動トランジスタ18とのしきい値の調整のために、第1半導体層110と第2半導体層210とに、たとえば、ボロンをイオン注入する。
そして、画素トランジスタ16の第1ゲート絶縁膜121と駆動トランジスタ18の第2ゲート絶縁膜221との形成領域にあるシリコン酸化膜を覆うようにレジストマスク(図示なし)を形成する。その後、保持容量素子17の誘電体層172の形成領域にあるシリコン酸化膜をエッチング処理により除去し、保持容量素子17の下部電極171の表面を露出させる。そして、露出された下部電極171にリンをイオン注入し、レジストマスクを除去する。
そして、保持容量素子17の誘電体層172を形成する。ここでは、保持容量素子17の下部電極171を含むように、CVD法により、第1基板11の全面にシリコン窒化膜を成膜する。その後、そのシリコン窒化膜をエッチング処理によりパターン加工し、保持容量素子17の誘電体層172を形成する。
つぎに、図5(d)に示すように、画素トランジスタ16の第1ゲート電極131と、保持容量素子17の上部電極173と、駆動トランジスタ18の第2ゲート電極231とを形成する。
ここでは、画素トランジスタ16の第1ゲート電極131の形成領域と、保持容量素子17の上部電極173の形成領域と、駆動トランジスタ18の第2ゲート電極231の形成領域と含むように、450nm程度の厚さの多結晶シリコン膜をCVD法により第1基板11の全面に成膜する。そして、その多結晶シリコン膜にリンをイオン注入した後に、ウェットエッチングによりパターン加工し、画素トランジスタ16の第1ゲート電極131と、保持容量素子17の上部電極173と、駆動トランジスタ18の第2ゲート電極231とを形成する。
つぎに、図3と図4とに示すように、画素トランジスタ16における第1半導体層110の第1チャネル領域111を挟むように、一対の第1ソース・ドレイン領域112a,112bと、一対の第1LDD領域113a,113bとを第1半導体層110に形成すると共に、駆動トランジスタ18の第2半導体層210の第2チャネル領域211を挟むように、一対の第2ソース・ドレイン領域212a,212bと、一対の第2LDD領域213a,213bとを第2半導体層210に形成する。
ここでは、画素トランジスタ16の第1ゲート電極131と、駆動トランジスタ18の第2ゲート電極231とを自己整合的なマスクとして用いて、第1半導体層110と第2半導体層210とのそれぞれにリンをイオン注入する。
そして、画素トランジスタ16の第1LDD領域113a,113bと駆動トランジスタ18の第2LDD領域223a,223bとの形成領域をレジストマスク(図示なし)で覆う。その後、第1ソース・ドレイン領域112a,112bの形成領域の第1半導体層110と、第2ソース・ドレイン領域212a,212bとの形成領域の第2半導体層210とに、たとえば、ヒ素をイオン注入する。このようにして、第1ソース・ドレイン領域112a,112bよりも第1LDD領域113a,113bが低い不純物濃度になるように形成される。また、同様に、第2ソース・ドレイン領域212a、212bよりも第2LDD領域223a,223bが低い不純物濃度となるように形成される。
つぎに、図2に示すように、画素トランジスタ16と保持容量素子17と駆動トランジスタ18とを被覆するようにして、PSG(Phospho Silicate Grass)膜の第1層間絶縁膜51を600nm程度の厚さでCVD法により形成する。その後、アニールを行い、イオン注入された不純物を活性化させる。
そして、第2層間絶縁膜52に、第1配線層101と第2配線層102とを形成する。たとえば、スパッタリング法によってアルミニウムを堆積した後に、パターン加工することによって、第1配線層101と第2配線層102とを形成する。ここでは、保持容量素子17の上部電極173を接続するように第1配線層101を形成し、下部電極171と接続するように第2配線層102を形成する。
そして、各配線層を被覆するようにして、たとえば、CVD法により、シリコン酸化膜の第2層間絶縁膜52を500nm程度の厚さで第1層間絶縁膜51の上に形成する。そして、CMP(Chemical Mechanical Polishing)によって第2層間絶縁膜52を平坦化する。その後、第2配線層102の表面が露出するように第2層間絶縁膜52にコンタクトホールを形成し、たとえば、アルミニウムをそのコンタクトホールに埋め込むようにして堆積して、第3配線層103を形成する。ここで、第3配線層103は、液晶層31側から画素トランジスタ16と保持容量素子17と駆動トランジスタ18とに入射する光を遮光するように形成される。
そして、第3配線層103を覆うように、シリコン酸化物の第3層間絶縁膜53を第2層間絶縁膜52の上にCVD法により形成する。そして、第3配線層103の表面が露出するように第3層間絶縁膜53にコンタクトホールを形成し、スパッタリング法により、そのコンタクトホールを埋め込むように、ITO膜を第4層間絶縁膜54に成膜した後、そのITO膜をパターン加工することによって、画素電極15を形成する。なお、ここでは、図示を省略しているが、画素トランジスタ16と駆動トランジスタ18とにおける各部には、配線層(図示なし)に接続されている。たとえば、画素トランジスタ16においては、第1ゲート電極131と走査配線201とを接続し、第1ソース・ドレイン領域の一方を、第1基板11に設けられている信号配線202に接続し、他方を、画素電極15に接続する。
一方、第2基板21においては、図2に示すように、カラーフィルタ層22を形成後、第1基板11に形成された画素電極15に対向するように、ITOを用いて対向電極23をベタ状に形成する。
そして、画素電極15が形成された第1基板11と、対向電極23が形成された第2基板21とを、画素電極15と対向電極23とが対向するように貼り合わせる。貼り合わせるに当たり、第1配向膜19を第1基板11の画素電極15を覆うようにポリイミドを用いて形成すると共に、第2配向膜24を第2基板21にポリイミドを用いて形成する。そして、第1配向膜19と第2配向膜24とをラビング処理した後、第1基板11と第2基板21とが間隔を隔てるように対面させて貼り合わせる。その後、第1基板11と第2基板21との間の間隔に液晶層31を注入し、液晶層31を配向させて液晶パネルを形成する。
その後、液晶パネルを駆動させる駆動回路や、偏光板、バックライトなどの周辺機器を実装して表示装置を完成する。
本実施形態の表示装置を駆動させる際においては、駆動トランジスタ18を含む駆動部の水平駆動回路13aが、時間分割で走査配線201を走査して、画素トランジスタ16をオン状態にする走査信号を、順次、供給する。そして、走査配線201を介して画素トランジスタ16の第1ゲート電極131に印加され、画素トランジスタ16がオン状態になる。そして、駆動トランジスタ18を含む垂直駆動回路13bが、信号配線を介して画素トランジスタ16に映像データ信号を供給する。ここで、画素トランジスタ16がオン状態の場合には、画素電極15が液晶層31と保持容量素子17とに映像データ信号による表示電圧を印加する。映像データ信号による画素電極15への表示電圧の印加により、液晶層31の配向方向が変化して光透過率が変わり、たとえば、ノーマリーブラックモードの場合では、画像の表示が実施される。その後、水平駆動回路13aによって画素トランジスタ16はオフ状態となり、信号配線から画素電極15への映像データ信号の供給が終了される。オフ状態になった後においては、液晶層31と保持容量素子17との電荷保持特性によって表示電圧が保持され、電荷が保持されている間に画像の表示が行われる。そして、このような動作をフレーム反転駆動方式により繰り返して、画像の表示が実施される。
以上のように、本実施形態によれば、表示部12の画素12aをスイッチング制御する画素トランジスタ16は、チャネル領域111が多結晶の半導体により形成され、単結晶の半導体の場合よりも光感度が低く、光リークが抑制される。そして、表示部12を駆動する駆動部13を構成する駆動トランジスタ18は、チャネル領域211が単結晶の半導体により形成され、多結晶の半導体の場合よりキャリア移動度が高く、駆動能力が向上する。このため、本実施形態は、駆動部の駆動能力の向上と、表示部での光リークの防止とを両立することが容易であり、画像品質を向上することができる。
また、本実施形態においては、画素トランジスタ16の形成領域と駆動トランジスタ18の形成領域との両者を含むように、第1基板11に単結晶半導体層303を形成する。その後、その単結晶半導体層303を非晶質化した後に多結晶化することにより、画素トランジスタ16のチャネル領域111を形成すると共に、その単結晶半導体層303を用いて駆動トランジスタのチャネル領域211を形成する。このように、一体的に画素トランジスタ16と駆動トランジスタ18とを形成できるため、製造効率を向上することができる。
<実施形態2>
以下より、実施形態2について説明する。
本実施形態は、製造方法の一部が実施形態1と異なる。本実施形態は、この点を除き、実施形態1と同様である。つまり、本実施形態の構成は、実施形態1と同様である。したがって、重複する個所は、同一の符号を付し、説明を省略する。
以下より、本実施形態の表示装置の製造方法について説明する。
図7は、本実施形態の表示装置の製造方法における各工程での断面図である。図7においては、画素トランジスタ16と保持容量素子17と駆動トランジスタ18とを第1基板11に製造する工程における断面図を、(a),(b),(c),(d)の順で示している。
まず、はじめに、図7(a)に示すように、石英によって形成された絶縁体の第1基板11に単結晶半導体層303を形成する。たとえば、実施形態1の場合と同様にして、単結晶半導体層303を形成する。
つぎに、図7(b)に示すように、駆動トランジスタ18の第2半導体層210を形成する。ここでは、単結晶半導体層303をエッチング処理してパターン加工し、第2半導体層210を形成する。
つぎに、図7(c)に示すように、第2半導体層210を保護する保護層401を形成する。たとえば、CVD法によりシリコン酸化物の保護層401を形成する。
その後、保護層401が形成された第2半導体層210を被覆すると共に、画素トランジスタ16の第1半導体層110の形成領域と、保持容量素子17の下部電極171の形成領域とを被覆するように、多結晶半導体層501を形成する。たとえば、CVD法により、非晶質の半導体層であるアモルファスシリコンを堆積後、アニールすることにより所定のグレインサイズの多結晶シリコンからなる多結晶半導体層501を形成する。
なお、多結晶半導体層501を形成する際には、上記のように非晶質半導体層から形成せずに、まず、多結晶半導体層を形成し、その後にイオン注入によって非晶質化し、アニールすることで所定のグレインサイズに多結晶化して形成してもよい。
つぎに、図7(d)に示すように、画素トランジスタ16の第1半導体層110と、保持容量素子17の下部電極171とを形成する。ここでは、多結晶半導体層501をパターン加工することにより、第1半導体層110と下部電極171とを形成する。その後、保護層401をエッチング処理によって除去し、第2半導体層210を露出させる。
このようにして、非晶質半導体層を多結晶化することにより形成された多結晶半導体層501を用いて、画素トランジスタ16の第1半導体層110と、保持容量素子17の下部電極171とを形成し、単結晶半導体層303を用いることにより、駆動トランジスタ18の第2半導体層210を形成する。
その後、実施形態1と同様な手順で、表示装置を完成する。
以上のように、本実施形態においては、単結晶半導体層303を用いて駆動トランジスタ18の第2半導体層210を形成すると共に、画素トランジスタ16の形成領域を含むように非晶質半導体層を形成し、その画素トランジスタ16の形成領域に対応する非晶質半導体層を多結晶化することによって、画素トランジスタ16の第1半導体層110を形成する。そして、画素トランジスタ16と駆動トランジスタ18との各ソース・ドレイン領域を同じ工程で形成し、多結晶の半導体のチャネル領域である画素トランジスタ16と、単結晶の半導体のチャネル領域である駆動トランジスタ18とを形成する。本実施形態は、実施形態1と同様に、駆動部の駆動能力の向上と、表示部での光リークの防止とを両立することが容易であって画像品質を向上することができ、さらに、上記のように、一体的に画素トランジスタ16と駆動トランジスタ18とを形成できるため、製造効率を向上することができる。
<実施形態3>
以下より、実施形態3について説明する。
図8は、本実施形態の表示装置の構成を示す断面図である。
本実施形態は、本実施形態の第1基板11aが単結晶の半導体により形成された単結晶半導体基板である点と、本実施形態の第1基板11aに絶縁層601が形成され、その絶縁層601を介して画素トランジスタ16と保持容量素子17とが形成されている点と、本実施形態の駆動トランジスタ18aのチャネル領域211aが、その単結晶半導体基板の第1基板11aを用いて形成されている点とが、実施形態1に対して異なる。本実施形態は、これらの点を除き、実施形態1と同様である。したがって、重複する個所は、同一の符号を付し、説明を省略する。
第1基板11aは、単結晶の半導体により形成された単結晶半導体基板であって不透明であり、たとえば、シリコンを用いてp型の導電型として構成されている。
画素トランジスタ16は、図8に示すように、絶縁層601を介して第1基板11aに形成されている。
保持容量素子17も同様に、図8に示すように、絶縁層601を介して第1基板11aに形成されている。
駆動トランジスタ18aは、その単結晶半導体基板の第1基板11aを用いてチャネル領域211aが形成されている
図9は、駆動トランジスタ18aの構成を拡大して示す構成図である。
図9に示すように、駆動トランジスタ18は、第2チャネル領域211aと、第2ソース・ドレイン領域212c,212dと、第2LDD領域213c,213dと、第2ゲート絶縁膜221と、第2ゲート電極231とを有する。
第2チャネル領域211aは、たとえば、p型であり、第1基板11aを用いて形成されている。第2チャネル領域211aは、一対の第2ソース・ドレイン領域212c,212dと、一対の第2LDD領域213c,213dとのそれぞれに挟まれるように形成される。
第2ソース・ドレイン領域212c,212dは、たとえば、n型であり、第1基板11aを用いて一対で形成されている。第2ソース・ドレイン領域212c,212dは、一対で第2チャネル領域211aを挟むように形成される。そして、一対の第2ソース・ドレイン領域212c,212dのそれぞれは、第2チャネル領域211aとの間に第2LDD領域213c,213dが設けられている。
第2LDD領域213c,213dは、たとえば、n型であり、第1基板11aを用いて一対で形成され、第2ソース・ドレイン領域212c,212dよりも不純物濃度が低い。一対の第2LDD領域213c,213dのそれぞれは、第2ソース・ドレイン領域212c,212dと、第2チャネル領域211aとによって挟まれるように形成される。
第2ゲート絶縁膜221は、実施形態1と同様に、第2チャネル領域211aと第2ゲート電極231との間に対応するように形成されている。
第2ゲート電極231もまた、実施形態1と同様に、第2ゲート絶縁膜221を介して第2チャネル領域211aに対応するように形成されている。
そして、絶縁層601は、画素トランジスタ16と保持容量素子17との形成領域に対応するように、たとえば、シリコン酸化物を用いて第1基板11aに形成されている。
また、本実施形態の表示装置は、不透明な単結晶半導体基板を用いており、第2基板21側からの光を反射して画像表示を実施可能なように構成されている。
なお、上記の本実施形態において、第1基板11aは、本発明の基板に相当する。また、本実施形態の駆動トランジスタ18aは、本発明の第2トランジスタに相当する。また、本実施形態の絶縁層601は、本発明の絶縁層に相当する。
以下より、本実施形態の表示装置の製造方法について説明する。
図10は、本実施形態の表示装置の製造方法における各工程での断面図である。図10においては、画素トランジスタ16と保持容量素子17と駆動トランジスタ18aとを第1基板11aに製造する工程における断面図を、(a),(b),(c),(d)の順で示している。
まず、はじめに、図10(a)に示すように、画素トランジスタ16と保持容量素子17との形成領域に対応するように、絶縁層601を第1基板11aに形成する。ここでは、たとえば、シリコン酸化物をCVD法により第1基板11aの全面に堆積し、その後、パターン加工することによって第1基板11aに絶縁層601を形成する。
つぎに、図10(b)に示すように、画素トランジスタ16の第1半導体層110と、保持容量素子17の下部電極171とを形成する。
ここでは、画素トランジスタ16の第1半導体層110の形成領域と、保持容量素子17の下部電極171の形成領域とを被覆するように、多結晶半導体層(図示なし)を形成する。たとえば、CVD法により、非晶質の半導体層であるアモルファスシリコンを堆積後、アニールすることにより所定のグレインサイズの多結晶シリコンからなる多結晶半導体層を形成する。その後、その多結晶半導体層をパターン加工して、第1半導体層110と下部電極171とを形成する。
つぎに、図10(c)に示すように、画素トランジスタ16の第1ゲート絶縁膜121と、保持容量素子17の誘電体層172と、駆動トランジスタ18の第2ゲート絶縁膜221とを形成する。
ここでは、画素トランジスタ16の第1半導体層110と、保持容量素子17の下部電極171と、駆動トランジスタ18aのチャネル領域211aの形成領域とを含むように、たとえば、CVD法により、80nm程度の厚さのシリコン酸化膜を第1基板11の全面に成膜する。これにより、画素トランジスタ16の第1ゲート絶縁膜121と、駆動トランジスタ18aの第2ゲート絶縁膜221とが形成される。
そして、画素トランジスタ16の第1ゲート絶縁膜121と駆動トランジスタ18の第2ゲート絶縁膜221とが形成される領域にあるシリコン酸化膜を覆うように、レジストマスク(図示なし)を形成する。その後、保持容量素子17の誘電体層172の形成領域にあるシリコン酸化膜をエッチング処理により除去し、保持容量素子17の下部電極171の表面を露出させる。そして、露出された下部電極171にリンをイオン注入し、レジストマスクを除去する。そして、保持容量素子17の誘電体層172を形成する。ここでは、保持容量素子17の下部電極171を含む第1基板11の全面に、CVD法により、シリコン窒化膜を成膜する。その後、そのシリコン窒化膜をエッチング処理によりパターン加工し、保持容量素子17の誘電体層172を形成する。
つぎに、図10(d)に示すように、画素トランジスタ16の第1ゲート電極131と、保持容量素子17の上部電極173と、駆動トランジスタ18aの第2ゲート電極231とを形成する。ここでは、実施形態1と同様に、多結晶シリコンを用いて、画素トランジスタ16の第1ゲート電極131と、保持容量素子17の上部電極173と、駆動トランジスタ18の第2ゲート電極231とを形成する。
つぎに、図3と図9とに示すように、画素トランジスタ16における第1半導体層110のチャネル領域111を挟むように、一対の第1ソース・ドレイン領域112a,112bと、一対の第1LDD領域113a,113bとを第1半導体層110に形成すると共に、駆動トランジスタ18aのチャネル領域211を挟むように、一対の第2ソース・ドレイン領域212c,212dと、一対の第2LDD領域213c,213dとを第1基板11aに形成する。
ここでは、画素トランジスタ16の第1ゲート電極131と、駆動トランジスタ18aの第2ゲート電極231とを自己整合的なマスクとして用いて、第1半導体層110と、第2ソース・ドレイン領域212c,212dに相当する第1基板11aの領域とのそれぞれに、リンをイオン注入する。
そして、画素トランジスタ16の第1LDD領域113a,113bと駆動トランジスタ18の第2LDD領域213a,213bとが形成される領域を、レジストマスク(図示なし)で覆う。その後、第1ソース・ドレイン領域112a,112bの形成領域の第1半導体層110と、第2ソース・ドレイン領域212a,212bとの形成領域の第1基板11aとに、たとえば、ヒ素をイオン注入する。このようにして、第1ソース・ドレイン領域112a,112bよりも第1LDD領域113a,113bが低い不純物濃度になるように形成される。また、同様に、第2ソース・ドレイン領域212a、212bよりも第2LDD領域223a,223bが低い不純物濃度となるように形成される。
その後、実施形態1と同様な手順で、表示装置を完成する。
以上のように、本実施形態においては、単結晶の半導体により形成された単結晶半導体基板を第1基板11aとして用い、画素トランジスタ16の形成領域に対応するように絶縁層601を第1基板11aに形成し、その絶縁層601を介して画素トランジスタ16を形成する。そして、その単結晶半導体基板からなる第1基板11aが駆動トランジスタ18aのチャネル領域になるように、駆動トランジスタ18aを形成する。そして、画素トランジスタ16と駆動トランジスタ18aとの各ソース・ドレイン領域を同じ工程で形成し、多結晶の半導体のチャネル領域である画素トランジスタ16と、単結晶の半導体のチャネル領域である駆動トランジスタ18aとを形成する。本実施形態は、実施形態1と同様に、駆動部の駆動能力の向上と、表示部での光リークの防止とを両立することが容易であって画像品質を向上することができ、さらに、上記のように、一体的に画素トランジスタ16と駆動トランジスタ18aとを形成できるため、製造効率を向上することができる。
なお、本発明の実施に際しては、上記の実施形態に限定されるものではなく、種々の変形形態を採用することができる。
たとえば、上記の実施形態においては、液晶層を用いて表示を実施する表示装置について説明したが、これに限定されず、たとえば、発光層を用いて表示を実施するELD(electro luminescence device)などの表示装置についても適用できる。
図1は、本発明にかかる実施形態1の表示装置の構成を示す斜視図である。 図2は、本発明にかかる実施形態1の表示装置の構成を示す断面図である。 図3は、本発明にかかる実施形態1の表示装置において、画素トランジスタの構成を拡大して示す構成図である。 図4は、本発明にかかる実施形態1の表示装置において、駆動トランジスタの構成を拡大して示す構成図である。 図5は、本発明にかかる実施形態1の表示装置の製造方法における各工程での断面図である。 図6は、本発明にかかる実施形態1の表示装置の製造方法において、貼り合せによって第1基板に単結晶半導体層を形成する各工程を示す断面図である。 図7は、本発明にかかる実施形態2の表示装置の製造方法における各工程での断面図である。 図8は、本発明にかかる実施形態3の表示装置の構成を示す断面図である。 図9は、本発明にかかる実施形態3の表示装置において、駆動トランジスタの構成を拡大して示す構成図である。 図10は、本発明にかかる実施形態1の表示装置の製造方法における各工程での断面図である。
符号の説明
11,11a:第1基板(基板)、
12:表示部(表示部)、
12a:画素(画素)、
13:駆動部(駆動部)、
13a:水平駆動回路、
13b:垂直駆動回路、
15:画素電極、
16:画素トランジスタ(第1トランジスタ)、
17:保持容量素子、
171:下部電極、
172:誘電体層、
173:上部電極、
18,18a:駆動トランジスタ(第2トランジスタ)、
21:第2基板、
22:カラーフィルタ層、
23:対向電極、
31:液晶層、
41:外部端子、
110:第1半導体層、
111:第1チャネル領域、
112a,112b:第1ソース・ドレイン領域、
113a,113b:第1LDD領域、
121:第1ゲート絶縁膜、
131:第1ゲート電極、
201:走査配線、
202:信号配線、
210:第2半導体層、
211:第2チャネル領域、
212a,212b,212c,212d:第2ソース・ドレイン領域、
213a,213b,213c,213d:第2LDD領域、
221:第2ゲート絶縁膜、
231:第2ゲート電極、
601:絶縁層

Claims (10)

  1. 基板と、
    複数の画素により前記基板に形成された表示部と、
    前記基板に形成され、前記表示部を駆動する駆動部と
    を有し、
    前記表示部は、前記画素毎に設けられ、前記画素をスイッチング制御する第1トランジスタを含み、
    前記駆動部は、前記表示部を駆動する第2トランジスタを含み、
    前記第1トランジスタのチャネル領域が、多結晶の半導体により形成され、
    前記第2トランジスタのチャネル領域が、単結晶の半導体により形成されている
    表示装置。
  2. 前記基板は、絶縁体により形成された絶縁体基板である
    請求項1に記載の表示装置。
  3. 前記基板は、単結晶の半導体により形成された単結晶半導体基板であり、
    前記第2トランジスタのチャネル領域は、前記単結晶半導体基板を用いて形成される
    請求項1に記載の表示装置。
  4. 前記単結晶半導体基板には、前記第1トランジスタの形成領域に対応するように絶縁層が形成され、
    前記第1トランジスタは、前記絶縁層を介して形成されている
    請求項3に記載の表示装置。
  5. 基板と、複数の画素により前記基板に形成された表示部と、前記基板に形成され、前記表示部を駆動する駆動部とを有する表示装置の製造方法であって、
    前記表示部の前記画素をスイッチング制御する第1トランジスタを前記画素毎に形成する第1工程と、
    前記表示部を駆動する第2トランジスタを前記駆動部に形成する第2工程と
    を含み、
    前記第1工程では、前記第1トランジスタのチャネル領域を多結晶の半導体により形成し、
    前記第2工程では、前記第2トランジスタのチャネル領域を単結晶の半導体により形成する
    表示装置の製造方法。
  6. 前記第1トランジスタの形成領域と前記第2トランジスタの形成領域とを含むように、前記基板に単結晶半導体層を形成する工程
    を有し、
    前記第1工程においては、前記第1トランジスタのチャネル領域に対応する前記単結晶半導体層を非晶質化した後に多結晶化することにより、前記第1トランジスタのチャネル領域を形成し
    前記第2工程においては、前記第2トランジスタのチャネル領域の形成領域に対応する前記単結晶半導体層を用いて、前記第2トランジスタのチャネル領域を形成する
    請求項5に記載の表示装置の製造方法。
  7. 前記第1工程においては、前記第1トランジスタのチャネル領域の形成領域を含むように非晶質半導体層を形成し、前記第1トランジスタのチャネル領域に対応する前記非晶質半導体層を多結晶化することにより前記第1トランジスタのチャネル領域を形成する
    請求項5に記載の表示装置の製造方法。
  8. 絶縁体により形成された絶縁体基板を前記基板として用いる
    請求項5に記載の表示装置の製造方法。
  9. 単結晶の半導体により形成された単結晶半導体基板を前記基板として用い、
    前記第2工程においては、前記単結晶半導体基板が前記第2トランジスタのチャネル領域になるように前記第2トランジスタを形成する
    請求項5に記載の表示装置の製造方法。
  10. 前記第1工程においては、前記第1トランジスタの形成領域に対応するように絶縁層を前記単結晶半導体基板に形成し、前記絶縁層を介して前記第1トランジスタを形成する
    請求項9に記載の表示装置の製造方法。
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