JP2006036336A - 成形品箱詰め方法 - Google Patents

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【課題】固体潤滑剤が混入した特別の合成樹脂によりトレーを製造する必要がなく、トレーの製造コストを低減することができる。トレーの収容凹所内に対して成形品を確実に収容させて箱詰めすることができる。
【解決手段】トレーに対して各収容凹所に相対してガイド孔が形成されたガイド体を取り付け、先端部にて成形品を保持した保持部材をガイド体のガイド孔内に挿入した状態で成形品の保持を解除して各収容凹所内に成形品を収容する。
【選択図】 図6

Description

本発明は、成形機から取出した成形品をトレーの各収容凹所内に収容して箱詰めする成形品箱詰め方法に関する。
成形機から取出された成形品が箱詰めされるトレーとしては、合成樹脂製からなり、その底面に成形品の形状にほぼ一致する多数の収容凹所がマトリックス状に形成されている。そして各収容凹所内に成形品をそれぞれ収容してトレーに箱詰めするには、トレーの各収容凹所の上方に、成形品を保持したチャックを近接させた後に、チャックによる成形品の保持を解除して収容凹所内に収容することにより箱詰めしている。そしてトレー内に成形品を収容する際には、次工程での自動処理を可能にするため、収容凹所内にて所定の姿勢で収容する必要がある。
しかし、トレーの各収容凹所内に成形品を所定の姿勢で収容するには、成形品を保持したチャックとトレーの収容凹所とを高い位置精度で相対するように移動制御する必要があり、制御方法が複雑化する問題を有している。
特に、例えば光学レンズ等のように微小で軽量の成形品にあっては、チャック及びトレーを高い位置精度で移動制御しても、成形品を収容凹所内に自重落下して収容させる際に、空気抵抗により成形品の姿勢が乱れて収容凹所内へ確実に収容させることが困難であった。また、成形品を収容したトレーを搬送する際においても、収容凹所内の成形品が搬送時の振動や空気抵抗等により収容姿勢が乱れて外に飛び出すおそれもあった。
この欠点を解決するため、例えば特許文献1に示す製品収納トレーが提案されている。該製品収納トレーは、トレーを形成する熱可塑性樹脂に固体潤滑剤を混入して表面摩擦係数を低くすることにより位置ずれした状態で凹所内に収容された成形品を、その自重により位置修正可能にしている。
しかし、特許文献1に示す製品収納トレーにあっては、固体潤滑剤が混入された熱可塑性樹脂を原料としてトレーを成形しなければならず、トレー自体が高コスト化する問題を有している。また、この種のトレーは繰返し使用されることにより混入された固体潤滑剤が消費されることにより長期にわたって低摩擦係数を維持して製品を所定の姿勢に修正することが困難であった。更に、収容される成形品の表面に固体潤滑剤が付着することが避けられず、成形品によっては、トレーから取出した後に、固体潤滑剤を除去するための洗浄処理が必要になる問題を有している。
また、成形品及びこれを収容するトレー自体、合成樹脂製であるため、静電気が帯電し易くなる。このため、成形品をトレーの収容凹所内に収容する際には、それぞれに帯電した静電気によりトレー及び成形品が電気的に反発し合ったり、吸引し合ったりして成形品を収容凹所内に確実に収容させることが困難であった。
特開2001−2048号公報
解決しようとする問題点は、固体潤滑剤が混入した合成樹脂によりトレーを成形する場合には、トレーの製作コストが増大する点にある。トレーの収容凹所に対して成形品を自重落下させてトレーに成形品を箱詰めする際には、成形品を高い位置精度で移動制御しなければならず、制御装置が複雑化して高コスト化する点にある。
本発明は、保持された成形品をトレーの底面に形成されたそれぞれの収容凹所内に収容して箱詰めする方法において、トレーに対して各収容凹所に相対してガイド孔が形成されたガイド体を取り付け、先端部にて成形品を保持する保持部材をガイド体のガイド孔内に挿入した状態で成形品の保持を解除して各収容凹所内に成形品を収容可能にすることを特徴とする。
本発明は、固体潤滑剤が混入した特別の合成樹脂によりトレーを製造する必要がなく、トレーの製造コストを低減することができる。トレーの収容凹所内に対して成形品を確実に収容させて箱詰めすることができる。
本発明は、トレーに対して各収容凹所に相対してガイド孔が形成されたガイド体を取り付け、先端部にて成形品を保持する保持部材をガイド体のガイド孔内に挿入した状態で成形品の保持を解除して各収容凹所内に成形品を収容する。
以下に、実施例を示す図に従って本発明を説明する。
図1〜図5において、成形品箱詰め装置1の本体フレーム3上には成形機(図示せず)から取出された成形品(図示せず)を製品4(本発明の請求項に記載された成形品は、本実施例において製品を示す)とスプル(図示せず)とに分離するゲート切断装置(図示せず)及び製品4を箱詰めする製品箱詰め位置の間で延びる第1走行フレーム5が固定され、該第1走行フレーム5上には第1走行体7が第1走行フレーム5の長手方向へ往復移動するように支持されている。また、第1走行体7には第1走行フレーム5の長手直交方向に延びる第2走行フレーム9が設けられ、該第2走行フレーム9には第2走行体11が上記長手直交方向へ往復移動するように支持されている。そして第2走行体11には昇降フレーム13が上下方向へ移動するように支持され、該昇降フレーム13の下部にはゲート切断された製品4を保持するチャック15が昇降作動するように取付けられている。
尚、第1走行フレーム5に対して第1走行体7、第2走行フレーム9に対して第2走行体11、第2走行体11に対して昇降フレーム13及び昇降フレーム13に対してチャック15をそれぞれ移動させる駆動機構としては、数値制御されるサーボモータの回転駆動力を往復直線駆動力に変換するベルト機構、ラック・ピニオン機構、送りねじ機構等やリニアサーボモータ等のいずれであってもよい。
上記チャック15はチャック板15aに、上下方向に軸線を有した円筒形状からなり、成形品における製品4の個数に応じた数の吸着保持部材16を、後述するトレー19に形成された多数の収容凹所19aの配列に一致するように所定の間隔をおいたマトリクス状に配置して構成される。各吸着保持部材16は本発明の保持部材を構成するもので、その下端部に、後述するガイド体21の各ガイド孔21a内に挿入可能な小径の挿入部16aが設けられ、該挿入部16aの下端面に形成された吸引孔16bの周囲にはシリコンゴム等の弾性部材16cが取付けられている。各吸着保持部材16は接続された負圧発生装置(図示せず)による負圧により製品4を吸着する。また、弾性部材16cは製品4を吸着する際に気密性を確保すると共に吸着時に製品4が傷付くのを防止する。
上記した吸着保持部材16はゲート切断された製品4を吸着して保持する際に使用する部材であるが、ゲート切断する際の製品4の相互間隔は、通常は収容凹所19aの相互間隔より広くなっている。このため、吸着保持部材16の相互間隔をゲート切断する際の製品4の相互間隔に一致させて、例えば吸着保持部材16の相互間隔を収容凹所19a間隔の適宜倍数に設定し、先ず、上記個数をおいた各収容凹所19aにそれぞれの吸着保持部材16をそれぞれ相対させて製品4を収容し、次に製品4が収容された各収容凹所19aに隣接するそれぞれの収容凹所19aにそれぞれの吸着保持部材16を相対させるように位置制御して製品4をそれぞれの収容凹所19a内に収容すればよい。
上記した各吸着保持部材16の挿入部16aは吸着される製品4より若干大きい外径からなる。また、本実施例においては、製品4として、例えば比較的小型で軽量の樹脂製光学レンズを示すが、本発明にあってはこれに限定されるものでないことは勿論である。
製品箱詰め位置にはトレー供給搬出装置17が配置される。該トレー供給搬出装置17は、ベルトコンベヤ、ローラコンベヤ等の搬送装置により構成され、上面にガイド体21が取付けられた空のトレー19を製品箱詰め位置に供給すると共に製品4が収容されたトレー19を次工程へ搬出させる。尚、トレー供給搬出装置17としては、トレー供給装置及びトレー搬出装置を並行配置し、トレー供給装置により空のトレー19を製品箱詰め位置に供給すると共にトレー搬出装置により製品が箱詰めされたトレー19を搬出するように構成してもよいことは勿論である。
上記トレー19は合成樹脂製からなり、底板上面に、チャック15に取付けられる吸着保持部材16の個数の整数倍(1を含む)の個数の収容凹所19aがマトリックス状に配列されて設けられる。これら収容凹所19aは製品4の大きさより若干大きい大きさで、かつ製品4の厚さより若干大きい深さからなる。
トレー19の上部にはガイド体21が着脱可能に取付けられている。該ガイド体21は合成樹脂製で、トレー19の上面全体を覆う大きさ及び上記した吸着保持部材16の挿入部16aを所望の深さで挿入させる厚さの板状体からなる。そしてガイド体21には吸着保持部材16の挿入部16aの横断面形状とほぼ一致して挿入可能な大きさからなる多数のガイド孔21aが各収容凹所19aに相対するように形成されている。ガイド体21は、トレー19の相対する一対の側板19bの上部にて横方向へ延びるように形成された係合溝19cにその両端部を挿入して係合させることにより着脱可能に取付けられる。
次に、成形品箱詰め装置1による製品4の箱詰め方法を説明する。
成形品のスプルからゲート切断された各製品4はチャック15の各吸着保持部材16に吸着保持される。このとき、各製品4は挿入部16aの下面に対し、弾性部材16cを介して吸着されるため、製品4に対する負圧の気密性を確保して吸着を確実に行なわせることができると共に吸着時には製品4の傷付きを防止している。
次に、第1走行体7及び第2走行体11を移動制御してチャック15を、それぞれの吸着保持部材16が、製品箱詰め位置に搬入されたトレー19に取付けられたガイド体21の各ガイド孔21aの上方に位置するように移動した後、昇降フレーム13を下降して各吸着保持部材16の下端をガイド体21におけるガイド孔21aの上方に近接させる。
次に、昇降フレーム13に対してチャック15を下降して各吸着保持部材16の挿入部16aを、対応するガイド孔21a内に所望の深さで進入するように下降させる。各ガイド孔21aに対する各吸引部材16の挿入深さは、昇降フレーム13に対するチャック15の移動量を数値制御して一定の進入深さになるように移動制御したり、ガイド体21の上面に対して挿入部16aの段差大径部が当接する一定の挿入深さになるように設定される。図示の例においては、昇降フレーム13に対してチャック15の移動量を制御して挿入部16aの下端がガイド孔21aの途中に位置するようにしている。これによりガイド孔21a内に対する吸着保持部材16の挿入部16aに吸着保持された製品4を、それぞれの収容凹所19aに相対するように位置決めさせる(図6参照)。
次に、上記状態にて各吸着保持部材16によるそれぞれの製品4の吸着を解除し、各製品4を収容凹所19a内に自重落下して収容させる。このとき、自重落下するそれぞれの製品4は、収容凹所19aに対してガイド孔21aにより案内させられながら落下し、収容凹所19a内に確実に収容させることができる(図7参照)。
特に、製品4及びトレー19が合成樹脂からなるため、搬送途中に製品4やトレー19に静電気が帯電することがある。これらに静電気が帯電した状態で製品4の吸着状態を解除した際には、製品4やトレー19に帯電した静電気による吸引力又は反発力により製品4の落下姿勢が不安定になって収容凹所19a内へ製品4を確実に収容させることが困難になる。本実施例にあっては、上記したように収容凹所19a内に製品4を自重落下させる際に、ガイド体21のガイド孔21aにより製品4を案内して収容凹所19a内へ導いて確実に収容させることができる。
尚、吸着保持部材16による製品4の吸着を解除する際には、単に負圧を遮断して吸引解除するのではなく、負圧以上の圧力の圧縮空気を吐出して真空破壊することにより製品4の吸着を強制的に解除させる方法が採用されている。この場合にあっては、吸着解除時の圧力により製品4の落下姿勢が乱れ易くなるが、このような場合であってもガイド孔21aにより製品4を落下案内して収容凹所19a内へ確実に収容させることができる。
上記動作の繰返しによりトレー19の各収容凹所19a内にそれぞれの製品4を収容して箱詰めした後においては、ガイド体21を取付けたままの状態でトレー19を次工程へ搬出する。このとき、製品4が収容されたトレー19の上面に設けられたガイド体21により、搬出途中にトレー19内に進入する埃等の量を少なくすることができ、製品4の汚染を低減させることができる。これにより次工程において製品4から埃等を除去するための処理を簡易化したり、省くことができる。尚、製品4を収容したトレー19を次工程に搬送する際に、図8に示すようにトレー19に対するガイド体21の取付け位置を若干ずらしてガイド孔21a相互間に位置する閉鎖部21bを収容凹所19aに一致させることにより収容凹所19aの上面を塞いで収容された製品4にほこり等が付着するのを防止することができる。また、次工程においてトレー19から製品4を取出す際には、トレー19からガイド体21を取外してその上面を開放させて行う。
本実施例は、トレー19の収容凹所19a内に製品を収容させる際に、吸着保持部材16の挿入部16aをガイド体21のガイド孔21a内に進入させることにより収容凹所19aに対する製品4の位置決めを正確に行い、確実に収容させることができる。
本発明は、以下のよう変更実施することができる。
1.図9に示すようにトレー19の側板19b上部に位置決め部材としての複数の係合軸71を一体に設けると共にガイド体21に、各係合軸71に対応して係合孔73を形成し、係合軸71を係合孔73に挿嵌することによりトレー19にガイド体21を着脱可能にする構造等であればよい。尚、ガイド体21に位置決め部材としての係合軸を、またトレー19に係合孔を設ける構成であってもよいことは勿論である。
2.図10に示すように側板19の上部に少なくとも2個の係合孔81をガイド孔21a相互幅の約1/2の間隔をおいて設けると共にガイド体21に少なくとも1個の係合軸83を設け、係合軸83を一方の係合孔81に挿嵌した際には図11(A)に示すようにガイド孔21aを収容凹所19aに一致させると共に図11(B)に示すように係合軸83を他方の係合孔81に挿嵌した際には収容凹所19aの上方にガイド体21におけるガイド孔21a相互間の閉鎖部21bを位置させて収容凹所19aを閉鎖する構成であってもよい。
3.ガイド体21におけるガイド孔21aに対する吸着保持部材16の進入をガイドするために、例えば図12に示すように吸着保持部材16の先端部に、先端に向かって徐々に小径になるテーパ面16dを設けてガイド孔21a周縁のガイド体21に対して摺接させる形状、或いは図13に示すようにガイド孔21aの上部を、上端に向かって徐々に大径になるテーパ面21cを設けて吸着保持部材16の下部に対して摺接する形状とし、ガイド孔21aに対して吸着保持部材16を進入させる際に吸着保持部材16と収容凹所16aを相対させる構成であってもよい。
4.本実施例は、吸着保持部材16により成形品の製品4を吸着保持する構成としたが、成形品によっては、保持部材にクランプ部材を設けて成形品を把持する構成であっても、本発明として実施できる。
成形品箱詰め方法を具体化した装置例を示す斜視図である。 チャックの拡大斜視図である。 吸着保持部材の中央縦断面図である。 トレー及びガイド体を示す分解斜視図である。 ガイド体が取付けられたトレーの縦断面図である。 ガイド孔内に吸着保持部材が進入した状態を示す説明図である。 ガイド孔による製品の落下案内状態を示す説明図である。 ガイド体により収容凹所を閉鎖した状態を示す断面図である。 トレーに対するガイド体の着脱構造を示す説明図である。 トレーに対するガイド体の着脱構造を示す説明図である。 (A)は収容凹所の開放状態、(B)は収容凹所の閉鎖状態を示す説明図である。 吸着保持部材の変更実施例を示す説明図である。 ガイド孔の変更実施例を示す説明図である。
符号の説明
1 成形品箱詰め装置
4 成形品としての製品
15 チャック
16 吸着保持部材
19 トレー
19a 収容凹所
21 ガイド体
21a ガイド孔

Claims (8)

  1. 保持された成形品をトレーの底面に形成されたそれぞれの収容凹所内に収容して箱詰めする方法において、トレーに対して各収容凹所に相対してガイド孔が形成されたガイド体を取り付け、先端部にて成形品を保持する保持部材をガイド体のガイド孔内に挿入した状態で成形品の保持を解除して各収容凹所内に成形品を収容可能にする成形品箱詰め方法。
  2. 請求項1において、トレーには多数の収容凹所がマトリックス状に設けると共にガイド体には多数のガイド孔をそれぞれの収容凹所に相対してマトリックス状に形成した成形品箱詰め方法。
  3. 請求項1のガイド体は、トレーの側板上部に形成された係合溝に対して着脱可能に支持された成形品箱詰め方法。
  4. 請求項3において、トレーの各収容凹所内に成形品を収容する際にはトレーの収容凹所にガイド体のガイド孔を一致させると共にトレーに対する成形品の非収容時にはトレーに対してガイド体を移動して各収容凹所に対してガイド孔間の閉鎖部を位置させる成形品箱詰め方法。
  5. 請求項1において、トレーの側板には位置決め部材を設けると共にガイド体には位置決め部材に相対して位置決め孔を設け、位置決め部材を位置決め孔に係合して各ガイド孔をそれぞれの収容凹所に相対可能にした成形品箱詰め方法。
  6. 請求項3において、係合孔の一部に係合部及び該係合部に相対するガイド体に被係合部を設けてトレーに対してガイド体を位置決め可能にした成形品箱詰め方法。
  7. 請求項1の保持部材は、先端部側にテーパ面を設け、ガイド孔内への進入時にテーパ面により保持部材の進入を案内可能にする成形品箱詰め方法。
  8. 請求項1のガイド孔は、保持部材の進入側にテーパ面を設け、保持部材をガイド孔内に進入する際にテーパ面により保持部材の進入を案内可能にする成形品箱詰め方法。
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