JP2006037786A - ポンプ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 流体を流入させる第1逆止弁7を内蔵した流体流入口5と、流体を流出させる第2逆止弁8を内蔵した流体流出口6を下部に設け、ハウジング1内底部に上下方向に伸縮して内容積が変化するピストン体2を配置し、更にピストン体2をその収縮方向に付勢するコイルバネ4、コイルバネ4の付勢力に反してピストン体2を持ち上げる形状記憶合金からなる駆動紐体3をハウジング1内に収容した。駆動紐体3は、両端をハウジング1上部に設けた係止部13に係止し、コイルバネ4を左右から挟むように、ピストン体2とハウジング1内壁の双方に対称に配置した4つのプーリ10,10,11,11に掛止した。
【選択図】 図1
Description
近年、モバイル機器においては、動画やマルチメディアなど集積回路に高速な信号処理が要求されるアプリケーションが急速に普及しており、それに伴い集積回路からの発熱も増大している。そのため、集積回路の冷却媒体を循環させるために小型化したポンプが必要となっている。また、このようなモバイル機器においては、長寿命が期待できる燃料電池を搭載した機器が検討され、燃料電池の電極に液体燃料を供給するために小型ポンプが使用されることになる。
このような機器に適したポンプとして、特許文献1に記載された形状記憶合金を使用したものがある。これは、形状記憶合金の加熱時の収縮作用を利用し、通電することで加熱収縮させると共に常温に戻すことで伸張させ、形状記憶合金を伸縮させてポンプ動作を可能としている。
上記特許文献1に示すような形状記憶合金を使用したものは、小型化を図ることができ、また通電電流をオン/オフするだけの操作なので駆動回路も簡易な回路で済むため、小型軽量化が要求される部位への組み込みに有利である。
そこで、本発明はこのような問題点に鑑み、形状記憶合金を使用する構造において、薄型化が可能なポンプを提供することを目的とする。
この構成により、コイルバネの内側には部材を配置しないので、コイルバネの外径を細くできる。そのため、ハウジング全体を薄く小型化することが可能となる。
この構成により、駆動紐体を折り返して架け渡すことができるので、動滑車の原理により駆動紐体に加わる荷重が軽減される。その結果、駆動紐体の径を細くでき、伸縮動作を高速にできる。
このようなハウジング内容積において、効果的に流体の搬送を行うことができる。
具体的には、この実施形態では、ハウジング1を、逆止弁7,8を設けた基台1aと、基台1a上に設置してピストン体2や駆動紐体3を収容する上部蓋体1bとで形成し、双方を連結する際にスカート体2cを狭持することでスカート体2cを固着している。また、側壁体2a、天板2b、スカート体2cは一体に形成されている。
尚、ピストン体2はシリコンゴムで形成され、天板2bをハウジング1の形状に合わせて四角形に形成しているが、ハウジングの横断面が円筒或いは楕円の場合は、それに合わせた形状にすれば良い。また、天板2bは、伸縮移動した時に変形しないよう金属板(図示せず)が貼着されて堅牢に形成されている。
また、ハウジング1のほぼ中央には、コイルバネ4を係止するバネ固定片15が設けられ、ピストン体2の天板2bとバネ固定片15の間にコイルバネ4が収縮設置され、天板2bを常時下方に、即ちピストン体2を常時収縮する方向に付勢している。
また、プーリ(移動掛止部材、固定掛止部材)を設けて駆動紐体を架け渡すことで、動滑車の原理により駆動紐体に掛かる加重が軽減される。その結果、駆動紐体の径を細くでき、伸縮動作が高速且つスムーズになり流体が良好に搬送される。
また、側壁体をベローズ状に形成して側壁体と天板を一体形成することで、ピストン体を容易に形成できる。
更に、ハウジング1の寸法は、例えば高さHが22mm、幅Wが15mm、厚さが5mmで作製でき、ハウジング内容積が0.5〜20cm3において、効果的に流体の搬送を行うことができる。
通常状態では、形状記憶合金で形成された駆動紐体3はマルテンサイト相にあり、コイルバネ4に付勢されて伸びた状態にある。そのため、ピストン体2の側壁体2aは折り畳まれて、ピストン体2は収縮状態となる。この状態で、外部から電極を介して通電されると、駆動紐体3は通電電流で加熱され、オーステナイト相に相変態して収縮する。すると、図2に示すように、コイルバネ4の付勢力に抗してピストン体2の天板2bは持ち上げられ、ピストン体2は伸張する。その結果、流体流入口5からピストン体2内へ流体が流入する。この時、第2逆止弁8の作用で、流体流出口6から流体がピストン体2に入り込むようなことがない。
こうして、通電電流のオン/オフ操作を繰り返すことで、流体が搬送される。
図3では、ハウジング1側に固定掛止部材としてプーリ11を1個、中央上部に設けている。そして、駆動紐体3を係止部13からピストン体2のプーリ10、ハウジングのプーリ11とW字状に架け渡している。
このようにプーリを配置しても、通電電流のオン/オフにより、ピストン体2を伸張/収縮させて内容積を増減させることができる。而も、図1のように駆動紐体3が交叉することがないので、交叉部で駆動紐体3が接触して通電不良が発生するようなことがない。
図4では、ピストン体2の天板2bにプーリを直接設けず、延設片16を天板2bに取り付け、ピストン体2に設けるプーリ10をコイルバネ4の上方に配置している。また、ハウジング1には掛止部材がない。そして、駆動紐体3を単純に2つのプーリ10,10に架け渡している。このように、単純な構成としてもピストン体2を伸縮動作させることができる。但し、ピストン体2の伸縮比は図3の構成に比べて更に小さくなる。
図5では、ハウジング1、ピストン体2共に掛止部材を設けず、駆動紐体3を一対の係止部13から垂下するように下に延ばし、ピストン体2の天板2bに固着している。天板2bには良好に通電する金属板17が接着され、この金属板17に駆動紐体3は固着されている。
このように、駆動紐体を左右分離して設置すれば、掛止部材を設ける必要が無くなる。
図6では、ピストン体2の側壁体2aを高く形成し、ピストン体2内部にコイルバネ4を配置し、ハウジング1側の一対のプーリ11をピストン体2の基部となるハウジング1底部に配置している。
この構成の場合、コイルバネ4をピストン体2内に配置し、ハウジング1側のプーリ11を下方に配置することで、コイルバネ4の弾性による付勢力は図1とは逆方向となり、ピストン体2を伸張する方向に作用するし、駆動紐体3の作用によりピストン体2は収縮される。従って、コイルバネ4の作用でピストン体2内に流体は流入し、駆動紐体3の作用でピストン体2内から流体は送出される。
このように構成しても、良好な流体の搬送を実施できる。
図7では、21がピストン体であり、筒状体19とその内壁を摺動する摺動体20の2部材で分離形成している。このように、ピストン体は、従来のピストンのように形成しても良い。
Claims (5)
- 一定方向に伸縮して内容積が増減するピストン体と、該ピストン体に流体を流入させる為の第1逆止弁と、前記ピストン体から流体を流出させるための第2逆止弁と、前記ピストン体が伸張或いは収縮する方向へ付勢するコイルバネと、該コイルバネの付勢に抗する方向へ前記ピストン体を引っ張り操作する紐状の形状記憶合金からなる駆動紐体とを有し、
それらを収納したハウジングに、前記駆動紐体の端部を係止する係止部及び該係止部に連結されて前記駆動紐体に通電するための電極を設け、
前記駆動紐体は、前記コイルバネの周囲で前記係止部と前記ピストン体との間に架け渡され、
前記電極に外部から通電される電流をオン/オフすることで、前記駆動紐体を伸縮させ、前記ピストン体を伸縮動作させて流体を搬送することを特徴とするポンプ。 - ハウジングは、下面に流体流入口、流体流出口を有した略立方体形状であって、ハウジング内底部にピストン体を配置すると共にピストン体上方に駆動紐体の係止部を配置し、更に、前記ピストン体上部に駆動紐体を掛止する移動掛止部材を少なくとも1個設けると共に、ハウジング内壁にも駆動紐体を掛止する固定掛止部材を少なくとも1個設け、
連続した1本の駆動紐体を前記移動及び固定掛止部材間に架け渡した請求項1記載のポンプ。 - 移動掛止部材、固定掛止部材の少なくとも一方が、駆動紐体の伸縮に応じて回転動作するプーリである請求項2記載のポンプ。
- ピストン体は、筒状でべローズ状に伸縮する側壁体と、該側壁体上部を閉塞する天板とを有し、前記側壁体及び天板が一体に形成されてなる請求項1乃至3の何れかに記載のポンプ。
- ハウジングの容積が、0.5〜20cm3である請求項1乃至4の何れかに記載のポンプ。
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