JP2006037504A - プレストレストコンクリート構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】緊張材が、段差付き床スラブの段差部を貫通する方向に敷設されるプレストレストコンクリート構造において、プレストレスの効果を高める。
【解決手段】プレストレストコンクリート構造は、第1の重心一定部11と第2の重心一定部12と接合部18を有する部材1と、部材1の面内を段差を横切る方向に延びる緊張材とを有している。緊張材は、第1、第2の緊張部21,22と、第1、第2の緊張部21,22を結ぶ連結部24とを有し、第1の緊張部21は少なくとも一部が第1の重心一定部11を、第2の緊張部22は少なくとも一部が第2の重心一定部12を各々延びている。連結部24と第2の緊張部22とが連結される第2の連結点27は、連結部24と第1の緊張部21とが連結される第1の連結点26を通る第1の緊張部21の接線28で区画される領域のうち、荷重方向の下手側の領域44にある。
【選択図】 図3

Description

本発明はプレストレストコンクリート構造に関し、特に段差を有する梁やスラブ等に適用されるプレストレストコンクリート構造に関する。
近年、集合住宅に対する様々なニーズに応えるため、床に段差を設けた建物構造が多く見られる。例えば、集合住宅の外周に住戸ゾーンを、内周に共用廊下と、水道・ガス等の設備用配管や電気・電話等の配線類を設置する縦シャフトとを設置し、内周部を外周部に対して一段低くすることによって、共用廊下の床下に配管や配線類の水平展開スペースを設け、そこから各住戸に配管等を引き込む建物構造が開示されている(特許文献1参照)。これによって、配管等の縦シャフトが各住戸内を貫通することがなくなり、縦シャフトの存在による居住空間の圧迫や、配水音による騒音といった問題を解消することができる。図9(a)にはこのような建物構造の平面図の一例を示す。中央部161は廊下等の共用部分で、住戸ゾーンは建物の外周部162に設けられている。中央部161を外周部162に対して一段下がった構造とすることで、上記のような合理的な建物設計が可能となる。
一方、近年、高い天井や、広々とした居住空間といった、集合住宅に対する新たなニーズが高まっており、上述のような床段差のある建物もその例外ではない。梁をなくすためには、無梁プレストレストコンクリート構造の床スラブが用いられることが多い。図9(b)には、図9(a)に示した建物構造に対して、無梁プレストレストコンクリート構造を適用した例を示す。床スラブ101の面内には、床スラブ101の自重の支持のため、梁の代わりに、PC鋼線からなる緊張材102が設けられている。緊張材102の敷設方向は、図9のような建物構造ではスパンの短いy−y方向が合理的であり、この結果、破線で示したように、床スラブの段差を横切る方向に、緊張材102が敷設される。
緊張材の設置方法としてはいくつかの方法が考えられるが、1本のPC鋼線を床スラブの形状に合せて曲げて設置する方法(特許文献2参照)や、2本のPC鋼線を定着具を介して接続する方法(特許文献3参照)が提案されている。
図10には、段差のある床スラブに緊張材を敷設したときの、床スラブの断面図の一例を示す。緊張材202は、床スラブ201の両端部から中央部に向かって、高さr(この高さrをライズという。)だけ懸垂して敷設されている。緊張材202が引張力Psで緊張されると、床スラブ201はその反作用として圧縮力(図中白抜き矢印)を受け、スラブ断面における圧縮領域が増加して、曲げに対する耐力が高まる。また、これと同時に、緊張材202が真直ぐな状態になろうとする結果、緊張材202自体にも、自重等の鉛直荷重による曲げモーメントを緩和する方向に曲げモーメントMrが発生し、床スラブは上方に持ち上げられる。
特開2002−4603号公報 特開2002−242348号公報(図6) 特開2003−49504号公報(図1)
ところで、段差付き床スラブの段差部を貫通する方向に緊張材が敷設される構造のプレストレストコンクリート構造には、以下のような課題があった。
すなわち、図11に示すように、緊張材202が両端から引張力Psで引張られると、床スラブ201の各断面には引張力Psと大きさが等しい圧縮力Pcが作用する。一方、段差付き床スラブの場合、段差部の境界位置である接合部218で、重心距離のずれeが生じる。この圧縮力Pcとずれeとによって、床スラブ201は接合部218で、Pc×eに相当する局所的な曲げモーメントMeを受ける。曲げモーメントMeは曲げモーメントMrと反対方向に作用するので、床スラブ201を上方に持ち上げる効果を打ち消す方向に働き、結果として、プレストレスの効果が十分に発揮できない。
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、緊張材が、段差付き床スラブの段差部を貫通する方向に敷設されるプレストレストコンクリート構造において、プレストレスの効果を高めるプレストレストコンクリート構造を提供することを目的とする。
本発明のプレストレストコンクリート構造は、鉛直荷重を受け、断面の重心位置が鉛直荷重方向に対して相対的に上手側となる第1の重心一定部と、鉛直荷重方向に対して相対的に下手側となる第2の重心一定部と、第1、第2の重心一定部を連結する接合部とを有する部材と、部材の面内を第1、第2の重心一定部を横切る方向に延びる緊張材とを有している。緊張材は、少なくとも一部が第1の重心一定部を通る第1の緊張部と、少なくとも一部が第2の重心一定部を通る第2の緊張部と、第1、第2の緊張部を結ぶ連結部とを有している。ここで、第1の緊張部と連結部とは、変曲点または折点からなる第1の連結点を介して接続し、第2の緊張部と連結部とは、変曲点または折点からなる第2の連結点を介して接続している。また、第2の連結点は、第1の連結点を通る第1の重心一定部の接線で区画される領域のうち、鉛直荷重方向の下手側の領域にある。
このような構成の部材においては、緊張材の緊張によって部材に生じる圧縮力と、各重心一定部の重心位置のずれとによって、接合部に、部材を鉛直荷重方向に対して下手側に曲げようとする曲げモーメントが発生する。しかしながら、上記のように第1、第2の連結点を選択することによって、緊張材を緊張させたときに、接合部付近にはこれとは反対方向の曲げモーメントが発生し、部材を鉛直荷重方向に対して上手側に曲げようと作用する。この結果、上記の曲げモーメントが低減され、接合部における曲げモーメントの局所的な不連続性を抑制することができる。
緊張材は、部材の緊張材が貫通する端面に近い側から離れるにしたがって、鉛直荷重方向の上手側から下手側へ曲線状に遠ざかり、かつ接線の向きが徐々に水平方向に近づくように設けることもできる。
また、接合部は、緊張材が延びる方向と鉛直荷重方向とを含む断面において、略矩形の形状をなすように構成するのが望ましい。
連結部は、第1、第2の緊張部を各々が保持する2つのカプラーと、2つのカプラーを互いに固定する連結冶具とを有するように構成してもよい。また、対向する面に第1、第2の緊張部が貫通する貫通穴を各々備え、貫通穴の内側に、貫通穴に挿入された第1、第2の緊張部を緊張させる中間緊張具を各々備えた、ボックス形状で中空の連結フレームを有し、中間緊張具によって第1、第2の緊張部が緊張された後、連結フレームの内部は、第1、第2の緊張部を相互に連結するようにモルタルが充填されるように構成してもよい。
さらに、部材は、典型的には、段差を有する床スラブや、段差を有する梁である。
以上説明したように、本発明によれば、段差のある部材に緊張材を設けたプレストレストコンクリート構造においても、接合部における形状の不連続性による曲げモーメントの局所的な不連続性を抑制することが可能となり、段差のある部材においても、段差のない平坦な部材と同様に、プレストレスの効果を発揮させ、梁の不要な建物構造を実現することが容易となる。
以下、図面を参照して本発明のプレストレストコンクリート構造の実施形態について説明する。本発明は床スラブだけでなく、梁にも適用可能であり、より一般的には、柱などの曲げを受ける部材一般に適用できるが、ここでは床スラブを代表例として説明する。図1には、段差部を有する部材の斜視図を示し、図2には、図1中2−2断面にそった部材の側方断面図を示している。
部材1は、鉄筋コンクリート製の無梁構造の床スラブであり、梁51、52の間を延び、面外方向に、図面下向きを鉛直荷重方向41とする自重、積載荷重その他の鉛直荷重を受けている。ここで、説明の便宜上、図面上側を鉛直荷重方向41に対する上手側42、図面下側を鉛直荷重方向41に対する下手側43とする。部材1は断面の重心位置が相対的に上手側42となる第1の重心一定部11、第3の重心一定部13と、相対的に下手側43となる第2の重心一定部12とを有している。第1の重心一定部11と第2の重心一定部12との間には、重心位置を遷移させるための接合部18が設けられ、第1、第2の重心一定部11、12は接合部18を介して接続している。第2の重心一定部12と第3の重心一定部13との間にも、同様に接合部19が設けられている。また、部材1の上手側42に面する面を荷重作用面14とする。第1の重心一定部11と第3の重心一定部13の重心位置は、同じでなくてもかまわない。
部材1の面内には、第1、第2、第3の重心一定部11,12,13を貫く方向に、PC鋼線からなる緊張材2が延びている。緊張材2は、専用のシースの中を延びるアンボンド方式である。緊張材2は、複数本が一定の間隔で互いに平行に延びていてもよく、複数本が同一シースの中を延びていてもよい。
緊張材2は、全体として1本の鋼線であるが、少なくとも一部が第1の重心一定部11を延びる第1の緊張部21と、少なくとも一部が第2の重心一定部12を延びる第2の緊張部22と、少なくとも一部が第3の重心一定部13を延びる第3の緊張部23と、第1の緊張部21と第2の緊張部22とを連結する第1の連結部24と、第2の緊張部22と第3の緊張部23とを連結する第2の連結部25とに区分されている。第1、第3の緊張部21,23は各々、緊張材2が貫通する部材1の端面15,16に近い側から離れるにしたがって、全体として、荷重作用面14から徐々に遠ざかるように、曲線状に、かつ接線の向きが徐々に水平方向に近づくように、部材1の厚み方向での位置を変えながら延びている。第2の緊張部22も、端面15,16に近い側から離れるにしたがって、全体として、荷重作用面14から徐々に遠ざかるように、曲線状に、かつ接線の向きが徐々に水平方向に近づくように延びているが、部材1のほぼ中央にあるため、結果的に、部材1の中央付近が荷重作用面14から最も離れるような放物線状の形状となっている。また、第1、第2の連結部24、25はここでは直線として表示しているが、隣接する緊張部同志を力学的に連結可能であれば、曲線状の形状その他の任意の形状とすることができ、隣接する緊張部同志が同一の線材は、別の線材かも問わない。緊張材2のこのような形状は、曲げ加工、溶接、カプラー、リングアンカーによる接合等種々の方法によって実現できる。カプラーは、例えば、住友電工製のSMC−Cシリーズ、SMC−Gシリーズ等の、市販されている一般的なカプラーを用いることが可能である。リングアンカーも、例えば、住友電工製のSMG−Gシリーズ等の、市販されている一般的なリングアンカーを用いることが可能である。第2の連結部24、25はまた、後述するモルタル材のような3次元的な広がりを有する形状でもよい。
部材1の、両端面15,16には緊張具3が設けられている。緊張具3は、緊張材2の両端付近を引張力Psで引張り、緊張させることによって、その反作用として、部材1を緊張材2の延びる方向と逆方向に圧縮する。
図3には、図2に丸印を付した接合部18付近の詳細を示す。第1の連結部24の端部は、第1、第2の連結点26、27となっており、第1の連結点26で第1の連結部24と第1の緊張部21とが連結し、第2の連結点27で第1の連結部24と第2の緊張部22とが連結している。第1の連結点26は、第1の緊張部21と第1の連結部24との間に存在する変曲点または折点である。図3に示す緊張材2の場合、1本のPC鋼線を曲げて作成しているので、厳密には変曲点である。また、接合部18は両端において、緊張材2の引張力Psに等しい大きさの圧縮力Pcを受け、第1の重心一定部11と第2の重心一定部12との重心位置のずれeにより、図面では時計回りとなる向きの曲げモーメントMeを受けている。
ここで、第1、第2の連結点26、27の位置関係は以下のように設定することが望ましい。すなわち、本発明の目的は、接合部において、隣り合う重心一定部の面内方向に生じる圧縮力と重心位置のずれとによって生じる曲げモーメントMeの影響を緩和することにあり、そのためには、接合部18において反時計回りの曲げモーメントを発生させればよい。ここで第1の連結部24は、第1、第2の連結点26,27において、各々端面15,16に向かう引張力Psで逆向きに引っ張られているので、第2の連結点27が、第1の連結点26を通る第1の緊張部21の接線28で区画される領域のうち、鉛直荷重方向41の下手側43となる領域44にあれば、この条件が満たされることになる。第2の連結点27が領域44にある限り、引張力Psの向きは逆方向であるので、常に反時計回りの曲げモーメントMaが発生し、曲げモーメントMeを打ち消すように作用する。
また、曲げモーメントMeを抑制するという狙いから、曲げモーメントMaは接合部18の近傍で発生させることが望ましいが、第1の連結部24や第1、第2の連結点26、27の位置は部材の形状等によって適宜設定すればよく、必ずしも接合部18の中にある必要はない。
なお、部材1には、この他に、背景技術の欄で説明したのと同様に、緊張材2の引張力Psによる曲げモーメントMrが生じる。本発明では曲げモーメントMrと、部材1の圧縮力に起因し、接合部18において局所的に作用する曲げモーメントMeに加えて、曲げモーメントMeを緩和する曲げモーメントMaが、接合部18付近に作用することになる。
図4は、接合部付近の緊張材と配筋との取り合い状況を示す断面図であり、ほぼ図3で示した部位に相当している。第1の重心一定部11の荷重作用面14側には互いに直交する上端筋31a、31bが、荷重作用面14の反対面には同じく互いに直交する下端筋31c、31dが延びている。同様に、第2の重心一定部12の荷重作用面14側には互いに直交する上端筋32a、32bが、荷重作用面14の反対面には同じく互いに直交する下端筋32c、32dが延びている。緊張材2は第1、第2の重心一定部11、12のこれらの配筋を避けた位置を延びているので、干渉することはない。また、上端筋31aは接合部18を延びた後、第2の重心一定部12との境界付近で下方に90°曲がって延びて、定着部34aを形成している。同様に、下端筋32cは接合部18を延びた後、第1の重心一定部11との境界付近で上方に90°曲がって延びて、定着部34bを形成している。これらの定着部34a、34bは、鉄筋のコンクリート躯体への定着を図る効果のほか、上記で説明した曲げモーメントMeに抵抗して、接合部18のひび割れ防止や、強度を高める効果を奏する。さらに、第1の重心一定部11と第2の重心一定部12との間を斜めに延びる補強筋33a,33bを設けてもよい。
また、接合部18は、定着部34a、34bの設置領域を有効に確保し、定着部34a、34bや緊張材2のかぶりを確保するためにも、略直角な隅部19a、19bを有し、緊張材2が延びる方向と鉛直荷重方向とを含む断面において、矩形形状であるのが好ましい。
本発明は、さらに以下のような実施形態も可能である。まず、緊張材を1本のPC鋼線で形成する代わりに、複数本のPC鋼線を連結して構成することができる。図5(a)には、連結手段としてカプラーを用いたときの接合部付近の断面図を示す。緊張材6は、互いに独立した第1の緊張部61と、第2の緊張材62と、第1、第2の緊張部61、62を相互に連結する連結部63とを有している。図5(b)には、連結部の図5(a)中a−a線からみた第1の連結部の側方図を示している。連結部63は、穴に第1の緊張部61を貫通させて、第1の緊張部61を固定する第1の締結冶具64と、同様にして第2の緊張部62を固定する第1の締結冶具65と、第1、第2の締結冶具64、65を連結する連結冶具66とを有している。第1、第2の緊張部61、62と連結部63とを結ぶ各連結点は、第1、第2の緊張部61、62と連結部63との接触範囲の端部となり、折点として構成される。ここで、第1、第2の締結冶具64、65は前述の一般的なカプラーでかまわない。
図6には、緊張材を同様に複数本のPC鋼線で構成する他の実施形態を示している。緊張材9は、第1の緊張部91と、第2の緊張部92と、これらの緊張部同志をモルタル充填によって固定する連結部93とを有している。連結部93は、ボックス形状で中空のフレームであり、鋼板やPCa板等で製作される。連結部93は、対向する面に第1、第2の緊張部91、92が貫通する貫通穴94,95を各々備え、貫通穴94,95の内側に、貫通穴94,95に挿入された第1、第2の緊張部91、92を緊張させる中間緊張具96,97を各々備えている。連結部93の内部には、中間緊張具96,97によって第1、第2の緊張部91、92が緊張された後、モルタル98が充填され、第1、第2の緊張部91、92は相互に連結される。緊張材が長いときには、上述のいずれの構成によっても、適宜の長さの緊張材を連結して、長い緊張材を製作することができるので、製作性の向上が可能となる。
また、本発明は、上述したような、中央が凹部を形成する3つの重心一定部を有する床スラブに限定されないことは無論である。図7には、種々の形状の床スラブに対する本発明の適用例を示している。図中、太い折れ線が緊張材を、折れ線の折れ部が緊張部と連結部との連結点を示している。また、、図中の各図は図面上側が荷重作用面としている。
図中、(a)〜(d)が2つの重心一定部を有する(重心位置が1回変化する)床スラブに対する適用例を、(e)〜(j)が3つの重心一定部を有する(重心位置が2回変化する)床スラブに対する適用例を、(k)〜(m)が重心一定部が階段状に変化する床スラブに対する適用例を、各々示している。なお、図中(e)は上記の実施形態と同一である。このように、本発明は、任意の形状の床スラブに同様に適用することが可能である。
本発明は、さらに梁にも同様に適用することができる。図8は、部材が梁である場合の本発明の適用例を示している。梁は、第1の梁71と、第2の梁72とからなり、第1の梁71の両端部は梁73,74に支持され、第2の梁72の両端部は梁74,75に支持されている。緊張材8は、第1の梁71を延びる第1の緊張部81と、第2の梁72を延びる第2の緊張部82と、第1の緊張部81と第2の緊張部82とを連結する連結部83とに区分されている。
このような構成によっても、上述の実施形態と同様の効果を奏することが可能であり、特に梁73,75が柱76,77に支持されているが、中間の梁74は柱に支持されていないような構造でも、梁74にかかる自重を支えるとともに、梁74に生じる曲げモーメントMeを抑えることができ、梁の構造健全性を高めることができる。
本発明のプレストレストコンクリート構造が適用される、段差付きの床スラブの斜視図である。 図1に示す床スラブの側方断面図である。 図2に示す床スラブの部分側方断面図である。 接合部付近の緊張材と配筋との取り合い状況を示す断面図である。 緊張材の構成方法を示す、床スラブの側方断面図である。 緊張材の構成方法を示す、床スラブの側方断面図である。 種々の形状の床スラブに対する本発明の適用例を示す説明図である。 本発明のプレストレストコンクリート構造が適用される、段差付きの梁の断面図である。 従来技術における、床段差のある建物構造の平面図である。 従来技術における、床段差のある床スラブの側方断面図である。 従来技術における、床段差のある床スラブの荷重の状態を示す説明図である。
符号の説明
1 部材
11 第1の重心一定部
12 第2の重心一定部
13 第3の重心一定部
14 荷重作用面
15,16 端面
18、19 接合部
2 緊張材
21 第1の重心一定部
22 第2の重心一定部
23 第3の重心一定部
24 第1の連結部
25 第2の連結部
26 第1の連結点
27 第2の連結点
28 接線
3 緊張具
41 鉛直荷重方向
42 上手側
43 下手側
44 領域

Claims (7)

  1. 鉛直荷重を受け、断面の重心位置が鉛直荷重方向に対して相対的に上手側となる第1の重心一定部と、鉛直荷重方向に対して相対的に下手側となる第2の重心一定部と、該第1、第2の重心一定部を連結する接合部とを有する部材と、
    前記部材の面内を前記第1、第2の重心一定部を横切る方向に延びる緊張材とを有し、
    前記緊張材は、少なくとも一部が前記第1の重心一定部を通る第1の緊張部と、少なくとも一部が前記第2の重心一定部を通る第2の緊張部と、該第1、第2の緊張部を結ぶ連結部とを有し、
    前記第1の緊張部と前記連結部とは、変曲点または折点からなる第1の連結点を介して接続し、
    前記第2の緊張部と前記連結部とは、変曲点または折点からなる第2の連結点を介して接続し、
    前記第2の連結点は、前記第1の連結点を通る前記第1の緊張部の接線で区画される領域のうち、鉛直荷重方向の下手側の領域にある、プレストレストコンクリート構造。
  2. 前記緊張材は、前記部材の前記緊張材が貫通する端面に近い側から離れるにしたがって、鉛直荷重方向の前記上手側から前記下手側へ曲線状に遠ざかり、かつ接線の向きが徐々に水平方向に近づくように設けられている、請求項1に記載のプレストレストコンクリート構造。
  3. 前記接合部は、前記緊張材が延びる方向と鉛直荷重方向とを含む断面において、略矩形の形状をなす、請求項1または2に記載のプレストレストコンクリート構造。
  4. 前記連結部は、
    前記第1、第2の緊張部を各々が保持する2つのカプラーと、
    前記2つのカプラーを互いに固定する連結冶具と
    を有する、請求項1から3のいずれか1項に記載のプレストレストコンクリート構造。
  5. 前記連結部は、対向する面に第1、第2の緊張部が貫通する貫通穴を各々備え、該貫通穴の内側に、該貫通穴に挿入された前記第1、第2の緊張部を緊張させる中間緊張具を各々備えた、ボックス形状で中空の連結フレームを有し、
    前記中間緊張具によって前記第1、第2の緊張部が緊張された後、前記連結フレームの内部は、前記第1、第2の緊張部を相互に連結するようにモルタルが充填される、請求項1から3のいずれか1項に記載のプレストレストコンクリート構造。
  6. 前記部材は、段差を有する床スラブである、請求項1から5のいずれか1項に記載のプレストレストコンクリート構造。
  7. 前記部材は、段差を有する梁である、請求項1から5のいずれか1項に記載のプレストレストコンクリート構造。

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JP2008308977A (ja) * 2007-05-15 2008-12-25 Kumagai Gumi Co Ltd 床スラブの構造
JP2009040942A (ja) * 2007-08-10 2009-02-26 Dic Corp ネマチック液晶組成物
JP2019183411A (ja) * 2018-04-03 2019-10-24 旭コンクリート工業株式会社 中継カップラー、ボックスカルバート、ボックスカルバートの製造方法
JP7163527B1 (ja) * 2022-05-24 2022-10-31 株式会社富士ピー・エス 床版構造及び床版構造の横座屈補剛方法

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