JP2006037003A - ポリマーセメントモルタル硬化体用部材同士の接着方法およびポリマーセメントモルタル硬化体 - Google Patents

ポリマーセメントモルタル硬化体用部材同士の接着方法およびポリマーセメントモルタル硬化体 Download PDF

Info

Publication number
JP2006037003A
JP2006037003A JP2004221657A JP2004221657A JP2006037003A JP 2006037003 A JP2006037003 A JP 2006037003A JP 2004221657 A JP2004221657 A JP 2004221657A JP 2004221657 A JP2004221657 A JP 2004221657A JP 2006037003 A JP2006037003 A JP 2006037003A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cement mortar
polymer cement
polymer
cured
mass
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004221657A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4745629B2 (ja
Inventor
Shisho Hayashi
志翔 林
Akihiko Karasawa
明彦 唐沢
Koichi Toriinami
康一 鳥居南
Yasuaki Fukuda
康昭 福田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taiheiyo Cement Corp
Original Assignee
Taiheiyo Cement Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Taiheiyo Cement Corp filed Critical Taiheiyo Cement Corp
Priority to JP2004221657A priority Critical patent/JP4745629B2/ja
Publication of JP2006037003A publication Critical patent/JP2006037003A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4745629B2 publication Critical patent/JP4745629B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/91Use of waste materials as fillers for mortars or concrete

Landscapes

  • Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Abstract

【課題】 樹脂系接着剤と、該樹脂系接着剤の接着効果を充分に発揮できる蒸気養生可能なポリマーセメントモルタル硬化体用部材との組み合わせにより、高曲げ接着強度を維持することができる接着方法および該接着方法で製造したポリマーセメントモルタル硬化体を提供することを課題とする。
【解決手段】 ポルトランドセメント、細骨材、ポリマーエマルジョン、高性能減水剤、消泡剤からなり、セメントが100質量部、細骨材が100〜200質量部、ポリマーエマルジョンが固形分(有効成分)換算で5〜22質量部、高性能減水剤が1〜3質量部、消泡剤が0.2〜2質量部、水が16〜25質量部からなるポリマーセメントモルタル硬化体用部材同士をエポキシ樹脂系接着剤で接着することにより曲げ接着強度に優れたポリマーセメントモルタル硬化体を得ることができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリマーセメントモルタル硬化体用部材同士の接着方法および該部材同士の接着によって製造されるポリマーセメントモルタル硬化体に関するものである。
プレキャストパネル、暗きょブロック、マンホール、ハンドホール、コンクリートます、ベンチフリューム、水槽、ボックスカルバート、ケーブルトラフ、地下室、トンネル、U字形下水溝、各種擁壁、縁石、埋設型枠等において、各コンクリート部材同士が継手やボルト等で結着されたり、接着剤で接着されたりしている。
これは、その製造や運搬等に非常に手間がかかるため小さい部材を製造・運搬して現場で接合して大型製品化して、製造・運搬・施工等の省力化を図るためである。
プレキャストコンクリート部材同士の接着に用いられるシール材(接着剤)としては、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、醋酸ビニル樹脂、天然ゴム、スチレンブタジェンゴム、ネオプレンゴム、クロロプレンゴム、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂等を使用する方法がある(例えば、特許文献1参照)。
また、コンクリート構築物を形成する複数のコンクリートブロック同士を接合するのに好適に使用される接着剤、この接着剤を収容した接着剤パック、及び前記接着剤を用いて実施されるコンクリートブロック接着工法、並びに、この接着工法において使用される接着剤供給装置に関する技術も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、これらの技術はコンクリート製品部材同士を接着する際に、コンクリートの特性(コンクリートの配合等は従来の一般的な配合)はそのままにして、接着剤のみの観点から開発されたものであり、接着剤とコンクリートの両方の面からの親和性について検討されたものではないという問題点がある。
特開2003−27511号公報 特開2002−180022号公報
本発明は、高曲げ接着強度を維持することができる樹脂系接着剤と、該樹脂系接着剤の接着効果を充分に発揮できるポリマーセメントモルタル硬化体用部材との組み合わせによる接着方法および該部材同士の接着によって製造されるポリマーセメントモルタル硬化体を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、ポルトランドセメント、細骨材、ポリマー、減水剤及び消泡剤を組み合わせることによって、従来のコンクリート製品部材同士の接着よりも曲げ性能、曲げ接着性能、および耐久性に優れた部材と該部材に適した接着剤との組み合わせを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、ポリマーエマルジョンを含有してなるポリマーセメントモルタル硬化体用部材同士をエポキシ樹脂系接着剤で接着することを特徴とするポリマーセメントモルタル硬化体用部材同士の接着方法であり(請求項1)、該部材同士がエポキシ樹脂系接着剤で接着されていることを特徴とするポリマーセメントモルタル硬化体(請求項2)である。
そして、ポリマーセメントモルタル硬化体用部材がポルトランドセメント、細骨材のみからなる骨材、ポリマーエマルジョン、高性能減水剤、および消泡剤とからなることを特徴とする請求項2記載のポリマーセメントモルタル硬化体である(請求項3)。
次に、ポリマーセメントモルタル硬化体用部材の水セメント比が25%以下であることを特徴とする請求項3記載のポリマーセメントモルタル硬化体である(請求項4)。
また、ポリマーセメントモルタル硬化体用部材の組成に高炉スラグ粉末、フライアシュ、シリカヒューム、石灰石粉末、珪石粉末から選ばれる1種以上の粉末を含むことを特徴とする請求項3、および請求項4記載のポリマーセメントモルタル硬化体である(請求項5)。
そして、前記記載のポリマーエマルジョンがポリ(メタ)アクリル酸エステル系水溶性ポリマーであることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、および請求項5記載のポリマーセメントモルタル硬化体である(請求項6)。
さらに、ポルトランドセメントが早強ポルトランドセメントであることを特徴とする請求項3、請求項4、請求項5、および請求6記載のポリマーセメントモルタル硬化体である(請求項7)。
本発明に用いるポリマーセメントモルタル硬化体は、次の方法によって製造することができる。
すなわち、本発明のポリマーセメントモルタル硬化体用部材は、セメントが100質量部、細骨材が100〜200質量部、ポリマーエマルジョンが固形分(有効成分)換算で5〜22質量部、減水剤が1〜3質量部、消泡剤が0.2〜2質量部、水が16〜25質量部からなることを特徴とする。
さらに、該ポリマーセメントモルタル硬化体用部材同士を接着剤で結着することにより大型のポリマーセメントモルタル硬化体を製造することを特徴とする。
本発明によれば、従来のコンクリート製品部材同士の接着の場合よりも曲げ性能、曲げ接着性能、止水性、および耐久性に優れた、ポリマーセメントモルタル硬化体用部材同士の接着方法、および該部材同士の接着によって製造されたポリマーセメントモルタル硬化体を提供できる。
以下、本発明に用いられるポリマーセメントモルタル硬化体用部材およびその製造方法について説明する。
本発明において用いられる結合材は、水硬性結合材であれば良く、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、混合セメント、エコセメント、特殊セメント等の何れでも良いが、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメントが好ましく、気中養生の場合は普通ポルトランドセメントおよび早強ポルトランドセメントが、蒸気養生の場合は早強ポルトランドセメントが特に好ましい。
本発明に用いられるポリマーセメントモルタル硬化体用部材の骨材は、細骨材のみである。該細骨材は、特に限定されるものではなく、通常コンクリート製品に使用される細骨材であれば良い。例えば、静岡県小笠産陸砂(表乾密度2.60g/cm3)が例示される。
本発明におけるポリマーエマルジョンとしては、曲げ強度の発現からアクリル系エマルジョンとアクリル−スチレン系エマルジョンが好ましく、アクリル系エマルジョンがより好ましい。
該アクリル系エマルジョンは、(メタ)アクリル酸エステル単量体から選ばれる1種以上の単量体を含む単量体組成物を乳化重合して得ることができる。(メタ)アクリル酸エステル単量体としては、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、メチルメタクリレートが好ましい。
本発明におけるポリマーエマルジョンの好ましい粒子径は50〜400nmであり、さらに好ましくは100〜200nmである。
また、本発明におけるポリマーエマルジョンの固形分としては、30〜70質量%であることが好ましく、さらに好ましくは45〜70質量%である。
さらに、本発明におけるポリマーエマルジョンの粘度は、200mPa・s以下が好ましく、100mPa・s以下がより好ましい。
固形分が30質量%より小さいと、ポリマーエマルジョンに含まれる水量と細骨材に付着する表面水量だけで、ポリマーセメントモルタルの単位水量を上回る恐れがあるため、現実的ではない。粒子径が400nm以上になると、セメント粒子間の充填効果やボールベアリング効果が低減されるため、本発明の目的である高強度ポリマーセメントモルタルをつくる観点から適用されない。粘度が200mPa・s以上になると、練り上がりのポリマーセメントモルタルは粘性が高く、型枠への充填効果が悪くなり、均一なコンクリート製品が得られない。
ポリマーエマルジョンの配合量は、セメント100質量部に対して固形分(有効成分)換算で5〜22質量部が好ましく、8〜14質量部がより好ましい。ポリマーエマルジョンの配合量がセメント100質量部に対して固形分(有効成分)換算で5質量部未満では、流動性が低下し、曲げ強度が低下するので、好ましくない。一方、ポリマーエマルジョンの配合量がセメント100質量部に対して固形分(有効成分)換算で22質量部を超えると、ポリマーの補強効果による曲げ強度の増加分よりも、セメント硬化体の占める量の減少による曲げ強度の低下分のほうが大きくなるため、ポリマーセメントモルタル複合体としての曲げ強度が低下し始める。
本発明における高性能減水剤としては、通常コンクリートに用いられるAEでない高性能減水剤であれば何でもよいが、減水効果の高いものが望ましい。例えば、ポリカルボン酸エーテル系高性能減水剤が例示される。
本発明における消泡剤としては、シリコーン系エマルジョンや特殊非イオン界面活性剤が例示される。一般に、セメントモルタル中にセメント混和用ポリマーエマルジョンを混入すると著しく発泡し、必要以上の空気連行を伴うため、緻密な高強度ポリマーセメントモルタル硬化体をつくるには、適当な消泡剤を添加する必要がある。消泡剤の添加方法としては、予めポリマーエマルジョンの製造時に添加してもよく、ポリマーエマルジョンの製造時に添加せずポリマーセメントモルタル練り混ぜ時に添加してもよく、また、ポリマーエマルジョンの製造時に一部添加し、ポリマーセメントモルタル練り混ぜ時にさらに添加することもできる。
消泡剤の配合量は、セメント100質量部に対して0.2〜2質量部が好ましい。消泡剤の配合量がセメント100質量部に対して0.2質量部未満では、ポリマーセメントモルタルの連行気泡を十分に消すことができず、その結果、曲げ強度が低下するので、好ましくない。一方、消泡剤の配合量がセメント100質量部に対して2質量部以上になると、連行気泡の大部分がすでに消されているため、あまり効果がなく、不経済になる。
また、ポリマーセメントモルタル硬化体用部材の部材同士の接着に使用される接着剤としては、特に限定されるものではなく、通常コンクリート部材同士の接着に使用されるものであれば良いが、特に好ましくはエポキシ樹脂系接着剤が良い。例えば、エポボンドEP−3(商品名、アオイ化学工業製)、EP40(商品名、セメダイン製)、ショーボンド♯101(商品名、ショーボンド建設製)、ボンドトップWG(商品名、アオイ化学工業製)等のエポキシ樹脂系接着剤が例示される。
本発明のポリマーセメントモルタル硬化体を部材として、部材同士を接着する場合、プライマーを使用しなくても十分な接着強度を確保することができる。
また、プライマーを使用する場合でも、プライマーは特に限定されるものではなく、通常コンクリート部材同士の接着の際のプライマー処理に使用されるものであれば良い。例えば、エポキシ樹脂系接着剤専用プライマーが例示される。
次に本発明に用いられるポリマーセメントモルタル硬化体用部材の配合について説明する。
セメントは、630〜1070kg/m3である。
細骨材は、1070〜1260kg/m3である。
ポリマーエマルジョンは、固形分(有効成分)換算で60〜140kg/m3である。
減水剤は、5〜20kg/m3である。
消泡剤は、3〜14kg/m3である。
水は、150〜190kg/m3である。
次に、製造方法について説明する。
製造方法は、特に限定されるものではなく、通常のコンクリート製品を製造する方法に準ずれば良い。
すなわち、上記配合になるように各材料を計量し、先ずセメントと細骨材とをミキサーに投入・攪拌(空練り)し、更にポリマーエマルジョン、水、減水剤、消泡剤を加えて練り混ぜる。そして該混練物を型枠内に必要に応じて鉄筋を配置した所定の型枠に充填し、該混練物のフレッシュ性状によって無振動締固め、振動締固め、又は加圧振動締固めの何れかを行い、蒸気養生後、脱型してポリマーセメントモルタル硬化体用部材を製造する。
蒸気養生の方法としては、通常の方法に従えば良く、例えば、前置2時間、昇温速度20℃/時、65℃で3時間保持、その後自然放冷する方法が例示される。
尚、本発明のポリマーセメントモルタル硬化体用部材の養生方法としては、蒸気養生以外の養生方法でも製造できるが、好ましくは蒸気養生が良い。特に水硬性結合材が早強ポルトランドセメントの場合は蒸気養生がより好ましい。
次に、部材同士を接着する場合、本発明のポリマーセメントモルタル硬化体用部材はプライマーを使用しなくても十分な接着強度を確保することができるが、従来と同様に部材同士の接着面をディスクグラインダー処理やプライマー処理をした後、部材同士を接着剤で接着し、養生後、本発明で用いられる大型ポリマーセメントモルタル硬化体を製造することもできる。
本発明に用いられるポリマーセメントモルタル硬化体用部材の製造について説明する。
使用材料
セメント:早強ポルトランドセメント
細骨材:静岡県小笠郡浜岡町産陸砂(表乾密度2.60g/cm3、FM2.75)
ポリマーエマルジョン:ポリ(メタ)アクリル酸エステル(固形分50%)
高性能減水剤:ポリカルボン酸エーテル系高性能減水剤
消泡剤:特殊非イオン界面活性剤
水:水道水
鉄筋:鋼棒
配合(kg/m3)および製造
早強ポルトランドセメント801kg、細骨材(陸砂)1202kg、ポリマーエマルジョン176kg、減水剤13.6kg、消泡剤5.3kg、水57kgからなる配合で、容量100リットルのパン型強制練りミキサーを使用して練り混ぜ量50リットルで練り混ぜを行い、鉄筋を配置した所定の型枠に充填後、型枠振動機で微振動締固めを行い成型した。
その後、蒸気養生を行い、その条件は20℃で前置き2時間とし、20℃/時で昇温させ、65℃で3時間保持し、その後自然放冷させた。
蒸気養生終了後、脱型してポリマーセメントモルタル硬化体用部材を製造した。
また試験用に供試体を作成し、試験材齢(14日)まで屋内に放置した。
比較例1
普通コンクリート製品用部材の製造について説明する。
使用材料
セメント:普通ポルトランドセメント
粗骨材:茨城県岩瀬町産硬質砂岩砕石2005(表乾密度2.65g/cm3
細骨材:静岡県小笠郡浜岡町産陸砂(表乾密度2.60g/cm3、FM2.75)
高性能減水剤:ナフタリンスルホン酸ホルマリン高縮合物塩
水:水道水
鉄筋:鋼棒
配合(kg/m3)および製造
普通ポルトランドセメント378kg、粗骨材989kg、細骨材826kg、高性能減水剤1.5kg、水168kgからなる配合で、容量100リットルのパン型強制練りミキサーを使用して練り混ぜ量50リットルで練り混ぜを行い、鉄筋を配置した所定の型枠に充填後、型枠振動機で振動締固めを行い成型した。その後、実施例1と同様の条件で蒸気養生を行い、普通コンクリート製品用部材を製造した。
また試験用に供試体を作成し、試験材齢(14日)まで屋内に放置した。
実施1、及び比較例1で製造した各供試体を用いて曲げ強度試験(JIS A 1171-2000)を行った。その測定結果を表1に示す。
Figure 2006037003
以上詳細に述べたように、本発明に用いられるポリマーセメントモルタル硬化体用部材(実施例1)は、普通コンクリート製品用部材(比較例1)と比して、約3.5倍の曲げ強度を有している。
実施例1、及び比較例1で製造した各供試体を用いて中性化促進試験及び塩化物イオン浸透促進試験を行った。
中性化促進試験は、JISA 1171に準拠して行った。また、塩化物イオン浸透促進試験は、3%NaCL溶液に3日間浸漬、その後4日間乾燥状態に放置するのを1サイクルとし、4サイクル実施した。その結果を表2に示す。
Figure 2006037003
本発明に用いられるポリマーセメントモルタル硬化体用部材(実施例1)の中性化深さ及び塩化物イオン深さは0mmであり、物質の浸透に対する抵抗性が認められた。一方、普通コンクリート製品用部材(比較例1)は、中性化深さが5.3mm、塩化物イオン浸透深さが12.5mmであり、本発明のポリマーセメントモルタル硬化体用部材がこれらの抵抗性に対し、普通コンクリート製品用部材より優れた性能を有することが解る。
実施例1、及び比較例1で製造した各供試体を用いて凍結融解試験を行った。
その結果を図1に示す。
本発明に用いられるポリマーセメントモルタル硬化体用部材(実施例1)の空気量は3.4%であるが、相対動弾性係数は300サイクルにおいて95%以上で、スケーリングも認められず、充分な凍結融解抵抗性が認められる。これは、本発明に用いられるポリマーセメントモルタル硬化体用部材が低水セメント比であること、ポリマーが細孔を充填したためと考えられる。一方、普通コンクリート製品用部材(比較例1)は、50サイクルまでで相対動弾性係数が60%以下となった。
以上詳細に説明したように、本発明に用いられるポリマーセメントモルタル硬化体用部材は、従来のコンクリート製品と比べて、曲げ強度、中性化促進に対する抵抗性、塩化物イオン浸透に対する抵抗性、及び凍結融解抵抗性の全てにおいて優れている。
次に、本発明に用いられるエポキシ樹脂系接着剤を用いて実施例1と比較例1とで製造した各供試体を用いて、曲げ接着強度試験を行った。
曲げ接着強度試験は、実施例1と比較例1とで製作した4×4×16cmの各供試体を中央で切断し、切断面と反対側の面同士を接着面とし、該接着面を各種処理し、さらにプライマーを使用した場合と使用しない場合とに分け、各接着面同士を2液型エポキシ接着剤で接着し、室内において7日間養生した後、再度4×4×16cmとして曲げ試験を実施した。なお、接着層の厚さは1.5mmとした。その結果を表3に示す。
Figure 2006037003
前述の曲げ接着強度試験の結果から、接着面の処理方法にかかわらず、本発明に用いられるポリマーセメントモルタル硬化体用部材と本発明に用いられるエポキシ樹脂系接着剤との組み合わせの方が、従来のコンクリート製品とエポキシ樹脂系接着剤との組み合わせよりも、曲げ接着強度がプライマーを使用しない場合で約3.2〜3.9倍と高く、また、プライマーを使用した場合で約2.7〜3.1倍と高く、優れていることが証明された。
さらに、プライマーを使用しない場合と使用した場合とでの曲げ接着強度比は、本発明のポリマーセメントモルタル硬化体用部材が0.93〜0.99であるのに対して、従来のコンクリート製品では0.76〜0.88であることから、本発明に用いられるポリマーセメントモルタル硬化体用部材と本発明に用いられるエポキシ樹脂系接着剤との組み合わせの場合はプライマー処理しなくても、プライマー処理に近い曲げ接着強度が得られることが解る。
尚、本発明に用いられるポリマーセメントモルタル硬化体用部材の母材の曲げ強度は15.5N/mm2であったことから、母材の約82%(曲げ接着強度12.7N/mm2の場合)という極めて高い曲げ強度を維持していることになる。本発明の方法により12.7N/mm2という極めて高い曲げ接着強度を維持した理由としては、本発明に用いられるポリマーセメントモルタル硬化体用部材の母材強度が高いこと、母材にポリマーを使用したためポリマーセメントモルタル硬化体用部材と本発明に用いられる接着剤との親和性が改善されたこととの相乗効果によるものと考えられる。
次に、前述の曲げ接着強度試験の結果、破壊された破壊面の面積率を測定した。
その結果を表4に示す。
Figure 2006037003
曲げ接着破壊の形態については、従来のコンクリート製品用部材(比較例1)の場合、主に接着面の剥がれであるに対して、本発明のポリマーセメントモルタル硬化体用部材(実施例1)の場合、接着面の剥がれが少なく、主に母材表層部破壊である。これは、ポリマーセメントモルタル硬化体用部材ではポリマーの混入により接着剤との親和性が向上されることに起因するものである。
以上詳細に述べたように、本発明のポリマーセメントモルタル硬化体用部材は、従来のコンクリート製品用部材よりも、曲げ性能、および耐久性に優れている。
更に本発明に用いるエポキシ樹脂系接着剤で本発明のポリマーセメントモルタル硬化体用部材同士を接着すると、従来のコンクリート製品用部材同士の接着の場合よりも約2.7〜3.9培の曲げ接着強度を有するポリマーセメントモルタル硬化体を製造することができる。
また、本発明に用いるエポキシ樹脂系接着剤とポリマーセメントモルタル硬化体用部材との組み合わせでは、プライマー処理しなくても、プライマー処理に近い曲げ接着強度が得られる。
このように、本発明にエポキシ樹脂系接着剤とポリマーセメントモルタル硬化体用部材との組み合わせにより、従来のコンクリート製品の場合と比べて極めて高い母材強度を確保することができると共に、エポキシ樹脂系接着剤とポリマーセメントモルタル硬化体用部材との親和性を改善でき、その結果、極めて高い曲げ接着強度を有するポリマーセメントモルタル硬化体を製造することができる。
本発明のポリマーセメントモルタル硬化体用部材(実施例1)、および普通コンクリート製品用部材(比較例1)の凍結融解試験結果である。

Claims (7)

  1. ポリマーエマルジョンを含有してなるポリマーセメントモルタル硬化体用部材同士をエポキシ樹脂系接着剤で接着することを特徴とするポリマーセメントモルタル硬化体用部材同士の接着方法。
  2. ポリマーエマルジョンを含有してなるポリマーセメントモルタル硬化体用部材同士がエポキシ樹脂系接着剤で接着されていることを特徴とするポリマーセメントモルタル硬化体。
  3. ポリマーセメントモルタル硬化体用部材がポルトランドセメント、細骨材のみからなる骨材、ポリマーエマルジョン、高性能減水剤、および消泡剤とからなることを特徴とする請求項2記載のポリマーセメントモルタル硬化体。
  4. ポリマーセメントモルタル硬化体用部材の水セメント比が25%以下であることを特徴とする請求項3記載のポリマーセメントモルタル硬化体。
  5. ポリマーセメントモルタル硬化体用部材の組成に高炉スラグ粉末、フライアシュ、シリカヒューム、石灰石粉末、珪石粉末から選ばれる1種以上の粉末を含むことを特徴とする請求項3、および請求項4記載のポリマーセメントモルタル硬化体。
  6. ポリマーエマルジョンがポリ(メタ)アクリル酸エステル系水溶性ポリマーであることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、および請求項5記載のポリマーセメントモルタル硬化体。
  7. ポルトランドセメントが早強ポルトランドセメントであることを特徴とする請求項3、請求項4、請求項5、および請求6記載のポリマーセメントモルタル硬化体。


JP2004221657A 2004-07-29 2004-07-29 ポリマーセメントモルタル硬化体用部材同士の接着方法およびポリマーセメントモルタル硬化体 Active JP4745629B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004221657A JP4745629B2 (ja) 2004-07-29 2004-07-29 ポリマーセメントモルタル硬化体用部材同士の接着方法およびポリマーセメントモルタル硬化体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004221657A JP4745629B2 (ja) 2004-07-29 2004-07-29 ポリマーセメントモルタル硬化体用部材同士の接着方法およびポリマーセメントモルタル硬化体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006037003A true JP2006037003A (ja) 2006-02-09
JP4745629B2 JP4745629B2 (ja) 2011-08-10

Family

ID=35902339

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004221657A Active JP4745629B2 (ja) 2004-07-29 2004-07-29 ポリマーセメントモルタル硬化体用部材同士の接着方法およびポリマーセメントモルタル硬化体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4745629B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104446243A (zh) * 2014-11-18 2015-03-25 上海古猿人石材有限公司 一种水泥基仿砂岩制品及其制作方法及用于其制作方法中的治具

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11278899A (ja) * 1998-03-31 1999-10-12 Sumitomo Osaka Cement Co Ltd 補強用繊維シート保護モルタルと、その保護モルタルの施工方法
JP2001270755A (ja) * 2000-03-27 2001-10-02 Sumitomo Osaka Cement Co Ltd 補強用繊維シート保護モルタルと、その保護モルタルの施工方法

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11278899A (ja) * 1998-03-31 1999-10-12 Sumitomo Osaka Cement Co Ltd 補強用繊維シート保護モルタルと、その保護モルタルの施工方法
JP2001270755A (ja) * 2000-03-27 2001-10-02 Sumitomo Osaka Cement Co Ltd 補強用繊維シート保護モルタルと、その保護モルタルの施工方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104446243A (zh) * 2014-11-18 2015-03-25 上海古猿人石材有限公司 一种水泥基仿砂岩制品及其制作方法及用于其制作方法中的治具

Also Published As

Publication number Publication date
JP4745629B2 (ja) 2011-08-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2944599C (en) Concrete materials with modified rheology, methods of making, and uses thereof
KR101528120B1 (ko) 콘크리트 구조물 보수 보강제 및 이를 이용한 콘크리트 구조물의 보수 보강 공법
JP2008088633A (ja) ポリマーセメントモルタル製埋設型枠
JP2020158371A (ja) ポリマーセメントモルタル及び鉄筋コンクリートの補修方法
JP2018193280A (ja) 早強性超高強度グラウト組成物
JP2022069599A (ja) ポリマーセメントモルタル
JP2010149402A (ja) コンクリート組成物の製造方法及びコンクリート成形体
JP4809575B2 (ja) 土木構造物用セメント組成物及びこれを用いたコンクリート製品
JP4090772B2 (ja) セメント組成物
JP4926387B2 (ja) ポリマーセメントモルタル硬化体
JP7271185B2 (ja) 部材の構築工法
JP4745629B2 (ja) ポリマーセメントモルタル硬化体用部材同士の接着方法およびポリマーセメントモルタル硬化体
JP2006037611A (ja) ポリマーセメントモルタル製マンホール
JP3894738B2 (ja) 埋設型枠用ボード
JP4727161B2 (ja) シールド直打ち工法に用いられるコンクリート組成物の製造方法
JP2015175160A (ja) 常温硬化型超高強度繊維補強コンクリートの目粗し方法及びセメント硬化体
JP3806420B2 (ja) シラスを用いた低強度モルタル充填材
JP2004284873A (ja) 水硬性複合材料
JP6654273B1 (ja) 高化学抵抗性コンクリート構造体の製造方法
JP2001226161A (ja) 再利用可能なコンクリート構造物用プレキャスト部材
JP2008087978A (ja) 耐酸性コンクリート製品
JP3242623B2 (ja) 壁構造
JP7339126B2 (ja) 吹付用水硬性組成物用添加剤
JP6924738B2 (ja) ソイルセメント用添加剤
JP6475579B2 (ja) プレキャストコンクリート用膨張材、その製造方法およびプレキャストコンクリートの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070105

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100728

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100803

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20100813

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101004

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110111

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110303

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110510

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110512

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140520

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4745629

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250