JP2006036832A - ノンハロゲン難燃性接着剤組成物、および、これを用いたフレキシブルプリント配線板用銅張積層板、フレキシブルプリント基板、フレキシブルプリント配線板用カバーレイフィルム - Google Patents
ノンハロゲン難燃性接着剤組成物、および、これを用いたフレキシブルプリント配線板用銅張積層板、フレキシブルプリント基板、フレキシブルプリント配線板用カバーレイフィルム Download PDFInfo
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Abstract
【課題】 耐マイグレーション性に優れたノンハロゲン難燃性接着剤組成物、これを用いたフレキシブルプリント配線板用銅張積層板、フレキシブルプリント基板、フレキシブルプリント配線板用カバーレイフィルムを提供する。
【解決手段】 エポキシ樹脂(A)と、酸無水物系硬化剤(B)と、硬化剤促進剤(C)と、カルボキシル基含有エチレン−アクリルゴム(D)と、難燃剤(E)とを含有するノンハロゲン難燃性接着剤組成物において、酸無水物系硬化剤(B)を、エポキシ樹脂(A)100質量部に対して80〜110質量部とし、カルボキシル基含有エチレン−アクリルゴム(D)を、エポキシ樹脂(A)と、酸無水物系硬化剤(B)と、硬化剤促進剤(C)と、カルボキシル基含有エチレン−アクリルゴム(D)との合計量に対して15〜40質量%とする。
【選択図】 なし
【解決手段】 エポキシ樹脂(A)と、酸無水物系硬化剤(B)と、硬化剤促進剤(C)と、カルボキシル基含有エチレン−アクリルゴム(D)と、難燃剤(E)とを含有するノンハロゲン難燃性接着剤組成物において、酸無水物系硬化剤(B)を、エポキシ樹脂(A)100質量部に対して80〜110質量部とし、カルボキシル基含有エチレン−アクリルゴム(D)を、エポキシ樹脂(A)と、酸無水物系硬化剤(B)と、硬化剤促進剤(C)と、カルボキシル基含有エチレン−アクリルゴム(D)との合計量に対して15〜40質量%とする。
【選択図】 なし
Description
本発明は、難燃性、接着性及び耐マイグレーション性に優れたノンハロゲン難燃性接着剤組成物、このノンハロゲン難燃性接着剤組成物を用いたフレキシブルプリント配線板用銅張積層板、フレキシブルプリント基板、フレキシブルプリント配線板用カバーレイフィルムに関するものである。
従来、フレキシブルプリント基板を構成する材料として、接着剤組成物が用いられている。フレキシブルプリント基板には、種々の特性が要求されており、中でも電気的特性は、難燃性、耐熱性と共に重要な特性である。
フレキシブルプリント基板に用いられる接着剤組成物では、接着剤組成物を長期間安定に保存できるようにするために、硬化剤としては、芳香族アミン系硬化剤や、ジシアンジアミド、メラミン樹脂、フェノキシ樹脂などの比較的高温で硬化反応が開始して、進行するものが用いられていた。また、接着剤組成物が硬化してなる接着層に可撓性を付与するために、接着剤組成物に添加される添加剤としては、カルボキシル基含有ニトリルゴム(アクリロニトリル−ブタジエンゴム、Acrylonitrile Butadiene Rubber、以下、「NBR」と略す。)、カルボキシル基含有NBR変性アミド樹脂、ポリアミド樹脂などの熱可塑性樹脂などが用いられていた(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照。)。
このような接着剤組成物を用いて形成されたカバーレイフィルムやフレキシブルプリント配線板用銅張積層板を有する、従来の多層構造のフレキシブルプリント基板は、製造から(使用から)短期間で耐マイグレーション性が急激に劣化するという問題があった。
特開2003−176470号公報
特開2003−165898号公報
特開2003−165894号公報
本発明は、前記事情に鑑みてなされたもので、耐マイグレーション性に優れたノンハロゲン難燃性接着剤組成物、これを用いたフレキシブルプリント配線板用銅張積層板、フレキシブルプリント基板、フレキシブルプリント配線板用カバーレイフィルムを提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するために、エポキシ樹脂(A)と、酸無水物系硬化剤(B)と、硬化剤促進剤(C)と、カルボキシル基含有エチレン−アクリルゴム(D)と、難燃剤(E)とを含有し、前記酸無水物系硬化剤(B)が最適添加量の80〜110%の割合で含まれ、前記カルボキシル基含有エチレン−アクリルゴム(D)が、エポキシ樹脂(A)と、酸無水物系硬化剤(B)と、硬化剤促進剤(C)と、カルボキシル基含有エチレン−アクリルゴム(D)との合計量に対して15〜40質量%の割合で含まれるノンハロゲン難燃性接着剤組成物を提供する。
また、本発明は、上記のノンハロゲン難燃性接着剤組成物を硬化してなる接着剤層を備えたフレキシブルプリント配線板用銅張積層板を提供する。
また、本発明は、上記のノンハロゲン難燃性接着剤組成物を硬化してなる接着剤層を備えたフレキシブルプリント基板を提供する。
また、本発明は、上記のノンハロゲン難燃性接着剤組成物を硬化してなる接着剤層を備えたフレキシブルプリント配線板用カバーレイフィルムを提供する。
本発明のノンハロゲン難燃性接着剤組成物は、材料にハロゲン含有化合物を含まないので、焼却時に有害ガスが発生することなく、難燃性に優れたものとなる。また、このノンハロゲン難燃性接着剤組成物は、線間絶縁抵抗が高く、デンドライト(樹枝状晶)の発生がほとんどない耐マイグレーション性に優れたものである。また、接着性が劣化することがなく、安定した接着強度を有するものとなる。
また、本発明のノンハロゲン難燃性接着剤組成物は、フレキシブルプリント基板およびその関連機器や部品などにおける接着剤として特に好適なものである。
したがって、本発明のフレキシブルプリント配線板用銅張積層板は、本発明のノンハロゲン難燃性接着剤組成物を硬化してなる接着剤層を備えているから、耐マイグレーション性に優れ、長期安定性に優れたものである。
したがって、本発明のフレキシブルプリント配線板用銅張積層板は、本発明のノンハロゲン難燃性接着剤組成物を硬化してなる接着剤層を備えているから、耐マイグレーション性に優れ、長期安定性に優れたものである。
また、本発明のフレキシブルプリント基板は、本発明のノンハロゲン難燃性接着剤組成物を硬化してなる接着剤層を備えているから、長期安定性に優れたものである。
本発明のフレキシブルプリント配線板用カバーレイフィルムは、本発明のノンハロゲン難燃性接着剤組成物を硬化してなる接着剤層を備えているから、耐マイグレーション性に優れ、長期安定性に優れたものである。
本発明のフレキシブルプリント配線板用カバーレイフィルムは、本発明のノンハロゲン難燃性接着剤組成物を硬化してなる接着剤層を備えているから、耐マイグレーション性に優れ、長期安定性に優れたものである。
以下、本発明を実施したノンハロゲン難燃性接着剤組成物、および、これを用いたフレキシブルプリント配線板用銅張積層板、フレキシブルプリント基板、フレキシブルプリント配線板用カバーレイフィルムについて説明する。
本発明のノンハロゲン難燃性接着剤組成物は、エポキシ樹脂(A)と、酸無水物系硬化剤(B)と、硬化剤促進剤(C)と、カルボキシル基含有エチレン−アクリルゴム(D)と、難燃剤(E)とを含有し、酸無水物系硬化剤(B)が最適添加量の80〜110%の割合で含まれ、かつ、カルボキシル基含有エチレン−アクリルゴム(D)が、エポキシ樹脂(A)と、酸無水物系硬化剤(B)と、硬化剤促進剤(C)と、カルボキシル基含有エチレン−アクリルゴム(D)との合計量に対して15〜40質量%の割合で含まれるものである。
本発明のノンハロゲン難燃性接着剤組成物において、酸無水物系硬化剤(B)の最適添加量は以下の式で定義される。
酸無水物系硬化剤(B)の最適添加量(phr)=C×(酸無水物系硬化剤(B)の当量/エポキシ樹脂(A)の当量)×100
また、上記の式において、酸無水物系硬化剤(B)の当量と、定数Cはそれぞれ以下のように定義される。
酸無水物系硬化剤(B)の当量=酸無水物系硬化剤(B)の分子量/酸無水物系硬化剤(B)の基の数
定数Cは、ほとんどの酸無水物では0.85、塩素を含む酸無水物では0.6、3級アミンを促進剤として添加する場合は1.0である。
酸無水物系硬化剤(B)の最適添加量(phr)=C×(酸無水物系硬化剤(B)の当量/エポキシ樹脂(A)の当量)×100
また、上記の式において、酸無水物系硬化剤(B)の当量と、定数Cはそれぞれ以下のように定義される。
酸無水物系硬化剤(B)の当量=酸無水物系硬化剤(B)の分子量/酸無水物系硬化剤(B)の基の数
定数Cは、ほとんどの酸無水物では0.85、塩素を含む酸無水物では0.6、3級アミンを促進剤として添加する場合は1.0である。
エポキシ樹脂(A)としては、1分子中に2個以上のエポキシ基を有し、かつ、ハロゲンを含まないものであれば特に限定されず、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン環含有エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂などが挙げられる。
酸無水物系硬化剤(B)としては、エポキシ樹脂(A)の硬化剤として作用し、かつ、ハロゲンを含まないものであれば特に限定されず、例えば、フタル酸、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、3−メチル−1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸、4−メチル−1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸無水物など、およびその誘導体などが挙げられる。
この酸無水物系硬化剤(B)の本発明のノンハロゲン難燃性接着剤組成物における添加量は、上記の化学当量より算出される最適添加量の80〜110%であり、90〜105%であることが好ましい。
酸無水物系硬化剤(B)が最適添加量に対して80%未満では、硬化不足により、本発明のノンハロゲン難燃性接着剤組成物を十分に硬化することができず、このノンハロゲン難燃性組成物を硬化してなる接着層を備えたフレキシブルプリント基板などの電気特性の低下や接着強度の低下が発生する。一方、酸無水物系硬化剤(B)が最適添加量に対して110%を超えると、硬化後のノンハロゲン難燃性接着剤組成物中に未反応の酸無水物系硬化剤(B)が残存し、電気特性の低下を招くことがある。
硬化剤促進剤(C)としては、エポキシ樹脂(A)の硬化反応を促進し、かつ、ハロゲンを含まない3級アミンであれば特に限定されず、例えば、トリスジメチルアミノフェノール、ジメチルアミノメチルフェノール、ベンジルジメチルアミンなどの3級アミンが挙げられる。
カルボキシル基含有エチレン−アクリルゴム(D)としては、本発明のノンハロゲン難燃性接着剤組成物を硬化してなる接着層に十分な可撓性を付与するものであれば特に限定されず、エポキシ樹脂(A)のエポキシ基と反応し得るカルボキシル基を含み、かつ、ハロゲンを含まないものが用いられる。
このカルボキシル基含有エチレン−アクリルゴム(D)の本発明のノンハロゲン難燃性接着剤組成物における含有量は、エポキシ樹脂(A)と、酸無水物系硬化剤(B)と、硬化剤促進剤(C)と、カルボキシル基含有エチレン−アクリルゴム(D)との合計量に対して15〜40質量%であることが好ましいが、15〜35質量%であることがより好ましい。
カルボキシル基含有エチレン−アクリルゴム(D)の、エポキシ樹脂(A)と、酸無水物系硬化剤(B)と、硬化剤促進剤(C)と、カルボキシル基含有エチレン−アクリルゴム(D)との合計量に対する含有量が15質量%未満では、本発明のノンハロゲン難燃性接着剤組成物を硬化してなる接着層の可撓性が劣化し、硬くなる。また、接着強度が低下する。一方、カルボキシル基含有エチレン−アクリルゴム(D)の含有量が40質量%を超えると、本発明のノンハロゲン難燃性接着剤組成物を基板などの対象物に塗布した後、プレス成形により多層構造のフレキシブルプリント基板などを作製する際に、カルボキシル基含有エチレン−アクリルゴム(D)の染み出し量が多くなるだけでなく、接着層の接着強度が低下する。
難燃剤(E)としては、本発明のノンハロゲン難燃性接着剤組成物に、難燃性の規格UL94VTMによる試験のVTM−0に合格する難燃性を付与するものであれば特に限定されず、例えば、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、ホウ酸亜鉛、メラミンシアヌレートなどが挙げられる。
また、本発明のノンハロゲン難燃性接着剤組成物には、上記(A)〜(E)の必須成分の他に、本発明の効果を損なわない範囲で各種添加剤などを適宜配合することもできる。添加剤としては、例えば充填材、強化材、カップリング剤、可塑剤、反応性希釈剤、有機溶剤、界面活性剤、安定剤などが挙げられ、これらの添加剤もハロゲンを含まないものが選択して用いられる。
本発明のノンハロゲン難燃性接着剤組成物を対象物に塗布して接着層を形成するには、この接着剤組成物に有機溶剤を加えて接着剤溶液とし、この接着剤溶液を対象物に塗布し、乾燥、硬化させる。これにより、この接着剤組成物を硬化してなる接着層が形成される。
この接着剤溶液の調製に用いられる有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、トルエン、トリクロロエチレンなどが挙げられる。また、接着剤溶液の固形分濃度は、10〜70質量%が望ましく、30〜65質量%がより望ましい。接着剤溶液の固形分濃度が10質量%未満では、塗工むら(接着剤層厚さのばらつき)が発生し易くなる。一方、70質量%を超えると、粘度が上昇し、また、固形分と有機溶剤との相溶性低下によって塗布性が劣化する。
本発明のノンハロゲン難燃性接着剤組成物は、構成材料(エポキシ樹脂(A)と、酸無水物系硬化剤(B)と、硬化剤促進剤(C)と、カルボキシル基含有エチレン−アクリルゴム(D)と、難燃剤(E)、有機溶剤、並びに必要に応じて添加される添加剤)をポットミル、ボールミル、ホモジナイザー、スーパーミルなどを用いて攪拌混合することにより調製される。
このノンハロゲン難燃性接着剤組成物は、有機溶剤を加えて得られる接着剤溶液を対象物に塗布し、乾燥、硬化させることで、対象物同士の接着、対象物の封止を行うために用いられる。この接着剤組成物の乾燥・硬化に際しては、室温〜200℃程度の温度下で行うことができる。
このノンハロゲン難燃性接着剤組成物は、材料にハロゲン含有化合物を含まないので、焼却時に有害ガスが発生することなく、難燃性に優れたものとなる。また、このノンハロゲン難燃性接着剤組成物は、線間絶縁抵抗が高く、デンドライト(樹枝状晶)の発生がほとんどない耐マイグレーション性に優れたものである。また接着性が劣化することがなく、安定した接着強度を有するものとなる。
具体的には、本発明のノンハロゲン難燃性接着剤組成物は、難燃性の規格UL94VTMによる試験(薄手材料垂直燃焼試験)のVTM−0に合格し、接着強度が7N/cm以上であり、85℃、85%RH雰囲気下、直流電圧50Vを印加した状態で240時間保持後の絶縁抵抗が108Ω以上であり、デンドライトが実質的に発生しないなどの難燃性接着剤組成物として優れた性能を示す。
また、本発明のノンハロゲン難燃性接着剤組成物は、フレキシブルプリント基板およびその関連機器や部品など(フレキシブルプリント配線板用銅張積層板やフレキシブルプリント配線板用カバーレイフィルム)における接着剤として特に好適である。
図1は、本発明に係るフレキシブルプリント基板の一実施形態を示す概略断面図である。
この実施形態のフレキシブルプリント基板1は、ベースフィルム2と、このベースフィルム2の一方の面2aに設けられたベースフィルム側接着剤層3と、このベースフィルム側接着剤層3の上に設けられた金属箔からなる回路4と、この回路4およびベースフィルム側接着剤層3の上に設けられたカバーレイフィルム側接着剤層5と、このカバーレイフィルム側接着剤層5の上面を全て覆うように設けられたカバーレイフィルム6とから概略構成されている。
この実施形態のフレキシブルプリント基板1は、ベースフィルム2と、このベースフィルム2の一方の面2aに設けられたベースフィルム側接着剤層3と、このベースフィルム側接着剤層3の上に設けられた金属箔からなる回路4と、この回路4およびベースフィルム側接着剤層3の上に設けられたカバーレイフィルム側接着剤層5と、このカバーレイフィルム側接着剤層5の上面を全て覆うように設けられたカバーレイフィルム6とから概略構成されている。
また、フレキシブルプリント基板1は、ベースフィルム側接着剤層3、カバーレイフィルム側接着剤層5の少なくとも一部、好ましくは全部が、上記のノンハロゲン難燃性接着剤組成物を硬化してなる接着剤層で構成されている。
また、ベースフィルム側接着剤層3またはカバーレイフィルム側接着剤層5の厚みは、10μm〜100μm程度となっている。
また、ベースフィルム側接着剤層3またはカバーレイフィルム側接着剤層5の厚みは、10μm〜100μm程度となっている。
このフレキシブルプリント基板1において、ベースフィルム側接着剤層3、カバーレイフィルム側接着剤層5以外の構成要素の材料については特に限定されない。
例えば、ベースフィルム2およびカバーレイフィルム6としては、ポリイミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂などからなる厚み10μm〜100μm程度のフィルムなどが用いられる。
例えば、ベースフィルム2およびカバーレイフィルム6としては、ポリイミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂などからなる厚み10μm〜100μm程度のフィルムなどが用いられる。
また、回路4を構成する金属箔としては、電解銅箔、圧延銅箔、ニッケル箔などの厚み5μm〜100μm程度のものが用いられる。
次に、このフレキシブルプリント基板1の製造方法について説明する。
このフレキシブルプリント基板1の製造方法は、特に限定されるものではなく、従来の方法と同様にしてなされるが、例えば、まず、未硬化の上記のノンハロゲン難燃性接着剤組成物を含む接着剤溶液をベースフィルム2またはカバーレイフィルム6のいずれか一方、もしくは両方に塗布する。
このフレキシブルプリント基板1の製造方法は、特に限定されるものではなく、従来の方法と同様にしてなされるが、例えば、まず、未硬化の上記のノンハロゲン難燃性接着剤組成物を含む接着剤溶液をベースフィルム2またはカバーレイフィルム6のいずれか一方、もしくは両方に塗布する。
次いで、ベースフィルム2上に所定パターンの金属箔を積層し、ベースフィルム側接着剤層3、カバーレイフィルム側接着剤層5がそれぞれ形成されたベースフィルム2とカバーレイフィルム6とを重ね合わせ、熱プレスにより加熱、加圧する。
この際、加熱温度は140〜200℃程度、加熱時間は0.5〜3時間程度とすることが望ましい。これにより、これらが一体化して、フレキシブルプリント基板1が得られる。
この際、加熱温度は140〜200℃程度、加熱時間は0.5〜3時間程度とすることが望ましい。これにより、これらが一体化して、フレキシブルプリント基板1が得られる。
このようなフレキシブルプリント基板は1、ベースフィルム側接着剤層3またはカバーレイフィルム側接着剤層5のいずれか一方、もしくは両方が、上記のノンハロゲン難燃性接着剤組成物で形成されているから、耐マイグレーション性に優れ、燃焼時に有害ガスを発生することなく、難燃性に優れるばかりでなく、フレキシブルプリント基板1を構成する各層間において剥離することがない。
本発明のフレキシブルプリント配線板用銅張積層板は、基板と、この基板の一方の面に設けられた接着剤層と、この接着剤層の上に設けられた銅箔からなる回路とから概略構成されており、接着剤層の少なくとも一部、好ましくは全部が、上記のノンハロゲン難燃性接着剤組成物を硬化してなる接着剤層で構成されている。
本発明のフレキシブルプリント配線板用銅張積層板を構成する基板としては、例えば、図1に示すベースフィルム2が挙げられる。また、接着剤層としては、例えば、図1に示すベースフィルム側接着剤層3が挙げられる。また、回路としては、例えば、図1に示す回路4が挙げられる。
本発明のフレキシブルプリント配線板用カバーレイフィルムは、基板と、この基板の一方の面に設けられた接着剤層とから概略構成されており、接着剤層の少なくとも一部、好ましくは全部が、上記のノンハロゲン難燃性接着剤組成物を硬化してなる接着剤層で構成されている。
本発明のフレキシブルプリント配線板用カバーレイフィルムを構成する基板としては、例えば、図1に示すカバーレイフィルム6が挙げられる。また、接着剤層としては、例えば、図1に示すカバーレイフィルム側接着剤層5が挙げられる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
図1に示す構成のフレキシブルプリント基板を作製した。
ベースフィルムおよびカバーレイフィルムとして、厚み25μmのポリイミド樹脂フィルムを用いた。回路4を構成する金属箔として、厚み18μmの銅箔を用いた。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名;エピコート828EL、ジャパンエポキシレジン社製)100質量部と、酸無水物系硬化剤(商品名;HN5500(3−メチル−ヘキサヒドロ無水フタル酸,4−メチル−ヘキサヒドロ無水フタル酸)、日立化成社製)80質量部と、硬化促進剤(商品名;エピキュア3010(トリスジメチルアミノフェノール)、ジャパンエポキシレジン社製)1質量部と、カルボキシル基含有エチレン−アクリルゴム(商品名;VamacGLS、三井デュポンポリケミカル社製、以下、「合成ゴムB」と略す場合もある。)45.3質量部と、難燃剤(商品名;キスマ5A(水酸化マグネシウム、協和化学社製)243.6質量部とからなる固形分100質量部に対し、メチルエチルケトンを256.4質量部加え、これらをボールミルに投入して撹拌し、ノンハロゲン難燃性接着剤組成物の接着剤溶液を調製した。
次いで、このノンハロゲン難燃性接着剤組成物の接着剤溶液を、乾燥後の厚みが10μmとなるように、ベースフィルムの一方の面にバーコータで塗布し、150℃で15分間オーブン中にて乾燥させて、ベースフィルム側接着剤層を形成した。
次いで、ベースフィルム側接着剤層の上に銅箔をラミネートした。銅箔上に、L/S=100μm/100μmの櫛型パターンを形成し、回路とした。
次いで、ノンハロゲン難燃性接着剤組成物の接着剤溶液を、乾燥後の厚みが30μmとなるように、カバーレイフィルムの一方の面にバーコータで塗布して、150℃で15分間オーブン中にて乾燥させて、カバーレイフィルム側接着剤層を形成した。
次いで、ベースフィルム側接着剤層とカバーレイフィルム側接着剤層が対向するように、ベースフィルムとカバーレイフィルムとを、170℃、40kgf/cm2、40分の条件で熱ラミネートして貼り合わせ、フレキシブルプリント基板を得て、これを試験用サンプルとした。
図1に示す構成のフレキシブルプリント基板を作製した。
ベースフィルムおよびカバーレイフィルムとして、厚み25μmのポリイミド樹脂フィルムを用いた。回路4を構成する金属箔として、厚み18μmの銅箔を用いた。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名;エピコート828EL、ジャパンエポキシレジン社製)100質量部と、酸無水物系硬化剤(商品名;HN5500(3−メチル−ヘキサヒドロ無水フタル酸,4−メチル−ヘキサヒドロ無水フタル酸)、日立化成社製)80質量部と、硬化促進剤(商品名;エピキュア3010(トリスジメチルアミノフェノール)、ジャパンエポキシレジン社製)1質量部と、カルボキシル基含有エチレン−アクリルゴム(商品名;VamacGLS、三井デュポンポリケミカル社製、以下、「合成ゴムB」と略す場合もある。)45.3質量部と、難燃剤(商品名;キスマ5A(水酸化マグネシウム、協和化学社製)243.6質量部とからなる固形分100質量部に対し、メチルエチルケトンを256.4質量部加え、これらをボールミルに投入して撹拌し、ノンハロゲン難燃性接着剤組成物の接着剤溶液を調製した。
次いで、このノンハロゲン難燃性接着剤組成物の接着剤溶液を、乾燥後の厚みが10μmとなるように、ベースフィルムの一方の面にバーコータで塗布し、150℃で15分間オーブン中にて乾燥させて、ベースフィルム側接着剤層を形成した。
次いで、ベースフィルム側接着剤層の上に銅箔をラミネートした。銅箔上に、L/S=100μm/100μmの櫛型パターンを形成し、回路とした。
次いで、ノンハロゲン難燃性接着剤組成物の接着剤溶液を、乾燥後の厚みが30μmとなるように、カバーレイフィルムの一方の面にバーコータで塗布して、150℃で15分間オーブン中にて乾燥させて、カバーレイフィルム側接着剤層を形成した。
次いで、ベースフィルム側接着剤層とカバーレイフィルム側接着剤層が対向するように、ベースフィルムとカバーレイフィルムとを、170℃、40kgf/cm2、40分の条件で熱ラミネートして貼り合わせ、フレキシブルプリント基板を得て、これを試験用サンプルとした。
(実施例2)
酸無水物系硬化剤を90質量部、カルボキシル基含有エチレン−アクリルゴムを45.3質量部、難燃剤を257.3質量部、固形分100質量部に対してメチルエチルケトンを270.6質量部用いた以外は、実施例1と同様にしてフレキシブルプリント基板を作製し、これを試験用サンプルとした。
酸無水物系硬化剤を90質量部、カルボキシル基含有エチレン−アクリルゴムを45.3質量部、難燃剤を257.3質量部、固形分100質量部に対してメチルエチルケトンを270.6質量部用いた以外は、実施例1と同様にしてフレキシブルプリント基板を作製し、これを試験用サンプルとした。
(実施例3)
酸無水物系硬化剤を100質量部、カルボキシル基含有エチレン−アクリルゴムを50.3質量部、難燃剤を270.7質量部、固形分100質量部に対してメチルエチルケトンを284.8質量部用いた以外は、実施例1と同様にしてフレキシブルプリント基板を作製し、これを試験用サンプルとした。
酸無水物系硬化剤を100質量部、カルボキシル基含有エチレン−アクリルゴムを50.3質量部、難燃剤を270.7質量部、固形分100質量部に対してメチルエチルケトンを284.8質量部用いた以外は、実施例1と同様にしてフレキシブルプリント基板を作製し、これを試験用サンプルとした。
(実施例4)
酸無水物系硬化剤を110質量部、カルボキシル基含有エチレン−アクリルゴムを52.8質量部、難燃剤を284.2質量部、固形分100質量部に対してメチルエチルケトンを298.9質量部用いた以外は、実施例1と同様にしてフレキシブルプリント基板を作製し、これを試験用サンプルとした。
酸無水物系硬化剤を110質量部、カルボキシル基含有エチレン−アクリルゴムを52.8質量部、難燃剤を284.2質量部、固形分100質量部に対してメチルエチルケトンを298.9質量部用いた以外は、実施例1と同様にしてフレキシブルプリント基板を作製し、これを試験用サンプルとした。
(比較例1)
硬化剤として4−4´ジアミノジフェニルスルホン(試薬特級)を33質量部、カルボキシル基含有NBR(商品名;ニポール1072、日本ゼオン社製、以下、「合成ゴムB」と略す場合もある。)を33.25質量部、難燃剤を179質量部、硬化促進剤を用いずに、固形分100質量部に対してメチルエチルケトンを188質量部用いた以外は、実施例1と同様にしてフレキシブルプリント基板を作製し、これを試験用サンプルとした。
硬化剤として4−4´ジアミノジフェニルスルホン(試薬特級)を33質量部、カルボキシル基含有NBR(商品名;ニポール1072、日本ゼオン社製、以下、「合成ゴムB」と略す場合もある。)を33.25質量部、難燃剤を179質量部、硬化促進剤を用いずに、固形分100質量部に対してメチルエチルケトンを188質量部用いた以外は、実施例1と同様にしてフレキシブルプリント基板を作製し、これを試験用サンプルとした。
(比較例2)
硬化剤として4−4´ジアミノジフェニルスルホン(試薬特級)を33質量部、カルボキシル基含有エチレン−アクリルゴムを33.25質量部、難燃剤を179質量部、硬化促進剤を用いずに、固形分100質量部に対してメチルエチルケトンを188質量部用いた以外は、実施例1と同様にしてフレキシブルプリント基板を作製し、これを試験用サンプルとした。
硬化剤として4−4´ジアミノジフェニルスルホン(試薬特級)を33質量部、カルボキシル基含有エチレン−アクリルゴムを33.25質量部、難燃剤を179質量部、硬化促進剤を用いずに、固形分100質量部に対してメチルエチルケトンを188質量部用いた以外は、実施例1と同様にしてフレキシブルプリント基板を作製し、これを試験用サンプルとした。
(比較例3)
硬化剤としてジシアンジアミド(試薬特級)を11質量部、カルボキシル基含有NBRを27.75質量部、難燃剤を149.5質量部、硬化促進剤を用いずに、固形分100質量部に対してメチルエチルケトンを154.4質量部とエチレングリコールモノメチルエーテル99質量部用いた以外は、実施例1と同様にしてフレキシブルプリント基板を作製し、これを試験用サンプルとした。
硬化剤としてジシアンジアミド(試薬特級)を11質量部、カルボキシル基含有NBRを27.75質量部、難燃剤を149.5質量部、硬化促進剤を用いずに、固形分100質量部に対してメチルエチルケトンを154.4質量部とエチレングリコールモノメチルエーテル99質量部用いた以外は、実施例1と同様にしてフレキシブルプリント基板を作製し、これを試験用サンプルとした。
(比較例4)
硬化剤としてジシアンジアミド(試薬特級)を11質量部、カルボキシル基含有エチレン−アクリルゴムを27.75質量部、難燃剤を149.5質量部、硬化促進剤を用いずに、固形分100質量部に対してメチルエチルケトンを154.4質量部とエチレングリコールモノメチルエーテル99質量部用いた以外は、実施例1と同様にしてフレキシブルプリント基板を作製し、これを試験用サンプルとした。
硬化剤としてジシアンジアミド(試薬特級)を11質量部、カルボキシル基含有エチレン−アクリルゴムを27.75質量部、難燃剤を149.5質量部、硬化促進剤を用いずに、固形分100質量部に対してメチルエチルケトンを154.4質量部とエチレングリコールモノメチルエーテル99質量部用いた以外は、実施例1と同様にしてフレキシブルプリント基板を作製し、これを試験用サンプルとした。
(比較例5)
酸無水物系硬化剤を90質量部、カルボキシル基含有NBRを47.75質量部、難燃剤を257.3質量部、固形分100質量部に対してメチルエチルケトンを270.6質量部用いた以外は、実施例1と同様にしてフレキシブルプリント基板を作製し、これを試験用サンプルとした。
酸無水物系硬化剤を90質量部、カルボキシル基含有NBRを47.75質量部、難燃剤を257.3質量部、固形分100質量部に対してメチルエチルケトンを270.6質量部用いた以外は、実施例1と同様にしてフレキシブルプリント基板を作製し、これを試験用サンプルとした。
(比較例6)
酸無水物系硬化剤を70質量部、カルボキシル基含有エチレン−アクリルゴムを42.75質量部、難燃剤を230.2質量部、固形分100質量部に対してメチルエチルケトンを242.25質量部用いた以外は、実施例1と同様にしてフレキシブルプリント基板を作製し、これを試験用サンプルとした。
酸無水物系硬化剤を70質量部、カルボキシル基含有エチレン−アクリルゴムを42.75質量部、難燃剤を230.2質量部、固形分100質量部に対してメチルエチルケトンを242.25質量部用いた以外は、実施例1と同様にしてフレキシブルプリント基板を作製し、これを試験用サンプルとした。
(比較例7)
酸無水物系硬化剤を120質量部、カルボキシル基含有エチレン−アクリルゴムを55.25質量部、難燃剤を297.6質量部、固形分100質量部に対してメチルエチルケトンを313.1質量部用いた以外は、実施例1と同様にしてフレキシブルプリント基板を作製し、これを試験用サンプルとした。
酸無水物系硬化剤を120質量部、カルボキシル基含有エチレン−アクリルゴムを55.25質量部、難燃剤を297.6質量部、固形分100質量部に対してメチルエチルケトンを313.1質量部用いた以外は、実施例1と同様にしてフレキシブルプリント基板を作製し、これを試験用サンプルとした。
(比較例8)
酸無水物系硬化剤を90質量部、カルボキシル基含有エチレン−アクリルゴムを23.2質量部、難燃剤を230.6質量部、固形分100質量部に対してメチルエチルケトンを84.8質量部用いた以外は、実施例1と同様にしてフレキシブルプリント基板を作製し、これを試験用サンプルとした。
酸無水物系硬化剤を90質量部、カルボキシル基含有エチレン−アクリルゴムを23.2質量部、難燃剤を230.6質量部、固形分100質量部に対してメチルエチルケトンを84.8質量部用いた以外は、実施例1と同様にしてフレキシブルプリント基板を作製し、これを試験用サンプルとした。
(比較例9)
酸無水物系硬化剤を90質量部、カルボキシル基含有エチレン−アクリルゴムを156.3質量部、難燃剤を373.9質量部、固形分100質量部に対してメチルエチルケトンを625.2質量部用いた以外は、実施例1と同様にしてフレキシブルプリント基板を作製し、これを試験用サンプルとした。
酸無水物系硬化剤を90質量部、カルボキシル基含有エチレン−アクリルゴムを156.3質量部、難燃剤を373.9質量部、固形分100質量部に対してメチルエチルケトンを625.2質量部用いた以外は、実施例1と同様にしてフレキシブルプリント基板を作製し、これを試験用サンプルとした。
実施例1〜実施例4および比較例1〜比較例9で作製した各試験用サンプルについて、難燃性、接着強度、絶縁抵抗およびデンドライト(樹枝状晶)発生度合について評価した。
(1)難燃性
難燃性の評価は、難燃性の規格UL94VTMによる試験(薄手材料垂直燃焼試験)を行い、VTM−0に合格したものを○で表し、不合格のものを×で表した。
難燃性の評価は、難燃性の規格UL94VTMによる試験(薄手材料垂直燃焼試験)を行い、VTM−0に合格したものを○で表し、不合格のものを×で表した。
(2)接着強度
接着強度は、乾燥後の接着剤組成物の厚みが30μmとなるように、ベースフィルムに貼り合わせて170℃、40kg/cm2、40分の条件でプレスして、これをサンプルとし、剥離強度試験を実施して求めた。この剥離強度試験はJIS C 6481に準拠して実施し、プレスにより得られたサンプルを10mm幅に切り出して、90度方向に50mm/minの速度で銅箔から剥離し、その時の剥離強度を測定し、これを接着強度(単位:N/cm)とした。
接着強度は、乾燥後の接着剤組成物の厚みが30μmとなるように、ベースフィルムに貼り合わせて170℃、40kg/cm2、40分の条件でプレスして、これをサンプルとし、剥離強度試験を実施して求めた。この剥離強度試験はJIS C 6481に準拠して実施し、プレスにより得られたサンプルを10mm幅に切り出して、90度方向に50mm/minの速度で銅箔から剥離し、その時の剥離強度を測定し、これを接着強度(単位:N/cm)とした。
(3)絶縁抵抗
絶縁抵抗は、試験用サンプルを85℃、85%RHの雰囲気下において、直流電圧50Vを印加した状態で240時間保持した後、線間絶縁抵抗を測定することによって行った。絶縁性の評価は、銅回路間に発生するデンドライトの生成状態および回路間の抵抗値の変化を評価するために行った。電圧を印加してから240時間、線間絶縁抵抗が107Ω以上であるものを○で表し、電圧を印加してから240時間以内で、線間絶縁抵抗が107Ω以下となったものを×で表した。この線間絶縁抵抗を測定することで、耐マイグレーション性を評価した。
絶縁抵抗は、試験用サンプルを85℃、85%RHの雰囲気下において、直流電圧50Vを印加した状態で240時間保持した後、線間絶縁抵抗を測定することによって行った。絶縁性の評価は、銅回路間に発生するデンドライトの生成状態および回路間の抵抗値の変化を評価するために行った。電圧を印加してから240時間、線間絶縁抵抗が107Ω以上であるものを○で表し、電圧を印加してから240時間以内で、線間絶縁抵抗が107Ω以下となったものを×で表した。この線間絶縁抵抗を測定することで、耐マイグレーション性を評価した。
(4)耐マイグレーション性
耐マイグレーション性は、各ノンハロゲン難燃性接着剤組成物の接着剤溶液を、乾燥後の厚みが30μmとなるように、厚み25μmのポリイミドフィルム上に塗布したものに、直径3mmの穴を開け(開口部)、ベースフィルムに貼り合わせて170℃、40kg/cm2、40分の条件でプレスして、開口部からの接着剤組成物の染み出し量(フロー量)が100μm未満のものを合格(○と表示)、100μm以上のものを不合格(×と表示)と判定した。
耐マイグレーション性は、各ノンハロゲン難燃性接着剤組成物の接着剤溶液を、乾燥後の厚みが30μmとなるように、厚み25μmのポリイミドフィルム上に塗布したものに、直径3mmの穴を開け(開口部)、ベースフィルムに貼り合わせて170℃、40kg/cm2、40分の条件でプレスして、開口部からの接着剤組成物の染み出し量(フロー量)が100μm未満のものを合格(○と表示)、100μm以上のものを不合格(×と表示)と判定した。
(5)デンドライト発生度合
デンドライト発生度合は、各ノンハロゲン難燃性接着剤組成物の接着剤溶液を、乾燥後の厚みが10μmとなるように、厚み25μmのポリイミドフィルム上に塗布し、接着層面に厚み18μmの圧延銅箔を貼り合わせて片面銅張板を得る。貼り合わせた銅箔上にL/S=100μm/100μmの櫛型パターンを形成し、まずその上に各ノンハロゲン難燃性接着剤組成物の接着剤溶液を、乾燥後の厚みが10μmとなるように塗布する。これを乾燥した後、ノンハロゲン難燃性接着剤組成物の上に厚み25μmのポリイミドフィルムを貼り合わせて170℃、40kg/cm2、40分の条件でプレスした。その後、ガラスエポキシ板に銅箔を貼り合わせたものに、各ノンハロゲン難燃性接着剤組成物の接着剤溶液を、乾燥後の厚みが10μmとなるように塗布、乾燥したリジッド板を、上記の櫛型パターン形成したものの両面に貼り付け、多層構造とした試験用サンプルを作製した。
この試験用サンプルを85℃、85%RHの雰囲気下において、直流電圧50Vを印加した状態で240時間保持した後、107Ω以上の線間絶縁抵抗を有するものを合格(○と表示)、107Ω未満の線間絶縁抵抗のものを不合格(×と表示)と判定した。また、試験終了後、表裏面のリジッド板を除去し、光学顕微鏡により回路の間にデンドライトの発生の有無を確認した。
デンドライト発生度合は、各ノンハロゲン難燃性接着剤組成物の接着剤溶液を、乾燥後の厚みが10μmとなるように、厚み25μmのポリイミドフィルム上に塗布し、接着層面に厚み18μmの圧延銅箔を貼り合わせて片面銅張板を得る。貼り合わせた銅箔上にL/S=100μm/100μmの櫛型パターンを形成し、まずその上に各ノンハロゲン難燃性接着剤組成物の接着剤溶液を、乾燥後の厚みが10μmとなるように塗布する。これを乾燥した後、ノンハロゲン難燃性接着剤組成物の上に厚み25μmのポリイミドフィルムを貼り合わせて170℃、40kg/cm2、40分の条件でプレスした。その後、ガラスエポキシ板に銅箔を貼り合わせたものに、各ノンハロゲン難燃性接着剤組成物の接着剤溶液を、乾燥後の厚みが10μmとなるように塗布、乾燥したリジッド板を、上記の櫛型パターン形成したものの両面に貼り付け、多層構造とした試験用サンプルを作製した。
この試験用サンプルを85℃、85%RHの雰囲気下において、直流電圧50Vを印加した状態で240時間保持した後、107Ω以上の線間絶縁抵抗を有するものを合格(○と表示)、107Ω未満の線間絶縁抵抗のものを不合格(×と表示)と判定した。また、試験終了後、表裏面のリジッド板を除去し、光学顕微鏡により回路の間にデンドライトの発生の有無を確認した。
実施例1〜実施例4の結果を表1に、比較例1〜比較例9の結果を表2にそれぞれ示す。なお、これらの表中、接着剤組成物の各成分に関する数値は、それぞれ質量部を示す。
表1に示した実施例1〜実施例4の結果から、接着剤組成物を、酸無水物系硬化剤がエポキシ樹脂100質量部に対して、80〜110質量部含有する組成とすることにより、難燃性、接着強度、耐マイグレーション性(線間絶縁抵抗、デンドライト発生度合)の全てにおいて良好となることが分かった。
一方、表2に示した比較例1〜比較例4の結果から、硬化剤として4−4´ジアミノジフェニルスルホンまたはジシアンジアミを使用し、合成ゴム成分を添加した接着剤組成物では、耐マイグレーション性が劣ることが分かった。
表2に示した比較例5の結果から、接着剤組成物を、酸無水物系硬化剤がエポキシ樹脂100質量部に対して90質量部含有する組成としても、カルボキシル基含有NBRゴムを使用した場合は、耐マイグレーション性が劣ることが分かった。
表2に示した比較例6の結果から、接着剤組成物を、酸無水物系硬化剤がエポキシ樹脂100質量部に対して70質量部含有する組成とすると、接着剤組成物の硬化(架橋)不足によると思われる耐マイグレーション性の劣化が確認された。
表2に示した比較例7の結果から、接着剤組成物を、酸無水物系硬化剤がエポキシ樹脂100質量部に対して120質量部含有する組成とすると、硬化剤の過剰によると思われる耐マイグレーション性の劣化が確認された。
表2に示した比較例8の結果から、接着剤組成物を、カルボキシル基含有エチレン−アクリルゴムの含有量が過少の場合(10wt%以下)、接着強度が低下することが分かった。
表2に示した比較例9の結果から、接着剤組成物を、カルボキシル基含有エチレン−アクリルゴムの含有量が過剰な場合(40wt%以上)、樹脂成分の増加により、難燃性の劣化、および、接着剤組成物の硬化(架橋)不足によると思われる耐マイグレーション性の劣化が確認された。
表2に示した比較例5の結果から、接着剤組成物を、酸無水物系硬化剤がエポキシ樹脂100質量部に対して90質量部含有する組成としても、カルボキシル基含有NBRゴムを使用した場合は、耐マイグレーション性が劣ることが分かった。
表2に示した比較例6の結果から、接着剤組成物を、酸無水物系硬化剤がエポキシ樹脂100質量部に対して70質量部含有する組成とすると、接着剤組成物の硬化(架橋)不足によると思われる耐マイグレーション性の劣化が確認された。
表2に示した比較例7の結果から、接着剤組成物を、酸無水物系硬化剤がエポキシ樹脂100質量部に対して120質量部含有する組成とすると、硬化剤の過剰によると思われる耐マイグレーション性の劣化が確認された。
表2に示した比較例8の結果から、接着剤組成物を、カルボキシル基含有エチレン−アクリルゴムの含有量が過少の場合(10wt%以下)、接着強度が低下することが分かった。
表2に示した比較例9の結果から、接着剤組成物を、カルボキシル基含有エチレン−アクリルゴムの含有量が過剰な場合(40wt%以上)、樹脂成分の増加により、難燃性の劣化、および、接着剤組成物の硬化(架橋)不足によると思われる耐マイグレーション性の劣化が確認された。
本発明のノンハロゲン難燃性接着剤組成物、および、これを用いたフレキシブルプリント配線板用銅張積層板、フレキシブルプリント基板、フレキシブルプリント配線板用カバーレイフィルムは、片面フレキシブル基板または両面フレキシブル基板、あるいは、多層構造FPC、多層リジッド−フレキシブル基板にも適用可能である。
1・・・フレキシブルプリント基板、2・・・ベースフィルム、3・・・ベースフィルム側接着剤層、4・・・回路、5・・・カバーレイフィルム側接着剤層、6・・・カバーレイフィルム。
Claims (4)
- エポキシ樹脂(A)と、酸無水物系硬化剤(B)と、硬化剤促進剤(C)と、カルボキシル基含有エチレン−アクリルゴム(D)と、難燃剤(E)とを含有し、
前記酸無水物系硬化剤(B)が最適添加量の80〜110%の割合で含まれ、
前記カルボキシル基含有エチレン−アクリルゴム(D)が、エポキシ樹脂(A)と、酸無水物系硬化剤(B)と、硬化剤促進剤(C)と、カルボキシル基含有エチレン−アクリルゴム(D)との合計量に対して15〜40質量%の割合で含まれることを特徴とするノンハロゲン難燃性接着剤組成物。 - 請求項1に記載のノンハロゲン難燃性接着剤組成物を硬化してなる接着剤層を備えたことを特徴とするフレキシブルプリント配線板用銅張積層板。
- 請求項1に記載のノンハロゲン難燃性接着剤組成物を硬化してなる接着剤層を備えたことを特徴とするフレキシブルプリント基板。
- 請求項1に記載のノンハロゲン難燃性接着剤組成物を硬化してなる接着剤層を備えたことを特徴とするフレキシブルプリント配線板用カバーレイフィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004215430A JP2006036832A (ja) | 2004-07-23 | 2004-07-23 | ノンハロゲン難燃性接着剤組成物、および、これを用いたフレキシブルプリント配線板用銅張積層板、フレキシブルプリント基板、フレキシブルプリント配線板用カバーレイフィルム |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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ID=35902181
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007238707A (ja) * | 2006-03-07 | 2007-09-20 | Fujikura Ltd | エポキシ系接着剤、カバーレイ、プリプレグ、金属張積層板、プリント配線基板 |
WO2019131591A1 (ja) * | 2017-12-26 | 2019-07-04 | Dic株式会社 | 接着剤、積層体、電池用包装材及び電池 |
-
2004
- 2004-07-23 JP JP2004215430A patent/JP2006036832A/ja not_active Withdrawn
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WO2019131591A1 (ja) * | 2017-12-26 | 2019-07-04 | Dic株式会社 | 接着剤、積層体、電池用包装材及び電池 |
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JP2020029561A (ja) * | 2017-12-26 | 2020-02-27 | Dic株式会社 | 接着剤、積層体、電池用包装材及び電池 |
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