JP2006037675A - 木工沈床の通し連結部分の固定構造、柱材どうしの通し連結部の連結方法並びにその連結部構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】
施工現場で簡単かつ短時間に組み付けでき、施工現場の具体的な地形に則して柔軟に構造体を構築し得る木工沈床の通し連結部分の固定構造等を提供する。
【解決手段】
構造体の基礎枠の木製枠材に設けたボルト連結用縦通し孔に挿入嵌合されるねじ筒と、ねじ筒に一体的に連結されてねじ筒を縦通し孔に挿入嵌合した状態でねじ筒が動かないように枠材に固定させる固定部と、を含むねじ筒体を取付ける。木製枠材を反転させて固定部を底面側に配置した状態で上方から該縦通し孔に下端を挿入されてねじ筒に長ボルトを螺着させる。長ボルトに挿通されて柵材を交差状にそれぞれの縦通し孔に刺し通し、最上位の柵材から突設する長ボルトの上端側から締結部材を締結させる。簡単な組み付け作業で、高強度の構造体を得る。
【選択図】図2
施工現場で簡単かつ短時間に組み付けでき、施工現場の具体的な地形に則して柔軟に構造体を構築し得る木工沈床の通し連結部分の固定構造等を提供する。
【解決手段】
構造体の基礎枠の木製枠材に設けたボルト連結用縦通し孔に挿入嵌合されるねじ筒と、ねじ筒に一体的に連結されてねじ筒を縦通し孔に挿入嵌合した状態でねじ筒が動かないように枠材に固定させる固定部と、を含むねじ筒体を取付ける。木製枠材を反転させて固定部を底面側に配置した状態で上方から該縦通し孔に下端を挿入されてねじ筒に長ボルトを螺着させる。長ボルトに挿通されて柵材を交差状にそれぞれの縦通し孔に刺し通し、最上位の柵材から突設する長ボルトの上端側から締結部材を締結させる。簡単な組み付け作業で、高強度の構造体を得る。
【選択図】図2
Description
本発明は、河川の根固め用等の木工沈床の通し連結部分の固定構造、あるいは木製の構造材の構築に際しての柱材どうしの通し連結部の連結方法並びにその連結部構造に関する。
河川の川底の洗掘防止に根固めコンクリートブロック施工等が汎用されるが、近時、環境保全のためこのような根固め工にもできるかぎり天然の素材を用いしかも簡便な施工により環境負荷を軽減する試みが多い。例えば木工沈床は、根固め用の大型コンクリートブロック施工のように大型クレーン、大型作業用重機を現場施工時に必要とせず、また、これらの重機の往来用の道路を切り拓く必要がなく、規模も小さくてよいから、周辺環境を荒らさず、しかも工期も短いという利点がある。しかも材料コストも間伐材や天然石等の天然資源を用いるから低廉である。このような、木工沈床についての提案が特許文献1においてなされている。
特開平10−317350号公報
上記の特許文献1の沈床木工では、従来の針金や丸太を用いた手作業による枠体の組み立て作業を簡易化し、労力を軽減することを企図したものである。図 A,B は、特許文献の木工沈床の分解斜視図及び要部縦断面図であるが、この従来の木工沈床は、木杆150aの上に直角に木杆150bを渡し、その交差部において、上下の木杆150に互いに連続する孔152a、152bをそれぞれあけ、上側の木杆150bの孔152bには、内面に雌ねじを刻んだねじ筒154を納め、ねじ筒の上部のつば156を釘で木杆に固定する.下側の木杆150aの孔に下からボルト158を差し、ボルトの先をねじ筒154に螺合して、締め付けている。そして、ねじ筒154にタイボルト160をねじ込んで立て、これらのタイボルトに、他の木杆を一本一本、互い違いに串通し、最後にナット162を締め付けて構築するものであった。
しかしながら、この特許文献1の木工沈床では、図Aに示すように、下側の木杆150aの孔152に下からボルト158を挿入してねじ筒154に螺合させるから、実際にはねじ筒154を予め上側の木杆150bに挿入固定させておき、その状態でボルト158を下側から螺合させる必要がある。したがって、例えば1辺2メートル程度の長さで150ミリメートル角程度の断面大きさの角材であれば数十キログラムの重量を持ち、しかも水辺で水に濡れ易い環境であり、しかも木杆を上下に重ねた状態でボルト通しを行うから、人力のみで組み付け作業を行うのは現実には困難であった。したがって、この基礎枠体部分のみを工場で予め組み付けたものを枠ごと施工現場に運搬して施工するか、または、作業現場に重機を導入して木杆の片側のみを吊り上げた状態でしか組み付け作業を行うことができず、よって、組み付け精度が悪く構造体全体としての組み付け強度の信頼性が劣るばかりでなく、組み付け作業時間がかかるものであった。したがって、現実には工場でのプレハブ的な組み付けとせざるを得ず、よって、搬送用車両の確保が必要で、積み下ろし作業に手間がかかり、現場での予期できない環境に対応した枠体の組み付け作業ができないという問題があった。さらに、特許文献1の木工沈床では、下部のボルト158と、上部のボルト160とは分割されており、したがって大きな外部負荷が加わった場合にタイボルト下端部分で折損したり、あるいは抜けや緩みのおそれがあった。また、ボルト数が2個であるため、そのぶんの取付け、締め込み作業が必要で通し連結部分の箇所が多い場合には工数が多くなって作業効率を阻害するものとなっていた。さらに、ボルト158の長さはこれを挿入させる下側木杆150aの厚み幅に対応した長さとしなければならず、木杆150aの厚みが薄い場合には、タイボルトの下端が下部ボルトに突き当たり、それ以上締まらないために木杆同士にガタツキが生じ、構造体の強度や組み付け精度が劣るという問題があった。一方、最下位の木杆の底面は施工地盤に安定設置する必要があるから、できるだけ密着状に設置する必要があり、この点から、最下位の木杆の底面に突設部分を作らないようにする必要があった。
本発明は、上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、その1つの目的は、施工現場で簡単かつ短時間に組み付けでき、施工現場の具体的な地形に則して柔軟に構造体を構築し得る木工沈床の通し連結部分の固定構造、柱材どうしの通し連結部の連結方法並びにその連結部構造を提供することにある。また、本発明の他の目的は、作業労力を大幅に軽減でき、簡易に構造体の組み付け施工を実現し得る木工沈床の通し連結部分の固定構造、柱材どうしの通し連結部の連結方法並びにその連結部構造を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明は、内側に石材等を充填する収容部12を形成するように基礎枠14の周縁上部に複数の横倒し状の柵材16を積層し組み付けて形成する沈床木工であり、基礎枠14の木製枠材141に設けたボルト連結用縦通し孔141aに挿入嵌合されるねじ筒20と、ねじ筒に一体的に連結されてねじ筒を縦通し孔141aに挿入嵌合した状態でねじ筒20が動かないように枠材141に固定させる固定部22と、を含むねじ筒体24と、固定部22を底面側に配置した状態で上方から該縦通し孔141aに下端を挿入されてねじ筒20に螺着される長ボルト26と、長ボルト26に挿通されて柵材16を交差状にそれぞれの縦通し孔161a,162a,163a...に刺し通し、最上位の柵材164から突設する長ボルトの上端側から締結させる締結部材28と、を有する木工沈床の通し連結部分10の固定構造から構成される。
その際、固定部22は、ねじ筒20を縦通し孔141aに挿入嵌合した状態で枠材141の底面から全く突出しないか、又は薄板状のつば部30が底面に当たる態様で配置されるようにするとよい。
また、長ボルト26の下端を縦通し孔141aのねじ筒20に螺着させるに先立って、予め該長ボルト26のねじ部26aにその安定支持用の薄板状ナット部材38を螺合させるとよい。
また、長ボルト26の基礎枠14の枠材141に挿入される下端側には該基礎枠14の枠材の通し孔141a長さと略同じ長さのねじ部26aが刻設されており、長ボルト26に柵材16の縦通し孔161a,162a...から挿通させ最上位の柵材164の上部から締着部材28で締着させるときに長ボルト26と薄板状ナット部材38が共回りしつつ基礎枠材14を締め付けるようにするとよい。
また、本発明は、木製柱材を積層して構造体を形成する際の柱材どうしの通し連結部の連結方法であり、横倒しした最下部の柱材に設けたボルト連結用縦通し孔に、ねじ筒と、ねじ筒に一体的に連結されてねじ筒を縦通し孔に挿入嵌合した状態でねじ筒が動かないように柱材に固定させる固定部と、を含むねじ筒体を取付け、固定部を底面側に配置した状態で上方から該縦通し孔に長ボルトを挿入してその下端をねじ筒に螺着させ、長ボルトの突出部分に他の木製柱材の縦通し孔を挿通させて刺し通しし、最上位の柱材から突設する長ボルトの上端側から締結部材を介して締結させることを特徴とする柱材どうしの通し連結部の連結方法から構成される。
その際、長ボルトの下端を縦通し孔のねじ筒に螺着させるに先立って、予め該長ボルトのねじ部にその安定支持用の薄板状ナット部材を螺合させるとよい。
さらに、本発明は、上記の方法を用いて構築した柱材どうしの通し連結部構造から構成される。
本発明の木工沈床の通し連結部分の固定構造は、内側に石材等を充填する収容部を形成するように基礎枠の周縁上部に複数の横倒し状の柵材を積層し組み付けて形成する沈床木工であり、基礎枠の木製枠材に設けたボルト連結用縦通し孔に挿入嵌合されるねじ筒と、ねじ筒に一体的に連結されてねじ筒を縦通し孔に挿入嵌合した状態でねじ筒が動かないように枠材に固定させる固定部と、を含むねじ筒体と、固定部を底面側に配置した状態で上方から該縦通し孔に下端を挿入されてねじ筒に螺着される長ボルトと、長ボルトに挿通されて柵材を交差状にそれぞれの縦通し孔に刺し通し、最上位の柵材から突設する長ボルトの上端側から締結させる締結部材と、を有する構成であるから、ねじ筒体を枠材に嵌着固定して反転後に上方から長ボルト螺着、棚材の交差積層配置、締結等の作業ができ、施行現場において簡単かつ短時間に木工沈床構造体を構築できる。また、長ボルトがすべての木製材料を貫通した状態で締結一体化されるから、構造体全体の強度を高く維持し得る。さらに、枠材の底面側に突設部分を形成させないか、わずかの板厚ぶん程度の突出程度でよく、岩盤などの施工地盤においても円滑かつ安定して構造体を設置できる。
また、固定部は、ねじ筒を縦通し孔に挿入嵌合した状態で枠材の底面から全く突出しないか、又は薄板状のつば部が底面に当たる態様で配置される構成とすることにより、岩盤がコンクリートブロックの上面などの底面が固い施工現場における施工の実効を図れる。
また、長ボルトの下端を縦通し孔のねじ筒に螺着させるに先立って、予め該長ボルトのねじ部にその安定支持用の薄板状ナット部材を螺合させた構成とすることにより、長ボルトへの棚材の交差状積み上げ作業を円滑、確実に行なえる上に、上部枠材より上部の木製材と基礎枠材とで締め付け限界を設定でき、ねじ締めが利かなくなるような状況を回避して連結強度を確保し得る。
また、長ボルトの基礎枠の枠材に挿入される下端側には該基礎枠の枠材の通し孔長さと略同じ長さのねじ部が刻設されており、長ボルトに柵材の縦通し孔から挿通させ最上位の柵材の上部から締着部材で締着させるときに長ボルトと薄板状ナット部材が共回りしつつ基礎枠材を締め付ける構成とすることにより、上部枠材や棚材の締め付け力確保とともに、下部枠材に対する長ボルトの締め付けを強固にさせて構造体全体の安定した強度の確保を行なえる。
また、本発明の柱材どうしの通し連結部の連結方法によれば、木製柱材を積層して構造体を形成する際の柱材どうしの通し連結部の連結方法であり、横倒しした最下部の柱材に設けたボルト連結用縦通し孔に、ねじ筒と、ねじ筒に一体的に連結されてねじ筒を縦通し孔に挿入嵌合した状態でねじ筒が動かないように柱材に固定させる固定部と、を含むねじ筒体を取付け、固定部を底面側に配置した状態で上方から該縦通し孔に長ボルトを挿入してその下端をねじ筒に螺着させ、長ボルトの突出部分に他の木製柱材の縦通し孔を挿通させて刺し通しし、最上位の柱材から突設する長ボルトの上端側から締結部材を介して締結させる。また、長ボルトの下端を縦通し孔のねじ筒に螺着させるに先立って、予め該長ボルトのねじ部にその安定支持用の薄板状ナット部材を螺合させる。これによって、ねじ筒体を枠材に嵌着固定して反転後に上方から長ボルト螺着、棚材の交差積層配置、締結等の作業ができ、施行現場において簡単かつ短時間に柱材どうしの通し連結部構造体を構築できる。また、長ボルトがすべての木製材料を貫通した状態で締結一体化されるから、構造体全体の強度を高く維持し得る。さらに、枠材の底面側に突設部分を形成させないか、わずかの板厚ぶん程度の突出程度でよく、岩盤などの施工地盤においても円滑かつ安定して構造体を設置できる。
以下、添付図面を参照しつつ本発明を実施するための最良の形態について説明する。本発明の一つは、河川等の根固め用等の構築物としての木工沈床の通し連結部分の固定構造に関するものである。図1ないし図8は、本発明の一実施形態を示しており、本実施形態の木工沈床の通し連結部分の固定構造は、図1のように、内側に図示しない石材等を充填する収容部12を形成するように四角形格子状に組み付けた基礎枠14の周縁上部に複数の横倒し状の柵材16を積層し組み付けて形成する沈床木工の四隅の通し連結部10に形成される。
図1の木工沈床は、例えば河川の川床に敷設されて川の流れにより川床が洗掘されて両護岸が自然流出し地形が破壊されるのを防止するものであり、自然石等を投入する際に受ける有底土台部を形成する基礎枠14を形成し、その周囲に柵材16を積層して大型の容器状として形成したものである。図において、基礎枠14は、平行に配置した2本の例えば2メートル長さ程度の木製下部枠材141上に直交方向にそれぞれある程度の密な間隙で複数の上部枠材142を交差配置させて構成されたもので、両端の上部枠材142と下部枠材141とは四角形格子状に組み合わされて配置されている。両端の上部枠材142以外の中間の枠材142は釘等の固定部材18により下部枠材141に固定されている。これらの上部枠材142部分が沈床木工構造体の底壁を形成し、投入される石材等を支持する。図2に示すように、上下の枠材142、141の両端にはそれぞれ縦通し孔142a、141aが穿孔されている。
柵材16は、基礎枠14の四辺縁に配置されそれぞれの両端部を直交状に交差配置させて格子状に組みつけられて容器状構造体の側壁部分を形成するものであり、実施形態において、基礎枠14の上部に平行一対の基礎枠材と同様の棚材16を4層格子状に積み上げて配置させている。各棚材16の両端には縦通し孔161a、162a,163a、164aが穿孔されている。実施形態において、通し連結部10は、これらの基礎枠14と棚材との通し状の連結部分となる容器状構造体の四隅に形成される。
本実施形態の通し連結部分の固定構造は、ねじ筒20の縦通し孔141aへの嵌着とともに下部枠材141へ該ねじ筒20を一体的に固定させる固定部22を有するねじ筒体24と、上方から下部枠材141の縦通し孔141aに挿入されてねじ筒20に螺着される長ボルト26と、上部枠材142と柵材16のそれぞれの縦通し孔142a、161a,162a...に長ボルト26を刺し通しした状態で長ボルトの上端側を締結させる締結部材28と、を備えている。
ねじ筒20は下部枠材141の縦通し孔141aに嵌合するとともに内壁にねじ溝20aを刻設した筒であり、縦通し孔141aに嵌合した状態で例えば図2に示すように枠材141の厚み幅の略半分程度の長さで枠材内に挿入される。例えば、下部枠材141は図2上の上下厚さが120mmであり、したがって、その場合ねじ筒長さは60mmとなっている。なお、ねじ筒長さはより長く形成してもよい。固定部22は、ねじ筒20の縦通し孔141aへの嵌着時に該ねじ筒20を下部枠材141に対して固定状態とするようにし得る部位であり、本実施形態において、例えば図6(a)のように、ねじ筒20の下端側から拡大したつば部30を一体形成し、つば部30に設けた固定用孔を介して釘やビス等の固定子32により孔に嵌着したねじ筒20が動かないように固定させている。固定子32は、ねじ筒20を縦通し孔141aへ嵌着する際に同時にねじ筒体24全体が枠材141に固定状態を確保できるようにするものであり、その形態は種々考えられる。例えば図6(b)のように、釘等による枠材への固定子に対応する枠体内部方向に穿刺部材を向けた打ち込み部34をつば部30に予め一体固定しておき、ねじ筒の縦通し孔141aへの嵌着時に同時に枠材に打ち込まれて固定したり、図(c)のように、穿刺部材をつば部の隅部を押し立てた構成としたり、あるいは、図(d)のように、つば部自体を設けずにねじ筒の胴側部から側方に向けて直接に矢羽根状に突設させる部位を一体に設けるようにしても良い。
図2、3において、長ボルト26は、施工時に固定部22を底面側に配置した状態で上方から縦通し孔141aに挿入されてねじ筒20に螺着される通し連結部材本体であり、図2のように最終的に構造体を組み付けた状態で上下に貫通状に挿入されて締結される。長ボルト26は下端をねじ筒20にある程度ねじ込ませた状態で下部枠材141上に柵材通し部261を突出させて立設支持される。その状態で、上部枠材142、柵材16の縦通し孔142a、161a,162a...に上方立設部を挿通させながら串刺し状に交差状に積み上げていき、最上位の柵材164の上部から締着部材28で締着させる。本実施形態において、長ボルト26は、その両端部のみに所要のストロークのねじ部が刻設されている。本実施形態では、長ボルトの基礎枠の枠材に挿入される下端側のねじ部26aは枠材141の通し孔141aの長さと略同じ長さで刻設されている。したがって、長ボルトの非ねじ部により螺合が止まるまで、ねじ込み動作によりねじ筒20のねじ溝20aと長ボルトの下ねじ部26aとの螺合可能部分だけ長ボルトはねじ筒内を螺進し、基礎枠と柵材全体を締め付ける。長ボルトの下ねじ部26aの刻設長さはより長く設定して原理的には下枠材141の底面から下方に突設させても良いが、施工地盤が固い岩盤などのような場合には構造体全体の現場での設置状態が不安定となるから、適宜作業現場の状況に応じて長さを設定できる。好適には固定部22はねじ筒20を縦通し孔141aに挿入嵌合下状態で枠材141の底面から全く突出しないようにするのがよい。あるいは、突出するとしても例えば図6(a)のように、薄板状のつば部が当たる程度とするのが良い。
締結部材28は棚材16を長ボルト26に挿通させて最上位の柵材164から突設する長ボルトの上端側に締結させる袋ナットから構成されている。なお、36はワッシャである。
図2,3において、本実施形態ではさらに、下部枠材141と上部枠材142との間にスペーサのように薄板状ナット部材38が配置されている。この薄板状ナット部材38は、長ボルト26を下部枠材141の縦通し孔141aに上方から挿入してねじ筒20に螺着させて立てる際に、上方に突き出上方立設部を安定支持させてその後の棚材16を上部に向けて積み上げ状に組み付けしやすくさせるとともに、長ボルト26を基礎枠14に対してある程度の係合関係で仮に固定状態とさせる。この薄板状ナット部材38は、図3のようにドーナツ型で形成され、その内壁には長ボルト26に螺合するねじ溝が刻設されている。この薄板状ナット部材38は、図5に示すように、長ボルト26の下端を縦通し孔のねじ筒20に螺着させるに先立って、予め該長ボルトのねじ部に螺合される。その状態で、縦通し孔141aに下降挿入され、ねじ筒に螺着される。
次に、本実施形態の木工沈床の構造体の構築方法について図4ないし図8も参照して説明すると、図4のように基礎枠14の下部枠材141の縦通し孔141aにねじ筒20をあてがってハンマ等の叩打部材で叩打することによりねじ筒を縦通し孔141a内に嵌着させると同時に、固定子32が枠材に打ち込まれ、ねじ筒は枠材の板厚の略半分程度まで挿入された状態で完全に枠材に対して固定状態となる。この状態から図5のように、枠材141を反転し、上方から薄板状ナット部材38を螺合させた長ボルト26を縦通し孔141aに挿入し、下端をねじ筒のねじ部に螺着させ、長ボルトの上部側の上方立設部を安定支持させる。この状態で棚材16を順次直交配置しながら交差状に積み上げていき、図7,8のように、最上位の棚材164から突出する長ボルトの上端に袋ナットを締結させる。袋ナットを締め付けると、薄板状ナット部材38は、図2のように上下枠材142,141間に挟まれて重力加圧されているから長ボルトのみが回転し、基礎枠及び棚材全体の通し連結部を締め付けて一体化させる。このとき、長ボルト26と薄板状ナット部材38とは、長ボルトの非ねじ部で螺進が停止し、これ以上は棚材部分が締まらないとともに、両者は共回りしつつ基礎枠材を締め付ける。したがって、基礎枠と棚材全体の通し連結長さに対する長ボルトのねじ部ストローク長さを設定することにより、棚材の締め付け度合いの限界を設定して螺子利きを有効に確保する上に、長ボルトの下端部寄り部分で共回りしながら下部枠材を強固に締め付ける。これによって、施行現場において簡単な操作で、しかも短時間に構造体の構築ができる。
以上は、構造体を木工沈床用の容器状構造体の構築における通し連結部の固定構造について説明したが、本発明は、他の構造体についても適用できる。例えば、基礎枠や棚材の区別をしない木製柱材の積層により構造体を形成する場合であり、木製柱材を積層して構造体を形成する際の柱材どうしの通し連結部の連結に際し、横倒しした最下部の柱材(141)に設けたボルト連結用縦通し孔(141a)に、ねじ筒(20)と、ねじ筒に一体的に連結されてねじ筒を縦通し孔に挿入嵌合した状態でねじ筒が動かないように柱材に固定させる固定部(22)と、を含むねじ筒体(24)を取付け、固定部(22)を底面側に配置した状態で上方から該縦通し孔(141a)に長ボルト(26)を挿入してその下端をねじ筒(20)に螺着させ、長ボルト(26)の突出部分に他の木製柱材の縦通し孔を挿通させて刺し通しし、最上位の柱材から突設する長ボルトの上端側から締結部材(28)を介して締結させる柱材どうしの通し連結部の連結構造により構成できる。
その際、長ボルトの下端を縦通し孔のねじ筒に螺着させるに先立って、予め該長ボルトのねじ部にその安定支持用の薄板状ナット部材を螺合させるようにしてもよい。
以上説明した本発明の木工沈床の通し連結部分の固定構造、柱材どうしの通し連結部の連結方法並びにその連結部構造は、上記した実施形態のみの構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の本質を逸脱しない範囲において、任意の改変を行ってもよい。
本発明の木工沈床の通し連結部分の固定構造、柱材どうしの通し連結部の連結方法並びにその連結部構造は、通常の河川根固め用木工沈床工ばかりでなく、一般の建築、土木等における木製角材の通し連結が必要な部位について適用できる。その際、枠在や棚材、あるいは柱材等は必ずしも交差状に連結させる場合だけでなく、単に横倒し状に同一方向に揃えた状態で積層連結させる連結態様においても適用し得る。
10 通し連結部
12 基礎枠
16 棚材
20 ねじ筒
22 固定部
24 ねじ筒体
26 長ボルト
28 締結部材
38 薄板状ナット部材
141 下部枠材
141a 縦通し孔
142 上部枠材
142a 縦通し孔
161a〜164a 縦通し孔
12 基礎枠
16 棚材
20 ねじ筒
22 固定部
24 ねじ筒体
26 長ボルト
28 締結部材
38 薄板状ナット部材
141 下部枠材
141a 縦通し孔
142 上部枠材
142a 縦通し孔
161a〜164a 縦通し孔
Claims (7)
- 内側に石材等を充填する収容部を形成するように基礎枠の周縁上部に複数の横倒し状の柵材を積層し組み付けて形成する沈床木工であり、
基礎枠の木製枠材に設けたボルト連結用縦通し孔に挿入嵌合されるねじ筒と、ねじ筒に一体的に連結されてねじ筒を縦通し孔に挿入嵌合した状態でねじ筒が動かないように枠材に固定させる固定部と、を含むねじ筒体と、
固定部を底面側に配置した状態で上方から該縦通し孔に下端を挿入されてねじ筒に螺着される長ボルトと、
長ボルトに挿通されて柵材を交差状にそれぞれの縦通し孔に刺し通し、最上位の柵材から突設する長ボルトの上端側から締結させる締結部材と、を有する木工沈床の通し連結部分の固定構造。 - 固定部は、ねじ筒を縦通し孔に挿入嵌合した状態で枠材の底面から全く突出しないか、又は薄板状のつば部が底面に当たる態様で配置されることを特徴とする請求項1記載の木工沈床の通し連結部分の固定構造。
- 長ボルトの下端を縦通し孔のねじ筒に螺着させるに先立って、予め該長ボルトのねじ部にその安定支持用の薄板状ナット部材を螺合させたことを特徴とする請求項1又は2記載の木工沈床の通し連結部分の固定構造。
- 長ボルトの基礎枠の枠材に挿入される下端側には該基礎枠の枠材の通し孔長さと略同じ長さのねじ部が刻設されており、長ボルトに柵材の縦通し孔から挿通させ最上位の柵材の上部から締着部材で締着させるときに長ボルトと薄板状ナット部材が共回りしつつ基礎枠材を締め付けることを特徴とする請求項3記載の木工沈床の通し連結部分の固定構造。
- 木製柱材を積層して構造体を形成する際の柱材どうしの通し連結部の連結方法であり、
横倒しした最下部の柱材に設けたボルト連結用縦通し孔に、ねじ筒と、ねじ筒に一体的に連結されてねじ筒を縦通し孔に挿入嵌合した状態でねじ筒が動かないように柱材に固定させる固定部と、を含むねじ筒体を取付け、
固定部を底面側に配置した状態で上方から該縦通し孔に長ボルトを挿入してその下端をねじ筒に螺着させ、
長ボルトの突出部分に他の木製柱材の縦通し孔を挿通させて刺し通しし、
最上位の柱材から突設する長ボルトの上端側から締結部材を介して締結させることを特徴とする柱材どうしの通し連結部の連結方法。 - 長ボルトの下端を縦通し孔のねじ筒に螺着させるに先立って、予め該長ボルトのねじ部にその安定支持用の薄板状ナット部材を螺合させることを特徴とする請求項5記載の柱材どうしの通し連結部の連結方法。
- 請求項5または6の方法を用いて構築した柱材どうしの通し連結部構造。
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JP2004223291A JP2006037675A (ja) | 2004-07-30 | 2004-07-30 | 木工沈床の通し連結部分の固定構造、柱材どうしの通し連結部の連結方法並びにその連結部構造 |
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JP2004223291A JP2006037675A (ja) | 2004-07-30 | 2004-07-30 | 木工沈床の通し連結部分の固定構造、柱材どうしの通し連結部の連結方法並びにその連結部構造 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009074289A (ja) * | 2007-09-20 | 2009-04-09 | Kankyo Kogaku Kk | 土木構築物用ユニット及び土木構築物用ユニットの積降ろし方法 |
KR100959391B1 (ko) | 2010-01-13 | 2010-05-24 | 심규택 | 해중림초 기능을 갖는 수중의 소파구조물 |
KR102276802B1 (ko) * | 2021-03-25 | 2021-07-12 | 박서진 | 토목섬유로 감싼 뗏목을 이용한 공사용 진입출로 시공방법 |
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2004
- 2004-07-30 JP JP2004223291A patent/JP2006037675A/ja active Pending
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